JPH05293712A - スクロール形状加工方法及びその装置 - Google Patents

スクロール形状加工方法及びその装置

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JPH05293712A
JPH05293712A JP9989592A JP9989592A JPH05293712A JP H05293712 A JPH05293712 A JP H05293712A JP 9989592 A JP9989592 A JP 9989592A JP 9989592 A JP9989592 A JP 9989592A JP H05293712 A JPH05293712 A JP H05293712A
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Yasuhiro Miura
康弘 三浦
Toshiro Higuchi
俊郎 樋口
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry
    • F04C18/0269Details concerning the involute wraps
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    • F04C2230/00Manufacture
    • F04C2230/10Manufacture by removing material
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05BINDEXING SCHEME RELATING TO WIND, SPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS, TO MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS COVERED BY SUBCLASSES F03B, F03D AND F03G
    • F05B2230/00Manufacture
    • F05B2230/10Manufacture by removing material

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は旋回及び固定のスクロール体の加工
寸法精度を向上することができ、両スクロール体の組付
状態における寸法精度を向上し、スクロール型圧縮機の
性能のばらつきを抑制し、かつ圧縮効率を向上する。 【構成】固定スクロール部10aの基礎円K10の中心軸
線OK10 と、旋回スクロール部9aの基礎円K9 の中心
軸線OK9が同一軸線上に位置するように、かつ前記両ス
クロール部10a,9aが前記両基礎円K9 の中心軸線
K9方向から見て互いに重なり合う同一位相から180
度位相を異にするように配置する。この状態で旋回スク
ロール体9aの前記旋回半径rと等しい直径の加工具2
1(16)の中心軸線O16,O21を互いに一致させ、予
め前記両スクロール部9a,10aの加工すべきスクロ
ール面S9 ,S10から法線方向に旋回半径rの2分の1
オフセットされた共通の加工軌跡T16,T21に沿って前
記加工具21(16)の中心軸線O16,O21を相対移動
させて両スクロール面S9 ,S10を加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば車両冷房装置に
使用されるスクロール型圧縮機を構成する固定スクロー
ル体及び旋回スクロール体のスクロール部の形状を加工
するスクロール形状加工方法及びその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール型圧縮機はハウジン
グ内の所定位置に対し、固定基板とその表面に一体形成
した固定スクロール部よりなる固定スクロール体を固着
するとともに、ハウジングのフロント側に積極回転可能
に支持された回転軸に対し偏心カムピンを連結し、さら
に旋回基板とその表面に一体形成した旋回スクロール部
よりなる旋回スクロール体を自転防止機構により自転を
防止しつつ前記偏心カムピンにより所定の旋回半径で旋
回させて、スクロール部外周側のハウジング内に形成さ
れた吸入室内の冷媒ガスを外周部から取り込んで固定及
び旋回スクロール部の中心側へ行くに従い密閉容積を減
少させて冷媒ガスを圧縮し、前記固定基板の中心部に形
成した吐出孔から吐出室へ圧縮された冷媒ガスを吐出す
るようになっている。
【0003】そこで、前記固定スクロール体及び旋回ス
クロール体について、図17〜図19により説明する。
図17に示すようよに、旋回スクロール体9の旋回スク
ロール部9a及び固定スクロール体10の固定スクロー
ル部10aの形状は、所定半径r0 を基礎円K9 ,K10
とするインボリュート曲線となっている。又、両スクロ
ール部9a,10aの中心側端部の形状は、高い強度を
必要とするため、円弧等で形成された非インボリュート
曲線となっている。なお、H,Vは前記基礎円K10の中
心軸線OK10 を通る水平基線、垂直基線である。
【0004】又、インボリュート曲線の性質としては、
第1に両スクロール部9a,10aのスクロール面
9 ,S10は、中心に行くに従い連続的に曲率半径が小
さくなり、第2に基礎円K9 ,K10の接線LK は、イン
ボリュート曲線域のスクロール面S9 ,S10と常に垂直
に交差、つまり法線方向に指向し、第3に伸角と、基礎
円K9 ,K10からインボリュート曲線域のスクロール面
9 ,S10までの距離が比例する。
【0005】又、対になる両スクロール体9,10のス
クロール部形状の関係として、次の(a)〜(c)があ
る。 (a)法線方向に対応するスクロール部9a,10aの
スクロール面S9 ,S10の曲率半径の差が、旋回スクロ
ール体9の旋回半径rと同じである。
【0006】(b)法線方向に対応するスクロール部9
a,10aのインボリュート曲線域のスクロール面
9 ,S10の長さの差が2πあたり旋回半径r×2πで
一定である。
【0007】(c)両スクロール部9a,10aのスク
ロール面S9 ,S10の接触点における外向きの法線方向
は、向きを逆にすると一致する。上記(a)〜(c)を
満足する形状は、一方のスクロール部9aのスクロール
面S9 に対して、他方のスクロール部10aのスクロー
ル面S10が常に向かい合い、外向きの法線方向へ前記旋
回半径r分だけオフセットさせた形状である。
【0008】そして、前記両スクロール体9,10は基
礎円K9 ,K10を所定距離隔てて組み合わされ、旋回半
径rの旋回円軌跡Cに沿って自転を防止された状態で旋
回スクロール体9が図17に示す位置から例えば90度
時計回り方向へ旋回されて図18に示す位置に移動され
ると、この間にスクロール部9a,10a外周側のハウ
ジング内に形成された吸入室内から取り込まれた冷媒ガ
スは、両スクロール部9a,10aの複数の接触点が中
心部に移動して両接触点間の密閉容積が減少することに
より圧縮され、吐出孔から圧縮されたガスが吐出室に吐
出されるようになっている。
【0009】ここで、従来の旋回及び固定スクロール体
の加工装置を図20により説明する。ベース51上には
X軸コラム52がサーボモータ53によりX軸(左右)
方向の往復動可能に支持されている。このX軸コラム5
2にはθ軸回転テーブル54がサーボモータ55により
回転可能に支持され、前記回転テーブル54には治具5
6を介して旋回スクロール体9が支持されるようになっ
ている。
【0010】一方、前記ベース51の右側上面にはY軸
コラム57がサーボモータ58によりY軸方向(紙面直
交方向)に往復動可能に支持されている。又、前記Y軸
コラム57にはZ軸コラム59がサーボモータ60によ
りZ軸方向(上下方向)の往復動可能に支持されてお
り、該Z軸コラム59には加工用エンドミル61を把持
する主軸62が図示しないモータにより回転可能に支持
されている。
【0011】さらに、従来の加工装置は旋回スクロール
