JPH05288238A - 車輌用振動騒音制御装置 - Google Patents

車輌用振動騒音制御装置

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Publication number
JPH05288238A
JPH05288238A JP4118281A JP11828192A JPH05288238A JP H05288238 A JPH05288238 A JP H05288238A JP 4118281 A JP4118281 A JP 4118281A JP 11828192 A JP11828192 A JP 11828192A JP H05288238 A JPH05288238 A JP H05288238A
Authority
JP
Japan
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signal
filter
vibration noise
pulse signal
detecting
Prior art date
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Pending
Application number
JP4118281A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Kobayashi
利彰 小林
Masaki Kamiyama
雅樹 上山
Hidetaka Ozawa
英隆 小沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP4118281A priority Critical patent/JPH05288238A/ja
Publication of JPH05288238A publication Critical patent/JPH05288238A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動騒音源から発生する周期的又は擬似周期
的騒音に対し、パワープラントの運転状態が急変して
も、良好な追随性を維持して適確かつ高精度な能動制御
を行うことを可能とする。 【構成】 Wフィルタ42の出力側にタップ数が「1」
のG(ゲイン)フィルタ45を設け、パワープラントの
運転状態が急変したときはWフィルタ42のフィルタ係
数更新を中止すると共に誤差信号εをLMS処理部
(2)46にフィードバックしてGフィルタ45のフィ
ルタ係数更新を行う。また、パワープラントの運転状態
が急変していないときはGフィルタ45のフィルタ係数
を固定値にすると共に誤差信号εをLMS処理部(1)
43にフィードバックしてWフィルタ42のフィルタ係
数更新を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輌用振動騒音制御装
置、より詳しくは車輌の走行等により発生する振動騒音
を能動的に制御し、これら振動騒音の低減化を図る車輌
用振動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、適応デジタルフィルタ(Adaptive
Digital Filter:以下、「ADF」という)を使用して
振動騒音源から発生する振動騒音を減衰させ、該振動騒
音の低減化を図る能動的振動騒音制御装置の開発が各方
面で盛んに行なわれている。
【0003】これら各種の能動的振動騒音制御装置のう
ち、自動車等の車輌用に開発された能動的振動騒音制御
装置として、パワープラントの駆動に関連性を有する所
定のパルス信号(トリガ信号)を適応制御回路に入力
し、ADFからなる第1のフィルタ手段によってフィル
タリングすることにより周期的又は擬似周期的な振動騒
音に対して適応制御を施した振動騒音制御装置を本願出
願人は既に提案している(平成4年3月12日提出の特
許願)。
【0004】上記先願技術によれば、適応制御回路に前
記パルス信号が直接入力されるため、複雑な積和演算が
減少し、振動騒音を低減するための収束速度を向上させ
ることができる。また、上記先願技術によれば、前記パ
ルス信号がエンジンの運転状態に応じた所定間隔で入力
されて該所定間隔に応じた適応制御が施されるので、高
精度の振動騒音制御を行うことができる。
【0005】さらに、上記先願技術によれば、前記パル
ス信号の検出タイミングに応じてサンプリング周期を可
変にしているので、エンジンの回転変動等により振動騒
音波形が大きく変化するパワープラントに対しても前記
回転変動等に応じてサンプリング周期が変化することと
なり、適応の追従速度が速く、高精度な適応制御を行う
ことができる。
【0006】また、能動的振動騒音制御装置を自動車等
の車輌に適用した場合は、振動騒音伝達経路に起因する
系の伝達特性位相変化を補正すべく適応制御回路に第2
のフィルタ手段を設け、該第2のフィルタ手段から出力
される参照信号を考慮して第1のフィルタ手段のフィル
タ係数更新が行なわれているが、前記先願技術において
は、サンプリング周期の変動に応じた参照信号の出力が
可能とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記先願技術
においては、パルス信号が入力される毎に所定の振動騒
音波形がADFから出力されるが、第1のフィルタ手段
から出力される制御信号は次回周期に反映されるため、
例えば回転速度の上昇に伴い振動騒音波形の振幅が大き
く変動した場合は所望の適応制御を行うことが困難であ
るという問題点が新たに生じてきた。
【0008】また、サンプリング周期は可変とされてい
るものの、サンプリング周期の検出はパルス信号の入力
時点における瞬時値が使用され、次回パルス信号入力時
までは系の伝達特性は一定とみなされるため、エンジン
回転数の急変等今回パルス信号入力時における制御信号
の出力中においても顕著な周期変動が生じた場合は、第
2のフィルタ手段から出力される参照信号が所望値から
偏移することとなり、第1のフィルタ手段のフィルタ係
数を適正に更新することができないという問題点も生じ
てきた。
【0009】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであって、入力信号の振動騒音波形が極短期間で急
変しても追随性を良好に保つことが可能な車輌用振動騒
音制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、少なくとも車輌駆動用パワープラントを含
む振動騒音源に起因して車体又は車室内の少なくとも1
つ以上の所定領域において発生する周期的または擬似周
期的な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリン
グすることにより前記振動騒音源から前記所定領域の間
の伝達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフィ
ルタ手段と、前記振動騒音源と前記所定領域との間に形
成された複数の振動騒音伝達経路のうちの少なくとも1
つ以上の振動騒音伝達経路中に配設され、前記第1のフ
ィルタ手段の出力により前記伝達特性を機械的に変化さ
せる電気機械変換手段と、該電気機械変換手段により変
化した振動騒音と前記電気機械変換手段を有さない前記
振動騒音伝達経路からの振動騒音との三次元的な総和に
より減じられる振動騒音誤差信号を前記所定領域におい
て検出する誤差信号検出手段と、前記電気機械変換手段
と前記誤差信号検出手段との間に形成される振動騒音伝
達経路の伝達特性が記憶された第2のフィルタ手段と、
前記誤差信号検出手段の検出結果と前記第2のフィルタ
手段から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段
のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小
値となるように前記第1のフィルタ手段のフィルタ係数
を更新する第1の更新手段とを備えた車輌用振動騒音制
