JP2024030150A - スクロール加工機及びスクロール状ワークを加工する方法 - Google Patents

スクロール加工機及びスクロール状ワークを加工する方法 Download PDF

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貴彦 宮島
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Abstract

【課題】スクロール形状ワークの生産量を、精度を保ちながら倍増させる。【解決手段】第1ワークWA1及び第2ワークWA2の渦厚さの誤差を計測し、渦厚さの誤差を吸収するように、温調器41の温度を調整してS1軸とS2軸との間の距離を調整し、X軸モータ3c、Y軸モータ6c及びC1軸モータ9cを同期させて第1ワークWB1のスクロール加工を行うと共に、C2軸モータ9dをX軸モータ3c、Y軸モータ6c及びC1軸モータ9cの動きに合わせて同期させながら第1ワーク30と同一になるように第2ワークWB2のスクロール加工を行う。【選択図】図1A

Description

本発明は、スクロール加工機及びスクロール状ワークを加工する方法に関する。
従来、例えば、特許文献1のように、第1スクロールの材料と第2スクロールの材料とを同時に配置可能に構成されるとともに、第1スクロールの材料と第2スクロールの材料とを加工可能に構成されている加工台部を備えている複数のワークを同時に加工する工作機械が知られている。
また、特許文献2のように、鏡板上に直立する渦巻状ラップを有するスクロール形状のワークを着脱可能に複数支持するワーク台装置を複数独立して備えて旋回移動させる旋回装置と、加工工具を回転可能に支持する工具主軸を備える複数の工具台と、前記旋回装置及び前記複数の工具台を搭載する本体ベッドとを備えたスクロール形状の加工装置が知られている。
さらに、特許文献3のように、加工前の旋回スクロール部材を演算制御装置により予め設定されたスクロール形状データに基づいて加工具により旋回スクロール部の加工を行うようにした旋回スクロール部材加工装置と、加工前の固定スクロール部材を演算制御装置により予め設定されたスクロール形状データに基づいて加工具により固定スクロール部の加工を行うようにした固定スクロール部材加工装置と、前記一方のスクロール部材加工装置により加工されるスクロール部の実際のスクロール形状データを測定するためのスクロール形状データ測定手段と、前記スクロール形状データ測定手段からの一方のスクロール部の測定形状データに基づいて他方のスクロール部材加工装置のスクロール形状データを演算補正する形状データ演算補正手段とにより構成したスクロール形状加工装置が知られている。
特許4352649号公報 特許3833386号公報 特許3035364号公報
特許文献1の工作機械では、機械1台でワークを1つずつ加工しており、1時間当たり15~60個の生産しかできず、量産化の面で問題がある。また、高精度な生産設備のため、高価な専用機を使用するため、1個当たりの生産コストが高いという問題がある。
また、特許文献2及び3の加工装置では、工具径に誤差が生じた場合の解決方法について一切開示及び示唆されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スクロール形状ワークの生産量を、精度を保ちながら倍増させることにある。
前記の目的を達成するために、この発明では、工具軸のあるY軸テーブルを加熱又は冷却することにより、一対の工具間の距離を調整できるようにした。
具体的には、第1の発明では、
ベッドと、
前記ベッド上で、X軸アクチュエータによってX軸に沿って移動可能なX軸テーブルと、
前記X軸テーブル上で、Z1軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ1軸に移動可能なZ1軸テーブルと、
前記X軸テーブル上で、Z2軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ2軸に移動可能なZ2軸テーブルと、
前記Z1軸テーブルに設けられ、前記Z1軸に沿って延び、第1ワークがC1軸モータによって回転可能に取り付けられるC1軸と、
前記Z2軸テーブルに設けられ、前記Z2軸に沿って延び、第2ワークがC2軸モータによって回転可能に取り付けられるC2軸と、
前記X軸テーブルの対向位置に設けられたコラムと、
前記コラムに設けられ、Y軸アクチュエータによって前記X軸及び前記Z1軸に垂直なY軸に沿って移動可能なY軸テーブルと、
