JPH05290540A - テープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気テープを露出させ、開口部を開放して蓋
を全開しても、不要な反力がなく、カセット本体外への
占有空間を小さいテープカセットを提供することを目的
とする。 【構成】 テープカセット１の開口部１１に磁気テープ
２を架張し、カセット本体に前蓋５を回動自在に、第２
の蓋６を摺動自在に装着し、磁気テープ２および開口部
１１を覆う。また、カセット本体に係止部材７を回動自
在に装着して、前蓋５の全閉時の回動係止、および第２
の蓋６の全開時の係止を行う。第２の蓋６の移動と前蓋
５の回動により、磁気テープ２を露出させ、開口部１１
を開放して前蓋５を全開しても、第２の蓋に作用する弾
性部材の反力を殺してカセット本体の保持ができ、蓋の
テープカセット１の本体外への占有空間が小さい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転ヘッド式磁気テー
プ装置に使用するテープカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の回転ヘッド式磁気テープ装置に使
用されるテープカセットは磁気テープを引き出すための
テープ引出部材を挿入するマウス部を形成したもので、
特開平１−３２０６９３号公報に示されるような構成の
テープカセットが一般的であった。

【０００３】以下、その構成について図７，図８を参照
しながら説明する。図に示すように、磁気テープ装置に
使用するテープカセット３１は磁気テープ３２を巻回し
た供給リール３３および巻取リール３４を収納し、磁気
テープ３２は供給リール３３と巻取リール３４の間を回
転ヘッドを搭載したドラム（図示せず）へ磁気テープ３
２をテープカセット３１より引出し巻回するテープ引出
部材を挿入するための開口部３５を形成して架張されて
いる。架張された磁気テープ３２は前蓋３６と後蓋３７
で覆われ容易には磁気テープ３２に触れられないように
なっており、使用時には前蓋３６と後蓋３７が上方に回
動して磁気テープ３２が露出し、テープ引出し部材によ
り回転ヘッドを搭載したドラムに磁気テープが引出され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のテー
プカセット３１では前蓋３６と後蓋３７を回動全開した
時に両者が開口部３５の真上に位置して上下２重構造と
なり、回転ヘッドを搭載したドラムへ磁気テープ３２を
引出し巻付けるテープ引出部材の上フランジ等の逃げに
必要な上部隙間をとる為に必然的にテープカセット３１
の本体外への占有空間が大きくなるなどの問題があっ
た。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、第２
の蓋をカセット本体に摺動して移動し、前蓋をテープ引
出部材の挿入される開口部の上部空間に全開し、磁気テ
ープを露出させた時でもカセット本体外への占有空間が
小さいテープカセットを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、上ハーフと下ハーフとからなり、磁気テー
プを巻回した供給リールおよび巻取リールを収納し、前
記磁気テープを開口部に架張したカセット本体と、弾性
部材により閉じ方向に付勢され、前記磁気テープを前面
で覆い、前記カセット本体に回動自在に軸支され、少な
くとも一方の回動支点の近傍に係止突起を形成した前蓋
と、弾性部材により前記前蓋方向に付勢され、前記カセ
ット本体に摺動し、前記前蓋と協働して前記磁気テープ
および開口部を覆う第２の蓋と、弾性部材により前記前
蓋の係止突起方向に付勢され、前記カセット本体に回動
自在に軸支され、外部の係止解除部材の当接により回動
変位される第１のカムと、前記前蓋の係止突起と係合し
て前記前蓋の回動を係止する第２のカムと、前記係止解
除部材の当接による回動変位により一端に形成した鈎状
突起で前記第２の蓋を全開状態で係止する係止部材とよ
りなる構成のものである。

【０００７】

【作用】本発明は上記した構成により、第２の蓋のリー
ル方向への摺動と、前蓋の支点を中心とした上方への回
動によりカセット本体の開口部に架張した磁気テープを
露出でき、第２の蓋の全開時に係止部材の鈎状突起で第
２の蓋を係止することにより、第２の蓋にかかる不要な
弾性部材の付勢力を殺すことができ、カセット本体の保
持を安定に、テープ引出し部材が挿入される開口部の上
部空間を大きく、かつカセット本体外への占有空間を小
さくできる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例について図１〜
図６を参照しながら説明する。図に示すように、上ハー
フ１ａおよび下ハーフ１ｂよりなるテープカセット１に
磁気テープ２を巻回した供給リール３と巻取リール４が
収納され、磁気テープ２はテープカセット１に形成され
た固定ポスト１ｃ，１ｄに架張され、開口部１１を囲ん
でいる。

【０００９】前蓋５は、テープカセット１の固定ポスト
１ｃ，１ｄで架張された磁気テープ２を前面で覆い、弾
性部材（図示せず）により閉じ方向に付勢され両側端に
リブ５ａ，５ｂを形成し、さらにリブ５ａ，５ｂに軸５
ｃ，５ｄを形成してテープカセット１に回動自在に軸支
されている。リブ５ａにはまた、軸５ｃの近傍に係止突
起５ｅが形成され、前面の下端には切り欠き５ｆ，５ｇ
および５ｈが形成されている。

