JP2634156B2 - インボリュート形状加工方法 - Google Patents

インボリュート形状加工方法

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JP2634156B2
JP2634156B2 JP60194798A JP19479885A JP2634156B2 JP 2634156 B2 JP2634156 B2 JP 2634156B2 JP 60194798 A JP60194798 A JP 60194798A JP 19479885 A JP19479885 A JP 19479885A JP 2634156 B2 JP2634156 B2 JP 2634156B2
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    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、インボリュート形状加工方法に係り、特
に、マシニングセンターなどNC(数値制御)マシンを用
いて、例えばスクロール圧縮機の圧縮室を構成する螺旋
溝の如きインボリュート形状を高精度加工するのに好適
なインボリュート形状加工方法に関するものである。
〔従来の技術〕
まず、本発明を適用する被加工物の一例としてスクロ
ール圧縮機の圧縮室を構成するスクロール部材を取上
げ、その従来の加工方法について、第4図ないし第7図
を参照して説明する。
ここに第4図は、被加工物に係る雌,雄スクロールの
斜視図、第5図は、第4図のA矢視平面図、第6図およ
び第7図は、スクロール部材の従来の加工方法を説明す
るための説明図である。
第4,5図において、1は雄スクロール、2は雌スクロ
ールで、雄スクロール1の突起部3のスクロールラップ
5と、雌スクロール2の窪み部4のスクロールラップ6
とは、ともに、そのラップで形成する螺旋溝の断面にお
いてU字状であり、螺旋はインボリュート形状のもので
ある。
雄スクロール1と雌スクロール2とは、それぞれのス
クロールラップ5,6が互いに対抗して組み合わさって、
相対的に蠕動運動し、圧力媒体を圧縮する構造である。
従来、このようなインボリュート形状のスクロールラ
ップは、エンドミル工具を用い、縦形あるいは横形のマ
シニングセンタのXYテーブルの上に被加工物を取り付け
て、いわゆる「XY加工」により切削加工されていた。
この場合、第6,7図に示すように、例えば雄スクロー
ル1のスクロールラップ5を直径Dのエンドミル7を用
いて加工するとすれば、エンドミル7の外周とインボリ
ュート形状のスクロールラップ5との接点Pは、雄スク
ロール1の中心Oとエンドミル7の中心Qとを結ぶ線上
には存在せず、▲▼と▲▼のなす偏角θは、ス
クロールラップ5の加工箇所とともに逐一変化してゆ
く。
例えば、第6図に示すように、スクロールラップ5の
外壁を加工するとき、▲▼と▲▼のなす偏角が
θであったものが、外壁の加工を終るときには、エンド
ミル7の中心はQ′となり、エンドミル7の外周とスク
ロールラップ5との接点P′とのなす偏角θ′にくらべ
て大く変化している。また、第7図に示すように、スク
ロールラップの内壁を加工する段階では、エンドミル7
の中心Q"の位置では、エンドミル7の外周とスクロール
ラップの内壁との接点P"とのなす偏角θ”はθ′にくら
べて変化しているのが明らかである。
したがって、マシニングセンタのXYテーブル上で雄ス
クロール1を加工するには、所定のインボリュート形状
とは異ったエンドミル中心Qの軌跡を描かせなせればな
らない。もちろん従来でも、このような所望のインボリ
ュート形状を、XY座標の多数の点群のNCデータとして与
えれば、エンドミルの中心軌跡は、マシニングセンタNC
制御系によって自動的に演算し、加工することも可能に
なっていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、このようなXYテーブル上のXY座標系を用いた
加工では、NCデータの入力点数が多いうえに、エンドミ
ルの直径をNC制御系にその値を入力することを前提とし
ている。そこで、エンドミルの直径が異なれば、この都
度NC制御系にその値を入力するが、この場合、予め工具
軌跡を演算してXY座標の多数の点群のNCデータとして入
