JPH09157204A - 架橋性ビニル化合物の製法 - Google Patents

架橋性ビニル化合物の製法

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JPH09157204A
JPH09157204A JP32451895A JP32451895A JPH09157204A JP H09157204 A JPH09157204 A JP H09157204A JP 32451895 A JP32451895 A JP 32451895A JP 32451895 A JP32451895 A JP 32451895A JP H09157204 A JPH09157204 A JP H09157204A
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JP
Japan
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vinyl compound
hydroxyl group
crosslinkable
tert
organic residue
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Pending
Application number
JP32451895A
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English (en)
Inventor
Keiji Yurugi
啓嗣 万木
Koichi Nakagawa
浩一 中川
Yuichi Kita
裕一 喜多
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性に優れるアセタール結合を介して分
子内に2個の重合性基を有する架橋性ビニル化合物の製
法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化15】 (式中、R1 はビニル基を有する有機残基を表す)で表
される水酸基含有ビニル化合物と、一般式(2) 【化16】 (式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子ま
たは有機残基を表す)で表されるカルボニル化合物とを
反応させる。これにより、一般式(3) 【化17】 (式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子ま
たは有機残基を表し、R15およびR16はR1 に由来する
置換基であり、それぞれ独立してビニル基を有する有機
残基を表す)で表される架橋性ビニル化合物が容易に得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アセタール結合を
有する架橋性ビニル化合物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、架橋性ポリマーは、広範な分
野において有用な材料として用いられている。このよう
な架橋性ポリマーの製造に際し、特に、架橋性モノマ
ー、即ち、分子内に2個以上の重合性基を有するモノマ
ーを用いて架橋した場合には、硬質の材料を得ることが
できる。このため、架橋性ポリマーの製造に際し、所望
する架橋性ポリマーの用途に応じて、種々の構造を有す
る架橋性モノマーが用いられている。
【0003】一般に、架橋性モノマーは、重合性に富む
こと、重合条件の範囲を広く設定できること、架橋密度
をコントロールできること、他のモノマーとの共重合性
が良いこと等の性質が要求される。架橋性モノマーとし
ては、これまで、ペンタエリトリトールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート等が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ペ
ンタエリトリトールジメタクリレートは、各種有機溶媒
への溶解性が悪く、その溶解性は、有機溶媒中にかろう
じて分配される程度であることから、重合条件選択の範
囲が狭いという問題点を有している。
【0005】また、トリメチロールプロパントリアクリ
レートやペンタエリスリトールトリアクリレートは、エ
ステル化の分布があり、粘度が高い等の問題点を有して
いる。
【0006】さらに、上記ペンタエリトリトールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、およびペンタエリスリトールトリアクリレート等の
架橋性モノマーを重合してなる架橋性ポリマーは、その
架橋部分が生分解を受けないために、該架橋性ポリマー
全体が生分解を受けず、環境破壊を招く等の問題点を有
している。
【0007】そこで、上記各種問題点を招来しない架橋
性モノマーを得るための製法が求められている。本発明
の目的は、このような架橋性モノマーとして、生分解性
に優れるアセタール結合を介して分子内に2個の重合性
基を有する架橋性ビニル化合物の製法を提供することに
ある。
【0008】尚、特開平5−70408号公報には、塩
基性触媒を用いたαーヒドロキシメチルメタクリレート
の合成において、下式
【0009】
【化4】
【0010】で表されるアセタール結合を有するビニル
化合物が副生成物として僅かに生成することが知られて
いる。
【0011】しかしながら、上記特開平5−70408
号公報に記載のビニル化合物は、不純物として僅かに得
られたにすぎず、また、上記ビニル化合物を合成するた
めの方法は未だ知られていない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、水酸基含有ビニ
ル化合物と、カルボニル化合物とを、反応中の重合を防
止しながら、触媒として酸の存在下で反応させることに
より、アセタール結合を有する架橋性ビニル化合物を得
ることができることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0013】即ち、本発明は、一般式(1)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R1 はビニル基を有する有機残基
