JP2001328960A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法

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JP2001328960A JP2001031729A JP2001031729A JP2001328960A JP 2001328960 A JP2001328960 A JP 2001328960A JP 2001031729 A JP2001031729 A JP 2001031729A JP 2001031729 A JP2001031729 A JP 2001031729A JP 2001328960 A JP2001328960 A JP 2001328960A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料の投入前、反応中、反応後のいずれの段
階においても、反応器気相部の酸素濃度を特定の低濃度
範囲に維持できる、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートの製造方法を提供する。 【解決手段】 触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とア
ルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートを製造する方法において、予め酸素濃
度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガス
の混合ガス、および/または、不活性ガスを用い、
(1)アルキレンオキシド投入前、または、(2)反応
中、または、(3)反応終了後から次の反応の仕込みま
での間、の酸素濃度を0.1〜14vol%に維持する
ことを特徴とする。また、触媒の存在下で(メタ)アク
リル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、
製造工程を通じて反応器気相部の酸素濃度を0.1〜1
4vol%に維持することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシドは酸素の存在下、一
定の条件において爆発性の混合ガスを形成する。したが
って、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応
させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造
する場合、安全面からは、酸素の存在しない雰囲気で製
造を行うことが望ましいが、一方で、酸素が全く存在し
ない雰囲気下では原料や生成物が重合してしまうので、
重合防止剤としての酸素を含有するガス雰囲気下で製造
を行うことが提案されている。しかしながら、例えば空
気など、酸素を比較的高濃度で含有する混合ガス雰囲気
下で製造する場合には、アルキレンオキシドを反応器中
に投入する際に爆発性混合ガスを形成する恐れが特に高
く、非常に危険である。
【0003】また、酸素を比較的低濃度で含有する混合
ガス雰囲気下で製造する場合においては、原料の(メ
タ)アクリル酸やアルキレンオキシドには、シールガス
(原料が貯蔵されているタンク等の加圧シールガスや置
換用シールガスなど)である窒素等の不活性ガスや酸素
が溶け込んでいるので、これら原料を投入する度に反応
器気相部の酸素濃度が変動し、酸素濃度が高くなると爆
発の危険性が、酸素濃度が0vol%に近くなると重合
の可能性が出てくる。また、反応進行中においても、反
応器気相部の酸素濃度が変動する場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明が解
決しようとする課題は、(メタ)アクリル酸とアルキレ
ンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートを製造するにあたり、原料の投入前、反応
中、反応後のいずれの段階においても、反応器気相部の
酸素濃度を特定の低濃度範囲に維持できる、ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した。その結果、予め酸素濃度を特定
の低濃度範囲に調整した混合ガス、および/または、不
活性ガスを用いて、原料の投入前、反応中、または、反
応後の、反応器気相部の酸素濃度を特定の低濃度範囲に
維持できるように濃度調整をすれば、上記課題を解決で
きることを着想した。本発明はこのようにして完成され
た。すなわち、本発明に係るヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で(メ
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法に
おいて、予め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整し
た酸素/不活性ガスの混合ガス、および/または、不活
性ガスを用い、アルキレンオキシド投入前の反応器気相
部の酸素濃度を0.1〜14vol%に維持することを
特徴とする。
【0006】また、本発明に係る別のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させて
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方
法において、予め酸素濃度を0.1〜14vol%に調
整した酸素/不活性ガスの混合ガス、および/または、
不活性ガスを用い、反応中の反応器気相部の酸素濃度を
