JPH0529350U

JPH0529350U - 鑑賞用生花鮮度保持容器

Info

Publication number: JPH0529350U
Application number: JP2584791U
Authority: JP
Inventors: 真之伏見; 光一小林
Original assignee: 日本真空技術株式会社; 日本生花販売機構株式会社
Priority date: 1991-04-17
Filing date: 1991-04-17
Publication date: 1993-04-20

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】切り花や装飾用小物を生けた生花を、長期間鮮
度を保持した状態で貯蔵できると共にそのままで鑑賞用
として使用する。【構成】上部に排気孔を備えた透明素材より成るカバー
部２と、このカバー部２の下部開放端部に嵌合する底板
部と、底板部の凹部７内に、切り花や装飾用小物を挿す
ための多孔質吸水体４を装着し、カバー部２の下部又は
底板部の凹部７以外の部分に少なくとも一つの通気用小
孔６を設け、多孔質吸水体４に切り花や装飾用小物を挿
して生けた状態で容器内を真空排気してガス置換をした
後、排気孔５にガス選択透過膜８を接着すると共に通気
用小孔６にガス透過能の小さい膜９を接着して密閉する
ようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、切り花や装飾用小物を効果的に生けた生花を、長期間鮮度を保持した状態で貯蔵及び鑑賞できるようにした鑑賞用生花鮮度保持容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に切り花は、鮮度保持が難しいことから切り取った翌日には段ボール箱やプラスチックケースなどに詰めて出荷され、トラックや船、飛行機などの輸送手段で輸送されている。そして、店頭では、前記の方法で輸送された切り花を水にさして販売が行われている。また空調、保冷したショーケースの中に収め、鮮度を保ちながらの販売も行われている。更に最近では、プラスチックケースに詰めた切り花を販売する保冷式自動販売機も見かけられる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、現在行われている切り花の輸送方法はほとんどが常温輸送であり、蓄冷剤や保冷コンテナ等を利用した低温輸送も一部で行われているが、予冷が不十分であることや温度管理の不備等により輸送中に鮮度保持されているとは言えない。また、店頭においても、保冷設備が十分でなく、花を挿した水を替えるのに手間がかかる等の理由により、十分な鮮度保持は行われていない。更に、自動販売機で売っている切り花も花屋さんが一つ一つプラスチックケースに詰めており、手間が掛かるばかりでなく、温度管理がしっかりしていないこともあり、鮮度保持が十分にされているとは言えない。

【０００４】本考案は、上記の問題に鑑みてなされ、工場等で切り花や装飾用小物を生けた生花を均一な品質で大量生産でき、長期間鮮度を保持した状態で貯蔵できると共にそのままで鑑賞用として使用でき、更に自動販売機で販売可能な切り花用の容器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案の鑑賞用生花鮮度保持容器は、上部に排気孔を備えた透明素材より成るドーム形、円筒形、箱形などのカバー部と、凹部を備えた前記カバー部の下部開放端部に嵌合する底板部と、前記底板部の凹部内に装着し、切り花や装飾用小物を挿すための多孔質吸水体から成る容器であり、前記カバー部の下部又は底板部の凹部以外の部分に少なくとも一つの通気用小孔を設け、前記多孔質吸水体に切り花や装飾用小物を挿して生けた状態で前記容器内を真空排気してガス置換をした後、前記排気孔にガス選択透過膜を接着すると共に前記通気用小孔にガス透過能の小さい膜を接着して密閉するようにしたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

このように構成した本考案の鑑賞用生花鮮度保持容器においては、カバー部を外した状態で、底板部の凹部に装着した多孔質吸水体に水を含ませて或いは水を含ませずに切り花や装飾用小物を効果的に生けることができ、また組み立てた容器内を、カバー部上部の排気孔から真空排気することで中の切り花を真空冷却できる。冷却後、減圧下から大気圧まで、呼吸作用抑制用のガス例えば二酸化炭素ガス及び窒素ガスを通気用小孔から導入し、排気孔にガス選択透過膜を接着すると共に通気用小孔にガス透過能の小さい膜を接着して密閉することにより、容器内は導入したガスと置換できる。その結果、ガス選択透過膜によって容器内部は切り花の品質を保持する最適のガス組成に調節されるので、輸送時及び貯蔵時は温度を低温に保つだけで長期間鮮度を保持できる。更に、そのままで鑑賞用となり、若しくは鑑賞に際して接着したガス透過能の小さい膜及びガス選択透過膜を剥しても、カバー部によって切り花が周囲の空気の流れから保護されて日持ちがよくなる。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面の図１及び図２を参照して本考案の実施例について説明する。図１及び図２には、本考案の一実施例による鑑賞用生花鮮度保持容器の構成が示されている。この実施例の鑑賞用生花鮮度保持容器１は、カバー部２と、底板部３と、多孔質吸水体４とを主な構成として備えている。カバー部２は透明素材、例えば透明なプラスチックによりドーム状に形成されており、その上部には排気孔５が開設され、下部には通気用小孔６が開設されている。底板部３はプラスチック製で、前記カバー部２の下部開放端部２ａに嵌合するように周縁部３ａが形成されおり、その略中央には凹部７が形成されている。多孔質吸水体４は切り花や装飾用小物を挿すためのものであり、底板部３の凹部７内に装着される。その材料は吸水性があって、切り花や装飾用小物を挿すことができるものであれば何でもよく、この実施例では凹部７内に装着可能な大きさに予めカットされた「オアシス」（商品名）が用いられている。また、８は排気孔５に接着されるシリコーン系高分子膜からなるガス選択透過膜であり、９は通気用小孔６に接着されるガス透過能の小さいポリエチレン製の膜である。なお、前記カバー部２の内面には防曇処理が施されている。また、この実施例では通気用小孔６がカバー部２の下部に設けられているが、底板部３の凹部７以外の部分に設けてもよい。