を表す)で表される水酸基含有ビニル化合物と、一般式
(2)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立し
て水素原子または有機残基を表す)で表されるカルボニ
ル化合物とを反応させることを特徴とする一般式(3)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立し
て水素原子または有機残基を表し、R15およびR16はR
1 に由来する置換基であり、それぞれ独立してビニル基
を有する有機残基を表す)で表される架橋性ビニル化合
物の製法に関するものである。
【0020】さらに、本発明は、上記R1 がα- ヒドロ
キシアルキルアクリル酸エステル類から水酸基を除いた
有機残基である上記架橋性ビニル化合物の製法に関する
ものである。
【0021】また、本発明は、さらに、酸化防止剤を共
存させることを特徴とする上記架橋性ビニル化合物の製
法に関するものである。
【0022】上記の構成によれば、本発明にかかる前記
一般式(3)で表される架橋性ビニル化合物は、前記一
般式(1)で表される水酸基含有ビニル化合物と、前記
一般式(2)で表されるカルボニル化合物とを、酸化防
止剤の存在下で、該水酸基含有ビニル化合物の重合を防
止しながら、触媒として酸を用いて加熱することによっ
て、容易に得ることができる。
【0023】本発明の製法により得られる該架橋性ビニ
ル化合物は、アセタール結合を介して該水酸基含有ビニ
ル化合物に由来する骨格部分同士が結合しているため、
弱酸性から強塩基性の広い範囲内で重合条件を設定する
ことができる。また、該架橋性ビニル化合物は、各種有
機溶媒に可溶であり、共重合成分との相溶性も良好であ
る。
【0024】さらに、該架橋性ビニル化合物は、生分解
性の良好なアセタール結合を介して該水酸基含有ビニル
化合物に由来する骨格部分同士が結合しているため、生
分解性に優れた架橋性モノマーとして有用である。従っ
て、該架橋性ビニル化合物を重合して得られる重合体
は、架橋部分が生分解を受けることから、環境破壊を招
来しにくい環境適合性の重合体として有用である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかる一般式(3)で表
される架橋性ビニル化合物は、特に限定されるものでは
ないが、式中、R2 およびR3 で示される置換基がそれ
ぞれ独立して水素原子または有機残基で構成され、R15
およびR16で示される置換基がR1 に由来する置換基で
あり、それぞれ独立してビニル基を有する有機残基で構
成される化合物である。そして、これら化合物のうち、
1 に由来する置換基、即ち、R15やR16で示される置
換基が、アリルアルコール、2-ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレートから水酸基を除いた有機残基である化合物が好
ましく、α- ヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類
から水酸基を除いた有機残基である化合物が特に好まし
い。
【0026】本発明にかかる架橋性ビニル化合物の製法
において原料として用いられる一般式(1)で表される
水酸基含有ビニル化合物は、特に限定されるものではな
いが、式中、R1 で示される置換基がビニル基を有する
有機残基で構成される化合物である。
【0027】上記の水酸基含有ビニル化合物としては、
具体的には、例えば、一般式
【0028】
【化8】
【0029】(式中、R6 、R7 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、aは1〜3の整数を表
し、bは1〜100 の整数を表す)で表される水酸基含有
ビニル化合物、一般式
【0030】
【化9】
【0031】(式中、R8 は水素原子または有機残基を
表し、R9 は有機残基を表す)で表される水酸基含有ビ
ニル化合物、一般式
【0032】
【化10】
【0033】(式中、R10、R11はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R12は有機残基を表し、
cは1〜3の整数を表し、dは1〜100 の整数を表す)
で表される水酸基含有ビニル化合物、一般式
【0034】
【化11】
【0035】(式中、R13、R14はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、eは1〜3の整数を表
し、fは1〜100 の整数を表す)で表される水酸基含有
ビニル化合物等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。
【0036】これら水酸基含有ビニル化合物について、
さらに具体的に挙げるならば、例えば、アリルアルコー
ル;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リル酸ヒドロキシアルキルエステル類;メチル- α- ヒ
ドロキシメチルアクリレート、エチル- α- ヒドロキシ
メチルアクリレート、n-ブチル- α- ヒドロキシメチル
アクリレート、2-エチルヘキシル- α- ヒドロキシメチ
ルアクリレート、メチル- α-(1-ヒドロキシエチル)ア
クリレート、エチル- α-(1-ヒドロキシエチル)アクリ
レート、2-エチルヘキシル- α-(1-ヒドロキシエチル)
アクリレート等のα−ヒドロキシアルキルアクリル酸エ
ステル類等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら水酸基含有ビニル化合物は、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。
【0037】本発明にかかる架橋性ビニル化合物の製法
において原料として用いられる前記一般式(2)で表さ
れるカルボニル化合物は、前記一般式(1)で表される
水酸基含有ビニル化合物との反応に対して活性であれ
ば、特に限定されるものではないが、式中、R2 および