体と固定スクロール体を別々に加工する二つの装置ライ
ンに別れており、素材を旋盤加工するとともに穴開け加
工を行い、次にスクロール部9a,10aの加工を別々
の加工装置により独立して行った後、洗浄して寸法測定
後にランク選別され、ランク別に組立られて性能検査を
行い、これをスクロール型圧縮機に組み込むようになっ
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の加工
装置は、旋回スクロール体9と固定スクロール体10を
それぞれ独立して加工するようになっているので、組付
られる相手側のスクロール体の寸法精度の情報は、何ら
フィードバックされることはなく、従って、両スクロー
ル体の寸法精度を厳密に管理する必要があり、選別工程
で多数のランクに選別しなければならいという問題があ
った。又、ランク選別したスクロール体の管理にも手間
が必要であるばかりでなく、ランク選別された両スクロ
ール体を組立た後の性能検査工程においても性能のバラ
ツキが高いという問題があった。
【0013】この発明は前述した図17に示す組付状態
の両スクロール体9,10のスクロール部9a,10a
を図19に示すように配置した場合、つまり図17に示
すように基礎円K9 ,K10が離隔した状態から一致させ
るとともに、固定スクロール10を定位置において旋回
スクロール部9aを基礎円K10の中心軸線OK10 の回り
で180度回転すると、前述したスクロール面S9 ,S
10の特性により図19に示すように両スクロール部9
a,10aのスクロール面S9 ,S10の法線方向の間隔
Gがどの部位も同一となり、しかもその間隔Gは旋回ス
クロール体9の旋回半径rと等しく、従って、前記間隔
Gの法線方向の中心点を通るスクロール部9a,10a
の両加工軌跡T16,T21が同一となることに着目してな
されたものである。
【0014】そして、この発明の目的は両スクロール体
のスクロール面の加工精度を向上することができるとと
もに、生産能率を向上することができ、さらにスクロー
ル型圧縮機の性能を安定化することができるスクロール
形状加工方法及びその装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は上
記目的を達成するため、基板に固定スクロール部を形成
した固定スクロール体と、同じく基板に旋回スクロール
部を形成した旋回スクロール体とを、前記固定スクロー
ル部の基礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円
の中心軸線が所定距離だけ半径方向に離隔して位置する
ように、かつ両スクロール部の曲面が複数箇所で互いに
接触するように対応させて、前記旋回スクロール体を所
定の旋回半径に従って旋回させて、両スクロール部の複
数の接触点を中心に移動して両接触点間に形成される密
閉空間の容積を減少して流体の圧縮を行うようにしたス
クロール型圧縮機における前記固定スクロール体及び旋
回スクロール体のスクロール形状加工に際し、前記固定
スクロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スクロール部
の基礎円の中心軸線が同一軸線上に位置するように、か
つ前記両スクロール部が前記両基礎円の中心軸線方向か
ら見て互いに重なり合う同一位相から180度位相を異
にするように配置し、この状態で旋回スクロール体の前
記旋回半径と等しい直径の固定スクロール部用加工具及
び旋回スクロール部用加工具を同一軸線上に配設し、前
記固定スクロール部及び旋回スクロール部の加工すべき
スクロール面から法線方向に前記旋回半径の2分の1だ
けオフセットされている予め設定された共通の加工軌跡
に沿って、前記両加工具の中心軸線を、相対移動させて
固定スクロール部及び旋回スクロール部のスクロール面
を加工するという方法をとっている。
【0016】又、請求項2記載の発明は、前述と同様の
スクロール型圧縮機における固定スクロール体及び旋回
スクロール体のスクロール形状加工に際し、前記固定ス
クロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の
基礎円の中心軸線が同一軸線上に位置するように、かつ
前記両スクロール部が前記両基礎円の中心軸線方向から
見て互いに重なり合う同一位相から180度位相を異に
するように配置し、この状態で、両スクロール部の加工
すべきスクロール面から法線方向に前記旋回半径の2分
の1だけオフセットされている予め設定された共通の加
工軌跡に沿って、旋回スクロール体の前記旋回半径と異
なる直径の固定スクロール部用加工具の中心軸線と、旋
回スクロール部用加工具の中心軸線とを結ぶ線分の中心
点を相対移動させるとともに、この相対移動と同期して
前記線分が前記加工軌跡と直交する法線方向に指向する
ように制御して両スクロール部のスクロール面を加工す
るという方法をとっている。
【0017】請求項3記載の発明は前述と同様のスクロ
ール型圧縮機における固定スクロール体及び旋回スクロ
ール体のスクロール形状加工に際し、前記固定スクロー
ル部の基礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円
の中心軸線が同一軸線上に位置するように、かつ前記両
スクロール部が前記両基礎円の中心軸線方向から見て互
いに重なり合う同一位相から180度位相を異にする位
置関係からさらに両スクロール体をその中心軸線と直交
する方向へ互いに離隔して配置し、この状態で旋回スク
ロール体の旋回半径と同一直径の固定スクロール部用加
工具及び旋回スクロール部用加工具を使用し、前記固定
スクロール部及び旋回スクロール部の加工すべきスクロ
ール面から法線方向に前記旋回半径の2分の1だけオフ
セットされて、予め設定されたそれぞれの加工軌跡に沿
って、前記両加工具の中心軸線を、同期して相対移動さ
せて固定スクロール部及び旋回スクロール部のスクロー
ル面を加工するという方法をとっている。
【0018】又、請求項4記載の発明は前述と同様のス
クロール型圧縮機における固定スクロール体及び旋回ス
クロール体のスクロール形状加工に際し、前記固定スク
ロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基
礎円の中心軸線が同一軸線上に位置するように、かつ前
記両スクロール部が前記両基礎円の中心軸線方向から見
て互いに重なり合う同一位相から180度位相を異にす
る位置関係からさらに両スクロール体をその中心軸線と
直交する方向へ互いに離隔して配置し、この状態で旋回
スクロール体の旋回半径と異なる直径の固定スクロール
部用加工具及び旋回スクロール部用加工具を使用し、両
スクロール部の加工すべきスクロール面から法線方向に
前記旋回半径の2分の1だけオフセットされて、予め設
定されたそれぞれの加工軌跡に沿って、前記両加工具の
移動点を相対移動させるとともに、この相対移動と同期
して前記加工軌跡上の両加工具の移動点と両加工具の中
心軸線とをそれぞれ結ぶ線分を、該加工軌跡と直交する
法線方向に制御して両スクロール部のスクロール面を加
工するという方法をとっている。
【0019】請求項5記載の発明は、前述と同様のスク
ロール型圧縮機における固定スクロール体及び旋回スク
ロール体のスクロール形状加工に際し、前記固定スクロ
ール部の基礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎
円の中心軸線が所定距離をおいて互いに並行となるよう
に、かつ固定スクロール部と旋回スクロール部とが同じ
方向を指向するように、両スクロール体を配置し、この
状態で旋回スクロール体の旋回半径と同一直径の固定ス
クロール部用加工具及び旋回スクロール部用加工具を使
用し、両スクロール部の加工すべきスクロール面から法
線方向に前記旋回半径の2分の1だけオフセットされて
いる予め設定されたそれぞれの加工軌跡に沿って、前記
両加工具の中心軸線を、同期して相対移動させて両スク
ロール部のスクロール面を加工するという方法をとって
いる。
【0020】請求項6記載の発明は、前述と同様のスク