前記Y軸テーブルに設けられ、前記C1軸に平行に延び、第1工具が取り付けられる回転可能なS1軸と、
前記Y軸テーブルに設けられ、前記C2軸に平行に延び、第2工具が取り付けられる回転可能なS2軸と、
前記Y軸テーブルを加熱又は冷却することにより、前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整可能な温調器と、
前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータを同期させて前記第1ワークのスクロール加工を行うと共に、前記C2軸モータを前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータの動きに合わせて同期させながら前記第1ワークと同一になるように前記第2ワークのスクロール加工を行うと共に、前記温調器を制御して前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整可能な制御装置と、を備えている。
前記の構成によると、第1及び第2ワークの仕上がり精度から第1及び第2工具の外径誤差を計算し、制御部が外径誤差に合わせて温調器の温度を調整することにより、S1軸とS2軸との間の距離を調整して外径誤差を吸収することができる。
第2の発明のスクロール状ワークを加工する方法は、
ベッドと、
前記ベッド上で、X軸アクチュエータによってX軸に沿って移動可能なX軸テーブルと、
前記X軸テーブル上で、Z1軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ1軸に移動可能なZ1軸テーブルと、
前記X軸テーブル上で、Z2軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ2軸に移動可能なZ2軸テーブルと、
前記Z1軸テーブルに設けられ、前記Z1軸に沿って延び、第1ワークがC1軸モータによって回転可能に取り付けられるC1軸と、
前記Z2軸テーブルに設けられ、前記Z2軸に沿って延び、第2ワークがC2軸モータによって回転可能に取り付けられるC2軸と、
前記X軸テーブルの対向位置に設けられたコラムと、
前記コラムに設けられ、Y軸アクチュエータによって前記X軸及び前記Z1軸に垂直なY軸に沿って移動可能なY軸テーブルと、
前記Y軸テーブルに設けられ、前記C1軸に平行に延び、第1工具が取り付けられる回転可能なS1軸と、
前記Y軸テーブルに設けられ、前記C2軸に平行に延び、第2工具が取り付けられる回転可能なS2軸と、
前記Y軸テーブルを加熱又は冷却することにより、前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整可能な温調器と、を備えたスクロール加工機を準備し、
前記第1ワーク及び前記第2ワークの渦厚さの誤差を計測し、
前記渦厚さの誤差を吸収するように、前記温調器の温度を調整して前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整し、
前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータを同期させて前記第1ワークのスクロール加工を行うと共に、前記C2軸モータを前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータの動きに合わせて同期させながら前記第1ワークと同一になるように前記第2ワークのスクロール加工を行う。
前記の構成によると、第1及び第2ワークの仕上がり精度から第1及び第2工具の外径誤差を計算し、外径誤差に合わせて温調器の温度を調整することにより、S1軸とS2軸との間の距離を調整して外径誤差を吸収することができる。
以上説明したように、本発明によれば、渦厚さの誤差を吸収するように、温調器の温度を調整してS1軸とS2軸との間の距離を調整できるようにしたので、スクロール形状ワークの生産量を、精度を保ちながら倍増させることができる。
