JPH0967311A - アクリル酸エステル類の重合防止方法 - Google Patents
アクリル酸エステル類の重合防止方法Info
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Abstract
るに際し、該アクリル酸エステル類の重合を充分に防止
する。 【解決手段】 アクリル酸エステル類を含む組成物を加
熱するに際し、該組成物に酸化防止剤を添加すると共に
気相部の酸素濃度を10容量%以下に抑制することで、該
組成物が触媒として酸を含む場合にも、上記アクリル酸
エステル類の重合を充分に防止し、粘度の上昇を抑える
ことができる。これにより、例えば、該アクリル酸エス
テル類の誘導体を合成する際に、反応を効率的に行うこ
とができる。
Description
ル類の重合防止方法に関するものであり、より詳しく
は、アクリル酸エステル類を含む組成物を加熱するに際
し、該アクリル酸エステル類の重合を防止するための方
法に関するものである。
ヒドロキシアルキルアクリレート類は、活性な水酸基を
有し、その誘導体は塗料、接着剤、洗剤用ビルダー等の
各種化学製品や、抗癌剤、抗ウイルス剤等の医薬品とし
て広範囲に用いられる有用な化合物である。このため、
従来、上記α−ヒドロキシアルキルアクリレート類およ
びその誘導体について広く研究がなされている。
ルアクリレート類はその分子中にビニル基等を有するた
め非常に重合しやすい性質を有しており、酸や塩基、あ
るいは、熱や光等によりしばしば重合を起こすことが知
られている。特に、その誘導体を合成するに際し、酸の
存在下で加熱すると、三次元構造を持つ重合体が急激に
生成し、反応が阻害される。
ート類の誘導体合成時における重合防止方法として、例
えば、特開平6−56746号公報、特開平6−135
896号公報には、α−ヒドロキシアルキルアクリレー
ト類を含む組成物を塩基性触媒存在下で加熱するに際
し、重合防止剤として、メトキシハイドロキノン、ベン
ゾキノン、クロラニル、p−t−ブチルカテコール、ヒ
ドロキノン、フェノチアジン、N,N'−ジフェニル−p−
フェニレンジアミン、硫黄等の化合物を反応液に対して
100ppm〜700ppmの範囲内で添加する方法が開示されてい
る。
明者等が検討した結果、上記従来の方法では、α−ヒド
ロキシアルキルアクリレート類の重合を充分に防止する
ことができるとは言い難い。さらに、上記従来の方法
は、α−ヒドロキシアルキルアクリレート類を含む組成
物を酸の存在下で加熱する場合には、充分な重合防止効
果が得られず、反応液の粘度が上昇し、最終的には、攪
拌さえできなくなる程の重合が起こるという問題点を有
している。
アルキルアクリレート類等のアクリル酸エステル類を含
む組成物を加熱するに際し、該アクリル酸エステル類の
重合を充分に防止することができる重合防止方法を提供
することにある。
来の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アクリ
ル酸エステル類を含む組成物を加熱するに際し、該組成
物に酸化防止剤を添加すると共に気相部の酸素濃度を10
容量%以下に抑制することで、該アクリル酸エステル類
の重合を充分に防止することができることを見出し、本
発明を完成させるに至った。
ステル類の重合防止方法は、上記の課題を解決するため
に、アクリル酸エステル類を含む組成物を加熱するに際
し、該組成物に酸化防止剤を添加すると共に気相部の酸
素濃度を10容量%以下に抑制することを特徴としてい
る。
類の重合防止方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1記載の発明のアクリル酸エステル類の重合防止方
法において、上記組成物がさらに酸を含むことを特徴と
している。
類の重合防止方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1または2記載のアクリル酸エステル類の重合防止
方法において、上記酸化防止剤として、1次酸化防止剤
と2次酸化防止剤とを組み合わせて使用することを特徴
としている。
類の重合防止方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1、2または3記載のアクリル酸エステル類の重合
防止方法において、上記酸化防止剤が少なくともアルキ
ルフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴としてい
る。
類の重合防止方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1〜4の何れか1項に記載のアクリル酸エステル類
の重合防止方法において、上記組成物にさらにキレート
剤を添加することを特徴としている。
類の重合防止方法は、上記の課題を解決するために、請
求項1〜5の何れか1項に記載のアクリル酸エステル類
の重合防止方法において、上記アクリル酸エステル類
が、α−ヒドロキシアルキルアクリレート類であること
を特徴としている。
剤を添加すると共に、気相部の酸素濃度を10容量%以下
に抑制することで、該組成物が触媒として酸を含む場合
にも、上記アクリル酸エステル類の重合を充分に防止
し、粘度の上昇を抑えることができる。これにより、例
えば、該アクリル酸エステル類の誘導体を合成する際
に、反応を効率的に行うことができる。また、該組成物
にさらにキレート剤を添加することにより、アクリル酸
エステル類の重合をより効果的に防止することができ
る。
いて詳しく説明する。本発明にかかるアクリル酸エステ
ル類とは、特に限定されるものではないが、一般式
(1)
表し、R2 は水素原子、対イオンまたは有機残基を表
す)で示される化合物、即ち、α−ヒドロキシアルキル
アクリレート類である。
有機残基とは、具体的には、炭素数1〜18の直鎖状、
枝分かれ鎖状若しくは環状のアルキル基;炭素数1〜8
のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜20のアルコキシ
アルキル基;炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基、ア
リール基を示す。
対イオンとは、具体的には、例えば、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアル
カリ土類金属;亜鉛、ニッケル、錫、鉛、銀等の遷移金
属;アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン等のアンモニウム化合
物等のイオン等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。
シアルキルアクリレート類としては、特に限定されるも
のではないが、具体的には、例えば、メチル−α−ヒド
ロキシメチルアクリレート、エチル−α−ヒドロキシメ
チルアクリレート、n−ブチル−α−ヒドロキシメチル
アクリレート、2−エチルヘキシル−α−ヒドロキシメ
チルアクリレート、メチル−α−(1−ヒドロキシエチ
ル)アクリレート、n−ブチル−α−(1−ヒドロキシ
エチル)アクリレート、2−エチルヘキシル−α−(1
−ヒドロキシエチル)アクリレート等が挙げられる。こ
れらアクリル酸エステル類は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
は、特に限定されるものではなく、従来の公知の方法、
例えば、相当するアクリレート化合物とアルデヒド化合
物とを塩基性イオン交換樹脂等の触媒の存在下で反応さ
せる(特開公平6−135896号公報等)ことによ
り、容易に得ることができる。
類を含む組成物を加熱するに際し、該組成物に酸化防止
剤を添加すると共に、気相部、即ち、反応容器内におい
て上記アクリル酸エステル類と気液接触している部分の
酸素濃度を10容量%以下に抑制することで、上記アクリ
ル酸エステル類の重合を充分に防止することができる。
上記アクリル酸エステル類の誘導体合成時等に適用する
ことができる。上記アクリル酸エステル類の誘導体合成
反応としては、特に限定されるものではないが、具体的
には、例えば、エステル化反応、エステル交換反応、エ
ーテル化反応、アセタール化反応、ハロゲン化反応、酸
化反応、加水分解反応等が挙げられる。
限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧
の何れであってもよい。
きるが、溶媒中で行うこともできる。上記の溶媒として
は、具体的には、例えば、水;メタノール、エタノール
等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジプロピルエー
テルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等の炭化水素類等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これら溶媒は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用
いてもよい。尚、溶媒の使用量も特に限定されるもので
はない。
ができるが、反応をより効率的に行うためには、触媒を
添加することが好ましい。上記の触媒としては、特に限
定されるものではないが、具体的には、例えば、塩酸、
硫酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸、およびその部分中和
塩;タングストリン酸、モリブドリン酸、タングストケ
イ酸、モリブドケイ酸等のヘテロポリ酸、およびその部
分中和塩;メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸
等の有機スルホン酸;ギ酸、酢酸、ラウリン酸、オレイ
ン酸等の有機カルボン酸等のプロトン酸;フッ化ホウ
素、塩化ホウ素、塩化アルミニウム、二塩化錫、四塩化
錫等のルイス酸等の酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化
バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属;
アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、ジルコニウ
ム、チタン、銅、ニッケル、コバルト、ランタン、ネオ
ジム、ユウロピウム、イッテルビウム等の遷移金属等の
塩基類が挙げられる。これら触媒は、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。
限定されるものではないが、0℃〜200℃の範囲内が好
ましく、0℃〜 160℃の範囲内がさらに好ましい。
ル類の重合を防止するためには、上記アクリル酸エステ
ル類を含む組成物に酸化防止剤を添加すると共に、気相
部の酸素濃度を10容量%以下に抑制して上記反応を行え
ばよい。この場合、上記重合防止方法をさらに有効に実
施するためには、アクリル酸エステル類に酸化防止剤を
室温で溶解させ、気相部の酸素濃度を10容量%以下とし
た後、50℃〜90℃の範囲内において10分間〜60分間保持
することで前処理を行うことが望ましい。そして、上記
前処理を行った後、気相部の酸素濃度を10容量%以下に
保ったまま触媒等の添加剤を添加して反応を行えばよ
い。この時、酸化防止剤と共にキレート剤を添加するこ
とにより、重合はより効果的に防止される。
具体的には、例えば、ヒドロキノン、メトキシハイドロ
キノン、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、ク
ロラニル、2−t−ブチルヒドロキノン、 2,5−ジ−t
