JP3784330B2 - 数値制御研削盤を制御する創成研削用ncデータの補正方法及びその方法を実施する数値制御研削盤 - Google Patents
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Description
【0001】
【従来の技術】
ベッド上に、クランクシャフト、カムシャフト等の工作物を回転可能に支持する工作物支持装置と、砥石を回転駆動可能に支承する砥石台を備え、この砥石台を工作物の回転に関連して進退移動し工作物を創成研削するNC制御研削盤はよく知られている。クランクシャフトのピン部などの研削箇所を創成研削する場合、研削箇所の寸法精度の要求は厳しく、通常のフィードバック制御系だけでは、工作物の剛性や研削抵抗の変化等により要求精度を満足することができず、従来は、試研削を行って得られた研削箇所の測定データに基づいてNCデータを補正することが行われていた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来方法では、研削箇所の仕上寸法と試研削された研削箇所の測定寸法との比を仕上寸法に乗じて補正仕上寸法を求め、この補正仕上寸法に基づいてNCデータを補正していただけであるので、動特性上満足できるNCデータの補正を行なうことができなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、工作物の回転中心と研削箇所の形状中心とを含む基準線からの各位相角度における研削箇所の形状中心から放射方向の各仕上寸法が定義された工作物を、工作物支持装置の主軸に前記基準線を位相決めして支持し、砥石が回転駆動可能に支承された砥石台を数値制御装置からの指令に基づいて前記工作物の回転と関連して工作物に向かって進退移動させて前記研削箇所を前記砥石により創成研削する数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法において、前記研削箇所を仕上寸法に創成するために前記工作物の回転と前記砥石台との進退移動を関連付けて指令する仕上NCデータにより前記数値制御研削盤を制御して前記工作物を創成研削し、該創成研削された研削箇所の前記基準線からの各位相角度における形状中心から放射方向の各測定寸法を計測し、前記各位相角度における仕上寸法及び測定寸法を夫々フーリェ変換して仕上寸法フーリェ級数及び測定寸法フーリェ級数を求め、前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅と前記測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅との各比を前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅に夫々乗じるとともに、前記測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相と前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相との各差を前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相から減算して補正寸法フーリェ級数を求め、該補正寸法フーリェ級数を逆フーリェ変換して前記各位相角度における補正寸法を求め、該各位相角度における補正寸法に基づいて補正NCデータを作成することである。
【0004】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法において、前記数値制御研削盤を前記補正NCデータにより制御して工作物を創成研削し、該補正NCデータにより創成研削された研削箇所の前記基準線からの各位相角度における形状中心から放射方向の各再測定寸法を計測し、前記各位相角度における再測定寸法をフーリェ変換して再測定寸法フーリェ級数を求め、前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅と前記再測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅との各比を前記補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅に夫々乗じるとともに、前記再測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相と前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相との各差を前記補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相から減算して再補正寸法フーリェ級数を求め、該再補正寸法フーリェ級数を逆フーリェ変換して各位相角度における各再補正寸法を求め、該各位相角度における各再補正寸法に基づいて再補正NCデータを作成することである。
【0005】
請求項3の発明は、請求項1に記載の数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法において、前記仕上 NC データにより研削した研削箇所の測定寸法フーリェ級数の振幅をみて前記補正寸法フーリェ級数の次数を設定することである。
