JPH05294990A - ジゴキシンの新規誘導体およびそれを用いて調製した抗ジゴキシン抗体 - Google Patents

ジゴキシンの新規誘導体およびそれを用いて調製した抗ジゴキシン抗体

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JPH05294990A
JPH05294990A JP12414292A JP12414292A JPH05294990A JP H05294990 A JPH05294990 A JP H05294990A JP 12414292 A JP12414292 A JP 12414292A JP 12414292 A JP12414292 A JP 12414292A JP H05294990 A JPH05294990 A JP H05294990A
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Yoichi Fujii
洋一 藤井
Yukari Ikeda
ゆかり 池田
Mitsuru Yamazaki
満 山崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ジギトキソースの3′位および3″位にコハ
ク酸がエステル結合したジゴキシン誘導体、およびそれ
らのキャリヤー蛋白結合体の提供。 【構成】 一般式 (R1およびR2は、一方がHであり、他方が−CO(C
22COOHまたは−CO(CH22CONH−Yで
あり、Yはキャリヤー蛋白を表す)で示されるジゴキシ
ン誘導体。およびYがキャリヤー蛋白を表わす該ジゴキ
シン誘導体を動物に免疫することにより得られる抗ジゴ
キシン抗体。 【効果】 上記抗体は免疫測定法によるジゴキシンの定
量に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジギトキソースの3’
位および3”位にコハク酸がエステル結合したジゴキシ
ンの新規誘導体、およびそれらのキャリヤー蛋白結合体
に関する。更に、このキャリヤー蛋白結合体を抗原物質
として用いて産生したジゴキシン抗体に関するものであ
る。得られたジゴキシン抗体は特異性が極めて高く、免
疫測定法に用いるジゴキシンの定量用試薬として臨床検
査分野で有用である。
【0002】
【従来の技術】強心配糖体の一種であるジゴキシンは強
心薬として心疾患、とくに鬱血性心不全の治療に広く使
われている。しかし、この薬物の有効血中濃度は極めて
低く、且つ狭い治療域のため治療指針として血中のジゴ
キシン濃度を知ることは臨床の場において不可欠であ
る。
【0003】ジゴキシンの血中濃度の測定には免疫測定
法が広く利用されているが、用いる抗体の特異性が低い
と、共存する近縁化合物との交叉反応が問題となり正確
な定量ができない。現在、ジゴキシンの測定に使用され
ている免疫測定法においては、主としてジゴキシンの末
端糖とキャリヤー蛋白とを結合させた抗原を用いて抗体
を製造しているため、ジギトキソースが外れたジゴキシ
ン代謝産物との交叉反応が大きな問題である(T.W.Smit
h et al.,Biochemistry, 9, 331(1970);F.I.Marcus et
al.,J. Lab. Clin. Med., 85, 610(1975))。
【0004】一方、ジギトキソースが外れたジゴキシン
代謝産物との交叉反応率の低い抗体の調製に関しては、
ジゴキシンの12位をキャリヤー蛋白との結合位置とし
た抗原を用いる方法(K. Shimada et al.,Chem. Pharm.
