JPH052940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は電子写真複写機の感光ドラムの表面に
残留したトナーを除去するためのブレードを有す
るクリーニング装置に関するものである。

「従来の技術」 電子写真複写機は、一般に感光ドラムの表面に
光導電現象を利用して潜像を形成し、これにトナ
ーを付着させる。このようにして感光ドラムの表
面に付着させたトナーを複写紙に転写した後にこ
のトナーを熱で複写紙に融着などして、複写が完
了する。しかし、感光ドラムの表面には少量のト
ナーが残留するのが常で、この残留トナーはその
都度除くことが必要である。

第３図は従来のブレードクリーニング装置の一
例を示す側面図である。図において、定位置に固
定された支軸１に一端が取付られたレバー２の他
端がソレノイド３に摺動可能に止着され、かつレ
バー２の支軸１側の端部にほぼ垂直に取付板４を
突設してなるアルミニウム製の操作部材５におい
て、前記取付け板４にポリウレタンゴム製のブレ
ード６が両面貼着テープで貼付されている。７は
感光ドラムである。

このクリーニング装置は、常時は二点鎖線で示
したように、ブレード６が感光ドラム７から離れ
ている。そして、感光ドラム７が回転してその表
面のトナーの転写が終わつた部分がブレード６に
近づいて来ると、ソレノイド３に電圧が印加され
て、操作部材５を実線位置まで揺動させてブレー
ド６を感光ドラム７の表面に接触させて残留トナ
ーを除くものである。

「考案が解決しようとする問題点」 上記従来のクリーニング装置は、操作部材５が
アルミニウムで形成されているから、高重量とな
りかつ高価となる問題がある。そして、ブレード
６は取付部４に両面粘着テープで貼付されている
から、これらの貼付にかなりの手間が必要である
とともに、ブレード６を反復して使用している間
にブレード６が剥離するおそれがある。また、操
作部材５を構成するアルミニウムとブレード４を
構成するポリウレタンの熱線膨張係数にはかなり
大きな差があるから、温度変化でブレード６が波
状などに変形し、残留トナーの除去が不確実にな
る問題がある。

「考案の目的」 本考案は上記のような問題を解決するためにな
されたもので、操作部材を軽量、安価にするとと
もに、操作部材に対するブレードの取付けを能率
よく行うことを可能にし、かつ操作部材からブレ
ードが分離するおそれや熱的変形によつてブレー
ドが波打ちするといつた不都合のないクリーニン
グ装置を得ることを目的とする。

「問題を解決するための手段」 上記目的を達成するために本考案が採用する主
たる手段は、その要旨とするところが、複写機の
感光ドラムに接するブレードと、このブレードを
支持すると共にアクチユエータにより直接操作す
る操作部材とを有してなる複写機のクリーニング
装置において、上記ブレードが弾性を有する合成
ゴム等の高分子化合物で形成され、かつこのブレ
ードの曲がりに対向してブレードを支持しうる程
度の剛性を有する同種の高分子化合物で上記操作
部材が形成され、上記ブレードが上記操作部材に
一体成形されてなる点である。

「考案の効果」 本考案のクリーニング装置は上記のように構成
されているから、全体を軽量化でき、かつブレー
ドを操作部材に取付ける手間が不必要で、使用素
材が従来の操作部材を構成するアルミニウムより
も低価格であるから、コストの引下げが可能であ
る。そして、ブレードと操作部材とは一体成形さ
れているから、これらが反復使用によつても分離
するおそれがない。また、ブレードと操作部材と
が同材質で形成され、熱線膨張係数がほぼ同じで
あるから、温度変化によるブレードの変形もな
く、信頼性の高いクリーニングを行うことができ
る。

「実施例」 以下、添付図面を参照して本考案を具体化した
実施例について説明し本考案の理解に供する。

ここに第１図は本考案の一実施例に係るクリー
ニング装置を示す側面図、第２図は他の実施例に
係るクリーニング装置を示す斜視図、第３図は従
来のクリーニング装置を示す側面図である。