【0006】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法を実施する数値制御研削盤において、前記各フーリエ級数の各周波数成分の振幅及び位相を前記数値制御装置にパラメータ設定可能としたことである。
【0007】
請求項5の発明は、請求項4に記載の数値制御研削盤において、フーリェ級数の取り扱い次数を前記数値制御装置にパラメータ設定可能としたことである。
【0008】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、工作物の研削箇所の基準線からの各位相角度における仕上寸法に基づいて作成されたNCデータにより創成研削し、創成研削された研削箇所の各位相角度における各測定寸法を計測し、これら各位相角度における仕上寸法及び測定寸法を夫々フーリェ変換して仕上寸法フーリェ級数及び測定寸法フーリェ級数を求め、仕上寸法フーリェ級数の測定寸法フーリェ級数に対する振幅比を周波数成分毎に求め、これを仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅に夫々乗じ、さらに測定寸法フーリェ級数の位相と仕上寸法フーリェ級数の位相との差を周波数成分毎にとり、各差を仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相から減算して補正寸法フーリェ級数を得、これを逆フーリェ変換して各位相角度における補正寸法を求め、この補正寸法に基づいて補正NCデータを作成するもので、NCデータを補正するための各位相角度における仕上寸法の補正をフーリェ級数に展開して各周波数成分にまで掘り下げて行なうことができ、動特性上高精度な補正が可能となり、工作物の研削箇所を高精度に研削することができる。
【0009】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1で得られた補正NCデータにより研削した研削箇所の各位相角度における寸法を再測定し、この再測定寸法をフーリェ級数に展開し、当該再測定寸法フーリェ級数に対する仕上寸法フーリェ級数の振幅比を周波数成分毎に求め、この振幅比を前記補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅に乗じ、再測定寸法フーリェ級数と仕上寸法フーリェ級数との位相差を各周波数成分毎に求め、この位相差を補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相より減算して、再補正寸法フーリェ級数を得、これを逆フーリェ変換して各位相角度における再補正寸法を求め、この再補正寸法に基づいて補正NCデータを再補正するもので、請求項1で求めた補正NCデータにより研削した研削箇所の測定結果に基づき補正NCデータを再補正して研削箇所を系の動特性に応じて二次補正し研削箇所をより高精度の創成研削することができる。
【0010】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、仕上 NC データにより研削した研削箇所の測定寸法フーリエ級数の振幅をみて補正寸法フーリェ級数の次数を設定することができるので、フーリェ級数の次数を必要最小限にして補正時間を短縮し、研削箇所の所望寸法精度を得るためのNCデータの補正を効率的に行なうことができる。
【0011】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、各フーリエ級数の各周波数成分の振幅及び位相を数値制御装置にパラメータとして設定できるので、NCデータの補正作業を容易に行なうことができる。
【0012】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、フーリェ級数の取り扱い次数をパラメータとして設定できるので、NCデータの補正作業を迅速かつ容易に行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法及びその方法を実施する数値制御研削盤の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、ベッド10上にはテーブル11が摺動可能に載置され、サーボモータにより回転駆動される送りねじ機構によりY軸方向に移動されるようになっている。テーブル11上には、工作物支持装置である一対の主軸台12が対向して載置され、各主軸台12には主軸13がY軸方向に回転可能に軸承され、各主軸13はサーボモータによりC軸回りに同期して回転駆動される。各主軸13の先端にはセンタが対向して突設され、この両センタ間に工作物であるクランクシャフトWの両端ジャーナル部Jが挟持され、工作物WはC軸回りの回転方向に位相決めされて主軸13に回転連結されている。クランクシャフトWには、研削箇所であるピン部Pがジャーナル部Jから偏心量Aだけ偏心して形成され、クランクシャフトWの回転中心であるジャーナル部Jの中心Woと研削箇所の形状中心Poであるピン部Pの中心とを含む線分が基準線Sであり、クランクピンWは基準線Sを位相合わせして主軸13に回転連結されている。NCデータの作成において、クランクシャフトWのピン部Pの仕上形状は、基準線Sからの反時計方向の各位相角度における形状中心Poから放射方向の各仕上寸法rにより定義される。ピン部Pでは、各位相角度θにおける形状中心Poから放射方向の各仕上寸法rはピン部Pの半径である。
