JPH05293284A - ミシンの糸通し装置 - Google Patents

ミシンの糸通し装置

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JPH05293284A
JPH05293284A JP4100884A JP10088492A JPH05293284A JP H05293284 A JPH05293284 A JP H05293284A JP 4100884 A JP4100884 A JP 4100884A JP 10088492 A JP10088492 A JP 10088492A JP H05293284 A JPH05293284 A JP H05293284A
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hook
needle
sewing
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修 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸通し用フック29を縫針14,15の目孔
14a,15a内に進入させる時、フック部29bを縫
針14,15に衝突させることなく、糸通し用フック2
9の破損を確実に防止する。 【構成】 操作レバー28の操作により、糸通しフレー
ム19を左右方向へ回動動作させて糸通し用フック29
を2本の縫針14,15のうちの一つに選択して対応さ
せる。その際、糸通し用フレーム19をその上部を回動
支点とし、その回動支点と糸通し用フック29との間の
距離を長くしたから、糸通し用フック29がほとんど傾
かなくなり、糸通し用フック29を縫針14,15に衝
突させることなく、目孔14a,15a内に進入させ
て、糸通しを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の縫針が取付けら
れた針棒を備えたミシンに取付けるものであって、縫針
の目孔に糸を通すミシンの糸通し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の縫針が取付けられた針棒を備えた
ミシンである例えばロックミシンの糸通し装置の一例と
して、特開平3−133483号公報に記載されたもの
がある。この構成では、図16に示すように、軸1を左
右方向に沿って配置すると共に、該軸1をその軸心を回
動支点として回動可能に設け、この軸1の左端に固定部
材2を介して糸通し部材3を取付けている。この糸通し
部材3の先端に、糸掛針4(糸通し用フックに相当す
る)が配設されている。
【0003】この構成の場合、右の縫針6に糸を通すと
きは、図16中実線で示すように、固定部材2を調節し
て糸通し部材3を軸1に直交するようにセットし、糸掛
針4を縫針5の目孔に対応させる。この後、軸1を回動
させることにより、糸通し部材3を縫針6の後方から該
縫針6に近付け、糸掛針4を縫針6の目孔内に進入させ
る。そして、糸掛針4に糸を掛けた後、軸1を逆方向へ
回動させて糸掛針4を縫針6の目孔内から後退させるこ
とにより、糸を縫針6の目孔内に通すようにしている。
【0004】一方、左の縫針5に糸を通すときは、図1
6中二点鎖線で示すように、固定部材2を調節して糸通
し部材3を軸1に対して傾けてセットし、糸掛針4を縫
針5の目孔に対応させる。この後、軸1を回動させるこ
とにより、上述した縫針6の場合とほぼ同様にして、糸
掛針4を縫針5の目孔内に進入させ、後退させることに
より、糸を縫針5の目孔内に通す。これにより、ピンセ
ット等を使用して糸通しを行う場合に比べて、糸通し作
業が簡単になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記構成では、糸掛針
4は細長い薄板から構成されており、図17に示すよう
に、糸掛針4を右の縫針6の目孔6a内に進入させる場
合、糸掛針4と目孔6aの内面との間には十分な隙間が
ある。ところが、糸掛針4を左の縫針5の目孔5a内に
進入させる場合、図17に示すように、糸掛針4が傾く
ので、糸掛針4と目孔5aの内面との間の隙間がかなり
小さくなる。このため、糸掛針4を左の縫針5の目孔5
a内に進入させるとき、糸掛針4が縫針5に衝突したり
することがあり、糸掛針4つまり糸通し用フックが破損
するおそれがあった。