冷却により軸間距離を減らしている、本発明の実施形態に係るスクロール加工機を一部拡大して示す斜視図である。 加熱により軸間距離を増やしている、本発明の実施形態に係るスクロール加工機を一部拡大して示す斜視図である。 スクロール加工機により加工されるスクロール場ワークの一例を示す正面図である。 スクロール加工機に備えられるNC制御装置の機能構成を示すブロック図である。 (a)(b)及び(c)は前記スクロール状工作物におけるインボリュート曲線部の内壁面を加工する様子を示す正面図である。 (a)は前記スクロール状工作物における中心部を加工する様子を示す正面図、(b)及び(c)は前記スクロール状工作物におけるインボリュート曲線部の外壁面を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部近傍を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部近傍を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部近傍を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部近傍を加工する様子を示す正面図である。 スクロール状工作物における中心部近傍を加工する様子を示す正面図である。 ローダによるワークの搬出入の様子を示すフローチャートである。 軸間距離の調整に関する制御のフローチャートである。 ローダハンドが未加工ワークを保持した状態及び機械加工が完了した本発明の実施形態に係るスクロール加工機を示す斜視図である。 ローダハンドが未加工ワークを保持した状態でスクロール加工機に近付く様子を示す図17A相当視図である。 C1軸のチャックをアンローディングする状態を示す図17A相当視図である。 ローダハンドを旋回させる様子を示す図17A相当視図である。 X軸テーブルを移動させる様子を示す図17A相当視図である。 C2軸のチャックをアンローディングする状態を示す図17A相当視図である。 未加工ワークをC2軸にローディングする状態を示す図17A相当視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
-スクロール加工機の構成-
図1Aは本発明の実施形態に係るスクロール加工機1を示す。このスクロール加工機1は、例えば、切削加工機であり、工場などの載置面に載置するベッド2を備える。スクロール加工機1は、研削盤など他の機械加工機でもよい。スクロール加工機1は、スクロール加工機1全体を制御する制御部40を備えている。この制御部40は、例えば、マイクロコンピュータよりなる。
詳しくは図示しないが、スクロール加工機1は、ベッド2の上方に、複数のワーク30(以下、適宜WA1,WA2,WB1,WB2ともいう)を交換するガントリローダを備えている。このガントリローダは、例えば、4本の垂直な支持柱と2本の水平な走行レールとを備え、これら2本の走行レールの上を1本の水平レールが水平移動に設けられている。この水平レールに昇降部材が上下昇降移動可能に設けられている。水平レール及び昇降部材を移動させるアクチュエータは、特に限定されず、例えば、エアシリンダ、電動モータ、油圧シリンダなどで構成されている。このような構成により、昇降部材は、ベッド2上の所定範囲内で移動可能となっている。これら支持柱、走行レール、水平レール、昇降部材及びこれらを駆動させるアクチュエータでローダが構成されている。
昇降部材には、例えば、図17Aに示す回転可能なロータリテーブル25が設けられており、このロータリテーブル25に3つのハンドチャックA,B,Cが設けられている。
図示しないが、ベッド2の側方には、未加工及び加工済のワークを載置するワークストッカが設けられている。ワークストッカは、ワーク30が搬出入されるコンベア状になっていてもよい。
第1工具5a及び第2工具5bは、図示しないツールストッカから制御部40の制御により自動で交換できるようになっていてもよい。
図1Aにおいて、スクロール加工機1のベッド2上には上下方向に延びるY軸コラム6aが設けられている。このY軸コラム6aに沿って昇降可能、すなわち、上下方向であるY軸方向に沿って移動可能にY軸テーブル6bが装着されている。
Y軸テーブル6bは、S1軸回りに回転可能に第1工具5aが回転可能に支持されていると共に、S2軸回りに回転可能に第2工具5bが回転可能に支持されている。図3に示すように、S1軸は、S1軸モータ4eによって、S2軸は、S2軸モータ4fによって、それぞれ独立して回転されるようになっている。Y軸テーブル6bは、Y軸コラム6a内に設けられたボールねじ機構(図示せず)、及び図3にのみ示すY軸モータ6c(Y軸アクチュエータ)によって昇降駆動されるようになっている。
図1A及び図17Aに示すように、ベッド2上には、S1軸及びS2軸と垂直なX軸方向に延びるX軸レール3bが設置され、このX軸レール3bに沿ってスライド可能にX軸テーブル3aが装着されている。このX軸テーブル3aは、図3にも示すように、X軸アクチュエータとしてのX軸モータ3cによってX軸方向にスライド駆動されるようになっている。
