JPH09132615A - N−ビニルホルムアミド/アルキルアクリレートマイケル付加物 - Google Patents

N−ビニルホルムアミド/アルキルアクリレートマイケル付加物

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JPH09132615A
JPH09132615A JP8241621A JP24162196A JPH09132615A JP H09132615 A JPH09132615 A JP H09132615A JP 8241621 A JP8241621 A JP 8241621A JP 24162196 A JP24162196 A JP 24162196A JP H09132615 A JPH09132615 A JP H09132615A
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ニン・チエン
Walter Louis Renz
ウオールター・ルイス・レンズ
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ロバート・クランツ・ピンシユミツト・ジユニア
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Air Products and Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 N−ビニルアミドの望ましい溶媒及び重合特
性を示し、液状放射線硬化性調合物成分に要求される物
理的特性を有し、先行技術の液体モノマーよりも広範囲
のTg及び疎水性特性を有する新規N−ビニルモノマー
を提供する。 【解決手段】 一般式1のN−ビニル化合物、例えば3
−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート及び2−
メチル−3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネー
ト、又は対応するプロピオンアミドから成る新規な不飽
和化合物。N−ビニルホルムアミドのアクリル又はメタ
クリル酸エステルとのマイケル付加により得られ、フリ
ーラジカル重合用モノマー、特に光硬化性コーティング
の成分として有用である。 〔Rは水素又はメチル、Rは各々が約C20個まで
の多環式アルキル、ベンジル又はアルキレン基である〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、特に光硬化性コーティン
グの成分としてのフリーラジカル重合におけるモノマー
として有用な化合物に関する。
【0002】
【発明の背景】N−ビニルアミドの種類の不飽和モノマ
ーは、広い範囲の有用な特性を有するホモポリマー及び
コポリマーの製造のためのフリーラジカル重合反応にお
いて用いられてきた。これらの中でN−ビニルラクタ
ム、特にN−ビニル−2−ピロリドンはそれらの広い商
業的利用性及び広い範囲のコモノマー例えばアクリル酸
エステル及びメタクリル酸エステルとの急速な重合のた
めに広く用いられてきた。その他の環式及び非環式N−
アルキル置換(第三級)N−ビニルカルボン酸アミドの
重合も同様に開示されてきた。第二級N−ビニルアミド
例えばN−ビニルホルムアミド及びN−ビニルアセトア
ミドもまたアクリル化合物と良く共重合し、そして引き
続いて加水分解されてビニルアミン官能性を導入するこ
とができる親水性ポリマーを製造するために有用であ
る。
【0003】幾つかのN−ビニルアミドモノマーが種々
のタイプの液体及び固体光重合性組成物の成分として示
唆されてきた。一つの種類としてはビニルアミドがこれ
らの応用のためにある種の有用な特性、例えば他の化学
品との良好な相溶性(compatibility)、アクリレート
との共重合性、酸素重合防止に対する可なりの抵抗性、
及び望ましい接着促進特性を有する。
【0004】Lorenzら(米国特許第4,129,709
号)は、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル化オリ
ゴマー及び760mmHgで少なくとも200℃の沸点を有
するアクリル酸エステルから成るコーティング組成物を
開示している。これらの組成物は200〜750nmの化
学線放射線への露出によって又は電子ビームによって硬
化させることができる。Tuら(米国特許第4,319,8
11号)は、トリアクリレート又はテトラアクリレート
モノマーとN−ビニルイミドモノマー好ましくはN−ビ
ニルラクタム例えばN−ビニル−2−ピロリドンとから
成る放射線硬化性コーティングを述べている。Priola及
び共同研究者(米国特許第4,348,427号)は、ア
クリル化オリゴマー及び/又は不飽和ポリエステルオリ
ゴマーとアミド、ラクタム、ピペリドン及び尿素の種類
の少なくとも一種の不飽和化合物との混合物から成る組
成物、並びに200〜400nmの範囲の紫外線への露出
によってそれらを硬化させることを述べている。
【0005】Cornfrothら(米国特許第5,281,68