Bull., 32, 2301(1984))、またジゴキシンのラクトン
環をオゾン分解により開環させ、生じたアルデヒド基と
キャリヤー蛋白のアミノ基を結合させて抗原とする方法
(B. Thong et al.,Clin. Chem., 31, 1625(1985))等
が報告されている。しかし、これらはジゴキシン代謝産
物として存在量が多く、強心作用が著しく低いジヒドロ
ジゴキシンとの交叉反応率が非常に高いため問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、これ
までに調製されたジゴキシンに対する抗体は、ジゴキシ
ンの糖鎖部あるいはラクトン環の認識に乏しく、特異性
に欠けていた。そのため、従来の抗体を使用する限りに
おいては、ジゴキシンの血中濃度を正しく把握すること
は困難である。免疫測定法により血中ジゴキシンを正確
に定量するには、特異性の高い抗ジゴキシン抗体を得る
ことが必要である。これに関して、これまで当該技術分
野で強く要望されてきたが、未だ満足し得る抗体は得ら
れていない。
【0006】本発明の目的は、ジゴキシンのみに高い特
異性を有する抗体を得るため、ジゴキシンにコハク酸が
結合した新規化合物を合成し、更にキャリヤー蛋白を縮
合させた新規な抗原物質を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、この抗原物質を用い
て抗体を産生させ、ジゴキシンの糖鎖構造およびラクト
ン環の両者を認識する抗体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】一般に、特異性に優れた
抗体を得るためには、ハプテンのキャリヤー蛋白との結
合位置が重要である。その結合位置はハプテンの官能基
から離れたところ、つまりハプテンの化学構造上の特徴
が保有されるよう工夫が必要である。本発明者らは、ジ
ゴキシンの代謝産物であるジゴキシゲニンビスジギトキ
シド、ジゴキシゲニンモノジギトキシド、ジゴキシゲニ
ンおよびジヒドロジゴキシンとは交叉反応率が低く、ジ
ゴキシンのみに高い特異性を示す抗体を得るため、結合
位置としてジゴキシンの3’位および3”位に着目し
た。ジゴキシンとキャリヤー蛋白との架橋にはコハク酸
を用い、活性エステル法により抗原を合成した。得られ
た抗原を動物に免疫することにより抗体を調製した。
【0009】即ち、本発明は下記一般式で表される新規
な化合物である。
【0010】
【化1】
【0011】式中、R1およびR2は次の通りの組み合わ
せであり、Yはキャリヤー蛋白を表す。 (I) R1はーCO(CH22COOH R2はH (II) R1はH R2はーCO(CH22COOH (III) R1はーCO(CH22CONHーY R2はH (IV) R1はH R2はーCO(CH22CONHーY
【0012】本発明の一般式(I)、(II)、(III)、
(IV)で表される化合物は次に示す方法によって製造で
きる。ジゴキシンに無水ピリジン中無水酢酸とギ酸の混
合物を加えて部分的にホルミル化後、精製することなく
無水ピリジン中無水コハク酸にて未反応の水酸基をヘミ
サクシネートに誘導する。ついで、炭酸水素ナトリウム
により保護基のホルミル基を除去し、反応物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー、更にセファデックスLH
ー20カラムクロマトグラフィーを用いて分離精製する
ことによりジゴキシン3’ーヘミサクシネート(I)お
よびジゴキシン3”ーヘミサクシネート(II)を製造で
きる。
【0013】(I)および(II)をそれぞれジオキサン
中パラニトロフェノールとカルボジイミドにより活性エ
ステルとし、ウシ血清アルブミンあるいはヒト血清アル
ブミンの如きキャリヤー蛋白と縮合させることにより
(III)および(IV)の抗原を得ることができる。
【0014】また、他の発明は抗原(III)および(I
V)を動物に免疫することにより得られる抗ジゴキシン
抗体である。抗原(III)および(IV)をそれぞれアジ
ュバントと混和し、常套手段によってこれらを動物に数
カ月間免疫することにより、動物の血液中に抗ジゴキシ
ン抗体を産生することができる。
【0015】抗原(III)により得られた抗体は、ジゴ
キシゲニンビスジギトキシド(0.6%)、ジゴキシゲ
ニンモノジギトキシド(0.9%)、ジゴキシゲニン
(0.1%)およびジヒドロジゴキシン(2.1%)等
のジゴキシン代謝産物との交叉反応率が極めて低く、ジ
ゴキシンに特異的なものである。
【0016】一方、抗原(IV)により得られた抗体は、
ジゴキシゲニンビスジギトキシド(85.6%)、ジゴ
キシゲニンモノジギトキシド(68.6%)、ジゴキシ
ゲニン(60.5%)とは高い交叉反応性が見られ、糖
鎖構造の認識に乏しいものであるが、ジヒドロジゴキシ
ン(0.3%)とは交叉反応をほとんど示さない。
【0017】
【実施例】以下に本発明の内容を実施例によって更に具
体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するもので
ない。
【0018】実施例1 ジゴキシン3’ーヘミサクシネート(化合物(I))お
よびジゴキシン3”ーヘミサクシネート(化合物(I
I))の製造。ジゴキシン1.0gを無水ピリジン10
mlに溶解し、無水酢酸3mlとギ酸6mlの混液を氷
冷下加え、4時間撹拌した。反応液に水100mlを加
え、酢酸エチル200mlで抽出した。酢酸エチル層を
水洗後、減圧下濃縮した。この濃縮物を無水ピリジン2
0mlに溶解し、無水コハク酸3.2gを加え、60〜
70℃で73時間加温した。反応液に水100mlを加
え、酢酸エチル200mlで抽出した。酢酸エチル層を
水洗後、減圧下濃縮した。
【0019】この濃縮物をメタノール100mlに溶解
し、5%炭酸水素ナトリウム溶液130mlを加え、6
0〜70℃で3時間加温した。反応液中のメタノールを
減圧留去した後、酢酸エチル200mlで抽出した。酢
酸エチル層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥した後、減
圧下濃縮した。得られた濃縮物1.0gをクロロホル
ム:メタノール:酢酸(90:10:0.8)の溶媒系
を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィー(82.