力しておく必要がある。特に、インボリュート形状精度
が厳しい場合には、このエンドミル直径の読みとり精度
を高めることが必須である。
また、この従来の方法では、エンドミル直径を精度よ
く読みとっても、マシニングセンタの主軸に対しエンド
ミルが偏心して取付けば、みかけ上より大きな直径のエ
ンドミルを用いたように加工され、スクロールラップ5
の形状、とくにその厚さTが所定の値と異なってくるも
ので、工具寸法の補正が必要である。
このような方法でスクロールラップ内,外壁を加工す
ることになるから、実際にはスクロールラップの厚さT
は、エンドミルの直径の読みとり誤差のほぼ2倍の誤差
をきたすことになる。
以上、XYテーブルをもったマシニングセンタを用いた
従来のスクロールラップの加工方法を述べたが、XYテー
ブル上にロータリテーブルを載せて、ロータリテーブル
に被加工物をセットして加工する場合でも、通常エンド
ミルの中心は、ロータリテーブルの回転に対し、▲
▼上を移動させているために、上記と同様の誤差を生
じ、精度の高いインボリュート形状を加工することが難
しかった。
以上、雄スクロールを例にして、従来技術の問題点を
指摘したが、雌スクロールについても全く同様の問題を
抱えていた。
そこで、移動テーブルの直進運動とロータリテーブル
の回転運動とを比例関係で連動してNC制御しながらイン
ボリュート形状を加工する、いわゆる「Rθ加工」が開
発されるように機運になった。
他の従来技術として、特開昭57−15610号公報には、
スクロール部品をそのインボリュート曲線の基礎円の中
心を回転中心として回転させるとともに、加工工具を前
記インボリュート曲線の基礎円に接する直線上を移動さ
せることによってスクロール部品の加工を行うことが開
示されている。
しかし、特開昭57−15610号公報に開示されたスクロ
ール加工装置は、回転する加工用テーブルとX方向に直
進する移動テーブルとが機械的に結合されているもの
で、スクロールラップを連続的に高精度に加工すること
については、配慮されていなかった。
本発明は、前述の従来技術の問題点を解決するために
なされたもので、本発明の目的は、被加工物の内外壁面
の2つのインボリュート曲面の加工を、直進する移動テ
ーブルと被加工物を載置して回転するロータリテーブル
との動きにより行うもので、被加工物の外周部から基礎
円の中心部に向かって進み、次に、基礎円の中心部から
外周部に戻る一連の加工を、NC制御加工手段の制御系の
同期指令に基づいて連続的に行うことにより、単純な制
御で被加工物の高精度なインボリュート形状加工を実現
するインボリュート形状加工方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、発明のインボリュート形
状加工方法に係る第一の発明の構成は、直進移動可能な
移動テーブルと、階移動テーブル上に装備された回転自
在なロータリテーブルと、該ロータリテーブルの軸心に
ほぼ平行な軸心を有し工具を装着した回転主軸とを備え
たNC加工手段を用いて、前記ロータリテーブル上に載置
した被加工物に第1のインボリュート形状曲面と第2の
インボリュート形状曲面とを順次加工してスクロールラ
ップを形成する方法であって、前記ロータリテーブルを
回転させるとともに、前記移動テーブルを前記装着した
工具の中心軸が前記第1のインボリュート形状の第1の
基礎円の接線上を該第1の基礎円の中心に近づく方向に
前記NC加工手段の制御系の同期指令に基づいて前記ロー
タリテーブルの回転角度に比例して直進移動させること
により、前記被加工物に第1のインボリュート形状曲面
を加工し、前記工具を前記被加工物に対して前記第1の
インボリュート形状曲面加工時に前記移動テーブルを直
進移動させる方向と直角で前記第1の基礎円の中心方向
に、前記第1の基礎円の径と前記第2のインボリュート
形状の第2の基礎円の径との和の半分の距離だけ相対的
に移動させることを含んで、前記第1の基礎円の径と、
前記第2の基礎円の径と、前記スクロールラップの厚み
とに基づき、前記工具と前記被加工物との相対的位置を
前記NC加工手段の制御系の同期指令に基づいて変化さ
せ、前記ロータリテーブルの回転方向を逆転させた状態
で、前記移動テーブルを、前記装着した工具の中心軸が