2号)はN−ビニルホルムアミドと、エポキシアクリレ
ート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト及びこれらの混合物の群から選ばれたオリゴマーとを
含む改善された放射線硬化性調合物を教示している。El
zerら(米国特許第4,725,524号)は、アクリル
又はメタクリルオリゴマー、相溶性フィルム形成水溶性
ポリマー、一種以上の相溶性光重合性モノマー、光開始
剤及びその他の添加剤を含む乾燥フィルムフォトレジス
トを開示している。Barzynskiら(米国特許第4,20
5,139号及び第4,424,314号)はその中に少
なくとも2個のN−ビニル基が存在し、そしてその中で
少なくとも一個のカルボニル基がN−ビニル基の窒素に
結合していて、そして前記カルボニル基が今度は窒素又
は炭素原子に結合しているN−ビニル化合物を含む硬化
性組成物を教示している。
【0006】最も商業的に重要な種類の放射線硬化性組
成物は、不飽和アクリル化合物のフリーラジカル光重合
に依存する。これらのシステムは一般に、幾つかの主な
樹脂化学品、例えばウレタン、エポキシド、ポリエステ
ル及びその他のの一つから誘導されたアクリルエステル
末端のオリゴマーを基にしている。アクリル化オリゴマ
ーは、しばしば種々の非重合性物質(顔料、充填剤、流
動剤、酸化防止剤など)、並びに光開始剤及び共触媒と
配合され、そして硬化前に基体に付与される。硬化は調
合物を紫外光又はその他のタイプの放射線に、乾いた接
着性の重合されたフィルムが形成されるまで露出させる
ことによって達成される。この一般的記述の調合物は印
刷インク、保護コーティング、接着剤及び類似物として
の用途を見い出す。
【0007】実際には、希釈剤モノマーをこれらの調合
物の中に組み込んで、照射に先立って基体上で適切な流
動及びレベリングを可能にするために十分にオリゴマー
の粘度を低下させることがしばしば必要である。これは
印刷及びコーティング産業に共通の方法によって塗布さ
れる調合物に関して特に真実である。この目的のために
使用される希釈剤モノマーは、二つの広いカテゴリーに
入る:多官能(又は多不飽和)タイプ及び単官能(又は
モノ不飽和)化合物。多官能性モノマーは一般に高い硬
化速度及び高い橋かけ密度を与えるので堅質で化学的に
耐性のフィルムとなるが、それらは粘度を十分に低下さ
せることができず、そしてまた硬化の際のフィルムの過
度の収縮のために接着性低下の原因となる可能性があ
る。多官能性モノマーは通常は粘度を減らすのに一層効
果的であり、そして多くの基体へのより良好な接着を示
す比較的軟質でより延伸性のフィルムを生成させること
ができる。非常に多数の不飽和化合物が希釈剤として潜
在的に有用であるけれども、比較的少数のものが実用的
であることが証明された。これは当該技術において用い
られる反応性モノマーが多数の物理的なそして性能上の
要件、中でも高い流動性、低い蒸気圧、少ない着色、少
ない臭い、高い引火点、低い毒性及び刺激性、広範な相
溶性、及び他の不飽和物質との急速な共重合性に合致し
なければならないからである。
【0008】モノ不飽和N−ビニルアミドは光硬化性化
合物として上で述べた有用な特性を有するが、これらの
モノマーで希釈剤としての使用のためのすべての基準を
満たすものは殆どない。例えば低級アルキル第三級N−
ビニルアミド(例えばN−メチル−N−ビニルホルムア
ミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド)は優れた
溶媒であるが、過度に揮発性でありそして比較的低い引
火点(200°F未満)を有することが見い出されてい
る。高級第二級及び第三級N−ビニルアミド(例えばN
−ビニルアセトアミド、N−ビニルベンズアミド、N−
ビニルカプロラクタム、N−フェニル−N−ビニルアセ
トアミド、N−ビニル−2−ピペリジノン、N−ビニル
スクシンイミド、N−ビニルモルホリノン)は、揮発性
がより少なくそして親水性がより少ないが室温よりも高
い融点を有し、これらの性質がそれらを液体システムに
おける希釈剤又は共反応物として望ましくないものにす
る。これらのモノマーの多くはまた受け入れられないほ
ど遅い硬化速度を示す。
【0009】Kurtz及びDisselnkotter(Liebigs Ann.C
hem., 764,69〜93頁,1972)は、シアン化カリウム触
媒を利用するベンゼン中のN−ビニルホルムアミドとア
クリロニトリルとの反応による3−N−ビニルホルムア
ミドプロピオニトリルの製造を述べている。この化合物
のための応用は報告されていない。しかしながらこの物
質もまた、光硬化性モノマーとしてはある種の欠陥を有
することが見い出された。別の欠点は、それの製造にお
ける高度に毒性の触媒の使用である。
【0010】N−ビニルの種類の中では、N−ビニル−
2−ピロリドン(NVP)だけが、良好な溶媒特性、低
い蒸気圧及び液体光硬化システムにおける高い硬化速度
の適当な組み合わせのために当該技術において広い商業
的受容を達成してきた。更に最近では、N−ビニルホル