3 で示される置換基がそれぞれ独立して水素原子また
は有機残基で構成される化合物である。該カルボニル化
合物としては、例えば、ケトン系化合物やアルデヒド系
化合物等が挙げられる。
【0038】上記のケトン系化合物としては、具体的に
は、例えば、アセトン、ブタノン、2-ペンタノン、3-ペ
ンタノン、3-メチル-2- ブタノン等の脂肪族ケトン類;
1-フェニル-2- プロパノン、アセトフェノン、n-ブチロ
フェノン、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。
【0039】また、上記のアルデヒド系化合物として
は、具体的には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒ
ド、sec-ブチルアルデヒド、α- メチルバレルアルデヒ
ド、β- メチルバレルアルデヒド、γ- メチルバレルア
ルデヒド等の脂肪族アルデヒド類;ベンズアルデヒド、
o-トルアルデヒド、m-トルアルデヒド、p-トルアルデヒ
ド、サリチルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等
の芳香族アルデヒド類等が挙げられる。
【0040】これらカルボニル化合物は、一種類のみを
用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いて
もよい。
【0041】前記一般式(3)で表される架橋性ビニル
化合物は、前記一般式(1)で表される水酸基含有ビニ
ル化合物と、前記一般式(2)で表されるカルボニル化
合物とを触媒の存在下で反応(アセタール化反応)させ
ることにより、容易に製造することができる。
【0042】本発明にかかる架橋性ビニル化合物の製法
において用いられる上記の触媒は酸である。上記の酸
(触媒)としては、特に限定されるものではないが、具
体的には、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等の鉱
酸、およびその部分中和塩;タングストリン酸、モリブ
ドリン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ酸等のヘテ
ロポリ酸、およびその部分中和塩;メタンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸等の有機スルホン酸;ギ酸、酢
酸、ラウリン酸、オレイン酸等の有機カルボン酸等のプ
ロトン酸;フッ化ホウ素、塩化ホウ素、塩化アルミニウ
ム、二塩化錫、四塩化錫等のルイス酸等が挙げられる。
これら触媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0043】前記一般式(1)で表される水酸基含有ビ
ニル化合物に対する触媒の添加量は、用いる水酸基含有
ビニル化合物の種類にもよるが、例えば、該水酸基含有
ビニル化合物に対する割合が、 0.001モル%〜50モル%
の範囲内、好ましくは、 0.001モル%〜20モル%の範囲
内となるようにすればよい。
【0044】該水酸基含有ビニル化合物に対する触媒の
割合が 0.001モル%よりも少ない場合には、触媒活性が
十分に発揮されにくく、反応時間が長くなり過ぎる。こ
のため、所望するアセタール類を効率的に製造すること
ができなくなるため好ましくない。また、該水酸基含有
ビニル化合物に対する触媒の割合を50モル%よりも多く
しても、触媒量の増加に比例した、反応時間の短縮等の
触媒効果のさらなる向上は望めず、添加した触媒の一部
が無駄になり、経済的に不利となるので好ましくない。
【0045】前記一般式(1)で表される水酸基含有ビ
ニル化合物に対する前記一般式(2)で表されるカルボ
ニル化合物の添加量は、用いるカルボニル化合物の種類
にもよるが、例えば、該水酸基含有ビニル化合物1モル
に対して、 0.1モル〜10モルの範囲内、好ましくは、
0.5モル〜5モルの範囲内、特に好ましくは、1モル〜
2モルの範囲内となるようにすればよい。
【0046】該水酸基含有ビニル化合物1モルに対する
カルボニル化合物の添加量が 0.1モルよりも少ない場合
には、所望する架橋性ビニル化合物を効率的に製造する
ことができなくなるため好ましくない。一方、該水酸基
含有ビニル化合物1モルに対するカルボニル化合物の添
加量を10モルより多くしても、カルボニル化合物の増加
に比例した収率の増加や、反応時間の短縮等の効果の向
上は望めず、添加したカルボニル化合物の一部が無駄に
なり、経済的に不利となるため好ましくない。
【0047】上記の反応を行う際の反応条件等は、特に
限定されるものではないが、原料である前記水酸基含有
ビニル化合物および反応生成物である架橋性ビニル化合
物は、分子中にビニル基等を含有しているので、重合し
易い性質を有している。そこで、上記アセタール化反応
中、さらに、酸化防止剤や分子状酸素を共存させること
により、該水酸基含有ビニル化合物や架橋性ビニル化合
物の重合を防止することができる。
【0048】上記の酸化防止剤としては、特に限定され
るものではないが、具体的には、例えば、ヒドロキノ
ン、メトキシハイドロキノン、ベンゾキノン、 p-tert-
ブチルカテコール、クロラニル、 2-tert-ブチルヒドロ
キノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,6-ジ-ter
t-ブチルフェノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、
2-tert-ブチルメトキシヒドロキノン、 2-tert-ブチル-
4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル- 4-メ
チルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル- 4-エチルフェノ
ール、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール、 2,6-tert-
ブチル- 4-ヒドロキシメチルフェノール、2,6-ジ-tert-