−ブチルヒドロキノン、 2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル、 2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル
メトキシヒドロキノン、2−t−ブチル− 4,6−ジメチ
ルフェノール、 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール、 2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノー
ル、 2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、 2,6−t−
ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、 2,6−ジ−
t−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレゾール、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、 2,5−ジ−t−ア
ミルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−( 3',5'−
ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、 2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒ
ドロキシ− 3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)− 1,3,5−
トリアジン、スチリネートフェノール、α−トコフェノ
ール、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−メ
チル−2'−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル
アクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ− 3,5−ジ
−t−ペンチルフェニル)エチル]− 4,6−ジ−t−ペ
ンチルフェニルアクリレート、2,2'−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレ
ンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2'−メチレンビス(6−シクロヘキシル−4−メチルフ
ェノール)、2,2'−メチレンビス(6−1−メチルシク
ロヘキシル)−p−クレゾール、2,2'−エチリデンビス
( 2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−ブチリデ
ンビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,
4'−メチレンビス( 2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、 1,6−ヘキサンジオールビス[3−
( 3,5−ジ−t−ブチル−(4−ヒドロキシフェニ
ル)]プロピオネート、トリエチレングリコールビス
[(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)]プロピオネート、N,N'−ビス[3−( 3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジン、N,N'−ビス[3−( 3',5'−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキ
サメチレンジアミン、 2,2−チオビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、 2,2−チオジエチレ
ンビス[3−( 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、ビス[2−t−ブチル−
4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−
ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、 1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−
ブチルフェニル)ブタン、 1,3,5−トリメチル− 2,4,6
−トリス( 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、トリス( 3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−
( 3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシヒドロ−シ
ナモイルオキシル)エチル]イソシアヌレート、トリス
(4−t−ブチル− 2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−
3−( 3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、カルシウム−ビス(エチ
ル− 3,5−ジ−t−ブチル)−4−ヒドロキシベンジル
フォスフェート、プロピル− 3,4,5−トリヒドロキシベ
ンゼンカルボネート、オクチル− 3,4,5−トリヒドロキ
シベンゼンカルボネート、ドデシル− 3,4,5−トリヒド
ロキシベンゼンカルボネート、2,2'−メチレンビス(4
−m−エチル−6−t−ブチルフェノール)、 4,4−メ
チレンビス( 2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、 1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、 1,3,5−トリメチル− 2,