0.1〜14vol%に維持することを特徴とする。ま
た、本発明に係る別のヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートの製造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリ
ル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートを製造する方法において、予
め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不
活性ガスの混合ガス、および/または、不活性ガスを用
い、反応終了後から次の反応の仕込みまでの間、反応器
気相部の酸素濃度を0.1〜14vol%に維持するこ
とを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る別のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させて
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方
法において、製造工程を通じて反応器気相部の酸素濃度
を0.1〜14vol%に維持することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】初めに、本発明に係る特徴的な製
造方法を好ましく適用することができるヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートの製造プロセスの概略を説明
する。まず、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシド
とを、触媒の存在下で反応させる。この反応は反応率が
100%に満たないことが多く、反応終了時の反応液中
には未反応の(メタ)アクリル酸やアルキレンオキシド
等が残存する場合が一般的である。そこで、上記の反応
液は、これら未反応原料等を反応液中から除去するため
の工程へと導かれる。そして、続く最終段階として、蒸
留等による精製が行われて、目的のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートが得られる。
【0009】本発明に係る製造方法は、上記一連の製造
工程において、反応器気相部の雰囲気を制御することを
特徴とするものである。本発明において用いることが出
来るアルキレンオキシドは、好ましくは炭素数2〜6、
より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであ
り、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキ
シドまたはプロピレンオキシドである。また、本発明に
おいて用いる(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸また
はメタアクリル酸を意味する。本発明において用いるこ
とが出来る反応用の触媒は、特に限定されないが、塩化
クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸クロム、アクリ
ル酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、
ジブチルジチオカルバミン酸クロムなどのクロム化合
物;鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル
酸鉄などの鉄化合物;トリアルキルアミン類、ピリジン
などの環状アミン類およびその4級塩、3級アミノ基、
4級アンモニウム塩、ピリジニウム基などの塩基性官能
基をもつ樹脂などのアミン化合物、から選ばれた1種ま
たは2種以上であることが好ましい。
【0010】上記触媒の量は特に限定されないが、均一
触媒の場合には、原料(メタ)アクリル酸に対して0.
05〜10重量%の範囲で用いることが普通であり、特
に好ましくは0.1〜3重量%の範囲で用いる。また、
不均一触媒の場合には、原料(メタ)アクリル酸に対し
て5〜50重量%の範囲で用いることが普通であり、特
に好ましくは10〜30重量%の範囲で用いる。また、
反応液には、重合防止剤を必要により添加してもよい。
重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチル
ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、
2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5
−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメ
チル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル等のフェノール化合物;N−イソ
プロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミ
ン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル
−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチ
ル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、
N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミ
ン等のパラフェニレンジアミン類;チオジフェニルアミ
ン、フェノチアジン等のアミン化合物;ジブチルジチオ
カルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメ
チルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバ
ミン酸銅塩類;ニトロソジフェニルアミン、亜硝酸イソ
アミル、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシルア
ミン、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシル
アミン又はその塩等のニトロソ化合物;2,2,4,4
−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジ
メチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシ
ル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オ
キシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピ
ロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、
6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン
−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−
アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6
−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1
−オキシル等のN−オキシル化合物などが例示される。
【0011】本発明を実施するにあたり、(メタ)アク
リル酸とアルキレンオキシドとの反応における原料の仕
込み量は、(メタ)アクリル酸1モルに対して、アルキ
レンオキシドが1.0〜5.0モルが好ましい範囲であ
り、より好ましくは1.0〜3.0モル、さらに好まし
くは1.0〜2.0モルである。アルキレンオキシドの
仕込み量が1.0モル未満の場合には、反応率が低下
し、副生成物が増加するので好ましくない。また、アル
キレンオキシドの仕込み量が5モルを超えると、経済的
に好ましくない。本発明において、触媒の存在下におけ
る(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応
は、この種の反応に一般的に用いられている方法に従っ
て行うことができる。例えば、バッチ式で反応を行う場
合、(メタ)アクリル酸中にアルキレンオキシドを導入
して行われる。溶媒中に(メタ)アクリル酸を溶解させ
てからアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、
アルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にま
たは間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠
的に添加する場合、この種の反応においてよく行われる
ように、アルキレンオキシド導入終了後も反応を継続さ
せて、いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもで
きる。また、(メタ)アクリル酸も初期に一度に仕込む
必要は必ずしもなく、いくつかに分割して投入すること
もできる。また、連続式で反応を行う場合には、(メ
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドを管型、槽型など
の反応器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器
から抜き出して行われる。この際、触媒は、原料ととも
に連続的に供給し、反応液とともに連続的に抜き出して
もよいし、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反
応器内に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用
してもよい。また、槽型の反応器の場合には、固体触媒
を反応器内で反応液とともに流動させて使用する、いわ
ゆる流動床形式で使用してもよい。また、これら連続反
応の場合には、反応液の一部を循環させる形態をとって
もよい。反応温度は、通常、40〜130℃の範囲で行
うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃の範
囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応の進
行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一方、反
応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多くなっ
たり、原料である(メタ)アクリル酸が不飽和二重結合
を有しているので、(メタ)アクリル酸やその生成物で
あるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合等
が起こるので好ましくない。また、この反応において反
応を温和に進行させることなどを目的として、溶媒中で
反応を行ってもよい。溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、ヘプタン、オクタンなどの一般的なものを用いるこ