【０００８】次に、この実施例の作用について、使用例にもとづいて説明する。まず、底板部３の凹部７に予め水を含ませたもしくは含ませない多孔質吸水体４を装着し、この多孔質吸水体４に切り花や装飾用小物を挿して生けた後、ドーム形カバー部２を被せ、その下部開放端部２ａを底板部３の周縁部３ａに嵌合させて気密にシールし、鑑賞用生花鮮度保持容器１を組み立てる。この際、ビニールテープを用いてシールしてもよい。この状態で前記容器１を真空槽内に入れ、真空槽ごと容器１内を真空ポンプで減圧にして切り花を真空冷却し、真空冷却後、真空槽内に呼吸抑制用のガスとして二酸化炭素ガス及び窒素ガスを減圧下から大気圧まで導入し、容器１内を導入したガスで置換する。このとき、容器１のガスの出入りは排気孔５及び通気用小孔６を介して行われる。次に、前記容器１を真空槽から取り出し、排気孔５にシリコーン系高分子膜からなるガス選択透過膜８を接着すると共に通気用小孔６にガス透過能の小さいポリエチレン製の膜９を接着して容器１を密封する。このようにして鑑賞用生花鮮度保持容器１内に封入された切り花は、呼吸抑制用のガス雰囲気中に置かれ、しかもガス選択透過膜８によってこの雰囲気が維持されるので、輸送時及び貯蔵時は比較的低温に保つだけで長時間鮮度を保持することができる。また、カバー部２の内面には防曇処理が施されているので、そのままの状態で生花を鑑賞することができ、若しくは鑑賞に際して、接着したポリエチレン製の膜９及びガス選択透過膜８を剥しても、カバー部２によって切り花が周囲の空気の流れから保護されて日持ちがよい。

【０００９】なお、本考案は上記の実施例に限定されることなく、本考案の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。例えば、上記の実施例ではカバー部２の形状をドーム形としたが、円筒形や箱形でもよい。また材質もプラスチックの代わりにガラスでもよい。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように、本考案の鑑賞用生花鮮度保持容器を用いれば、切り花や装飾用小物を生けた生花を工場で大量生産でき、それを真空冷却及びガス置換して比較的低温に保つだけで切り花を生けた状態で長期間鮮度保持ができるので、容器ごと低温下で輸送して、保冷式自動販売機で販売することができる。また、容器のまま生花を鑑賞できるので、生ける手間が掛からない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の鑑賞用生花鮮度保持容器の分
解斜視図。

【図２】本考案実施例の鑑賞用生花鮮度保持容器の使
用状態を示す断面説明図。

【符号の説明】

１：鑑賞用生花鮮度保持容器２：カバー部 2a：カバー部の下部開放端部３：底板部 3a：底板部の周縁部４：多孔質吸水体５：排気孔６：通気用小孔７：凹部８：ガス選択透過膜９：ガス透過能の小さい膜

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上部に排気孔を備えた透明素材より成るド
ーム形、円筒形、箱形などのカバー部と、凹部を備えた
前記カバー部の下部開放端部に嵌合する底板部と、前記
底板部の凹部内に装着し、切り花や装飾用小物を挿すた
めの多孔質吸水体から成る容器であり、前記カバー部の
下部又は底板部の凹部以外の部分に少なくとも一つの通
気用小孔を設け、前記多孔質吸水体に切り花や装飾用小
物を挿して生けた状態で前記容器内を真空排気してガス
置換をした後、前記排気孔にガス選択透過膜を接着する
と共に前記通気用小孔にガス透過能の小さい膜を接着し
て密閉するようにしたことを特徴とする鑑賞用生花鮮度
保持容器。
【請求項２】前記カバー部の少なくとも内面に防曇処理
が施されていることを特徴とする請求項１記載の鑑賞用
生花鮮度保持容器。