御装置において、前記振動騒音源からの駆動周期を第1
のパルス信号として所定微小角度毎に検出する第1の駆
動周期信号検出手段と、前記振動騒音源の各構成部位に
特有の振動騒音周期に同期する第2のパルス信号を検出
する第2の駆動周期信号検出手段と、前記第1のフィル
タ手段のフィルタ係数の出力及び更新を行う一連の動作
を支配するサンプリング周期を前記第1の駆動周期信号
検出手段により検出される第1のパルス信号の検出タイ
ミングに応じて決定するサンプリング周期決定手段と、
該サンプリング周期に応じて第2のフィルタ手段の伝達
特性を補正する伝達特性補正手段と、該伝達特性補正手
段により補正された伝達特性を記憶する記憶手段とを備
え、前記第1のフィルタ手段のタップ長が前記第1のパ
ルス信号に対する第2のパルス信号の分周比とされ、且
つ前記第1のパルス信号が前記第1及び第2のフィルタ
手段に入力されると共に、さらに、前記第1のフィルタ
手段と前記電気機械変換手段との間に介装されて前記第
1のフィルタ手段から出力される制御信号に対する変化
率補正が行なわれる第3のフィルタ手段と、前記誤差信
号検出手段の検出結果と前記第3のフィルタ手段のフィ
ルタ係数とに基づいて前記振動騒音誤差信号が最小値と
なるように前記第3のフィルタ手段のフィルタ係数を更
新する第2の更新手段と、前記第1の駆動周期信号検出
手段により検出される駆動周期の変化率を算出する変化
率算出手段と、該変化率算出手段により算出された変化
率が所定判別値より大きいか否かを判別する判別手段と
を有し、該判別手段により前記変化率が前記所定判別値
より大きいと判別されたときは第1の更新手段の実行を
停止して第2の更新手段が実行される一方、前記判別手
段により前記変化率が前記所定判別値より小さいと判別
されたときは第3のフィルタ手段のフィルタ係数を固定
値に設定し且つ第2の更新手段の実行を停止して第1の
更新手段が実行されることを特徴としている。
【0011】具体的には、前記第3のフィルタ手段は適
応型デジタルフィルタからなり、かつ該適応型デジタル
フィルタのタップ数が単一であることを特徴としてい
る。
【0012】さらに、前記サンプリング周期決定手段に
より決定されたサンプリング周期で前記第1のフィルタ
手段のフィルタ係数の出力及び更新を行う一連の動作を
支配すると共に、前記第1のフィルタ手段のタップ長が
前記第1のパルス信号に対する第2のパルス信号の分周
比とされている。
【0013】また、前記第1の駆動周期検出手段が、前
記パワープラントのクランク軸の回転に同期して所定回
転角度毎に発生する第1の基礎パルス信号を検出する第
1の検出手段と、前記パワープラントのカム軸の回転に
同期して所定回転角度毎に発生する第2の基礎パルス信
号を検出する第2の検出手段と、前記パワープラントに
燃焼を生じさせる点火信号である第3の基礎パルス信号
を検出する第3の検出手段と、前記パワープラントを制
御するパワープラント制御手段が有する第4の基礎パル
ス信号を検出する第4の検出手段と、前記パワープラン
トのクランク軸に固着されたフライホイールの回転信号
を第5の基礎パルス信号として検出する第5の検出手段
と、前記クランク軸の回転信号を第6の基礎パルス信号
として検出する第6の検出手段と、前記パワープラント
のカム軸の回転信号を第7の基礎パルス信号として検出
する第7の検出手段のうち少なくとも1個以上の検出手
段を含み、前記第1のパルス信号が、これら第1乃至第
7の検出手段により検出された基礎パルス信号の個別信
号又は複数の組合せ信号、或いは前記第1乃至第7の基
礎パルス信号のうちのいずれかの基礎パルス信号を分周
又は逓倍して生成された信号からなり、さらに前記第2
の駆動周期信号検出手段は、請求項3記載の第1乃至第
7の検出手段のうち少なくとも1個以上の検出手段を含
み、前記第2のパルス信号が前記第1のパルス信号とは
独立的に又は従属的に生成されると共に、該第2のパル
ス信号は、前記第1乃至第7の検出手段により検出され
た基礎パルス信号の個別信号又は複数の組合せ信号、或
いは前記第1乃至第7の基礎パルス信号のうちのいずれ
かの基礎パルス信号を分周又は逓倍して生成された信号
からなっている。
【0014】さらに、本発明は、周波数帯域が前記パワ
ープラントの回転数に応じて所定周波数毎に複数に区分
されると共に、複数の伝達特性が前記伝達特性補正手段
に記憶され、かつ該伝達特性補正手段が、前記所定周波
数と前記サンプリング周期決定手段により決定されたサ
ンプリング周期とに応じて前記複数の伝達特性から最適
伝達特性を選択する選択手段を有するか、前記パワープ
ラントの上限回転数に対応する周波数に対し適数倍の高
周波相当のサンプリング周期で同定された高次伝達特性
が前記伝達特性補正手段に記憶され、該伝達特性補正手
段が、前記高次伝達特性を分周して最適伝達特性を算出
する伝達特性算出手段を有していることを特徴としてい
る。
【0015】
【作用】上記構成によれば、第1のパルス信号の検出タ
イミングに応じてサンプリング周期が決定され、該サン
プリング周期に応じて第2のパルス信号が第1及び第2
のフィルタ手段に入力される。そして、変化率算出手段
により算出される駆動周期の変化率が所定判別値より大
きいときは第1のフィルタ手段のフィルタ係数更新を停
止して第2の更新手段により第3のフィルタ手段のフィ
ルタ係数が更新され、前記駆動周期の変化率が前記所定
判別値より小さいときは第3のフィルタ手段のフィルタ
係数を固定値にして第1の更新手段により第1のフィル
タ手段のフィルタ係数が更新される。
【0016】また、第3のフィルタ手段をADFで構成
し、かつADFのタップ数を単一とすることにより、運
転状態が急変したときでも第3のフィルタ手段は第1の
フィルタ手段から出力される制御信号を迅速に所望の騒
音伝達特性を有する制御信号に収束させることができ
る。
【0017】さらに、第1及び第2のパルス信号は、互
いに独立的に或いは従属的に種々の基礎パルス信号に基
づいて生成される。
【0018】また、上記構成によれば、パワープラント
の回転数に対応する周波数に応じて複数の伝達特性から
最適伝達特性を選択するか、又は高周波相当のサンプリ
ング周期で同定された高次伝達特性を分周して最適伝達
特性を算出することにより、サンプリング周期が変動し
ても伝達特性補正手段の伝達補正特性を所望の特性とす
ることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳説す
る。
【0020】図1は本発明に係る車輌用振動騒音制御装
置の一実施例を示した全体構成図である。
【0021】図中、1は例えば4気筒を有する車輌駆動
用パワープラントの4サイクルエンジン(以下、単に
「エンジン」という)であって、該エンジン1の吸気管
2の途中にはスロットルボディ3が設けられ、その内部
にはスロットル弁3′が配されている。また、スロット
ル弁3′にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連
結されており、スロットル弁3′の開度に応じた電気信
号を出力して電子コントロールユニット(以下「EC
U」という)5に供給する。
【0022】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3′との間且つ吸気管2の図示しない燃料ポンプに接続
されるとともにECU5に電気的に接続され、当該EC
U5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御され
る。
【0023】また、吸気管2のスロットル弁3′の下流
側には分岐管7が設けられ、該分岐管7の先端には絶対
圧(PBA)センサ8が取付けられている。該PBAセ
ンサ8はECU5に電気的に接続されており、吸気管2
内の絶対圧PBAは前記PBAセンサ8により電気信号
に変換されてECU5に供給される。
【0024】また、エンジン1のクランク軸周囲の所定
位置にはTDCセンサ9が取付けられている。
【0025】TDCセンサ9は、エンジン1のクランク
軸の180°回転毎に所定のクランク角度位置で信号パ
ルス(以下、「TDC信号パルス」という)を出力し、