ロール型圧縮機における固定スクロール体及び旋回スク
ロール体のスクロール形状加工に際し、前記固定スクロ
ール部の基礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎
円の中心軸線が所定距離をおいて互いに並行となるよう
に、かつ固定スクロール部と旋回スクロール部とが同じ
方向を指向するように、両スクロール体を配置し、この
状態で旋回スクロール体の旋回半径と異なる直径の固定
スクロール部用加工具及び旋回スクロール部用加工具を
使用し、両スクロール部の加工すべきスクロール面から
法線方向に前記旋回半径の2分の1だけオフセットされ
ている予め設定されたそれぞれの加工軌跡に沿って、前
記両加工具の移動点を同期して相対移動させるととも
に、この相対移動と同期して前記加工軌跡上の両加工具
の移動点と両加工具の中心軸線とをそれぞれ結ぶ線分
を、該加工軌跡と直交する法線方向に制御して両スクロ
ール部のスクロール面を加工するという方法をとってい
る。
【0021】さらに、請求項7記載の発明はベース上に
水平Y方向へ移動可能に支持されたY軸テーブルと、該
Y軸テーブル上において上方Z軸方向へ往復動可能に支
持されたZ軸コラムと、該Z軸コラムに前記Y軸と直交
する水平X軸方向の軸線の回りで回転可能に支持された
一対のθ軸回転テーブルと、前記両θ軸回転テーブルの
前面に取り付けられ、固定スクロール体及び旋回スクロ
ール体のそれぞれの基板を把持する固定スクロール体用
治具及び旋回スクロール体用治具と、前記ベース上面に
おいてX軸方向への往復動可能に支持された第1X軸コ
ラム及び第2X軸コラムと、前記両X軸コラムに装着さ
れ、かつ前記固定スクロール体用治具及び旋回スクロー
ル体用治具に支持された固定スクロール体及び旋回スク
ロール体のスクロール部を加工する加工具を把持して回
転させる固定スクロール部加工用主軸及び旋回スクロー
ル部加工用主軸と、前記両加工用主軸の中心軸線をY軸
方向へ互いに離隔した位置にオフセット調節するための
位置調節手段と、さらに、前記両スクロール部の加工す
べきスクロール形状に予め設定された加工軌跡に沿っ
て、前記両加工用主軸の中心軸線を結ぶ線分の中心点を
相対移動させるとともに、前記線分が前記加工軌跡と直
交する法線方向に指向するように前記Y軸テーブル、Z
軸コラム及び一対のθ軸回転テーブルの動作を制御する
数値制御装置とにより構成している。
【0022】
【作用】請求項1記載の発明においては、旋回及び固定
スクロール部の両加工具の直径が、旋回スクロール体の
旋回半径と同じであるため、両スクロール部のスクロー
ル面全域にわたって両加工具の中心軸線を加工軌跡に沿
って法線方向への制御を行うことなく相対移動すること
により、加工すべきスクロール面が精度良く加工され
る。このとき、加工時に両加工具の中心軸線が加工軌跡
から数値制御の誤差等により若干変位しても旋回スクロ
ール部の加工面が凸部であれば、それと対応する固定ス
クロール部の加工面が凹になるため、スクロール型圧縮
機に組み付けた状態で適正な接触状態が得られる。
【0023】又、請求項2記載の発明は、旋回及び固定
スクロール部の両加工具の直径が、旋回スクロール体の
旋回半径と異なるため、加工具の剛性を請求項1の加工
具よりも高めることができる。又、両スクロール部のス
クロール面全域にわたって両加工具の中心軸線を結ぶ線
分の中心点を加工軌跡に沿って相対移動するとともに、
線分が加工軌跡と直交するように法線方向に制御される
ため、インボリュート曲線以外の曲線に対しても加工す
べき対になるスクロール面が精度良く加工される。この
とき、加工時に両加工具の中心軸線が加工軌跡から数値
制御の誤差により若干変位しても旋回スクロール部の加
工面が凸部であれば、それと対応する固定スクロール部
の加工面が凹になるため、スクロール型圧縮機に組み付
けた状態で適正な接触状態が得られる。
【0024】さらに、請求項3記載の発明は、固定及び
旋回のスクロール体を請求項1に示す対応関係からさら
に法線方向へ所定距離隔てた状態で加工動作が行われる
が、旋回半径と同一径の一対の加工具を使用して、両加
工具の中心軸線を両加工軌跡に沿ってそれぞれ相対移動
することにより、法線方向の制御を行うことなく旋回及
び固定のスクロール面の加工が精度良く行われる。
【0025】さらに、請求項4記載の発明は、固定及び
旋回のスクロール体を請求項1に示す対応関係からさら
に法線方向へ所定距離隔てた状態で加工動作が行われる
が、旋回半径と異なる一対の加工具を使用して、両加工
具の移動点を両加工軌跡に沿ってそれぞれ相対移動する
とともに、前記移動点と加工具の中心軸線とを結ぶ線分
を加工軌跡と直交する法線方向へ制御することにより、
インボリュート曲線以外の曲線に対しても旋回及び固定
のスクロール面の加工が精度良く行われる。又、加工具
の剛性を高めることもできる。
【0026】さらに、請求項5記載の発明は、旋回半径
と同一径の一対の加工具を使用して、両加工具の中心軸
線を両加工軌跡に沿ってそれぞれ相対移動することによ
り、法線方向の制御を行うことなく旋回及び固定のスク
ロール面の加工が精度良く行われる。
【0027】さらに、請求項6記載の発明は、旋回半径
と異なる一対の加工具を使用して、両加工具の移動点を
両加工軌跡に沿ってそれぞれ相対移動するとともに、前
記移動点と加工具の中心軸線とを結ぶ線分を加工軌跡と
直交する法線方向へ制御することにより、インボリュー
ト曲線以外の曲線に対しても旋回及び固定のスクロール
面の加工が精度良く行われる。又、加工具の剛性を高め
ることもできる。
【0028】又、請求項7記載の加工装置は、請求項2
記載の加工方法を実施するのに用いられ、固定及び旋回
のスクロール体のスクロール部の加工がそれぞれの加工
具により行われるので、作業能率が向上する。
【0029】
【実施例】以下、請求項1の方法発明を具体化した第1
実施例を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
【0030】スクロール形状加工装置の正面を示す図2
において、ベース1の中央上面にはY軸テーブル2Aが
第1Y軸サーボモータ3によりY軸方向(図2の紙面と
直交方向)の往復動可能に支持されている。前記Y軸テ
ーブル2Aの上面にはZ軸コラム2BがZ軸サーボモー
タ4によりZ軸方向(上下方向)の往復動可能に装着さ
れている。
【0031】前記Z軸コラム2Bの上部には左右一対の
θ軸回転テーブル5,5が共通のθ軸サーボモータ6に
より水平(X軸)方向の中心軸線の回りで同期回転可能
に支持されている。そして、左側に位置する前記θ軸回
転テーブル5の左端面には治具7が、右側に位置する回
転テーブル5の右端面には治具8がそれぞれ取付られ、
左側の治具7には旋回スクロール部9aと旋回基板9b
とからなる旋回スクロール体9の前記基板9bが取り外
し可能に取り付けられ、又、右側の治具8には固定スク
ロール部10aと固定基板10bとからなる固定スクロ
ール体10の前記基板10bが取り外し可能に取り付け
られている。さらに、前記Z軸コラム2Bの内部には前
記θ軸回転テーブル5の回転量を測定するθ軸ロータリ
エンコーダ11が収容されている。
【0032】前記ベース1の左側上面には第1X軸コラ
ム12がX軸方向(図2の左右方向)にX軸サーボモー
タ13により往復動可能に支持されている。このX軸コ
ラム12の上部には旋回スクロール体9の旋回スクロー
ル部9aの加工用主軸14が主軸用モータ15により回
転可能に支持され、主軸14に取り付けた加工具16に
より旋回スクロール部9aの切削加工を行うようにして
いる。
【0033】さらに、前記ベース1の右側上面には第2
X軸コラム17がX軸サーボモータ18によりX軸方向
の往復動可能に支持されている。前記X軸コラム17の
上部には固定スクロール体10の固定スクロール部10
aの加工用主軸19が主軸用モータ20により回転可能
に支持され、主軸19に取り付けた加工具21により固
定スクロール部10aの切削加工を行うようにしてい
る。
【0034】この実施例では前記主軸14に支持された
加工具16の中心軸線O16と、主軸19に支持された加
