JPH05295011A - (メタ)アクリル酸の重合防止方法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸の重合防止方法Info
- Publication number
- JPH05295011A JPH05295011A JP12136592A JP12136592A JPH05295011A JP H05295011 A JPH05295011 A JP H05295011A JP 12136592 A JP12136592 A JP 12136592A JP 12136592 A JP12136592 A JP 12136592A JP H05295011 A JPH05295011 A JP H05295011A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- acrylic acid
- polymerization
- alkali metal
- metal salt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 (メタ)アクリル酸の精製時、貯蔵もしくは
輸送時またはエステル化反応時に、重合防止剤として、
酸性条件下におけるFe(III)との錯体の安定度定数が
10以上のキレート化剤と、フェノチアジン、芳香族ア
ミン類、フェノール類化合物の一種以上を共存させる。 【効果】 複合型重合抑制剤を共存させる事により、
(メタ)アクリル酸の精製時、貯蔵もしくは輸送時およ
びエステル化反応時に問題となる重合物発生を防止する
事ができる。さらに重合防止剤の添加量を削減すること
が可能となり、着色のより少ない高品質の製品を得る事
ができる。
輸送時またはエステル化反応時に、重合防止剤として、
酸性条件下におけるFe(III)との錯体の安定度定数が
10以上のキレート化剤と、フェノチアジン、芳香族ア
ミン類、フェノール類化合物の一種以上を共存させる。 【効果】 複合型重合抑制剤を共存させる事により、
(メタ)アクリル酸の精製時、貯蔵もしくは輸送時およ
びエステル化反応時に問題となる重合物発生を防止する
事ができる。さらに重合防止剤の添加量を削減すること
が可能となり、着色のより少ない高品質の製品を得る事
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(メタ)アクリル酸の重
合防止方法に関するものである。更に詳しくはアクリル
酸またはメタクリル酸の精製、貯蔵もしくは輸送中また
はエステル化反応時に、重合防止剤として、酸性条件下
でFe(III)との錯体の安定度定数が10以上のキレー
ト化剤と、フェノチアジン、芳香族アミン類、フェノー
ル類化合物の一種以上を共存させることを特徴とする重
合防止方法に関するものである。
合防止方法に関するものである。更に詳しくはアクリル
酸またはメタクリル酸の精製、貯蔵もしくは輸送中また
はエステル化反応時に、重合防止剤として、酸性条件下
でFe(III)との錯体の安定度定数が10以上のキレー
ト化剤と、フェノチアジン、芳香族アミン類、フェノー
ル類化合物の一種以上を共存させることを特徴とする重
合防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸は、極めて重合しや
すく、製造工程、貯蔵もしくは輸送中またはエステル化
反応に使用する際に、熱、光、その他の要因によりしば
しば重合トラブルを起こすことが知られている。
すく、製造工程、貯蔵もしくは輸送中またはエステル化
反応に使用する際に、熱、光、その他の要因によりしば
しば重合トラブルを起こすことが知られている。
【0003】従来から、(メタ)アクリル酸用の重合抑
制剤として、フェノチアジン、フェニレンジアミン等の
芳香族アミン類、ハイドロキノン及びその誘導体等のフ
ェノール類化合物が知られている。
制剤として、フェノチアジン、フェニレンジアミン等の
芳香族アミン類、ハイドロキノン及びその誘導体等のフ
ェノール類化合物が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の化合物は重合抑制剤としての能力が不十分であった
り、高価である等の問題を有していた。さらに(メタ)
アクリル酸のモノマーとしての貯蔵安定性を確保するた
め多量に添加した場合には、着色の原因になったり、ま
た蒸留操作によってのみ、重合抑制剤の除去が可能であ
り、その除去は容易でなかった。
の化合物は重合抑制剤としての能力が不十分であった
り、高価である等の問題を有していた。さらに(メタ)
アクリル酸のモノマーとしての貯蔵安定性を確保するた
め多量に添加した場合には、着色の原因になったり、ま
た蒸留操作によってのみ、重合抑制剤の除去が可能であ
り、その除去は容易でなかった。
【0005】本発明者らは、前記の問題点を克服すべ
く、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