該TDC信号パルスをECU5に供給する。
【0026】すなわち、TDC信号パルスは、各気筒の
基準クランク角度位置を表わすものであって、具体的に
は、各気筒(#1〜#4CYL)の圧縮行程終了時のT
DC(上死点)前の所定クランク角度位置(例えば、1
0°BTDC)で発生する。そして、ECU5はTDC
信号パルスの発生間隔を計測してエンジン回転数NEの
逆数であるME値を算出する。
【0027】また、エンジン1のシリンダヘッド上部に
は、各シリンダ毎に1対の排気弁と吸気弁とを備えた動
弁系10が設けられ、該動弁系10のカム軸周囲にはカ
ム軸センサ11及び基準信号検出センサ12が取り付け
られている。
【0028】カム軸センサ11は、TDC信号パルスの
周期、すなわち180°より短い一定のクランク角周期
(例えば、クランク角30°周期)で基礎パルス信号を
出力し、該基礎パルス信号をECU5に供給する。すな
わち、カム軸センサ11は、クランク軸が2回転する間
に等間隔で例えば24個の基礎パルス信号を発生する。
そして、ECU5は基礎パルス信号の発生間隔を計測し
てクランク回転数CRNEの逆数であるθCRK値を算
出する。
【0029】また、基準信号検出センサ12は、クラン
ク軸2回転毎に特定の気筒の所定のクランク角度位置で
基準信号を出力し、該基準信号をECU5に供給する。
すなわち、該基準信号は、所定クランク角度位置で前記
基礎パルス信号と同期して発生する。
【0030】エンジン1の各気筒の点火プラグ13は、
ECU5に電気的に接続され、ECU5により点火時期
が制御される。
【0031】また、エンジン1の前部及び後部には電気
機械変換手段としての1対の自己伸縮型エンジンマウン
ト14a,14bが配設されている。具体的には、前記
自己伸縮型エンジンマウント14a,14bは、その上
端が弾性ゴム15a,15bを介して、エンジン1に接
続されると共に、下端は車体クレーム16に支持されて
いる。
【0032】そして、前記自己伸縮型エンジンマウント
14a,14bにはボイスコイルモータ(VCM)17
a,17bが内有され、エンジンの振動に応じてECU
5からの信号によりエンジンの振動を制御する。すなわ
ち、自己伸縮型エンジンマウント14a,14bは、液
体が充填された液室(図示せず)を内有し、振動源(エ
ンジン1)側に固定された弾性ゴム15a,15bを介
して振動源の振動が車体に伝達されるのを防止する。
【0033】また、ECU5には、振動騒音制御系18
が電気的に接続され、該振動騒音制御系18は、ECU
5からの信号により振動騒音を制御する。さらに、クラ
ンク軸に一体的に嵌合されたフライホイール近傍には、
エンコーダ等の回転信号検出手段19が配設され、該回
転信号検出手段19により検出されたフライホイールの
回転信号は前記振動騒音制御系18に供給される。
【0034】しかして、ECU5は、上述の各種センサ
からの入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベル
に修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する
等の機能を有する入力回路5aと、中央演算処理回路
(以下「CPU」という)5bと、該CPU5bで実行
される各種演算プログラムや演算結果等を記憶するRO
M及びRAMからなる記憶手段5cと、前記燃料噴射弁
6、点火プラグ13及び振動騒音制御系18に出力信号
を供給する出力回路5dとを備えている。
【0035】また、ECU5(CPU5b)は、エンジ
ン運転状態に応じ、数式(1)に基づき、前記TDC信
号パルスに同期して燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOU
Tを演算する。
【0036】 TOUT=TiM×K1+K2 …(1) ここで、TiMはエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧
PBAとに応じて設定される基本燃料噴射時間であっ
て、記憶手段5c(ROM)にはこのTiM値を決定す
るためのTiMテーブルが予め記憶されている。
【0037】また、K1及びK2は夫々各種エンジンパ
ラメータ信号に応じて演算される補正係数及び補正変数
であって、各気筒毎にエンジンの運転状態に応じた燃費
特性や加速特性等の諸特性の最適化が図られるような所
定値に設定される。
【0038】図2は、エンジン1の車体への取付状態と
振動騒音制御系18を構成する複数個の誤差信号検出手
段としての加算器の配設位置を示した図である。
【0039】すなわち、エンジン1は、振動騒音伝達特
性を変化させ得る前記1対の自己伸縮型エンジンマウン
ト14a,14bと、前記振動騒音伝達特性を変化させ
得ない通常のエンジンマウント20と、前輪(駆動輪)
21の懸架装置22と、排気管23の支持体24とで車
体25に支持されている。
【0040】また、車室26内の略中央天井部にはマイ
クロホン等の騒音エラーセンサ27が配設され、また、
車室26内の床面には床振動エラーセンサ28が配設さ
れ、さらに、ステアリングホイール29にはステアリン
グ振動エラーセンサ30が配設されている。
【0041】そして、これら騒音エラーセンサ27と床
振動エラーセンサ28とステアリング振動エラーセンサ
30とで加算器31を構成している。
【0042】図3は、本発明における振動騒音制御系1
8の一実施例を模式的に示したシステム構成図である。
【0043】該振動騒音制御系18は、ECU5から供
給される基礎パルス信号(カム軸センサ11により検出
される)を分周して複数種のタイミングパルス信号X
(入力信号)を生成する分周回路32と、前記基礎パル
ス信号を逓倍して所望のサンプリング周波数Fs(サン
プリング周期τ(=1/Fs))を作成する逓倍回路3
3と、基礎パルス信号と夫々のタイミングパルス信号X
との同期を監視する同期監視回路341〜342と、後述
するエンジンの運転状態が入力されると共に前記逓倍回
路33で作成されたサンプリング周波数Fsに基づき前
記分周回路32により作成された夫々のタイミングパル
ス信号Xが入力されて適応制御を行う高速演算可能なD
SP(Digital Signal Processor)35と、該DSP35
から出力される制御信号(デジタル信号)をアナログ信
号に変換するD/Aコンバータ36と、該D/Aコンバ
ータ36により出力されたアナログ信号を増幅する増幅
器37と、車室26内に配設された前記加算器31と、
切換スイッチ38とを主要部として構成されている。
【0044】しかして、前記逓倍回路33としては、例
えば以下に示す周知のものが使用される。すなわち、 (1) 周知の論理逓倍回路を利用して、前記基礎パルス信
号をK逓倍する方法 (2) 前記基礎パルス信号の発生間隔の間に発生するEC
U5のクロック(例えば、10MHz)のクロックパル
ス数PECUを計測し、(PECU/4K)の周期で
「0」出力と「1」出力を交互に出力することによりK
逓倍する方法 (3) 前記基礎パルス信号を(1/2)分周した後、積分
し、次いで正弦波化し、この正弦波をK逓倍し、方形化
するアナログ的手法 が使用される。
【0045】また、前記分周回路32は、振動騒音源で
ある動弁系やクランク軸周囲或いは燃焼室等エンジンの
各構成部位に特有の振動騒音特性に応じて基礎パルス信
号を分周し、複数種のタイミングパルス信号Xを生成す
る。すなわち、本実施例では、エンジンの回転に同期し
て規則的な振動騒音特性が生じるピストン系等の振動次
数(振動成分)と、燃焼状態に応じて不規則な振動騒音
特性が生じる爆発圧(加振力)による振動次数(振動成
分)に区分されたタイミングパルス信号Xが生成され
る。具体的には、規則的なピストン系等の振動次数を示
すものとして1次のタイミングパルス信号Xが生成さ
れ、爆発圧による振動次数を示すものとして2次のタイ
ミングパルス信号Xが生成される。ここで、振動次数が
「1次」とは、クランク軸が1回転(12パルス)する
毎にタイミングパルス信号Xが1回発生する場合をい
い、また、振動次数が2次の場合とはクランク軸の0.