工具21の中心軸線O21とが、図2,3に示すようにX
軸方向から見て一致するように両主軸14,19の位置
が図示しない調節機構により調節されている。又、この
実施例では旋回スクロール体9の旋回半径rと同じ直径
の加工具16,21を使用している。
【0035】次に、前述のスクロール形状加工装置のブ
ロック制御回路図を図4に基づいて説明する。数値制御
回路23には駆動回路24を介して前記サーボモータ
3,4,6が接続され、駆動回路25を介して前記サー
ボモータ13,18、主軸用モータ15,20が接続さ
れている。又、前記数値制御回路23は、加工具16,
21の予めプログラムされた加工軌跡T16,T 21 を記
憶しておく記憶回路26を備えている。この第1実施例
では両加工具16,21が回転運動を行う外には、図2
においてX軸方向、つまりスクロール部9a,10aの
深さ方向にのみ動作されるので、前記記憶回路26には
両スクロール体9,10を把持したθ軸回転テーブル
5,5がθ軸サーボモータ6及びY軸サーボモータ3に
よりθ軸方向に回転制御されるとともに、Y軸方向に移
動制御されることにより、前述の加工具16,21の加
工軌跡T16,T 21 に基づいた加工が行えるようにして
いる。
【0036】なお、前記数値制御回路23には前述した
θ軸ロータリーエンコーダ11の外図示しないがY軸方
向及びZ軸方向等の距離を測定する複数のリニアスケー
ルが接続され、これらの測定データに基づいて前記加工
軌跡T16,T 21 に沿ったθ軸回転テーブル5,5の数
値制御動作が行われる。
【0037】次に、前記のように構成したスクロール形
状加工装置により旋回スクロール部9a及び固定スクロ
ール部10aのスクロール面S9 ,S10を加工する動作
を説明する。
【0038】最初に、両治具7,8に対し、前加工行程
によりスクロール部9a,10aの表面に切削代を残し
た状態の旋回及び固定のスクロール体9,10の基板9
b,10bを図2,3に示すように取り付ける。このと
きスクロール部9a,10aは加工具16,21に指向
するとともに、図1に示すように、両スクロール部9
a,10aの基礎円K9 ,K10の中心軸線OK9,OK10
を一致させている。さらに両スクロール部9a,10a
の取り付け位相を両スクロール部9a,10aが前記基
礎円K9 ,K10の中心軸線OK9,OK10 方向から見て互
いに一致する位相から該軸線OK9,OK10 の周りで18
0度回転変位させている。従って、この状態では、図1
9に示す対応関係と同様の理由により、両スクロール部
9a,10aの互いに対応する両スクロール面S9 ,S
10が理想のインボリュート曲線であるとすると、両面S
9 ,S10の前記基礎円K9 ,K10の接線LK 方向の間隔
Gが図1においてどの部位も旋回スクロール体9の旋回
半径rと同じであり、両スクロール部9a,10aの中
心部の非インボリュート曲線域においても、両面の法線
方向の間隔Gは旋回半径rと同じとなる。さらに、二つ
の加工具16,21の直径が旋回半径rと同じであるた
め、両加工具16,21は図1において中心軸線O16
21方向から見た場合に、互いに重なり合って見えるこ
とになる。
【0039】なお、この明細書では、以下の説明で同一
位置にある中心軸線OK9,OK10 、中心軸線O16
21、基礎円K9 ,K10及び加工軌跡T16,T21等の場
合はどちらか一方の符号のみを付記することとする。
【0040】又、図1において、前記中心軸線OK9方向
から見た場合に、固定スクロール体10の加工具21の
中心軸線O21がそのスクロール部10aの加工すべきス
クロール面S10から前記旋回半径rの2分の1だけ法線
方向に変位された加工軌跡T21を通るように、前記加工
軌跡記憶回路26には数値制御プログラム、つまり加工
軌跡T21が予め記憶されている。そして、Y軸サーボモ
ータ3及びθ軸サーボモータ6を数値制御して回転テー
ブル5,5をY軸及びθ軸方向へ同時制御して加工具2
1の中心軸線O21を前記加工軌跡T21に沿って相対移動
させることにより、固定スクロール部10aのスクロー
ル面S10の加工を行うことができるようにしている。
【0041】同様に、図1において、前記中心軸線OK9
方向から見た場合に、旋回スクロール体9の加工具16
の中心軸線O16がそのスクロール部9aの加工すべきス
クロール面S9 から前記旋回半径rの2分の1だけ法線
方向に変位された加工軌跡T16を通るように、前記加工
軌跡記憶回路26には数値制御プログラム、つまり前記
加工軌跡T16が予め記憶されている。そして、Y軸サー
ボモータ3及びθ軸サーボモータ6を数値制御して回転
テーブル5,5をY軸及びθ軸方向へ同時制御して加工
具16の中心軸線O16を前記加工軌跡T16に沿って相対
移動させることにより、旋回スクロール部9aのスクロ
ール面S9 の加工を行うことができるようにしている。
【0042】又、前述したように両加工具16,21の
中心軸線O16,O21は一致し、かつ前記両加工軌跡
16,T21は図1において同一の共通軌跡となるため、
両スクロール部9a,10aが図1に示すような対応関
係で同時に数値制御動作されると、前述した加工具21
による固定スクロール部10aのスクロール面S10の加
工動作と同時に、加工具16による旋回スクロール部9
aのスクロール面S9 の加工が行われる。
【0043】さらに、前述した両スクロール体9,10
の同時加工動作中においては、両加工具16,21が図
1に示すように重なり合って見え、かつ加工具16,2
1の直径を旋回半径rと同じとし、加工軌跡T21が前記
法線方向の間隔Gの中心を通るようにしたので、両加工
具16,21の中心軸線O16,O21と加工具16,21
外周の実際の加工接触点を結ぶ直線がスクロール面
9 ,S10全長にわたって常に法線方向を向くことにな
り、従って、前述した法線方向制御用のZ軸サーボモー
タ4は加工軌跡T21のプログラムの段階で考慮しなくて
もよい。しかし、このZ軸サーボモータ4は次に述べる
法線方向の制御が必要な第2実施例で使用される。さ
て、この発明の第1実施例においては、同期回転される
θ軸回転テーブル5,5に旋回スクロール体9及び固定
スクロール体10を支持するとともに、加工軌跡T21
基づいて、該テーブル5,5をθ軸方向及びY軸方向へ
数値制御して、加工具16,21により同時にスクロー
ル面S9 ,S10の切削加工を行うようにしたので、旋回
スクロール部9aのスクロール面S9 形状に適した固定
スクロール部10aのスクロール面S10を加工、すなわ
ち、加工動作途中で加工具16,21が移動軌跡T21
ら数値制御上の制御性の誤差により若干ズレた場合に、
スクロール面S9 が膨らむように加工されると、それに
見合った分スクロール面S10が凹む方向に加工されるの
で、スクロール型圧縮機に組み付けた場合に、丁度両ス
クロール面S9 ,S10を接触させることができ、両スク
ロール体の組付け状態での精度を向上することができ、
ひいてはスクロール型圧縮機の圧縮性能を向上すること
ができる。さらに、両スクロール部9a,10aのスク
ロール面S9 ,S10の寸法精度を厳密に管理するのを不
要にして、寸法公差を緩和することも可能となり、この
ため数値制御動作の速度を従来の速度と比較して大幅に
速くしても問題とならず、生産性を向上することができ
る。
【0044】又、前記第1実施例では、旋回及び固定の
スクロール体9,10を一台の装置で同時に加工するよ
うにしたが、この場合には、さらに生産性を向上するこ
とができる。しかし、図2,3において、固定スクロー
ル体10のみの加工を単独で行った後、旋回スクロール
体9の加工を行うようにしたり、あるいは同じ回転テー
ブル5に旋回スクロール体9と固定スクロール体10を
付け替えて加工を行った場合にも、図1に示すように両
スクロール体9,10の対応関係を設定すれば、前述し
た同時加工の場合と同様に両スクロール面S9 ,S10
適正な形状に加工することができる。
【0045】次に、請求項2の方法発明及びそれに使用
される請求項5記載の加工装置の発明を具体化した第2
実施例を図5〜図7に基づいて説明する。この第2実施