く、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは(メタ)ア
クリル酸の重合原因について詳細に解析したところ、多
くの場合、(メタ)アクリル酸中に極く微量存在する鉄
イオン(Fe(III))により重合が起こることを見いだ
すに至った。この鉄イオン濃度は数ppb 以下の、極く微
少量であるにも拘らず、(メタ)アクリル酸と特殊な錯
体を形成して、重合に至る事が判明した。最近の分析技
術の進歩によってはじめて測定可能となった、この極く
微少量の鉄イオンの混入は避けられず、また除去する事
も容易ではない。そこで本発明者らは重合起因となる鉄
錯体を分解する物質について鋭意検討した結果、酸性条
件下でFe(III)との錯体の安定度定数が10以上のキ
レート化剤のみが、その効果を有する事を見いだし、本
発明に到達した。すなわち本発明は(メタ)アクリル酸
の精製時、貯蔵もしくは輸送時、エステル化反応使用時
に、重合防止剤として、酸性条件下でFe(III)との錯
体の安定度定数が10以上のキレート化剤と、フェノチ
アジン、芳香族アミン類、フェノール類化合物の一種以
上を共存させることを特徴とする(メタ)アクリル酸の
重合防止方法である。
クリル酸の重合原因について詳細に解析したところ、多
くの場合、(メタ)アクリル酸中に極く微量存在する鉄
イオン(Fe(III))により重合が起こることを見いだ
すに至った。この鉄イオン濃度は数ppb 以下の、極く微
少量であるにも拘らず、(メタ)アクリル酸と特殊な錯
体を形成して、重合に至る事が判明した。最近の分析技
術の進歩によってはじめて測定可能となった、この極く
微少量の鉄イオンの混入は避けられず、また除去する事
も容易ではない。そこで本発明者らは重合起因となる鉄
錯体を分解する物質について鋭意検討した結果、酸性条
件下でFe(III)との錯体の安定度定数が10以上のキ
レート化剤のみが、その効果を有する事を見いだし、本
発明に到達した。すなわち本発明は(メタ)アクリル酸
の精製時、貯蔵もしくは輸送時、エステル化反応使用時
に、重合防止剤として、酸性条件下でFe(III)との錯
体の安定度定数が10以上のキレート化剤と、フェノチ
アジン、芳香族アミン類、フェノール類化合物の一種以
上を共存させることを特徴とする(メタ)アクリル酸の
重合防止方法である。
【0007】本発明に用いられる(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸またはメタクリル酸であり、どのような
製法により製造された(メタ)アクリル酸にも用いるこ
とができる。
は、アクリル酸またはメタクリル酸であり、どのような
製法により製造された(メタ)アクリル酸にも用いるこ
とができる。
【0008】錯体の酸性条件下での安定度定数について
は、例えば上野景平著作「キレート滴定法」(南江堂発
行)に詳しい記述があるが、本発明で使用される、酸性
条件下で安定度定数10以上のキレート化剤として、具
体的には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トラ
ンス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyD
TA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)があ
る。これらのキレート化剤はそのまま、または調製時の
溶解性を考慮してナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩等のアルカリ金属塩として用いることができる。この
使用量は、特に制限はないが、(メタ)アクリル酸モノ
マーにたいして0.00001〜0.001重量%と微
少量で著しい効果を発揮する。キレート化剤と共存使用
する重合抑制剤としてフェノチアジン、芳香族アミン
類、フェノール類等があるが、具体的には、フェノチア
ジン(PTZ)、p−フェニレンジアミン、ジフェニル
アミン、ハイドロキノン(HQ)、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル(メトキノンMQ)があり、その一種以
上がもちいられ、その使用量は0.0001〜0.05
重量%、好ましくは0.0001〜0.03重量%であ
る。
は、例えば上野景平著作「キレート滴定法」(南江堂発
行)に詳しい記述があるが、本発明で使用される、酸性
条件下で安定度定数10以上のキレート化剤として、具
体的には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トラ
ンス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyD
TA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)があ
る。これらのキレート化剤はそのまま、または調製時の