5×1.5cm,i.d.)に付し、ジゴキシン3’ー
ヘミサクシネート画分およびジゴキシン3”ーヘミサク
シネート画分を得た。
【0020】更に、得られたジゴキシン3’ーヘミサク
シネート画分をクロロホルム:メタノール:酢酸(9
0:10:0.8)の溶媒系を用いるシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(82.5×1.5cm,i.
d.)に再度付して精製し、ジゴキシン3’ーヘミサク
シネートを分画した。溶媒留去後、濃縮物をメタノール
を溶出液とするセファデックスLHー20のカラムクロ
マトグラフィー(82.5×1.5cm,i.d.)に
付して純化した。溶出画分を濃縮後、アセトンーヘキサ
ンにより沈殿させ、純粋な無色無晶形物質としてジゴキ
シン3’ーヘミサクシネート(化合物(I),46.9
mg)を得た。
【0021】得られた化合物(I)は、 融点 175〜178℃ 旋光度
【記1】 +39.4゜(c=0.27,メタノール) 元素分析 計算値(C456817) C 61.35 H 7.78 測定値 C 61.41 H 7.48 紫外吸収
【記2】 :218(15000) 核磁気共鳴 1HーNMR(CD3ODーCDCl3) δ 0.78(3H,s,18ーCH3) δ 0.94(3H,s,19ーCH3) δ 1.16〜1.25(9H,m,sugarーCH
3) δ 2.52〜2.64(4H,m,ーCO(CH22
COー) δ 4.94(2H,m,21ーCH2) δ 5.90(1H,s,22ーH) 質量分析 FABーMS(m/z) 903([M+Na]+) 621([Mーtwo digitoxoses+2
H]+) であった。
【0022】化合物(I)中のジゴキシンとコハク酸と
の結合位置は、化合物(I)の上記FABーMSにより
ジゴキシゲニンモノジギトキシドのヘミサクシネートに
基づくフラグメントイオンピークが観察されたこと、並
びに化合物(I )の緩和な条件下、0.05mol/l
塩酸を用いる限定加水分解によりジゴキシゲニンが得ら
れ、ジゴキシゲニン12ーヘミサクシネートは確認され
なかったことの両者の事実からジキトキソースの3’位
と決定した。
【0023】前述のシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより得られたジゴキシン3”ーヘミサクシネート溶
出画分は、更にクロロホルム:メタノール:酢酸(9
0:10:0.8)の溶液系を用いるシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(82.5×1.5cm,i.
