JPH05293925A - 金属装飾体及びその製造方法 - Google Patents

金属装飾体及びその製造方法

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JPH05293925A
JPH05293925A JP12269392A JP12269392A JPH05293925A JP H05293925 A JPH05293925 A JP H05293925A JP 12269392 A JP12269392 A JP 12269392A JP 12269392 A JP12269392 A JP 12269392A JP H05293925 A JPH05293925 A JP H05293925A
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metal
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Retsuji Yamamoto
烈士 山本
Kyoko Furuse
京子 古瀬
Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基体の表面における金属の薄膜層にグロス
−マット効果が模様状に現出されている金属装飾体及び
その製造方法を提供する。 【構成】 基体の表面に、水圧転写にて転写されてい
るマット剤を含有する印刷パターン層を有しており、か
つ、該マット剤を含有する印刷パターン層の形成面の全
面に、該印刷パターン層を被覆するようにして金属の薄
膜層が形成されており、しかも、該金属の薄膜層の表面
には、印刷パターン層のマット効果に対応する部分のみ
にマット効果が現出されている「グロス−マット」によ
る金属装飾体及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプラスチック成
形体や金属成形体等による基体の表面における金属装飾
体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属装飾体を得るには、金属製品の表面
をフォトエッチングする方法、あるいは、機械加工する
方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属製品の表面をフォ
トエッチングする装飾加工方法は、基体が金属製品から
なるものに限定されるだけでなく、曲面形状や不規則な
立体形状をなすものには適用し得ないという欠点を有す
る。また、金属製品の表面を機械加工する装飾加工方法
は、先のフォトエッチングの場合と同様に、基体が金属
製品からなるものに限定され、さらに、多大な時間と高
度な熟練とを要し、非能率的である。
【0004】これに対して本発明は、基体の表面におけ
る金属の薄膜層に、鏡面と鏡面との間に模様状の部分的
なマット面が現出されている所謂「グロス−マット」効
果が模様状に現出されている金属装飾体及びその製造方
法からなるもので、基体が金属製品からなるものに限定
されるようなことがなく、しかも、製造が容易でかつ効
率良く得られる等の特徴を有する金属装飾体及びその製
造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基体
の表面に、マット剤を含有する印刷パターン層が水圧転
写にて転写されており、かつ、該マット剤を含有するイ
ンキによる印刷パターン層の形成面の全面に、該印刷パ
ターン層を被覆するようにして金属の薄膜層が形成され
ているものであり、該金属の薄膜層の表面に、前記基体
の表面の印刷パターン層のマット効果に対応する部分の
みにマット効果が現出されている「グロス−マット」の
金属装飾体からなる。なお、この発明における印刷パタ
ーン層には、マット剤のほかにビヒクルが含有されてい
ても良いことは勿論である。
【0006】請求項2の発明は、マット剤とビヒクルと
を含有するインキによる印刷パターン層を水溶性または
水膨潤性フィルムに対して形成し、水圧転写用シートを
得る工程と、該水圧転写用シートの印刷パターン層を、
該印刷パターン層中のビヒクルを膨潤〜溶解させる有機
溶剤で活性化させる工程と、活性化した印刷パターン層
を水圧を利用して基体の表面に転写する工程と、該印刷
パターン層が転写されている基体の転写面に金属の薄膜
層を形成する工程とにより、該金属の薄膜層の表面に、
前記基体の表面に形成されているマット剤を含有するイ
ンキによる印刷パターン層のマット効果のみに対応する
部分にマット効果が現出されている、すなわち、「グロ
ス−マット」の金属装飾体を得るものである。
【0007】請求項3の発明は、水溶性または水膨潤性
フィルムに対してマット剤を含有する有機溶剤による印
刷パターン層を形成すると共に、該印刷パターン層にお
ける有機溶剤が乾燥する前に、前記マット剤を含有する
有機溶剤による印刷パターン層を水圧を利用して基体の
表面に転写する工程と、該印刷パターン層が転写されて
いる基体の転写面に金属の薄膜層を形成する工程とによ
り、該金属の薄膜層の表面に、前記基体の表面に形成さ
れている印刷パターン層のマット効果のみに対応する部