溶解性を考慮してナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩等のアルカリ金属塩として用いることができる。この
使用量は、特に制限はないが、(メタ)アクリル酸モノ
マーにたいして0.00001〜0.001重量%と微
少量で著しい効果を発揮する。キレート化剤と共存使用
する重合抑制剤としてフェノチアジン、芳香族アミン
類、フェノール類等があるが、具体的には、フェノチア
ジン(PTZ)、p−フェニレンジアミン、ジフェニル
アミン、ハイドロキノン(HQ)、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル(メトキノンMQ)があり、その一種以
上がもちいられ、その使用量は0.0001〜0.05
重量%、好ましくは0.0001〜0.03重量%であ
る。
【0009】この重合防止剤は、(メタ)アクリル酸と
メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキ
サノール、エチレンオキサイド、ステアリルアルコー
ル、トリブチル錫オキサイド等との反応にも使用され
る。その際、触媒として硫酸、p−トルエンスルホン
酸、陽イオン交換樹脂等が使用されるが特に制限はな
い。
メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキ
サノール、エチレンオキサイド、ステアリルアルコー
ル、トリブチル錫オキサイド等との反応にも使用され
る。その際、触媒として硫酸、p−トルエンスルホン
酸、陽イオン交換樹脂等が使用されるが特に制限はな
い。
【0010】また、本発明の使用雰囲気は、窒素等の不
活性ガス下でも有効であるが、(メタ)アクリル酸の精
製時およびエステル反応使用時においては、酸素の存在
下で使用する方が有効である。この場合の酸素の供給方
法としては、空気バブリング方式が具体例として挙げら
れる。
活性ガス下でも有効であるが、(メタ)アクリル酸の精
製時およびエステル反応使用時においては、酸素の存在
下で使用する方が有効である。この場合の酸素の供給方
法としては、空気バブリング方式が具体例として挙げら
れる。
【0011】さらに、実施例で示すように、本発明の重
合防止能力は、従来のものより格段に優れており、使用
する場合もその添加量を大幅に削減することが可能とな
る。それ故、着色も少なくなり、特に貯蔵安定剤として
用いる場合には、除去操作も必要としない。
合防止能力は、従来のものより格段に優れており、使用
する場合もその添加量を大幅に削減することが可能とな
る。それ故、着色も少なくなり、特に貯蔵安定剤として
用いる場合には、除去操作も必要としない。
【0012】また、本発明で使用するキレート化剤は、
既知物質で毒性も低く、重金属を含有しない化合物であ
るため、環境汚染の問題もない。
既知物質で毒性も低く、重金属を含有しない化合物であ
るため、環境汚染の問題もない。
【0013】本発明を実施する事により、従来技術の欠
点を解決する事が可能となり、その工業的意義は極めて
大きいものと思われる。
点を解決する事が可能となり、その工業的意義は極めて
大きいものと思われる。
【0014】
【実施例】次に実施例により、具体的に説明するが、こ
れらは、本発明を限定するものではない。なお、以下の
例において、%、ppm 、ppb はいずれも重量%、重量pp
m、重量ppb を示すものである。 (実験手法) 重合誘導期(IP)の測定;重合防止剤の効果を判定す
るために、(メタ)アクリル酸モノマーが重合に至まで
の誘導期の測定を行った。すなわち所定量の添加物を含
有する(メタ)アクリル酸を調製し、その5mlを試験官
に採り、シリコンゴム栓で密封した後、アクリル酸の場
合、100℃、メタクリル酸の場合、110℃の油浴中
に浸し、重合開始に伴って当該サンプルに濁りが発生す
るまでの時間を測定する。こうして得られた重合に至る
までの誘導期をIP−100(アクリル酸の場合)、ま
たはIP−110(メタクリル酸の場合)と略記して、
時間の単位で表わした。 (実施例1)メタクリル酸に、pH3におけるFe(III)
との錯体の安定度定数が12.3であるEDTAの2カ
リウム塩(EDTA−2K)1.0ppm と、メトキノン
(MQ)50ppm を添加してIP−110を測定した結
果21.0時間であった。なおこのメタクリル酸を一度
焼却処理した後、1N硝酸溶液として、フレームレス法
原子吸光光度法で鉄イオン濃度を測定すると、3ppbであ
った。 (比較例1)実施例1で使用したメタクリル酸にEDT
A−2K 1.0ppm のみを添加した場合のIP−11
0は0.1時間であった。 (比較例2)実施例1で使用したメタクリル酸にMQ
50ppm のみを添加した場合のIP−110は2.1時
間であった (実施例2)実施例1と同様にして測定した結果、0.
2ppm の鉄を含有するメタクリル酸にEDTA−2Kを
2.0ppm 添加し、フェノチアジン(PTZ)30ppm
を添加して、IP−110を測定した。その結果25.