図17Aにも示すように、X軸テーブル3a上にはS1軸と平行なZ1軸方向に延びるレール4cが、S2軸と平行なZ2軸方向に延びるレール4dが、それぞれ設置され、これらのレール4c,4dに沿ってスライド可能にZ1軸テーブル4a、Z2軸テーブル4bがそれぞれ装着されている。Z1軸テーブル4aは、図3に示すZ1軸アクチュエータとしてのZ1軸モータ4gによってZ1軸方向に、Z2軸テーブル4bは、図3に示すZ2軸アクチュエータとしてのZ2軸モータ4hによってZ2軸方向に、それぞれ独立してスライド駆動されるようになっている。
Z1軸テーブル4aは、第1ワークとしてのワークWA1,WB1を着脱可能に把持する第1ワークチャック9aを備え、Z2軸テーブル4bは、第2ワークとしてのワークWA2,WB2を着脱可能に把持する第2ワークチャック9bを備えている。
第1ワークチャック9aは、C1軸モータ9cによって第1の主軸であるC1軸を中心に回転可能に設けられ、第2ワークチャック9bは、C2軸モータ9dによって第2の主軸であるC2軸を中心に回転可能に設けられている。
図17A等では、ワーク30は、円柱状に簡略化して描いているが、実際には、図2に拡大して示すように、このワーク30の前面(図2では手前面)には前方にスクロール状壁32が突設されている。このスクロール状壁32は、中心部34及びインボリュート曲線部35からなっている。中心部34は、スクロール状壁32の内壁面と外壁面との境界点をつなぐ所定領域に形成されており、円弧、直線等、インボリュート曲線以外の形状に形成されている。インボリュート曲線部35は、前記中心部34をつなぐ外壁面35A及び内壁面35Bを有し、両壁面35A,35Bは互いに同一の円を基礎円とするインボリュート曲線状に形成されている。したがって、前記X軸方向並びにY軸方向はともに前記基礎円の半径方向と合致する方向に設定されている。
このスクロール加工機1は、図3に示すような制御部40を備えている。この制御部40は、スクロール形状ワークの加工方法によるNCプログラムにしたがって前記Z1軸モータ4gを作動させることにより、一方のワーク30(第1ワークWB1)に対する第1工具5aの位置決めを行うとともに、前記X軸モータ3c、Y軸モータ6c、及びC1軸モータ9cの作動制御により前記ワーク30におけるスクロール状壁32の壁面加工を実行させる。また、制御部40は、前記NCプログラムに同期させて前記Z2軸モータ4hを作動させることにより、他方のワーク30(第2ワークWB2)に対する第2工具5bの位置決めを行うとともに、前記X軸モータ3c、Y軸モータ6c、及びC2軸モータ9dの作動制御により前記ワーク30におけるスクロール状壁32の壁面加工を実行させる。制御部40は、この加工制御に関与する機能として、データ読取り部42、補間データ演算部44、及びパルス分配部46を備えている。
データ読取り部42は、外部から入力されるNCデータ(スクロール状壁32の加工形状や送り速度等)を読取り、記憶するものである。補間データ演算部44は、データ読取り部42で読み取られたデータに基づき、前記スクロール状壁32を加工するための補間データ(詳細後述)を演算し、出力するものである。パルス分配部46は、前記補間データからX軸、Y軸、C1軸、C2軸、Z1軸、Z2軸、S1軸及びS2軸の各軸モータにパルスを分配し、各軸モータに出力するものである。
-スクロール加工機の作動-
(スクロール状壁の加工方法)
次に、この装置により実行されるスクロール状壁32の加工方法を説明する。
まず、図4(a)に示すように、第1工具5a及び第2工具5bの中心をインボリュート曲線の基礎円BCの中心に対しY軸方向に沿ってそれぞれ負の向き(下方)に基礎円半径ro分だけ相対的にずらし、このY軸位置で第1工具5a及び第2工具5bをインボリュート曲線部35の内壁面35Bの径方向外側部に対して図の右側から左側に向かってそれぞれ接触させる。このとき、X軸及びC1軸並びにX軸及びC2軸の動きにより、スクロール状壁の最外端を加工しながら所定の位置にそれぞれ接触させることも可能である。この状態で、第1工具5a及び第2工具5bと内壁面35Bとの接触点におけるこの内壁面35Bの法線方向は、X軸方向とそれぞれ合致している。