ブチル- 2-ジメチルアミノ- p-クレゾール、2,5-ジ-ter
t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノ
ン、n-オクタデシル-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス( n-オクチ
ルチオ)-6-( 4-ヒドロキシ- 3,5-ジ-tert-ブチルアニリ
ノ)-1,3,5-トリアジン、スチリネートフェノール、α-
トコフェノール、 2-tert-ブチル-6-(3'-tert-ブチル-
5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル
アクリレート、2-[1-(2- ヒドロキシ- 3,5-ジ-tert-ペ
ンチルフェニル)エチル]- 4,6-ジ-tert-ペンチルフェ
ニルアクリレート、 2,2'-メチレンビス( 4-メチル-6-t
ert-ブチルフェノール)、 2,2'-メチレンビス( 4-エチ
ル-6-tert-ブチルフェノール)、 2,2'-メチレンビス(
6-シクロヘキシル- 4-メチルフェノール)、 2,2'-メチ
レンビス[ 6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾー
ル]、 2,2'-エチリデンビス( 2,4-ジ-tert-ブチルフェ
ノール)、 2,2'-ブチリデンビス(2-tert-ブチル- 4-メ
チルフェノール)、 4,4'-メチレンビス( 2,6-ジ-tert-
ブチルフェノール)、 4,4'-ブチリデンビス( 3-メチル
-6-tert-ブチルフェノール)、1,6-ヘキサンジオールビ
ス[3-( 3,5-ジ-tert-ブチル-(4-ヒドロキシフェニ
ル)]プロピオネート、トリエチレングリコールビス
[(3-tert-ブチル- 5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)
]プロピオネート、 N,N'-ビス[3-( 3,5-ジ-tert-ブ
チル- 4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジ
ン、 N,N'-ビス[3-( 3',5'-ジ-tert-ブチル- 4-ヒドロ
キシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミ
ン、2,2-チオビス( 4-メチル-6-tert-ブチルフェノー
ル)、 4,4'-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノ
ール)、2,2-チオジエチレンビス[3-( 3,5-ジ-tert-ブ
チル- 4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス
[ 2-tert-ブチル- 4-メチル-6-( 3-tert-ブチル- 5-メ
チル- 2-ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレー
ト、1,1,3-トリス( 2-メチル- 4-ヒドロキシ-5-tert-ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル- 2,4,6-トリ
ス( 3,5-ジ-tert-ブチル- 4-ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン、トリス( 3,5-ジ-tert-ブチル- 4-ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌレート、トリス[2-( 3',5'-ジ-tert-
ブチル-4'-ヒドロキシヒドロ- シナモイルオキシル)エ
チル]イソシアヌレート、トリス(4-tert-ブチル- 2,6-
ジ- メチル- 3-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト、テトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-
4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、カ
ルシウム- ビス(エチル- 3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒド
ロキシベンジルフォスフェート、プロピル- 3,4,5-トリ
ヒドロキシベンゼンカルボネート、オクチル- 3,4,5-ト
リヒドロキシベンゼンカルボネート、ドデシル- 3,4,5-
トリヒドロキシベンゼンカルボネート、 1,1- ビス( 4-
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、3,9-ビス[1,1-
ジメチル- 2-{β-( 3-tert-ブチル- 4-ヒドロキシ- 5-
メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]-2,4,
8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のアルキ
ルフェノール系1次酸化防止剤;アルキル化ジフェニル
アミン、 N,N'-ジフェニル- p-フェニレンジアミン、6-
エトキシ- 2,2,4-トリメチル- 1,2-ジヒドロキノリン、
N-フェニル-N'-イソプロピル- p-フェニレンジアミン、
N-フェニル- 1,3-ジメチルブチル- p-フェニレンジアミ
ン、2,2,4-トリメチル- 1,2-ジヒドロキノリンポリマ
ー、アルドール- α-ナフチルアミン、N-フェニル- β-
ナフチルアミン、 N,N'-ジ- 2-ナフチル- p-フェニレ
ンジアミン、 4,4'-ジオクチルジフェニルアミン等のア
ミン系1次酸化防止剤;硫黄、ジラウリル-3,3'-チオジ
プロピオネート、ジトリデシル-3,3'-チオジプロピオネ
ート、ジミリスチル-3,3'-チオジプロピオネート、ジス
テアリル-3,3'-チオジプロピオネート、テトラキス- メ
チレン-3-(ラウリルチオ)プロピオネートメタン、ジス