分にマット効果が現出されている、すなわち、「グロス
−マット」の金属装飾体を得るものである。
【0008】前記構成による本発明の金属装飾体及びそ
の製造方法において、基体としては、金属成形体を初
め、例えば、ポリスチレン樹脂,ABS樹脂,ポリカー
ボネート樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,尿素樹
脂,繊維素樹脂等によるプラスチック成形体、木質成形
体、陶磁器成形体、石等が利用され、基体は特に制限さ
れるものではない。また、該基体は、平面状のものに限
定されることもなく、曲面形状や不規則な立体形状をな
すものであっても全く同様に利用し得る。
【0009】請求項2の発明及び請求項3の発明におい
て、水溶性または水膨潤性のフィルムとしては、例え
ば、ポリビニルアルコール樹脂,デキストリン,ゼラチ
ン,にかわ,カゼイン,セラック,アラビアゴム,澱
粉,蛋白質,ポリアクリル酸アミド,ポリアクリル酸ソ
ーダ,ポリビニルメチルエーテル,メチルビニルエーテ
ルと無水マレイン酸との共重合体,酢酸ビニルとイタコ
ン酸との共重合体,ポリビニルピロリドン,アセチルセ
ルロース,アセチルブチルセルロース,カルボキシメチ
ルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキシエチルセ
ルロース,アルギン酸ソーダ等による厚さ10〜100
μ程度のものが使用される。
【0010】請求項2の発明における印刷パターン層
は、例えばSiO2 等の無機質粉末からなるマット剤と
ビヒクルとを含有するインキにより、また、請求項3の
発明における印刷パターン層は、例えばSiO2 等の無
機質粉末からなるマット剤を含有する有機溶剤により、
あるいは、粘度の調節,塗工手段が限定されない,印刷
パターン層における溶剤の保持時間を調節する等の目的
でさらにビヒクルを添加した有機溶剤により、いずれ
も、例えば、グラビア等の凹版印刷方式,平版印刷方
式,凸版印刷方式,スクリーン印刷方式,刷毛塗り,へ
ら塗り,吹き付け塗り等の手段により、パターン,図
形,文字,記号等として形成される。
【0011】なお、請求項2の発明において、印刷パタ
ーン層を形成する際に利用されるマット剤とビヒクルと
を含有するインキ、または、請求項3の発明において印
刷パターン層を形成する際のマット剤を含有する有機溶
剤は、一般的に、マット剤以外の成分100重量部に対
して、粒径2〜10μ程度の無機質粉末からなるマット
剤10〜30重量部程度を含有させたものが利用され、
このほかにさらに、染料,分散剤,可塑剤等が必要に応
じて添加され得ることは勿論である。
【0012】請求項2の発明におけるマット剤とビヒク
ルとを含有するインキ中のビヒクルには、例えば、エチ
ルセルロース,硝酸セルロース,エチルヒドロキシエチ
ルセルロース,セルロースアセテートプロピオネート,
酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン,
ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂及びスチレ
ン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル,ポリメタク
リル酸エチル,ポリアクリル酸エチル,ポリアクリルブ
チル等のアクリルまたはメタクリル酸エステルの単独ま
たは共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,ポリビニルブチラー
ル樹脂等のビニル重合体、ロジン,ロジン変性マレイン
酸樹脂,ロジン変性フェノール樹脂,重合ロジン等のロ
ジンエステル樹脂、クマロン樹脂,ビニルトルエン樹
脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂等が利用される。
【0013】請求項2の発明において、印刷パターン層
を基体(被転写体)の表面に水圧を利用して転写する方
法は、水圧転写用シートにおける印刷パターン層を該印
刷パターン層中のビヒクルを膨潤〜溶解させる有機溶剤
で活性化させると共に、該水圧転写用シートを印刷パタ
ーン層が上を向くようにして水面に浮かべ、さらに、基
体(被転写体)を水面の上方から前記転写用シート上に
押圧することにより、転写用シートにおける印刷パター
ン層を基体に転写することからなる。したがって、水圧
転写用シートにおける印刷パターン層のビヒクルには、
転写用シートに適用される有機溶剤によって活性化され
るものが利用され、すなわち、印刷パターン層に利用さ
れているビヒクルの種類に応じて該有機溶剤が選択さ
れ、印刷パターン層面にベタに塗工され、適用される。
なお、水圧転写用シートにおける印刷パターン層を該印
刷パターン層中のビヒクルを膨潤〜溶解させる有機溶剤
で活性化させると共に、該水圧転写用シートを印刷パタ
ーン層が上を向くようにして水面に浮かべる工程におい
ては、印刷パターン層中のビヒクルを膨潤〜溶解させる
有機溶剤で印刷パターン層を活性化させる工程と、水圧
転写用シートを印刷パターン層が上を向くようにして水
