JPH05294850A - 光学活性有機化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性有機化合物の製造方法

Info

Publication number
JPH05294850A
JPH05294850A JP4128192A JP12819292A JPH05294850A JP H05294850 A JPH05294850 A JP H05294850A JP 4128192 A JP4128192 A JP 4128192A JP 12819292 A JP12819292 A JP 12819292A JP H05294850 A JPH05294850 A JP H05294850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
reaction
optically active
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4128192A
Other languages
English (en)
Inventor
Junzo Odera
純蔵 大寺
Tsuneo Sato
恒夫 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP4128192A priority Critical patent/JPH05294850A/ja
Publication of JPH05294850A publication Critical patent/JPH05294850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steroid Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 不斉炭素の立体配置の反転を伴う置換反応に
よる高収率の光学活性有機化合物製造法を提供する。 【構成】 式(1) RHR(1) (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基等、R
はアルキル基もしくはアルコキシカルボニル基、又はR
とRとは、一緒に環を形成;Rはアロイルオキシ
基、アシルオキシ基等又は式(2) −CR(2) (式中、R及びRは独立的にシアノ基、アルコキシ
カルボニル基等;Rは水素又はアルキル基である)で
表される基である;そしてC*は不斉炭素原子である)
で表される光学活性有機化合物を製造するために、式
(3) R**HOSO(3) (式中、R及びRは上記で定義した通り;Rはア
ルキル基又はアリール基である;そしてC**は、C
とは立体配置が反転した不斉炭素原子を表す)で表され
る光学活性スルホネート化合物を、フッ化セシウムの存
在下で式(4) H−R(4) (式中、Rは上記で定義した通り)の化合物と反応さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、医薬や農薬等の原料
として有用な光学活性有機化合物の製造方法に関する。
より詳しくは、立体配置の反転を伴なう置換反応を利用
して、光学活性スルホネート化合物からその光学活性中
心の不斉炭素原子の立体配置が反転した光学活性有機化
合物を選択的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性有機化合物は有機化学工業にお
いて、香料、医薬、農薬として、またそれらの中間体と
して有用な化合物であり、それを製造する方法には種々
の方法が知られている。その一つの方法として、光学活
性中心の不斉炭素原子の立体配置の反転を伴なう置換反
応を利用する方法が知られている。
【0003】従来、このような方法として: (1)ジエチル アゾジカルボキシレートとトリフェニ
ルホスフィンとを用いる方法(Synthesis,1
(1981)); (2)S2置換反応における求核剤としてセシウムカ
ルボキシレートを用いる方法(J.Org.Che
m.,46,4321(1981));及び (3)リチウムアルキル銅錯体を用いる方法(Tetr
ahedron Letters,31,2149(1
990);及びJ.Org.Chem.,54,583
1(1989))などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法(1)の場合には、目的とする置換反応に対して競
争的にかなりの割合で副反応としての脱離反応が進行
し、その結果、目的化合物の収率を向上させるこができ
ないという問題があった。
【0005】また上記の方法(2)の場合には、セシウ
ムカーボネートをまず合成しなければならず、その点手
間がかかるという問題があった。更に、求核剤としてセ
シウムカーボネートだけが使用可能であり、他の求核剤
を使用することができないという問題があった。
【0006】方法(3)の場合には、リチウムアルキル
銅錯体自体が非常に高価なものなので、目的化合物の製
造コストを低減できないという問題があった。更に、そ
の反応性が非常に高いために反応基質が非常に限定さ