テアリル-3,3'-メチル-3,3'-チオジプロピオネート、ラ
ウリルステアリル-3,3'-チオジプロピオネート、ビス
[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-
5- tert-ブチルフェニル]スルフィド、β- ラウリルチ
オプロピオネート、2-メルカプトベンゾイミダゾール、
2-メルカプト- 5-メチルベンゾイミダゾール等の硫黄系
2次酸化防止剤;トリス(イソデシル)フォスファイ
ト、トリシ(トリデシル)フォスファイト、フェニルジ
イソオクチルフォスファイト、フェニルジイソデシルフ
ォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイ
ト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニ
ルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフ
ォスファイト、フォスフォン酸[1,1-ジフェニル-4,4'-
ジイルビステトラキス- 2,4-ビス( 1,1-ジメチルエチ
ル)フェニル]エステル、トリフェニルフォスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、 4,4'-
イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイ
ト、トリス( 2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファ
イト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステア
リルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ( 2,4-
ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォ
スファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタ
エリスリトールジフォスファイト、テトラ(トリデシ
ル)- 4,4'-ブチリデンビス( 3-メチル-6-tert-ブチルフ
ェノール)ジフォスファイト、ヘキサ(トリデシル)-
1,1,3-トリス( 2-メチル- 4-ヒドロキシ-5-tert-ブチル
フェニル)ブタントリフォスファイト、3,5-ジ-tert-ブ
チル-4-ヒドロキシベンジルフォスフェートジエチルエ
ステル、ソディウム- ビス(4-tert-ブチルフェニル)フ
ォスフェート、ソディウム-2,2'-メチレン- ビス( 4,6-
ジ-tert-ブチルフェニル)フォスフェート、1,3-ビス
(ジフェノキシフォスフォニルオキシ)ベンゼン等のリ
ン系2次酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤
は、それぞれ一種類のみを用いてもよく、また、二種類
以上を適宜混合して用いてもよい。
【0049】これら酸化防止剤のなかでも、アルキルフ
ェノール系1次酸化防止剤が、該水酸基含有ビニル化合
物の重合を防止するのにより有効であることから好まし
い。また、より一層、重合防止効果を高めるには、アル
キルフェノール系1次酸化防止剤と硫黄系またはリン系
2次酸化防止剤とを組み合わせて使用することが好まし
く、アルキルフェノール系1次酸化防止剤と硫黄系2次
酸化防止剤とを組み合わせ使用することが特に好まし
い。
【0050】上記酸化防止剤の添加量は、用いる水酸基
含有ビニル化合物の種類にもよるが、例えば、その総量
が、該水酸基含有ビニル化合物の0.001 重量%〜5重量
%の範囲内、好ましくは、0.005 重量%〜1重量%の範
囲内、特に好ましくは、0.01重量%〜0.1 重量%の範囲
内となるように添加すればよい。
【0051】該水酸基含有ビニル化合物に対する上記酸
化防止剤の総量が0.001 重量%よりも少ない場合には、
前述した重合を抑制することができなくなるため好まし
くない。一方、該水酸基含有ビニル化合物に対する上記
酸化防止剤の総量を5重量%よりも多くしても、酸化防
止剤の増加に比例した重合防止効果のさらなる向上は望
めず、添加した酸化防止剤の一部が無駄になり、経済的
に不利となるので好ましくない。
【0052】また、1次酸化防止剤と2次酸化防止剤と
を組み合わせて使用する場合、2次酸化防止剤の添加量
は、1次酸化防止剤の添加量の1重量%〜 200重量%の
範囲内とすればよい。
【0053】さらに、上記酸化防止剤にキレート剤を共
存させることにより、重合をより効果的に防止すること
ができると共に、酸化防止剤の使用量を減らすことがで
きる。上記のキレート剤としては、特に限定されるもの
ではないが、具体的には、例えば、エチレンジアミン四
酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3-プロパン
ジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエ
チレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、グルコン酸
ナトリウム、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、 2,2'-オ
キシアミドビス- [エチル3-( 3,5-ジ-tert-ブチル- 4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ
る。これらキレート剤は、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0054】キレート剤を添加する場合、該キレート剤
の添加量は、酸化防止剤の総量の0.0005重量%〜 100重
量%の範囲内が好ましく、 0.005重量%〜25重量%の範
囲内がさらに好ましく、0.01重量%〜10重量%の範囲内
が特に好ましい。この時、酸化防止剤の総量は、キレー
ト剤と合わせた総量が、該水酸基含有ビニル化合物の0.