4,6−トリス( 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、 3,9−ビス[ 1,1−ジメチル−2
−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5, 5]ウンデカン等のアルキル
フェノール系1次酸化防止剤;アルキル化ジフェニルア
ミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6
−エトキシ− 2,2,4−トリメチル− 1,2−ジヒドロキノ
リン、N−フェニル−N' −イソプロピル−p−フェニ
レンジアミン、N−フェニル− 1,3−ジメチルブチル−
p−フェニレンジアミン、 2,2,4−トリメチル− 1,2−
ジヒドロキノリンポリマー、アルドール−α−ナフチル
アミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N'−ジ
−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジオ
クチルジフェニルアミン等のアミン系1次酸化防止剤;
硫黄、ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジト
リデシル−3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル
−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−
チオジプロピオネート、テトラキス−メチレン−3−ラ
ウリルチオプロピオネートメタン、ジステアリル−3,3'
−メチル−3,3'−チオジプロピオネート、ラウリルステ
アリル−3,3'−チオジプロピオネート、ビス[2−メチ
ル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)
−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、β−ラウリル
チオプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾー
ル、2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール等
の硫黄系2次酸化防止剤;トリス(イソデシル)フォス
ファイト、トリシ(トリデシル)フォスファイト、フェ
ニルジイソオクチルフォスファイト、フェニルジイソデ
シルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォス
ファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジ
フェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデ
シルフォスファイト、フォスフォン酸[ 1,1−ジフェニ
ル−4,4'−ジイルビステトラキス− 2,4−ビス( 1,1−
ジメチルエチル)フェニル]エステル、トリフェニルフ
ォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、4,4'−イソプロピリデンジフェノールアルキルフォ
スファイト、トリス( 2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイ
ト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイ
ト、ジ( 2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェ
ノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テト
ラ(トリデシル)−4,4'−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキ
サ(トリデシル)− 1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォ
スファイト、 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルフォスフェートジエチルエステル、ソディウム−
ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ソデ
ィウム−2,2'−メチレン−ビス( 4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスフェート、 1,3−ビス(ジフェノキシ
フォスフォニルオキシ)ベンゼン等のリン系2次酸化防
止剤等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら酸化防止剤はそれぞれ一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
ェノール系1次酸化防止剤が、該アクリル酸エステル類
の重合を防止するのにより有効であることから好まし
い。また、より一層重合防止効果を高めるためには、ア
ルキルフェノール系1次酸化防止剤と硫黄系またはリン
系2次酸化防止剤とを組み合わせて使用することが好ま
しく、アルキルフェノール系1次酸化防止剤と硫黄系2
次酸化防止剤とを組み合わせて使用することが特に好ま
しい。
ル酸エステル類の種類にもよるが、上記酸化防止剤の総
量が、該アクリル酸エステル類の 0.001重量%〜5重量
%の範囲内、好ましくは 0.005重量%〜1重量%の範囲
内、特に好ましくは0.01重量%〜 0.1重量%の範囲内と
なるように添加すればよい。酸化防止剤の総量が 0.001
重量%よりも少ない場合には、前述した重合を抑制する
ことができなくなるので好ましくない。一方、酸化防止