とができる。反応時の系内圧力は、使用する原料の種類
や混合比にもよるが、一般には加圧下で行われる。
【0012】本発明に係る製造方法では、(1)予め酸
素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性
ガスの混合ガス、および/または、不活性ガスを用い、
アルキレンオキシド投入前の反応器気相部の酸素濃度を
0.1〜14vol%に維持するか、または、(2)予
め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不
活性ガスの混合ガス、および/または、不活性ガスを用
い、反応中の反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14v
ol%に維持するか、または、(3)予め酸素濃度を
0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガスの混
合ガス、および/または、不活性ガスを用い、反応終了
後から次の反応の仕込みまでの間、反応器気相部の酸素
濃度を0.1〜14vol%に維持すること、を特徴と
する。以下、この特徴について詳細に説明する。
【0013】先にも述べたが、アルキレンオキシドは酸
素の存在下、一定の条件において爆発性の混合ガスを形
成する一方、酸素が全く存在しない雰囲気下では原料や
生成物が重合してしまうので、重合防止剤としての酸素
を含有するガス雰囲気下で製造を行うことが望ましい。
しかし、例えば空気など、酸素を比較的高濃度で含有す
る混合ガス雰囲気下で製造すると、アルキレンオキシド
を反応器中に投入する際に爆発性混合ガスを形成する恐
れが特に高く、非常に危険である。そこで、本発明者
は、爆発性混合ガスの形成を防止し、かつ、重合も抑制
できる酸素濃度範囲を検討した結果、反応器気相部の酸
素濃度を0.1〜14vol%の範囲に維持することが
できれば、上記の目的が達成できることを見つけた。好
ましくは、0.3〜12vol%の範囲、より好ましく
は、0.5〜8.0vol%の範囲である。
【0014】一方、原料の(メタ)アクリル酸やアルキ
レンオキシドには、シールガス(原料が貯蔵されている
タンク等の加圧シールガスや置換用シールガスなど)で
ある窒素等の不活性ガスや酸素が溶け込んでいるので、
これら原料を投入する度に反応器気相部の酸素濃度が変
動し、酸素濃度が高くなると爆発の危険性が、酸素濃度
が0vol%に近くなると重合の可能性が出てくる。ま
た、反応進行中においても、反応器気相部の酸素濃度が
変動する場合がある。したがって、上記のような要因等
による酸素濃度の変動が起こっても、好ましい酸素濃度
である0.1〜14vol%の範囲を維持できるような
方法が必要となる。本発明者は検討した結果、予め酸素
濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガ
スの混合ガス、および/または、不活性ガスを用い、こ
れらを反応器気相部の酸素濃度の変動に対応して添加・
調整することにより、当該反応器気相部の酸素濃度を
0.1〜14vol%の範囲に維持できることを見い出
した。
【0015】すなわち、アルキレンオキシド投入前にお
いては、原料の(メタ)アクリル酸が反応器中に予め仕
込まれるが、当該(メタ)アクリル酸には前述のシール
ガスが溶け込んでいるために、(メタ)アクリル酸を仕
込む前に反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14vol
%の範囲に調整しておいても、(メタ)アクリル酸の仕
込みにより反応器気相部の酸素濃度が変動してしまう場
合が起こりうる。そこで、その変動に応じて、予め酸素
濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガ
スの混合ガス、および/または、不活性ガスを反応器気
相部に添加して調整する。具体的には、例えば、反応器
気相部の酸素濃度が上昇する場合には不活性ガスを添加
して酸素濃度を下げ、逆に、反応器気相部の酸素濃度が
減少する場合には予め酸素濃度を0.1〜14vol%
に調整した酸素/不活性ガスの混合ガスを添加して酸素
濃度を上げ、反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14v
ol%の範囲に維持する。また、酸素濃度調整の際に、
例えば、不活性ガスを添加しすぎてしまった際には、予
め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不
活性ガスの混合ガスを添加して、反応器気相部の酸素濃
度を0.1〜14vol%の範囲に再調整する場合もあ
る。
【0016】また、アルキレンオキシドの投入後の反応
中においては、投入したアルキレンオキシドにも前述の
シールガスが溶け込んでいるために、アルキレンオキシ
ド投入前に反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14vo
l%の範囲に調整しておいても、アルキレンオキシドの
投入により反応器気相部の酸素濃度が変動してしまう場
合が起こりうる。また、本反応において有効な触媒であ
る鉄粉(特公昭52−38534)を用いた場合、反応
中に鉄粉が2価または3価の鉄イオンに酸化されていく
が、その際、反応器内の酸素が消費される。このような
ことによっても、反応器気相部の酸素濃度が変動してし
まう場合が起こりうる。そこで、その変動に応じて、予
め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不
活性ガスの混合ガス、および/または、不活性ガスを反
応器気相部に添加して調整する。具体的には、先と同