5回転(6パルス)毎に1パルス発生する場合をいう。
【0046】すなわち、1次の振動次数はクランク軸の
回転等規則的に発生する振動成分に関するものであり、
かかる1次の振動成分を個別に後述する適応制御を行う
ことにより、エンジンの回転等慣性力に起因して発生す
る振動騒音を効率よく低減することができる。
【0047】一方、クランク軸が2回転する間に1気筒
当たり1回爆発行程が実行されるので、4気筒エンジン
の場合はクランク軸が2回転する間に4回の爆発行程が
あり、したがって振動次数が2次とは爆発圧に関する振
動成分を示していることとなる。
【0048】そして、このように不規則な振動騒音特性
を有する爆発圧に関する2次の振動次数成分を規則的な
振動騒音特性を有する1次の振動次数成分と区分して適
応制御を行うことにより、振動騒音をより効果的に低減
することができる。
【0049】また、同期回路341〜342は、前記基準
信号と前記タイミングパルス信号Xとを同期させると共
にその同期を検出する同期検出手段と、該同期検出手段
により前記タイミングパルス信号Xと前記基準信号との
同期が検出されなかったときは、次回に検出される基準
信号と前記タイミングパルス信号Xとを同期させる同期
手段とを備えている。
【0050】すなわち、車両駆動用パワープラントが4
サイクルエンジンの場合、4サイクルエンジンの振動騒
音の発生原因となる振動(加振力)は次の3種類に分類
される。具体的には、 (1) クランク軸の回転等ピストン系往復質量による加振
力 これに属する加振力としては慣性力、慣性偶力、慣性ト
ルク等がある。
【0051】(2) カム軸等動弁系(吸気弁、排気弁)往
復質量による加振力 これに属する加振力としては慣性力やモーメント等があ
る。
【0052】(3) 気筒内の爆発圧による加振力 これに属する加振力としては燃焼状態の変動に起因する
トルク変動等がある。
【0053】ところで、前記ピストン系は、クランク軸
が1回転する毎に往復運動するため、その振動(加振
力)はクランク軸が1回転する毎に発生すると考えられ
る。
【0054】また、4サイクルエンジンにあっては、各
気筒当たりカム軸1回転、すなわちクランク軸が2回転
する間に吸気行程及び排気行程が各1回宛実行されるた
め、かかる動弁系往復質量による加振力はカム軸1回転
当たり1回、すなわち、クランク軸が2回転する毎に1
回生じることとなる。
【0055】同様に、爆発行程についてもカム軸1回転
当たりに1回、すなわちクランク軸2回転当たりに1回
実行されるので、気筒内の爆発圧による加振力もクラン
ク軸2回転当たりに1回生じることとなる。すなわち、
4サイクルエンジンにあっては、クランク軸2回転当た
りに振動(加振力)が1回生じることとしてその振動騒
音特性を全て表現することができる。
【0056】しかるに、基礎パルス信号が、何らかの外
部要因により検出に失敗してタイミングパルス信号Xの
作成に失敗するとDSP35からは所望の伝達特性を有
する制御信号が出力されず、しかもこれらの位相誤差は
将来に亘って蓄積されるため、所望の振動騒音制御を行
うことができないこととなる。そこで、本実施例では上
述したように、前記同期検出手段と前記同期手段とを有
する同期回路341〜342を備えることにより、上記位
相誤差の発生を回避せんとしている。
【0057】具体的には、同期回路341〜342は、前
記基準信号(基準信号検出センサ12により検出され
る)をモニタすると共に、AND回路(論理積回路)が
内蔵され、基準信号とタイミングパルス信号Xとが同期
して入力されているときは共に「1」信号が入力されて
該AND回路からは「1」信号が出力される。一方、基
準信号とタイミングパルス信号Xとが同期していないと
きは、タイミングパルス信号Xの入力信号が「0」信号
となり、両者の同期に失敗したと判断し、分周回路39
はタイミングパルス信号Xの発生を一旦中止し、次回基
準信号の発生と同期して再びタイミングパルス信号Xの
発生が開始される。
【0058】しかして、DSP35は、タイミングパル
ス信号Xが入力される適応制御処理部39と、ECU5
から入力されるエンジンの運転状態に基づき前記適応制
御処理部39を制御する制御部40とを備えている。ま
た、前記適応制御処理部39は、各振動次数(1次、2
次)が別個に入力可能となるように2種類の適応制御回
路411〜412が内蔵され、さらに該適応制御回路41
1〜412は、タイミングパルス信号Xの発生間隔に対応
してそのタップ長が変化するADFとしてのWフィルタ
421〜422(第1のフィルタ手段)と、Wフィルタ4
1〜422のフィルタ係数を更新するための演算処理を
行う適応アルゴリズムとしてのLMS処理部(1)43
1〜432(更新手段)と、振動騒音伝達経路中に配設さ
れた自己伸縮型エンジンマウント14a(14b)に起
因して生じるWフィルタ421〜422からの伝達特性の
位相変化を補正する補正フィルタ441〜442(以下、
「Cフィルタ」という)(第2のフィルタ手段)と、前
記Wフィルタ421〜422から出力される第1の制御信
号X′の変化率補正(ゲイン補正)のみを行うタップ数
が「1」のADFとしてのゲインフィルタ(以下、「G
フィルタ」という)451〜452と、該Gフィルタ45
1〜452のフィルタ係数を更新するLMS処理部(2)
461〜462とを備えている。
【0059】このように構成された車輌用振動騒音制御
装置においては、分周回路32により作成されたタイミ
ングパルス信号Xは、逓倍回路33で作成されたサンプ
リング周波数Fsによりサンプリングされて夫々の適応
制御回路411〜412に入力される。次いで、該適応制
御回路411〜412から出力された第2の制御信号X″
(デジタル信号)はD/Aコンバータ36でアナログ信
号に変換され、増幅器37で増幅され、振動伝達経路中
に配設された自己伸縮型エンジンマウント14a(14
b)及び車体25を経て相殺信号Yとして加算器31に
入力される。
【0060】一方、前記加算器31にはエンジン1から
の振動騒音信号Dが入力されており、前記加算器31か
らは振動騒音信号Dと相殺信号Yとの誤差信号εが出力
され、切換スイッチ38に入力される。
【0061】しかして、切換スイッチ38において制御
部40からの指令によりコモン接点cと接点aとが接続
された場合は、誤差信号εがLMS処理部(2)461
〜462にフィードバックされ、前記制御部40からの
指令によりコモン接点cと接点bとが接続された場合
は、誤差信号εは補完回路47を経てLMS処理部
(1)431〜432にフィードバックされる。
【0062】図4は適応制御回路41の内部構成を示す
ブロック回路図である。
【0063】すなわち、ECU5から所定の振動次数に
分周されて出力されたタイミングパルス信号Xは逓倍回
路33によって作成されたサンプリング周波数Fs(サ
ンプリング周期τ(=1/Fs))毎にWフィルタ42
及びCフィルタ44に入力される。そして、該Wフィル
タ42からはタイミングパルス信号Xの発生間隔に応じ
た所定の伝達特性を有する第1の制御信号X′が出力さ
れる。
【0064】次いで、第1の制御信号X′はGフィルタ
45に入力され、さらにGフィルタ45からは第2の制
御信号X″が出力され、所定の振動騒音伝達経路を経て
加算器31に相殺信号Yとして入力される。
【0065】しかして、加算器31からは前記相殺信号
Yとエンジン1からの振動騒音信号Dとの誤差信号εが
出力され、該誤差信号εは切換スイッチ38に入力され
る。そして、制御部40からの指令により該切換スイッ
チ38においてコモン接点cと接点aとが接続された場
合は、誤差信号εはLMS処理部(2)46にフィード
バックされてGフィルタ45のフィルタ係数を更新す
る。すなわち、この場合は、Wフィルタ42のフィルタ
係数更新が中止され、Gフィルタには一定の振動騒音伝
達特性が入力され、かかる伝達特性に対してフィルタ係
数のゲイン補正を行う。一方、コモン接点cと接点bと
が接続された場合は、誤差信号εは補完回路47を介し
てLMS処理部(1)43にフィードバックされ、加算
器31からの誤差信号εとCフィルタ44からの参照信
号RとWフィルタ42の現在のフィルタ係数とに基づい
たWフィルタ42のフィルタ係数更新が実行される。
【0066】具体的には、切換スイッチ38において、
コモン接点cと接点aとが接続されると誤差信号εは第
1の乗算部48に入力される一方、該第1の乗算部48
にはGフィルタ45の更新補正量の大きさを制御するス
テップサイズパラメータμ1が第1のパラメータ制御手
段49から入力される。
【0067】次に、第1の乗算部48で誤差信号εとス