れ、また、反応条件も非常に制約されたものとなるとい
う問題もあった。
【0007】この発明は、このような従来技術の課題を
解決し、簡便な反応操作或いは温和な反応条件で、不斉
炭素の立体配置の反転を伴う置換反応により高収率で光
学活性有機化合物を製造できるようにすることを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者は、光学活性
スルホネート化合物に、フッ化セシウムの存在下で種々
の求核剤を反応させることにより、上述の目的が達成で
きることを見出し、この発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、この発明は、式(1) RHR (1) (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基もしくはアラルキル基であり、Rはアルキル基も
しくはアルコキシカルボニル基であり、又はRとR
とは一緒になって環を形成してもよい;Rはアロイル
オキシ基、アシルオキシ基、アリールチオ基、アシルチ
オ基、イミド基又は式(2) −CR5R6 (2) (式中、R及びRは独立的にシアノ基、アルコキシ
カルボニル基、アリルオキシカルボニル基であり、R
は水素又はアルキル基である)で表される基である;そ
してCは不斉炭素原子である)で表される光学活性有
機化合物の製造方法において、式(3) R**HOSO (3) (式中、R及びRは上記で定義した通りである;R
はアルキル基又はアリール基である;そしてC
**は、式(1)のCと同じ炭素原子であるが、C
の立体配置が反転した配置を有する不斉炭素原子を表し
ている)で表される光学活性スルホネート化合物を、フ
ッ化セシウムの存在下で式(4) H−R (4) (式中、Rは上記で定義した通りである)の化合物と
反応させることを特徴とする式(1)の光学活性有機化
合物の製造方法を提供する。この場合、光学活性有機化
合物の製造コストを低減するために、Rとしてメチル
基を選択することが好ましい。
【0010】ここで、上述の化学式中の置換基の定義に
おいてアルキル基とは、好ましくは炭素数1〜10の直
鎖もしくは分岐アルキル基、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などを意味する。シクロアルキル基とは、好ましくは
炭素数4〜10のシクロアルキル基、例えばシクロペン
チル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、
シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ジメチルシクロ
オクチル基などを意味する。アリール基とは、フラニル
基、ピリジル基等の複素芳香族基や芳香族炭化水素基、
好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、例えば
フェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニ
ル基、2、4−ジメチルフェニル基などを意味する。ア
ラルキル基とは、前述のアリール基を置換基として有す
るアルキル基、好ましくは炭素数7〜10のフェニルア
ルキル基、例えばベンジル基、1−フェニルエチル基、
2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などを
意味する。アルコキシカルボニル基とは、好ましくは炭
素数1〜5の低級アルコキシカルボニル基、例えばメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシ
カルボニル基などを意味する。RとRとが一緒にな
って形成する環とは、炭素原子のみで環を構成してもよ
いし酸素原子や窒素原子等を含めて環を構成してもよい
が、好ましくは炭素数5以上で構成される炭素環、例え
ばシクロヘキサン環、2,2−ジメチル−3−オン−シ
クロヘキサン環、更にコレステロール等の縮合環などを
意味する。アロイルオキシ基とは、好ましくは炭素数7
〜10のベンゾイルオキシ基、4−メチルベンゾイルオ
キシ基などを意味する。アシルオキシ基とは、好ましく
は炭素数2〜10のアシルオキシ基、好ましくはアセト
キシ基、プロピオニルオキシ基、ブタノイルオキシ基な
どを意味する。アリールチオ基のアリール部分は前述で
定義した通りのものを意味し、好ましくは炭素数6〜1
0のフェニルチオ基、例えばフェニルチオ基、4−メチ
ルフェニルチオ基などを意味する。アシルチオ基とは、
好ましくは炭素数2〜10のアシルチオ基、例えばアセ
チルチオ基、プロピオニルチオ基、ブタノイルチオ基な
どを意味する。イミド基とは、好ましくは炭素数4〜1
0の無水イミド基、例えばコハク酸イミド基、マレイン
酸イミド基、フタル酸イミド基などを意味する。アリル
オキシカルボニル基とは、好ましくは炭素数4〜5のア
リルオキシカルボニル基、例えばアリルオキシカルボニ
ル基、3−メチルアリルオキシカルボニル基、3,3−
ジメチル−アリルオキシカルボニル基などを意味する。