001重量%〜5重量%となるように減少させることがで
きる。
【0055】該水酸基含有ビニル化合物に対するキレー
ト剤の添加量が0.0005重量%よりも少ない場合には、キ
レート剤の添加による重合防止効果のさらなる向上は望
めず、前述した重合をより効果的に抑制することができ
なくなるため好ましくない。一方、該水酸基含有ビニル
化合物に対するキレート剤の添加量を 100重量%よりも
多くしても、キレート剤の増加に比例した重合防止効果
のさらなる向上や、酸化防止剤の使用量のさらなる減少
は望めず、添加したキレート剤の一部が無駄になり、経
済的に不利となるので好ましくない。
【0056】また、上記の分子状酸素としては、例え
ば、空気を用いることができる。この場合、反応系に空
気を吹き込む(いわゆる、バブリング)ようにすればよ
い。尚、上記酸化防止剤と分子状酸素とを併用してもよ
い。
【0057】また、反応は、無溶媒で行うこともできる
が、溶媒中で行うこともできる。上記の溶媒としては、
具体的には、例えば、メタノール、エタノール等のアル
コール類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなど
のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、クロロ
ベンゼン等の炭化水素類等が挙げられるが、上記反応を
阻害するものでなければ、特に限定されるものではな
い。これらの溶媒は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、溶
媒の使用量も特に限定されるものではない。
【0058】反応温度は、特に限定されるものではない
が、前記した重合を抑制するために、0℃〜 200℃の範
囲内が好ましく、40℃〜 150℃の範囲内が特に好まし
い。反応温度が0℃よりも低い場合には、反応時間が長
くなり過ぎ、所望する架橋性ビニル化合物を効率的に製
造することができなくなるので好ましくない。一方、反
応温度が 200℃よりも高い場合には、前記した重合を抑
制することができなくなるので好ましくない。
【0059】反応時間は、上記反応が完結するように、
水酸基含有ビニル化合物、カルボニル化合物、触媒、酸
化防止剤、キレート剤および溶媒等の種類や組み合わせ
や使用量、並びに、反応温度等に応じて、適宜設定すれ
ばよく、特に限定されるものではない。また、反応圧力
は、特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減
圧、加圧の何れであってもよい。
【0060】上記アセタール化反応を効果的に行う方法
として、反応により生成する水は反応系外に除去するこ
とが好ましい。反応により生成する水の除去方法として
は、特に限定されるものではないが、具体的には、例え
ば、減圧下で反応する方法、共沸溶媒を用いて反応する
方法、乾燥剤の存在下で反応する方法等が挙げられる。
【0061】また、反応生成物、即ち所望する架橋性ビ
ニル化合物は、反応終了後、反応溶液を精製することに
よって得ることができる。上記の精製方法としては、特
に限定されるものではなく、例えば、触媒を中和した
後、抽媒を用いて抽出し、その後、抽媒を除去すること
によって精製することができる。この場合、使用できる
抽媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ
るが、該反応生成物を溶解すると共に、該反応生成物以
外の未反応物や副生成物、溶媒等と相互溶解しないもの
であれば、特に限定されるものではない。また、抽媒の
除去方法としては、蒸留、蒸発等が挙げられるが、特に
限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用い
ることができる。また、別の精製手段として、蒸留法
や、いわゆるカラムクロマトグラフ法等によって分離、
精製することもできる。
【0062】以上のように、本発明にかかる前記一般式
(3)で表される架橋性ビニル化合物は、前記一般式
(1)で表される水酸基含有ビニル化合物と、前記一般
式(2)で表されるカルボニル化合物とを、酸化防止剤
の存在下で、該水酸基含有ビニル化合物の重合を防止し
ながら、触媒として酸を用いて加熱することによって、
容易に得ることができる。
【0063】本発明の製法により得られる該架橋性ビニ
ル化合物は、アセタール結合を介して該水酸基含有ビニ
ル化合物に由来する骨格部分同士が結合しているため、
弱酸性から強塩基性の広い範囲内で重合条件を設定する
ことができる。また、該架橋性ビニル化合物は、各種有
機溶媒に可溶であり、共重合成分との相溶性も良好であ
る。
【0064】また、該架橋性ビニル化合物を重合して重