d.)に再度付して精製し、ジゴキシン3”ーヘミサク
シネートを分画した。溶媒留去後、濃縮物をメタノール
を溶出液とするセファデックスLHー20のカラムクロ
マトグラフィー(82.5×1.5cm,i.d.)に
付して純化した。溶出画分を濃縮後、アセトンーヘキサ
ンにより沈殿させ、純粋な無色無晶形物質としてジゴキ
シン3”ーヘミサクシネート(化合物(II),70.5
mg)を得た。
【0024】得られた化合物(II)は、 融点 176〜179℃ 旋光度
【記1】+37.7゜(c=0.27,メタノール) 元素分析 計算値(C456817) C 61.35 H 7.78 測定値 C 61.07 H 8.01 紫外吸収
【記2】:218(14700) 核磁気共鳴 1HーNMR(CD3ODーCDCl3) δ 0.78(3H,s,18ーCH3) δ 0.95(3H,s,19ーCH3) δ 1.18〜1.25(9H,m,sugarーCH
3) δ 2.56〜2.63(4H,m,ーCO(CH22
COー) δ 4.94(2H,m,21ーCH2) δ 5.90(1H,s,22ーH) 質量分析 FABーMS(m/z) 903([M+Na]+) であった。
【0025】化合物(II)中のジゴキシンとコハク酸と
の結合位置は、化合物(II)の緩和な条件下0.05m
ol/l塩酸を用いる限定加水分解によりジゴキシゲニ
ンおよびジゴキシゲニンモノジギトキシドが得られ、ジ
ゴキシゲニンビスジギトキシドは確認されなかったこと
の事実から、ジギトキソースの3”位と決定した。
【0026】実施例2 ジゴキシン3’ーヘミサクシネートのウシ血清アルブミ
ン結合体(化合物(III))およびジゴキシン3”ーヘ
ミサクシネートのウシ血清アルブミン結合体(化合物
(IV))の製造。ジゴキシン3’ーヘミサクシネート
(化合物(I))83.4mgをジオキサン13mlに
溶解し、パラニトロフェノール120mgおよびジシク
ロヘキシルカルボジイミド68mgを加え、室温で4時
間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物をクロロホルム:
メタノール(93:7)の展開溶媒を用いる分取用シリ
カゲル薄層クロマトグラフィーに付した。Rf値0.0
9〜0.22の部分をかきとり、クロロホルム:メタノ
ール(93:7)100mlで抽出した。
【0027】抽出溶媒を減圧留去し、油状物質としてジ
ゴキシン3’ーヘミサクシネートのパラニトロフェニル
エステル90mgを得た。この化合物33mgをピリジ
ン0.8mlに溶解し、ウシ血清アルブミン40mgを
0.1mol/lのリン酸緩衝液(pH7.0)0.8
mlに溶かした溶液を加え、室温で7時間撹拌した。反
応液をセロハンチューブに入れ、水を用いて4℃で24
時間透析した後、凍結乾燥することにより、無色粉末と
してジゴキシン3’ーヘミサクシネートのウシ血清アル
ブミン結合体(化合物(III),49.2mg)を得
た。
【0028】ジゴキシン3”ーヘミサクシネート(化合
物(II))67.1mgをジオキサン15mlに溶解
し、パラニトロフェノール45mgおよびジシクロヘキ
シルカルボジイミド65mgを加え、室温で3時間撹拌
した。反応液を濃縮後、残留物をクロロホルム:メタノ
ール(93:7)の展開溶媒を用いる分取用シリカゲル
薄層クロマトグラフィーに付した。Rf値0.11〜
0.27の部分をかきとり、クロロホルム:メタノール
(93:7)100mlで抽出した。
【0029】抽出溶媒を減圧留去し、油状物質としてジ
ゴキシン3”ーヘミサクシネートのパラニトロフェニル
エステル67.5mgを得た。この化合物65mgをピ
リジン0.7mlに溶解し、ウシ血清アルブミン67.
5mgを0.1mol/lのリン酸緩衝液(pH7.
0)0.7mlに溶かした溶液を加え、室温で7時間撹
拌した。反応液をセロハンチューブに入れ、水を用いて
4℃で24時間透析した後、凍結乾燥することにより無
色粉末としてジゴキシン3”ーヘミサクシネートのウシ
血清アルブミン結合体(化合物(IV),107mg)を
得た。
【0030】実施例3 化合物(III)および化合物(IV)の免疫による抗体の
産生。実施例2で得たウシ血清アルブミン結合体(化合
物(III))4mgを生理食塩水1.6mlおよびフロ
インド完全アジュバント2.4mlに乳濁させ、これを
オスの日本白色家兎4羽の背部数十箇所に皮下注射し
た。以後、この操作を2週間おきに7回繰り返した。最
終投与の7日後に家兎より全採血し、10分間遠心分離
することにより抗血清を得、ジゴキシンに対する抗体を
産生させた。
【0031】ウシ血清アルブミン結合体(化合物(I
V))も前述と同様な方法により家兎に免疫し、ジゴキ
シンに対する抗体を産生させた。
【0032】化合物(III)および化合物(IV)の免疫
により産生した抗体の性質。抗体の性質は、ラジオイム
ノアッセイを用いて検討した。標識化合物としては3
ージゴキシン(比放射能22.6Ci/mmol)を使
い、ウシガンマグロブリン0.2%を含む0.01mo
l/lリン酸緩衝液(pH7.4)中で測定操作を行っ
た。ジゴキシン標準溶液0.1mlに約10000dp
mの3Hージゴキシン0.1mlおよび希釈抗血清0.