テップサイズパラメータμとが積和演算されて生成され
た出力信号U1は負値に変換されて加算部50に入力さ
れる。そして、該加算部50では出力信号U1とGフィ
ルタ45からの出力信号が加算され、Gフィルタ45に
フィードバックされてGフィルタ45のフィルタ係数更
新を行う。そして、かかるGフィルタ45のフィルタ係
数更新モードにあるときは、上述の如く、Wフィルタ4
2のフィルタ係数更新は行なわず一定の振動騒音伝達特
性がGフィルタ45に入力される。
【0068】一方、切換スイッチ38において、コモン
接点cと接点bとが接続されるとGフィルタ45のフィ
ルタ係数が固定値(=例えば、1.0)に設定されると
共にGフィルタ45のフィルタ係数更新が中止される。
次いで、誤差信号εはGフィルタ45による振幅変化又
はゲイン変化を補完すべく補完回路47を経た後、第1
の乗算部52に入力される一方、該第1の乗算部52に
は更新補正量の大きさを制御するステップサイズパラメ
ータμ2がパラメータ制御手段53から入力される。
【0069】次に、第1の乗算部52で誤差信号εとス
テップサイズパラメータμとが乗算されて生成された出
力信号U2は第2の乗算部54に入力される一方、該第
2の乗算部54にはCフィルタ44からの参照信号Rが
フィルタ用レジスタ55(記憶手段)を介して入力され
る。該Cフィルタ44は、振動伝達遅れを補正するため
のフィルタであって、前述したように自己伸縮型エンジ
ンマウント14等振動伝達経路中に配設された電気機械
変換手段に起因して生じるWフィルタ42のフィルタ係
数更新の偏差方向を補正する。
【0070】すなわち、Cフィルタ44は、所定サンプ
リング周波数Fs(逓倍回路33で作成される)毎にタ
イミングパルス信号Xが入力され、Wフィルタ42の場
合と同様、積和演算を要することなく所定の伝達特性を
有する参照信号Rが出力され、第2の乗算部54に入力
される。
【0071】次に、第2の乗算部54で参照信号Rと前
記出力信号U2とが乗算されて負値に変換された出力信
号Vが第2の加算部56に入力される。
【0072】次いで、第2の加算部56からの出力信号
がWフィルタ42にフィードバックされ、Wフィルタの
フィルタ係数更新が行われる。
【0073】図5は、Wフィルタ42のフィルタ係数を
更新すべきか、Gフィルタ44のフィルタ係数を更新す
べきかを判別する更新モード判別ルーチンのフローチャ
ートであって、本プログラムは制御部40にて前記基礎
パルス信号の発生と同期して実行される。
【0074】すなわち、まずステップS1では車輌のギ
ア位置を読み込み、ギア位置がニュートラルレンジ又は
パーキングレンジにあるか否かを判別する。その答が否
定(NO)のときはステップS6に進む一方、その答が
肯定(YES)のときはPBAセンサ8により検出され
る吸気管内絶対圧PBA、θTHセンサ4により検出さ
れるスロットル弁開度θTH及びTDCセンサ9により
検出されるエンジン回転数NEを読み込み(ステップS
2)、次いでGフィルタ45のフィルタ係数更新モード
に設定すべきか否かを判別するPBATAPテーブル及
びθTHTAPテーブルを検索して下限吸気管内絶対圧
PBATAP及び下限スロットル弁開度θTHTAPを
算出する(ステップS3)。
【0075】θTHTAPテーブルは、具体的には図6
に示すように、エンジン回転数NE0〜NE4に応じて
テーブル値θTHTAP0〜θTHTAP3が与えられ
ており、下限スロットル弁開度θTHTAPは、θTH
TAPテーブルを検索することにより読み出され、ある
いは補間法により算出される。
【0076】また、PBATAPテーブルは、図7に示
すように、エンジン回転数NE0〜NE4に応じてテー
ブル値PBATAP0〜θTHTAP3が与えられてお
り、下限吸気管内絶対圧PBATAPは、PBATAP
テーブルを検索することにより読み出され、あるいは補
間法により算出される。
【0077】次に、ステップS4ではスロットル弁開度
θTHが前記下限スロットル弁開度θTHTAPより大
きいか否かを判別する。
【0078】そして、その答が肯定(YES)のとき
は、アクセルペダルが大きく踏み込まれてスロットル弁
開度が大きくなり運転状態が始動時から急変したと判別
して、モード判別フラグFTAPを「1」に設定して
(ステップS10)、Gフィルタ45のフィルタ係数更
新モードにし、本プログラムを終了する。
【0079】一方、ステップS4が肯定(YES)のと
きは吸気管内絶対圧PBAが前記下限吸気管内絶対圧P
BATAPより大きいか否かを判別し(ステップS
5)、その答が肯定(YES)のときは運転状態が急変
したと判断して、上述と同様、モード判別フラグFTA
Pを「1」に設定して(ステップS10)、本プログラ
ムを終了する。
【0080】また、ステップS5及び上述したステップ
S1の答が共に否定(NO)のときは、カム軸センサ1
1からの基礎パルス信号に基づき逓倍されて作成された
サンプリング周波数Fs(サンプリング周期τ)の間隔
θCRKを算出し(ステップS6)、さらにθCRK値
の前回値θCRK(n−1)と今回値θCRK(n)と
の偏差の絶対値ΔθCRKを算出する。そして、ステッ
プS8ではΔθCRK値が所定下限値ΔθCRKTAP
より大きいか否かを判別し、その答が肯定(YES)の
ときは上述と同様、更新モードフラグFTAPを「1」
に設定する一方(ステップS10)、その答が否定(N
O)のときは更新モードフラグFTAPを「0」に設定
し(ステップS9)、Wフィルタ42のフィルタ係数更
新モードとし、本プログラムを終了する。
【0081】しかして、上記振動騒音制御系18におい
ては、サンプリング周波数Fsをタイミングパルス信号
Xの発生間隔に応じて追従するように変化させているの
で、Cフィルタ50から出力される伝達補正特性を従来
のように系によって予め同定してしまうとサンプリング
周波数Fsの変化に応じた参照信号Rを得ることができ
ず、所望の相殺信号Yを得ることができないという課題
が生じる。
【0082】そこで、本実施例ではCフィルタ50に予
め複数の伝達特性C(Fs)(n=1,2,…,m)を
記憶しておき、エンジンの回転数NEに応じて周波数帯
域を複数の周波数領域Fn(n=1,2,…,m)に区
分しておく。そして、これら各周波数領域Fnに応じて
所望の伝達特性C(Fn)を選択することにより、サン
プリング周波数Fsが変化しても所望の参照信号Rが得
られるように構成されている。
【0083】図8は、Cフィルタの伝達特性の選択手順
を示すフローチャートであって、本プログラムは例えば
タイミングパルス信号Xの発生と同期してDSP42内
で実行される。
【0084】まず、エンジン1の始動直後においては、
系の伝達特性は全く未知であるため、n=1に設定して
(ステップS11)未知のサンプリング周波数Fsを入
力する(ステップS12)。次いで、駆動周波数Fc
(例えば、10MHz)で駆動するECU5のクロック
パルスのパルス間隔Eをカウンタで計測する(ステップ
S13)。
【0085】次に、ステップS14では数式(2)に基
づきサンプリング周波数Fsを算出する。
【0086】
【数1】 次いで、ステップS15では、サンプリング周波数Fs
が所定周波数Fn(この場合はn=1)より小さいか否
かを判別する。しかるに所定周波数F1はエンジン回転
数が極めて低いときに適合する周波数であるため、通常
はステップS15の答は否定(NO)となり、nを
「1」だけインクリメントして(ステップS16)、次
にサンプリング周波数Fsが所定周波数F2より小さい
か否かを判別する。以下、サンプリング周波数Fsが所
定周波数Fnより小さくなるまでステップS5の判別を
繰り返し、ステップS15の答が肯定(YES)となる
とステップS7に進んで、そのときの周波数Fnがサン
プリング周波数Fsに最も近いと判断して該周波数Fn
に対応する伝達特性C(Fn)を伝達補正特性に選択し
て本プログラムを終了する。
【0087】このようにエンジン始動直後においては、
低周波数とサンプリング周波数とを比較することにより
最適伝達特性を得ることができる。
【0088】また、エンジン回転数NEが或る程度の回
転数に到達した後は、図9に示すフローチャートにした
がって伝達特性C(Fn)が選択される。
【0089】すなわち、n=p、つまりFnをF1から
Fmまでの中間周波数に設定した後(ステップS2
1)、図8と同様、サンプリング周波数Fsを入力し
(ステップS22)、次いでクロックパルス(駆動周波
数Fc)のパルス間隔Eをカウンタで計測して(ステッ
プS23)前記数式(2)に基づきサンプリング周波数