【００１０】第２の蓋であるスライダ６は、テープカセ
ット１の開口部１１の天面および底面を底面部６ａ，天
面部６ｂを中央隔壁部６ｃで連結して覆い、カセット本
体１に摺動自在に、また開口部１１の前面で前蓋５と協
働して磁気テープ２を略密閉するように弾性部材（図示
せず）で押圧され保持されている。またスライダ６の底
面６ａの両端がテープカセット１の側面に延長され、テ
ープカセット１の側面で摺動し、同時にスライダ６の天
面６ｂがテープカセット６の上ハーフに摺動案内されて
いる。

【００１１】係止部材７は、テープカセット１に軸７ａ
で弾性部材１０により前蓋５の係止突起５ｅ方向に付勢
され回動自在に軸支されている。その回動する平面の一
部にはテープカセット１の前部側面に突出する第１のカ
ム７ｂを形成し、また第１のカム７ｂの上部には、前蓋
５の係止突起５ｅと係合して前蓋５の開き方向への回動
を係止する第２のカム７ｃを形成している。さらに回動
する平面の他端には鈎状突起７ｄが形成されている。

【００１２】上記した構成において動作を説明する。テ
ープカセット１が磁気テープ装置に装填されない状態で
は、前蓋５が弾性部材の付勢力で閉じ方向に付勢され、
かつ前蓋５の側端のリブ５ａに形成した係止突起５ｅと
係止部材７の回動する平面に形成した第２のカム７ｃと
が係合し、前蓋５の開き方向への回動を阻止して、前蓋
５が不用意には開かないようになっている。

【００１３】テープカセット１を磁気テープ装置に装填
して使用する場合、まず磁気テープ装置のカセットホル
ダへテープカセット１を所定の位置まで挿入する際に、
図２，図４および図５に示すようなカセットホルダのカ
セット受け８に形成された突起８ａ，８ｂが前蓋５の前
面の下端に形成された切り欠き５ｆ，５ｇを通してスラ
イダ６の中央隔壁６ｃと当接し、スライダ６が弾性部材
の付勢力に抗してカセット本体と相対的にリール方向
（Ａ矢方向）に移動させられ、磁気テープ２の非磁性面
が露出される。

【００１４】図４の状態からスライダ６が摺動してい
き、スライダ６の中央隔壁６ｃが係止部材７の鈎状突起
７ｄを過ぎるのと略同期して、カセット受け８に形成さ
れた突起８ｃがＢ矢方向に前蓋５の前面の下端に形成さ
れた切り欠き５ｈを通して係止部材７の第１のカム７ｂ
と当接する。これにより、弾性部材１０の付勢力に抗し
て係止部材７が軸７ａを支点としてＣ矢方向に回動し、
係止部材７の回動する平面の他端に形成した鈎状突起７
ｄがスライダ６の中央隔壁６ｃを押圧する。

【００１５】さらに、カセット受け８がテープカセット
１と相対的に移動し所定の位置へと移動することにより
係止部材７がさらに回動し、係止部材７は弾性部材１０
の付勢力でカセット受け８の突起８ｃの平面に当接して
略々固定される。これにより、鈎状突起７ｄで押圧され
た中央隔壁６ｃ、およびスライダ６も係止され、スライ
ダ６に作用する弾性部材の付勢力が殺される。

【００１６】この係止部材７の回動により、同時に係止
部材７の第２のカム７ｃも回動変位し、前蓋５の側端の
リブ５ａに形成した突起５ｅと係止部材７の第２のカム
７ｃとの係合が解放され、テープカセット１の前蓋５の
両側端のリブ５ａ、５ｂに形成した軸５ｃ，５ｄを支点
とした回動が可能になる。

【００１７】次に、テープカセット１が磁気テープ装置
のカセット装填装置の作動によりデッキの着座位置へと
搬送される際に、従来の磁気テープ装置と同じように、
磁気テープ装置に具備された固定突起、あるいは作動装
置により、前蓋５がテープカセット１に支持された軸５
ｃ，５ｄを中心にＤ矢方向に略９０度回動され、磁気テ
ープ２の磁性面が開放され図６の状態になる。

【００１８】この状態で、テープカセット１の開口部１
１に挿入したテープ引出部材が供給リール３あるいは巻
取リール４から磁気テープ２を引出し、回転ヘッドを搭
載したドラム近傍の位置へ移動して磁気テープ２を回転
ヘッドを搭載したドラムへ巻き付けることができ、回転
ヘッドを搭載したドラムを回転し、供給リール３および
巻取リール４を回転させ磁気テープを走行させることに
より磁気テープ２への映像信号、音声信号などの記録あ
るいは再生が可能となる。

【００１９】磁気テープ装置からの排出される場合に
は、磁気テープ装置の動作で、まずテープ引出し部材を
テープカセット１の開口部１１へと、ドラムに巻付けら
れた磁気テープ２を、供給リール３あるいは巻取リール
４に巻き取りながら戻す。その後、カセット装填装置が
排出動作を起してテープカセット１がデッキから上昇さ
れることにより、デッキに具備された固定突起、あるい
は作動装置などで回動全開されていたテープカセット１
の前蓋５が図６の状態から弾性部材の付勢力によりリブ
５ａに形成された軸５ｃ，５ｄを支点として閉じ方向へ
回動し、磁気テープ２の磁性面を覆う状態になる。

【００２０】その後、テープカセット１はカセット装填
装置の動作で磁気テープ装置の前面に移送される。そし
て、テープカセット１がカセット装填装置の連続した動
作により、あるいは使用者により取り出されることによ
り、カセット装填装置に具備されたカセットホルダのカ
セット受け８とテープカセット１が相対的に移動し、カ
セット受け８の突起８ｃで当接し回動変位していた係止
部材７が弾性部材の付勢力で回動復帰し、係止部材７の
鈎状突起７ｄがスライダ６の中央隔壁６ｃの押圧を解放
し、スライダ６が弾性部材の付勢力により閉じ方向に摺
動可能となる。

【００２１】スライダ６は同時に、中央隔壁６ｃでカセ
ット受け８の突起８ａ、８ｂで当接係止されており、テ
ープカセット１とカセット受け８の相対移動に応じて閉
じ方向へ摺動し、スライダ６の底面６ａおよび天面６ｂ
が開口部１１の天面および底面を覆い、やがて前蓋５と
当接して全閉状態となり磁気テープ２を略密閉する。

【００２２】このように本発明の実施例のテープカセッ
トによれば、係止部材７の第１のカム７ｂをカセットホ
ルダなどに具備されるカセット受け８の突起８ｃにより
回動変位する構成とすることで、係止部材７の第２のカ
ム７ｃにより前蓋５の全閉時の係止を可能とし、同時に
カセット受け７に形成した突起８ａ，８ｂで移動される
スライダ６を、係止部材７に形成した鈎状突起７ｄによ
り全開時に係止することが可能である。

【００２３】これにより、カセットホルダ内に保持され
た状態でのテープカセットに作用する無用なスライダ６
を閉じ方向に付勢する弾性部材の付勢力をカセットホル
ダ内で殺すことができ、テープカセットの保持位置を正
確に保つことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、テープカセットに具備する係止部材に、係止
部材を外部の部材により回動変位させる第１のカム，前
蓋の開き方向の回動を係止する第２のカムおよびスライ
ダの全開時に係止する鈎状突起を形成することにより、
係止部材の第１のカムを押圧回動する突起、およびスラ
イダを押圧移動する突起等を形成したセットホルダのカ
セット受けとの連動で、係止部材を回動変位して、テー
プカセットを非使用時には前蓋の突起と係止部材の第２
のカムとの係合で不用意に前蓋が開くことを防止し、テ
ープカセットを磁気テープ装置で使用する時には、スラ
イダを開き方向に摺動移動させ、さらに係止部材の鈎状
突起でスライダを全開状態で係止して、カセットホルダ
内でのスライダに付加された弾性部材の付勢力を殺し、
テープカセットの保持の位置出しを容易にすることがで
きる。したがって、このようなテープカセットの構成と
することにより、前蓋を開口部の上部空間に全開した時
でもカセット本体外への占有空間を少なくすることがで
き、装置の薄型化に貢献できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による実施例のテープカセットの要部分
解拡大図

【図２】本発明による実施例のテープカセット全閉時お
よびカセット受け底面図

【図３】本発明による実施例のテープカセットの全閉時
の側面図

【図４】本発明による実施例のテープカセットスライダ
移動開始時の底面図

【図５】本発明による実施例のテープカセットの全開時
の底面図

【図６】本発明による実施例のテープカセットの前蓋全
開時の側面図

【図７】従来例のテープカセットの斜視図

【図８】従来例のテープカセットの側面図

【符号の説明】

１ テープカセット ２ 磁気テープ ５ 前蓋 ６ スライダ ７ 上蓋 ８ 係止部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶野 二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上ハーフと下ハーフとからなり、磁気テ
   ープを巻回した供給リールおよび巻取リールを収納し、
   前記磁気テープを開口部に架張したカセット本体と、弾
   性部材により閉じ方向に付勢され、前記磁気テープを前
   面で覆い、前記カセット本体に回動自在に軸支され、少
   なくとも一方の回動支点の近傍に係止突起を形成した前
   蓋と、弾性部材により前記前蓋方向に付勢され、前記カ
   セット本体に摺動し、前記前蓋と協働して前記磁気テー
   プおよび開口部を覆う第２の蓋と、弾性部材により前記
   前蓋の係止突起方向に付勢され、前記カセット本体に回
   動自在に軸支され、外部の係止解除部材の当接により回
   動変位される第１のカムと、前記前蓋の係止突起と係合
   して前記前蓋の回動を係止する第２のカムと、前記係止
   解除部材の当接による回動変位により一端に形成した鈎
   状突起で前記第２の蓋を全開状態で係止する係止部材と
   よりなるテープカセット。