6時間であった。 (比較例3)実施例2と同様に、EDTA−2Kのみを
添加しないでIP−110を測定すると、2.2時間で
あった。 (実施例3〜7)実施例1と同じメタクリル酸を用いて
(表1)に示す重合防止剤を添加した時のIP−110
を測定した。結果を(表1)にまとめて示す。なおpH3
におけるFe(III)との錯体の安定度定数は、CyDT
Aで14.5、DTPAで10.5である。 (表1) 実施例 重合防止剤 IP−110 (ppm) (hrs) 3 EDTA−2Na 0.5 6.6 MQ 50 4 CyDTA−2K 0.5 7.6 PTZ 50 5 DTPA 1.0 23.7 MQ 50 6 EDTA−2K 1.0 15.3 p−フェニレンジアミン 30 7 EDTA−2Li 0.5 8.8 PTZ 50 (比較例4〜9)実施例1と同じメタクリル酸を用いて
(表2)に示す重合防止剤を添加した時のIP−110
を測定した。結果を(表2)にまとめて示す。ただし、
pH3におけるFe(III)との錯体の安定度定数は、クエ
ン酸が6.4、アセチルアセトンが約1である。 (表2) 比較例 重合防止剤 IP−110 (ppm) (hrs) 4 CyDTA−2K 0.5 0.1 5 DTPA 1.0 0.2 6 p−フェニレンジアミン 30 1.3 7 EDTA−2Li 0.5 0.1 8 クエン酸 1.0 0.2 9 アセチルアセトン 1.0 0.1 (実施例8)実施例2で用いたメタクリル酸100mlを
減圧蒸留装置に入れ、CyDTAを2.0ppm 、PTZ
を30ppm 添加して、95℃で全環流を10時間実施し
た。冷却した後のメタクリル酸の外観は透明で、ポリマ
ーの生成による濁りは認められなかった。 (比較例10)実施例8と同様の装置、条件で、CyD
TAのみを添加しないメタクリル酸の全環流を5時間実
施した。冷却後のメタクリル酸にはポリマーによる濁り
の発生が確認された。 (実施例9)0.05ppm のFeイオンを含むアクリル
酸にEDTA−2Kを1.5ppm 、MQを200ppm 添
加してIP−100を測定した。その結果は18.3時
間であった。 (比較例11)EDTA−2Kのみは添加しないで、実
施例9と同様にIP−100を測定した。その結果は
1.6時間であった。
れらは、本発明を限定するものではない。なお、以下の
例において、%、ppm 、ppb はいずれも重量%、重量pp
m、重量ppb を示すものである。 (実験手法) 重合誘導期(IP)の測定;重合防止剤の効果を判定す
るために、(メタ)アクリル酸モノマーが重合に至まで
の誘導期の測定を行った。すなわち所定量の添加物を含
有する(メタ)アクリル酸を調製し、その5mlを試験官
に採り、シリコンゴム栓で密封した後、アクリル酸の場
合、100℃、メタクリル酸の場合、110℃の油浴中
に浸し、重合開始に伴って当該サンプルに濁りが発生す
るまでの時間を測定する。こうして得られた重合に至る
までの誘導期をIP−100(アクリル酸の場合)、ま
たはIP−110(メタクリル酸の場合)と略記して、
時間の単位で表わした。 (実施例1)メタクリル酸に、pH3におけるFe(III)
との錯体の安定度定数が12.3であるEDTAの2カ
リウム塩(EDTA−2K)1.0ppm と、メトキノン
(MQ)50ppm を添加してIP−110を測定した結
果21.0時間であった。なおこのメタクリル酸を一度
焼却処理した後、1N硝酸溶液として、フレームレス法
原子吸光光度法で鉄イオン濃度を測定すると、3ppbであ
った。 (比較例1)実施例1で使用したメタクリル酸にEDT
A−2K 1.0ppm のみを添加した場合のIP−11
0は0.1時間であった。 (比較例2)実施例1で使用したメタクリル酸にMQ
50ppm のみを添加した場合のIP−110は2.1時
間であった (実施例2)実施例1と同様にして測定した結果、0.
2ppm の鉄を含有するメタクリル酸にEDTA−2Kを
2.0ppm 添加し、フェノチアジン(PTZ)30ppm
を添加して、IP−110を測定した。その結果25.