Fsを算出し(ステップS24)、該サンプリング周波
数Fsが周波数Fn(この場合はFp)より小さいか否
かを判別する(ステップS25)。そして、その答が肯
定(YES)のときは、n=pであるからステップS2
6の答は肯定(YES)となり、サンプリング周波数F
sがFpより1区分低い所定周波数Fn−1より大きい
か否かを判別する(ステップS27)。すなわち、ステ
ップS25及びステップS26の答が共に肯定(YE
S)のときは、エンジン減速時にある場合であり、サン
プリング周波数Fsが1区分低い所定周波数Fn−1
り大きいか否かを判別する。そして、ステップS27の
答が肯定(YES)のときはそのときの周波数Fsに対
応する伝達特性C(Fn)を伝達特性に選択して本プロ
グラムを終了する。
【0090】また、ステップS27の答が否定(NO)
のときは、nを「1」だけデクリメントして(ステップ
S29)さらに低い所定周波数Fn−1とサンプリング
周波数Fsとの比較を行い、ステップS27の答が肯定
(YES)となったときはそのときの周波数Fnに対応
する伝達特性C(Fn)を選択して(ステップS28)
本プログラムを終了する。
【0091】また、ステップS25の答が否定(NO)
のときは、ステップS25の答が肯定(YES)となる
までnを「1」ずつインクリメントしてサンプリング周
波数Fsと周波数Fnとを比較し、ステップS25の答
が肯定(YES)となったときはステップS26の答が
否定(NO)となるためそのままステップS28に進
み、そのときの周波数Fnに対応する伝達補正特性C
(Fn)を選択して本プログラムを終了する。
【0092】また、上記実施例ではCフィルタ50に予
め記憶された複数の伝達特性からエンジン回転数NEに
応じた最適伝達特性を選択することにより最終的にCフ
ィルタ50を同定しているが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えば、図10に示すように、
エンジン回転数の上限回転数(例えば、6000rp
m)に相当する周波数よりも適数倍、例えば数十倍を有
する高周波数Frを分周してCフィルタ50の伝達補正
特性を同定するように構成してもよい。
【0093】すなわち、高周波のサンプリング周波数F
r(例えば、数10Hz)で同定された高次伝達特性を
有する高周波フィルタCrを予めCフィルタ50に記憶
しておく。ここで、高周波フィルタCrはM個のタップ
を有し、かつ該高周波フィルタCrのサンプリング周期
(1/Fr)には駆動周波数Fc(例えば、10MH
z)で駆動するECU5の駆動パルス数がL個発生する
(この「L」はカウンタによりカウントされる)。
【0094】また、所定のサンプリング周波数Fs(例
えば、数百Hz)で同定されるフィルタCsにおいて
は、上記ECU5の駆動パルス数がそのサンプリング周
期(1/Fs)にS個(S>L)発生している場合(こ
の場合伝達特性Csは所定サンプリング周波数で同定さ
れているため、Sは既知数である)、そのタップ数Kは
数式(3)に基づいて算出される。
【0095】
【数2】 ここで、intは小数点以下を切り捨てた切り捨て整数を
示し、例えば、M×(L/S)=4.63のときはM×
(L/S)int=4となる。
【0096】そして、本実施例では図中矢印に示すよう
に、フィルタCsの各フィルタ係数Cs(j)は、これ
らのフィルタ係数Cs(j)に最も近い高周波フィルタ
Cr中の右隣りに位置するフィルタ係数Cr(m)を選
択してCフィルタ50の伝達特性を同定している。
【0097】図11は上記フィルタCsの各フィルタ係
数Cs(j)の算出手順を示すフローチャートである。
【0098】まず、ステップS31ではフィルタCsの
発生パルスQ及び、高周波フィルタCrの発生パルスL
を夫々「0」に設定し、次いでフィルタCsの最初のフ
ィルタ係数Ts(0)と高周波フィルタCrの最初のフ
ィルタ係数Cr(0)とを等置して(ステップS32)
フィルタCsの最初のフィルタ係数Cs(0)を決定す
る。
【0099】次いで、フィルタCsの発生パルス数Qを
「1」だけインクリメントすると共に、高周波フィルタ
Crの発生パルス数LをLに設定し(ステップS3
3)、次いでフィルタCsのサンプリング周期(1/F
s)中における駆動周波数Fcの個数Sが高周波フィル
タCrのサンプリング周期(1/Fr)中に発生するE
CU5のクロックパルス数FcがL以下であるか否かを
判別する(ステップS34)。そして、その答が否定
(NO)のときはステップS33に戻る一方、その答が
肯定(YES)のときはCs(1)=Cr(1)に設定
し(ステップS35)、次いで前記数式(5)が成立す
るか否かを判別する(ステップS36)。そして、その
答が肯定(YES)のときはそのまま本プログラムを終
了する一方、その答が否定(NO)のときはステップS
37に進み、フィルタCsのタップ位置を「1」だけイ
ンクリメントすると共に、高周波フィルタCrの発生パ
ルス数を2Lに設定し、次いでサンプリング周期(1/
2Fs)間に発生したパルス数2SがECU5の駆動周
波数Fcによるパルス2Lより小さいか否かを判別する
(ステップS38)。
【0100】そして、その答が否定(NO)のときは、
ステップS37に戻る一方、その答が肯定(YES)の
ときはCs(2)=Cr(2)に設定して(ステップS
39)、第2のタップ係数Cs(2)を決定し、次いで
再び数式(5)が成立しているか否かを判別し、その答
が肯定(YES)のときはそのままプログラムを終了す
る一方、その答が否定(NO)のときは次のステップ
(図示省略)に進む。そして、以後数式(3)が成立す
るまでCs(3),Cs(4),…を順次算出してゆ
き、数式(3)の成立により、全てのフィルタ係数Cs
(m)を決定し、数式(3)が不成立になったところで
本プログラムを終了する。
【0101】このように、高周波サンプリング周波数F
rで同定されたフィルタFrを「間引き」することによ
り最適伝達特性を有するCフィルタの同定を行うことが
できる。
【0102】これにより、サンプリング周波数が変化し
てもその変化に追随して所望の相殺信号Yを得ることが
でき、振動騒音の低減化を図ることができる。
【0103】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく要旨を逸脱しない範囲において変更可能なこと
はいうまでもない。
【0104】例えば、上記実施例では、カム軸の回転に
同期して発生するパルス信号を基礎パルス信号として使
用したが、エンジンの回転に同期して発生するパルス信
号として、例えばクランク軸周囲にクランク角センサ
(CRKセンサ)を設け、該CRKセンサの出力信号を
使用してもよく、また、トルク変動(燃焼状態の変動)
を示すファクタとして、例えば点火パルスを選択し、該
点火パルスを基礎パルス信号として使用してもよい。さ
らに、ECU5を駆動させるためのクロックパルスを基
礎パルス信号として使用してもよい。
【0105】さらに、クランク軸に固着されたフライホ
イールの近傍に回転検出手段19としてのパルスエンコ
ーダを配設し、該パルスエンコーダによりフライホイー
ルのリングギアをカウントし、パルス信号が発生するよ
うに構成するのも好ましい。すなわち、上述の如くカム
軸の回転により基礎パルス信号を検出している場合は、
カム軸用プーリ(図示せず)とクランク軸用プーリ(図
示せず)とを連動させているタイミングベルト(図示せ
ず)の伸び等により微小ながら回転変動を生じ、またC
RKセンサに基づいてECU5から基礎パルス信号を出
力する場合においてもクランク軸の捩り振動等により回
転変動を生じ、しかも逓倍回路33における逓倍比が大
きい程かかる回転変動に起因して所望のサンプリング周
波数Fsに対する大きな設定誤差が生じる虞があるのに
対し、前記フライホイール38は慣性モーメントが大き
く、回転変動が少ないため、高精度で所望のサンプリン
グ周波数Fsを作成することができる。
【0106】また、カム軸又はクランク軸の近傍に回転
信号検出手段19としてのロータリエンコーダを配設
し、該ロータリエンコーダにより検出された回転信号を
分周してサンプリング周波数Fsやタイミングパルス信
号Xを生成してもよい。
【0107】また、上記実施例では、タイミングパルス
信号Xとサンプリング周波数Fsとを共に同一の基礎パ
ルス信号に基づいて作成しているが、例えば、タイミン
グパルス信号Xをカム軸センサ11等エンジンの回転に
同期して発生するパルス信号に基づいて作成し、サンプ
リング周波数Fsをフライホイールの近傍に配設された
前記パルスエンコーダに基づいて作成してもよい。また