なお、これらの置換基には、この発明を特徴づける置換
反応を妨害しない限り、ヒドロキシ基、ハロゲン原子な
どの種々の置換基を更に有していてもよい。
【0011】この発明においては、式(3)の光学活性
スルホネート化合物と式(4)の求核剤とを反応させて
置換反応を行わせるが、この場合式(3)の光学活性ス
ルホネート化合物の(−OSO)基と、求核剤で
ある式(4)の化合物の(−R)基とが置換する。こ
の置換反応においては、ラセミ化がほとんど起こらず
に、(−OSO)基が結合している不斉炭素原子
の立体配置が反転する。従って、この発明により光
学純度の高い光学活性有機化合物を選択的に得ることが
可能となる。
【0012】この発明においては、不斉炭素原子の立体
配置が反転する置換反応を行うための触媒として、フッ
化セシウムを使用する。フッ化セシウムの使用量は、式
(3)の光学活性スルホネート化合物に対して等モル以
上、好ましくは等モル〜5倍モルである。また、求核剤
である式(4)の化合物の使用量は、式(3)の光学活
性スルホネート化合物に対して等モル以上、好ましくは
等モル〜5倍モルである。
【0013】また、この発明は好ましくは有機溶剤の存
在下で実施することが好ましい。このような有機溶媒と
しては、置換反応に悪影響を与えない非プロトン性極性
溶媒を使用することができる。例えばジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、N−ピロリドン、ジメチ
ルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド
などを好ましく使用することができる。このような溶媒
の使用量は、式(3)の光学活性スルホネート化合物に
対して、好ましくは約30重量倍以内で使用する。
【0014】また、この発明を実施する際の反応温度
は、使用する溶媒や式(3)の化合物や式(4)の化合
物の種類等により異なるが、一般に室温乃至150℃、
好ましくは40乃至110℃である。反応時間は、使用
する溶媒や式(3)の化合物や式(4)の化合物の種類
等によりことなるが、一般には24時間以内である。
【0015】なお、この発明を実施する際には大気下で
も実施可能であるが、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不
活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
【0016】この発明の製造方法は、通常の手段により
実施可能である。例えば、反応容器にフッ化セシウムと
式(4)の求核剤を入れ、好ましくは更に溶媒を加え、
そして反応容器内を窒素置換する。この状態で室温で約
0.5〜1時間撹拌した後、式(3)の光学活性スルホ
ネート化合物を、好ましくは溶媒に希釈したものを反応
容器に添加し、所定の反応温度で撹拌しながら反応させ
ることにより式(1)の光学活性有機化合物を製造する
ことができる。
【0017】目的物である光学活性有機化合物の反応混
合物からの分離精製も常法により行うことができる。例
えば、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルなどで反応
液を希釈した後に冷水に注ぎ入れることにより反応を停
止させ、分離した有機層を5%重曹水などのアルカリ水
溶液で洗浄し、食塩水で更に洗浄する。この有機層を無
水硫酸ナトリウム等で乾燥し、減圧下で溶媒を除去する
ことにより残渣として目的物である式(1)の光学活性
有機化合物を得ることができる。なお、この残渣をシリ
カクロマトグラフィ処理或いは蒸留処理することにより
容易に精製することができる。
【0018】なお、この発明の製造方法に於ける出発原
料となる式(3)の光学活性スルホネート化合物は、例
えば対応する光学活性アルコール類とスルホン酸類との
エステル化反応により容易に製造することができる。
【0019】
【作用】この発明によれば、フッ化セシウムの存在下で
式(3)の光学活性スルホネート化合物と式(4)の求
核剤とを反応させて置換反応を行わせるので、(3)の
光学活性スルホネート化合物の(−OSO)基
と、求核剤である式(4)の化合物の(−R)基とが
置換し、しかもその置換反応の際に式(3)中の不斉炭
素原子Cの立体配置が反転し、得られる式(1)の化
合物の不斉炭素原子C**の立体配置は、式(3)の光
学活性スルホネート化合物の不斉炭素原子Cの立体配
置が反転したものとなる。
【0020】
【実施例】この発明を以下の実施例により更に詳細に説
明する。
【0021】実施例1
【0022】
【化1】 611mg(5mmol)の安息香酸と760mg(5
mmol)のフッ化セシウムとを反応容器に仕込み、反
応容器内を窒素置換した後に、ジメチルホルムアミド
(以下DMFと略する)2mlを更に添加し、室温で3
0分間撹拌した。これに、1mlのDMFに溶解した2
08mg(1mmol)の式(5)の化合物を添加し、
60℃に加温し撹拌して反応させた。
【0023】薄層クロマトグラフィ(TLC)で原料の