【0006】そこで、本発明の目的は、複数の縫針に糸
通しを行うことができるものでありながら、糸通し用フ
ックの破損を確実に防止できるミシンの糸通し装置を提
供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のミシンの糸通し
装置は、上下動可能に設けられ複数の縫針が取付けられ
た針棒及びこの針棒に同期して揺動されるルーパーを備
えたミシンの糸通し装置において、前記針棒の近傍に配
置され上部を回動支点として左右方向へ回動可能に設け
られた糸通しフレームを備え、この糸通しフレームに上
下方向に沿って設けられた糸通し棒を備え、この糸通し
棒に設けられ該糸通し棒の軸心を回動支点とする回動に
応じて前記縫針の目孔内に進入及び前記目孔内から後退
する糸通し用フックを備え、そして、前記糸通しフレー
ムの左右方向への回動動作に応じて前記糸通し用フック
を前記複数の縫針のうちの一つに選択して対応させる選
択手段を備えたところに特徴を有する。
【0008】
【作用】上記手段によれば、選択手段により、糸通しフ
レームを左右方向へ回動動作させて糸通し用フックを複
数の縫針のうちの一つに選択して対応させ、この対応さ
せた状態で、糸通し用フックを回動させて縫針の目孔内
に進入及び目孔内から後退させて糸通しを行う。この場
合、糸通し用フックを複数の縫針のうちの一つに対応さ
せるのに際して、糸通しフレーム全体をその上部を回動
支点として回動させる構成としたから、糸通し用フック
と回動支点との間の距離が長くなる。このため、糸通し
フレームの回動に応じて糸通し用フックが回動したとき
に、糸通し用フックはほとんど傾かなくなる。
【0009】従って、糸通し用フックを縫針の目孔内に
進入させたとき、糸通し用フックと目孔の内面との間の
隙間が小さくなることがなくなる。このため、糸通し用
フックを縫針の目孔内に進入させるとき、糸通し用フッ
クが縫針に衝突することがなくなり、糸通し用フックの
破損を確実に防止できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を2本針タイプのロックミシン
に適用した一実施例について図1ないし図15を参照し
ながら説明する。
【0011】まず、図1及び図2において、針棒11
は、ミシン本体12の支持部12a及び12bに針棒支
持体12c及び12dを介して上下動可能に設けられて
いる。ミシン本体12は、図示しないミシンベッド部及
びミシンアーム部から構成されている。上記針棒11の
下端部には、針取付部13を介して複数この場合例えば
2本の縫針14及び15が左右に並べて取付けられてい
る。この場合、左の縫針14の針先の方が右の縫針15
の針先よりも高くなっている。即ち、左の縫針14の目
孔14aの位置の方が右の縫針15の目孔15aの位置
よりも高くなっている。
【0012】上記針棒11の中間部分には、針棒抱き1
6が固定されており、この針棒抱き16にリンク機構1
7が連結されている。針棒11は、図示しないミシンモ
ータからの駆動力が上軸、クランク機構(いずれも図示
しない)及びリンク機構17を介して伝達されることに
より、上下方向に往復駆動されるようになっている。上
記針棒11のうちの針棒抱き16の下部には、位置決め
ストッパ18が固定されている。この位置決めストッパ
18の左端部には、図7にも示すように、受け部18a
が突設されている。
【0013】また、ミシン本体12の上部の支持部12
aには、糸通しフレーム19の上端部19aが軸20を
介して軸支されている。これにより、糸通しフレーム1
9は、針棒11の近傍この場合前側に配置された状態
で、上部を回動支点として左右方向へ回動可能に設けら
れている。糸通しフレーム19の右端下部とミシン本体
12との間には、コイルばね21が設けられており、こ
のコイルばね21のばね力により糸通しフレーム19が
右方へ回動付勢されている。
【0014】上記糸通しフレーム19には、図3にも示
すように、下端部に下支持片部19bが後方へ向けて折
曲形成されていると共に、中間部位左側に中間支持片部
19cが後方へ向けて折曲形成されている。下支持片部
19bの右端側には、ほぼU字状の案内凹部が形成され
ており、この案内凹部内に針棒11が配置されるように
なっている。具体的には、支持部12bに固定された針
棒支持体12dの下端部が、上記案内凹部内に配置され
ている。
【0015】また、下支持片部19bの左端側に形成さ