【0014】
ベッド10上に設けられた案内ベース15には砥石台16が摺動可能に載置され、サーボモータ17により回転駆動される送りねじ機構18によりY軸と直角なX軸方向に進退移動される。砥石台16には先端に砥石Gが装着される砥石軸19がY軸方向に軸承され、砥石駆動モータにより回転駆動される。これにより、主軸台12の主軸13にクランクシャフトWを基準線Sを位相決めして支持し、砥石Gが回転駆動可能に支承された砥石台16を数値制御装置20からの指令に基づいて前記クランクシャフトWの回転と関連してクランクシャフトWに向かってX軸方向に進退移動させてピン部Pを砥石Gにより創成研削することができる。
【0015】
数値制御装置20は、インターフェース21、ドライバ22を介して主軸駆動用サーボモータ及び砥石台駆動用サーボモータ17に接続され、後述する仕上NCデータ等の創成研削用NCデータに基づいて両サーボモータに駆動指令を送出し、主軸13の回転に関連して砥石台16を進退移動する。
【0016】
図2は、砥石台16をクランクシャフトWの回転に関連してX軸方向に進退移動させてピン部Pを砥石Gにより創成研削するNCデータを作成するために、クランクシャフトW、即ち基準線Sの各回転角度τにおけるクランクシャフトWの回転中心Woと砥石Gの回転中心Goとの間のWo−Go間距離Xを算出する方法を示す説明図である。クランクシャフトWは主軸13に支持されて回転中心Wo回りに反時計方向に回転され、クランクシャフトWの回転角度τは、クランクシャフトWの回転中心Woと砥石Gの回転中心Goとを結ぶ線分Wo−Goに対して基準線Sが反時計方向に回転した角度である。この状態においてピン部Pは砥石Gにより研削点Qにおいて接触して研削加工され、線分Po−Qが基準線Sとなす角度が位相角度θとなり、ピン部Pの形状中心Poと研削点Qとを結ぶ線分Po−Qの長さrが、位相角度θにおけるピン部Pの形状中心Poから放射方向の仕上寸法rとなる。工作物Wの回転角度τにおけるクランクシャフトWの回転中心Woと砥石Gの回転中心Goとの間の距離Xは、(X−Acosτ)2 =(R+r)2−A2sin2τ なる関係からX=Acosτ+√((R+r)2−A2sin2τ)・・・(1)となる。ここにおいて、Aは工作物Wの回転中心Woとピン部Pの形状中心Poとの間の偏心量、Rは砥石Gの半径である。なお、研削箇所がピン部の場合は、仕上寸法rは一定値である。
【0017】
工作物Wの回転角度τと研削点Qの位相角度θとの関係は、X/sinθ=(R+r)/sinτからsinθ=Xsinτ/(R+r)・・・(2)となる。上記(1),(2)式から工作物Wの各回転角度τ、即ち主軸13の各回転角度に対応して、研削点Qの各位相角度θ、及び各位相角度θにおける各仕上寸法rに基づいてクランクシャフトWの回転中心Woと砥石Gの回転中心Goとの間の距離Xが算出され、算出した距離Xから主軸13の各回転角度τにおける砥石台16のX軸方向位置が求められ、砥石Gが支承された砥石台16をクランクシャフトWを支持する主軸13の回転に関連してX軸方向に進退移動させてピン部Pを砥石Gにより創成研削する創成研削用NCデータが作成される。このように研削箇所の仕上寸法rに基づいて作成された仕上NCデータは数値制御装置20のNCデータ記憶エリア23に記憶される。
【0018】
図3は、基準線Sからの各位相角度θにおけるピン部Pの形状中心Poからの放射方向の測定寸法rmを計測する方法を示す説明図である。クランクシャフトWは測定機のセンタ間に支持されて回転中心Wo回りに反時計方向に回転され、クランクシャフトWの回転角度τは、水平線Lに対して基準線Sが反時計方向に回転した角度である。この状態においてピン部Pの頂部Tと水平線Lとの間の距離Hが測定され、線分Po−Tが基準線Sとなす角度が位相角度θとなり、頂部Tとピン部Pの形状中心Poとを結ぶ線分Po−Tの長さrmが、位相角度θにおけるピン部Pの形状中心Poから放射方向の測定寸法rmである。測定寸法rmは、距離H、ピン部Pの偏心量A及びクランクシャフトWの回転角度τから、H=rm+Asinτ・・・(3)により算出される。頂部Tの位相角度θは、θ=π+(π/2−τ)=3/2π−τ・・・(4)で算出される。このように研削されたピン部Pの各位相角度θにおける測定寸法rmは数値制御装置20の測定寸法記憶エリア24に記憶される。
【0019】
次に、上記数値制御研削盤の作動とともに、数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法について説明する。クランクシャフトWのジャーナル部Jを主軸13に基準線Lを主軸13の基線に位相合わせして取り付け、仕上NCデータにより主軸13、砥石台16をサーボモータにより関連付けて駆動し、ピン部Pを砥石Gにより創成研削する(ステップ31)。研削したクランクシャフトWを主軸13から取り外し、測定機のスピンドルに基準線Lをスピンドルに位相合わせして両端のジャーナル部Jで挟持し、クランクシャフトWの各回転角度τに対するピン部Pの頂部Tの水平線Lからの距離Hを測定する(ステップ32)。測定した距離Hから式(3),(4)式に基づいて各位相角度θにおけるピン部Pの測定寸法rmが求められ、数値制御装置20の測定寸法記憶エリア24に記憶される(ステップ33)。