面に浮かべる工程とのいずれが先であっても良い。
【0014】また、本工程において利用される印刷パタ
ーン層中のビヒクルを膨潤〜溶解させる有機溶剤は、通
常全面ベタに塗布されるため、通常の水圧転写における
印刷パターン層の活性剤中に利用されているようなマッ
ト剤が添加されると、印刷パターン層の転写後の水洗に
よっても該マット剤を完全に除去することができなく、
印刷パターン層中のマット剤の効果を妨げる。このた
め、目的とする「グロス−マット」の金属装飾体が得ら
れなくなることから、印刷パターン層中のビヒクルを膨
潤〜溶解させる有機溶剤中へのマット剤の添加は避けな
ければならない。しかしながら、通常の水圧転写におけ
る印刷パターン層の活性剤中に利用されている樹脂成分
については、これを排除する必要性は無いが、できるだ
け少なくするかあるいは排除することが好ましい。
【0015】また、請求項3の発明において、印刷パタ
ーン層を基体(被転写体)の表面に水圧を利用して転写
する方法は、水溶性または水膨潤性フィルムに対してマ
ット剤を含有する有機溶剤による印刷パターン層を形成
すると共に、該印刷パターン層における有機溶剤が乾燥
する前に水面に浮かべた水溶性または水膨潤性フィルム
に、基体(被転写体)を水面の上方から押圧することに
より、印刷パターン層を基体に転写することからなる。
【0016】請求項2の発明において印刷パターン層中
のビヒクルを膨潤〜溶解させる活性剤としての有機溶
剤、及び、請求項3の発明においてマット剤を含有する
有機溶剤による印刷パターン層を形成する際の有機溶剤
には、印刷パターン層が水圧によって基体の表面に転写
される迄は蒸発せず、さらに、基体の表面層をなす金属
層を侵食したりするようのことの無いものが利用され
る。例えば、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタ
ン,これらの混合液であるガソリン,石油ベンジン,ミ
ネラルスピリット,石油ナフサ等の脂肪族炭化水素類、
ベンゼン,トルエン,キシレン,シクロヘキサン,エチ
ルベンゼン等の芳香族炭化水素類、トリクロルエチレ
ン,パークロルエチレン,クロロホルム,四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素類、メチルアルコール,エチルア
ルコール,プロピルアルコール,ブチルアルコール,ア
ミルアルコール,ベンジルアルコール,ジアセトンアル
コール等の一価のアルコール類、エチレングリコール,
プロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール
類、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチル
ケトン,シクロヘキサノン,メチルシクロヘキサノン,
イソホロン等のケトン類、エチルエーテル,イソプロピ
ルエーテル,エチレングリコールモノメチルエーテル,
エチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレング
リコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル,ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエ
ーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート,エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート,ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート,ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート,ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテ
ート等の酢酸エステル類や酪酸エステル類等のエステル
類、ニトロ炭化水素類,ニトリル類,アミン類,その他
アセタール類、酸類、フラン類の単独または混合溶剤等
が利用される。
【0017】なお、マット剤を含有する印刷パターン層
を基体(被転写体)の表面に水圧を利用して転写する工
程の典型的な方法は、例えば、特公昭60−50597
号公報に説明されている曲面印刷装置により、特公昭6
0−58718号公報に説明されている。
【0018】マット剤を含有する印刷パターン層を水圧
を利用して基体の表面に転写した後に、該印刷パターン
層の転写面の全面に、アルミニウム,クロム,ニッケ
ル,コバルト,銅,金,銀,錫,亜鉛,黄銅,ステンレ
ス等による金属の薄膜層を形成する。この金属の薄膜層
は、例えば、真空蒸着,金属溶射,電解メッキ,無電解
メッキ,スパッタリング等により、0.030〜1.0
μ程度の厚さに形成される。
【0019】本発明の金属装飾体及びその製造方法にお
いては、水圧によって基体の表面に転写されたマット剤
を含有するインキによる印刷パターン層のマット効果に
対応する部分のみのマット効果が金属の薄膜層に現出さ
れるものである関係から、金属の薄膜層の厚さは、印刷
