JPH05288170A - 低圧ハウジング型密閉圧縮機 - Google Patents

低圧ハウジング型密閉圧縮機

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JPH05288170A
JPH05288170A JP8208792A JP8208792A JPH05288170A JP H05288170 A JPH05288170 A JP H05288170A JP 8208792 A JP8208792 A JP 8208792A JP 8208792 A JP8208792 A JP 8208792A JP H05288170 A JPH05288170 A JP H05288170A
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oil
compressor
chamber
rear chamber
housing
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JP8208792A
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Toyotaka Hirao
豊隆 平尾
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハウジング内に貯留される潤滑油量を適正に
保つようにする。 【構成】 密閉ハウジング内を吸入ガスを導入する前室
と圧縮機構の吸入口が開口する後室とに仕切り、同前室
と後室とを絞りを介して連通させると共に、同絞りに対
して並列に接続されその下端が前室内に貯留される潤滑
油の運転時の適正油面位置に開口する併設通路を介して
前記前室と後室とを連通させた。あるいはさらに、圧縮
機外の油回収手段または圧縮機内の油回収部から前記後
室内に油を供給する油供給手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油インジェクションを行
う圧縮機構を内蔵する低圧ハウジング型密閉圧縮機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図16は従来のヘリウムガス圧縮ユニッ
トの一例の系統図である。図において、スクロール型圧
縮機101で圧縮されたヘリウムガスは油を含んだ状態
で吐出管83から吐出されて吐出ガスクーラ102に入
り、ここで冷却水によって冷却された後、オイルセパレ
ータ103へ導かれ、ここでヘリウムガスと油とが分離
される。次いでヘリウムガスはアドソーバ104に入
り、ここでガス中に含まれる油の蒸気が除去された後、
図示外の極低温冷凍機の膨張機構に送られる。極低温冷
凍機から流入するヘリウムガスはサージボトル105を
経て吸入管82から圧縮機101に吸入される。
【0003】上記オイルセパレータ103で分離された
油は吸入管82に合流して圧縮機101に戻り、その油
溜り111内に貯留される。この油溜り111内の油は
ポンプ112によりインジェクション管123を流れ、
その途中のオイルクーラ114を通流する過程で冷却水
によって冷却された後、圧縮機101の圧縮室として機
能する密閉空間24内に噴射され、これによって圧縮ガ
スが冷却される。次いで油は圧縮ガスとともに圧縮機1
01から再び吐出され、前記したオイルセパレータ10
3を経た後、吸入管82に合流し、圧縮機101の油溜
り111内に帰還される。
【0004】図17は上記系統の圧縮機101として従
来より用いられているスクロール式密閉型圧縮機の縦断
面図である。図において、密閉ハウジング8の内部には
その上部にスクロール型圧縮機構Cが、下部に電動モー
タMが配設されている。
【0005】スクロール型圧縮機構Cは、固定スクロー
ル1、旋回スクロール2、旋回スクロール2の公転旋回
運動を許容するがその自転を阻止するオルダムリンク等
の自転阻止部材3、固定スクロール1及び電動モータM
が締結されるフレーム6、回転シャフト5を軸支する上
部軸受71、及び下部軸受72、旋回スクロール2を支
持する旋回軸受73、及びスラスト軸受74等からな
る。
【0006】固定スクロール1は端板11とその内面に
立設されたうず巻状ラップ12とを備え、この端板11
には吐出ポート13及びこれを開閉する吐出弁17が設
けられている。旋回スクロール2は端板21とこの内面
に立設されたうず巻状ラップ22とを備え、この端板2
1の外面に立設されたボス23内にドライブブッシュ2
5が旋回軸受73を介して回転自在に嵌装され、このド
ライブブッシュ25に嵌設された偏心孔内に回転シャフ
ト5の上端から突出する偏心ピン53が回転自在に嵌合
されている。そして、このドライブブッシュ25にはバ
ランスウエイト84が取り付けられている。上記固定ス
クロール1と旋回スクロール2とを相互に公転旋回半径
だけ偏心させ、かつ、180度だけ角度をずらせて噛み
合わせることによって、点対称に複数個の密閉空間24
が形成されている。
【0007】電動モータMを駆動することによって、回
転シャフト5、偏心ピン53、ドライブブッシュ25、
ボス23を介して旋回スクロール2が駆動され、旋回ス
クロール2は自転阻止機構3によって自転を阻止されな
がら公転旋回半径の円軌道上を公転旋回運動する。する
と、ガスが吸入管82を経てハウジング8内に入り、電
動モータMを冷却した後、フレーム6に穿設された通路
85を通り固定スクロール1に設けられた吸入通路15
から吸入室16を経て密閉空間24内に吸入される。そ
して、旋回スクロール2の公転旋回運動により密閉空間
24の容積が減少するのに伴って圧縮されながら中央部
に至り、吐出ポート13より吐出弁17を押し開いて吐
出キャビティ14に入り、更に、吐出管83を経て外部
に吐出される。
【0008】これと同時に、ハウジング8内底部に貯留
された潤滑油81は回転シャフト5内下部に設けられた
例えば遠心式のポンプ51によって吸い上げられ、給油
孔52を通って下部軸受72、偏心ピン53、上部軸受
71、自転阻止部材3、旋回軸受73、スラスト軸受7
4等を潤滑した後、室61、排油孔62を経て排出さ
れ、密閉ハウジング8の底部に貯留される。123は図
16の説明で述べたインジェクション管である。
【0009】図18は図17のA〜A断面図である。フ
レーム6は圧縮機101のハウジング内を、吸入管82
に連なる空間と圧縮機構Cの吸入通路15に連る空間と
に二分し、通路85で連通する。通路85はガス流に基
づく圧力損失が極力小さくなる様、十分な断面積を持つ
よう設けられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の低圧ハウジング
型密閉圧縮機では圧縮機運転中にハウジング内に貯留す
る潤滑油の量を適正に保つような積極的な制御は行われ
ていなかった。したがって、ハウジング内に貯留される
油量が減少した場合には、ポンプ51の吸入口を油に浸
すことができなくなり、このため各摺動部等への潤滑油
の供給ができないということが起り、また圧縮機の摺動
部等における油量が増加すると、圧縮ガス冷却用の油量
が不足すると共に、オイルセパレータ内の油量が減っ
て、オイルセパレータから吐出ガスが圧縮機の吸入側へ
バイパスし、これによって圧縮ガス温度が異常上昇する
ことが起る。
【0011】本発明は上記従来技術の欠点を解消し、ハ
ウジング内に貯留される潤滑油量を適正に保つようにし
て、圧縮機の信頼性を向上させようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
したものであって、密閉ハウジングの一側に圧縮機構
を、同密閉ハウジングの他側に前記圧縮機構に連る回転
軸に連結された電動モータをそれぞれ配設し、前記密閉
ハウジング内の前記電動モータ側に吸入ガスを導入し、
同吸入ガスを前記圧縮機構の吸入口より吸込んで圧縮す
る低圧ハウジング型密閉圧縮機において、次の特徴を有
する低圧ハウジング型密閉圧縮機に関するものである。
【0013】(1)前記密閉ハウジング内を前記吸入ガ
スを導入する前室と前記圧縮機構の吸入口が開口する後
室とに仕切り、同前室と後室とを絞りを介して連通させ
ると共に、同絞りに対して並列に接続されその下端が前
室内に貯留される潤滑油の運転時の適正油面位置に開口
する併設通路を介して前記前室と後室とを連通させたこ
と。
【0014】(2)前項記載の低圧ハウジング型密閉圧
縮機において、圧縮機外の油回収手段または圧縮機内の
油回収部から前記後室内に油を供給する油供給手段を設
けたこと。
【0015】