数値制御装置20では、各位相角度θにおける仕上寸法r及び測定寸法rmを夫々フーリェ展開し、仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅Ark=√(ark 2+brk 2)と、測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅Armk=√(armk 2+brmk 2)との各比Ark/Armkを求め、この各比を仕上寸法フーリェ級数の振幅Arkに各周波数成分毎に乗じて補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅Arckを得る。測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrmk=tan-1armk/brmkと、仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrk=tan-1ark/brkとの各差(φrmk−φrk)を仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrkから減算して補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrckを得る(ステップ34)。この補正寸法フーリェ級数を逆フーリェ変換してピン部Pの各位相角度θにおける各補正寸法rcを求め(ステップ35)、該各位相角度θにおける補正寸法rcと仕上寸法rとの差(rc−r)に基づいて仕上NCデータを補正して補正NCデータを作成し、NCデータ記憶エリア23に記憶する(ステップ36)。この仕上NCデータの補正方法の一例としては、式(1),(2)により算出された工作物Wの回転角度τにおける砥石Gの回転中心GoとクランクシャフトWの回転中心Woとの間の距離Xに(rc−r)×cos(π−τ−θ)を加算して距離Xを補正し、この補正された距離Xに基づいて補正NCデータを作成する。
【0020】
仕上寸法フーリェ級数及び測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅及び位相は、数値制御装置20の振幅記憶エリア25及び位相記憶エリア26に周波数毎にフーリェ級数別にパラメータとして設定できるようになっている。また、測定寸法フーリェ級数の振幅が十分小さくなった次数でフーリェ級数展開を終了し、計算時間の短縮を図るために、フーリェ級数の次数を数値制御装置20の次数記憶エリア27にパラメータとして設定できるようになっている。
【0021】
さらに、補正NCデータの補正が必要な場合、クランクシャフトWを主軸13に位相合わせして取り付け、補正NCデータによりピン部Pを砥石Gにより試し創成研削する(ステップ41)。研削したクランクシャフトWを測定機に取り付け、各回転角度τに対するピン部Pの頂部Tの水平線Lからの距離Hを測定する(ステップ42)。測定した距離Hから各位相角度θにおける再測定寸法rmmが求められ、数値制御装置20の測定寸法記憶エリア24に記憶される(ステップ43)。数値制御装置20では、各位相角度θにおける仕上寸法r及び再測定寸法rmmを夫々フーリェ展開し、仕上寸法フーリェ級数の振幅Arkと、再測定寸法フーリェ級数の振幅Armk=√(armmk 2+brmmk 2)との比Ark/Armmkを周波数成分毎に求め、この各比を補正寸法フーリェ級数の振幅Arckに各周波数成分毎に乗じて、再補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅Arcckを得る。再測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrmmk=tan-1armmk/brmmkと、仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrkとの各差(φrmmk−φrk)を補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrckから減算して再補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相φrcckを得る(ステップ44)。この再補正寸法フーリェ級数を逆フーリェ変換してピン部Pの各位相角度θにおける各再補正寸法rccを求め(ステップ45)、該各位相角度θにおける再補正寸法rccと補正寸法rcとの差(rcc−r)に基づいて補正NCデータを補正して再補正NCデータを作成し、NCデータ記憶エリア23に記憶する(ステップ46)。この再補正NCデータの作成は、工作物Wの回転角度τにおける補正されたGo−Wo間距離、X+(rc−r)×cos(π−τ−θ)に、(rcc−r)×cos(π−τ−θ)を加算して再補正されたGo−Wo間距離、X+(rc+rcc−2r)×cos(π−τ−θ)に基づいて行なわれる。再測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅及び位相も数値制御装置20の振幅記憶エリア25及び位相記憶エリア26に周波数毎にパラメータとして設定される。
【0022】
上記実施形態では、クランクシャフトのピン部を研削しているが、カムシャフトのカム部の場合は、カムシャフトの回転中心とカム部の形状中心とが一致するので、回転中心と形状中心とを含む基準線Lの他端をカム部のベース円の中央部に設定するとよい。基準線Lからの各回転位相における形状中心から放射方向の各仕上寸法が定義されたカムを研削するための仕上NCデータの作成は公知の方法により作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である数値制御研削盤の概略図。