前記第2のインボリュート形状の第2の基礎円の接線上
を、前記第1のインボリュート形状曲面加工時と同じ方
向で前記第2の基礎円の中心から遠ざかる方向に、前記
NC加工手段の制御系の同期指令に基づいて前記ロータリ
テーブルの回転角度に比例して直進移動させることによ
り、前記被加工物に第2のインボリュート形状曲面を加
工するようにしたものである。
また、上記目的を達成するために、本発明のインボリ
ュート形状加工方法に係る第二の発明の構成は、直進移
動可能なテーブルと、該移動テーブル上に装備された回
転自在なロータリテーブルと、該ロータリテーブルの軸
心にほぼ平行な軸心を有し工具を装着した回転主軸とを
備えたNC加工手段を用いて、前記ロータリテーブル上に
載置した被加工物に第1のインボリュート形状曲面と第
2のインボリュート形状曲面とを順次加工してスクロー
ルラップを形成する方法であって、前記ロータリテーブ
ルを回転させるとともに、前記移動テーブルを、前記装
着した工具の中心軸が前記第1のインボリュート形状の
第1の基礎円の接線上を該第1の基礎円の中心に近づく
方向に前記NC加工手段の制御系の同期指令に基づいて前
記ロータリテーブルの回転角度に比例して直進移動させ
ることにより、前記被加工物に第1のインボリュート形
状曲面を加工し、前記第1のインボリュート形状の第1
の基礎円の径と、前記第2のインボリュート形状の第2
の基礎円の径と、前記スクロールラップの厚みとに基づ
き、前記工具と前記被加工物との相対的位置を前記NC加
工手段の制御系の同期指令に基づいて変化させる際に、
少なくとも前記スクロールラップの厚みに基づき前記ロ
ータリテーブルの回転角の位相をずらし、前記ロータリ
テーブルの回転方向を逆転させた状態で、前記移動テー
ブルを、前記装着した工具の中心軸が前記第2のインボ
リュート形状の第2の基礎円の接線上を、前記第1のイ
ンボリュート形状曲面加工時と逆方向で前記第2の基礎
円の中心から遠ざかる方向に、前記NC加工手段の制御系
の同期指令に基づいて前記ロータリテーブルの回転角度
に比例して直進移動させることにより、前記被加工物に
第2のインボリュート形状曲面を加工するようにしたも
のである。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図ないし第3図を参照
して説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係るインボリュート形
状加工方法における工具軌跡を示す説明図、第2図は、
インボリュート形状加工の原理を示す説明図、第3図
は、第1図の加工を行う加工機の外観斜視図である。
第3図に示す加工機は、一般的なマシニングセンタと
ほぼ同様の構成のものでベッド9上には、NC制御可能な
移動テーブルに係るX軸テーブル10、および移動テーブ
ルに係るY軸テーブル11が装備され、さらにこの上に、
これもNC制御可能なロータリテーブル12が装備されてい
る。
このロータリテーブル12上に、ロータリテーブルと軸
心を同じくして被加工物である雄スクロール1がチャッ
キングされている。
一方、ベッド9と一体に固定されたコラム13には、こ
れもロータリテーブル12の軸心方向にNCにて摺動可能な
主軸ヘッド14が摺動し、この主軸ヘッド14の摺動方向に
軸心方向をもつ回転可能な主軸15があり、この主軸15に
は工具に係るエンドミル7がチャッキングされている。
これらの運動系、すなわちXテーブル10およびYテー
ブル11の直進運動、ロータリテーブル12の回転運動、主
軸ヘッド14の直進運動、ならびに主軸15の回転運動は、
いずれもNC制御装置(図示せず)により制御できるよう
に構成されている。
本実施例は、このような構成のマシニングセンタのイ
ンボリュート形状加工のNC制御に関するもので、次に、
このインボリュート形状加工の原理を第2図を参照して
説明する。
被加工物は、雄スクロール1のスクロール部材に係る
スクロールラップ5で、同一基礎円の位相をずらした2
本のインボリュート曲面5a,5bで外壁,内壁が形成され
るものである。
この場合、第2図に示すように、2本のインボリュー
ト曲線5a,5bは、ともに中心がOで、基礎円20の半径は
a(第1図参照)である。
この基礎円20から引いた任意の接線21は、インボリュ