様、例えば、反応器気相部の酸素濃度が上昇する場合に
は不活性ガスを添加して酸素濃度を下げ、逆に、反応器
気相部の酸素濃度が減少する場合には予め酸素濃度を
0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガスの混
合ガスを添加して酸素濃度を上げ、反応器気相部の酸素
濃度を0.1〜14vol%の範囲に維持する。また、
酸素濃度調整の際に、例えば、不活性ガスを添加しすぎ
てしまった際には、予め酸素濃度を0.1〜14vol
%に調整した酸素/不活性ガスの混合ガスを添加して、
反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14vol%の範囲
に再調整する場合もある。
【0017】また、連続反応の場合にも同様に、連続的
に反応器に供給されるアルキレンオキシドと(メタ)ア
クリル酸中に溶け込んでいるシールガスの影響などによ
り反応器気相部の酸素濃度が変動してしまうので、上記
と同様に、本発明の製造方法は有用である。反応終了後
においては、反応液を反応器から払い出すが、その際、
反応器内の内圧が低下するので、外部からのガス圧入に
より内圧低下を抑える必要が起こりうる。また、反応液
を反応器から払い出す際に、初めから、外部からのガス
圧入により払い出す場合もある。これらの操作において
は、外部からのガス圧入の際に反応器気相部の酸素濃度
が変動しうる。また、外部から圧入するガス中の酸素濃
度が高いと、反応器内にアルキレンオキシドが残存して
いる場合には爆発性ガスを形成するおそれがあり、非常
に危険である。そこで、上記の操作を行う際に用いるガ
スとして、予め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整
した酸素/不活性ガスの混合ガス、および/または、不
活性ガスを用い、反応器気相部の酸素濃度を0.1〜1
4vol%の範囲に維持する。さらに、この予め酸素濃
度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガス
の混合ガス、および/または、不活性ガスを用いて、反
応液を払い出した後から次の反応仕込みまでの間におい
ても、反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14vol%
の範囲に維持するように調整すれば、反応器内に残存し
ているアルキレンオキシドと爆発性の混合ガスを形成す
るおそれが少なく、且つ、反応器内の残反応液(バル
ブ、ノズル部分など)を重合させることなく、安全な状
態で反応器を保持できるという点で効果がある。
【0018】反応器気相部の酸素濃度の具体的な制御方
法としては、酸素/不活性ガス、および/または、不活
性ガスを連続的に投入しても良いし、間欠的に投入して
もよい。また、これらのガスは、反応器気相部に投入し
てもよいし、反応液中に吹き込んでもよい。いずれの場
合もガスの分散を良くするために分散板などを設置して
もよい。また、これらのガスを投入することで反応器内
の圧力が上昇する場合があり、その際には間欠的にガス
をパージしてもよいし、連続的にガスを投入する場合に
は連続的にガスをパージしてもよい。
【0019】反応器内の圧力は0.1〜1MPaの範囲
内にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜
0.7MPaの範囲内である。反応器内の圧力が0.1
MPaより低い場合には、アルキレンオキシドが反応温
度条件下で液体として存在しにくくなり、反応の進行が
遅くなる。また、1MPaより高い場合には、耐圧力の
高い反応器が必要になり、経済的に好ましくない。ま
た、このパージガスを含め、反応器からパージされるガ
ス中に含まれるアルキレンオキシドは水などに吸収させ
て廃棄してもよいが、アルキレンオキシドの回収設備に
導いて、コンデンサーで凝縮させて回収したり、水など
の極性溶剤や、原料の(メタ)アクリル酸、生成物であ
るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの液に
吸収させて回収したりして、再利用することが経済上好
ましい。特に、原料の(メタ)アクリル酸、または生成
物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及
びその混合液に吸収させて回収再利用することが好まし
い。
【0020】以上述べたように、本発明に係る製造方法
によれば、(1)アルキレンオキシド投入前、または、
(2)反応中、または、(3)反応終了後から次の反応
の仕込みまでの間、反応器気相部の酸素濃度を0.1〜
14vol%に維持することができ、反応器気相部にお
ける酸素濃度の変動が大きい製造過程に応じて、本発明
の製造方法を適用すればよい。すなわち、例えば、原料
(メタ)アクリル酸の仕込みによる反応器気相部の酸素
濃度の変動が大きい場合には、予め酸素濃度を0.1〜
14vol%に調整した酸素/不活性ガスの混合ガス、
および/または、不活性ガスを用い、アルキレンオキシ
ド投入前の反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14vo
l%に維持することを特徴とする本発明の製造方法を適
用すればよいし、アルキレンオキシドの投入による反応
器気相部の酸素濃度の変動が大きい場合には、予め酸素
濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガ
スの混合ガス、および/または、不活性ガスを用い、反
応中の反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14vol%