例のスクロール形状加工装置は、前述した第1実施例の
加工装置と同様であり、異なる構成のみについて述べる
と、第1X軸コラム12及び第2X軸コラム17に対
し、前記両主軸14,19及び主軸用サーボモータ1
5,20がそれぞれY軸方向へ位置(オフセット)調整
可能に構成されている。そして、図5に示すように両加
工具16,21の中心軸線O16,O21をY軸方向へ所定
距離だけオフセットしている。
【0046】この実施例では旋回半径rよりも大きい直
径で、かつ同径の加工具16,21を使用するため、図
6に示すように、両中心軸線O16,O21を結ぶ線分Eの
中心点OE が共通の前記加工軌跡T21上を相対移動する
ように両スクロール体9,10と両加工具16,21と
が対向して配置される。又、加工具16,21の両中心
軸線O16,O21は加工軌跡T21から長さW16,W21だけ
オフセットされている。この長さW16,W21は、加工具
16,21の半径をRとすると、この半径Rから前記旋
回半径rの2分の1を減算した値(R−r/2)とな
る。
【0047】さらに、この第2実施例では前記線分Eの
中心点OE が前記加工軌跡T21に沿って移動するように
第1Y軸サーボモータ3及びθ軸サーボモータ6が制御
されるようにしている。従って、スクロール部9a,1
0aの中心部、つまり非インボリュート曲線域では、第
1Y軸サーボモータ3及びθ軸サーボモータ6のみの数
値制御により前記線分Eが加工軌跡T21に対し常に直交
する法線方向に制御され、加工具16,21によりスク
ロール面S16,S10の同時加工が適正に行われる。な
お、もしこの法線方向の制御が行われない場合には、加
工具16,21による加工量が変化するため、所望する
スクロール面の加工を行うことはできない。
【0048】ところが、スクロール部9a,10aの中
心に位置する非インボリュート曲線域、つまり図7に示
す変化点P1 からP2 までは、第1Y軸サーボモータ3
及びθ軸サーボモータ6のみの数値制御だけでは、前記
線分Eを加工軌跡T21に対し常に直交する法線方向へ指
向することができない。この法線方向の制御は、前記加
工具の加工軌跡記憶回路26に予め記憶されたZ軸サー
ボモータ6の数値制御により行われる。さらに、詳述す
ると、インボリュート曲線域では前記中心軸線O16,O
21を結ぶ線分Eが基礎円K9 の接線LK と同方向になる
が、非インボリュート曲線域(P1 −P2 )では前記線
分Eが基礎円K9 から離れ、基礎円の中心軸線OK9を通
る垂線の長さMが変化するので、この長さMに基づいて
Z軸サーボモータ4により前記線分Eが法線方向を指向
するように数値制御され、非インボリュート曲線域の形
状加工が適正に行われる。
【0049】次に、加工具16,21が旋回半径rより
も大きい場合の請求項4記載の方法発明を具体化した第
3実施例を図8〜図10に基づいて説明する。なお、加
工具16,21が旋回半径rと等しい場合の請求項3記
載の方法発明については後述する。
【0050】この第3実施例ではベース1の上面に対
し、Y軸テーブル42をY軸方向の往復動可能に装着す
るとともに、該Y軸テーブル42の上面にZ軸テーブル
41をZ軸方向の往復動可能に支持し、さらに該Z軸テ
ーブル41の上面に旋回スクロール体治具7を上向きに
固定して、主軸ヘッド43に固定スクロール体治具8を
下向きに固定して両スクロール体9,10を取り付け可
能にしている。
【0051】一方、主軸ヘッド43側には、支持テーブ
ル44が、又、Z軸テーブル41側には支持テーブル4
5がZ軸方向へ所定間隔隔てて、X軸方向に互いに平行
な中心軸線O44,O45の周りでθ軸サーボモータ46
A,46Bによりθ軸方向の往復回動可能に装着されて
いる。又、前記支持テーブル44の下面及び前記支持テ
ーブル45の上面に形成した収容溝44a,45aに
は、可動支持ブロック47,48が往復直線移動可能に
支持され、前記支持テーブル44,45の固定部44
b,45bには前記可動支持ブロック47,48の収容
溝内での位置を調整するための操作ハンドル49a,5
0aを有するボールネジ49,50が取り付けられてい
る。又、前記可動支持ブロック47,48には加工具1
6,21を支持する主軸14,19が主軸用モータ1
5,20を介して取り付けられている。そして、前記操
作ハンドル49a,50aを操作することにより、前記
中心軸線O44,O45から加工具16,21の中心軸線O
16,O21までのオフセット長さW16,W21を変更可能に
している。この主軸装置としては一対の主軸の法線方向
の制御が可能なマシニングセンターを使用することもで
きる。
【0052】次に、前記のように構成した加工装置によ
り両スクロール体9,10の加工方法を説明する。最初
に、両治具7,8に対し旋回スクロール体9及び固定ス
クロール体10を図10に示すように配置する。この状
態は図1に示す対応関係において、旋回スクロール体9
をそのままの位置とし、固定スクロール体10を水平基
線H方向に所定距離Dだけ隔てたものとなる。又、この
状態では両スクロール体9,10の基礎円K9 ,K10
両中心軸線OK9,OK10 の距離Dは、図9の支持テーブ
ル44,45の両中心軸線O44,O45の距離Dと同じに
設定されている。さらに、数値制御回路23の加工軌跡
記憶回路26には、前述した旋回スクロール体9の加工
軌跡T16(固定スクロール体10の加工軌跡T21は同一
加工軌跡であるため記憶はされない)が記憶されてい
る。そして、図8に示すY軸テーブル42及びZ軸テー
ブル41を加工軌跡記憶回路26の情報を元に数値制御
することにより、前記両支持テーブル44,45の両中
心軸線O44,O45を前記加工軌跡T16に沿って相対移動
するようにしている。
【0053】加えて、この第3実施例では加工具16,
21の直径が旋回スクロール体9の旋回半径rよりも大
きいので、前記操作ハンドル49a,50aを操作する
ことにより、図10に示すように加工具16,21の中
心軸線O16,O21を支持テーブル44,45の両中心軸
線O44,O45から変位、つまり加工具16,21の半径
Rから旋回半径rの2分の1を減算した長さW16,W21
だけそれぞれ逆方向にオフセットしている。従って、加
工動作時には、前記両支持テーブル44,45の両中心
軸線O44,O45と、加工具16,21の中心軸線O16
21とを結ぶ線分Eの方向が前記両加工軌跡T16,T21
に直交する法線方向に指向するように、θ軸サーボモー
タ46A,46Bにより支持テーブル44,45がθ軸
方向に数値制御され、この結果、両スクロール体9,1
0のスクロール面S9 ,S10の加工が適正に行われる。
又、インボリュート曲線以外の曲線に対しても加工が適
正に行われる。
【0054】この第3実施例においては、前述したθ軸
回転テーブル5,5を使用する必要がなくなるので、装
置の構成を簡素化することができるとともに、加工具1
6,21を増加することにより、同時に多数の加工作業
を行い、生産性を向上することができ、さらに消費動力
あるいは動作制御性の面で優位となる。
【0055】以上の加工動作は両加工具16,21の直
径が旋回半径rよりも大きい場合についてであるが、両
加工具16,21の直径と旋回半径rが同一である場合
には、前記加工具16,21の中心軸線O16,O21が両
加工軌跡T16,T21上を相対移動するように操作ハンド
ル49a,50aでオフセット長さW16,W21が調整さ
れた状態で、前記支持テーブル44,45のθ軸方向、
つまり法線方向の数値制御動作を行うことなく、両スク
ロール部9a,10aの加工が行われる。この加工方法
は、請求項3記載の加工方法の実施例となる。
【0056】次に、加工具16,21の径が旋回半径r
よりも大きい場合の請求項6記載の方法発明を具体化し
た第4実施例を図11〜13に基づいて説明する。な
お、加工具16,21が旋回半径rと等しい場合の請求
項5記載の方法発明については後述する。
【0057】この第4実施例ではベース1の上面に対
し、Y軸テーブル42をY軸方向の往復動可能に装着す
るとともに、該Y軸テーブル42の上面に左右一対のZ