6時間であった。 (比較例3)実施例2と同様に、EDTA−2Kのみを
添加しないでIP−110を測定すると、2.2時間で
あった。 (実施例3〜7)実施例1と同じメタクリル酸を用いて
(表1)に示す重合防止剤を添加した時のIP−110
を測定した。結果を(表1)にまとめて示す。なおpH3
におけるFe(III)との錯体の安定度定数は、CyDT
Aで14.5、DTPAで10.5である。 (表1) 実施例 重合防止剤 IP−110 (ppm) (hrs) 3 EDTA−2Na 0.5 6.6 MQ 50 4 CyDTA−2K 0.5 7.6 PTZ 50 5 DTPA 1.0 23.7 MQ 50 6 EDTA−2K 1.0 15.3 p−フェニレンジアミン 30 7 EDTA−2Li 0.5 8.8 PTZ 50 (比較例4〜9)実施例1と同じメタクリル酸を用いて
(表2)に示す重合防止剤を添加した時のIP−110
を測定した。結果を(表2)にまとめて示す。ただし、
pH3におけるFe(III)との錯体の安定度定数は、クエ
ン酸が6.4、アセチルアセトンが約1である。 (表2) 比較例 重合防止剤 IP−110 (ppm) (hrs) 4 CyDTA−2K 0.5 0.1 5 DTPA 1.0 0.2 6 p−フェニレンジアミン 30 1.3 7 EDTA−2Li 0.5 0.1 8 クエン酸 1.0 0.2 9 アセチルアセトン 1.0 0.1 (実施例8)実施例2で用いたメタクリル酸100mlを
減圧蒸留装置に入れ、CyDTAを2.0ppm 、PTZ
を30ppm 添加して、95℃で全環流を10時間実施し
た。冷却した後のメタクリル酸の外観は透明で、ポリマ
ーの生成による濁りは認められなかった。 (比較例10)実施例8と同様の装置、条件で、CyD
TAのみを添加しないメタクリル酸の全環流を5時間実
施した。冷却後のメタクリル酸にはポリマーによる濁り
の発生が確認された。 (実施例9)0.05ppm のFeイオンを含むアクリル
酸にEDTA−2Kを1.5ppm 、MQを200ppm 添
加してIP−100を測定した。その結果は18.3時
間であった。 (比較例11)EDTA−2Kのみは添加しないで、実
施例9と同様にIP−100を測定した。その結果は
1.6時間であった。
【0015】
【発明の効果】本発明の重合防止方法は、複合型重合抑
制剤を共存させる事により、(メタ)アクリル酸の精製
時、貯蔵もしくは輸送時およびエステル化反応時に問題
となる重合物発生を防止する事ができる。さらに重合防
止剤の添加量を削減することが可能となり、着色のより
少ない高品質の製品を得る事ができる、非常に有用な重
合防止方法である。
制剤を共存させる事により、(メタ)アクリル酸の精製
時、貯蔵もしくは輸送時およびエステル化反応時に問題
となる重合物発生を防止する事ができる。さらに重合防
止剤の添加量を削減することが可能となり、着色のより
少ない高品質の製品を得る事ができる、非常に有用な重
合防止方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田所 慎一 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内
Claims (3)
- 【請求項1】 (メタ)アクリル酸の精製時、貯蔵もし
くは輸送時またはエステル化反応時に、重合防止剤とし
て、酸性条件下におけるFe(III)との錯体の安定度定
数が10以上のキレート化剤と、フェノチアジン、芳香
族アミン類、フェノール類化合物の一種以上を共存させ
ることを特徴とする(メタ)アクリル酸の重合防止方
法。 - 【請求項2】 キレート化剤がエチレンジアミン四酢酸
及び/またはそのアルカリ金属塩である請求項1記載の
(メタ)アクリル酸の重合防止方法。 - 【請求項3】 キレート化剤がトランス−1,2−シク
ロヘキサンジアミン四酢酸及び/またはそのアルカリ金
属塩である請求項1記載の(メタ)アクリル酸の重合防
止方法。 【請求項3】 キレート化剤がジエチレントリアミン五
酢酸及び/またはそのアルカリ金属塩である請求項1記
載の(メタ)アクリル酸の重合防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4121365A JP2758780B2 (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | (メタ)アクリル酸の重合防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4121365A JP2758780B2 (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | (メタ)アクリル酸の重合防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295011A true JPH05295011A (ja) | 1993-11-09 |
JP2758780B2 JP2758780B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=14809446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4121365A Expired - Fee Related JP2758780B2 (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | (メタ)アクリル酸の重合防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2758780B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0967311A (ja) * | 1995-08-31 | 1997-03-11 | Nippon Shokubai Co Ltd | アクリル酸エステル類の重合防止方法 |
FR2750697A1 (fr) * | 1996-07-08 | 1998-01-09 | Atochem Elf Sa | Procede de fabrication de solutions aqueuses de sels d'ammonium quaternaire insatures |
FR2750696A1 (fr) * | 1996-07-08 | 1998-01-09 | Atochem Elf Sa | Solutions aqueuses stabilisees de sels d'ammoniums quaternaires insatures |
WO2002026685A1 (fr) * | 2000-09-29 | 2002-04-04 | Atofina | Procede de stabilisation de monomeres acryliques |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4881813A (ja) * | 1972-02-08 | 1973-11-01 |
-
1992