に維持することを特徴とする本発明の製造方法を適用す
ればよいし、生成物の払い出しの際の反応器気相部の酸
素濃度の変動が大きい場合には、予め酸素濃度を0.1
〜14vol%に調整した酸素/不活性ガスの混合ガ
ス、および/または、不活性ガスを用い、反応終了後か
ら次の反応の仕込みまでの間、反応器気相部の酸素濃度
を0.1〜14vol%に維持することを特徴とする本
発明の製造方法を適用すればよい。
【0021】さらに、本発明のヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの製造方法は、製造工程を通じて反応
器気相部の酸素濃度を0.1〜14vol%に維持する
ことが好ましい形態といえる。製造工程を通じてこのよ
うな低酸素濃度を維持できれば、安全かつ安定的な製造
が発現できるからである。また、一般にヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートの製造プロセスは、反応工
程、未反応アルキレンオキシドの分離工程、未反応(メ
タ)アクリル酸の分離工程、生成物の蒸留工程からな
る。ここで、未反応(メタ)アクリル酸の分離工程は、
反応における(メタ)アクリル酸の転化率が100%に
近い場合は省略されることもある。
【0022】上記未反応アルキレンオキシドの分離工程
とは、例えば、充填塔を用いて不活性ガスなどにより未
反応アルキレンオキシドを反応後液から分離除去し、そ
のガス中のアルキレンオキシドを水などの溶媒に吸収さ
せて、廃棄したり、あるいは、回収再利用したりする工
程のことをいう。上記未反応(メタ)アクリル酸の分離
工程とは、例えば、蒸留釜を用いた蒸留により未反応
(メタ)アクリル酸を反応後液から分離除去し、そのベ
ーパーをコンデンサーなどで凝縮させるか、水などの溶
媒に吸収させるなどして、廃棄したり、あるいは、回収
再利用したりする工程のことをいう。
【0023】上記生成物の蒸留工程とは、例えば、蒸留
釜を用いた蒸留により生成物を蒸留し、コンデンサーな
どで凝縮させ、製品を得る工程のことをいう。そして、
本発明のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製
造方法は、前記反応器気相部に加えて、さらに生成物か
らの未反応アルキレンオキシドの分離工程における気相
部、すなわち、前述の例で言えば、充填塔内気相部、お
よび、充填塔から導かれたガスが水などの溶媒に吸収さ
れるまでの間のベーパーライン等の気相部分、充填塔に
付帯するフィードタンクなどの中間タンクの気相部分、
の酸素濃度も0.1〜14vol%に維持することが、
より好ましい形態である。
【0024】さらに好ましくは、生成物からの未反応
(メタ)アクリル酸の分離工程における気相部、すなわ
ち、前述の例で言えば、蒸留釜内気相部、および、蒸留
釜から導かれたベーパーがコンデンサーなどで凝縮する
か水などの溶媒に吸収されるまでの間のベーパーライン
などの気相部分、蒸留釜に付帯するフィードタンク、留
出タンクなどの中間タンクの気相部分、および/また
は、生成物の蒸留工程における気相部、すなわち、前述
の例で言えば、蒸留釜内気相部、および、蒸留釜から導
かれたベーパーがコンデンサーなどで凝縮するまでの間
のベーパーラインなどの気相部分、蒸留釜に付帯するフ
ィードタンク、留出タンクなどの中間タンクの気相部
分、の酸素濃度も0.1〜14vol%に維持する形態
である。
【0025】ここで、未反応アルキレンオキシドや未反
応(メタ)アクリル酸の分離工程、生成物の蒸留工程で
用いる設備としては、充填塔、棚段塔、泡鐘塔、蒸留釜
などが挙げられるが、特に限定されない。反応器気相部
以外の、生成物からの未反応アルキレンオキシドの分離
工程における気相部の酸素濃度を0.1〜14vol%
に維持することにより、係る気相部のガスがアルキレン
オキシドと爆発性混合ガスを形成させるおそれが少な
く、かつ、未反応原料の分離工程、生成物の蒸留工程に
おいて重合物を発生させることなく安全にヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートを製造することができる。
【0026】なお、本発明で使用する、予め酸素濃度を
0.1〜14vol%に調整した酸素/不活性ガスの混
合ガス、および/または、不活性ガスに代えて、酸素供
給源として酸素濃度の高いガス、例えば空気などを使用
すると、たとえ反応器気相部全体の酸素濃度が本発明に
規定する0.1〜14vol%の範囲に入っていても、
空気投入ノズル付近など局部的には酸素濃度が高い爆発
性ガスが形成される恐れが高い。
【0027】
【実施例】以下に本発明を、その実施例と比較例によっ
て具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、以下、特に断らない限り、
酸素濃度および窒素濃度の単位「%」は「vol%」で
ある。 [実施例1]温度計、加熱冷却装置、及び、攪拌機を備
えた2Lオートクレーブ内のガスを酸素濃度3vol
%、窒素濃度97vol%に調整した混合ガスで置換し
た。その後、原料アクリル酸を入れた容器(酸素濃度7
vol%、窒素濃度93vol%でシールされている)
から、送液ポンプを使いオートクレーブに取り付けられ
た配管を通じて、このオートクレーブ内にアクリル酸8
44gを仕込み、これに重合防止剤としてのフェノチア
ジン2g、及び、ハイドロキノンモノメチルエーテル5
g、触媒として酢酸クロム5gを投入した。この時点で
オートクレーブの気相中の酸素濃度は原料アクリル酸中
に溶存していた酸素の影響により、5vol%になって
いた。次に、オートクレーブ内の液温を反応温度である
