JPH05287581A - 耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた防錆鋼板 - Google Patents
耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた防錆鋼板Info
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- JPH05287581A JPH05287581A JP9633092A JP9633092A JPH05287581A JP H05287581 A JPH05287581 A JP H05287581A JP 9633092 A JP9633092 A JP 9633092A JP 9633092 A JP9633092 A JP 9633092A JP H05287581 A JPH05287581 A JP H05287581A
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- JP
- Japan
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- alloy
- plating
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- steel sheet
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】耐食性、めっき密着性および電着塗装性ともに
優れた防錆鋼板の提供。 【構成】鋼板両面にZn−Cr−Cの3元系合金めっき
層を有し、その合金層の組成はC=0.5〜5wt%、
Cr=0.5〜40wt%、残部Znからなり、その合
金層の付着量は合金中に含まれるZn量として5〜40
g/m2であり、さらに少なくとも片面側は、その上層に
0.01〜1.0wt%のPを含有し付着量1〜6g/m2
のFe−P2元系合金めっき層を有する。
優れた防錆鋼板の提供。 【構成】鋼板両面にZn−Cr−Cの3元系合金めっき
層を有し、その合金層の組成はC=0.5〜5wt%、
Cr=0.5〜40wt%、残部Znからなり、その合
金層の付着量は合金中に含まれるZn量として5〜40
g/m2であり、さらに少なくとも片面側は、その上層に
0.01〜1.0wt%のPを含有し付着量1〜6g/m2
のFe−P2元系合金めっき層を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、近年ますます強力な
防錆力を要求されつつある自動車用防錆鋼板に関し、特
に耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた自動
車用防錆鋼板に関するものである。
防錆力を要求されつつある自動車用防錆鋼板に関し、特
に耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた自動
車用防錆鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防錆鋼板としてはZnめっき鋼板
が一般的に使用されてきた。これは大気中で素地鋼板よ
りも電位的に卑なZnめっき層による犠牲防食効果を利
用するものである。ところで、Znめっき層による犠牲
防食効果はあくまでも鋼板表面にZnめっき層が十分に
存在する間は持続するが、Znめっき層が溶出し去った
後にはもはや期待できない。ところが、ZnとFeとの
間の電位差が大きいためにZnの溶出速度が速く犠牲防
食作用の持続期間が短いという問題があった。そこでZ
nに代わって、鋼板との間の電位差がより小さくなおか
つ犠牲防食効果を有するZn−Ni合金めっき鋼板や、
Zn−Fe合金めっき鋼板、Zn−Cr合金めっき鋼板
(例えば特開昭63−243295号や特開昭64−5
5397号参照)等が開発された。これらの合金めっき
鋼板の他に、Zn−Ni合金層のさらに上層に有機複合
樹脂の薄膜を有するタイプの防錆鋼板として有機複合被
覆鋼板が開発され実用化されている(例えば、鉄と鋼,
vol.77,p.1066,1991年参照)。
が一般的に使用されてきた。これは大気中で素地鋼板よ
りも電位的に卑なZnめっき層による犠牲防食効果を利
用するものである。ところで、Znめっき層による犠牲
防食効果はあくまでも鋼板表面にZnめっき層が十分に
存在する間は持続するが、Znめっき層が溶出し去った
後にはもはや期待できない。ところが、ZnとFeとの
間の電位差が大きいためにZnの溶出速度が速く犠牲防
食作用の持続期間が短いという問題があった。そこでZ
nに代わって、鋼板との間の電位差がより小さくなおか
つ犠牲防食効果を有するZn−Ni合金めっき鋼板や、
Zn−Fe合金めっき鋼板、Zn−Cr合金めっき鋼板
(例えば特開昭63−243295号や特開昭64−5
5397号参照)等が開発された。これらの合金めっき
鋼板の他に、Zn−Ni合金層のさらに上層に有機複合
樹脂の薄膜を有するタイプの防錆鋼板として有機複合被
覆鋼板が開発され実用化されている(例えば、鉄と鋼,
vol.77,p.1066,1991年参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】確かに、Zn−Ni、
Zn−Fe、Zn−Cr等の合金めっきを行うことで、
Znめっき鋼板に比べて耐食性を改善することはできる
が、近年ますます強力な防錆能力が要求されつつあり、
これらの合金めっき鋼板ではいまだ十分な防錆力がある
とはいえない。また、従来のZnめっき鋼板に代わって
これらの合金めっき鋼板を採用する場合には、新たにめ
っき密着性が大きな問題になる。
Zn−Fe、Zn−Cr等の合金めっきを行うことで、
Znめっき鋼板に比べて耐食性を改善することはできる
が、近年ますます強力な防錆能力が要求されつつあり、