剤の総量を5重量%よりも多くしても、酸化防止剤の増
加に比例した重合防止効果のさらなる向上は望めず、添
加した酸化防止剤の一部が無駄になり、経済的に不利と
なるので好ましくない。また、1次酸化防止剤と2次酸
化防止剤を組み合わせて使用する場合、2次酸化防止剤
の量は、1次酸化防止剤の1重量%〜 200重量%の範囲
内とすればよい。
素濃度を抑制する方法としては、特に限定されるもので
はなく、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスと酸素
とからなる混合ガスによって反応容器気相部を置換すれ
ばよい。
好ましく、0.01容量%〜5容量%の範囲内がさらに好ま
しく、 0.1容量%〜2容量%の範囲内が最も好ましい。
上記酸素濃度が10容量%より高ければ、該アクリル酸エ
ステル類が酸化によって変質する虞れがあるため、好ま
しくない。
存させることにより、アクリル酸エステル類の重合をよ
り効果的に防止することができると共に、酸化防止剤の
使用量を減らすことができる。本発明にかかる上記のキ
レート剤としては、特に限定されるものではないが、具
体的には、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキ
シエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチル
エチレンジアミン二酢酸、 1,3−プロパンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラ
ミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、グルコン酸ナトリウム、
ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、2,2'−オキシアミドビ
ス−[エチル3−( 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。これ
らキレート剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を適宜混合して用いてもよい。
総量の0.0005重量%〜 100重量%の範囲内、好ましくは
0.005重量%〜25重量%の範囲内、特に好ましくは0.01
重量%〜10重量%の範囲内となるようにすればよい。こ
の時、酸化防止剤の総量は、キレート剤と合わせた総量
が該アクリル酸エステル類の 0.001重量%〜5重量%と
なるよう減少させることができる。キレート剤の添加量
が0.0005重量%よりも少ない場合には、前述した重合を
効果的に抑制することができなくなるので好ましくな
い。また、キレート剤の添加量を 100重量%よりも多く
しても、キレート剤の添加量の増加に比例した重合防止
効果のさらなる向上や、酸化防止剤の使用量のさらなる
減少は望めず、添加したキレート剤の一部が無駄にな
り、経済的に不利となるので好ましくない。
を含む組成物を加熱するに際し、該組成物に酸化防止剤
を添加すると共に、気相部の酸素濃度を10容量%以下に
抑制することで、該組成物が触媒として酸を含む場合に
も、上記アクリル酸エステル類の重合を充分に防止し、
粘度の上昇を抑えることができる。これにより、例え
ば、該アクリル酸エステル類の誘導体を合成する際に、
反応を効率的に行うことができる。また、該組成物にさ
らにキレート剤を添加することにより、アクリル酸エス
テル類の重合をより効果的に防止することができる。
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。
吹き込み管、および攪拌装置等を取り付けた反応容器に
エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート(以下、E
HMAと記す)を仕込み、1次酸化防止剤であるメトキ
シハイドロキノン(以下、MEHQと記す)200ppm、2
次酸化防止剤であるジラウリル−3,3'−チオジプロピオ
ネート(以下、DLTDPと記す)100ppm、およびキレ
ート剤である 2,2' −オキシアミドビス−[エチル−3
−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](商品名:NAUGARD XL−
1、白石カルシウム株式会社製、以下、XL−1と記
す)100ppmを添加し、室温で攪拌して溶解させた。
スとの混合ガスを吹き込み、反応容器内の気相部の酸素
濃度を5容量%とした。その後、反応容器内の温度を80
℃に昇温し、上記の組成物を30分間攪拌することにより
前処理を行った。
保ちながら、触媒としてのp−トルエンスルホン酸(以
下、PTSと記す)をEHMAに対して2重量%となる
ように添加した。その後、上記反応容器内の温度を 100
℃に昇温し、さらに10時間、上記の組成物を攪拌した。
その後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以
下、GPCと記す)により該EHMAの分子量を測定し
た。この結果、10時間後においても該EHMAの分子量
の増加がないことを確認した。主な条件と結果とをまと
めて表1に示す。
後の反応容器内の温度を 100℃から 180℃に変更した以
外は実施例1と同様の操作を行った。その後、GPCに
より該EHMAの分子量を測定した。この結果、10時間
後においても該EHMAの分子量の増加がないことを確
認した。主な条件と結果とをまとめて表1に示す。
の代わりに1次酸化防止剤であるハイドロキノン(以
下、HQと記す)200ppmを用いた以外は、実施例1と同
様の操作を行った。その後、GPCにより該EHMAの
分子量を測定した。この結果、10時間後においても該E
HMAの分子量の増加がないことを確認した。主な条件
と結果とをまとめて表1に示す。
Pの代わりに2次酸化防止剤であるジステアリル−3,3'