れた貫通孔及び中間支持片部19cに形成された貫通孔
内には、糸通し棒22が挿通支持されて上下動可能に構
成されている。これにより、糸通し棒22は糸通しフレ
ーム19に上下方向に沿って設けられ、針棒11にほぼ
平行に配置されている。
【0016】上記糸通し棒22の下端側には、フック保
持部材23が取付けられている。このフック保持部材2
3の上下両端には、図4にも示すように、上支持片部2
3a及び下支持片部23bが突設されており、これら支
持片部23a,23bに形成された貫通孔内に糸通し棒
22が挿通されている。そして、フック保持部材23の
下端における下支持片部23bの反対側には、摘み部2
3cが図4中左方へ向けて突設されている。
【0017】また、糸通し棒22の上部側には、位置決
め部材24が取付けられている。この位置決め部材24
の上下両端には、上支持片部24a及び下支持片部24
bが突設されており、これら支持片部24a,24bに
形成された貫通孔内に糸通し棒22が挿通されている。
位置決め部材24の右端上部には、位置決め突部24c
が形成されている。この位置決め突部24cは、前記位
置決めストッパ18の受け部18aの上面に当接するも
のである。また、位置決め部材24の下支持片部24b
の前部には、軸部24dが突設されており、この軸部2
4dが糸通しフレーム19の左端縁部に形成された案内
溝部19d内に嵌合されている。
【0018】上記位置決め部材24の下支持片部24b
の左端には係合凹部24eが形成され、一方、フック保
持部材23の上支持片部23aの上面には係合突部23
dが突設されており、この係合突部23dが上記係合凹
部24eに係合している。これにより、フック保持部材
23と位置決め部材24とが連結されて一体に回動する
ようになっている。尚、フック保持部材23の上支持片
部23aと位置決め部材24の下支持片部24bとの間
には、コイルばね25が設けられている。
【0019】そして、位置決め部材24の下支持片部2
4bと糸通しフレーム19の上端部19aとの間には、
図1及び図2に示すように、コイルばね26が設けられ
ている。このコイルばね26のばね力により、位置決め
部材24、フック保持部材23及び糸通し棒22が上方
へ向けて移動付勢されている。
【0020】また、位置決め部材24の下端部には、図
5に示すように、位置決め孔24fが形成されている。
この位置決め孔24fの下側開口縁部には、位置決め部
24g及び24hが左右に形成されており、これら位置
決め部24g及び24hに、糸通し棒22に直角に突設
されたピン27が選択的に嵌合するようになっている。
この場合、図5中左側の位置決め部24gの高さ位置が
図5中右側の位置決め部24hの高さ位置よりも高くな
っている。
【0021】一方、糸通し棒22の中間部分には、選択
手段である例えばレバー部材28が回動可能に設けられ
ている。このレバー部材28は、図6に示すように、ほ
ぼL字状をなしており、横向きに延びる基板部28aと
上下方向に延びる立設片部28bとからなる。基板部2
8aには貫通孔28cが形成されており、この貫通孔2
8c内に糸通し棒22が挿通されている。
【0022】上記立設片部28bには、上下方向に延び
る案内溝28dが形成されており、この案内溝28d内
に糸通し棒22のピン27が嵌合している。また、基板
部28aの手前側端部には、操作摘み部28eが前方へ
向けて突設されている。この操作摘み部28eは、糸通
しフレーム19の下端部に形成された開口部19eを通
って前方へ突出されている。
【0023】ここで、基板部28aの右端部には、糸通
しフレーム19の回動位置を決めるための位置決め部2
8f及び28gが形成されている。これら位置決め部2
8f及び28gは、ミシン本体12の支持部12bの針
棒支持体12dの下端部側面に選択的に当接するもので
ある。
【0024】この場合、操作レバー28を左方へ回動操
作すると、位置決め部28fが支持部12bの針棒支持
体12dに当接し、図1に示すように、糸通しフレーム
19が針棒11の軸線に対して若干左側へ傾く位置まで
回動するようになっている。このとき、位置決め部材2
4の図5中左側の位置決め部24gに糸通し棒22のピ
ン27が嵌合することにより、位置決め部材24つまり
位置決め溝24cの高さ位置が高位置に決定されると共
に、操作レバー28の回動位置が保持されるようになっ
ている。