ムアミド(NVF)が等しい又はより優れた性能を与え
ることが示された。しかしながらNVP及びNVFは両
方ともまたある種の欠点を有する。注目すべきは、両方
のモノマーともに、達成することができるフィルム特性
に対して幾つかの制約を課す比較的高いガラス転移温度
(150〜175℃)を有する。加えて両方のモノマー
はともに、硬化されたフィルムの水感受性を不当に増加
させる可能性がある比較的親水性である。
【0011】本発明の目的は、N−ビニルアミドの望ま
しい溶媒及び重合特徴を示し、そして同時にまた液状放
射線硬化性調合物の成分としてそれらの実用化に必要
な、要求される物理的特性を有し、そして同時に更に先
行技術の好ましい液体モノマー、即ちNVP及びNVF
によって示されるよりも広い範囲のTg及び疎水性特性
を有する、新規なN−ビニルモノマーを提供することで
ある。
【0012】
【発明の要約】本発明はN−ビニルホルムアミド(NV
F)のアクリル又はメタクリル酸エステルへのマイケル
付加から得られる、3−(N−ビニルホルムアミド)プ
ロピオネート及び2−メチル−3−(N−ビニルホルム
アミド)プロピオネート、又は対応するプロピオンアミ
ドから成る不飽和モノマーに関する。本発明によって包
含される物質は、一般構造式:
【化2】 [式中、R1は水素又はメチルであり、そしてR2は、9
〜20個の炭素原子を含む線状の又は分岐したアルキ
ル、各々が約20個までの炭素原子を含む環式又は多環
式アルキル、ハロゲン化アルキル、アリールアルキル又
はアルキレン基である]を有する。
【0013】本発明の化合物は塩基性触媒例えばナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド又はブチルリチ
ウムの存在下でのN−ビニルホルムアミドとアクリル又
はメタクリルエステルとの反応によって製造される。こ
の反応は純粋なモノマーの混合物中でか、又は適切な有
機溶媒中で、0〜100℃の温度で実施される。この反
応は0.1〜100時間の間、進行せしめその後で精製
生成物を好ましくは真空蒸留によって回収する。
【0014】本発明に従って製造された化合物は、殊に
光硬化性コーティングにおけるモノマーとして有用であ
ることが見い出された。これらの化合物は優れた溶媒特
性、低い粘度、広い液体範囲、低い蒸気圧、少ない着
色、優れた色安定性、良好な接着、及びフリーラジカル
光重合における高い硬化速度を示す。加えて本発明の下
で定義された物質は、広い範囲のTg及び疎水性特徴を
与えるように選択することができる。
【0015】放射線硬化において有用である一方、これ
らのモノマーはその他のタイプのポリマー合成例えば塊
状、懸濁、乳化又は溶液重合において、そして放射線硬
化において一般的に使用されるコモノマーとは異なるコ
モノマー(例えば、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、マレイン酸エステル、アクリロニトリルなど)との
もっと広い利用性を有することが本発明者らによって認
識されている。それ故、本発明は当該技術において知ら
れた任意の手段によるこれらのモノマーの単独重合又は
共重合を包含することを意図する。
【0016】
【発明の詳述】N−ビニルホルムアミドのアクリル又は
メタクリル酸エステルへのマイケル付加から得られる、
3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート及び2
−メチル−3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネ
ートから成る新規な不飽和モノマー。本発明によって包
含される物質は、一般構造式:
【化3】 [式中、R1は水素又はメチルであり、そしてR2は、9
〜20個の炭素原子を含む線状の又は分岐したアルキ
ル、各々が約20個までの炭素原子を含む環式又は多環
式アルキル、ハロゲン化アルキル、アリールアルキル又
はアルキレン基である]を有する。
【0017】主題の化合物はN−ビニルホルムアミド
(NVF)のアクリル又はメタクリル酸エステルへの求
核付加によって容易に製造される。この反応は純粋なモ
ノマーの単純な混合物中で、又は溶媒中で実施すること
ができる。NVF及び(メタ)アクリレートエステル基
は、約1:10〜約20:1のモル比で、そして好まし
くは1当量の(メタ)アクリレートあたり約1.1モル
のNVFの比で反応混合物中に存在する。フリーラジカ
ル抑制剤、例えばベンゾキノンもまた添加される。反応
は好ましくは空気中で、大気圧又はその他の圧力で実施
される。
【0018】反応は強い塩基性触媒例えばアルカリ金属
又は第四級アミン水酸化物又はアルコキシドの存在下で
実施される。メトキシド、エトキシド、イソプロポキシ
ド及びt−ブトキシドの種類の塩基が好ましい。ナトリ
ウムメトキシドが殊に好ましい。その他の有用な触媒
は、アリール及びアルキルリチウム、カリウム及びナト
リウムを含む。その他の強塩基、例えば第三級アミン、
アミジン、又は金属アミド例えばナトリウムアミド若し
くはリチウムジイソブチルアミドの使用もまた考えら