消失を確認後、反応液をエーテル抽出し、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後にエーテルを除去し、式(6)の化合物
を得た。
【0024】これを、カラムクロマトグラフィ(シリカ
ゲル(メルク社製)、ヘキサン/20%酢酸エチル)に
より精製し、単離収率51%(115mg)で式(6)
の化合物を得た。この化合物の旋光度は[α」=−3
0.35°(C=0.975,26℃,CHCl)で
あった。
【0025】実施例2
【0026】
【化2】 183mg(1.5mmol)の安息香酸と228mg
(1.5mmol)のフッ化セシウムとを反応容器に仕
込み、反応容器内を窒素置換した後に、DMF2mlを
更に添加し、室温で撹拌した。これに、1mlのDMF
に溶解した196mg(1mmol)の式(7)の化合
物を添加し、50℃に加温し撹拌して反応させた。
【0027】TLCで原料の消失を確認後、反応液をエ
ーテル抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を除
去し、式(8)の化合物を62.4%のガスクロマトグ
ラフィ収率(HR−Thermon 3000B,昇温
10℃/分,α=0.6358,内部標準=n−オクタ
デカン)で得た。
【0028】これを、カラムクロマトグラフィ(シリカ
ゲル(メルク社製)、ベンゼン/3%酢酸エチル)によ
り精製し、単離収率53%(118mg)で式(8)の
化合物を得た。この化合物の旋光度は[α」=+1
3.57°(C=1.146,26℃,CHCl)で
あった。
【0029】実施例3
【0030】
【化3】 305mg(2.5mmol)の安息香酸と380mg
(2.5mmol)のフッ化セシウムとを反応容器に仕
込み、反応容器内を窒素置換した後に、DMF1mlを
更に添加し、室温で30分間撹拌した。これに、0.5
mlのDMFに溶解した120mg(0.5mmol)
の式(9)の化合物を添加し、100℃〜110℃に加
温し4時間撹拌して反応させた。
【0031】TLCで原料の消失を確認後、反応液を酢
酸エチル抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を
除去し、式(10)の化合物を90%のガスクロマトグ
ラフィ収率(OV−17,昇温10℃/分,α=0.5
132,内部標準=n−ヘプタデカン)で得た。
【0032】これを、カラムクロマトグラフィ(シリカ
ゲル(メルク社製)、ベンゼン/5%酢酸エチル)によ
り精製し、単離収率98%(136mg)で式(10)
の化合物を得た。この化合物の旋光度は[α」=−
1.39°(C=0.958,26℃,CHCl)で
あった。
【0033】実施例4
【0034】
【化4】 611mg(5mmol)の安息香酸と760mg(5
mmol)のフッ化セシウムとを反応容器に仕込み、反
応容器内を窒素置換した後に、DMF1.5mlを更に
添加し、室温で30分間撹拌した。これに、1.5ml
のDMFに溶解した467mg(1mmol)の式(1
1)の化合物を添加し、100℃に加温し7時間撹拌し
て反応させた。
【0035】TLCで原料の消失を確認後、反応液を酢
酸エチル抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を
除去し、式(12)の化合物を得た。
【0036】これを、カラムクロマトグラフィ(シリカ
ゲル(メルク社製)、ヘキサン/10%酢酸エチル)に
より精製し、単離収率70%(345mg)で式(1
2)の化合物を得た。この化合物の旋光度は[α」
+22.73°(C=1.00,26℃,CHCl
であった。
【0037】実施例5
【0038】
【化5】 380mg(2.5mmol)のフッ化セシウムを反応
容器に仕込み、反応容器内を窒素置換した後に、DMF
3mlに溶解した110mg(0.5mmol)の式
(13)の化合物を添加し、更に305mg(2.5m
mol)の安息香酸を加え90℃で撹拌して反応させ
た。
【0039】8時間反応させて原料の消失を確認した
後、反応液を室温まで冷却し、反応液に酢酸エチルと氷
水20mlとを加え酢酸エチル抽出を行った。酢酸エチ
ル層を30mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、30
mlの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後に溶媒を除去し、式(14)の化合物を得た。
【0040】これを、カラムクロマトグラフィ(シリカ
ゲル(メルク社製)、ベンゼン/3%酢酸エチル)によ
り精製し、単離収率63%(78mg)で式(14)の
化合物を得た。この化合物の旋光度は[α」=−4
7.4°(C=0.9,22℃,CHCl)であっ
た。また、Eu(hfc)を用いてNMRにより光学
純度を測定したところ96%eeであった。
【0041】実施例6
【0042】
【化6】 0.5ml(5mmol)のチオフェノールと760m
g(5mmol)のフッ化セシウムとを反応容器に仕込
み、反応容器内を窒素置換した後に、DMF2mlを更