なお、以下の実施例は本考案の具体的な一例に
すぎず、本考案の技術的範囲を限定するものでは
ない。

第１図において、定位置に固定された支軸１で
一端が支持されたレバー２の他端がアクチユエー
タの一例であるソレノイド３に取付けられ、支軸
１側の端部においてレバー２の端部にほぼ垂直に
取付板４を突設してなる操作部材５が硬質ウレタ
ンで形成され、前記操作部材５と同材質で互いの
分子間結合力が高いポリウレタンゴム製のブレー
ド６が複合押出によつて前記取付板４の端縁に一
体に形成され、かつこのブレード６が感光ドラム
７の周面の近くに配置されている。

このクリーニング装置によく感光ドラム７の表
面の残留トナーの除去も、前記公知のクリーニン
グ装置と同じで、常時は鎖線で示したようにブレ
ード６は感光ドラム７の表面から離れている。そ
して、感光ドラム７の潜像に付着させたトナーを
複写紙に転写したのちに、ソレノイド３に電圧を
印加して操作部材５を揺動させることで、ブレー
ド６を感光ドラム７の表面に接触させて残留トナ
ーを除去する。残留トナーの除去が終わると、ソ
レノイド３に対する電流を遮断して、ブレード６
を感光ドラム７から放すことを反復する。

このクリーニング装置におけるブレード６は、
例えばJIS−Ａ硬度30〜90°のポリウレタンゴム
で、操作部材５は上記ブレード６を感光ドラム７
に押し付けるために曲げた状態で、その力に対向
してブレード６を支持しうる程度に十分な硬度を
有する硬質ウレタンで、両者は押出し成形により
一体に形成されているから、操作部材５において
は、従来のアルミニウム製の操作部材よりも安価
にでき、かつ軽量で、支軸１による操作部材５の
支持と揺動操作が容易である。そして、ブレード
６と操作部材５とは前記のように一体成形したも
のであるから、操作部材５にブレード６を固着す
る手間が全く不要であり、この点からもコストの
引下げが可能であるとともに、操作部材５に対す
るブレード６の取付精度を向上させることができ
る。

また、ブレード６の反復使用によつてもブレー
ド６が操作部材５から分離するおそれがなく、か
つこれらの熱線膨張係数がほぼ同じで、温度変化
によるブレード６の変形もないから、残留トナー
の除去の精度を向上させることが可能である。

ブレード６はポリウレタンゴムのように、弾性
を有し残留トナーの除去に適する高分子化合物を
使用する。そして、操作部材５を構成するブレー
ド６と同材質でそれより硬度が高い素材とは、両
者の分子間結合力が高くて複合押出による一体成
形が可能な同素材のものであればよく、添加剤な
どまでが同じである必要はない。また操作部材５
の揺動はカムなどの任意の手段によることができ
る。

第２図は他の実施例の斜視図で、操作部材５に
おけるレバー２において、支軸１と相対する端縁
にリブ８を設けて、レバー２を補強したもので、
取付板４に一端を取付け、かつリブを貫通した支
持バー９を介してスイングバー１０で操作部材５
を揺動させるように構成されている。このように
して操作部材５を補強すれば、レバー２などを薄
くしてより軽量化をはかることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るクリーニング
装置を示す側面図、第２図は他の実施例に係るク
リーニング装置を示す斜視図、第３図は従来のク
リーニング装置を示す側面図である。 符号の説明、５……操作部材、６……ブレー
ド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複写機の感光ドラムに接するブレードと、こ
   のブレードを支持すると共にアクチユエータに
   より直接操作される操作部材とを有してなる複
   写機のクリーニング装置において、 上記ブレードが弾性を有する合成ゴム等の高
   分子化合物で形成され、かつこのブレードの曲
   がりに対抗してブレードを支持しうる程度に剛
   性を有する同種の高分子化合物で上記操作部材
   が形成され、上記ブレードが上記操作部材に一
   体成形されてなる複写機のクリーニング装置。 (2) 上記ブレードがポリウレタンゴムにより、ま
   た操作部材が硬度ウレタンにより構成されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の複写機
   のクリーニング装置。