ート曲線5a,5bと常に直交する。
このことは、エンドミル7の中心をインボリュートの
基礎円の接線上に移動させれば、エンドミルとインボリ
ュートの接点Pは、この基礎円の接線上にあり、従来技
術のところで述べたような、エンドミルとインボリュー
ト曲線とのっ接点の偏角θあるいはθ”(第6,7図参
照)がある値をもつことによる誤差を考慮した煩雑が補
正を全く加える必要のないことを意味する。
すなわち、第1図に示すように、前述のインボリュー
トの基礎円20への任意の接線21を、マシニングセンタの
X軸すなわちXテーブルの直進方向とし、このX軸上に
エンドミル7の中心Qがあるように設定し、被加工物で
ある雄スクロール1の回転軸角度と、エンドミル7のX
軸方向位置とが常に比例するようにNC制御系に同期指令
を与えればよい。
そこで、主軸15に装着したエンドミル7の刃面を、被
加工物である雄スクロール1のインボリュートの基礎円
20の接線21と直交するように、加工面である第1のイン
ボリュート形状曲面に係るインボリュート曲線5aの外壁
に対接させ、前記のように接線21とX軸テーブル10の直
進方向とを一致させる。
そして、エンドミル7の中心Qが接線21上を内側方
向、すなわち基礎円20の中心に近づく方向に移動するよ
うにX軸テーブル10を直進させる(第1の直進)ととも
に、ロータリテーブル12を、ロータリテーブルの回転角
度がX軸テーブル10の送り量と一定の比例関係で連動し
て回転させることによってインボリュート曲線5aの外壁
を加工する。
外壁の加工が終ると、ロータリテーブル12を逆転させ
ることにより雄スクロール1の回転を逆転させて、回転
角の位相を所定量だけぜらせて第2のインボリュート形
状曲面に係るインボリュート曲線5bのスタート位置にエ
ンドミル7を位置させる。ここで、位相をずらせる所定
量は、エンドミル7の径と、基礎円20の径と、インボリ
ュートラップの厚みTとで一義的に決まる量である。よ
り詳しくは、エンドミル直径とインボリュートラップの
厚みTとの和を基礎円20の半径aで角度(ラジアン)で
ある。
次いで、ロータリテーブル12の逆転と同期して、接線
21上の外側方向、すなわち基礎円20の中心から遠ざかる
方向にエンドミル中心Qを移動させるように、X軸テー
ブル10を戻し方向に直進(第2の直進)させてインボリ
ュート曲線5bの内壁加工を行う。
換言すれば、エンドミル7の中心がインボリュートの
基礎円20の接線21上を移動するように直進するX軸テー
ブル10は、スクロールラップ5の外壁の加工時と内壁の
加工時とで直進方向を逆転させて往,復運動を行うとと
もに、ロータリテーブル12は、前記X軸テーブルの往,
復運動に連動して正,逆に回転方向を変えるように作動
する。
このようにすれば、インボリュート曲線5bの内壁に対
しても偏角θ”(第7図参照)に起因する誤差補正が必
要となる。
そして、スクロールラップの外壁加工、エンドミルの
相対的位置変更、内壁加工の一連の工程を第3図に示す
同一加工機上で順次連続的に行うことができる。
前述のインボリュート形状加工の方法をとる場合で
も、エンドミル7取付時の偏心あるいはエンドミルのた
わみ誤差等の工具寸法誤差εがスクロールラップ5の厚
みTに2εの誤差を生じさせる。
そこで、インボリュート形状のスクロールラップの厚
み精度がさらに厳しく要求される場合には、次に述べる
ような工具軌跡を辿らせるとよい。
第1図に示すように、エンドミル7の中心Qをインボ
リュートの基礎円20の第1の接線に係る接線21上に位置
させ、そのエンドミル7の刃面を、前記接線21と直交す
るように加工面であるインボリュート曲線5aの外壁に対
接させる。そしてX軸テーブル10の直進方向を前記基礎
円20の接線21に一致させる。
そして、エンドミル7の中心Qが接線21上を内側方
向、すなわち基礎円20の中心へ近づく方向へ移動するよ
うにX軸テーブル10を直進させる(第1の直進)ととも
に、ロータリテーブル12を、ロータリテーブルの回転角
度がX軸テーブル10の送り量と一定の比例関係で連動し
て回転させることによってインボリュート曲線5aの外壁
を加工する。
外壁の加工が終ると、エンドミル7の中心Qが、雄ス
クロール1の中心部で基礎円20の直径2aだけ、前記第1
の直進方向に直交する方向に移動するようにY軸テーブ
ル11を移動させる。
次いで、ロータリテーブル12の逆転と同期して、第1
図に示す基礎円20の第2の接線に係る接線22上の外側方
向にエンドミル中心Qを移動させるように、X軸テーブ
ル10を前記第1の直進方向と同一方向で、基礎円20中心
から遠ざかる方向に第2の直進を行わせてインボリュー
ト曲線5bの内壁加工を行い、雄スクロール1の加工を終
了する。
このようにすれば、スクロールラップの外壁加工、エ
ンドミルの相対的位置変更、内壁加工の一連の工程が第
3図に示す同一加工機上で順次連続的に行われ、エンド
ミルに加わる切削力負荷の方向も、外壁加工、内壁加工
ともに同一となることは明らかである。
また、切削力負荷によるエンドミル7やスクロールラ
ップ5の弾性変形等によるスクロール形状の誤差を、主
軸を、主軸15を僅かに傾斜させることにより容易に補正
でき、インボリュート形状のスクロールラップ5の厚み
精度を向上させることができる。
なお、前述の実施例では、被加工物を雄スクロール1
として、その加工例を説明したが、雄スクロール2の加
工も全く同様に実施できることは言うまでもない。
また、前述の実施例では、加工機としてマシニングセ
ンタを用いる例を説明したが、同様の構成をもつ専用機
であっても、本発明の効果を妨げるものではない。
さらに、インボリュート形状の内壁を同様に加工した
のち、外壁を加工する加工手順をとっても全く同様の効
果が得られる。
さらにまた、前述の実施例では、加工機を縦形マシニ
ングセンタとしているが、主軸中心を水平とした横形マ
シニングセンタとしてもよい。この場合には、切粉が除
去しやすいという利点があり、加工面の面粗さが良くな
る。
なお、スクロールラップの厚みTが一定でない、2本
のインボリュート曲線がらなる場合には、基礎円は2個
存在することになるので、内,外壁の一方の面加工から
他方の面加工へ移行するときに、被加工物の中心にて、
2個の基礎円の差だけY方向に余分にシフトして後半の
工具軌跡を辿らせるようにすれば、その実施化が可能で
ある。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば、被加工
物の内外壁面の2つのインボリュート曲面の加工を、直
進する移動テーブルと被加工物を載置して回転するロー
タリテーブルとの動きにより行うもので、被加工物の外
周部から基礎円の中心部に向かって進み、次に、基礎円
の中心部から外周に戻る一連の加工をNC制御加工手段の
制御径の同期指令に基づいて連続的に行うことにより、
単純な制御で被加工物の高精度なインボリュート形状加
工を実現するインボリュート形状加工方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係るインボリュート形状
加工方法における工具軌跡を示す説明図、第2図は、イ
ンボリュート形状加工の原理を示す説明図、第3図は、
第1図の加工を行う加工機の外観斜視図、第4図は、被
加工物に係る雌,雄スクロールの斜視図、第5図は、第
4図のA矢視平面図、第6図および第7図は、スクロー
ル部材の従来の加工方法を説明するための説明図であ
る。 1……雄スクロール、2……雌スクロール、5……スク
ロールラップ、5a,5b……インボリュート曲線、7……
エンドミル、10……X軸テーブル、11……Y軸テーブ
ル、12……ロータリテーブル、15……主軸、20……基礎
円、21,22……接線。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−15610(JP,A) 「フライス盤と其作業」(機械工場実 習講座乙編第6巻)、昭和11年10月25日 発行、伊藤正一著、太陽閣発行、第42頁 ないし第46頁(第7節90度ロラ・ガイド 溝の工作)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直進移動可能な移動テーブルと、該移動テ
    ーブル上に装備された回転自在なロータリテーブルと、
    該ロータリテーブルの軸心にほぼ平行な軸心を有し工具
    を装着した回転主軸とを備えたNC加工手段を用いて、前
    記ロータリテーブル上に載置した被加工物に第1のイン
    ボリュート形状曲面と第2のインボリュート形状曲面と