【図2】 クランクシャフトの各回転角度τにおけるクランクシャフトの回転中心と砥石の回転中心との間の距離Xを算出する方法を示す説明図。
【図3】 各位相角度におけるピン部の形状中心からの放射方向の測定寸法を計測する方法を示す説明図。
【図4】 仕上NCデータを補正して補正NCデータを得るフロー図。
【図5】 補正NCデータを再補正して再補正NCデータを得るフロー図。
【符号の説明】
12・・・主軸台、13・・・主軸、16・・・砥石台、17・・・サーボモータ、20・・・数値制御装置、25・・・振幅記憶エリア、26・・・位相記憶エリア、27・・・次数記憶エリア、G・・・砥石、W・・・クランクシャフト(工作物)、P・・・ピン部(研削箇所)。
Claims (5)
- 工作物の回転中心と研削箇所の形状中心とを含む基準線からの各位相角度における研削箇所の形状中心から放射方向の各仕上寸法が定義された工作物を、工作物支持装置の主軸に前記基準線を位相決めして支持し、砥石が回転駆動可能に支承された砥石台を数値制御装置からの指令に基づいて前記工作物の回転と関連して工作物に向かって進退移動させて前記研削箇所を前記砥石により創成研削する数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法において、前記研削箇所を仕上寸法に創成するために前記工作物の回転と前記砥石台との進退移動を関連付けて指令する仕上NCデータにより前記数値制御研削盤を制御して前記工作物を創成研削し、該創成研削された研削箇所の前記基準線からの各位相角度における形状中心から放射方向の各測定寸法を計測し、前記各位相角度における仕上寸法及び測定寸法を夫々フーリェ変換して仕上寸法フーリェ級数及び測定寸法フーリェ級数を求め、前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅と前記測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅との各比を前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅に夫々乗じるとともに、前記測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相と前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相との各差を前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相から減算して補正寸法フーリェ級数を求め、該補正寸法フーリェ級数を逆フーリェ変換して前記各位相角度における補正寸法を求め、該各位相角度における補正寸法に基づいて補正NCデータを作成することを特徴とする数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法。
- 前記数値制御研削盤を前記補正NCデータにより制御して工作物を創成研削し、該補正NCデータにより創成研削された研削箇所の前記基準線からの各位相角度における形状中心から放射方向の各再測定寸法を計測し、前記各位相角度における再測定寸法をフーリェ変換して再測定寸法フーリェ級数を求め、前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅と前記再測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅との各比を前記補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の振幅に夫々乗じるとともに、前記再測定寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相と前記仕上寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相との各差を前記補正寸法フーリェ級数の各周波数成分の位相から減算して再補正寸法フーリェ級数を求め、該再補正寸法フーリェ級数を逆フーリェ変換して各位相角度における各再補正寸法を求め、該各位相角度における各再補正寸法に基づいて再補正NCデータを作成することを特徴とする請求項1に記載の数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法。
- 前記仕上 NC データにより研削した研削箇所の測定寸法フーリェ級数の振幅をみて前記補正寸法フーリェ級数の次数を設定することを特徴とする請求項1に記載の数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の数値制御研削盤を制御する創成研削用NCデータの補正方法を実施する数値制御研削盤において、前記各フーリエ級数の各周波数成分の振幅及び位相を前記数値制御装置にパラメータ設定可能としたことを特徴とする数値制御研削盤。
- フーリェ級数の取り扱い次数を前記数値制御装置にパラメータ設定可能としたことを特徴とする請求項4に記載の数値制御研削盤。
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