本発明は4気筒以外の多気筒エンジン、例えば6気筒、
8気筒エンジンにも適用できるのはいうまでもない。
【0108】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、少なく
とも車輌駆動用パワープラントを含む振動騒音源に起因
して車体又は車室内の少なくとも1つ以上の所定領域に
おいて発生する周期的または擬似周期的な振動騒音に対
し、所定の入力信号をフィルタリングすることにより前
記振動騒音源から前記所定領域の間の伝達特性を変化さ
せる制御信号を出力する第1のフィルタ手段と、前記振
動騒音源と前記所定領域との間に形成された複数の振動
騒音伝達経路のうちの少なくとも1つ以上の振動騒音伝
達経路中に配設され、前記第1のフィルタ手段の出力に
より前記伝達特性を機械的に変化させる電気機械変換手
段と、該電気機械変換手段により変化した振動騒音と前
記電気機械変換手段を有さない前記振動騒音伝達経路か
らの振動騒音との三次元的な総和により減じられる振動
騒音誤差信号を前記所定領域において検出する誤差信号
検出手段と、前記電気機械変換手段と前記誤差信号検出
手段との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特性が
記憶された第2のフィルタ手段と、前記誤差信号検出手
段の検出結果と前記第2のフィルタ手段から出力される
参照信号と前記第1のフィルタ手段のフィルタ係数に基
づいて前記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記
第1のフィルタ手段のフィルタ係数を更新する第1の更
新手段とを備えた車輌用振動騒音制御装置において、前
記振動騒音源からの駆動周期を第1のパルス信号として
所定微小角度毎に検出する第1の駆動周期信号検出手段
と、前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音周期
に同期する第2のパルス信号を検出する第2の駆動周期
信号検出手段と、前記第1のフィルタ手段のフィルタ係
数の出力及び更新を行う一連の動作を支配するサンプリ
ング周期を前記第1の駆動周期信号検出手段により検出
される第1のパルス信号の検出タイミングに応じて決定
するサンプリング周期決定手段と、該サンプリング周期
に応じて第2のフィルタ手段の伝達特性を補正する伝達
特性補正手段と、該伝達特性補正手段により補正された
伝達特性を記憶する記憶手段とを備え、前記第1のフィ
ルタ手段のタップ長が前記第1のパルス信号に対する第
2のパルス信号の分周比とされ、且つ前記第1のパルス
信号が前記第1及び第2のフィルタ手段に入力されると
共に、さらに、前記第1のフィルタ手段と前記電気機械
変換手段との間に介装されて前記第1のフィルタ手段か
ら出力される制御信号に対する変化率補正が行なわれる
第3のフィルタ手段と、前記誤差信号検出手段の検出結
果と前記第3のフィルタ手段のフィルタ係数とに基づい
て前記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記第3
のフィルタ手段のフィルタ係数を更新する第2の更新手
段と、前記第1の駆動周期信号検出手段により検出され
る駆動周期の変化率を算出する変化率算出手段と、該変
化率算出手段により算出された変化率が所定判別値より
大きいか否かを判別する判別手段とを有し、該判別手段
により前記変化率が前記所定判別値より大きいと判別さ
れたときは第1の更新手段の実行を停止して第2の更新
手段が実行される一方、前記判別手段により前記変化率
が前記所定判別値より小さいと判別されたときは第3の
フィルタ手段のフィルタ係数を固定値に設定し且つ第2
の更新手段の実行を停止して第1の更新手段が実行され
るので、運転状態の急変等振動騒音伝達特性が急激に変
化し、サンプリング周波数を可変にしただけでは適応制
御の追随性が良好に保つことができない場合であって
も、第3のフィルタ手段によって制御信号が適宜補正さ
れ、所望の振動騒音低減化を図ることができる。
【0109】また、前記第3のフィルタ手段は適応型デ
ジタルフィルタからなり、かつ該適応型デジタルフィル
タのタップ数が単一とされているので、パワープラント
の運転状態の過渡時においても振動騒音伝達特性の迅速
な補正を行うことができ、追随性の良好な振動騒音制御
を行うことができる。
【0110】さらに、第1及び第2の駆動周期検出手段
が、前記パワープラントのクランク軸の回転に同期して
所定回転角度毎に発生する第1の基礎パルス信号を検出
する第1の検出手段と、前記パワープラントのカム軸の
回転に同期して所定回転角度毎に発生する第2の基礎パ
ルス信号を検出する第2の検出手段と、前記パワープラ
ントに燃焼を生じさせる点火信号である第3の基礎パル
ス信号を検出する第3の検出手段と、前記パワープラン
トを制御するパワープラント制御手段が有する第4の基
礎パルス信号を検出する第4の検出手段と、前記パワー
プラントのクランク軸に固着されたフライホイールの回
転信号を第5の基礎パルス信号として検出する第5の検
出手段と、前記クランク軸の回転信号を第6の基礎パル
ス信号として検出する第6の検出手段と、前記パワープ
ラントのカム軸の回転信号を第7の基礎パルス信号とし
て検出する第7の検出手段のうち少なくとも1個以上の
検出手段を含み、前記第1及び第2のパルス信号とが互
いに独立的に又は従属的に生成されると共に、前記第1
のパルス信号及び第2のパルス信号がこれら第1乃至第
7の検出手段により検出された基礎パルス信号の個別信
号又は複数の組合せ信号、或いは前記第1乃至第7の基
礎パルス信号のうちのいずれかの基礎パルス信号を分周
又は逓倍して生成された信号からなるので、第1及び第
2のパルス信号はパワープラントから発生すると考えら
れるあらゆるパルス信号で構成することが可能となり、
適用範囲の広いものとなる。
【0111】また、周波数帯域が前記パワープラントの
回転数に応じて所定周波数毎に複数に区分されると共
に、複数の伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶さ
れ、かつ該伝達特性補正手段が、前記所定周波数と前記
サンプリング周期決定手段により決定されたサンプリン
グ周期とに応じて前記複数の伝達特性から最適伝達特性
を選択する選択手段を有するか、又は前記パワープラン
トの上限回転数に対応する周波数に対し適数倍の高周波
相当のサンプリング周期で同定された高次伝達特性が前
記伝達特性補正手段に記憶され、該伝達特性補正手段
が、前記高次伝達特性を分周して最適伝達特性を算出す
る伝達特性算出手段を有することにより、伝達特性手段
の伝達特性をサンプリング周期の変動に応じて補正する
ことができ、高精度な適応制御を行うことができ、所望
の振動騒音低減化を図るのに際し、支障を来たすのを回
避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輌用振動騒音制御装置の一実施
例を示す全体構成図である。
【図2】エンジンの車体への取付状態と誤差信号検出手
段の配設位置を示した図である。
【図3】振動騒音制御系の一実施例(第1の実施例)を
示すシステム構成図である。
【図4】適応制御回路のブロック回路図である。
【図5】更新モード判別ルーチンのフローチャートであ
る。
【図6】θTHTAPマップである。
【図7】PBATAPマップである。
【図8】伝達補正特性選択ルーチンの一実施例を示すフ
ローチャートである。
【図9】伝達補正特性選択ルーチンの他の実施例を示す
フローチャートである。
【図10】伝達補正特性の算出方法を示すタイムチャー
トである。
【図11】伝達補正特性算出ルーチンの一実施例を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃エンジン 5 ECU(パルス信号検出手段) 11 カム軸センサ(パルス信号検出手段) 12 基準信号検出センサ(基準信号検出手段) 14a,14b 自己伸縮型エンジンマウント(電気機
械変換手段) 19 エンコーダ(回転信号検出手段) 27 カム軸 33 クランク軸 35 フライホイール 36 分周回路(パルス信号生成手段) 37 逓倍回路(サンプリング周期決定手段) 381〜384 同期回路(同期検出手段、同期手段) 451〜454 Wフィルタ(デジタルフィルタ) 4541〜4546 Wフィルタ(デジタルフィルタ) 461〜464 LMS処理部(更新手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車輌駆動用パワープラントを