に添加し、室温で30分間撹拌した。これに、2mlの
DMFに溶解した208mg(1mmol)の式(5)
の化合物を添加し、50℃に加温し撹拌して反応させ
た。
【0043】3時間反応させて原料の消失を確認後、反
応液をベンゼン抽出し、1規定水酸化ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後
にエーテルを除去し、式(15)の化合物を97%のガ
スクロマトグラフィ収率(HR−Thermon 30
00B,昇温10℃/分,α=0.8265,内部標準
=n−ペンタデカン)で得た。
【0044】これを、カラムクロマトグラフィ(シリカ
ゲル(メルク社製)、ヘキサン)により精製し、単離収
率94%(214mg)で式(15)の化合物を得た。
この化合物の旋光度は[α」=−1.35°(C=
1.180,27℃,CHCl)であった。
【0045】実施例7
【0046】
【化7】 456mg(3mmol)のフッ化セシウムを反応容器
に仕込み、反応容器内を窒素置換した後に、DMF2m
lと0.2ml(3mmol)のチオ酢酸を加えて室温
で60分間撹拌した。これに、1mlのDMFに溶解し
た208mg(1mmol)の式(5)の化合物を添加
し、40℃に加温し撹拌して反応させた。
【0047】TLCで原料の消失を確認後、反応液を室
温まで冷却し、酢酸エチルで抽出した。これを飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後に溶媒を除去し、式(16)の化合
物を得た。
【0048】これを、実施例6と同様にカラムクロマト
グラフィにより精製し、単離収率52%(97mg)で
式(16)の化合物を得た。
【0049】実施例8
【0050】
【化8】 736mg(5mmol)のフタル酸イミドと760m
g(5mmol)のフッ化セシウムとを反応容器に仕込
み、反応容器内を窒素置換した後に、DMF2mlを更
に添加し、室温で30分間撹拌した。これに、1mlの
DMFに溶解した208mg(1mmol)の式(5)
の化合物を添加し、50℃に加温し24時間撹拌して反
応させた。
【0051】TLCで原料の消失を確認後、反応液をエ
ーテル抽出し、1規定水酸化ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を除
去し、式(17)の化合物を32%のガスクロマトグラ
フィ収率(CBP−5,昇温10℃/分,α=1.16
14,内部標準=n−デカン)で得た。
【0052】これを、カラムクロマトグラフィ(シリカ
ゲル(メルク社製)、ヘキサン/20%酢酸エチル)に
より精製し、単離収率66%(172mg)で式(1
7)の化合物を得た。この化合物の旋光度は[α」
−17.23°(C=1.00,26℃,CHCl
であった。
【0053】実施例9
【0054】
【化9】 456mg(3mmol)のフッ化セシウムをドライパ
ック中で10mlの反応容器に仕込み、反応容器内を窒
素置換した後に、0.5ml(3mmol)のマロン酸
ジエチルを加え室温で60分間撹拌した。ついで、反応
混合物にDMF5mlに溶解した196.21mg(1
mmol)の式(7)の化合物を添加し、温度45℃で
5時間撹拌して反応させた。
【0055】反応終了後、反応液を60mlの酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層を20mlの飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、20mlの飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を除去し、式(18)
の化合物を86%のガスクトマトグラフィ収率(内部標
準=n−ノナデカン(150mg))で得た。
【0056】これを、クーゲル(25mmHg、130
〜140℃)で、まず低沸点流出物を除去し、カラムク
ロマトグラフィ(シリカゲル(メルク社製)、ヘキサン
/3%酢酸エチル)により精製し、単離収率46%(1
20mg)で式(18)の化合物を得た。この化合物1
0mgを重クロロホルムに溶解し、Eu(hfc)
用いて(CHCH)のメチル水素原子の強度をNMR
測定した。この結果,光学純度は99.2%eeであっ
た。
【0057】実施例10
【0058】
【化10】 1400mg(9mmol)のフッ化セシウムをドライ
パック中で10mlの反応容器に仕込み、反応容器内を
窒素置換した後に、1.0ml(9mmol)のシアノ
酢酸エチルを加え室温で60分間撹拌した。ついで、反
応混合物にDMF5mlに溶解した589mg(3mm
ol)の式(7)の化合物を添加し、温度60℃で6時
間撹拌して反応させた。
【0059】反応終了後、反応液を60mlの酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層を20mlの飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、20mlの飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を除去し、86%のガ