軸テーブル41,41をZ軸方向の往復動可能に支持し
ている。そして、Y軸テーブル42に支持した一つのZ
軸サーボモータ63により、右ボールねじ64及び左ボ
ールねじ65が同期して回転され、両Z軸テーブル4
1,41に固定したボールねじナット66,67により
両テーブル41,41がZ軸方向へ接近又は離隔する方
向へ同期して動作されるようにしている。さらに、該Z
軸テーブル41の上面には旋回スクロール体治具7及び
固定スクロール体治具8が上向きに固定され、両スクロ
ール体9,10を取り付け可能にしている。
【0058】一方、主軸ヘッド43側には、支持テーブ
ル44,45が、Z軸方向へ所定間隔隔てて、X軸方向
に互いに平行な中心軸線O44,O45の周りでθ軸サーボ
モータ46A,46Bによりθ軸方向の往復回動可能に
装着されている。又、前記支持テーブル44,45には
前述した第3実施例と同様に可動支持ブロック47,4
8、操作ハンドル49a,50aを有するボールネジ4
9,50、加工具16,21を支持する主軸14,19
及び主軸用モータ15,20等が取り付けられている。
この第4実施例では可動支持ブロック47,48の向き
が図12に示すように水平基線Hに対して非並行状態で
角度θだけ傾斜されている。
【0059】上記のように構成した加工装置により両ス
クロール体9,10の加工方法を説明する。最初に、両
治具7,8に対し旋回スクロール体9及び固定スクロー
ル体10を図13に示すように配置する。この状態は前
記固定スクロール部10aの基礎円K10の中心軸線O
K10 と、旋回スクロール部9aの基礎円K9 の中心軸線
K9が所定距離Dをおいて互いに並行となるように、か
つ固定スクロール部10aと旋回スクロール部9aとが
同じ方向を指向するようになっている。さらに詳しくは
図1に示す対応関係において、旋回スクロール体9をそ
のままの位置とし、固定スクロール体10を水平基線H
方向に所定距離Dだけ隔て、かつ固定スクロール体10
を垂直基線Vの周りで180度反転したものとなる。
又、この状態では両スクロール体9,10の基礎円
9 ,K10の両中心軸線OK9,OK10 の距離Dは、図1
2の支持テーブル44,45の両中心軸線O44,O45
距離Dと同じに設定されている。さらに、数値制御回路
23の加工軌跡記憶回路26には、前述した旋回スクロ
ール体9の加工軌跡T16(固定スクロール体10の加工
軌跡T21は同一加工軌跡であるため記憶はされない)が
記憶されている。そして、図11に示すY軸テーブル4
2及びZ軸テーブル41を加工軌跡記憶回路26の情報
を元に数値制御することにより、前記両支持テーブル4
4,45の両中心軸線O44,O45を前記加工軌跡T16
沿って同期して相対移動するようにしている。
【0060】加えて、この第4実施例では加工具16,
21の直径が旋回スクロール体9の旋回半径rよりも大
きいので、前記操作ハンドル49a,50aを操作する
ことにより、図13に示すように加工具16,21の中
心軸線O16,O21を支持テーブル44,45の両中心軸
線O44,O45から変位、つまり加工具16,21の半径
Rから旋回半径rの2分の1を減算した長さW16,W21
だけそれぞれ左右逆方向にオフセットしている。従っ
て、加工動作時には、前記両支持テーブル44,45の
両中心軸線O44,O45と、加工具16,21の中心軸線
16,O21とを結ぶ線分Eの方向が前記両加工軌跡
16,T21に直交する法線方向に指向するように、θ軸
サーボモータ46A,46Bにより支持テーブル44,
45がθ軸方向に数値制御され、この結果、両スクロー
ル体9,10のスクロール面S9 ,S10の加工が適正に
行われる。又、インボリュート曲線以外の曲線に対して
も加工が適正に行われる。
【0061】この第4実施例においても、前述した第3
実施例と同様に前述したθ軸回転テーブル5,5を使用
する必要がなくなるので、装置の構成を簡素化すること
ができるとともに、加工具16,21を増加することに
より、同時に多数の加工作業を行い、生産性を向上する
ことができ、さらに消費動力あるいは動作制御性の面で
優位となる。第4実施例の特有の効果としては、旋回ス
クロール9及び固定スクロール体10が同じ向きに取り
付けられるので、装置の構造をさらに簡素化することが
できる。
【0062】以上の加工動作は両加工具16,21の直
径が旋回半径rよりも大きい場合についてであるが、図
11〜13において旋回半径rと同一の加工具16,2
1を使用した場合には、前記加工具16,21の中心軸
線O16,O21が両加工軌跡T16,T21上を相対移動する
ように操作ハンドル49a,50aでオフセット長さW
16,W21が調整された状態で、前記支持テーブル44,
45のθ軸方向、つまり法線方向の数値制御動作を行う
ことなく、両スクロール部9a,10aの加工が行われ
る。この加工方法は、請求項5記載の加工方法の実施例
となる。
【0063】次に、請求項1記載の発明の加工方法に使
用される加工装置の別の実施例を図14に基づいて説明
する。この別例は、Y軸テーブル2Aに対しZ軸コラム
2BをZ軸サーボモータ4によりZ軸方向の往復動可能
に支持するとともに、このZ軸コラム2Bに対し加工用
主軸14,19を共通の主軸用モータ15により回転可
能に支持している。又、第1,第2のX軸コラム12,
17側に前記θ軸回転テーブル5,5、旋回スクロール
体治具7、固定スクロール体治具8をθ軸サーボモータ
6,6により回転可能に支持している。
【0064】従って、この加工装置により両スクロール
体9,10を前述した図1に示すような対応関係をもっ
て治具7,8に支持し、かつ両加工具16,21を同一
軸線上に配置した状態で、Y軸サーボモータ3及びZ軸
サーボモータ4により両主軸14,19をY軸方向及び
Z軸方向に移動制御するとともに、θ軸サーボモータ
6,6により旋回スクロール体9及び固定スクロール体
10を同期回転して、スクロール部9a,10aのスク
ロール面S9 ,S10の加工を移動軌跡T21に基づいて前
記第1実施例と同様に行なうことができる。
【0065】次に、請求項1記載の加工方法に使用され
る装置の別の実施例を図15及び図16により説明す
る。この実施例では第1及び第2のX軸コラム12,1
7に対し、旋回スクロール体治具7及び固定スクロール
体治具8を取り付けて旋回スクロール体9及び固定スク
ロール体10をコラム12,17に固定する。又、ベー
ス1の中央上面に固定コラム35を立設し、該コラム3
5に対し、両加工用主軸14,19をY軸方向、Z軸方
向及びθ軸方向の移動可能に装着している。すなわち、
固定コラム35にθ軸回転テーブル5を共通のθ軸サー
ボモータ6によ回転可能に支持するとともに、それらの
回転テーブル5の内部に形成した正方形状の収容空間5
a内にY軸支持体38をY軸方向の往復動可能に嵌合
し、このY軸支持体38に上下方向に形成した案内溝3
8aには、Z軸支持体39をZ軸方向の往復動可能に支
持し、さらに、このZ軸支持体39に加工用主軸14,
19を支持している。
【0066】従って、この実施例の場合には、両スクロ
ール体9,10を前述した図1に示すような対応関係を
もって治具7,8に支持固定し、かつ両加工具16,2
1を同一軸線上に配置した状態で、両主軸14,19の
加工具16,21を加工軌跡T21に基づいてY軸方向、
Z軸方向及びθ軸方向の三方向に数値制御することによ
り、スクロール面S9 ,S10の同時加工を行うことがで
きるので、多数個取りが可能となり、生産性を向上する
ことができる。
【0067】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、例えば旋回半径rよりも小さい直径の加
工具16,21を使用して加工動作を行うようにする
等、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない範囲内で各部の
構成を任意に変更して具体化することもできる。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は旋回及