【0025】一方、操作レバー28を右方へ回動操作す
ると、位置決め部28gが支持部12bの針棒支持体1
2dに当接し、図12に示すように、糸通しフレーム1
9が針棒11の軸線に対して若干右側に傾く位置まで回
動するようになっている。このとき、位置決め部材24
の図5中右側の位置決め部24hに糸通し棒22のピン
27が嵌合することにより、位置決め部材24つまり位
置決め溝24cの高さ位置が低位置に決定されると共
に、操作レバー28の回動位置が保持されるようになっ
ている。
【0026】さて、フック保持部材23の下支持片部2
3bの先端部には、糸通し用フック29が取付けられて
いる。この糸通し用フック29の取付構造を、図8に従
って説明する。糸通し用フック29は、ほぼL字形の基
板部29aとこの基板部29aの先端部に前方に向けて
直角に突設されたフック部29bとからなる。そして、
糸通し用フック29は、2個のフック保護部材30及び
31により挟持されている。
【0027】これらフック保護部材30,31は、ほぼ
L字形の基板部30a,31aとこの基板部30a,3
1aの各先端部に前方に向けて直角に突設されたフック
保護部30b,31bとからなる。上記糸通し用フック
29及びフック保護部材30,31は、かしめ鋲32に
よりかしめられると共に、ねじ33によりフック保持部
材23の下支持片部23bの先端部に締め付け固定され
ており、もって、一体化されてフック保持部材23に取
付られている。尚、フック保護部材30のねじ取付側の
端部には、糸案内部30cが設けられている。
【0028】この場合、フック保持部材23の摘み部2
3cを操作して該フック保持部材23を糸通し棒22の
軸心を回動支点として回動させると、上記糸通し用フッ
ク29が糸通し棒22の軸心を回動支点として回動す
る。そして、糸通し用フック29は、その回動に応じて
後述するようにして縫い針14,15の目孔14a,1
5a内に進入及び目孔14a,15a内から後退するよ
うになっている。
【0029】次に、上記構成の作用を、図9ないし図1
5も参照して説明する。まず、縫針14,15のうちの
左の縫針14に対して糸通しを行う場合について述べ
る。この場合、図示しないプーリを回転させて、針棒1
1の位置を上死点の前後3mm程度の範囲内に位置する
ように、予め設定しておく。この位置に針棒11を位置
させておけば、上ルーパー、下ルーパー及び布端切断用
のメス(いずれも図示しない)等が糸通し作業の邪魔に
なることがない。
【0030】この状態で、まず、操作レバー28の摘み
部28cを手指で操作して該操作レバー28を左方へ回
動させ、操作レバー28の位置決め部28fが支持部1
2bの針棒支持体12dの下端外周に当接するようにす
る。この当接状態では、図1に示すように、糸通しフレ
ーム19が針棒11の軸線に対して若干左側へ傾く位置
まで回動した状態となり、糸通し用フック29の回動半
径が左の縫針14に対応するようになる(図10参
照)。
【0031】そして、このとき同時に、位置決め部材2
4の図5中左側の位置決め部24gに糸通し棒22のピ
ン27が嵌合することにより、操作レバー28の回動位
置が保持されると共に、位置決め部材24つまり位置決
め突部24cの高さ位置が高位置に設定される。この高
さ位置の設定によって、糸通し用フック29のフック部
29bの高さ位置が、左の縫針14の目孔14aの高さ
位置に対応するようになる。
【0032】この後、フック保持部材23の摘み部23
cを手指で操作して該フック保持部材23をコイルばね
26のばね力に抗して下方へ移動させると、糸通し棒2
2、フック保持部材23及び位置決め部材24が下方へ
移動し、位置決め部材24の位置決め突部24cが位置
決めストッパ18の受け部18aに当接する。これによ
り、フック保持部材23、糸通し棒22及び位置決め部
材24の下方への移動が規制される。この状態で、糸通
し用フック29のフック部29bの高さ位置が、左の縫
針14の目孔14aの高さ位置に一致するようになる
(図9参照)。
【0033】続いて、フック保持部材23の摘み部23
cを手指で操作して該フック保持部材23を手前へ回動
させて、図11に示すように、糸通し用フック29を手
前へ回動させる。これにより、糸通し用フック29のフ
ック部29bが縫針14の目孔14a内に進入する。
【0034】この状態で、図9に示すように、図示しな
い糸コマから導いた糸34をフック保護部材30の糸案