スクロマトグラフィ収率(内部標準=ノルマルテトラデ
カン(171mg))で得た。
【0060】これを、クーゲル(25mmHg、130
〜140℃)で、まず低沸点流出物を除去し、カラムク
ロマトグラフィ(シリカゲル(メルク社製)、ヘキサン
/3%酢酸エチル)により精製し、単離収率59%(3
72mg)の式(19)の化合物を得た。この化合物1
0mgを重クロムホルムに溶解し、Eu(hfc)
加えて(CHCH)のメチル水素原子の強度をNMR
測定した。この結果,光学純度は91.0%eeであっ
た。
【0061】実施例11 式(7)の化合物を1mmol、シアノ酢酸エチルを3
mmol、フッ化セシウム3mmolを使用し、反応温
度を45℃とし、更に反応時間を8時間とする以外は実
施例10を繰り返すことにより式(19)の化合物を、
ガスクロマトグラフィ収率66%、単離収率50%、光
学純度81.4%eeで得た。
【0062】実施例12 反応温度を30℃とし、反応時間を19時間とする以外
は実施例11を繰り返すことにより式(19)の化合物
を、ガスクロマトグラフィ収率89%、単離収率61
%、光学純度85.8%eeで得た。
【0063】実施例13
【0064】
【化11】 455.7mg(3mmol)のフッ化セシウムをドラ
イパック中で10mlの反応容器に仕込み、反応容器内
を窒素置換した後に、378mg(3mmol)のシア
ノ酢酸アリルを加え室温で60分間撹拌した。ついで、
反応混合物にDMF5mlに溶解した196.2mg
(1mmol)の式(7)の化合物を添加し、温度45
℃で6時間撹拌して反応させた。
【0065】反応終了後、反応液を60mlの酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層を20mlの飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、20mlの飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を除去し、式(20)
の化合物を92%のガスクトマトグラフィ収率(内部標
準=C2450(61mg))で得た。
【0066】これを、クーゲル(25mmHg、130
〜140℃)で、まず低沸点流出物を除去し、カラムク
ロマトグラフィ(シリカゲル(メルク社製)、ヘキサン
/3%酢酸エチル)により精製し、単離収率66%(1
40mg)の式(20)の化合物を得た。この化合物1
0mgを重クロロホルムに溶解し、Eu(hfc)
加えて(CHCH)のメチル水素原子の強度をNMR
測定した。この結果、光学純度は93.6%eeであっ
た。
【0067】実施例14 式(7)の化合物を1mmol、シアノ酢酸アリルを3
mmol、フッ化セシウム3mmolを使用し、反応温
度を60℃とし、更に反応時間を4時間とする以外は実
施例13を繰り返すことにより式(20)の化合物を、
ガスクロマトグラフィ収率83%、単離収率43%、光
学純度89%eeで得た。
【0068】実施例15 反応温度を30℃とし、反応時間を17時間とする以外
は実施例14を繰り返すことにより式(20)の化合物
を、ガスクロマトグラフィ収率92%、単離収率50
%、光学純度89.4%eeで得た。
【0069】
【発明の効果】この発明によれば、簡便な反応操作或い
は温和な反応条件で、不斉炭素の立体配置の反転を伴う
置換反応により高収率で光学活性有機化合物を製造でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/76 Z 9279−4H 255/19 6917−4H 321/28 7419−4H 327/22 8619−4H C07J 9/00 9051−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) RHR (1) (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリー
    ル基もしくはアラルキル基であり、Rはアルキル基も
    しくはアルコキシカルボニル基であり、又はRとR
    とは一緒になって環を形成してもよい;Rはアロイル
    オキシ基、アシルオキシ基、アリールチオ基、アシルチ
    オ基、イミド基又は式(2) −CR (2) (式中、R及びR5は独立的にシアノ基、アルコキシ
    カルボニル基、アリルオキシカルボニル基であり、R
    は水素又はアルキル基である)で表される基である;そ
    してCは不斉炭素原子である)で表される光学活性有
    機化合物の製造方法において、式(3) R**HOSO (3) (式中、R及びRは上記で定義した通りである;R
    はアルキル基又はアリール基である;そしてC**
    式(1)のCと同じ炭素原子であるが、Cの立体配
    置が反転した配置を有する不斉炭素原子を表している)
    で表される光学活性スルホネート化合物を、フッ化セシ
    ウムの存在下で式(4) H−R (4) (式中、Rは上記で定義した通りである)の化合物と