    含む振動騒音源に起因して車体又は車室内の少なくとも
    1つ以上の所定領域において発生する周期的または擬似
    周期的な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリ
    ングすることにより前記振動騒音源から前記所定領域の
    間の伝達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフ
    ィルタ手段と、 前記振動騒音源と前記所定領域との間に形成された複数
    の振動騒音伝達経路のうちの少なくとも1つ以上の振動
    騒音伝達経路中に配設され、前記第1のフィルタ手段の
    出力により前記伝達特性を機械的に変化させる電気機械
    変換手段と、 該電気機械変換手段により変化した振動騒音と前記電気
    機械変換手段を有さない前記振動騒音伝達経路からの振
    動騒音との三次元的な総和により減じられる振動騒音誤
    差信号を前記所定領域において検出する誤差信号検出手
    段と、 前記電気機械変換手段と前記誤差信号検出手段との間に
    形成される振動騒音伝達経路の伝達特性が記憶された第
    2のフィルタ手段と、 前記誤差信号検出手段の検出結果と前記第2のフィルタ
    手段から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段
    のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小
    値となるように前記第1のフィルタ手段のフィルタ係数
    を更新する第1の更新手段とを備えた車輌用振動騒音制
    御装置において、 前記振動騒音源からの駆動周期を第1のパルス信号とし
    て所定微小角度毎に検出する第1の駆動周期信号検出手
    段と、前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音周
    期に同期する第2のパルス信号を検出する第2の駆動周
    期信号検出手段と、前記第1のフィルタ手段のフィルタ
    係数の出力及び更新を行う一連の動作を支配するサンプ
    リング周期を前記第1の駆動周期信号検出手段により検
    出される第1のパルス信号の検出タイミングに応じて決
    定するサンプリング周期決定手段と、該サンプリング周
    期に応じて第2のフィルタ手段の伝達特性を補正する伝
    達特性補正手段と、該伝達特性補正手段により補正され
    た伝達特性を記憶する記憶手段とを備え、 前記第1のフィルタ手段のタップ長が前記第1のパルス
    信号に対する第2のパルス信号の分周比とされ、且つ前
    記第1のパルス信号が前記第1及び第2のフィルタ手段
    に入力されると共に、 さらに、前記第1のフィルタ手段と前記電気機械変換手
    段との間に介装されて前記第1のフィルタ手段から出力
    される制御信号に対する変化率補正が行なわれる第3の
    フィルタ手段と、前記誤差信号検出手段の検出結果と前
    記第3のフィルタ手段のフィルタ係数とに基づいて前記
    振動騒音誤差信号が最小値となるように前記第3のフィ
    ルタ手段のフィルタ係数を更新する第2の更新手段と、
    前記第1の駆動周期信号検出手段により検出される駆動
    周期の変化率を算出する変化率算出手段と、該変化率算
    出手段により算出された変化率が所定判別値より大きい
    か否かを判別する判別手段とを有し、 該判別手段により前記変化率が前記所定判別値より大き
    いと判別されたときは第1の更新手段の実行を停止して
    第2の更新手段が実行される一方、前記判別手段により
    前記変化率が前記所定判別値より小さいと判別されたと
    きは第3のフィルタ手段のフィルタ係数を固定値に設定
    し且つ第2の更新手段の実行を停止して第1の更新手段
    が実行されることを特徴とする車輌用振動騒音制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第3のフィルタ手段は適応型デジタ
    ルフィルタからなり、かつ該適応型デジタルフィルタの
    タップ数が単一であることを特徴とする請求項1記載の
    車輌用振動騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の駆動周期検出手段が、前記パ
    ワープラントのクランク軸の回転に同期して所定回転角
    度毎に発生する第1の基礎パルス信号を検出する第1の
    検出手段と、前記パワープラントのカム軸の回転に同期
    して所定回転角度毎に発生する第2の基礎パルス信号を
    検出する第2の検出手段と、前記パワープラントに燃焼
    を生じさせる点火信号である第3の基礎パルス信号を検
    出する第3の検出手段と、前記パワープラントを制御す
    るパワープラント制御手段が有する第4の基礎パルス信
    号を検出する第4の検出手段と、前記パワープラントの
    クランク軸に固着されたフライホイールの回転信号を第
    5の基礎パルス信号として検出する第5の検出手段と、
    前記クランク軸の回転信号を第6の基礎パルス信号とし
    て検出する第6の検出手段と、前記パワープラントのカ
    ム軸の回転信号を第7の基礎パルス信号として検出する
    第7の検出手段のうち少なくとも1個以上の検出手段を
    含み、前記第1のパルス信号が、これら第1乃至第7の
    検出手段により検出された基礎パルス信号の個別信号又
    は複数の組合せ信号、或いは前記第1乃至第7の基礎パ
    ルス信号のうちのいずれかの基礎パルス信号を分周又は
    逓倍して生成された信号からなることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の車輌用振動騒音制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の駆動周期信号検出手段は、請
    求項3記載の第1乃至第7の検出手段のうち少なくとも
    1個以上の検出手段を含み、前記第2のパルス信号が前
    記第1のパルス信号とは独立的に又は従属的に生成され
    ると共に、該第2のパルス信号は、前記第1乃至第7の
    検出手段により検出された基礎パルス信号の個別信号又
    は複数の組合せ信号、或いは前記第1乃至第7の基礎パ
    ルス信号のうちのいずれかの基礎パルス信号を分周又は
    逓倍して生成された信号からなることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の車輌用振動騒音制御装置。
  5. 【請求項5】 周波数帯域が前記パワープラントの回転
    数に応じて所定周波数毎に複数に区分されると共に、複
    数の伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶され、かつ
    該伝達特性補正手段が、前記所定周波数と前記サンプリ
    ング周期決定手段により決定されたサンプリング周期と
    に応じて前記複数の伝達特性から最適伝達特性を選択す
    る選択手段を有していることを特徴とする請求項1乃至
    請求項4のいずれかに記載の車輌用振動騒音制御装置。
  6. 【請求項6】 前記パワープラントの上限回転数に対応
    する周波数に対し適数倍の高周波相当のサンプリング周
    期で同定された高次伝達特性が前記伝達特性補正手段に
    記憶され、該伝達特性補正手段が、前記高次伝達特性を
    分周して最適伝達特性を算出する伝達特性算出手段を有
    していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れかに記載の車輌用振動騒音制御装置。
JP4118281A 1992-04-10 1992-04-10 車輌用振動騒音制御装置 Pending JPH05288238A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219853A (ja) * 2011-04-05 2012-11-12 Bridgestone Corp 車両の振動低減システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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