パターン層に利用されているマット剤の粒径に関係して
形成されることは勿論であり、マット剤の平均粒径の3
倍以下に形成されるのが好ましい。
【0020】
【作用】請求項1の発明は、基体の表面に、水圧転写に
て転写されているマット剤を含有するインキによる印刷
パターン層を有しており、かつ、該マット剤を含有する
インキによる印刷パターン層の形成面の全面に、該印刷
パターン層を被覆するようにして金属の薄膜層が形成さ
れているもので、しかも、該金属の薄膜層の表面には、
印刷パターン層のマット効果に対応する部分のみにマッ
ト効果が現出されている金属装飾体からなり、その構成
上、曲面形状や不規則な立体形状をなす基体の表面に対
しても「グロス−マット」効果による金属装飾体を現出
させることができ、しかも、基体が金属製品に限らず、
樹脂成形体、木質成形体、陶磁器成形体、石等であって
も良く、汎用性において優れた作用を奏する。
【0021】請求項2の発明は、水溶性または水膨潤性
フィルムに対してマット剤とビヒクルとを含有するイン
キによる印刷パターン層を形成し、水圧転写用シートを
得る工程と、該水圧転写用シートの印刷パターン層を、
該印刷パターン層中のビヒクルを膨潤〜溶解させる有機
溶剤で活性化させる工程と、活性化した印刷パターン層
を水圧を利用して基体の表面に転写する工程と、該印刷
パターン層が転写されている基体の転写面に金属の薄膜
層を形成する工程とにより、金属の薄膜層の表面に、基
体の表面に形成されている印刷パターン層のマット効果
のみに対応する部分にマット効果を現出させるものであ
り、本第1の発明の金属装飾体が、高度な熟練等を要す
ることなく、容易かつ的確に、効率良く得られる。
【0022】請求項3の発明は、水溶性または水膨潤性
フィルムに対してマット剤を含有する有機溶剤による印
刷パターン層を形成すると共に、該印刷パターン層にお
ける有機溶剤が乾燥する前に、前記マット剤を含有する
有機溶剤による印刷パターン層を水圧を利用して基体の
表面に転写する工程と、該印刷パターン層が転写されて
いる基体の転写面に金属の薄膜層を形成する工程とによ
り、該金属の薄膜層の表面に、前記基体の表面に形成さ
れている印刷パターン層のマット効果のみに対応する部
分にマット効果を現出させるものであり、請求項2の発
明と同様に、本第1の発明の金属装飾体が、高度な熟練
等を要することなく、容易かつ的確に、効率良く得られ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の金属装飾体及びその製造方法
の具体的な構成について、製造実施例をもって説明す
る。
【0024】実施例1 厚さ40μのポリビニルアルコール樹脂フィルム[日合
フィルム製:ハイセロン]の表面に、下記のインキ組成
[1]によるグラビア印刷用のマット剤を含有するイン
キにより、抽象柄の印刷パターン層を形成し、乾燥後に
巻き取りロールで巻き取り、水圧転写用シートを得た。 インキ組成[1] ニトロセルロース・・・・・・・・15重量部 シリカ(粒径5μ)・・・・・・10重量部 溶剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75重量部 (トルエン/イソプロピルアルコール/酢酸エチル=4
/4/2(重量比)
【0025】続いて、前記水圧転写用シートの印刷パタ
ーン層が付されている面の全面に、ニトロセルロース1
0重量部とブチルカルビトールアセテート50重量部と
ブチルセロソルブ50重量部との混合物からなる活性剤
を、グラビア印刷法にて10g/m2 の割合に塗布し、
90秒後に印刷パターン層面が上方になるようにして水
面に浮かべた。さらに70秒経過した時点で真鍮製のド
アノブ(基体)を上方から押入れ、活性剤の作用で膨潤
状態になっている印刷パターン層を真鍮製のドアノブの
表面に、水圧を利用して転写した。
【0026】次いで、真鍮製のドアノブを水中から引き
上げてシャワーに付し、水圧転写用シートにおけるポリ
ビニルアルコール樹脂フィルムを流し去り、印刷パター
ン層が転写されている真鍮製のドアノブを得た。
【0027】しかる後に、印刷パターン層が転写されて
いる真鍮製のドアノブの表面に、厚さ0.2μのアルミ
ニウム蒸着層を形成することにより、本発明の金属装飾
体によるドアノブを得た。
【0028】得られたドアノブには、アルミニウム蒸着
層によるグロスの光沢の中にマット状のパターンが現出
されており、「グロス−マット」による独特の意匠特性
が得られた。
【0029】実施例2 厚さ40μのポリビニルアルコール樹脂フィルム[日合
フィルム製:ハイセロン]の表面に、下記の組成[2]
によるグラビア印刷用のマット剤を含有する有機溶剤に
より、抽象柄の印刷パターン層を形成した。 組成[2] ニトロセルロース・・・・・・・・15重量部 シリカ(粒径5μ)・・・・・・15重量部 溶剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70重量部 (ブチルカルビトールアセテート/ブチルセロソルブ/
=1/1(重量比)
【0030】続いて、前記印刷パターン層を形成した後