れ、無水炭酸塩の使用もまたそうである。触媒は、反応
物の総重量の約0.0005〜約5重量%、そして好ま
しくは0.1〜0.5重量%の量で反応混合物中に存在す
る。一般に、触媒の適切なレベルは、(メタ)アクリル
酸エステルの当量及び反応物のモル比に依存して変わる
であろう。触媒の添加に引き続いて、反応物又は反応物
溶液を、0〜100℃、そして好ましくは20〜60℃
の温度で維持しそして約0.1時間〜約100時間の間
反応せしめる。
【0019】原則的に試薬モノマーはバッチ様式で、段
階的な添加によって、又は連続的にいずれも最も適切に
反応させることができる。合成は有利には純粋なモノマ
ーの混合物中で実施されるが、両方の反応物のための不
活性溶媒を用いることもできる。可能な溶媒はアミド、
低級炭化水素、塩素化炭化水素、及び芳香族を含む。好
ましい溶媒はエステル(例えば酢酸エチル)及びエーテ
ル(例えばエチルエーテル、テトラヒドロフラン)であ
る。
【0020】精製された3−(N−ビニルホルムアミ
ド)プロピオネート付加物は、好ましくは、0.01〜
約50トールの真空下での蒸留によって反応混合物から
回収される。蒸留はバッチ式か又は連続的に、例えば塗
り付け(wiped)膜蒸発器におけるように実施すること
ができる。その他の可能な精製方法は、触媒の中和と引
き続く未反応出発物質の真空追い出し、又は溶媒抽出を
含む。ある場合には3−N−ビニルホルムアミド付加物
の反応混合物からの単離を必要としない。例えば粗生成
物は、ある量の未反応NVF及び/又は(メタ)アクリ
ル酸エステルが問題ではない応用に適切である可能性が
ある。
【0021】広い範囲のアクリル及びメタクリルモノマ
ーが、この技術における共反応物又はマイケル受容体と
して潜在的に有用である。最も適切なマイケル受容体
は、それらの構造中に活性水素のソースを含まない(メ
タ)アクリル酸モノエステルである。活性水素のこのよ
うな望ましくないソースは、例えば、アルコール及びカ
ルボン酸基、第一級及び第二級アミン、第一級及び第二
級アミドなどの中に存在するO−H及びN−H種であ
る。
【0022】このような規定にも拘わらず、(メタ)ア
クリル酸エステル基の性質は、サイズにおいては1〜約
20個の炭素原子の範囲の、線状の及び分岐したアルキ
ル、環式及び多環式アルキル、アリールアルキル、第三
級アミノアルキル、不飽和アルキル、ハロゲン化アルキ
ルなどを含む広い範囲の構造から選ぶことができる。N
VFとの反応のために適切な(メタ)アクリル酸エステ
ルの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、
ベンジルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、アリルアクリレート及びメチルメタクリ
レートを含む。
【0023】上の(メタ)アクリレートエステルは広い
範囲の特性、例えばTg及び疎水性に及ぶことは当業者
には明らかであろう。NVFを適切な(メタ)アクリル
酸エステルに付加させることによって、マイケル受容体
(即ちアクリレート又はメタクリレートエステル)のT
g及び疎水性特性は、生成するN−ビニルアミドモノマ
ー中に組み込むことができることが見い出された。更に
放射線硬化における使用のためには通常は過度の揮発性
又は過度の可燃性を有するアクリレートエステル(例え
ばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、及びエチ
ルヘキシルアクリレート)をNVFのためのマイケル受
容体として用いて、低い揮発性及び高い引火点を示す3
−N−ビニルホルムアミド付加物を生成させることがで
きることが見い出された。以下の表は先行技術のN−ビ
ニルアミドと本発明の下で製造された幾つかの3−(N
−ビニルホルムアミド)プロピオネートの物理的特性を
比較する。
【0024】
【表1】
【0025】上で示したように、3−(N−ビニルホル
ムアミド)プロピオネートエステルは室温で無色の液体
であり、有利には低い揮発性を示し、そしてNVF及び
NVPと同等は又はより高い引火点を有する。更にまた
メチル及びエチルプロピオネートエステルの例によって
証明されるようにNVFの対応するアクリレートへの付
加は、N−ビニルホルムアミド出発物質よりも顕著に低
いTgを有するN−ビニルモノマーを生成させる。
【0026】比較のために先行技術のNVF/アクリロ
ニトリル付加物(3−(N−ビニルホルムアミド)プロ
ピオニトリル)は、Kurz及びDisselnkotterの方法に従
って製造された。蒸留された生成物は、着色していてそ
して色安定性の低下を示すことが見い出された。更にま
たプロピオニトリルモノマーの色は、物質を含む硬化さ
れたフィルム中に残存することが見い出された。このよ
うな着色はこの技術においては欠点と見なされる。何故
ならばそれは、例えばそれらを着色されたコーティング
又はインクとして用いる時に、調合物中に組み込まれる
であろう顔料又は染料のスペクトルの特徴と干渉する可
能性があり、又は調合物が着色された背景若しくはグラ