70℃に昇温した。この後、窒素ガスを用いて、オート
クレーブ内の酸素濃度を3.5vol%とした。また、
オートクレーブ内の圧力を0.03MPaに調整した。
そして、エチレンオキシドを入れた耐圧容器(窒素濃度
100vol%ガスで0.5MPaにシールされてい
る)から、送液ポンプを使い、オートクレーブに取り付
けられた配管を通じて、このオートクレーブ内の液中に
エチレンオキシド620gを約4時間かけてほぼ等速で
供給した。この間、70℃を維持して反応させた。エチ
レンオキシド供給終了後、オートクレーブの気相中の酸
素濃度は、原料エチレンオキシド中に溶存していた窒
素、及び、未反応アルキレンオキシドガスの影響によ
り、2.0vol%まで低下していた。この後、70℃
を維持しながら3時間反応を継続した。この時点で、オ
ートクレーブの気相中の酸素濃度は、原料エチレンオキ
シド供給終了後に比べ、未反応アルキレンオキシドガス
が減少したため、2.5vol%となっていた。ここ
で、反応液を分析したところ、アクリル酸濃度は0.0
5wt%であったので、すぐに冷却を行った。冷却後、
オートクレーブ内の残圧を利用して反応液を抜き出し
た。途中、反応器内の残圧が0.1MPa以下にならな
いように、適宜、酸素濃度3vol%、窒素濃度97v
ol%に調整した混合ガスを圧入した。
【0028】反応液抜き出し後、オートクレーブ内のガ
スをパージし、さらに酸素濃度3vol%、窒素濃度9
7vol%に調整した混合ガスで置換した。以下、同様
の反応操作を30回繰り返した。この間、抜き出した反
応液中に重合物は認められず、また、反応操作を30回
繰り返した後、オートクレーブを開放し、内部点検を行
ったが、重合物の生成は見られなかった。 [実施例2]温度計、加熱冷却装置、及び、攪拌機を備
えた1Lオートクレーブ内のガスを酸素濃度4.5vo
l%、窒素濃度95.5vol%に調整した混合ガスで
置換した。その後、水膨潤状態の塩基性アニオン交換樹
脂(三菱化学(株)製、DIAION PA316)を
400mlと、重合防止剤としてのフェノチアジン0.
2wt%、及び、ハイドロキノンモノメチルエーテル
0.5wt%を溶解した原料アクリル酸を入れた容器
(酸素濃度7vol%、窒素濃度93vol%でシール
されている)から、送液ポンプを使いオートクレーブに
取り付けられた配管を通じて、このオートクレーブ内に
このアクリル酸を投入して、合計600mlとした。こ
の時点でオートクレーブの気相中の酸素濃度は原料アク
リル酸中に溶存していた酸素の影響により、6vol%
になっていた。次に、オートクレーブ内の液温を反応温
度である70℃に昇温した。この後、窒素ガスを用い
て、オートクレーブ内の酸素濃度を4vol%とした。
また、オートクレーブ内の圧力を0.03MPaに調整
した。そして、この中へ、重合防止剤を溶解した前述の
アクリル酸を109g/hの速度で連続的に投入し、さ
らに、エチレンオキシドを入れた耐圧容器(窒素濃度1
00vol%ガスで0.5MPaにシールされている)
から、送液ポンプを使い、オートクレーブに取り付けら
れた配管を通じて、101g/hの速度で、このオート
クレーブ内の液中に連続的に投入した。反応中は、オー
トクレーブ内の液面が一定となるように連続的に反応液
を抜き出した。60時間後、オートクレーブ内の気相部
の酸素濃度は、原料エチレンオキシド中に溶存していた
窒素、及び、未反応アルキレンオキシドガスの影響によ
り、1.3vol%まで低下していたので、酸素濃度
4.5vol%、窒素濃度95.5vol%に調整した
混合ガスでオートクレーブ内のガス中の酸素濃度を3v
ol%とした。この後もオートクレーブ内のガス中の酸
素濃度を監視し、0.1vol%以下とならないよう
に、酸素濃度4.5vol%、窒素濃度95.5vol
%に調整した混合ガスでオートクレーブ内のガス中の酸
素濃度を調整した。一方、オートクレーブ内の圧力は
0.1MPaから1MPaの範囲になるように適宜、ガ
スパージを行った。この状態で200時間連続で反応を
行ったが、この間、抜き出した反応液中に重合物は認め
られなかった。また、反応液を冷却後、オートクレーブ
を開放し、内部点検を行ったが、重合物の生成は見られ
なかった。
【0029】また、定常状態で得られた反応液をガスク
ロマトグラフィーで分析したところ、アクリル酸の転化
率は86%であった。 [比較例1]実施例1においてエチレンオキシド投入前
にオートクレーブ内の気相中の酸素濃度を3.5vol
%とする代わりに、窒素濃度100vol%(酸素濃度
0vol%)とした以外は同様にして反応を行った。エ
チレンオキシド投入完了後、反応液をサンプリングした
ところ、液中に微小の重合物が見られた。そのため、反
応を中止し、反応液を冷却後、オートクレーブの内部を
点検したところ、オートクレーブの気相部分に膜状の重
合物が見られ、また、反応液中にも微小な重合物の粒が
少量見られた。
【0030】[比較例2]実施例1で反応液の抜き出し
終了後、オートクレーブ内のガスを窒素濃度100vo
l%(酸素濃度0vol%)のガスで置換した以外は同
様にして反応を行った。反応操作20回が終了した時点
でオートクレーブの内部を点検したところ、オートクレ
ーブの気相部分、特に、温度計の保護管、圧力計などの
ノズル部分に重合物が見られた。 [比較例3]オートクレーブの気相部の酸素濃度の調整
を、酸素濃度3vol%、窒素濃度97vol%に調整
した混合ガスを使って行う代わりに、窒素と空気をそれ
ぞれ別々に投入して行った以外は実施例1と同様にして
反応を行おうとしたが、窒素を先に投入してから空気を
投入している際に、この空気投入ノズル近傍の酸素濃度
を測定したところ、16vol%を示し、爆発の危険性
があったため、反応を中止した。