の90秒後に、該印刷パターン層を有する水圧転写用シ
ートを印刷パターン層面が上方になるようにして水面に
浮かべた。さらに70秒経過した時点で、すなわち、印
刷パターン層における有機溶剤が乾燥する前に、ABS
樹脂製成形体を押入れ、前記印刷パターン層をABS樹
脂製成形体の表面に水圧を利用して転写した。
【0031】次いで、ABS樹脂製成形体を水中から引
き上げてシャワーに付し、印刷パターン層の基材となっ
ていたポリビニルアルコール樹脂フィルムを流し去るこ
とにより、印刷パターン層が転写されているABS樹脂
製成形体を得た。
【0032】しかる後に、印刷パターン層が転写されて
いるABS樹脂製成形体の表面に、無電解メッキ法によ
り、厚さ1.0μの銅薄膜層を形成し、本発明の金属装
飾体を具備するABS樹脂製成形体を得た。
【0033】得られたABS樹脂製成形体には、銅薄膜
層の中にマット状のパターンが現出されており、「グロ
ス−マット」による独特の意匠特性が得られた。
【0034】比較例1 実施例2において、印刷パターン層が転写されているA
BS樹脂製成形体の表面に、無電解メッキ法により、厚
さ20μの銅薄膜層を形成したところ、印刷パターン層
におけるマット状態が潰されてしまっており、目的とす
る「グロス−マット」による金属装飾体は得られなかっ
た。
【0035】
【効果】請求項1の発明は、プラスチック成形体や金属
成形体等による基体の表面に、水圧転写によって転写さ
れているマット剤を含有する印刷パターン層を有してお
り、かつ、該マット剤を含有する印刷パターン層の形成
面の全面に、該印刷パターン層を被覆するようにして金
属の薄膜層が形成されているもので、しかも、該金属の
薄膜層の表面には、印刷パターン層のマット効果に対応
する部分のみにマット効果が現出されている金属装飾体
からなり、金属の薄膜層によるグロス効果とマット剤を
含有するインキの印刷パターン層に起因するマット効果
とによる「グロス−マット」による金属装飾体になる。
したがって、例えば、ドアハンドル,ドアノブ,水回り
の金具,美術品,文具,家電製品の框体,陶器や磁器等
のセラミック体等に適用され、高度の意匠特性を具備さ
せる効果を奏する。
【0036】また、請求項2及び請求項3の発明の金属
装飾体の製造方法は、基体の表面に、マット剤を含有す
る印刷パターン層を水圧を利用して転写する前段工程
と、該印刷パターン層が転写されている基体の転写面に
金属の薄膜層を形成する後段工程とにより、金属の薄膜
層の表面に、基体の表面の印刷パターン層のマット効果
に対応するマット効果を現出させるものであり、基体が
金属製品からなるものに限定されるようなことがなく、
また、この「グロスーマット」による金属装飾効果を現
出させる基体の表面が曲面形状や不規則な立体形状のも
のであっても適用することができ、しかも、効率良く的
確に得られるため、実用性の面での価値に優れた効果を
有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の表面に、水圧転写にて転写され
    ているマット剤を含有する印刷パターン層が形成されて
    おり、また、該マット剤を含有する印刷パターン層の形
    成面の全面に、該印刷パターン層を被覆するようにして
    金属の薄膜層が形成されており、しかも、該金属の薄膜
    層の表面には、前記印刷パターン層のマット効果に対応
    する部分のみにマット効果が現出されていることを特徴
    とする金属装飾体。
  2. 【請求項2】 水溶性または水膨潤性フィルムに対し
    てマット剤とビヒクルとを含有するインキによる印刷パ
    ターン層を形成して水圧転写用シートを得る工程と、該
    水圧転写用シートにおける印刷パターン層を、該印刷パ
    ターン層中のビヒクルを膨潤〜溶解させる有機溶剤で活
    性化させる工程と、活性化した印刷パターン層を水圧を
    利用して基体の表面に転写する工程と、該印刷パターン
    層が転写されている基体の転写面に金属の薄膜層を形成
    する工程とにより、該金属の薄膜層の表面に、前記基体
    の表面に形成されている印刷パターン層のマット効果の
    みに対応する部分にマット効果を現出させることを特徴
    とする金属装飾体の製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性または水膨潤性フィルムに対し
    てマット剤を含有する有機溶剤による印刷パターン層を
    形成すると共に、該印刷パターン層における有機溶剤が
    乾燥する前に、前記マット剤を含有する有機溶剤による
    印刷パターン層を水圧を利用して基体の表面に転写する
    工程と、該印刷パターン層が転写されている基体の転写
    面に金属の薄膜層を形成する工程とにより、該金属の薄
    膜層の表面に、前記基体の表面に形成されている印刷パ
    ターン層のマット効果のみに対応する部分にマット効果
    を現出させることを特徴とする金属装飾体の製造方法。
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