次に、この状態から、第1工具5aのY軸方向の相対位置及び第2工具5bのY軸方向の相対位置はそれぞれ変えることなく(すなわちY軸モータ6cは作動させることなく)、前記基礎円BCの中心回り(C1軸及びC2軸回り)に図の反時計回り方向にワーク30をそれぞれ回転させ、この回転に伴う内壁面35Bの半径減少分だけ一方のワーク30と第1工具5a及び他方のワーク30と第2工具5bとをX軸方向にそれぞれ相対移動させる。このような動作により、図4(b)及び(c)に示すように、第1工具5aと内壁面35Bとの接触点における壁面35Bの法線方向をX軸方向に保ちながら、また、第2工具5bと内壁面35Bとの接触点における壁面35Bの法線方向をX軸方向に保ちながら、内壁面35Bがその径方向外側部分から径方向内側部分に向かってそれぞれ加工されることとなる。
このような加工が進むうち、図6及び図7に示すように第1工具5a及び第2工具5bがそれぞれ前記インボリュート曲線状内壁面35Bから中心部34にさしかかり、さらに図5(a)に示すように中心部34を加工する領域では、図8~図11に示すように、前記X軸方向の相対移動及びC1軸回りの回転に加え、Y軸方向にも第1工具5aと一方のワーク30とを相対移動させ、両者の接触点における中心部34壁面の法線方向を常にX軸方向に保つようにする。また、前記X軸方向の相対移動及びC2軸回りの回転に加え、Y軸方向にも第2工具5bと他方のワーク30とを相対移動させ、両者の接触点における中心部34壁面の法線方向を常にX軸方向に保つようにする。
このようにして中心部34の加工を進めると、この中心部34の終点に達した時点では、図12に示すように、第1工具5a及び第2工具5bは基礎円中心に対してY軸方向に前記と逆向き(すなわち正の向き)に基礎円半径ro分だけそれぞれずれた位置に自動的に位置することとなる。この状態から、前記図4(a)~(c)に示したと同様に、Y軸方向の相対移動は行わず、ワーク30をC1軸回りに回転させ続けながら、X軸方向にのみ第1工具5aとワーク30とを相対移動させ、かつ、Y軸方向の相対移動は行わず、ワーク30をC2軸回りに回転させ続けながら、X軸方向にのみ第2工具5bとワーク30とを相対移動させることにより、図13、図14、さらには図5(b)及び(c)に示すように、インボリュート曲線部35の外壁面35Aをその径方向内側部分から径方向外側部分に向かって連続加工することができる。
すなわち、この方法は、スクロール状壁32における加工点にかかわらず、この加工点に対して終始同じ側から第1工具5aを接触させ、この接触点における壁面の法線方向を常にX軸方向に保ちながら一方のワーク30を回転させることにより、かつ、第2工具5bを接触させ、この接触点における壁面の法線方向を常にX軸方向に保ちながら他方のワーク30を回転させることにより、インボリュート曲線状内壁面35Bから中心部34を経てインボリュート曲線状外壁面35Aに至るまで連続加工できるようにしたものである。
詳しくは図示しないが、近年、スクロール形状ワーク30の小型化のため、従来のインボリュート曲線の代わりに代数螺旋が用いられるようになってきたが、加工原理は、インボリュート曲線と同じで、曲線の加工中に、徐々に変化する基礎円半径に合わせてY方向に移動することで、加工することができる。
(全体加工工程)
次に、本実施形態に係るスクロール加工機1の全体の作動について図15、図16等を用いて説明する。
まず、図15に示すように、ステップS01において、動作を開始する。
ステップS02において、図17Aに示すようにローダハンドB,Cは、それぞれ未加工ワークWB1,WB2を保持する。
次に、ステップS03において、C1軸でワークWA1が、C2軸でワークWA2が機械加工を終える。
ステップS04において、図17Bに示すようにローダが機内に侵入する。
ステップS05において、図17Cに示すように、C1軸チャックの加工済ワークWA1をAハンドでアンローディングする。
ステップS06において、図17Dに示すように、ローダハンドA,B,Cを旋回させる。
ステップS07において、Bハンドの未加工ワークWB1をC1軸にローディングする。
ステップS08において、図17Eに示すように、X軸テーブル3aを動かし、C1軸とC2軸の位置を入れ替える。
ステップS09において、図17Fに示すように、C2軸チャックの加工済ワークWA2をBハンドでアンローディングする。
ステップS10において、ローダハンドA,B,Cを旋回させる。
ステップS11において、図17Gに示すように、Cハンドの未加工ワークWB2をC2軸にローディングする。
ステップS12において、ローダが機外に退避する。
ステップS13において、C1軸のWB1及びC2軸のWB2が上述したスクロール状壁の加工方法に従って機械加工を開始する。そして、ローダは、加工済ワークWA1,WA2を払い出す。
(検査工程)
加工工程とは別に検査工程において適宜加工済ワークWA1,WA2の加工精度を測定する。