内部30cに案内させてから、縫針14の目孔14aの
手前側に張り渡して、フック部29bに引っ掛ける。こ
の後、糸通し用フック29を後方へ回動させると、フッ
ク部29bが糸34を引っ掛けながら縫針14の目孔1
4a内から後退する。この後退するときに、フック部2
9bが糸34を目孔14a内に通す。
【0035】ここで、糸通し用フック29のフック部2
9bが縫針14の目孔14a内に進入する際には、位置
決め部材24の下支持片部24bの軸部24dが、図9
に示すように、糸通しフレーム19の案内溝部19dの
下部の左縁部に当接することにより、糸通し用フック2
9のそれ以上の回動が規制されるようになっている。こ
れにより、糸通し用フック29が縫針14に衝突して破
損することが防止される。
【0036】また、糸通し用フック29を目孔14a内
に進入及び後退させるために回動させているときは、フ
ック保持部材23と一体に回動する位置決め部材24の
位置決め突部24cの下方に形成された係合溝24i
(図1及び図9参照)内に位置決めストッパ18の受け
部18aが嵌合配置されることから、位置決め部材24
及びフック保持部材23が上下動することがなくなり、
従って、糸通し用フック29も上下動することがない。
そして、糸通し用フック29を後方へ回動させて回動開
始位置まで戻すと、位置決め部材24及びフック保持部
材23並びに糸通し棒22がコイルばね26のばね力に
より上方へ移動され、図1及び図2に示す元の状態へ復
帰する。
【0037】次に、右の縫針15の目孔15aに糸34
を通すには、操作レバー28の摘み部28cを手指で操
作して該操作レバー28を右方へ回動させ、操作レバー
28の位置決め部28gが支持部12bの針棒支持体1
2dの下端外周に当接するようにする。この当接状態で
は、図12に示すように、糸通しフレーム19が針棒1
1の軸線に対してほぼ平行となる位置まで回動した状態
となり、糸通し用フック29の回動半径が右の縫針15
に対応するようになる(図13参照)。
【0038】そして、このとき同時に、位置決め部材2
4の図5中右側の位置決め部24hに糸通し棒22のピ
ン27が嵌合することにより、操作レバー28の回動位
置が保持されると共に、位置決め部材24つまり位置決
め突部24cの高さ位置が低位置に設定される。この高
さ位置の設定によって、糸通し用フック29のフック部
29bの高さ位置が、右の縫針15の目孔15aの高さ
位置に対応するようになる。
【0039】この後、上述した縫針14の場合と同様に
して、フック保持部材23の摘み部23cを手指で下方
へ押し下げると、位置決め部材24の位置決め突部24
cが位置決めストッパ18の受け部18aに当接し、フ
ック保持部材23、位置決め部材24及び糸通し棒22
の下方への移動が規制される(図14参照)。そして、
フック保持部材23の摘み部23cを手指で操作して該
フック保持部材23を手前へ回動させると、図15に示
すように、糸通し用フック29のフック部29bが縫針
15の目孔15a内に進入する。以下、縫針14の場合
とほぼ同様にして、縫針15の目孔15a内に糸34を
通す。
【0040】ここで、糸通し用フック29のフック部2
9bが縫針15の目孔15a内に進入する際には、位置
決め部材24の下支持片部24bの軸部24dが、図1
4に示すように、糸通しフレーム19の案内溝部19d
の下部の左縁部に当接することにより、糸通し用フック
29のそれ以上の回動が規制されるようになっている。
これにより、糸通し用フック29が縫針15に衝突して
破損することが防止される。
【0041】このような構成の本実施例によれば、操作
レバー28を回動操作することにより、糸通しフレーム
19を左右方向へ回動動作させて糸通し用フック29を
複数の縫針14,15のうちの一つに選択して対応さ
せ、この対応させた状態で、糸通し用フック29を回動
させて縫針14,15の目孔14a,15a内に進入及
び目孔14a,15a内から後退させて糸通しを行う。
この場合、糸通し用フック29を複数の縫針14,15
のうちの一つに対応させるのに際して、糸通しフレーム
19全体をその上部を回動支点(軸20)として回動さ
せる構成としたから、糸通し用フック29と回動支点
(軸20)との間の距離が長くなる。
【0042】このため、糸通しフレーム19の回動に応
じて糸通し用フック29が回動したときに、糸通し用フ