び固定のスクロール体のスクロール面の寸法精度を向上
することができ、両スクロール体の組付状態における寸
法精度を向上し、スクロール型圧縮機の性能のばらつき
を抑制し、かつ圧縮効率を向上することができる。
【0069】又、この発明は旋回及び固定のスクロール
体を対にして後工程へ流すことができるので、ランク選
別を不要にして、作業能率を向上し、スクロール体の寸
法精度を緩和することも可能で、数値制御動作に制約さ
れず加工作業速度を速めて、生産能率を大幅に高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスクロール形状加工方法の一実施例
を示す正面図である。
【図2】加工装置の一実施例を示す正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】制御装置を示すブロック回路図である。
【図5】この発明の第2実施例を示す加工装置の一部省
略斜視図である。
【図6】図5の加工装置によるスクロール形状加工動作
を説明するための正面図である。
【図7】図5の加工装置によるスクロール形状加工動作
を説明するための部分拡大正面図である。
【図8】この発明の第3実施例を示すスクロール形状加
工装置の正面図である。
【図9】第3実施例の加工装置の主軸ヘッドの斜視図で
ある。
【図10】図9の加工装置による加工動作を説明するた
めの平面図である。
【図11】この発明の第4実施例を示すスクロール形状
加工装置の正面図である。
【図12】第4実施例の加工装置の主軸ヘッドの斜視図
である。
【図13】図11の加工装置による加工動作を説明する
ための平面図である。
【図14】この発明の別の実施例を示すスクロール形状
加工装置の正面図である。
【図15】この発明の別の実施例を示すスクロール形状
加工装置の正面図である。
【図16】図12の加工装置の主軸付近を示す正面図で
ある。
【図17】固定スクロール体及び旋回スクロール体の動
作を説明する断面図である。
【図18】固定スクロール体及び旋回スクロール体の動
作を説明する断面図である。
【図19】固定スクロール体及び旋回スクロール体の基
礎円を一致した状態を示す断面図である。
【図20】従来のスクロール形状加工装置を示す正面図
である。
【符号の説明】 2A Y軸テーブル、2B Z軸テーブル、3 第1Y
軸サーボモータ、4Z軸サーボモータ、5 θ軸回転テ
ーブル、6 θ軸サーボモータ 7 旋回スクロール体
治具、8 固定スクロール体治具、9 旋回スクロール
体、9a スクロール部、10 固定スクロール体、1
0a スクロール部、12 第1X軸コラム、13 第
1X軸サーボモータ、14 旋回スクロール体加工用主
軸、16 加工具、17 第2X軸コラム、18 第2
X軸サーボモータ、19 固定スクロール体加工用主
軸、20 主軸用モータ、21 加工具、r 旋回スク
ロール体の旋回半径、R 加工具16,21の半径、K
9 ,K10 基礎円、OK9,OK10 基礎円の中心軸線、
16,O21 加工具の中心軸線、T16,T21 加工具1
6,21の加工軌跡、S9 ,S10 スクロール面、
16,W21 オフセット長さ、E 加工具の中心軸線O
16,O21を結ぶ線分。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に固定スクロール部を形成した固定
    スクロール体と、同じく基板に旋回スクロール部を形成
    した旋回スクロール体とを、前記固定スクロール部の基
    礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円の中心軸
    線が所定距離だけ半径方向に離隔して位置するように、
    かつ両スクロール部の曲面が複数箇所で互いに接触する
    ように対応させて、前記旋回スクロール体を所定の旋回
    半径に従って旋回させて、両スクロール部の複数の接触
    点を中心に移動して両接触点間に形成される密閉空間の
    容積を減少して流体の圧縮を行うようにしたスクロール
    型圧縮機における前記固定スクロール体及び旋回スクロ
    ール体のスクロール形状加工に際し、 前記固定スクロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スク
    ロール部の基礎円の中心軸線が同一軸線上に位置するよ
    うに、かつ前記両スクロール部が前記両基礎円の中心軸
    線方向から見て互いに重なり合う同一位相から180度
    位相を異にするように配置し、この状態で旋回スクロー
    ル体の前記旋回半径と等しい直径の固定スクロール部用
    加工具及び旋回スクロール部用加工具を同一軸線上に配
    設し、前記固定スクロール部及び旋回スクロール部の加
    工すべきスクロール面から法線方向に前記旋回半径の2
    分の1だけオフセットされている予め設定された共通の
    加工軌跡に沿って、前記両加工具の中心軸線を相対移動
    させて固定スクロール部及び旋回スクロール部のスクロ
    ール面を加工するようにしたスクロール形状加工方法。
  2. 【請求項2】 基板に固定スクロール部を形成した固定
    スクロール体と、同じく基板に旋回スクロール部を形成
    した旋回スクロール体とを、前記固定スクロール部の基
    礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円の中心軸
    線が所定距離だけ半径方向に離隔して位置するように、
    かつ両スクロール部の曲面が複数箇所で互いに接触する
    ように対応させて、前記旋回スクロール体を所定の旋回
    半径に従って旋回させて、両スクロール部の複数の接触
    点を中心に移動して両接触点間に形成される密閉空間の
    容積を減少して流体の圧縮を行うようにしたスクロール
    型圧縮機における前記固定スクロール体及び旋回スクロ
    ール体のスクロール形状加工に際し、 前記固定スクロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スク
    ロール部の基礎円の中心軸線が同一軸線上に位置するよ
    うに、かつ前記両スクロール部が前記両基礎円の中心軸
    線方向から見て互いに重なり合う同一位相から180度
    位相を異にするように配置し、この状態で、両スクロー
    ル部の加工すべきスクロール面から法線方向に前記旋回
    半径の2分の1だけオフセットされている予め設定され
    た共通の加工軌跡に沿って、旋回スクロール体の前記旋
    回半径と異なる直径の固定スクロール部用加工具の中心
    軸線と、旋回スクロール部用加工具の中心軸線とを結ぶ
    線分の中心点を相対移動させるとともに、この相対移動
    と同期して前記線分が前記加工軌跡と直交する法線方向
    に指向するように制御して両スクロール部のスクロール
    面を加工するようにしたスクロール形状加工方法。
  3. 【請求項3】 基板に固定スクロール部を形成した固定
    スクロール体と、同じく基板に旋回スクロール部を形成
    した旋回スクロール体とを、前記固定スクロール部の基
    礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円の中心軸
    線が所定距離だけ半径方向に離隔して位置するように、
    かつ両スクロール部の曲面が複数箇所で互いに接触する
    ように対応させて、前記旋回スクロール体を所定の旋回
    半径に従って旋回させて、両スクロール部の複数の接触
    点を中心に移動して両接触点間に形成される密閉空間の
    容積を減少して流体の圧縮を行うようにしたスクロール
    型圧縮機における前記固定スクロール体及び旋回スクロ
    ール体のスクロール形状加工に際し、 前記固定スクロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スク
    ロール部の基礎円の中心軸線が同一軸線上に位置するよ