具体的には、まず、ステップS20で制御を開始し、ステップS21において、加工済ワークの寸法測定が行われる。
ステップS22において、渦厚さの測定を行う。つまり、インボリュート曲線状外壁面35Aとインボリュート曲線状内壁面35Bとの間の厚さを測定し、その測定結果を制御部が判定する。
渦厚さが規定よりも薄い場合には、工具径の誤差が生じていると考えられるので、ステップS23に進み、制御部40は、図1Aに示すように、温調器41に温度低下の指示を行う。
ステップS24でY軸ベースの温度を確認し、目標温度に達成するまで温度低下を行う。
温度低下が達成されると、ステップS25において、Y軸ベースの線膨張係数との関係からS1軸とS2軸との間の距離が短くなる。これにより、工具径の誤差が吸収されるので、ステップS26に進んで加工工程を再開する。
渦厚さが規定と比べて変化がない場合には、工具径の誤差が生じていないと考えられるので、ステップS26にそのまま進んで加工工程を再開する。
渦厚さが規定よりも厚い場合も、工具径の誤差が生じていると考えられるので、ステップS28に進み、制御部40は、図1Bに示すように、温調器41に温度上昇の指示を行う。
ステップS29でY軸ベースの温度を確認し、目標温度に達成するまで温度上昇を行う。
温度上昇が達成されると、ステップS30において、Y軸ベースの線膨張係数との関係からS1軸とS2軸との間の距離が長くなる。これにより、工具径の誤差が吸収されるので、ステップS26に進んで加工工程を再開する。
ステップS31で加工が完了すると、ステップS32で再び加工済ワークの少なくとも一部をワーク測定位置へ搬出し、検査工程が繰り返される。
したがって、本実施形態に係るスクロール加工機1によると、スクロール形状ワークの生産量を、精度を保ちながら倍増させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本発明におけるX軸方向とY軸方向は、それぞれ互いに直交する方向であって、インボリュート曲線の基礎円の径方向と合致する方向であれば、自由に設定が可能である。
本発明において、第1工具5a及び第2工具5bの種類は問わず、エンドミル、砥石をはじめとして壁面加工に適した種々の工具が適用可能である。
本発明は、スクロール状壁32の少なくとも一部における内外壁面がインボリュート形状に代表される渦巻き状に形成されたものに対して広く適用可能であり、それ以外の部分、例えばスクロール最外端36(図2)等の形状はどのような形状であってもよい。その加工については、本発明による加工方法又は他の加工方法を適宜用いればよい。
前記実施形態では、制御部の一例として、マイクロコンピュータを説明した。ただし、制御部は、スクロール加工機1及び温調器41を制御するものであれば、物理的にどのように構成してもよい。例えば、制御部は、マイクロコンピュータやプログラマブルロジック制御部(PLC)等のように、ソフトウェア(プログラム)を利用するものであってもよい。あるいは、制御部は、ハードウェア(回路部品)を組み合わせて実現してもよい。
前記実施形態では、温調器41でY軸テーブル6bを加熱又は冷却することにより、S1軸とS2軸との間の距離を調整するようにしたが、温調器41をX軸テーブル3aに設けてC1軸とC2軸との間の距離を調整して工具径の誤差を吸収するようにしてもよい。これは、X軸テーブル3a側にS1軸とS2軸が設けられている場合について適用されることはもちろんである。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 スクロール加工機
2 ベッド
3a X軸テーブル
3b X軸レール
3c X軸モータ(X軸アクチュエータ)
4a Z1軸テーブル
4b Z2軸テーブル
4c レール
4d レール
4e S1軸モータ
4f S2軸モータ
4g Z1軸モータ(Z1軸アクチュエータ)
4h Z2軸モータ(Z2軸アクチュエータ)
5a 第1工具
5b 第2工具
6a Y軸コラム
6b Y軸テーブル
6c Y軸モータ(Y軸アクチュエータ)
9a 第1ワークチャック
9b 第2ワークチャック
9c C1軸モータ
9d C2軸モータ
25 ロータリテーブル
30 スクロール形状ワーク
32 スクロール状壁
34 中心部
35 インボリュート曲線部
35A インボリュート曲線状外壁面
35B インボリュート曲線状内壁面
36 スクロール最外端
40 制御部
41 温調器
42 データ読取り部
44 補間データ演算部
46 パルス分配部
WA1,WB1 第1ワーク