【0031】[比較例4]実施例2において、アクリル
酸を70℃に昇温した後、オートクレーブ内の酸素濃度
を1vol%とした以外は同様にして反応を行った。連
続的にアクリル酸およびエチレンオキシドを投入してか
ら150時間後、オートクレーブ内の気相部の酸素濃度
を測定したところ、0.05vol%まで低下していた
ため、ただちに反応を中止した。反応液を冷却後、オー
トクレーブを開放して内部点検を行ったところ、オート
クレーブの気相部分に重合物が付着していた。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、(メタ)アクリ
ル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートを製造するにあたり、原料の
投入前、反応中、反応後のいずれの段階においても、反
応器気相部の酸素濃度を特定の低濃度範囲に維持でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 幸弘 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 浅見 正和 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 上岡 正敏 大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式 会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC48 BA94 BB61 BC50 BD10 BE30 BN10 KA19 4H039 CA66 CF90

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアル
    キレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレートを製造する方法において、 予め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/
    不活性ガスの混合ガス、および/または、不活性ガスを
    用い、アルキレンオキシド投入前の反応器気相部の酸素
    濃度を0.1〜14vol%に維持することを特徴とす
    る、 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. 【請求項2】触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアル
    キレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレートを製造する方法において、 予め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/
    不活性ガスの混合ガス、および/または、不活性ガスを
    用い、反応中の反応器気相部の酸素濃度を0.1〜14
    vol%に維持することを特徴とする、 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
  3. 【請求項3】触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアル
    キレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレートを製造する方法において、 予め酸素濃度を0.1〜14vol%に調整した酸素/
    不活性ガスの混合ガス、および/または、不活性ガスを
    用い、反応終了後から次の反応の仕込みまでの間、反応
    器気相部の酸素濃度を0.1〜14vol%に維持する
    ことを特徴とする、 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
  4. 【請求項4】前記反応終了後、予め酸素濃度を0.1〜
    14vol%に調整した酸素/不活性ガスの混合ガス、
    および/または、不活性ガスにより、反応器気相部の酸
    素濃度を0.1〜14vol%に維持しながら、圧送で
    反応液を払い出す、 請求項3に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
    ートの製造方法。
  5. 【請求項5】触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアル
    キレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレートを製造する方法において、 製造工程を通じて反応器気相部の酸素濃度を0.1〜1
    4vol%に維持することを特徴とする、 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
  6. 【請求項6】前記反応器気相部に加えて、さらに、生成
    物からの未反応アルキレンオキシドの分離工程における
    気相部の酸素濃度も0.1〜14vol%に維持する、 請求項5に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
    ートの製造方法。
  7. 【請求項7】触媒が鉄化合物、クロム化合物、アミン化
    合物からなる群より選ばれた1種または2種以上であ
    る、 請求項1から6までのいずれかに記載のヒドロキシアル
    キル(メタ)アクリレートの製造方法。
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