5mlを加え、4℃で15時間インキュベーションし
た。ついで、デキストラン炭末懸濁液0.3mlを加
え、4℃で10分間放置し、1700×Gで10分間遠
心分離して得られた上澄液0.5mlの放射活性を液体
シンチレーションカウンターにより測定した。
【0033】抗体の特異性は、4種のジゴキシン代謝産
物およびスピロノラクトン、ジギトキソース、プロゲス
テロン、テストステロン、コレステロールを用いて交叉
反応率を調査することによって行った。当該抗体への3
Hージゴキシンの結合量を50%にするジゴキシンの量
と各種化合物の量を求め、その割合を百分率で表示して
交叉反応率とした。また親和定数はScatchard
プロットより求めた。
【0034】化合物(III)の免疫により産生した抗体
について。 最適な最終希釈倍率 2100倍 親和定数 1.8×109l/mol 測定範囲 0.2〜20ng/mlのジゴキシン 交叉反応性(交叉反応率%) ジゴキシン 100% ジゴキシゲニンビスジギトキシド 0.6% ジゴキシゲニンモノジギトキシド 0.9% ジゴキシゲニン 0.1% ジヒドロジゴキシン 2.1% スピロノラクトン <0.05% ジギトキソース <0.05% プロゲステロン <0.05% テストステロン <0.05% コレステロール <0.05% 上記の交叉反応率から明らかな如く、この抗体はジゴキ
シン代謝産物を良く識別し、ジゴキシンに対して極めて
高い反応特異性を示した。
【0035】化合物(IV)の免疫により産生した抗体に
ついて。 最適な最終希釈倍率 5300倍 親和定数 4.1×108l/mol 測定範囲 0.2〜20ng/mlのジゴキシン 交叉反応性(交叉反応率%) ジゴキシン 100% ジゴキシゲニンビスジギトキシド 85.6% ジゴキシゲニンモノジギトキシド 68.6% ジゴキシゲニン 60.5% ジヒドロジゴキシン 0.3% スピロノラクトン <0.05% ジギトキソース <0.05% プロゲステロン <0.05% テストステロン <0.05% コレステロール <0.05% 上記の交叉反応率から明らかな如く、この抗体はジゴキ
シンの糖鎖構造の認識に欠けているが、ジヒドロジゴキ
シンおよびその他の化合物に対しては良く識別してい
る。
【0036】
【発明の効果】上記実施例からも明らかなように、合成
した新規化合物のジゴキシン3’ーヘミサクシネートお
よびジゴキシン3”ーヘミサクシネートから誘導した抗
原を用いて、抗ジゴキシン抗体を産生できた。これらの
抗体は、免疫測定法によるジゴキシンの定量に有用であ
り、本発明は産業上極めて有意義なものである。特に、
ジゴキシン3’ーヘミサクシネートのキャリヤー蛋白結
合体から得られた抗体は、従来の抗体より特異性が格段
に優れており、臨床検査試薬として非常に期待される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1およびR2は、一方がHであり、他方がーC
    O(CH22COOHを表す)で示されるジゴキシン誘
    導体。
  2. 【請求項2】 R1およびR2は、一方がHであり、他方
    がーCO(CH22CONHーYであり、Yはキャリヤ
    ー蛋白を表す請求項1記載のジゴキシン誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項2のジゴキシン誘導体を動物に免
    疫することにより得られる抗ジゴキシン抗体。
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