合体を得る際の重合条件等は、特に限定されるものでは
ない。例えば、該架橋性ビニル化合物は、単独で重合さ
せてもよく、また、該架橋性ビニル化合物と共重合可能
な他の共重合体と共重合させてもよい。該架橋性ビニル
化合物を重合して重合体を得る際の製法は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、ラジカル重合開始剤などの
重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線
等の放射線や、紫外線を照射する重合方法;加熱による
重合方法等、従来公知の種々の方法を採用することがで
きる。
【0065】従って、本発明の製法により得られる該架
橋性ビニル化合物は、重合性に優れており、架橋剤とし
て用いることができると共に、帯電防止剤、撥水剤、各
種樹脂等の種々の用途に利用することができる。
【0066】さらに、該架橋性ビニル化合物は、生分解
性の良好なアセタール結合を介して該水酸基含有ビニル
化合物に由来する骨格部分同士が結合しているため、生
分解性に優れた架橋性モノマーとして有用である。従っ
て、該架橋性ビニル化合物を重合して得られる重合体
は、架橋部分が生分解を受けることから、環境破壊を招
来しにくい環境適合性の重合体として有用である。
【0067】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0068】〔実施例1〕先ず、温度計、および攪拌装
置等を取り付けた 500mlの反応容器に、前記一般式
(1)で表される水酸基含有ビニル化合物であるエチル
- α- ヒドロキシメチルアクリレート 260.2g、前記一
般式(2)で表されるカルボニル化合物であるパラホル
ムアルデヒド 45.0 g、酸化防止剤としてのメトキシハ
イドロキノン 0.052g、キレート剤としての2,2'- オキ
シアミドビス- [エチル3-( 3,5-ジ-tert-ブチル- 4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート] 0.026g、および
触媒としてのp-トルエンスルホン酸一水和物 1.9gを仕
込んだ。
【0069】次いで、上記の反応溶液を攪拌しながら加
熱し、該反応容器内の温度を徐々に上昇させて90℃とし
た。その後、該反応溶液を90℃で3時間攪拌することに
より反応を完了させた。
【0070】そして、反応終了後、該反応溶液を2N−
水酸化ナトリウム溶液で中和した後、該反応溶液を、分
液ロートを用いて有機相と水相とに分液した。次に、上
記有機相をカラムクロマトグラフィーを用いて分離、精
製し、無色透明の液体 195.4gを反応生成物として得
た。尚、カラムクロマトグラフィーには、n-ヘキサン/
ベンゼン=1/2溶液を展開溶媒として用いた。また、
吸着剤にはシリカゲルを用いた。
【0071】この反応生成物について 1H−NMR、13
C−NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)を測定す
ることにより、物質の同定を行った。その結果、上記の
反応生成物が、4,6-ジオキシ-2,8- ジメチレン-1,9- ノ
ナンジカルボン酸ジエチルエステル、即ち、本発明にか
かる架橋性ビニル化合物であることを確認した。また、
ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、上記4,6-ジ
オキシ-2,8- ジメチレン-1,9- ノナンジカルボン酸ジエ
チルエステルの定量を行った。この結果、エチル- α-
ヒドロキシメチルアクリレートに対する4,6-ジオキシ-
2,8- ジメチレン-1,9- ノナンジカルボン酸ジエチルエ
ステルの収率は72モル%、選択率は91モル%であった。
反応生成物の 1H−NMRのチャートを図1に、13C−
NMRのチャートを図2に、赤外吸収スペクトルを図3
に示す。
【0072】〔実施例2〕先ず、実施例1と同様の反応
容器に、エチル- α- ヒドロキシメチルアクリレート 2
60.2gと、パラホルムアルデヒド 45.0 gと、酸化防止
剤としてのハイドロキノン 0.052gおよびジステアリル
-3,3'-チオプロピオネート0.026 gと、触媒としての塩
酸 1.0gとを仕込んだ。
【0073】次いで、実施例1と同様の反応・操作、並
びに、分離・精製を行って、無色透明の液体 190.2gを
反応生成物として得た。
【0074】この反応生成物について 1H−NMR、13
C−NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)を測定す
ることにより、物質の同定を行ったところ、実施例1と
同様の結果が得られた。つまり、上記の反応生成物が、