WA2,WB2 第2ワーク
WA1,WA2 加工済ワーク
WB1,WB2 未加工ワーク

Claims (2)

  1. ベッドと、
    前記ベッド上で、X軸アクチュエータによってX軸に沿って移動可能なX軸テーブルと、
    前記X軸テーブル上で、Z1軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ1軸に移動可能なZ1軸テーブルと、
    前記X軸テーブル上で、Z2軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ2軸に移動可能なZ2軸テーブルと、
    前記Z1軸テーブルに設けられ、前記Z1軸に沿って延び、第1ワークがC1軸モータによって回転可能に取り付けられるC1軸と、
    前記Z2軸テーブルに設けられ、前記Z2軸に沿って延び、第2ワークがC2軸モータによって回転可能に取り付けられるC2軸と、
    前記X軸テーブルの対向位置に設けられたコラムと、
    前記コラムに設けられ、Y軸アクチュエータによって前記X軸及び前記Z1軸に垂直なY軸に沿って移動可能なY軸テーブルと、
    前記Y軸テーブルに設けられ、前記C1軸に平行に延び、第1工具が取り付けられる回転可能なS1軸と、
    前記Y軸テーブルに設けられ、前記C2軸に平行に延び、第2工具が取り付けられる回転可能なS2軸と、
    前記Y軸テーブルを加熱又は冷却することにより、前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整可能な温調器と、
    前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータを同期させて前記第1ワークのスクロール加工を行うと共に、前記C2軸モータを前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータの動きに合わせて同期させながら前記第1ワークと同一になるように前記第2ワークのスクロール加工を行うと共に、前記温調器を制御して前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整可能な制御装置と、を備えている
    ことを特徴とするスクロール加工機。
  2. ベッドと、
    前記ベッド上で、X軸アクチュエータによってX軸に沿って移動可能なX軸テーブルと、
    前記X軸テーブル上で、Z1軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ1軸に移動可能なZ1軸テーブルと、
    前記X軸テーブル上で、Z2軸アクチュエータによって前記X軸に垂直なZ2軸に移動可能なZ2軸テーブルと、
    前記Z1軸テーブルに設けられ、前記Z1軸に沿って延び、第1ワークがC1軸モータによって回転可能に取り付けられるC1軸と、
    前記Z2軸テーブルに設けられ、前記Z2軸に沿って延び、第2ワークがC2軸モータによって回転可能に取り付けられるC2軸と、
    前記X軸テーブルの対向位置に設けられたコラムと、
    前記コラムに設けられ、Y軸アクチュエータによって前記X軸及び前記Z1軸に垂直なY軸に沿って移動可能なY軸テーブルと、
    前記Y軸テーブルに設けられ、前記C1軸に平行に延び、第1工具が取り付けられる回転可能なS1軸と、
    前記Y軸テーブルに設けられ、前記C2軸に平行に延び、第2工具が取り付けられる回転可能なS2軸と、
    前記Y軸テーブルを加熱又は冷却することにより、前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整可能な温調器と、を備えたスクロール加工機を準備し、
    前記第1ワーク及び前記第2ワークの渦厚さの誤差を計測し、
    前記渦厚さの誤差を吸収するように、前記温調器の温度を調整して前記S1軸と前記S2軸との間の距離を調整し、
    前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータを同期させて前記第1ワークのスクロール加工を行うと共に、前記C2軸モータを前記X軸アクチュエータ、前記Y軸アクチュエータ及び前記C1軸モータの動きに合わせて同期させながら前記第1ワークと同一になるように前記第2ワークのスクロール加工を行う
    ことを特徴とするスクロール状ワークを加工する方法。
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