    うに、かつ前記両スクロール部が前記両基礎円の中心軸
    線方向から見て互いに重なり合う同一位相から180度
    位相を異にする位置関係からさらに両スクロール体をそ
    の中心軸線と直交する方向へ互いに離隔して配置し、こ
    の状態で旋回スクロール体の旋回半径と同一直径の固定
    スクロール部用加工具及び旋回スクロール部用加工具を
    使用し、前記固定スクロール部及び旋回スクロール部の
    加工すべきスクロール面から法線方向に前記旋回半径の
    2分の1だけオフセットされて、予め設定されたそれぞ
    れの加工軌跡に沿って、前記両加工具の中心軸線を、同
    期して相対移動させて固定スクロール部及び旋回スクロ
    ール部のスクロール面を加工するようにしたスクロール
    形状加工方法。
  4. 【請求項4】 基板に固定スクロール部を形成した固定
    スクロール体と、同じく基板に旋回スクロール部を形成
    した旋回スクロール体とを、前記固定スクロール部の基
    礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円の中心軸
    線が所定距離だけ半径方向に離隔して位置するように、
    かつ両スクロール部の曲面が複数箇所で互いに接触する
    ように対応させて、前記旋回スクロール体を所定の旋回
    半径に従って旋回させて、両スクロール部の複数の接触
    点を中心に移動して両接触点間に形成される密閉空間の
    容積を減少して流体の圧縮を行うようにしたスクロール
    型圧縮機における前記固定スクロール体及び旋回スクロ
    ール体のスクロール形状加工に際し、 前記固定スクロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スク
    ロール部の基礎円の中心軸線が同一軸線上に位置するよ
    うに、かつ前記両スクロール部が前記両基礎円の中心軸
    線方向から見て互いに重なり合う同一位相から180度
    位相を異にする位置関係からさらに両スクロール体をそ
    の中心軸線と直交する方向へ互いに離隔して配置し、こ
    の状態で旋回スクロール体の旋回半径と異なる直径の固
    定スクロール部用加工具及び旋回スクロール部用加工具
    を使用し、両スクロール部の加工すべきスクロール面か
    ら法線方向に前記旋回半径の2分の1だけオフセットさ
    れている予め設定されたそれぞれの加工軌跡に沿って、
    前記両加工具の移動点を相対移動させるとともに、この
    相対移動と同期して前記加工軌跡上の両加工具の移動点
    と両加工具の中心軸線とをそれぞれ結ぶ線分を、該加工
    軌跡と直交する法線方向に制御して両スクロール部のス
    クロール面を加工するようにしたスクロール形状加工方
    法。
  5. 【請求項5】 基板に固定スクロール部を形成した固定
    スクロール体と、同じく基板に旋回スクロール部を形成
    した旋回スクロール体とを、前記固定スクロール部の基
    礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円の中心軸
    線が所定距離だけ半径方向に離隔して位置するように、
    かつ両スクロール部の曲面が複数箇所で互いに接触する
    ように対応させて、前記旋回スクロール体を所定の旋回
    半径に従って旋回させて、両スクロール部の複数の接触
    点を中心に移動して両接触点間に形成される密閉空間の
    容積を減少して流体の圧縮を行うようにしたスクロール
    型圧縮機における前記固定スクロール体及び旋回スクロ
    ール体のスクロール形状加工に際し、 前記固定スクロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スク
    ロール部の基礎円の中心軸線が所定距離をおいて互いに
    並行となるように、かつ固定スクロール部と旋回スクロ
    ール部とが同じ方向を指向するように、両スクロール体
    を配置し、この状態で旋回スクロール体の旋回半径と同
    一直径の固定スクロール部用加工具及び旋回スクロール
    部用加工具を使用し、両スクロール部の加工すべきスク
    ロール面から法線方向に前記旋回半径の2分の1だけオ
    フセットされている予め設定されたそれぞれの加工軌跡
    に沿って、前記両加工具の中心軸線を、同期して相対移
    動させて両スクロール部のスクロール面を加工するよう
    にしたスクロール形状加工方法。
  6. 【請求項6】 基板に固定スクロール部を形成した固定
    スクロール体と、同じく基板に旋回スクロール部を形成
    した旋回スクロール体とを、前記固定スクロール部の基
    礎円の中心軸線と、旋回スクロール部の基礎円の中心軸
    線が所定距離だけ半径方向に離隔して位置するように、
    かつ両スクロール部の曲面が複数箇所で互いに接触する
    ように対応させて、前記旋回スクロール体を所定の旋回
    半径に従って旋回させて、両スクロール部の複数の接触
    点を中心に移動して両接触点間に形成される密閉空間の
    容積を減少して流体の圧縮を行うようにしたスクロール
    型圧縮機における前記固定スクロール体及び旋回スクロ
    ール体のスクロール形状加工に際し、 前記固定スクロール部の基礎円の中心軸線と、旋回スク
    ロール部の基礎円の中心軸線が所定距離をおいて互いに
    並行となるように、かつ固定スクロール部と旋回スクロ
    ール部とが同じ方向を指向するように、両スクロール体
    を配置し、この状態で旋回スクロール体の旋回半径と異
    なる直径の固定スクロール部用加工具及び旋回スクロー
    ル部用加工具を使用し、両スクロール部の加工すべきス
    クロール面から法線方向に前記旋回半径の2分の1だけ
    オフセットされている予め設定されたそれぞれの加工軌
    跡に沿って、前記両加工具の移動点を同期して相対移動
    させるとともに、この相対移動と同期して前記加工軌跡
    上の両加工具の移動点と両加工具の中心軸線とをそれぞ
    れ結ぶ線分を、該加工軌跡と直交する法線方向に制御し
    て両スクロール部のスクロール面を加工するようにした
    スクロール形状加工方法。
  7. 【請求項7】 ベース上に水平Y方向へ移動可能に支持
    されたY軸テーブルと、 該Y軸テーブル上において上方Z軸方向へ往復動可能に
    支持されたZ軸コラムと、 該Z軸コラムに前記Y軸と直交する水平X軸方向の軸線
    の回りで回転可能に支持された一対のθ軸回転テーブル
    と、 前記両θ軸回転テーブルの前面に取り付けられ、固定ス
    クロール体及び旋回スクロール体のそれぞれの基板を把
    持する固定スクロール体用治具及び旋回スクロール体用
    治具と、 前記ベース上面においてX軸方向への往復動可能に支持
    された第1X軸コラム及び第2X軸コラムと、 前記両X軸コラムに装着され、かつ前記固定スクロール
    体用治具及び旋回スクロール体用治具に支持された固定
    スクロール体及び旋回スクロール体のスクロール部を加
    工する加工具を把持して回転させる固定スクロール部加
    工用主軸及び旋回スクロール部加工用主軸と、 前記両加工用主軸の中心軸線をY軸方向へ互いに離隔し
    た位置にオフセット調節するための位置調節手段と、 さらに、前記両スクロール部の加工すべきスクロール形
    状に予め設定された加工軌跡に沿って、前記両加工用主
    軸の中心軸線を結ぶ線分の中心点を相対移動させるとと
    もに、前記線分が前記加工軌跡と直交する法線方向に指
    向するように前記Y軸テーブル、Z軸コラム及び一対の
    θ軸回転テーブルの動作を制御する数値制御装置とによ
    り構成したスクロール形状加工装置。
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