    反応させることを特徴とする式(1)の光学活性有機化
    合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 Rがメチル基である請求項1の製造方
    法。
JP4128192A 1992-04-21 1992-04-21 光学活性有機化合物の製造方法 Pending JPH05294850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4128192A JPH05294850A (ja) 1992-04-21 1992-04-21 光学活性有機化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4128192A JPH05294850A (ja) 1992-04-21 1992-04-21 光学活性有機化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05294850A true JPH05294850A (ja) 1993-11-09

Family

ID=14978733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4128192A Pending JPH05294850A (ja) 1992-04-21 1992-04-21 光学活性有機化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05294850A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1192423A (ja) トリフルオロ酢酸及びクロロジフルオロ酢酸のメチルエステル又はエチルエステルの製造方法
NO314456B1 (no) Fremgangsmåter og mellomprodukter nyttige for å fremstille antifolater
JP4528123B2 (ja) ナプロキセンのニトロオキシ誘導体の製造法
US20230339914A1 (en) Intermediate of biliverdin, and preparation method and use thereof
JPH05238990A (ja) 1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレン誘導体およびその製造方法
JPH05294850A (ja) 光学活性有機化合物の製造方法
JPH0742269B2 (ja) 4−アルコキシ−3−ピロリン−2−オン−1−イル−酢酸アルキルエステルおよびその製造方法
US6307091B1 (en) Trifluoro-substituted benzoic acid, esters thereof and processes for preparing the same
JPH0770037A (ja) シアノアシルシクロプロパン化合物の製造方法とそれに用いる2−シアノアシル−4−ブタノリド化合物
JPH0610158B2 (ja) 3−フルオロ安息香酸類の製造方法
US3996289A (en) Process for the preparation of 2-nitrobenzaldehyde
JP2003221360A (ja) 2−フルオロ−2−メチルプロピオン酸類の製造方法
JPS61218555A (ja) トリフルオロジクロロエチル基により置換された酸類の製法および亜鉛化合物類
JPH0623168B2 (ja) ベンゼンスルホニルクロリド誘導体の製造方法
JP3891501B2 (ja) 3−フルオロフェノールの製造方法
JPS5840938B2 (ja) 置換又は未置換α−オキシコハク酸エステルの製造方法
JP2804654B2 (ja) (S)−(−)−デヒドロ−α−ダマスコールの製造方法
JP2001122847A (ja) ビナフチル誘導体の製造方法
JPH02111747A (ja) 炭素13標識5‐アミノレブリン酸及びその誘導体の製造方法
JP2023548916A (ja) ビリベルジン又はその誘導体の製造方法
JPH04224525A (ja) 9,9−ジアルキルフルオレンの製造方法
JP2590436B2 (ja) ジフェニルジスルホニルフルオライドの合成方法
JPH04288081A (ja) ベンゾピラノ〔2,3−b〕ピリジン誘導体の合成法
KR100516383B1 (ko) 디히드로카보스트릴 유도체의 신규 제조방법
JPH01238548A (ja) ナフタレン―1,4,5,8―テトラカルボン酸テトラアルキルエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071002

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081002

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees