JPH05295134A - 粘着性に優れたプリプレグ - Google Patents

粘着性に優れたプリプレグ

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JPH05295134A
JPH05295134A JP33432792A JP33432792A JPH05295134A JP H05295134 A JPH05295134 A JP H05295134A JP 33432792 A JP33432792 A JP 33432792A JP 33432792 A JP33432792 A JP 33432792A JP H05295134 A JPH05295134 A JP H05295134A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】強化繊維とマトリックス樹脂とからなるプリプ
レグであって、表層部分に0.5〜5.0g/m2 の粘
着剤が塗布されてなることを特徴とする粘着性に優れた
プリプレグ。 【効果】粘着性が増大するので、プリプレグのハンドリ
ング性が著しく改善でき、プリプレグの粘着性は時間を
経ても変化しにくい。粘着剤を塗布しても、複合材料の
層間剪断強度の低下の度合いは小さく、機械物性に与え
る影響は少ない。マトリックス樹脂の種類、強化繊維の
撚の有無にかかわらず粘着性のプリプレグ得ることが出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘着性に優れたプリプ
レグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂とからなる
プリプレグを中間基材とする繊維強化複合材料は、特に
その機械特性が優れているために、ゴルフクラブ、テニ
スラケット、釣り竿などのスポーツ用途をはじめ、航空
機や宇宙往環機の構造材料といった最先端の分野に至る
幅広い用途に適用されてきている。
【0003】このような繊維強化複合材料は、積層工程
において中間基材であるプリプレグを複数枚積み重ねた
後に、成形工程でマトリックス樹脂を加熱硬化させるこ
とによって作製することができる。
【0004】この時、強化繊維が一定方向に正確に引き
揃えられ、かつボイドのない緻密な成形体を得るために
は、プリプレグが適度の粘着性を示し、良好なハンドリ
ング性能を有していることが望まれる。
【0005】繊維強化複合材料を作製するために用いら
れるプリプレグは、ガラス繊維、炭素繊維あるいは有機
繊維などの少なくとも1種の強化繊維に、エポキシ樹脂
に代表される熱硬化性樹脂またはポリイミド、ポリエー
テルスルホンに代表される熱可塑性樹脂をマトリックス
樹脂として含浸することによって得ることができる。こ
の際、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を単独でマトリ
ックス樹脂とする場合には、一般に熱硬化性樹脂自身が
本来優れた粘着性を有しているために、プリプレグに粘
着性を付与することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、マトリックス
樹脂として熱可塑性樹脂を単独で用いる場合やエポキシ
樹脂に熱可塑性樹脂を配合する場合には、マトリックス
樹脂の粘着性が大幅に減少してしまうために、得られた
プリプレグの粘着性も著しく損われてしまう。
【0007】そこで、プリプレグの粘着性を上げるため
に、マトリックス樹脂中に粘着剤をブレンドすることに
よってマトリックス樹脂自身の粘着性を改善する方法も
考えられる。
【0008】しかし、この方法によれば、所望の粘着性
を得るにはマトリックス樹脂中に多量の粘着剤をブレン
ドすることが必要になり、複合材料とした時に機械物性
の著しい低下を招くことが予想される。
【0009】また、複合材料をより軽量化するために、
プリプレグ中の繊維含有率を大きくすることがしばしば
要請されるが、この場合には、マトリックス樹脂の粘着
性が優れていてもマトリックス樹脂の含有量が低下し、
プリプレグの粘着性が損われる傾向となり、改善が望ま
れていた。
【0010】さらに、用いる強化繊維に撚りがかかって
いる場合には、強化繊維に解撚方向に復元力が働くため
に、マトリックス樹脂を強化繊維に含浸した後に、経時
的にマトリックス樹脂がプリプレグの内部に潜り込むと
いう現象がみられる。そのために、プリプレグの表面部
分のマトリックス樹脂量が減少する結果、マトリックス
樹脂の粘着性が優れていてもプリプレグの粘着性が低下
してしまうことになる。
【0011】そこで、本発明は、上記欠点がなく、マト
リックス樹脂の種類、強化繊維の繊維含有率、強化繊維
の撚の有無にかかわらず優れた粘着性を有するプリプレ
グを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明は上記課題を解
決するために次の構成を有する。すなわち、強化繊維と
マトリックス樹脂とからなるプリプレグであって、表層
部分に粘着剤が0.5〜5.0g/m2 塗布されてなる
ことを特徴とする粘着性に優れたプリプレグである。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。 (強化繊維の説明)本発明の構成要素の1つである強化
繊維としては、一般に高性能強化繊維として用いられる
耐熱性及び引張強度の良好な繊維を用いることができ
る。たとえば、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭
化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維
が挙げられる。これらの強化繊維は、長繊維、短繊維の
何れであってもかまわない。また、これらの繊維を2種
以上混合して用いてもかまわない。
【0014】強化繊維の形状や配列については限定され
ず、たとえば、単一方向、ランダム方向、シート状、マ
ット状、織物(クロス)状、組み紐状などいずれの形状
・配列でも使用可能である。
【0015】(マトリックス樹脂の説明)本発明の構成
要素の1つであるマトリックス樹脂としては、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。また、これらを混合
して用いてもかまわない。熱硬化性樹脂とは、熱、光、
電子線などの外部エネルギーにより硬化して、少なくと
も部分的に3次元硬化物を形成する樹脂をいい、好まし
い熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステ
ル樹脂が挙げられる。この熱硬化性樹脂は、一般に硬化
剤や硬化触媒と組み合わせて用いられる。
【0016】エポキシ樹脂としては、得られる複合材料
の物性を向上させる観点からアミン類、フェノール類、
炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキ
シ樹脂が好ましい。
【0017】具体的には、アミン類を前駆体とするエポ
キシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリ
グリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルア
ミノクレゾールの各種異性体が挙げられる。
【0018】フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ
樹脂が挙げられる。
【0019】炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体
とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等が
挙げられる。
【0020】ビニルエステル樹脂としては、エポキシ樹
脂と同様の観点からエピビス型、ノボラック型、ウレタ
ン含有型、カルボキシ基含有型などが好ましく用いられ
る。ビニルエステル樹脂としては、同様の観点からエピ
ビス型、ノボラック型、ウレタン含有型、カルボキシ基
含有型などが好ましく用いられる。また、これらのエポ
キシ樹脂やビニルエステル樹脂は、単独で用いてもよい
し、適宜配合して用いてもよい。
【0021】エポキシ樹脂は、エポキシ硬化剤と組み合
わせて好ましく用いられる。エポキシ硬化剤はエポキシ
基と反応し得る活性基を有する化合物であればよく、具
体的には、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジア
ミド、三沸化ホウ素錯体、ポリフェノール化合物などを
使用することが出来る。また、これらの硬化剤に、イミ
ダゾール類や尿素化合物などを硬化促進剤として併用す
ることも出来る。
【0022】ビニルエステル樹脂は、単独でも硬化し得
るが、好ましくは、ベンゾイルパーオキサイド、メチル
エチルケトンパーオキサイドなどの有機過酸化物を触媒
として硬化せしめる。
【0023】本発明において、マトリックス樹脂として
熱硬化性樹脂を用いる際には、更に、マレイミド樹脂、
アセチレン末端を有する樹脂、ナジック酸末端を有する
樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、ビニル末端
を有する樹脂、アリル末端を有する樹脂が好ましく併用
される。これらは、適宜、エポキシ樹脂や、他の樹脂と
混合してもよい。また、反応性希釈剤を用いたり、熱可
塑性樹脂やエラストマーなどの改質剤を混合して用いる
ことができる。
【0024】マレイミド樹脂は、末端にマレイミド基を
平均2個以上含む化合物である。このマレイミド樹脂
は、単独で用いることも出来るが、ジアリルビスフェノ
ールAなどの反応性希釈剤と組み合わせて用いることに
よって、プリプレグに好適な樹脂とすることが出来る。
シアン酸エステル末端を有する樹脂は、ビスフェノール
Aに代表される多価フェノールのシアン酸エステル化合
物が好適である。シアン酸エステル樹脂は、特に、ビス
マレイミド樹脂と組み合わせることにより、プリプレグ
に適した樹脂とすることが出来る。
【0025】本発明のマトリックス樹脂として、上記し
た熱硬化性樹脂の他に、熱可塑性樹脂を用いることもで
きる。熱可塑性樹脂としては、主鎖に炭素炭素結合、ア
ミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、
カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエー
テル結合、スルホン結合、イミダゾール結合、カルボニ
ル結合から選ばれる結合を有するものが本発明に好適で
ある。
【0026】また、上記した熱硬化性樹脂と熱可塑性樹
脂とを混合して用いることもできる。
【0027】(粘着剤の説明)本発明における粘着剤と
しては、ジエンゴム系、アクリルゴム系、シリコーンゴ
ム系などの粘着剤を用いることができる。耐熱性の面か
らは、アクリルゴム系粘着剤が好ましく、シリコーンゴ
ム系粘着剤がより好ましい。また、シリコーンゴム系粘
着剤は撥水性を有しているので、複合材料の吸水率を低
下することができ好適である。
【0028】ジエンゴム系粘着剤としては、ポリイソプ
レンゴム、SBRゴム、カルボキシル変性SBRゴム、
SISゴム、SBSゴム、SEBSゴム、ブチルゴム、
ポリイソブチレゴムンなどからなる粘着剤が挙げられ
る。
【0029】アクリルゴム系粘着剤としては、アクリル
酸やメタクリル酸のアルキルエステルポリマーからなる
粘着剤が挙げられる。かかるポリマーに粘着性を発現さ
せるためには、エステル基として長鎖アルキルエステル
基が適している。さらに、ガラス転移温度を容易に−5
0℃以下として十分な粘着性を発現させる観点からは、
アルキル基の炭素数を2から10とすれば好適である。
【0030】もちろん、最終的に得られるアクリルゴム
系ポリマーのガラス転移温度が、−50℃以下となるの
であれば、アルキル基の炭素数が2〜10の範囲以外の
アクリルモノマーを適宜共重合することは差し支えな
い。
【0031】これらのアクリルゴム系粘着剤は、その粘
着性能を向上させるために、アクリルゴムポリマーをカ
ルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アミノ基などで
変性することも好ましく行なわれる。
【0032】シリコーン系粘着剤としては、たとえば、
東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製の“SH42
80”などが好ましく用いられる。
【0033】(粘着性改善方法の説明)これらのジエン
系ゴム粘着剤は、単独で用いてもよいが、複合材料の力
学物性や耐熱性の低下を抑制するため、熱硬化性樹脂さ
らには硬化剤、硬化触媒を組み合わせた熱硬化性樹脂を
配合して用いることが好ましい。
【0034】プリプレグの粘着性、粘着剤の塗工性及び
該プリプレグから作製される複合材料の力学物性保持の
観点から、50重量%以上の熱硬化性樹脂、好ましくは
70〜90重量%の熱硬化性樹脂をジエン系ゴム粘着剤
と配合して用いることが好ましい。
【0035】熱硬化性樹脂としては、マトリックス樹脂
組成中の樹脂を用いることが複合材料とした時の力学物
性保持の観点から好ましく、エポキシ樹脂、ビニルエス
テル樹脂が用いられる。
【0036】具体的には、アミン類を前駆体とするエポ
キシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリ
グリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルア
ミノクレゾールの各種異性体が挙げられる。
【0037】フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ
樹脂が挙げられる。
【0038】炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体
とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等が
挙げられる。
【0039】ビニルエステル樹脂としては、エポキシ樹
脂と同様の観点からエピビス型、ノボラック型、ウレタ
ン含有型、カルボキシ基含有型などが好ましく用いられ
る。本発明のプリプレグにおいて、粘着剤はプリプレグ
表層部分に0.5〜5.0g/m2 の範囲、好ましくは
1.0〜3.0g/m2 の範囲で塗布されるものであ
る。粘着剤の塗布量が0.5g/m2 より少ないと、プ
リプレグに充分な粘着性を付与することが出来ない。一
方、粘着剤の量が5.0g/m2 より多い場合には、そ
のプリプレグを用いて得られた複合材料の層間剪断強度
などの機械物性が低下する。なお、プリプレグ表層部分
とは、通常、離型紙または離型フィルムが貼付されてい
る側の反対面の表層部分をいう。
【0040】これらの粘着剤の塗布方法としては、直接
塗布法、間接塗布法がある。直接塗布法は、粘着剤塗布
時にプリプレグ表面へ熱、溶剤等による悪影響を及ぼす
おそれがある。これに対し、粘着剤を離型紙上に塗布し
て得た粘着剤シートの上にプリプレグを置き、加圧によ
りプリプレグ上に粘着剤を転写する間接塗布法は、粘着
剤塗布時にプリプレグ表面への悪影響が排除できるため
に適している。
【0041】間接塗布法には、粘着剤を溶剤に溶解した
後に塗布する溶剤法、アクリル酸エステルのごとき乳化
重合で得られるポリマ−エマルジョンを塗布するエマル
ジョン法、粘着剤を加熱溶融して塗布するホットメルト
法などが挙げられ、いずれの方法を用いてもプリプレグ
表面に粘着性を付与する有効な方法として用いることが
出来る。
【0042】また、粘着剤の塗布形態は、膜状、ストラ
イプ状(スジ状)、ドット状、不織布状のいずれの形態
であっても構わない。しかしながら、ホットメルト法で
の粘着剤の塗布を考えた場合には、塗布量制御の観点か
らストライプ状(スジ状)、ドット状、不織布状塗布が
適している。
【0043】粘着剤の塗布を行うプリプレグとしては、
複合材料の軽量化を目的に従来のプリプレグ中の繊維含
有率をより大きくしたプリプレグ、すなわちマトリック
ス樹脂の樹脂含有量低下に伴い粘着性が損なわれたプリ
プレグへの適用が好適である。
【0044】本発明のように、粘着剤をプリプレグ表層
に塗布する手段を採れば、プリプレグ表面に必要最少量
の粘着剤を塗布することが可能であるために、得られる
複合材料の機械物性や耐熱性の低下を最低限にとどめる
ことができる。また、粘着剤はプリプレグ表面に存在す
る強化繊維上に多く点在すると考えられ、かかる状態で
存在する粘着剤は、強化繊維に撚りがかかり、経時的に
マトリックス樹脂がプリプレグ内に沈み込みがちな場合
においても多くの粘着剤がプリプレグ表層に保持され
る。このために、プリプレグ表層部分の粘着性が長く持
続することになる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)東レ(株)製エポキシ樹脂“#2500”
を東レ(株)製炭素繊維“トレカ”T300を一方向に
引揃えたシートに含浸して得られたプリプレグ(繊維重
量含有率:70%)を10cm角にカットし、これに住
友3M(株)製アクリル系ゴム粘着剤スプレー“55”
タイプを20cmの高さから2秒間噴霧した。室温で1
0分間放置した後に塗布量を計ったところ、1.85g
/m2 のアクリルゴム系粘着剤がプリプレグ表層に塗布
されていた。
【0046】このプリプレグを23℃,RH40%の雰
囲気中に一定時間放置した後、直径10mmのスチール
製円柱に、繊維引揃え方向が円柱長手方向に対して45
°の角度になるように巻き付けた。これらを23℃、R
H40%の雰囲気中に放置して、一定時間経過後のプリ
プレグの巻き付き状況を観察した。その結果、円柱巻き
付け24時間後においても、良好な巻き付け性能を有し
ていた。この傾向は、プリプレグを64時間放置した後
に行なっても同様にその効果を持続していることが判っ
た。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 また、このプリプレグを1方向に積層した後に、オート
クレーブ中で130℃,2時間処理して硬化させた。得
られた複合材料を、煮沸水中に45時間浸漬して吸水処
理した後、室温で層間剪断強度(ILSS)の測定を行
なった。得られたILSSの値は4.1kgf/mm2 となっ
た。これは、後述する粘着剤を塗布しないプリプレグ
(比較例)についてILSSを測定した値の85%であ
り、良好な保持率を示していた。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】 (実施例2)実施例1で用いたと同じ10cm角のプリ
プレグに、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)のシ
リコーン系ゴム粘着剤“SH4280”のトルエン溶液
を塗布した。80℃,3分乾燥した後に塗布量を計った
ところ、1.81g/m2 のシリコーン系ゴム粘着剤が
プリプレグ表層に塗布されていた。
【0049】このプリプレグを23℃,RH40%の雰
囲気中に一定時間放置した後、直径10mmのスチール
製円柱に繊維引揃え方向が円柱長手方向に対して45°
の角度になるように巻き付けた。これらを23℃,RH
40%の雰囲気中に放置して、一定時間経過後のプリプ
レグの巻き付き状況を観察した。その結果、円柱巻き付
け24時間後においても、良好な巻き付け性能を有して
いた。この傾向は、プリプレグを64時間放置した後に
おいても同様でその効果を持続していることが判った。
更に、実施例1のアクリルゴム系粘着剤を用いた場合と
比較して、より優れた巻き付き性能を有していることも
判った。結果を表3に示す。
【0050】
【表3】 また、実施例1と同様に、層間剪断強度(ILSS)の
測定を行なった。得られたILSSの値は4.0kgf/mm
2 となった。これは、粘着剤を塗布しないプリプレグの
ILSS測定値の83%であり、実施例1と同様、良好
な保持率を示していた。結果を表2に併せて示す。
【0051】(比較例1)実施例1で用いたと同じプリ
プレグに何ら接着剤を塗布することなく、23℃,RH
40%の雰囲気中に一定時間放置した後、直径10mm
のスチール製円柱に、繊維方向が円柱長手方向に対して
45°の角度になるように巻き付けた。これらを23
℃,RH40%の雰囲気中に放置して、一定時間経過後
のプリプレグの巻き付き状況を観察した。粘着剤を塗布
した場合に比べると、プリプレグの巻き付け性は極端に
劣り、円柱に巻き付けることは全く不可能であった。
【0052】また、層間剪断強度(ILSS)の測定を
行なった結果を表2に併せて示す。 (実施例3)ニトリルゴム“Nipol1072(日本
ゼオン(株)製)”50重量部、エポキシ樹脂“Ep8
28(油化シェル(株)製)”50重量部に硬化剤ジシ
アンジアミド“DICY”、硬化助剤3,4−ジクロロ
フェニル−1,1−ジメチルウレア“DCMU”を添加
した濃度10wt%のメチルエチルケトン溶液を離型紙
上にバーコーターNo.22(江藤器械(株)製)を用
いて塗布し、50℃で10分間熱風乾燥器で乾燥を行
い、熱硬化性樹脂配合ジエン系ゴム粘着剤シートを得
た。
【0053】エポキシ樹脂“#2500(東レ(株)
製)”を炭素繊維“M46J(東レ(株)製)”に含浸
して得られたプリプレグ(繊維重量含有率76%)を1
0cm角にカットし、これを先に作製した熱硬化性樹脂
配合ジエン系ゴム粘着剤シート上に載せ、さらにその上
に離型紙を載せてニップロールを通し、プリプレグ上へ
の熱硬化性樹脂配合ジエン系ゴム粘着剤を転写した。転
写後のプリプレグ重量を計ったところ、35mgの熱硬
化性樹脂配合ジエン系ゴム粘着剤がプリプレグ表面に塗
布されていた。
【0054】このプリプレグを25℃、相対湿度50%
の雰囲気中に一定時間放置した後に、プリプレグをアル
ミ板に両面テープを用いて貼付け、剥離強度の測定を行
ったところ、熱硬化性樹脂配合ジエン系ゴム粘着剤の塗
布を行わなかったプリプレグと比較して、一定時間後の
剥離強度が大きく改善されていた。結果を表4に示す。
【0055】
【表4】 また、このプリプレグを一方向に積層した後に、オート
クレーブ中で130℃×2時間硬化させた。得られた複
合材料について、室温で層間剪断強度(ILSS)、曲
げ強度、曲げ弾性率を測定した。得られたILSSの値
は7.7kgf/mm2 であった。これは、粘着剤を塗
布しない場合のILSSの値8.3kgf/mm2 と比
較して良好な保持率を示した。結果を表5に示す。
【0056】
【表5】 (実施例4)ニトリルゴム“Nipol1072(日本
ゼオン(株)製)”50重量部、エポキシ樹脂“Ep8
28(油化シェル(株)製)”50重量部を混合した濃
度10wt%のメチルエチルケトン溶液から実施例3と
同様な操作で熱硬化性樹脂配合ジエン系ゴム粘着剤シー
トを得た。
【0057】実施例3で用いたものと同じ10cm角の
プリプレグに、熱硬化性樹脂配合ジエン系ゴム粘着剤を
実施例3と同様な操作で転写した。転写後のプリプレグ
重量を計ったところ、35mgの熱硬化性樹脂配合ジエ
ン系ゴム粘着剤がプリプレグ表面に塗布されていた。
【0058】このプリプレグを25℃、相対湿度50%
の雰囲気中に一定時間放置した後に、実施例3と同様に
剥離強度の測定を行った結果、実施例3で求められた剥
離強度の値に若干劣るものの、熱硬化性樹脂配合ジエン
系ゴムの塗布を行わなかったプリプレグと比較すると、
一定時間後の剥離強度が大きく改善された。結果を表4
に併せて示す。
【0059】また、このプリプレグを一方向に積層した
後に、オートクレーブ中で130℃×2時間硬化させ
た。得られた複合材料について、室温で層間剪断強度
(ILSS)、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。得ら
れたILSSの値は7.2kgf/mm2 であり良好な
保持率を示した。結果を表5に併せて示す。
【0060】(比較例2)エポキシ樹脂“#2500
(東レ(株)製)”を炭素繊維“M46J(東レ(株)
製)”に含浸して得られたプリプレグ(繊維重量含有率
は、76%)のカバーフィルムを剥離し、25℃、相対
湿度50%の雰囲気中に一定時間放置した後に、そのプ
リプレグの剥離強度を一定時間経過後測定した。カバー
フィルム剥離後から剥離強度は経時的に減少し、熱硬化
性樹脂配合ジエン系ゴム粘着剤を塗布した系に比べる
と、プリプレグ表面の剥離強度は極端に劣っていた。結
果を表4に併せて示す。
【0061】また、実施例3と同様に、層間剪断強度
(ILSS)、曲げ強度、曲げ弾性率の測定を行った。
結果を表5に併せて示す。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、プリプレグの粘着性が
増大するので、プリプレグのハンドリング性が著しく改
善でき、得られたプリプレグの粘着性は時間を経ても変
化しにくい。また、粘着剤を塗布しても、得られる複合
材料の層間剪断強度の低下の度合いは小さく、機械物性
に与える影響は少ない。また、マトリックス樹脂の種
類、強化繊維の撚の有無にかかわらず粘着性のプリプレ
グを得ることが出来る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化繊維とマトリックス樹脂とからなるプ
    リプレグであって、表層部分に0.5〜5.0g/m2
    の粘着剤が塗布されてなることを特徴とする粘着性に優
    れたプリプレグ。
  2. 【請求項2】粘着剤がアクリルゴム系粘着剤であること
    を特徴とする請求項1記載の粘着性に優れたプリプレ
    グ。
  3. 【請求項3】粘着剤がジエンゴム系粘着剤であることを
    特徴とする請求項1記載の粘着性に優れたプリプレグ。
  4. 【請求項4】粘着剤がシリコーンゴム系粘着剤であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の粘着性に優れたプリプレ
    グ。
  5. 【請求項5】粘着剤が熱硬化性樹脂とジエンゴムからな
    る粘着剤であることを特徴とする請求項1記載の粘着性
    に優れたプリプレグ。
  6. 【請求項6】ジエンゴムがニトリルゴムであることを特
    徴とする請求項5記載の粘着性に優れたプリプレグ。
  7. 【請求項7】熱硬化性樹脂が硬化剤および/または硬化
    触媒を含有することを特徴とする請求項5記載の粘着性
    に優れたプリプレグ。
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