−チオジプロピオネート(以下、DSTDPと記す)10
0ppmを用いた以外は、実施例3と同様の操作を行った。
その後、GPCにより該EHMAの分子量を測定した。
この結果、10時間後においても該EHMAの分子量の増
加がないことを確認した。主な条件と結果とをまとめて
表1に示す。
の代わりにキレート剤であるニトリロ三酢酸(以下、N
TAと記す)200ppmを用い、PTSの代わりに触媒とし
ての硫酸をEHMAに対して2重量%となるように添加
した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その後、
GPCにより該EHMAの分子量を測定した。この結
果、10時間後においても該EHMAの分子量の増加がな
いことを確認した。主な条件と結果とをまとめて表1に
示す。
代わりに触媒としての塩酸をEHMAに対して2重量%
となるように添加した以外は、実施例1と同様の操作を
行った。その後、GPCにより該EHMAの分子量を測
定した。この結果、10時間後においても該EHMAの分
子量の増加がないことを確認した。主な条件と結果とを
まとめて表1に示す。
の代わりに1次酸化防止剤であるベンゾキノン(以下、
BQと記す)150ppmを用い、XL−1の代わりにキレー
ト剤であるエチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと
記す)100ppmを用いた以外は、実施例6と同様の操作を
行った。その後、GPCにより該EHMAの分子量を測
定した。この結果、10時間後においても該EHMAの分
子量の増加がないことを確認した。主な条件と結果とを
まとめて表1に示す。
代わりに触媒としての水酸化カリウム(以下、KOHと
記す)をEHMAに対して2重量%となるように添加し
た以外は、実施例1と同様の操作を行った。その後、G
PCにより該EHMAの分子量を測定した。この結果、
10時間後においても該EHMAの分子量の増加がないこ
とを確認した。主な条件と結果とをまとめて表2に示
す。
後の反応容器内の温度を 100℃から 180℃に変更した以
外は、実施例8と同様の操作を行った。その後、GPC
により該EHMAの分子量を測定した。この結果、10時
間後においても該EHMAの分子量の増加がないことを
確認した。主な条件と結果とをまとめて表2に示す。
Qの代わりにBQ200ppmを用い、XL−1の代わりにE
DTA100ppmを用い、無触媒とした以外は、実施例2と
同様の操作を行った。その後、GPCにより該EHMA
の分子量を測定した。この結果、10時間後においても該
EHMAの分子量の増加がないことを確認した。主な条
件と結果とをまとめて表2に示す。
Aの代わりにブチル−α- ヒドロキシメチルアクリレー
ト(以下、BHMAと記す)を用いた以外は、実施例1
と同様の操作を行った。その後、GPCにより該EHM
Aの分子量を測定した。この結果、10時間後においても
該EHMAの分子量の増加がないことを確認した。主な
条件と結果とをまとめて表2に示す。
Aの代わりにBHMAを用いた以外は、実施例5と同様
の操作を行った。その後、GPCにより該EHMAの分
子量を測定した。この結果、10時間後においても該EH
MAの分子量の増加がないことを確認した。主な条件と
結果とをまとめて表2に示す。
Aの代わりにメチル−α−ヒドロキシメチルアクリレー
ト(以下、MHMAと記す)を用いた以外は、実施例1
と同様の操作を行った。その後、GPCにより該EHM
Aの分子量を測定した。この結果、10時間後においても
該EHMAの分子量の増加がないことを確認した。主な
条件と結果とをまとめて表2に示す。
−1の代わりにEDTA100ppmを用い、PTSの代わり
に硫酸をEHMAに対して2重量%となるように添加し
た以外は、実施例1と同様の操作を行った。その後、G
PCにより該EHMAの分子量を測定した。この結果、
10時間後においても該EHMAの分子量の増加がないこ
とを確認した。主な条件と結果とをまとめて表2に示
す。
内の気相部を空気雰囲気(酸素濃度22容量%)とした以
外は、実施例1と同様の操作を行った。この結果、EH
MAは4時間後には攪拌できない程に重合し、不溶性の
重合体が得られた。主な条件と結果とをまとめて表3に
示す。
の代わりにHQ200ppmを用いた以外は、比較例1と同様
の操作を行った。この結果、EHMAは4時間後には攪
拌できない程に重合し、不溶性の重合体が得られた。主
な条件と結果とをまとめて表3に示す。
代わりに硫酸をEHMAに対して2重量%となるように
添加した以外は、比較例1と同様の操作を行った。この
結果、EHMAは4時間後には攪拌できない程に重合
し、不溶性の重合体が得られた。主な条件と結果とをま
とめて表3に示す。
代わりにKOHをEHMAに対して2重量%となるよう
に添加した以外は、比較例1と同様の操作を行った。こ
の結果、EHMAは4時間後には攪拌できない程に重合
し、不溶性の重合体が得られた。主な条件と結果とをま
とめて表3に示す。
した以外は、比較例1と同様の操作を行った。この結
果、EHMAは4時間後には攪拌できない程に重合し、
不溶性の重合体が得られた。主な条件と結果とをまとめ
て表3に示す。
の代わりにBHMAを用いた以外は、比較例1と同様の
操作を行った。この結果、EHMAは4時間後には攪拌
できない程に重合し、不溶性の重合体が得られた。主な
条件と結果とをまとめて表3に示す。
の代わりにMHMAを用いた以外は、比較例1と同様の
操作を行った。この結果、EHMAは4時間後には攪拌
できない程に重合し、不溶性の重合体が得られた。主な
条件と結果とをまとめて表3に示す。
に、本実施例にかかる重合防止方法を用いれば、アクリ
ル酸エステル類の重合をほぼ完全に防止することができ
ることが判った。
テル類の重合防止方法は、以上のように、アクリル酸エ
ステル類を含む組成物を加熱するに際し、該組成物に酸
化防止剤を添加すると共に気相部の酸素濃度を10容量%