4,6-ジオキシ-2,8- ジメチレン-1,9- ノナンジカルボン
酸ジエチルエステル、即ち、本発明にかかる架橋性ビニ
ル化合物であることを確認した。また、ガスクロマトグ
ラフィー(GC)を用いて、上記4,6-ジオキシ-2,8- ジ
メチレン-1,9- ノナンジカルボン酸ジエチルエステルの
定量を行った。この結果、エチル- α- ヒドロキシメチ
ルアクリレートに対する4,6-ジオキシ-2,8- ジメチレン
-1,9- ノナンジカルボン酸ジエチルエステルの収率は70
モル%、選択率は90モル%であった。
【0075】
【発明の効果】本発明は、以上のように、一般式(1)
【0076】
【化12】
【0077】(式中、R1 はビニル基を有する有機残基
を表す)で表される水酸基含有ビニル化合物と、一般式
(2)
【0078】
【化13】
【0079】(式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立し
て水素原子または有機残基を表す)で表されるカルボニ
ル化合物とを反応させることを特徴とする一般式(3)
【0080】
【化14】
【0081】(式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立し
て水素原子または有機残基を表し、R15およびR16はR
1 に由来する置換基であり、それぞれ独立してビニル基
を有する有機残基を表す)で表される架橋性ビニル化合
物の製法に関するものである。
【0082】さらに、本発明は、上記R1 がα- ヒドロ
キシアルキルアクリル酸エステル類から水酸基を除いた
有機残基である上記架橋性ビニル化合物の製法に関する
ものである。
【0083】また、本発明は、さらに酸化防止剤を共存
させることを特徴とする上記架橋性ビニル化合物の製法
に関するものである。
【0084】上記の構成によれば、本発明にかかる前記
一般式(3)で表される架橋性ビニル化合物は、前記一
般式(1)で表される水酸基含有ビニル化合物と、前記
一般式(2)で表されるカルボニル化合物とを、酸化防
止剤の存在下で、該水酸基含有ビニル化合物の重合を防
止しながら、触媒として酸を用いて加熱することによっ
て、容易に得ることができる。
【0085】本発明の製法により得られる架橋性ビニル
化合物は、アセタール結合を介して該水酸基含有ビニル
化合物に由来する骨格部分同士が結合しているため、弱
酸性から強塩基性の広い範囲内で重合条件を設定するこ
とができる。また、該架橋性ビニル化合物は、各種有機
溶媒に可溶であり、共重合成分との相溶性も良好であ
る。
【0086】さらに、該架橋性ビニル化合物は、生分解
性の良好なアセタール結合を介して該水酸基含有ビニル
化合物に由来する骨格部分同士が結合しているため、生
分解性に優れた架橋性モノマーとして有用である。従っ
て、該架橋性ビニル化合物を重合して得られる重合体
は、架橋部分が生分解を受けることから、環境破壊を招
来しにくい環境適合性の重合体として有用であるという
効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において得られた反応生成物
である4,6-ジオキシ-2,8- ジメチレン-1,9- ノナンジカ
ルボン酸ジエチルエステルの 1H−NMRのチャートで
ある。
【図2】上記反応生成物の13C−NMRのチャートであ
る。
【図3】上記反応生成物の赤外吸収スペクトルである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 はビニル基を有する有機残基を表す)で表
    される水酸基含有ビニル化合物と、 一般式(2) 【化2】 (式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子ま
    たは有機残基を表す)で表されるカルボニル化合物とを
    反応させることを特徴とする一般式(3) 【化3】 (式中、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子ま
    たは有機残基を表し、R15およびR16はR1 に由来する
    置換基であり、それぞれ独立してビニル基を有する有機
    残基を表す)で表される架橋性ビニル化合物の製法。
  2. 【請求項2】上記R1 がα- ヒドロキシアルキルアクリ
    ル酸エステル類から水酸基を除いた有機残基であること
    を特徴とする請求項1記載の架橋性ビニル化合物の製
    法。
  3. 【請求項3】さらに、酸化防止剤を共存させることを特
    徴とする請求項1または2記載の架橋性ビニル化合物の
    製法。
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