フの上の透明なワニスとして作用することを意図する場
合があるからである。対照的に本発明のプロピオネート
エステル付加物は製造されたままでは本質的に無色であ
り、そして高められた温度での長期の貯蔵の後でさえ変
色に対する優れた抵抗性を示す。プロピオネートエステ
ルの別の利点はそれらのより低いそのままの粘度であ
り、これは以下の実施例において示されるように、アク
リル化オリゴマーの粘度を減らす際にそれらのより大き
な効果をもたらす。
【0027】
【表2】
【0028】放射線硬化性調合物におけるそれらの使用
に加えて、3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネ
ートエステルは、種々の商業的応用において利用性を有
する水又は有機溶媒可溶性ホモポリマー及びコポリマー
の製造のための慣用的なポリマー合成においても有用で
あろう。コポリマーの場合には本発明のプロピオネート
エステルはビニルエステル、ビニルアミド、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステ
ル、置換された及び置換されていないアクリルアミド、
置換された及び置換されていないメタクリルアミド、ジ
アリルモノマー、マレイン酸、無水マレイン酸、エチレ
ン、塩化ビニル、アクリロニトリル、カチオン性の酸及
びアクリル酸から成る群から選ばれた一種以上の共重合
性モノマーと共重合させることができる。このようにし
て誘導されたポリマーのための可能な用途は以下のもの
を含む:金属、プラスチック及び紙のためのコーティン
グ樹脂;接着剤;ヘアコンディショニング及び定着樹
脂;紙強度及びサイジング剤;水処理化学品;印刷イン
クのための顔料分散剤及びバインダー;乳化重合のため
のコロイド;ヒドロゲル。以下の実施例は、本発明をよ
り明確に示すものであってこれらに限定するものではな
い。
【0029】
【実施例】実施例1 メチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
の製造 冷水コンデンサー及び撹拌機を備えた1000mLの三ッ
口丸底フラスコに、215グラム(2.5モル)のメチ
ルアクリレート、195グラム(2.75モル)のN−
ビニルホルムアミド、及び0.1グラムのベンゾキノン
を添加した。混合物を周囲温度で2分間撹拌し、そして
1.5グラムのナトリウムメトキシドを一度に添加し
た。この混合物を周囲温度で約2時間撹拌し、そして一
晩放置した。反応混合物を真空下で蒸留し、そして75
℃(0.8mmHg)で沸騰する361グラムの生成物(9
2%の収率)を分析のために収集した。1H NMR分
析は、3−N−ビニルホルムアミド付加物の同定を確認
した。
【0030】実施例2 エチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
の製造 冷水コンデンサー及び撹拌機を備えた100mLの三ッ口
丸底フラスコに、30.9グラムのエチルアクリレート
及び21.9グラムのNVFを添加した。2分間の混合
後に、0.20グラムのナトリウムメトキシドを一度に
添加した。この混合物を3時間反応させ、そして次に蒸
留して、88℃(1.0mmHg)で沸騰する40.3グラム
の生成物を回収した。
【0031】実施例3 ブチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
の製造 実施例2の手順に従って、72.5グラムのN−ブチル
アクリレートを43.0グラムのNVFと反応させた。
混合物を4時間反応させ、そして次に蒸留して96℃
(0.5mmHg)で沸騰する101.2グラムの生成物を回
収した。
【0032】実施例4 t−ブチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネ
ートの製造 実施例2の手順に従って、21.9グラムのt−ブチル
アクリレートを42.0グラムのNVFと反応させた。
混合物を72時間反応させ、そして次に蒸留して80℃
(0.5mmHg)で沸騰する51.5グラムの生成物を
回収した。
【0033】実施例5 エチルヘキシル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピ
オネートの製造 実施例2の手順に従って、83.1グラムの2−エチル
ヘキシルアクリレートを34.4グラムのNVFと反応
させた。混合物を96時間反応させ、そして次に蒸留し
て122℃(0.8mmHg)で沸騰する79.8グラムの生
成物を回収した。
【0034】実施例6 メチル2−メチル−3−(N−ビニルホルムアミド)プ
ロピオネートの製造 冷水コンデンサー、オイルバス及び撹拌機を備えた10
0mLの三ッ口丸底フラスコに33.2グラムのメチルメ
タクリレート及び23.6グラムのNVFを添加した。
混合物を室温で2分間撹拌し、そして80mgのブチルリ
チウム(ヘキサン中の2.5M溶液として)を一度に添
加した。反応混合物を65℃で8時間撹拌し、そして次
に蒸留して75〜77℃(0.5mmHg)で沸騰する29.