以下に抑制する構成である。
ル類の重合防止方法は、以上のように、上記組成物がさ
らに酸を含む構成である。
ル類の重合防止方法は、以上のように、上記酸化防止剤
として、1次酸化防止剤と2次酸化防止剤とを組み合わ
せて使用する構成である。
ル類の重合防止方法は、以上のように、上記酸化防止剤
が少なくともアルキルフェノール系酸化防止剤を含む構
成である。
ル類の重合防止方法は、以上のように、上記組成物にさ
らにキレート剤を添加する構成である。
ル類の重合防止方法は、以上のように、上記アクリル酸
エステル類が、α−ヒドロキシアルキルアクリレート類
である構成である。
剤を添加すると共に、気相部の酸素濃度を10容量%以下
に抑制することで、該組成物が触媒として酸を含む場合
にも、上記アクリル酸エステル類の重合を充分に防止
し、粘度の上昇を抑えることができる。これにより、例
えば、該アクリル酸エステル類の誘導体を合成する際
に、反応を効率的に行うことができる。また、該組成物
にさらにキレート剤を添加することにより、アクリル酸
エステル類の重合をより効果的に防止することができる
という効果を併せて奏する。
Claims (6)
- 【請求項1】アクリル酸エステル類を含む組成物を加熱
するに際し、該組成物に酸化防止剤を添加すると共に気
相部の酸素濃度を10容量%以下に抑制することを特徴と
するアクリル酸エステル類の重合防止方法。 - 【請求項2】上記組成物がさらに酸を含むことを特徴と
する請求項1記載のアクリル酸エステル類の重合防止方
法。 - 【請求項3】上記酸化防止剤として、1次酸化防止剤と
2次酸化防止剤とを組み合わせて使用することを特徴と
する請求項1または2記載のアクリル酸エステル類の重
合防止方法。 - 【請求項4】上記酸化防止剤が少なくともアルキルフェ
ノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1、
2または3記載のアクリル酸エステル類の重合防止方
法。 - 【請求項5】上記組成物にさらにキレート剤を添加する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のア
クリル酸エステル類の重合防止方法。 - 【請求項6】上記アクリル酸エステル類が、α−ヒドロ
キシアルキルアクリレート類であることを特徴とする請
求項1〜5の何れか1項に記載のアクリル酸エステル類
の重合防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7223919A JPH0967311A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | アクリル酸エステル類の重合防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7223919A JPH0967311A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | アクリル酸エステル類の重合防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0967311A true JPH0967311A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16805776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7223919A Pending JPH0967311A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | アクリル酸エステル類の重合防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0967311A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2005343845A (ja) * | 2004-06-04 | 2005-12-15 | Hakuto Co Ltd | アクリロニトリルの重合抑制剤および重合抑制方法 |
JP2006273746A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Hakuto Co Ltd | アクリロニトリルの重合抑制剤および重合抑制方法 |
WO2010016540A1 (ja) | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 昭和電工株式会社 | イソシアネート基を含むエチレン性不飽和カルボン酸エステル化合物の重合抑制方法および製造方法 |
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JPH0753449A (ja) * | 1993-08-09 | 1995-02-28 | Mitsubishi Chem Corp | (メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルの重合防止方法 |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP7223919A patent/JPH0967311A/ja active Pending
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WO2010016540A1 (ja) | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 昭和電工株式会社 | イソシアネート基を含むエチレン性不飽和カルボン酸エステル化合物の重合抑制方法および製造方法 |
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