- 1992-04-15 JP JP4121365A patent/JP2758780B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4881813A (ja) * | 1972-02-08 | 1973-11-01 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0967311A (ja) * | 1995-08-31 | 1997-03-11 | Nippon Shokubai Co Ltd | アクリル酸エステル類の重合防止方法 |
FR2750697A1 (fr) * | 1996-07-08 | 1998-01-09 | Atochem Elf Sa | Procede de fabrication de solutions aqueuses de sels d'ammonium quaternaire insatures |
FR2750696A1 (fr) * | 1996-07-08 | 1998-01-09 | Atochem Elf Sa | Solutions aqueuses stabilisees de sels d'ammoniums quaternaires insatures |
EP0818437A1 (fr) * | 1996-07-08 | 1998-01-14 | Elf Atochem S.A. | Procédé de fabrication de solutions aqueuses de sels d'ammonium quaternaire insaturés |
EP0819671A1 (fr) * | 1996-07-08 | 1998-01-21 | Elf Atochem S.A. | Solutions aqueuses stabilisées de sels d'ammoniums quaternaires insaturés |
KR100296160B1 (ko) * | 1996-07-08 | 2001-10-26 | 베아트리체 델로스탈 | 불포화사급암모늄염의안정화된수용액 |
WO2002026685A1 (fr) * | 2000-09-29 | 2002-04-04 | Atofina | Procede de stabilisation de monomeres acryliques |
FR2814741A1 (fr) * | 2000-09-29 | 2002-04-05 | Atofina | Procede de stabilisation de monomeres acryliques |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2758780B2 (ja) | 1998-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2280923B1 (en) | Production of ethylenically unsaturated acids or esters thereof | |
JP3227204B2 (ja) | (メタ)アクリル酸の重合防止方法 | |
JP3197947B2 (ja) | (メタ)アクリル酸の重合防止法 | |
KR910004091B1 (ko) | 말레이미드류의 중합 방지 방법 | |
US4912247A (en) | Enhancement of aromatic amine inhibition of acrylate monomer polymerization by addition of mannich products | |
US5856568A (en) | Process for inhibiting polymerization of a vinyl compound | |
EP0266906A2 (en) | Method and composition for inhibiting acrylate ester polymerization | |
JPH05295011A (ja) | (メタ)アクリル酸の重合防止方法 | |
US4542231A (en) | Stabilized ethylenically unsaturated organic compositions | |
US6046357A (en) | Stabilization and transport of α,β-unsaturated carboxylic acid and removal of stabilizer | |
KR100806558B1 (ko) | 아크릴 모노머의 안정화 방법 | |
US4663480A (en) | Inhibiting polymerization of ethylenically unsaturated monomers with Mn(NO2)2 | |
JPH02248402A (ja) | アクリル酸エステル類の重合禁止剤及び重合禁止方法 | |
JP2758239B2 (ja) | 酸モノマーの重合を禁止する方法 | |
JP3227210B2 (ja) | (メタ)アクリル酸の重合抑制方法 | |
US4772740A (en) | Ethanolamine salt of N-Nitrosophenylhydroxylamine and inhibiting polymerization therewith | |
US2912386A (en) | Corrosion inhibitor by means of 1, 2-dithiolanes | |
CN116606204B (zh) | 低色度醋酐与醋酸纤维素用回收醋酸及其回收方法和应用 | |
JP3691086B2 (ja) | メタクリル酸の重合防止方法 | |
JP5292023B2 (ja) | 重合抑制方法及び重合抑制剤 | |
Bartoň et al. | Radical reactions initiated by chelate complexes of transition metals, 12. Decomposition of cumene hydroperoxide by the system copper acetate‐aminoalcohol | |
JP2659425B2 (ja) | メタクリルアミドの安定化方法 | |
JPH0672133B2 (ja) | マレイミド類のアクリロニトリル溶液の輸送ならびに貯蔵方法 | |
JPH09316022A (ja) | (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法 | |
JPS6089447A (ja) | (メタ)アクリル酸エステル単量体の重合防止法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090313 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100313 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110313 Year of fee payment: 13 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |