JP3550158B2 - 車輌用振動騒音制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は車輌用振動騒音制御装置、より詳しくは車輌の走行等により発生する振動騒音を能動的に制御し、これら振動騒音の低減化を図る車輌用振動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、適応デジタルフィルタ(Adaptive Digital Filter:以下、「ADF」という)を使用して振動騒音源から発生する振動騒音を減衰させ、該振動騒音の低減化を図る能動的振動騒音制御装置の開発が各方面で盛んに行なわれている。
【0003】
図18は、この種の振動騒音制御装置を自動車等の車輌に適用した場合のブロック構成図である。
【0004】
該振動騒音制御装置においては、振動騒音センサ101により検出された振動騒音はA/Dコンバータ102によってサンプリングされ、デジタルデータの入力信号xとして適応制御回路103に入力される。次いで、該適応制御回路103から出力されたデジタル信号はD/Aコンバータ104でアナログ信号に変換され、振動伝達経路中に配設されたエンジンマウント105及び車体106を経て車体の床などに設けられた加速度センサ等の加算器107に相殺信号yとして入力される。
【0005】
一方、前記加算器107には、エンジン等の振動騒音源108から振動騒音信号dが入力されており、前記加算器107からは振動騒音信号dと相殺信号yとの誤差信号εが出力され、適応制御回路103にフィードバックされる。すなわち、誤差信号εは、振動騒音信号dと相殺信号yとの相殺誤差を示すものであり、上記能動振動制御装置においては前記誤差信号εが最小値となるように相殺信号の逆位相の伝達特性を変更することにより騒音の低減が図られている。
【0006】
また、適応制御回路103は、一般的には図19に示すフィルタードX−LMSアルゴリズムと呼称されるアルゴリズム構成が採用される。すなわち、該適応制御回路103は、有限長インパルス応答(Finite Impulse Response:以下「FIR」という)形のADFとしてのウィーナーフィルタ(以下、「Wフィルタ」という)109と、アルゴリズム(計算法)としての最小2乗平均法(Least Mean Square Method:以下「LMS法」という)を利用して最適相殺信号(伝達特性)を生成する適応アルゴリズム(LMS)処理部110と、振動騒音伝達経路中におけるWフィルタ109からの振動騒音伝達特性の位相変化を補正する補正デジタルフィルタ(以下、「Cフィルタ」という)111とを備えている。
【0007】
上記適応制御回路103を備えた振動騒音制御装置においては、Cフィルタ111により振動騒音伝達経路中に配設されたエンジンマウント105等による伝達特性の位相変化の影響を回避することができ、所望の相殺信号yを加算器107に入力することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の振動騒音制御装置においては、入力信号xが時系列的波形でもってWフィルタ109及びCフィルタ111に入力されるため、Wフィルタ109及びCフィルタ111において、夫々のタップ毎に入力信号xとの間で積和演算を実行しなければならず、演算処理に時間を要するという問題点があった。すなわち、自動車等の車輌における振動騒音のように複雑な系の振動騒音を制御するためにはフィルタのタップ長を長くする必要がある一方、フィルタのタップ長が長くなると、それだけ積和演算に時間を要することとなり、振動騒音を低減するための収束速度が低下するという問題点があった。
【0009】
また、車輌の振動騒音は、エンジンの回転及び燃焼状態等エンジンの各運転状態が複雑に絡み合って生じ、しかもこれらのエンジンの運転状態に応じて夫々固有の振動波形、固有の周波数等を有するため、これら全ての運転状態を一括して単一の信号により処理しても誤差信号εを所望値にまで低減することが困難であり、高精度の振動騒音制御を行うことができないという問題点があった。
【0010】
さらに、上記従来の振動騒音制御装置においては、振動騒音がA/Dコンバータ102により一定のサンプリング周期でサンプリングされているため、自動車などの車輌のようにエンジンの回転変動等により振動騒音伝達特性が大きく変化する系に対しては、適切な振動騒音制御を行うことができないという問題点があった。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであって、車輌における振動騒音源から発生する周期的又は擬似周期的な振動騒音に対し、収束速度を向上させてより適切かつ高精度な適応制御を行うことができる車輌用振動騒音制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の第1の態様は、少なくとも車輌駆動用パワープラントを含む振動騒音源に起因して車体又は車室内の少なくとも1つ以上の所定領域において発生する周期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリングすることにより前記振動騒音源から前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフィルタ手段と、前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号により振動騒音を制御する電気機械変換手段と、該電気機械変換手段からの出力により、ベクトル的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所定領域において検出する誤差信号検出手段と、前記電気機械変換手段と前記誤差信号検出手段との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特性を表現する第2のフィルタ手段と、前記誤差信号検出手段の検出結果と前記第2のフィルタ手段から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ係数を更新する制御信号更新手段とを備えた車輌用振動騒音制御装置において、前記振動騒音源の駆動周期に同期して発生する第1のパルス信号を検出するパルス信号検出手段と、前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音の周期に同期する第2のパルス信号を前記パルス信号検出手段により検出された第1のパルス信号を分周して複数種生成するパルス信号生成手段と、該パルス信号生成手段により生成された第2のパルス信号の発生間隔に応じて第1のフィルタ手段のタップ長を変化させる変化手段とを備え、前記第2のフィルタ手段が、前記変化手段により変化した前記タップ長に応じて前記第2のフィルタ手段のフィルタ係数の擬似周期列を作成する擬似周期列作成手段を有し、かつ、前記第1のフィルタ手段が複数の適応型デジタルフィルタを具備すると共に、前記第2のフィルタ手段が前記複数の適応型デジタルフィルタに応じて複数の補正デジタルフィルタを有し、前記パルス信号生成手段により生成された複数種の第2のパルス信号が前記所定の入力信号として前記振動騒音特性に応じて夫々前記複数の適応型デジタルフィルタ及び前記複数の補正デジタルフィルタに入力されることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の第2の態様は、少なくとも車輌駆動用パワープラントを含む振動騒音源に起因して車体又は車室内の少なくとも1つ以上の所定領域において発生する周期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリングすることにより前記振動騒音源から前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフィルタ手段と、前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号により振動騒音を制御する電気機械変換手段と、該電気機械変換手段からの出力により、ベクトル的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所定領域において検出する誤差信号検出手段と、前記電気機械変換手段と前記誤差信号検出手段との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特性を表現する第2のフィルタ手段と、前記誤差信号検出手段の検出結果と前記第2のフィルタ手段から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ係数を更新する制御信号更新手段とを備えた車輌用振動騒音制御装置において、前記振動騒音源からの駆動周期を所定微小角度毎に第1のパルス信号として検出する駆動周期信号検出手段と、前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音の周期に同期する第2のパルス信号を前記駆動周期信号検出手段により検出された第1のパルス信号を分周して複数種生成するパルス信号生成手段と、前記駆動周期信号検出手段により検出される第1のパルス信号の検出タイミングに応じてサンプリング周期を決定するサンプリング周期決定手段とを備え、前記第2のフィルタ手段が、前記サンプリング周期決定手段により決定されたサンプリング周期に応じて第2のフィルタ手段の伝達特性を補正する伝達特性補正手段を有し、前記サンプリング周期決定手段により決定されたサンプリング周期で前記第1のフィルタ手段のフィルタ係数の出力及び更新を行う一連の動作を支配すると共に、前記第1のフィルタ手段のタップ長が前記第1のパルス信号に対する第2のパルス信号の分周比とされ、かつ、前記第1のフィルタ手段が複数の適応型デジタルフィルタを具備すると共に、前記第2のフィルタ手段が前記複数の適応型デジタルフィルタに応じて複数の補正デジタルフィルタを有し、前記パルス信号生成手段により生成された複数種の第2のパルス信号が前記所定の入力信号として前記振動騒音特性に応じて夫々複数の適応型デジタルフィルタ及び前記複数の補正デジタルフィルタに入力されることを特徴としている。
【0014】
そして、前記第1の態様において、前記パワープラントのクランク軸の回転に同期して所定回転角度毎に発生する第1の基礎パルス信号と、前記パワープラントのカム軸の回転に同期して所定回転角度毎に発生する第2の基礎パルス信号と、前記パワープラントに燃焼を生じさせる点火信号である第3の基礎パルス信号と、前記パワープラントを制御するパワープラント制御手段が有する第4の基礎パルス信号のうち少なくとも1個以上の基礎パルス信号を有し、前記パルス信号検出手段(5)により検出される第1のパルス信号が、これら第1乃至第4の基礎パルス信号の個別信号又は複数の組合せ信号から構成されるのが好ましく、また、前記第2の態様において、前記パワープラントのクランク軸に固着されたフライホイールの回転信号を検出する第1の回転信号検出手段と、前記クランク軸の回転信号を検出する第2の回転信号検出手段と、前記パワープラントのカム軸の回転信号を検出する第3の回転信号検出手段のうち少なくとも1つ以上を有し、前記駆動周期信号検出手段により検出される第1のパルス信号が、前記第1乃至第3の回転信号検出手段の検出結果に基づいて生成されるの好ましい。
【0015】
また、上記第1の態様において、前記第2のフィルタ手段は、サンプリング周期に対する振動騒音周期の割合であるポイント数を前記パルス信号生成手段により生成された第2のパルス信号の発生間隔とサンプリング周期とに応じて算出するポイント数算出手段と、前記ポイント数算出手段により算出されたポイント数と前記第1のフィルタ手段のタップ長とを一致させる一致手段とを備え、かつ、前記擬似周期列作成手段は、前記ポイント数が前記第2のフィルタ手段のタップ長よりも小さい場合は、数式(1)に基づいて、擬似周期列を作成する第1の周期列作成手段と、前記ポイント数が前記第2のフィルタ手段のタップ長よりも大きい場合は、数式(2)に基づいて擬似周期列を作成する第2の周期列作成手段とを有し、さらに前記第2のフィルタ手段は、前記擬似周期列作成手段により作成された擬似周期列に応じて参照信号を生成する参照信号生成手段を具備していることを特徴としている。
【0016】
【数3】
Figure 0003550158
(n=0,1,2,…,n−1)
(a=0,1,2,…JdivN)
(但し、(C〜)は擬似周期列、(C∧)は第2のフィルタ手段のフィルタ係数、Jは第2のフィルタ手段のタップ長、Nはポイント数、(JdivN)は(J/N)の切り捨て整数)
次式
【0017】
【数4】
Figure 0003550158
(但し、(0,…,0)の個数は(N−J)個)
そして、具体的には、前記擬似周期列作成手段より作成された擬似周期列を2周期の長さに亘って記憶する記憶手段を有すると共に、前記参照信号生成手段は、前記擬似周期列の前記2周期の範囲中から1周期分の読出範囲をシフトさせながら参照信号を生成するのが好ましく、又は前記参照信号生成手段は、前記擬似周期列に応じてサンプリング周期毎にシフトさせて参照信号を生成するのが好ましい
【0018】
また、上記第2の態様において、周波数帯域が前記パワープラントの回転数に応じて所定周波数毎に複数に区分されると共に、複数の伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶され、かつ該伝達特性補正手段が、前記所定周波数と前記サンプリング周期決定手段により決定されたサンプリング周期とに応じて前記複数の伝達特性から最適伝達特性を選択する選択手段を有していることを特徴とし、又は前記パワープラントの上限回転数に対応する周波数に対し適数倍の高周波相当のサンプリング周期で同定された高次伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶され、該伝達特性補正手段が、前記高次伝達特性を分周して最適伝達特性を算出する伝達特性算出手段を有していることを特徴としている。
【0019】
さらに、前記車輌駆動用パワープラントは4サイクルエンジンの場合は、クランク軸2回転毎に基準信号を検出する基準信号検出手段と、該基準信号検出手段により検出された基準信号と前記パルス信号生成手段により生成された複数種の第2のパルス信号とを同期させる同期手段とを備え、該同期手段は、前記基準信号と前記第2のパルス信号との同期を検出する同期検出手段を有し、該同期検出手段により前記第2のパルス信号と前記基準信号との同期が検出されなかったときは、次回に検出される基準信号と前記第2のパルス信号とを同期させることを特徴とするのも好ましい。
【0020】
また、上記第1及び第2の態様において、前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音特性が、前記パワープラントを構成するエンジン気筒に特有の振動騒音特性とその他の構成部位に特有の振動騒音特性とに分離され、前記エンジン気筒に特有の振動騒音特性に対応する第2のパルス信号が前記所定の入力信号として各気筒毎に異なる適応型デジタルフィルタ及び補正デジタルフィルタに入力され、前記更新手段が各気筒毎に夫々最適伝達特性を生成することを特徴とするのも好ましい。
【0021】
【作用】
上記第1の態様によれば、第1の信号パルス(第1乃至第4の基礎パルス信号の個別信号又は複数の組合せ信号、或いは第1乃至第3の回転信号検出手段からの信号)を分周することにより、振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音の周期に対応した複数種の第2のパルス信号が作成される。
【0022】
そして、これら複数種の第2のパルス信号が複数のデジタルフィルタに入力され、これら前記複数の第2のパルス信号の発生間隔に応じ所定の伝達特性が前記複数のデジタルフィルタの夫々から出力される。
【0023】
また、前記第2のパルス信号の発生間隔に応じて第1のフィルタ手段のタップ長が変化し、さらにタップ長の長さの変化に応じ、ポイント数Nと第2のフィルタ手段のタップ長Jに基づき第2のフィルタ手段のフィルタ係数(C∧)から擬似周期列(C〜)が作成される。
【0024】
図16は、パワープラントから発する周期性を有する振動騒音成分波形と、サンプリング周期τに対する振動騒音周期T(第2のパルス信号のパルス間隔によって決まる第1のフィルタ手段のタップ長に相当する)の比を示すポイント数Nとの関係を示している。
【0025】
すなわち、図16(a)は、周期性を有する振動騒音波形を示し、図16(b)は該振動騒音の周期に同期して第1のフィルタ手段に入力される第2のパルス信号を示している。
【0026】
図16(a),(b)から明らかなように、第2のパルス信号の発生間隔を計測して周期Tが検出されるため、該周期Tをサンプリング周期τで除算することによりポイント数N(=T/τ)が算出される。
【0027】
図17は、擬似周期列の作成手法を示した説明図であって、ポイント数Nを第1のフィルタ手段のタップ長Iと一致させると共に、図17(a)に示すように、第2のフィルタ手段のフィルタ係数(C∧)のタップ長Jとポイント数Nとを比較し、前記フィルタ係数(C∧)のタップ長Jがポイント数Nよりも大きいときは、前記数式(1)による演算を行って、図17(b)に示すように前記フィルタ係数(C∧)をポイント数Nの周期で順次加算してゆき、前記フィルタ係数(C∧)の擬似周期列(C〜)を作成する。
【0028】
また、前記フィルタ係数(C∧)のタップ長Jがポイント数Nよりも小さいときは前記数式(2)による演算を行い、図17(c)に示すように(N−J)個分だけ「0」を付加し前記フィルタ係数(C∧)の擬似周期列(C〜)を作成する。
このように、伝達関数に対応するフィルタ係数(C∧)のタップ長Jとポイント数Nとを比較し、その比較結果に応じて適宜数式(1)又は数式(2)を使用して第2のフィルタ手段の擬似周期列(C〜)を算出することができる。
【0029】
そして、擬似周期列(C〜)が記憶手段に記憶され、次いで擬似周期列(C〜)に応じて参照信号が生成される。
【0030】
また、2周期分の擬似周期列(C〜)を記憶手段に記憶させ、所定のサンプリング周期毎に1周期分(ポイント数N)の読み出し範囲をシフトすることによっても参照信号を作成することができる。
【0031】
さらに、第2の態様によれば、第1のパルス信号の検出タイミングに応じてサンプリング周期が決定され、該サンプリング周期に応じて複数種の第2のパルス信号が複数のデジタルフィルタに入力され、これら前記複数の第2のパルス信号の発生間隔に応じ所定の伝達特性が前記複数のデジタルフィルタの夫々から出力される。
【0032】
また、該第2の態様によれば、パワープラントの回転数に対応する周波数に応じて複数の伝達特性から最適伝達特性を選択するか、又は高周波相当のサンプリング周期で同定された高次伝達特性を分周して最適伝達特性を算出することにより、サンプリング周期が変動しても伝達特性補正手段の伝達補正特性を所望の特性とすることができる。
【0033】
また、車両駆動用パワープラントが4サイクルエンジンの場合、4サイクルエンジンの振動騒音の発生原因となる振動(加振力)は次の3種類に分類される。すなわち
(1) クランク軸の回転等ピストン系往復質量による加振力
これに属する加振力としては慣性力、慣性偶力、慣性トルク等がある。
【0034】
(2) カム軸等動弁系(吸気弁、排気弁)往復質量による加振力
これに属する加振力としては慣性力やモーメント等がある。
【0035】
(3) 気筒内の爆発圧による加振力
これに属する加振力としては燃焼状態の変動に起因するトルク変動等がある。
【0036】
ところで、前記ピストン系は、クランク軸が1回転する毎に往復運動するため、その振動(加振力)はクランク軸が1回転する毎に発生すると考えられる。
【0037】
また、4サイクルエンジンにあっては、各気筒当たりカム軸1回転、すなわちクランク軸が2回転する間に吸気行程及び排気行程が各1回宛実行されるため、かかる動弁系往復質量による加振力はカム軸1回転当たり1回、すなわち、クランク軸が2回転する毎に1回生じることとなる。
【0038】
同様に、爆発行程についてもカム軸1回転当たりに1回、すなわちクランク軸2回転当たりに1回実行されるので、気筒内の爆発圧による加振力もクランク軸2回転当たりに1回生じることとなる。すなわち、4サイクルエンジンにあっては、クランク軸2回転当たりに振動(加振力)が1回生じることとしてその振動騒音特性を全て表現することができる。
【0039】
一方、第2のパルス信号はパルス信号生成手段により生成されてフィルタ手段に入力されるが、該第2のパルス信号のサンプリングに失敗したときは、入力される第2のパルス信号の入力間隔に時間的誤差が生じ、さらに該誤差は将来に亘って蓄積されるため大きな位相誤差を生じることとなり、フィルタ手段のフィルタ係数更新に悪影響を及ぼすこととなる。
【0040】
そこで、本発明はクランク軸2回転に1回の割合で基準信号を発生させると共に、第2のパルス信号を前記基準信号に同期させ、かつ、同期に失敗したときは次回に発生する基準信号に基づいて再び該基準信号と第2のパルス信号を同期させることとしたので、同期失敗による位相誤差の発生を極力回避することができる。
【0041】
さらに、第2のパルス信号のうち、エンジン気筒に特有の振動騒音特性を有する第2のパルス信号は各気筒毎に異なるデジタルフィルタ及び補正フィルタに入力され、かつ更新手段が、各気筒毎に夫々最適伝達特性を生成するので、シリンダ内での燃焼によって壁面が加振されて振動が生じる場合においても気筒の物理的配置に応じた適応制御が行なわれる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳説する。
【0043】
図1は本発明に係る車輌用振動騒音制御装置の一実施例を示した全体構成図である。
【0044】
図中、1は例えば6気筒を有する車輌駆動用パワープラントの4サイクルエンジン(以下、単に「エンジン」という)であって、該エンジン1の吸気管2の途中にはスロットルボディ3が設けられ、その内部にはスロットル弁3′が配されている。また、スロットル弁3′にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、スロットル弁3′の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0045】
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3′との間且つ吸気管2の図示しない燃料ポンプに接続されるとともにECU5に電気的に接続され、当該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
【0046】
また、吸気管2のスロットル弁3′の下流側には分岐管7が設けられ、該分岐管7の先端には絶対圧(PBA)センサ8が取付けられている。該PBAセンサ8はECU5に電気的に接続されており、吸気管2内の絶対圧PBAは前記PBAセンサ8により電気信号に変換されてECU5に供給される。
【0047】
また、エンジン1のクランク軸周囲の所定位置にはTDCセンサ9が取付けられている。
【0048】
TDCセンサ9は、エンジン1のクランク軸の120°回転毎に所定のクランク角度位置で信号パルス(以下、「TDC信号パルス」という)を出力し、該TDC信号パルスをECU5に供給する。
【0049】
すなわち、TDC信号パルスは、各気筒の基準クランク角度位置を表わすものであって、具体的には、各気筒(#1〜#6CYL)の圧縮行程終了時のTDC(上死点)前の所定クランク角度位置(例えば、10°BTDC)で発生する。そして、ECU5はTDC信号パルスの発生間隔を計測してエンジン回転数NEの逆数であるME値を算出する。
【0050】
また、エンジン1のシリンダヘッド上部には、各シリンダ毎に1対の排気弁と吸気弁とを備えた動弁系10が設けられ、該動弁系10のカム軸周囲にはカム軸センサ11及び基準信号検出センサ12が取り付けられている。
【0051】
カム軸センサ11は、クランク軸が2回転する間に等間隔で例えば24個(例えば、クランク角30°同期)の基礎パルス信号を出力し、該基礎パルス信号をECU5に供給する。
【0052】
また、基準信号検出センサ12は、クランク軸2回転毎に特定の気筒の所定のクランク角度位置で基準信号を出力し、該基準信号をECU5に供給する。すなわち、該基準信号は、所定クランク角度位置で前記基礎パルス信号と同期して発生する。
【0053】
エンジン1の各気筒の点火プラグ13は、ECU5に電気的に接続され、ECU5により点火時期が制御される。
【0054】
また、エンジン1の前部及び後部には電気機械変換手段としての1対の自己伸縮型エンジンマウント14a,14bが配設されている。具体的には、前記自己伸縮型エンジンマウント14a,14bは、その上端が弾性ゴム15a,15bを介して、エンジン1に接続されると共に、下端は車体クレーム16に支持されている。
【0055】
そして、前記自己伸縮型エンジンマウント14a,14bにはボイスコイルモータ(VCM)17a,17bが内有され、エンジンの振動に応じてECU5からの信号によりエンジンの振動を制御する。すなわち、自己伸縮型エンジンマウント14a,14bは、液体が充填された液室(図示せず)を内有し、振動源(エンジン1)側に固定された弾性ゴム15a,15bを介して振動源の振動が車体に伝達されるのを防止する。
【0056】
また、ECU5には、振動騒音制御系18が電気的に接続され、該振動騒音制御系18は、ECU5からの指令により制御信号を作成し、該制御信号は自己伸縮型エンジンマウント14a、14bに供給されて振動騒音を制御する。さらに、クランク軸36に一体的に嵌合されたフライホイール38近傍には、エンコーダ19が配設され、該エンコーダ19により検出されたフライホイール38の回転信号は前記振動騒音制御系18に供給される。
【0057】
しかして、ECU5は、上述の各種センサからの入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5aと、中央演算処理回路(以下「CPU」という)5bと、該CPU5bで実行される各種演算プログラムや演算結果等を記憶するROM及びRAMからなる記憶手段5cと、前記燃料噴射弁6、点火プラグ13、自己伸縮型エンジンマウント14a、14b及び振動騒音制御系18に出力信号を供給する出力回路5dとを備えている。
【0058】
また、ECU5(CPU5b)は、エンジン運転状態に応じ、数式(3)に基づき、前記TDC信号パルスに同期して燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを演算する。
【0059】
TOUT=TiM×K1+K2 …(3)
ここで、TiMはエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとに応じて設定される基本燃料噴射時間であって、記憶手段5c(ROM)にはこのTiM値を決定するためのTiMマップが予め記憶されている。
【0060】
また、K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて演算される補正係数及び補正変数であって、各気筒毎にエンジンの運転状態に応じた燃費特性や加速特性等の諸特性の最適化が図られるような所定値に設定される。
【0061】
動弁系10は、具体的には図2に示すように、エンジン1のシリンダヘッド20の上方に固設されたシリンダヘッドカバー21内に配設され、吸気弁(又は排気弁)22と、バルブスプリング23と、支軸24を中心にシーソー運動を行うロッカーアーム25と、該ロッカーアーム25に当接されるカム26と、該カム26が外嵌されたカム軸27とを主要部として構成されている。
【0062】
また、吸気弁(又は排気弁)22は、その棒状ステム28がバルブガイド29に挿通摺接されると共に、その後部に設けられたばね受け30と、該ばね受け30に当接するバルブスプリング23とで閉弁方向に弾性支持され、さらに、その先端はシリンダヘッド20の燃焼室31と吸気孔(又は排気孔)32とが連通・遮断可能となるようにその開口部33に当接可能とされている。
【0063】
上記動弁系10においては、カム軸27と一体的に回転するカム26と当接しているロッカーアーム25がバルブスプリング23の弾発付勢力に抗して周期的なシーソー運動を繰り返し、吸気弁(又は排気弁)22を上下運動させている。
【0064】
また、カム軸27の一端には、図3に示すように、カム軸用プーリ34が該カム軸27と一体的に嵌合され、タイミングベルト35を介してクランク軸36の一端に該クランク軸36と一体的に嵌合されたクランク軸用プーリ37と連動可能とされ、かつ前記クランク軸用プーリ37の他端には多数のリングギアが外周に形成されたフライホイール38が固着されている。
【0065】
図4は、本発明における振動騒音制御系18の一実施例を模式的に示したシステム構成図であって(第1の実施例)、ECU5を駆動させるためのクロック信号の周波数、すなわち駆動周波数(例えば、10MHz)をサンプリング周波数Fsとして所定の適応制御を行う所謂固定サンプリング方式の場合を示しており、本実施例ではカム軸センサ11により検出される検出信号を基礎パルス信号として使用した場合を示している。
【0066】
該振動騒音制御系18は、ECU5から供給される基礎パルス信号(カム軸センサ11により検出される)を分周して複数種のタイミングパルス信号X(入力信号)を生成する分周回路39と、前記クロック信号を基に所望のサンプリング周波数Fs(サンプリング周期τ(=1/Fs))を持つサンプリングクロックを作成する逓倍回路40と、前記基準信号と夫々のタイミングパルス信号Xとの同期を監視する同期監視回路411〜414と、前記逓倍回路40で作成されたサンプリング周波数Fsに基づき前記分周回路39により作成された夫々のタイミングパルス信号Xが入力されて適応制御を行う高速演算可能なDSP(Digital Signal Processor)42と、該DSP42から出力される制御信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ43と、該D/Aコンバータ43により出力されたアナログ信号を増幅する増幅器44と、車体45の床などに配置された加速度センサ等の加算器46とを主要部として構成されている。
【0067】
しかして、前記逓倍回路40としては、例えば以下に示す周知のものが使用される。すなわち、
(1) 周知の論理逓倍回路を利用して、前記基礎パルス信号をK(Kは実数)逓倍する方法
(2) 前記基礎パルス信号の発生間隔の間に発生するECU5のクロック(例えば、10MHz)のクロックパルス数PECUを計測し、(PECU/K)の周期で「0」出力と「1」出力を交互に出力することによりK逓倍する方法
(3) 前記基礎パルス信号を(1/2)分周した後、積分し、次いで正弦波化し、この正弦波をK逓倍し、方形化するアナログ的手法
がある。
【0068】
また、前記分周回路39は、振動騒音源であるエンジンの各構成部位(動弁系10、クランク軸36周囲、燃焼室31等)に特有の振動騒音特性に応じて基礎パルス信号を分周し、複数種のタイミングパルス信号Xを生成する。すなわち、6気筒を有する本実施例の場合においては、4種類のタイミングパルス信号Xが生成される。つまり、エンジンの回転に同期して規則的な振動騒音特性が生じるピストン系等の振動次数(振動成分)と燃焼状態に応じて不規則な振動騒音特性が生じる爆発圧(加振力)による振動次数(振動成分)とに区分すべく4種類のタイミングパルス信号Xが生成される。具体的には、規則的なピストン系等の振動次数を示すものとして3種類(1次、1.5次、2次)のタイミングパルス信号Xが生成され、爆発圧による振動次数を示すものとして1種類(3次)のタイミングパルス信号Xが生成される。ここで、振動次数が「1次」とは、図5に示すように、クランク軸が1回転(12パルス)する毎にタイミングパルス信号Xが1回発生する場合をいう。また、振動次数が1.5次の場合とは、クランク軸が2/3回転(8パルス)する間に1パルス発生する場合をいい、振動次数が2次の場合とはクランク軸の0.5回転(6パルス)毎に1パルス発生する場合をいい、さらに振動次数が3次の場合とは、クランク軸が1/3回転(パルス)する毎に1パルス発生する場合をいう。
【0069】
このように、4種類のタイミングパルス信号Xを生成することにより振動騒音特性に応じた適応制御が可能となる。すなわち、低次数(1次、1.5次、2次)の振動次数はクランク軸の回転等規則的に発生する振動成分に関するものであり、かかる低次数の振動成分を個別に後述する適応制御を行うことにより、エンジンの回転等慣性力に起因して発生する振動騒音を効率よく低減することができる。
【0070】
一方、クランク軸が2回転する間に1気筒当たり1回爆発行程が実行されるため、6気筒エンジンの場合、クランク軸が2回転する間に6回の爆発行程があり、したがって振動次数が3次とは爆発圧に関する振動成分を示していることとなる。したがって、不規則な振動騒音特性を有する爆発圧に関する振動次数(3次)を規則的な振動騒音特性を有する振動次数と区分して適応制御を行うことにより、振動騒音をより効果的に低減することができる。
【0071】
また、同期回路411〜414は、前記基準信号とタイミングパルス信号X(第2のパルス信号)との同期を検出する同期検出手段を有し、該同期検出手段により前記タイミングパルス信号Xと前記基準信号との同期が検出されなかったときは、次回に検出される基準信号と前記タイミングパルス信号Xとを同期させている。
【0072】
すなわち、[作用]の項で述べた理由からタイミングパルス信号Xはいずれの振動次数の場合においても少なくともクランク軸回転当たり1回の割合で発生する。しかるに、基礎パルス信号が図6に示すように、何らかの外部要因により検出に失敗してタイミングパルス信号Xの作成に失敗するとDSP42からは所望の伝達特性を有する制御信号が出力されず、しかもこれらの位相誤差は将来に亘って蓄積されるため、所望の振動騒音制御を行うことができないこととなる。そこで、本実施例では上述したように、前記同期検出手段を有する同期回路411〜414を備えることにより、上記位相誤差の発生を回避せんとしている。
【0073】
具体的には、同期回路411〜414は、前記基準信号(基準信号検出センサ12により検出される)をモニタすると共に、AND回路(論理積回路)が内蔵され、基準信号とタイミングパルス信号Xとが同期して入力されているときは共に「1」信号が入力されて該AND回路からは「1」信号が出力される。一方、基準信号とタイミングパルス信号Xとが同期していないときは、タイミングパルス信号Xに相当する入力信号が「0」信号となり、両者の同期に失敗したと判断し、分周回路39はタイミングパルス信号Xの発生を一旦中止し、次回基準信号の発生と同期して再びタイミングパルス信号Xの発生が開始される。
【0074】
しかして、DSP42(図4)は、夫々の各振動次数(1次、1.5次、2次、3次)が別個に入力可能となるように4種類の適応制御回路47 1 〜47 4 が内蔵され、さらに該適応制御回路471〜474は、タイミングパルス信号Xの発生間隔に対応してそのタップ長が変化するADFとしてのWフィルタ481〜484(第1のフィルタ手段)と、Wフィルタ481〜484のフィルタ係数を更新するための演算処理を行う適応アルゴリズムとしてのLMS処理部491〜494(制御信号更新手段)と、振動騒音伝達経路中に配設された自己伸縮型エンジンマウント14a(14b)及び車体45等の振動騒音伝達経路の伝達関数に起因して生じる制御信号X′の位相振幅等の伝達特性の変化を補正するCフィルタ501〜504(第2のフィルタ手段)とを備えている。
【0075】
このように構成された車輌用振動騒音制御装置においては、分周回路39により作成されたタイミングパルス信号Xは夫々の適応制御回路471〜474に入力される。次いで、該適応制御回路471〜474から出力された制御信号X′(デジタル信号)はD/Aコンバータ43でアナログ信号に変換され、増幅器44で増幅され、振動伝達経路中に配設された自己伸縮型エンジンマウント14a(14b)に入力され、制御された振動騒音は車体45を経て駆動信号Yとして加算器46に入力される。
【0076】
一方、前記加算器46にはエンジン1からの振動騒音信号Dが入力されており、前記加算器46からは振動騒音信号Dと駆動信号Yとの誤差信号εが出力され、前記適応制御回路471〜474にフィードバックされる。
【0077】
しかして、図7は適応制御回路47の内部構成を示すブロック回路図である。
【0078】
すなわち、同期回路41 1 〜41 4 からの所定の振動次数のタイミングパルス信号XがWフィルタ48に入力され、サンプリング周期τ(=1/Fs)毎にWフイルタ48のフィルタ係数が更新される。そして、該Wフィルタ48からはタイミングパルス信号Xの発生間隔に応じた振動騒音信号と逆位相を有する所定の伝達特性を有する制御信号X′が出力される。
【0079】
一方、第1の加算器46から出力された誤差信号εは第1の乗算器51に入力される一方、該第1の乗算器51には毎回の更新補正量の大きさを制御するステップサイズパラメータμがパラメータ制御手段52から入力される。尚、前記ステップサイズパラメータμは、系に応じて収束速度及び収束してからの効果量が最適となるような値に設定される。
【0080】
次に、第1の乗算器51で誤差信号εとステップサイズパラメータμとが積和演算されて生成された出力信号Uは第2の乗算器53に入力される一方、該第2の乗算器53にはCフィルタ50からの参照信号Rがフィルタ用レジスタ50′(記憶手段)を介して入力される。該Cフィルタ50は、前述したように自己伸縮型エンジンマウント40及び車体45等の振動騒音伝達経路の伝達関数に起因して生じる制御信号X′の位相振幅等の伝達特性の変化を補正する。
【0081】
すなわち、Cフィルタ50は、所定サンプリング周波数Fs(逓倍回路40で作成される)毎にタイミングパルス信号Xが入力され、Wフィルタ48の場合と同様、積和演算を要することなく前記振動騒音伝達経路の伝達関数に対応するフィルタ係数に基づいた所定の伝達特性を有する参照信号RがCフィルタ用レジスタ50′に出力され、その後第2の乗算器53に入力される。
【0082】
次に、第2の乗算器53で参照信号Rと前記出力信号Uとが乗算されて負値に変換された出力信号Vが第2の加算器54に入力される。
【0083】
一方、第2の加算器54にはWフィルタ48からフィルタ係数が入力され、これが出力信号Vと加算される。次いで、第2の加算器54からの出力信号が遅延器55に記憶され、該遅延器55からの出力信号がサンプリング周期毎に出力され、Wフィルタ48のフィルタ係数更新が行なわれる。
このようにサンプリング周期毎にWフィルタ48のフィルタ係数更新を行なうことにより、上述した周期性又は擬似周期性を有する振動騒音の低減化を図ることができる。
【0084】
しかして、Cフィルタ50は、タイミングパルス信号Xの発生間隔に応じてタップ長が変化するWフィルタ48に対処すべく、フィルタ係数(C∧)の擬似周期列(C〜)を作成する擬似周期列作成手段を有している。
【0085】
図8は、擬似周期列作成ルーチンを示すフローチャートであって、本プログラムはタイミングパルスXのCフィルタ50への入力に同期して実行される。
【0086】
まず、ステップS1ではポイント数Nを算出する。すなわち、振動騒音の周期Tをサンプリング周期τで除算してポイント数N(=T/τ)を算出する。
【0087】
これは、同じタイミングパルス信号XがWフィルタ48に入力されるため、Wフィルタのタップ長Iに一致する。次いで、ポイント数NがCフィルタ50に予め記憶された伝達関数に対応するフィルタ係数のタップ長Jより小さいか否かを判別する(ステップS2)。
【0088】
そして、その答が肯定(YES)、すなわちJ>Nが成立するときは数式(1)に基づき(ステップS3)、またその答が否定(NO)、すなわちJ<Nが成立するときは数式(2)に基づき、夫々Cフィルタ50のフィルタ係数(C∧)から擬似周期列(C〜)を算出する(ステップS4)
【0089】
【数5】
Figure 0003550158
(n=0,1,2,…,n−1)
(a=0,1,2,…,JdivN)
(但し、(C〜)は擬似周期列、(C∧)はCフィルタ50(第2のフィルタ手段)のフィルタ係数、JはCフィルタ50のタップ長、Nはポイント数、(JdivN)は(J/N)の切り捨て整数)
【0090】
【数6】
Figure 0003550158
(但し、(0,…,0)の個数は(N−J)個)
次に、上述の如く作成された擬似周期列(C〜)の2周期分をCフィルタ用レジスタ(記憶手段)50′に記憶させた後(ステップS5)、タイミングパルスXの入力時からサンプリングクロック数をカウントしているカウンタ(図示せず)のカウント値kを「0」にリセットして本プログラムを終了する。
【0091】
すなわち、カウント値kがリセットされた時点からカウンタはカウントを開始し、適応制御回路47は該カウント値kに基づいて作動する。
このようにCフィルタ用レジスタ50′に記憶させた擬似周期列(C〜)に基づき、図9に示すように、その2周期の範囲の中から1周期分の読出範囲をシフトさせて参照信号Rを出力する。すなわち、タイミングパルスXの入力時(k=0)を基準にしてサンプリングクロックが入力される毎に逐次参照信号Rをシフトさせ、サンプリングクロックの入力毎にCフィルタ用レジスタ50′から参照信号Rを出力し、該参照信号Rが第2の乗算器53に入力される。
【0092】
尚、図示は省略するが、カウンタのカウント値kをインクリメントする毎に参照信号Rをシフトさせ上述の如く参照信号Rを出力してゆくのではなく、カウンタを備えず、参照信号Rをサンプリング周期毎にシフトさせることにより擬似周期列(C〜)に応じた参照信号Rを逐次出力するように構成してもよい。
【0093】
図15は本発明の第2の実施例を示す振動騒音制御系18のシステム構成図であって、本第2の実施例は、エンジン1の運転状態に応じてサンプリング周波数Fsを可変とした所謂可変サンプリング方式の場合を示している。
該振動騒音制御系18は、クランク軸36に固着されたフライホイール38(図3参照)の近傍に回転検出手段としてのエンコーダ19を配設し、該エンコーダ19によりフライホイール38のリングギアをカウントし、パルス信号が発生するように構成されている。すなわち、該振動騒音制御系18においては、フライホイール19のリングギアを計数することにより検出される回転信号から直接サンプリング周波数Fsを作成する一方、該パルス信号を基礎パルス信号として使用し、分周回路39にて該基礎パルス信号を所定の振動次数成分に分周してタイミングパルス信号Xを作成する(例えば、1次、1.5次、2次、3次)。これにより、Wフィルタ48のタップ長は、基礎パルス信号に対するタイミングパルス信号Xの分周比となり、斯かる分周比は前記振動次数成分に対応して決定されることとなる。そして該タイミングパルス信号Xは、上記第1の実施例と同様、DSP42内の互いに異なる適応制御回路47 1 〜47 4 に夫々入力され、これら適応制御回路47 1 〜47 4 からはタイミングパルス信号Xの入力間隔に応じた出力間隔でもって制御信号X′が出力され、所望の適応制御が行なわれる。この場合は、基礎パルス信号の発生間隔に応じてサンプリング周波数Fsを可変にしているので、タイミングパルス信号Xの入力間隔に対してWフィルタ48 1 〜48 4 のタップ長を変化させることなくエンジン1の運転状態に追随させることができる。
ところで、上記振動騒音制御系18においては、サンプリング周波数Fsをタイミングパルス信号Xの発生間隔に応じて追従するように変化させているので、Cフィルタ50から出力される伝達補正特性を従来のように系によって予め同定してしまうとサンプリング周波数Fsの変化に応じた参照信号Rを得ることができず、所望の駆動信号Yを得ることができない虞がある
【0094】
そこで、本第2の実施例ではCフィルタ50に予め複数の伝達特性(フィルタ係数)C(Fs)(n=1,2,…,m)を記憶しておき、エンジンの回転数NEに応じて周波数帯域を複数の周波数領域Fn(n=1,2,…,m)に区分しておく。そして、これら各周波数領域Fnに応じて所望の伝達特性C(Fn)を選択することにより、サンプリング周波数Fsが変化しても所望の参照信号Rが得られるように構成されている。
【0095】
図10は、第2の実施例におけるエンジン始動直後のCフィルタ50の伝達特性の選択手順を示すフローチャートであって、本プログラムは例えばタイミングパルス信号Xの発生と同期してDSP42内で実行される。
【0096】
まず、エンジン1の始動直後においては、系の伝達特性は全く未知であるため、n=1に設定し(ステップS11)、またサンプリング周波数Fsとして、所定値からなるデフォルト値を入力する(ステップS12)。次いで、駆動周波数Fc(例えば、10MHz)で駆動するECU5のクロックパルスの発生周期Eを、上記デフォルト値の周波数を持つサンプリングパルスが上記クロックパルス間で発生する数をカウンタで計測することによって得るようにする(ステップS13)。
【0097】
次に、ステップS14では数式(4)に基づきサンプリング周波数Fsを算出する。すなわち、エンジン1の始動直後は系の伝達特性は不明であるため、デフォルト値サンプリング周波数Fsを設定し、その後、該サンプリング周波数Fsを持つサンプリングパルスを使ってECU5のクロックパルスの発生周期Eを計数し、駆動周波数Fcと該発生周期Eに基づいてサンプリング周波数Fsを更新する。
【0098】
【数7】
Figure 0003550158
次いで、ステップS15では、サンプリング周波数Fsが所定周波数Fn(この場合はn=1)より小さいか否かを判別する。なお所定周波数Fnは、nが大きくなるに連れて大きな値になるように予め設定されている。ステップS15の答否定(NO)であるならば、nを「1」だけインクリメントして(ステップS16)、次にサンプリング周波数Fsが所定周波数F2より小さいか否かを判別する。以下、サンプリング周波数Fsが所定周波数Fnより小さくなるまでステップS5の判別を繰り返し、ステップS15の答が肯定(YES)となるとステップS17に進んで、そのときの周波数Fnがサンプリング周波数Fsに最も近いと判断して該周波数Fnに対応する伝達特性C(Fn)を伝達補正特性に選択して本プログラムを終了する。
【0099】
このようにエンジン始動直後においては、低周波数とサンプリング周波数とを比較することにより最適伝達特性を得ることができる。
【0100】
また、エンジン回転数NEが或る程度の回転数に到達した後は、図11に示すフローチャートにしたがって伝達特性C(Fn)が選択される。
【0101】
すなわち、n=p、つまり図10のステップS15の答えが肯定(YES)になったときの所定周波数Fnにおけるnがpであったとし(ステップS21)、図10のステップS14で得られたサンプリング周波数Fsを有するサンプリングパルスを入力し(ステップS22)、次いでクロックパルス(駆動周波数Fc)の発生周期Eを上記サンプリングパルスを使ってカウンタで計測して(ステップS23)前記数式(4)に基づきサンプリング周波数Fsを算出し(ステップS24)、該サンプリング周波数Fsが周波数Fn(この場合はFp)より小さいか否かを判別する(ステップS25)。そして、その答が肯定(YES)となったときは、nがpと等しいか否かを判別する(ステップS26)。n=pであるならば、サンプリング周波数Fsが所定周波数Fn(=Fp)より1区分低い所定周波数Fn-1より小さいか否かを判別する(ステップS27)。すなわち、ステップS25及びステップS26の答が共に肯定(YES)のときは、エンジン減速時にある場合であり、ステップS27で、サンプリング周波数Fsが1区分低い所定周波数Fn-1より小さいか否かを判別する。そして、ステップS27の答が肯定(YES)のときはそのときの周波数 n-1 をFnと読み替えて、該Fnに対応する伝達特性C(Fn)を伝達特性に選択して本プログラムを終了する。
【0102】
また、ステップS27の答が否定(NO)のときは、nを「1」だけデクリメントして(ステップS29)ステップS27へ進み、さらに低い所定周波数とサンプリング周波数Fsとの比較を行
【0103】
また、ステップS25の答が否定(NO)のときは、ステップS25の答が肯定(YES)となるまでnを「1」ずつインクリメントして(ステップS30)サンプリング周波数Fsと新たな周波数Fnとを比較し、ステップS25の答が肯定(YES)となったときはステップS26の答が否定(NO)となるためそのままステップS28に進み、ステップS25で肯定(YES)となったときの周波数Fnに対応する伝達補正特性C(Fn)を選択して本プログラムを終了する。
【0104】
また、上記第2の実施例ではCフィルタ50に予め記憶された複数の伝達特性からエンジン回転数NEに応じた最適伝達特性を選択することにより最終的にCフィルタ50を同定しているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、エンジン回転数の上限回転数(例えば、6000rpm)に相当する周波数よりも適数倍、例えば数十倍を有する高周波数Frを分周してCフィルタ50の伝達補正特性を同定するように構成してもよい。
【0105】
すなわち、高周波のサンプリング周波数Fr(例えば、数10Hz)で同定された高次伝達特性を有する高周波フィルタCrを予めCフィルタ50に記憶しておく。ここで、高周波フィルタCrはM個のタップを有し、かつ該高周波フィルタCrのサンプリング周期(1/Fr)には駆動周波数Fc(例えば、10MHz)で駆動するECU5の駆動パルス数がL個発生する(この「L」はカウンタによりカウントされる)。
【0106】
また、可変のサンプリング周波数Fs(例えば、数百Hz)で同定されるフィルタCsにおいては、上記ECU5の駆動パルス数がそのサンプリング周期(1/Fs)にS個(S>L)発生している場合(この場合伝達特性Csはサンプリング周波数Fsで同定されているため、Sは既知数である)、そのタップ数Kは数式(5)に基づいて算出される。
【0107】
【数8】
Figure 0003550158
ここで、intは小数点以下を切り捨てた切り捨て整数を示し、例えば、M×(L/S)=4.63のときはM×(L/S)int=4となる。
【0108】
そして、第2の実施例では図12中矢印に示すように、フィルタCsの各フィルタ係数Cs(j)は、これらのフィルタ係数Cs(j)に最も近い高周波フィルタCr中の右隣りに位置するフィルタ係数Cr(m)を選択してCフィルタ50の伝達特性を同定している。
【0109】
図13は上記フィルタCsの各フィルタ係数Cs(j)の算出手順を示すフローチャートである。
【0110】
まず、ステップS31ではフィルタCsのサンプリングタイミングQ及び、高周波フィルタCrのサンプリングタイミングTを夫々「0」に設定し、次いでフィルタCsの最初のフィルタ係数Cs(0)と高周波フィルタCrの最初のフィルタ係数Cr(0)とを等置して(ステップS32)フィルタCsの最初のフィルタ係数Cs(0)を決定する。
【0111】
次いで、フィルタCsのサンプリングタイミングQを「1」設定し(ステップS33)、次いでサンプリングタイミングQがサンプリングタイミングTよりも前に位置するか(早く発生しているか)否かを判別する(ステップS34)。そして、その答が否定(NO)のときはサンプリングタイミングTを「1」だけインクリメントして(ステップS34 ' ステップS33に戻る一方、その答が肯定(YES)のときはCs(1)=Cr(T)に設定し(ステップS35)、次いで前記数式(5)が成立するか否かを判別する(ステップS36)。そして、その答が肯定(YES)のときはそのまま本プログラムを終了する一方、その答が否定(NO)のときはステップS37に進み、フィルタCsのサンプリングタイミングQを「1」だけインクリメントする。次いでサンプリングタイミングQがサンプリングタイミングTよりも前に位置するか(早く発生しているか)否かを判別する(ステップS38)。
【0112】
そして、その答が否定(NO)のときは、サンプリングタイミングTを「1」だけインクリメントして(ステップS38 ' ステップS37に戻る一方、その答が肯定(YES)のときはCs(2)=Cr(T)に設定して(ステップS39)、第2のタップ係数Cs(2)を決定し、次いで再び数式(5)が成立しているか否かを判別し(ステップS40)、その答が肯定(YES)のときはそのままプログラムを終了する一方、その答が否定(NO)のときは次のステップ(図示省略)に進む。そして、以後数式(5)が成立するまでCs(3),Cs(4),…を順次算出してゆき、数式(5)の成立により、全てのフィルタ係数Cs(m)を決定し、数式(5)が不成立になったところで本プログラムを終了する。
【0113】
このように、高周波サンプリング周波数Frで同定されたフィルタCrを「間引き」することにより最適伝達特性を有するCフィルタ50の同定を行うことができる。
【0114】
これにより、サンプリング周波数が変化してもその変化に追随して伝達特性を補正することができ、したがって高精度な適応制御を行うことができ、所望の振動騒音低減化を図ることができる。
尚、前述した第1の実施例では、例えばカム軸センサ11に基づいてECU5から基礎パルス信号を出力する場合、カム軸の回転はカム軸用プーリ34とクランク軸用プーリ37とを連動させているタイミングベルト35の伸び等により微小ながら回転変動が生じる(図3参照)。またCRKセンサに基づいてECU5から基礎パルス信号を出力する場合においてもクランク軸36の捩り振動等により回転変動を生じる。つまり、逓倍回路40における逓倍比が大きい程かかる回転変動に起因して所望のサンプリング周波数Fsに対して大きな設定誤差が生じる虞があるのに対し、本第2の実施例のようにクランク軸36に固着されているフライホイール38に基づいて基礎パルス信号を出力する場合は、クランク軸36に固着されているフライホイール38は慣性モーメントが大きく、回転変動が少ないため、高精度で所望のサンプリング周波数Fsを作成することができる。
【0115】
尚、上記第1及び第2の実施例では、爆発圧に係る振動次数成分を一括して適応制御しているが、例えば、図14に示すように、各気筒毎に異なる適応制御回路4741〜4746を設け、該適応制御回路47 41 〜4746に夫々所定のタイミングパルス信号Xを入力し、夫々の気筒に適応した制御を行なうのも好ましい。
【0116】
すなわち、ECU5からの基礎パルス信号を分周して作成されたタイミングパルス信号Xは、第1のスイッチング回路56aに入力される。該第1のスイッチング回路56aはタイミングパルス信号Xが入力される毎に「1」ずつインクリメントされるカウンタからなり、該カウンタがカウントアップされる毎にタイミングパルスが順次Wフィルタ4841,Wフィルタ4842,…,Wフィルタ4846に入力され、Wフィルタ4841〜4846からの出力が、上述した所定の振動騒音伝達経路を経て第1の加算器46に入力される。次いで振動騒音信号Dとの誤差信号εが前記第1の加算器46から出力され、第1のスイッチング回路56aと同期してカウントアップする第2のスイッチング回路56bに入力される。次いで、夫々の適応制御回路4741〜4746にフィードバックされ、LMS処理部4941〜4946で気筒の物理的配置に応じた最適駆動信号が生成され、所望の適応制御が行なわれる。つまり、各振動次数成分の振動に対し、その振動が慣性力に支配される場合は、同一成分の合力として表わされるため、各気筒配置による差異は微小であるが、シリンダ内での燃焼によって壁面が加振されて生じる振動は、気筒の物理的な配置により、その振動は異なる。
【0117】
そこで本発明では各気筒毎に異なるWフィルタ4841〜4846を設け、第1及び第2のスイッチング回路56a,56bを介して、順次フィルタ係数の更新を行うことにより、各気筒間の寄与の差による偏差が補正され、収束の精度が向上する。
【0118】
尚、上記実施例では、カム軸27の回転に同期して発生するパルス信号を基礎パルス信号として使用したが、エンジンの回転に同期して発生するパルス信号であればよく、例えばクランク軸周囲にクランク角センサ(CRKセンサ)を設け、該CRKセンサの出力信号を基礎パルス信号として使用してもよく、また、トルク変動(燃焼状態の変動)を示すファクタとして、例えば点火パルスを選択し、該点火パルスを基礎パルス信号として使用してもよい。さらに、ECU5を駆動させるためのクロックパルスを基礎パルス信号として使用してもよく、また、これらを組み合わせた信号を基礎パルス信号として使用するのも好ましい。
【0122】
尚、本発明は上記実施例に限定されることがないのはいうまでもない。例えば、上記第2の実施例においてはフライホイール38の回転信号をパルスエンコーダで検出しているが、カム軸27又はクランク軸36の近傍に回転信号検出手段19としてのロータリエンコーダを配設し、該ロータリエンコーダにより検出された回転信号を分周してサンプリング周波数Fsやタイミングパルス信号Xを生成してもよく、また本発明は6気筒以外の多気筒エンジン、例えば4気筒、8気筒エンジンにも適用できるのはいうまでもない。
【0123】
また、複数の振動騒音伝達経路のうちの1個の振動騒音伝達経路のみに電気機械変換手段(自己伸縮型エンジンマウント等)を配設し、該電気機械変換手段を有さない振動騒音伝達経路からの振動騒音とのベクトル的な総和に基づき第1の加算器46で誤差信号εを検出するように構成してもよい。
【0124】
以上詳述したように請求項1に記載した第1の態様によれば、複雑な積和演算を有するとこなく第1のフィルタ手段からは制御信号が、また第2のフィルタ手段からは参照信号が出力され、演算量が大幅に軽減されることとなり、演算速度が飛躍的に向上し、適応の精度・速度共に向上する。しかも、振動騒音特性に応じた適応制御がなされるので、振動騒音の低減効果量や振動騒音源から発生する振動騒音信号に対する追随性が良好となる。
【0125】
また、請求項2に記載した第2の態様によれば、エンジン回転の変動により第1のパルス信号の周波数が変化しても、サンプリング周波数がそれにつれて変化し、常に同じタップに相当する信号を出力するため、適応の追従速度が早く、高精度な適応制御が可能であり、所謂割り込みや打ち切り制御が少ない構成であるため、構成が単純で、安定性が高い。
【0126】
具体的には、前記パルス信号検出手段により検出される第1のパルス信号が、前記パワープラントのクランク軸の回転に同期して所定回転角度毎に発生する第1の基礎パルス信号と、前記パワープラントのカム軸の回転に同期して所定回転角度毎に発生する第2の基礎パルス信号と、前記パワープラントに燃焼を生じさせる点火信号である第3の基礎パルス信号と、前記パワープラントを制御するパワープラント制御手段が有する第4の基礎パルス信号のうち少なくとも1個以上の基礎パルス信号を含み、前記第1のパルス信号がこれら第1乃至第4の基礎パルス信号の個別信号又は複数の組合せ信号から構成され、或いは前記パワープラントのクランク軸に固着されたフライホイールの回転信号を検出する第1の回転信号検出手段と、前記クランク軸の回転信号を検出する第2の回転信号検出手段と、前記パワープラントのカム軸の回転信号を検出する第3の回転信号検出手段のうち少なくとも1つ以上を有し、前記パルス信号検出手段により検出される第1のパルス信号が、前記第1乃至第3の回転信号検出手段の検出結果に基づいて生成されることにより、上述した効果を容易に実現することができる。
【0127】
さらに、上記第1の態様において、擬似周期列をポイント数N及び第2のフィルタ手段のタップ長Jに応じて所定の演算式に基づいて算出し、かかる擬似周期列に基づいて第2のフィルタ手段の参照信号を生成しているので、簡単なプログラム演算で容易に所望の参照信号を得ることができる。
【0128】
また、上記第2の態様において、周波数帯域が前記パワープラントの回転数に応じて所定周波数毎に複数に区分されると共に、複数の伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶され、かつ該伝達特性補正手段が、前記所定周波数と前記サンプリング周期決定手段により決定されたサンプリング周期とに応じて前記複数の伝達特性から最適伝達特性を選択する選択手段を有するか、又は前記パワープラントの上限回転数に対応する周波数に対し適数倍の高周波相当のサンプリング周期で同定された高次伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶され、該伝達特性補正手段が、前記高次伝達特性を分周して最適伝達特性を算出する伝達特性算出手段を有することにより、伝達特性手段の伝達特性をサンプリング周期の変動に応じて補正することができ、高精度な適応制御を行うことができ、所望の振動騒音低減かを図るのに際し、支障を来たすのを回避することが可能となる。
【0129】
前記車輌駆動用パワープラントが4サイクルエンジンの場合は、クランク軸2回転毎に基準信号を検出する基準信号検出手段と、該基準信号検出手段により検出された基準信号と前記パルス信号生成手段により生成された複数種の第2のパルス信号とを同期させると共にその同期を検出する同期検出手段とを備え、該同期検出手段により前記第2のパルス信号と前記基準信号との同期が検出されなかったときは、次回に検出される基準信号と前記第2のパルス信号とを同期させる同期手段を有することにより、第2のパルス信号の検出に失敗したときであってもその後の適応制御に悪影響を及ぼすのを極力回避することができる。
【0130】
前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音特性が、前記パワープラントを構成するエンジン気筒に特有の振動騒音特性とその他の構成部位に特有の振動騒音特性とに分離され、前記エンジン気筒に特有の振動騒音特性に対応する第2のパルス信号が前記所定の入力信号として各気筒毎に異なる適応型デジタルフィルタ及び補正デジタルフィルタに入力され、前記更新手段が各気筒毎に夫々最適伝達特性を生成することにより、気筒の物理的配置に影響されることなく所望の振動騒音定権を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輌用振動騒音制御装置の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】動弁系の要部断面図である。
【図3】カム軸とクランク軸の関係を示す図である。
【図4】振動騒音制御系の一実施例(第1の実施例)を示すシステム構成図である。
【図5】振動次数を説明するためのタイムチャートである。
【図6】第1のパルス信号(基礎パルス信号)の検出が欠落したときの状況を説明するタイムチャートである。
【図7】適応制御回路のブロック回路図である。
【図8】擬似周期列作成ルーチンのフローチャートである。
【図9】参照信号の生成方法を説明するための説明図である。
【図10】伝達補正特性選択ルーチンの一実施例を示すフローチャートである。
【図11】伝達補正特性選択ルーチンの他の実施例を示すフローチャートである。
【図12】伝達補正特性の算出方法を示すタイムチャートである。
【図13】伝達補正特性算出ルーチンの一実施例を示すフローチャートである。
【図14】燃焼振動次数に係る振動騒音制御系の一実施例を示すシステム構成図である。
【図15】振動騒音制御系の他の実施例(第2の実施例)を示すシステム構成図である。
【図16】振動騒音波形とポイント数Nの関係を示す図である。
【図17】擬似周期列作成手段の作成手法を説明する説明図である。
【図18】従来の振動騒音制御系を示すシステム構成図である。
【図19】従来の適応制御回路(フィルタードX−アルゴリズム)のブロック図である。
【符号の説明】
1 内燃エンジン(パワープラント)
5 ECU(サンプリング周波数決定手段
14a,14b 自己伸縮型エンジンマウント(電気機械変換手段
19 エンコーダ(回転信号検出手段)
27 カム軸
36 クランク軸
38 フライホイール
39 分周回路(パルス信号生成手段)
41 1 〜41 4 同期回路(同期手段)
48 1 〜48 4 Wフィルタ(第1のフィルタ手段
48 41 〜48 46 Wフィルタ(第1のフィルタ手段
49 1 〜49 4 LMS処理部(制御信号更新手段
49 41 〜49 46 LMS処理部(制御信号更新手段)
50 1 〜50 4 Cフィルタ(第2のフィルタ手段
50 41 〜50 46 Cフィルタ(第2のフィルタ手段

Claims (11)

  1. 少なくとも車輌駆動用パワープラント(1)を含む振動騒音源に起因して車体(45)又は車室内の少なくとも1つ以上の所定領域において発生する周期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリングすることにより前記振動騒音源から前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフィルタ手段(48)と、
    前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号により振動騒音を制御する電気機械変換手段(14)と、
    該電気機械変換手段(14)からの出力により、ベクトル的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所定領域において検出する誤差信号検出手段(46)と、
    前記電気機械変換手段(14)と前記誤差信号検出手段(46)との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特性を表現する第2のフィルタ手段(50)と、
    前記誤差信号検出手段(46)の検出結果と前記第2のフィルタ手段(50)から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段(48)のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ係数を更新する制御信号更新手段(49)とを備えた車輌用振動騒音制御装置において、
    前記振動騒音源の駆動周期に同期して発生する第1のパルス信号を検出するパルス信号検出手段と、前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音の周期に同期する第2のパルス信号を前記パルス信号検出手段により検出された第1のパルス信号を分周して複数種生成するパルス信号生成手段(39)と、該パルス信号生成手段(39)により生成された第2のパルス信号の発生間隔に応じて第1のフィルタ手段(48)のタップ長を変化させる変化手段(47)とを備え、
    前記第2のフィルタ手段(50)が、前記変化手段(47)により変化した前記タップ長に応じて前記第2のフィルタ手段(50)のフィルタ係数の擬似周期列を作成する擬似周期列作成手段を有し、
    かつ、前記第1のフィルタ手段(48)が複数の適応型デジタルフィルタを具備すると共に、前記第2のフィルタ手段(50)が前記複数の適応型デジタルフィルタに応じて複数の補正デジタルフィルタを有し、前記パルス信号生成手段 39)により生成された複数種の第2のパルス信号が前記所定の入力信号として前記振動騒音特性に応じて夫々前記複数の適応型デジタルフィルタ及び前記複数の補正デジタルフィルタに入力されることを特徴とする車輌用振動騒音制御装置。
  2. 少なくとも車輌駆動用パワープラント(1)を含む振動騒音源に起因して車体(45)又は車室内の少なくとも1つ以上の所定領域において発生する周期的または擬似周期的な振動騒音に対し、所定の入力信号をフィルタリングすることにより前記振動騒音源から前記所定領域の間の伝達特性を変化させる制御信号を出力する第1のフィルタ手段(48)と、
    前記制御信号を駆動信号に変換して該駆動信号により振動騒音を制御する電気機械変換手段(14)と、
    該電気機械変換手段(14)からの出力により、ベクトル的な総和により減じられる振動騒音誤差信号を前記所定領域において検出する誤差信号検出手段(46)と、
    前記電気機械変換手段(14)と前記誤差信号検出手段(46)との間に形成される振動騒音伝達経路の伝達特性を表現する第2のフィルタ手段(50)と、
    前記誤差信号検出手段(46)の検出結果と前記第2のフィルタ手段(50)から出力される参照信号と前記第1のフィルタ手段(48)のフィルタ係数に基づいて前記振動騒音誤差信号が最小値となるように前記フィルタ係数を更新する制御信号更新手段(49)とを備えた車輌用振動騒音制御装置において、
    前記振動騒音源からの駆動周期を所定微小角度毎に第1のパルス信号として検出する駆動周期信号検出手段と、前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音の周期に同期する第2のパルス信号を前記駆動周期信号検出手段(5)により検出された第1のパルス信号を分周して複数種生成するパルス信号生成手段(39)と、前記駆動周期信号検出手段により検出される第1のパルス信号の検出タイミングに応じてサンプリング周期を決定するサンプリング周期決定手段(5)とを備え、
    前記第2のフィルタ手段(50)が、前記サンプリング周期決定手段(5)により決定されたサンプリング周期に応じて第2のフィルタ手段(50)の伝達特性を補正する伝達特性補正手段を有し、
    前記サンプリング周期決定手段(5)により決定されたサンプリング周期で前記第1のフィルタ手段(48)のフィルタ係数の出力及び更新を行う一連の動作を支配すると共に、前記第1のフィルタ手段(48)のタップ長が前記第1のパルス信号に対する第2のパルス信号の分周比とされ、
    かつ、前記第1のフィルタ手段(48)が複数の適応型デジタルフィルタを具備すると共に、前記第2のフィルタ手段(50)が前記複数の適応型デジタルフィルタに応じて複数の補正デジタルフィルタを有し、前記パルス信号生成手段(39)により生成された複数種の第2のパルス信号が前記所定の入力信号として前記振動騒音特性に応じて夫々複数の適応型デジタルフィルタ及び前記複数の補正デジタルフィルタに入力されることを特徴とする車輌用振騒音制御装置。
  3. 記パワープラント(1)のクランク軸(36)の回転に同期して所定回転角度毎に発生する第1の基礎パルス信号と、前記パワープラント(1)のカム軸(27)の回転に同期して所定回転角度毎に発生する第2の基礎パルス信号と、前記パワープラント(1)に燃焼を生じさせる点火信号である第3の基礎パルス信号と、前記パワープラント(1)を制御するパワープラント制御手段(5)が有する第4の基礎パルス信号のうち少なくとも1個以上の基礎パルス信号を有し、前記パルス信号検出手段により検出される第1のパルス信号が、これら第1乃至第4の基礎パルス信号の個別信号又は複数の組合せ信号から構成されていることを特徴とする請求項1記載の車輌用振動騒音制御装置。
  4. 前記パワープラント(1)のクランク軸(36)に固着されたフライホイール(38)の回転信号を検出する第1の回転信号検出手段(19)と、前記クランク軸(36)の回転信号を検出する第2の回転信号検出手段(12)と、前記パワープラント(1)のカム軸(27)の回転信号を検出する第3の回転信号検出手段(11)のうち少なくとも1つ以上を有し、前記駆動周期信号検出手段により検出される第1のパルス信号が、前記第1乃至第3の回転信号検出手段(19、12、11)の検出結果に基づいて生成されることを特徴とする請求項2記載の車輌用振動騒音制御装置。
  5. 前記第2のフィルタ手段(50)は、サンプリング周期に対 する振動騒音周期の割合であるポイント数を前記パルス信号生成手段(39)により生成された第2のパルス信号の発生間隔とサンプリング周期とに応じて算出するポイント数算出手段と、前記ポイント数算出手段により算出されたポイント数と前記第1のフィルタ手段のタップ長とを一致させる一致手段とを備え、
    かつ、前記擬似周期列作成手段は、
    前記ポイント数が前記第2のフィルタ手段(50)のタップ長よりも小さい場合は、次式
    Figure 0003550158
    (n=0,1,2,…,n−1)
    (a=0,1,2,…JdivN)
    (但し、(C〜)は擬似周期列、(C∧)は第2のフィルタ手段のフィルタ係数、Jは第2のフィルタ手段のタップ長、Nはポイント数、(JdivN)は(J/N)の切り捨て整数)
    に基づいて、擬似周期列を作成する第1の周期列作成手段と、
    前記ポイント数が前記第2のフィルタ手段(50)のタップ長よりも大きい場合は、次式
    Figure 0003550158
    (但し、(0,…,0)の個数は(N−J)個)
    に基づいて擬似周期列を作成する第2の周期列作成手段とを有し、
    さらに、前記第2のフィルタ手段(50)は、前記擬似周期列作成手段により作成された擬似周期列に応じて参照信号を生成する参照信号生成手段を具備していることを特徴とする請求項1、請求項3、又は請求項4のいずれかに記載の車輌用振動騒音制御装置。
  6. 前記擬似周期列作成手段より作成された擬似周期列を2周期の長さに亘って記憶する記憶手段を有すると共に、
    前記参照信号生成手段は、前記記憶手段に記憶された擬似周期列の前記2周期の範囲中から1周期分の読出範囲をシフトさせながら参照信号を生成することを特徴とする請求項5記載の車輌用振動騒音制御装置。
  7. 前記参照信号生成手段は、前記擬似周期列に応じてサンプリング周期毎にシフトさせて参照信号を生成することを特徴とする請求項5記載の車輛用振動騒音制御装置。
  8. 周波数帯域が前記パワープラント(1)の回転数に応じて所定周波数毎に複数に区分されると共に、複数の伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶され
    かつ、該伝達特性補正手段が、前記所定周波数と前記サンプリング周期決定手段(5)により決定されたサンプリング周期とに応じて前記複数の伝達特性から最適伝達特性を選択する選択手段を有していることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の車輌用振動騒音制御装置。
  9. 前記パワープラント(1)の上限回転数に対応する周波数に対し適数倍の高周波相当のサンプリング周期で同定された高次伝達特性が前記伝達特性補正手段に記憶され
    かつ、該伝達特性補正手段が、前記高次伝達特性を分周して最適伝達特性を算出する伝達特性算出手段を有していることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の車輌用振動騒音制御装置。
  10. 前記車輌駆動用パワープラント(1)は4サイクルエンジンであって、クランク軸(36)2回転毎に基準信号を検出する基準信号検出手段(12)と、該基準信号検出手段(12)により検出された基準信号と前記パルス信号生成手段(39)により生成された複数種の第2のパルス信号とを同期させる同期手段(41)とを備え、
    該同期手段(41)は、前記基準信号と前記第2のパルス信号との同期を検出する同期検出手段を有し、該同期検出手段により前記第2のパルス信号と前記基準信号との同期が検出されなかったときは、次回に検出される基準信号と前記第2のパルス信号とを同期させることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の車輌用振動騒音制御装置。
  11. 前記振動騒音源の各構成部位に特有の振動騒音特性が、前記パワープラント(1)を構成するエンジン気筒に特有の振動騒音特性とその他の構成部位に特有の振動騒音特性とに分離され、前記エンジン気筒に特有の振動騒音特性に対応する第2のパルス信号が前記所定の入力信号として各気筒毎に異なる適応型デジタルフィルタ及び補正デジタルフィルタに入力され、前記制御信号更新手段(49)が各気筒毎に夫々最適伝達特性を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の車輌用振動騒音制御装置。
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