5グラムの生成物を回収した。
【0035】実施例7 シクロアルキルアクリレート: イソボルニル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオ
ネートの製造
【化4】 冷水コンデンサー及び撹拌機を備えた100mLの三ッ口
丸底フラスコに、20.8グラムのイソボルニルアクリ
レート、0.01グラムのベンゾキノン及び7.1グラム
のNVFを添加した。2分間混合した後で、0.1グラ
ムの25%のナトリウムメトキシドメタノール溶液を一
度に添加した。周囲温度で20時間撹拌した後で着色し
た混合物を蒸留し、そして143〜145℃/0.7mmH
gで沸騰する留分を収集すると22.3グラムの無色のイ
ソボルニル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネ
ート(80%)が得られた。
【0036】実施例8 芳香族部位含有アクリレート: ベンジル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネー
トの製造
【化5】 冷水コンデンサー及び撹拌機を備えた100mLの三ッ口
丸底フラスコに、14.6グラムのベンジルアクリレー
ト、0.01グラムのベンゾキノン及び7.1グラムのN
VFを添加した。2分間混合した後で、0.1グラムの
25%のナトリウムメトキシドメタノール溶液を一度に
添加した。周囲温度で24時間撹拌した後で、着色した
混合物を蒸留し、そして147〜148℃/0.8mmHg
で沸騰する留分を収集すると16.5グラムのベンジル
3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネートが薄い
黄色の液体(76%)として得られた。
【0037】実施例9 窒素含有アクリレート: N,N−ジメチルアミノエチル3−(N−ビニルホルム
アミド)プロピオネートの製造
【化6】 冷水コンデンサー及び撹拌機を備えた100mLの三ッ口
丸底フラスコに、14.3グラムのN,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、0.01グラムのベンゾキノン
及び7.1グラムのNVFを添加した。2分間混合した
後で、0.1グラムの25%のナトリウムメトキシドメ
タノール溶液を一度に添加した。周囲温度で24時間撹
拌した後で、着色混合物を蒸留し、そして115〜12
0℃/1mmHgで沸騰する留分を収集すると12.2グラ
ムのN,N−ジメチルアミノエチル3−(N−ビニルホ
ルムアミド)プロピオネートが薄い黄色の液体(57
%)として得られた。
【0038】実施例10 フルオロアルキルアクリレート: 2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル3−(N−
ビニルホルムアミド)プロピオネートの製造
【化7】 冷水コンデンサー及び撹拌機を備えた100mLの三ッ口
丸底フラスコに、23.6グラムの2,2,3,4,4,4−
ヘキサフルオロブチルアクリレート、0.01グラムの
ベンゾキノン及び7.1グラムのNVFを添加した。2
分間混合した後で、0.2グラムの25%のナトリウム
メトキシドメタノール溶液を一度に添加した。周囲温度
で24時間撹拌した後で、着色した混合物を蒸留し、そ
して95℃/0.5mmHgで沸騰する留分を収集すると1
4.3グラムの2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチ
ル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネートが薄
い黄色の液体(47%)として得られた。
【0039】実施例11 アリルアクリレート: アリル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
の製造
【化8】 冷水コンデンサー及び撹拌機を備えた250mLの三ッ口
丸底フラスコに、82.2グラムのアリルアクリレー
ト、0.01グラムのベンゾキノン及び57.3グラムの
NVFを添加した。2分間混合した後で、0.2グラム
の25%のナトリウムメトキシドメタノール溶液を一度
に添加した。60℃で24時間撹拌した後で、着色した
混合物を蒸留し、そして100〜110℃/1mmHgで沸
騰する留分を収集すると53.0グラムのアリル3−
(N−ビニルホルムアミド)プロピオネートが薄い黄色
の液体(38%)として得られた。
【0040】実施例12 メチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
の単独重合 NVF/メチルアクリレート付加物のホモポリマーを、
物質のガラス転移温度を測定するために製造した。実施
例1において製造された50グラムの付加物を、撹拌機
及びオイルバスを備え、そして60グラムのトルエンを
含む反応容器に添加した。混合物を撹拌し、そして温度
を100℃に上げ、そして0.5グラムのVazoTM88開
始剤(1,1′−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル)を一度に添加した。反応を32時間進行せしめ、そ
の後で沈殿したポリマーを濾過によって回収した。ホモ
ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よって分析し、そして55,600の数平均分子量(M
n)及び152,100の重量平均分子量(Mw)を有
することを見い出した。ガラス転移温度を、示差走査熱
量計(DSC)を使用して測定しそして24℃であるこ
とを見い出した。
【0041】実施例13 エチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
の単独重合 NVF/エチルアクリレート付加物のホモポリマーをま
た製造した。実施例2において製造された15.1グラ
ムの付加物を、撹拌機及びオイルバスを備え、そしてそ
の中に13グラムの酢酸エチルを既に入れていた反応容
器に添加した。混合物を撹拌し、そして温度を80℃に
上げ、そして0.03グラムのVazoTM67(2,2′−ア
ゾビス−2−メチルブタンニトリル)開始剤を一度に添
加した。反応を29時間進行させ、その後で水の中での
沈殿によってポリマーを回収し、濾過しそして真空オー
ブン中で乾燥させた。ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーによる分析は、32,300のMn及び106,
900のMwを示した。DSCによって測定されたガラ
ス転移温度は46℃であることが見い出された。
【0042】実施例14 メチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
(NVF/MA)とNVFとの共重合 機械的撹拌機、水コンデンサー、窒素入り口/出口チュ
ーブ及び添加漏斗を備えた三ッ口丸底フラスコに、1
5.4gのNVF/MA、0.2gのVazoTM88及び3
6.1gのメトキシプロパノールを仕込んだ。混合物を
100℃に加熱し、そしてその温度で30分間撹拌し
た。10.5gのメトキシプロパノール中の4.6gのN
VF及び0.2gのVazoTM88の混合物を40分にわた
って添加漏斗を通して添加した。この混合物を連続的に
100℃で4時間加熱した。反応溶液から取り出したサ
ンプルをGCによって分析したが、これは76%のNV
F/MA及び98%のNVFがポリマーに転換されたこ
とを示した。溶媒を真空下で除去し、そして生成物をD
2O中に溶かした。13C NMR分析は、NVF対NVF
/MAの40/60の比を有する予期されたコポリマー
を示した。
【0043】実施例15 メチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
とブチルアクリレートとの共重合 機械的撹拌機、水コンデンサー、窒素入り口/出口チュ
ーブ及び添加漏斗を備えた三ッ口丸底フラスコに11.