【作用】前記手段の項の(1)に対応する圧縮機におい
ては、前室と後室との間に設けられた絞りによって前室
と後室との間に圧力差を生じさせ、この圧力差によって
前室内の油を併設通路を経由して後室へ押し上げる。こ
の時、併設通路の下部開口が適正油面水準に開口してい
ることによって、油が多い時は油が後室へ送給され、油
が少い時は送給されないので、前室内の油の量は適正に
保たれる。
【0016】前記手段の項の(2)に対応する圧縮機に
おいては、上記作用を有すると共に、前室の油が多い時
には併設通路の下部開口が塞がれているので、前室の圧
力が高く、絞りから油が前室へ戻ることはないが、前室
の油が少くなり、併設通路の下部開口が油に浸されてい
ない時は、前室の圧力が下り、したがって後室の油が絞
りから前室へ戻るので、前室の油量は適正に保たれる。
【0017】
【実施例】図1〜図3は手段の項(1)に記載の圧縮機
に関する図であって、この種の圧縮機を以下の説明では
第1種の圧縮機と呼ぶ。図1は本発明の第1種の低圧ハ
ウジング型密閉圧縮機の第1の実施例の縦断面図であ
る。図において、131Aは通路85を塞ぐ位置におい
てフレーム6に取付けられている絞り板、131は同板
に設けられている絞りである。ハウジング8の内部は上
記フレーム6と絞り板131Aとによって二室に分けら
れ、86は圧縮機構Cが設けられている後室、87はモ
ータMが設けられている前室である。前記絞り131は
通路85の流れを絞り、流通抵抗を付与するものであ
る。130はその下端が運転中の前室87の適正油面位
置に開口し、その上端が後室86内に開口するようハウ
ジング8の外側に設けられている併設通路である。13
2は、詳細は図3の説明において後述するが、インジェ
クション管123から分岐して、吸入管82に合流する
油戻し管である。上記以外の部分は図17、図18に示
した従来技術と同じであるから説明を省略する。
【0018】図2は本発明の第1種の低圧ハウジング型
密閉圧縮機の第2の実施例の縦断面図である。図におい
て、130Xは第1実施例における併設通路130に替
えて設けられたもので、その下端が運転中の前室87の
適正油面位置に開口し、その上端が後室86内に開口す
るようハウジング8の内側に設けられている併設通路で
ある。上記以外は第1実施例と同じである。すなわち第
1実施例と第2実施例との違いは、併設通路がハウジン
グの外にあるか内にあるかという点だけであって、機能
としては全く同じものである。
【0019】上記第1種の圧縮機における給油方式をヘ
ッド方式と呼び、後述の第2種の圧縮機における給油方
式と区別する。また、この第1種の圧縮機を符号101
aで表す。
【0020】図3は上記第1種の圧縮機101aを備え
たヘリウムガス圧縮ユニットの系統図である。第1種の
圧縮機において第1実施例と第2実施例とは機能は同じ
であるから、図には第1実施例によって第1種の圧縮機
を代表させて示してある。102は圧縮機101aの吐
出側に設けられている吐出ガスクーラ、120は同ガス
クーラの後流側に設けられそのガス吐出部が次のオイル
セパレータ103に連るオイルセパレータ、123はオ
イルセパレータ120の底部と圧縮機101aの圧縮室
24とを接続するインジェクション管、114は同イン
ジェクション管123上に設けられているオイルクー
ラ、132は前記インジェクション管123から分岐し
吸入管82に合流する油戻し管である。上記以外の部分
は図16に示した従来の系統と同じである。
【0021】本装置において、運転条件で決まるガス流
量に対する絞り部の圧損をΔp,前室の油面に対する併
設通路の後室開口部のヘッドをh、油の比重量をγ0
すると、Δp/γ0 >hなら、油は併設通路を介して前
室から後室へ汲み出される。Δpは、併設通路の流路断
面積が油面高さで変化する前室開口端の有効断面積A e
で決まる。油面が高く開口端が全部油面に浸っていれば
e =0、油面が低く開口端が全部ガス中に露出してい
ればAe =Ae max で、0≦Ae ≦Ae max の範囲でA
e は油面高さと共に変る。Ae =0の時、Δpを駆動力
として前室の油は後室に汲み出され、Ae >0の時、ガ
スが併設通路を経由して後室へ流れ、油の汲み出しはな
く、吸入管を経て戻される油は油溜りに貯留される。こ
のようにして、油溜り内の油量は一定油面内に自己制御
される。
【0022】図4〜図6は手段の項(2)に記載の圧縮
機に関する図であって、この種の圧縮機を以下の説明で
は第2種の圧縮機と呼ぶ。図4は本発明の第2種の低圧
ハウジング型密閉圧縮機の第1実施例の縦断面図であ
る。図において、133は詳細は後述するが、インジェ
クション管123から分岐して後室86に開口する油戻
し管である。本圧縮機においては、前述の第1種の圧縮
機において、吸入管82に合流するよう設けられていた
油管132は設けられていない。上記以外の部分は第1
種の圧縮機の第1実施例(図1)と同じである。
【0023】図5は本発明の第2種の低圧ハウジング型
密閉圧縮機の第2実施例の縦断面図である。本実施例が
前記第2種の第1実施例と異る点は2箇所あり、その1
は第1実施例の併設通路130に替えて、ハウジング8
の内側に併設通路130Xが設けられている点であり、
その2は後室86に開口する第1実施例の油管133に
替えて、室61から後室86に連る油戻し孔133Xが
設けられている点である。併設通路130,130Xは
ハウジング8の外側でも内側でも作用効果は同一である
ことはさきに第1種の圧縮機の説明で述べた通りであ
る。また、油戻し管133と油戻し孔133Xは、油を
後室86に注入するという点で同じ作用効果をもたらす
ものである。
【0024】上記第2種の圧縮機における給油方式をフ
ラッディング限界方式と呼び、前述の第1種の圧縮機に
おける給油方式(ヘッド方式)と区別する。また、この
第2種の圧縮機を符号101bで表す。
【0025】図6は上記第2種の圧縮機101bを備え
たヘリウムガス圧縮ユニットの系統図である。第2種の
圧縮機において第1実施例と第2実施例とは機能は同じ
であるから、図には第1実施例によって第2種の圧縮機
を代表させて示してある。本系統図が第1種圧縮機10
1aを用いた図3の系統図と異る点は、インジェクショ
ン管123から分岐した油戻し管133が後室86に連
っている点である。この油戻し管は、さきに説明した図
3においてインジェクション管123から分岐して吸入
管82に合流する油戻し管132に替えて設けられたも
のである。上記以外の部分は第1種の圧縮機を用いた系
統図(図3)と同じである。
【0026】本実施例においては、オイルセパレータか
ら戻される油を油戻し管133を介して後室へ注入する
か、あるいは、圧縮機の底部のポンプから汲み上げられ
た余剰の油の一部を図5で述べた油戻し孔133Xを介
して後室へ供給すれば、後室に油が貯留される。後室の
底部の、前室に隣接する位置の絞りを通過するガス流量
は、油面高さに応じて、併設通路をバイパスするガス流
量が変ることに起因して変り、ガス流速が変る。すなわ
ち、前室の油面が高く、絞りを上へ向って通過するガス
流速が大の時は、油は絞りを介して後室から前室へ流出
せず、油溜りへの油の貯留は行なわれない。前室の油面
が低く、絞りを上へ向って通過するガス流速が小の時
は、油は絞りを介して、後室から前室へ流出し、油溜り
へ油を貯留する。これによって、油貯留の自己制御性が
発揮される。
【0027】ヘッド方式(第1種の圧縮機に適用)とフ
ラッディング限界方式(第2種の圧縮機に適用)のそれ
ぞれについて、油面制御の原理と絞り径の決定方法につ
いて以下に述べる。
【0028】(A)ヘッド方式(第1種圧縮機):図
1,図3を用いて説明する。後室86と前室87の間に
絞り131を設け差圧Δpをつけ、この差圧により前室
内の油を後室86まで持ち上げ送り込む方式である。絞
りを流れるガスは、オリフィスの式が成立すると仮定す
れば、
【0029】
【数1】
【0030】ただし Gr :ガス流量(kg/s) A:断面積(m2 ) α:流量係数 d:絞り径(m) ρ:ガス密度(kgs/m4) Δp:圧力差(kg/m2) 一方ヘッドは次式で表わされる。
【0031】
【数2】
【0032】ただし ρo :油密度(kgs/m4) h:ヘッド(m) g:重力加速度(m/s2)
【0033】式(1)、式(2)より絞り径に対するヘ
ッドを計算したのが図7である。絞り径d1を調整すれば
ハウジング内前室87の油面から後室86まで油を汲み
上げることができる。この時、油面制御用の併設通路1
30は油をシリンダに送り込む働きをすると共に、絞り
径の自動調節機能の働きがある。即ち油面が併設通路1
30の開口以下に下がった場合、ガスはここをバイパス
するので(1)式におけるAが相対的に大きくなり、Δ
pは小さくなりヘッドhは必要高さ以下になり、後室8
6へ油は送り込まれなくなる。一方、吸入油戻し管13
2より油が前室87に流入するため、油面は上昇する。
即ち油面の自己制御性が存在し、油面は一定となる。油
戻し管132より流入する油はオイルクーラ114で冷
却されているため、モータの発熱を冷却する効果もあ
る。ただし吸入油戻し管132を流れる油量は油面制御
用併設通路130からくみ上げられる油量以下に設定す
る必要がある。
【0034】(B)フラッディング限界方式(第2種圧
縮機):図4,図6を用いて説明する。図6に示すよう
に、インジェクション管123から分岐し、後室への油
を供給する手段の油戻し管133より油が後室86へ流
入し、絞り131を通り、前室87へ流出する。これ以
外の基本的構成は第1種の圧縮機の場合と同様である。
この油の流出を防いだ場合、潤滑油の一部がOC%とし
て吐出管83より流出するため油面は低下する。よって
この油の流出を適度に調節できるようにすれば油面は一
定に制御できる。
【0035】油が流出しなくなる限界(フラッディング
限界)は次の実験式で示される。これは垂直対向二相流
として円管の下からガスを流し液が上方に流れる限界速
度を求めた式を流用したものである。
【0036】
【数3】
【0037】ただし ここでug :ガス流速(m/s) ρg :ガス密度(kgs/m4) ρl :油の密度(kgs/m4) g :重力の加速度(m/s2) d :管径(m)
【0038】図8は式(3)を絞りに適用した計算結果
である。ug * が0.8〜0.9となるd2 がフラッデ
ィング限界の絞り径である。図1に示す様に後室86と
前室87は仕切られており、かつフラッディング限界d
2 以上となる絞り131の径を決めれば、油面が油面制
御用併設通路130の前室87開口位置以上の場合はガ
スは全量絞り131を通って流動し油の落下はない。こ
の場合、OC%分だけ油面は下がるが、開口以下に下が
ったとすると併設通路の全断面積をガスが通ることにな
るので絞り131の等価直径d2 が大きくなりフラッデ
ィング限界を下まわる。このため油は落下し、再び油面
は上昇する。なお、この第2種の圧縮機における後室へ
の油供給手段として、図5に示すようにフレーム6の室
61から後室に通じる油戻し孔133Xを設け、排油孔
62からの排油量の一部を供給するようにしても、同様
の目的を達成し得ることは上の説明から明らかである。
【0039】ヘッド方式もフラッディング限界方式も油
面制御用併設通路130は絞り131あるいは131X
の自動調節としての機能がありこのことより油面の自己
制御性を発揮する。
【0040】併設通路130Xの前室側開口端の形状
は、油面高さに応じて入口部の有効断面積が連続的に変
化するのが好ましく、この点で次のような形状のものが
適用できる。 図9:先端を斜めにカットした形状。 図10:先端をステップ状にカットした形状。 図11:先端を直截した形状(油面のやや急激な変動を
許し得る場合)。
【0041】通路130,130Xの形成方法としては
次の方法がある。 図12,図13:ハウジング壁と共働する部材130a
で併設通路130を形成する方法。図の130aaは下
部開口、130bbは上部開口である。 図14:ハウジング8と同心の円筒状部材130aによ
って通路を形成する。
【0042】絞りの形成方法としては次のものがある。 図15:絞り131を圧縮機のフレーム6と一体に設け
る。
【0043】本発明によれば油インジェクションを行う
低圧密閉圧縮機において、運転中に圧縮機ハウジング内
に貯蔵される潤滑油量が制御され一定となるので、常時
十分な量の油を安定して各摺動部に供給することがで
き、信頼性が向上する。このため圧縮室内に油をインジ
ェクションするヘリウム用圧縮機においては、この油量
の制御に外部ポンプ、油面検知用のセンサー類、各種ア
クチュエータ、電気回路等が不要となり、これらの故障
に基づく運転トラブルの解消、コストの低減が可能とな
る。なお実施例はスクロール圧縮機について示したがこ
れに限定される必要のないことも自明である。
【0044】
【発明の効果】本発明の低圧ハウジング型密閉圧縮機に
おいては、密閉ハウジング内を吸入ガスを導入する前室
と圧縮機構の吸入口が開口する後室とに仕切り、同前室
と後室とを絞りを介して連通させると共に、同絞りに対
して並列に接続されその下端が前室内に貯留される潤滑
油の運転時の適正油面位置に開口する併設通路を介して
前記前室と後室とを連通させてあり、あるいは、さら
に、圧縮機外の油回収手段または圧縮機内の油回収部か
ら前記後室内に油を供給する油供給手段を設けてあるの
で、ハウジング内に貯留される潤滑油量が適正に保た
れ、圧縮機の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1種のスクロール圧縮機の第1実施
例の縦断面図。
【図2】本発明の第1種のスクロール圧縮機の第2実施
例の縦断面図。
【図3】上記第1種のスクロール圧縮機を備えたヘリウ
ム圧縮機ユニットの系統図。
【図4】本発明の第2種のスクロール圧縮機の第1実施
例の縦断面図。
【図5】本発明の第2種のスクロール圧縮機の第2実施
例の縦断面図。
【図6】上記第2種のスクロール圧縮機を備えたヘリウ
ム圧縮機ユニットの系統図。
【図7】ヘッド方式における、絞り径に対するヘッドの
計算結果図。
【図8】フラッディング方式における、絞り径に対する
g * の計算結果図。
【図9】上記各圧縮機に適用される併設通路の他の例の
要部断面図。
【図10】上記各圧縮機に適用される併設通路の他の例
の要部断面図。
【図11】上記各圧縮機に適用される併設通路の他の例
の要部断面図。
【図12】上記各圧縮機に適用される併設通路の他の例
の要部断面図。
【図13】上記各圧縮機に適用される併設通路の他の例
の要部断面図。
【図14】上記各圧縮機に適用される併設通路の他の例
の要部断面図。
【図15】上記各圧縮機に適用される絞りの他の例の要
部断面図。
【図16】従来のヘリウムガス圧縮ユニットの系統図。
【図17】従来のスクロール圧縮機の縦断面図。
【図18】従来のスクロール圧縮機の横断面図。
【符号の説明】
6 フレーム 8 ハウジング 24 圧縮室 61 室 62 排油孔 81 潤滑油 82 吸入管 83 吐出管 85 通路 86 後室 87 後室 101 圧縮機(従来) 101a 本発明の第1種の圧縮機 101b 本発明の第2種の圧縮機 102 吐出ガスクーラ 103 オイルセパレータ 114 オイルクーラ 120 オイルセパレータ 123 インジェクション管 130 併設通路(ハウジング8の外側に設置) 130X 併設通路(ハウジング8の内側に設置) 131 絞り 131A 絞り板 132 油戻し管(吸入管82に合流) 133 油戻し管(後室86に流入) 133X 油戻し孔(後室86に流入)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ハウジングの一側に圧縮機構を、同
    密閉ハウジングの他側に前記圧縮機構に連る回転軸に連
    結された電動モータをそれぞれ配設し、前記密閉ハウジ
    ング内の前記電動モータ側に吸入ガスを導入し、同吸入
    ガスを前記圧縮機構の吸入口より吸込んで圧縮する低圧
    ハウジング型密閉圧縮機において、前記密閉ハウジング
    内を前記吸入ガスを導入する前室と前記圧縮機構の吸入
    口が開口する後室とに仕切り、同前室と後室とを絞りを
    介して連通させると共に、同絞りに対して並列に接続さ
    れその下端が前室内に貯留される潤滑油の運転時の適正
    油面位置に開口する併設通路を介して前記前室と後室と
    を連通させたことを特徴とする低圧ハウジング型密閉圧
    縮機。
  2. 【請求項2】 圧縮機外の油回収手段または圧縮機内の
    油回収部から前記後室内に油を供給する油供給手段を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の低圧ハウジング
    型密閉圧縮機。
JP8208792A 1992-04-03 1992-04-03 低圧ハウジング型密閉圧縮機 Withdrawn JPH05288170A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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