    を順次加工してスクロールラップを形成する方法であっ
    て、 前記ロータリテーブルを回転させるとともに、前記移動
    テーブルを、前記装着した工具の中心軸が前記第1のイ
    ンボリュート形状の第1の基礎円の接線上を該第1の基
    礎円の中心に近づく方向に前記NC加工手段の制御系の同
    期指令に基づいて前記ロータリテーブルの回転角度に比
    例して直進移動させることにより、前記被加工物に第1
    のインボリュート形状曲面を加工し、 前記工具を前記被加工物に対して前記第1のインボリュ
    ート形状曲面加工時に前記移動テーブルを直進移動させ
    る方向と直角で前記第1の基礎円の中心方向に、前記第
    1の基礎円の径と前記第2のインボリュート形状の第2
    の基礎円の径との和の半分の距離だけ相対的に移動させ
    ることを含んで、前記第1の基礎円の径と、前記第2の
    基礎円の径と、前記スクロールラップの厚みとに基づ
    き、前記工具と前記被加工物との相対的位置を前記NC加
    工手段の制御系の同期指令に基づいて変化させ、 前記ロータリテーブルの回転方向を逆転させた状態で、
    前記移動テーブルを、前記装着した工具の中心軸が前記
    第2のインボリュート形状の第2の基礎円の接線上を、
    前記第1のインボリュート形状曲面加工時と同じ方向で
    前記第2の基礎円の中心から遠ざかる方向に、前記NC加
    工手段の制御系の同期指令に基づいて前記ロータリテー
    ブルの回転角度に比例して直進移動させることにより、
    前記被加工物に第2のインボリュート形状曲面を加工す
    ることを特徴とするインボリュート形状加工方法。
  2. 【請求項2】前記第1の基礎円の径と前記第2の基礎円
    の径とは等しいことを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載のインボリュート形状加工方法。
  3. 【請求項3】直進移動可能な移動テーブルと、該移動テ
    ーブル上に装備された回転自在なロータリテーブルと、
    該ロータリテーブルの軸心にほぼ平行な軸心を有し工具
    を装着した回転主軸とを備えたNC加工手段を用いて、前
    記ロータリテーブル上に載置した被加工物に第1のイン
    ボリュート形状曲面と第2のインボリュート形状曲面と
    を順次加工してスクロールラップを形成する方法であっ
    て、 前記ロータリテーブルを回転させるとともに、前記移動
    テーブルを、前記装着した工具の中心軸が前記第1のイ
    ンボリュート形状の第1の基礎円の接線上を該第1の基
    礎円の中心に近づく方向に前記NC加工手段の制御系の同
    期指令に基づいて前記ロータリテーブルの回転角度に比
    例して直進移動させることにより、前記被加工物に第1
    のインボリュート形状曲面を加工し、 前記第1のインボリュート形状の第1の基礎円の径と、
    前記第2のインボリュート形状の第2の基礎円の径と、
    前記スクロールラップの厚みとに基づき、前記工具と前
    記被加工物との相対的位置を前記NC加工手段の制御系の
    同期指令に基づいて変化させる際に、少なくとも前記ス
    クロールラップの厚みに基づき前記ロータリテーブルの
    回転角の位相をずらし、 前記ロータリテーブルの回転方向を逆転させた状態で、
    前記移動テーブルを、前記装着した工具の中心軸が前記
    第2のインボリュート形状の第2の基礎円の接線上を、
    前記第1のインボリュート形状曲面加工時と逆方向で前
    記第2の基礎円の中心から遠ざかる方向に、前記NC加工
    手段の制御系の同期指令に基づいて前記ロータリテーブ
    ルの回転角度に比例して直進移動させることにより、前
    記被加工物に第2のインボリュート形状曲面を加工する
    ことを特徴とするインボリュート形状加工方法。
  4. 【請求項4】前記第1の基礎円の径と前記第2の基礎円
    の径とは等しいことを特徴とする特許請求の範囲第3項
    記載のインボリュート形状加工方法。
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