ック29即ちフック部29bがほとんど傾かなくなる。
従って、糸通し用フック29のフック部29bを縫針1
4,15の目孔14a,15a内に進入させたとき、糸
通し用フック29のフック部29bと目孔14a,15
aの内面との間の隙間が小さくなることがない。これに
より、従来構成(図16及び図17参照)とは異なり、
糸通し用フック29のフック部29bを縫針14,15
の目孔14a,15a内に進入させるとき、フック部2
9bが縫針14,15に衝突することがなくなるから、
糸通し用フック29の破損を確実に防止できる。
【0043】また、上記実施例では、針棒11を上死点
の前後3mm程度の範囲内に位置させておけば、位置決
め部材24の位置決め突部24cが針棒11の位置決め
ストッパ18の受け部18aに当接することにより、針
棒11に対して糸通し用フック29の位置を位置決めで
きる。従って、針棒11を一点に正確に位置付ける必要
がないから、針棒11の位置合わせを簡単に行うことが
できる。ちなみに、針棒11を、上死点の前後3mm程
度の範囲内を移動させるには、プーリを回転角度で約3
0度回す必要があり、一点に正確に位置合わせする場合
に比べて、位置合わせ作業が非常に簡単になる。
【0044】尚、上記実施例では、2本針タイプのロッ
クミシンに適用したが、これに代えて、3本針タイプの
ロックミシンに適用しても良いことは勿論である。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、針棒の近傍に配置され上部を回動支点として左右方
向へ回動可能に設けられた糸通しフレームを備え、この
糸通しフレームに上下方向に沿って設けられた糸通し棒
を備え、この糸通し棒に設けられ該糸通し棒の軸心を回
動支点とする回動に応じて縫針の目孔内に進入及び後退
する糸通し用フックを備え、そして、糸通しフレームの
左右方向への回動動作に応じて糸通し用フックを複数の
縫針のうちの一つに選択して対応させる選択手段を備え
る構成としたので、複数の縫針に糸通しを行うことがで
きるものでありながら、糸通し用フックの破損を確実に
防止できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す糸通し装置周辺の正面
【図2】糸通し装置周辺の側面図
【図3】糸通しフレームの斜視図
【図4】糸通し棒、フック保持部材、位置決め部材及び
レバー部材の斜視図
【図5】位置決め部材の部分背面図
【図6】レバー部材の斜視図
【図7】位置決めストッパの斜視図
【図8】糸通し用フックの分解斜視図
【図9】フック保持部材等を下方へ移動させた状態を示
す図1相当図
【図10】糸通し用フック周辺の横断面図
【図11】糸通し用フックを手前へ回動させた状態を示
す図10相当図
【図12】図1相当図
【図13】図10相当図
【図14】図9相当図
【図15】図11相当図
【図16】従来構成を示す糸通し装置周辺の正面図
【図17】縫針と糸通し用フックの拡大正面図
【符号の説明】
11は針棒、12はミシン本体、12a,12bは支持
部、12cは針棒支持体、14,15は縫針、14a,
15aは目孔、18は位置決めストッパ、18aは受け
部、19は糸通しフレーム、20は軸、21はコイルば
ね、22は糸通し棒、23はフック保持部材、24は位
置決め部材、28はレバー部材(選択手段)、28f,
28gは位置決め部、29は糸通し用フック、29bは
フック部、34は糸を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下動可能に設けられ複数の縫針が取付
    けられた針棒及びこの針棒に同期して揺動されるルーパ
    ーを備えたミシンの糸通し装置において、 前記針棒の近傍に配置され上部を回動支点として左右方
    向へ回動可能に設けられた糸通しフレームと、 この糸通しフレームに上下方向に沿って設けられた糸通
    し棒と、 この糸通し棒に設けられ該糸通し棒の軸心を回動支点と
    する回動に応じて前記縫針の目孔内に進入及び前記目孔
    内から後退する糸通し用フックと、 前記糸通しフレームの左右方向への回動動作に応じて前
    記糸通し用フックを前記複数の縫針のうちの一つに選択
    して対応させる選択手段とを備えたことを特徴とするミ
    シンの糸通し装置。
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