5gのNVF/MA、0.1gのTriginox23及び20.
4gのメタノールを仕込んだ。混合物を60℃に加熱
し、そしてその温度で30分間撹拌した。20.1gの
メタノール中の9.4gのブチルアクリレート及び0.1
gのTriginox23の混合物を3時間にわたって添加漏斗
を通して添加した。この混合物を連続的に60℃で2時
間加熱した。反応溶液から取り出したサンプルをGCに
よって分析したが、これは77%のNVF/MA及び1
00%のブチルアクリレートがポリマーに転換されたこ
とを示した。溶媒を真空下で除去し、そして生成物をD
MSO中に溶かした。13C NMR分析は、ブチルアク
リレート対NVF/MAの53:47の比を有する予期
されたコポリマーを示した。このポリマーの分子量は、
GPC(標準としてポリスチレン)によって測定して、
Mw=105,485及びMn=33,616であった。
【0044】実施例16 メチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
とビニルプロピオネートとの共重合 機械的撹拌機、水コンデンサー、窒素入り口/出口チュ
ーブ及び添加漏斗を備えた三ッ口丸底フラスコに、1
2.4gのNVF/MA、7.9gのビニルプロピオネー
ト及び35.8gのアセトニトリルを仕込んだ。混合物
を60℃に加熱し、そして混合物をその温度で30分間
撹拌した。10.5gのアセトニトリル中の0.2gのTr
iginox23を反応フラスコに一度に添加した。この混合
物を連続的に60℃で47時間加熱した。反応溶液から
取り出したサンプルをGCによって分析したが、これは
83%のNVF/MA及び76%のビニルプロピオネー
トがポリマーに転換されたことを示した。溶媒を真空下
で除去し、そして生成物をジュウテリオアセトニトリル
中に溶かした。13C NMR分析は、ビニルプロピオネ
ート対NVF/MAの50:50の比を有する予期され
たコポリマーを示した。このポリマーの分子量は、GP
C(標準としてポリスチレン)によって測定して、Mw
=19,338及びMn=8313であった。このポリ
マーのガラス転移温度は約40℃であった。
【0045】実施例17 光重合性組成物中の希釈剤としてのNVF/アクリレー
トエステル付加物の相対的性能を、先行技術のN−ビニ
ルモノマーと比較して評価した。N−ビニル化合物の等
しい重量の留分を、エポキシアクリレートオリゴマー、
二つの多官能アクリレートモノマー及び共通のフリーラ
ジカル光開始剤を含むモデル調合物中で比較した。
【0046】
【表3】
【0047】オリゴマー、アクリレートモノマー、N−
ビニルモノマー及び光開始剤から成る液体混合物を良く
混合し、そしてブルックフィールド粘度を測定した。#
10のワイヤバーを使用して、洗浄した3″×5″のア
ルミニウムパネル上に薄いフィルムを引き下ろした。パ
ネルを市販の300ワット/インチの中程度の圧力の水
銀ランプ及びコンベヤーシステムを使用して空気中で紫
外光の下で硬化させた。硬化されたフィルムの特性を、
1分あたり105フィートのコンベヤー速度で一回露光
の後で評価した。二重擦り試験を使用してフィルムの水
及び溶媒(メチルエチルケトン)抵抗性を測定すること
によって硬化の程度を示した。フィルムの硬さはガラス
で検量した(412秒)BYK Gardner Pendulum Hardnes
s Testerを使用してPersoz硬さ技術によって評価した。
各々の調合物の相対的硬化速度を硬化コンパレーター
(UVProcess Supply Company)の深さを使用して評価し
た。
【0048】先行技術の3つのN−ビニルモノマー(N
−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン及
びN−メチル−N−ビニルアセトアミド)を含む調合物
の特性を以下に表示する:
【0049】
【表4】
【0050】予期したようにNVF及びNVPは、硬く
無色の化学的に抵抗性のフィルムを生成させ、そしてま
たこのシステムにおける優れた硬化速度を示した。NM
NVAは、粘度を減らすのに最も効果的であり、そして
モノマーの黄色を留めた比較的柔らかいフィルムを生成
させた。NMNVAの硬化深度はその他のモノマーより
も顕著に浅く、これは光重合の比較的遅い速度を示す。
一般にこの試験においては高い数字が望ましい。何故な
らば、それはより短い露光時間又はより速いライン速度
を与えられたフィルム厚さを硬化させるために使用する
ことができることを示唆するからである。
【0051】3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオ
ネートエステルを含む調合物を、次に、上記の手順に従
って評価した。メチル3−(N−ビニルホルムアミド)
プロピオネート(以下ではNVF/MAと略記する)、
エチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
(NVF/EA)及びn−ブチル3−(N−ビニルホル
ムアミド)プロピオネート(NVF/BA)を、先行技
術の3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオニトリル
(NVF/AN)化合物と平行して調合しそして硬化さ
せた:
【0052】
【表5】
【0053】示したようにすべての3つのプロピオネー
トエステルは、プロピオニトリル付加物よりも希釈剤と
して一層効果的であった。すべてのNVF付加物は、単
一露光で乾いた表面へと硬化して、化学的に抵抗性の橋
かけされたフィルムを生成した。NVF/メチルアクリ
レート付加物は、NVF及びNVPよりも低い調合物粘
度を与え、最も柔らかいフィルムを生成させ、そして優
れた硬化速度を示した。すべての付加物は、それらのよ
り低いTg値を基にして予期されるであろうように、N
VFに対してフィルムの硬さを減らすことが観察され
た。NVF/アクリロニトリル付加物は、濃い黄色を保
持した硬化されたフィルムを生成させた。これらは、C
IEスケールに従って測定され、そして無色の対照(0
のδ−E)に対して26のδ−E値(濃く着色された)
を有すると測定された。すべてのNVF/アクリレート
エステル生成物は無色のフィルムへと硬化した。
【0054】実施例18 メチル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネート
(NVF/MA)を含む硬化したフィルムの感水性を、
NVFを含む同一の調合物と比較した。この試験におい
て使用した調合物は以下の通りであった:
【0055】
【表6】
【0056】これらの調合物を実施例14中に示した条
件下で硬化させ、そして秤量されたフィルムの水収着の
程度を、60℃で1時間の水の中の浸漬の後で測定し
た。浸したフィルムを紙タオルで軽く叩きながら乾か
し、再度秤量し、そして次にオーブン中で100℃で2
時間乾燥させた。オーブン乾燥後のフィルムの最後の重
量もまた記録した。膨潤指数は浸されたフィルム対元の
出発重量の重量比として定義される。水の中の%可溶物
は出発重量と比較したオーブン乾燥後の重量の減少とし
て定義される。この試験の結果を以下に示す:
【0057】
【表7】 示したようにメチル3−(N−ビニルホルムアミド)プ
ロピオネートを含む硬化フィルムは、等しい重量留分の
NVFを含むフィルムよりも低い水収着及びより低い硬
さを示した。
フロントページの続き (72)発明者 ウオールター・ルイス・レンズ アメリカ合衆国ペンシルベニア州18062. マキユンジー.ラーチレイン6391 (72)発明者 ロバート・クランツ・ピンシユミツト・ジ ユニア アメリカ合衆国ペンシルベニア州18104. アレンタウン.リバテイーストリート2549

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式: 【化1】 [式中、 R1は水素又はメチルであり、そしてR2は、各々が約2
    0個までの炭素原子を含む多環式アルキル、ベンジル又
    はアルキレン基である]から成るN−ビニル化合物。
  2. 【請求項2】 R1が水素である、請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】 R2がイソボルニル、ベンジル、アリ
    ル、N,N−ジメチルアミノエチル及びヘキサフルオロ
    ブチルから成る群から選ばれる、請求項2記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 イソボルニル3−(N−ビニルホルムア
    ミド)プロピオネートである、請求項2記載の化合物。
  5. 【請求項5】 ベンジル3−(N−ビニルホルムアミ
    ド)プロピオネートである、請求項2記載の化合物。
  6. 【請求項6】 N,N−ジメチルアミノエチル3−(N
    −ビニルホルムアミド)プロピオネートである、請求項
    2記載の化合物。
  7. 【請求項7】 2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブ
    チル3−(N−ビニルホルムアミド)プロピオネートで
    ある、請求項2記載の化合物。
  8. 【請求項8】 アリル3−(N−ビニルホルムアミド)
    プロピオネートである、請求項2記載の化合物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の構造体の単独重合された
    単位から成る化合物。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の構造体の単独重合され
    た単位から成る化合物。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の構造体及び第二の重合
    性モノマーの重合された単位から成る化合物。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の構造体及び第二の重合
    性モノマーの重合された単位から成る化合物。
  13. 【請求項13】 第二の重合性モノマーが、ビニルエス
    テル、ビニルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル
    酸エステル、マレイン酸エステル、置換された及び置換
    されていないアクリルアミド、置換された及び置換され
    ていないメタクリルアミド、ジアリルモノマー;並びに
    マレイン酸、無水マレイン酸、エチレン、塩化ビニル、
    アクリロニトリル、カチオン性の酸及びアクリル酸から
    成る群から選ばれる、請求項11記載の化合物。
  14. 【請求項14】 第二の重合性モノマーが水溶性ビニル
    アミドである、請求項11記載の化合物。
  15. 【請求項15】 ビニルアミドがN−ビニルホルムアミ
    ド又はN−ビニル−2−ピロリドンである、請求項14
    記載の化合物。
  16. 【請求項16】 第二の重合性モノマーがブチルアクリ
    レート又は酢酸ビニルである、請求項13記載の化合
    物。
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