これらの合金めっき鋼板ではいまだ十分な防錆力がある
とはいえない。また、従来のZnめっき鋼板に代わって
これらの合金めっき鋼板を採用する場合には、新たにめ
っき密着性が大きな問題になる。
【0004】例えば、自動車車体に用いられる場合には
プレス加工が行われるが、この際にめっき層が粉々に割
れて鋼板から剥離するパウダリングや鋼板表面から削り
取られためっき層が金型に付着するフレーキング等が起
こり、金型を痛めて生産性を阻害するのである。有機複
合被覆鋼板に関しては、確かに十分な耐食性を有すると
考えられるが、通常の合金めっき鋼板に比べてさらにそ
の上層に複合有機被覆を施す必要があることからコスト
アップが大きく経済性に問題がある。従って、有機被覆
無しでしかも複合有機被覆鋼板と同等の耐食性を有する
合金めっき鋼板の登場が嘱望されてきたのである。
プレス加工が行われるが、この際にめっき層が粉々に割
れて鋼板から剥離するパウダリングや鋼板表面から削り
取られためっき層が金型に付着するフレーキング等が起
こり、金型を痛めて生産性を阻害するのである。有機複
合被覆鋼板に関しては、確かに十分な耐食性を有すると
考えられるが、通常の合金めっき鋼板に比べてさらにそ
の上層に複合有機被覆を施す必要があることからコスト
アップが大きく経済性に問題がある。従って、有機被覆
無しでしかも複合有機被覆鋼板と同等の耐食性を有する
合金めっき鋼板の登場が嘱望されてきたのである。
【0005】以上述べてきた課題を解決するために本願
発明者等が鋭意検討してきた結果、鋼板表面にZn−C
r−Cの3元系合金めっき層を有し、その合金層の組成
はC=0.5〜5wt%、Cr=0.5〜40wt%、
残部Znからなり、その合金層の付着量は合金中に含ま
れるZn量として5〜40g/m2とすることにより耐食性
およびめっき密着性を著しく向上できることを発見し、
先に特願平03−279760号にて特許出願した。
発明者等が鋭意検討してきた結果、鋼板表面にZn−C
r−Cの3元系合金めっき層を有し、その合金層の組成
はC=0.5〜5wt%、Cr=0.5〜40wt%、
残部Znからなり、その合金層の付着量は合金中に含ま
れるZn量として5〜40g/m2とすることにより耐食性
およびめっき密着性を著しく向上できることを発見し、
先に特願平03−279760号にて特許出願した。
【0006】確かにZn−Cr−C3元系合金めっきに
よって耐食性およびめっき密着性は飛躍的に向上するの
であるが、その後さらに検討したところ合金中に含有さ
れるCr量の増加により電着塗装性が劣化する場合のあ
ることが明らかになってきた。現在の自動車の製造工程
では、車体組立後に燐酸亜鉛処理を主体とする化成処理
が行われ、その後カチオン電着塗装、さらに中塗り上塗
りの塗装を施されるのが普通である。カチオン電着塗装
時にクレーターと呼ばれるピンホール状の塗装不良が起
こり、中塗り上塗り後もクレーターが残り外観が問題に
なることがある。Zn−Cr−C合金めっき鋼板におい
ては良好な耐食性を得るために合金中のCr含有率が
0.5wt%以上必要であるが、合金中Cr含有率の増
加によってクレーターの発生が急激に増加し、外観が悪
化するのである。
よって耐食性およびめっき密着性は飛躍的に向上するの
であるが、その後さらに検討したところ合金中に含有さ
れるCr量の増加により電着塗装性が劣化する場合のあ
ることが明らかになってきた。現在の自動車の製造工程
では、車体組立後に燐酸亜鉛処理を主体とする化成処理
が行われ、その後カチオン電着塗装、さらに中塗り上塗
りの塗装を施されるのが普通である。カチオン電着塗装
時にクレーターと呼ばれるピンホール状の塗装不良が起
こり、中塗り上塗り後もクレーターが残り外観が問題に
なることがある。Zn−Cr−C合金めっき鋼板におい
ては良好な耐食性を得るために合金中のCr含有率が
0.5wt%以上必要であるが、合金中Cr含有率の増
加によってクレーターの発生が急激に増加し、外観が悪
化するのである。
【0007】したがって、本発明の目的は、耐食性、め
っき密着性および電着塗装性がともに優れた自動車用防
錆鋼板を提供しようとするにある。
っき密着性および電着塗装性がともに優れた自動車用防
錆鋼板を提供しようとするにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、鋼
板両面にZn−Cr−Cの3元系合金めっき層を有し、
その合金層の組成はC=0.5〜5wt%、Cr=0.
5〜40wt%、残部Znからなり、その合金層の付着
量は合金中に含まれるZn量として5〜40g/m2であ
り、さらに少なくとも片面側は、その上層に0.01〜
1.0wt%のPを含有し付着量1〜6g/m2のFe−P
2元系合金めっき層を有することを特徴とする耐食性、
めっき密着性および電着塗装性に優れた防錆鋼板を提供
するものである。
板両面にZn−Cr−Cの3元系合金めっき層を有し、
その合金層の組成はC=0.5〜5wt%、Cr=0.
5〜40wt%、残部Znからなり、その合金層の付着
量は合金中に含まれるZn量として5〜40g/m2であ
り、さらに少なくとも片面側は、その上層に0.01〜
1.0wt%のPを含有し付着量1〜6g/m2のFe−P
2元系合金めっき層を有することを特徴とする耐食性、
めっき密着性および電着塗装性に優れた防錆鋼板を提供
するものである。
【0009】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の防錆鋼板は、鋼板両面にZn−Cr−Cの3元系
合金めっき層を有し、その合金層の組成はC=0.5〜
5wt%、Cr=0.5〜40wt%、残部Znからな
り、その合金層の付着量は合金中に含まれるZn量とし
て5〜40g/m2である。
発明の防錆鋼板は、鋼板両面にZn−Cr−Cの3元系
合金めっき層を有し、その合金層の組成はC=0.5〜
5wt%、Cr=0.5〜40wt%、残部Znからな
り、その合金層の付着量は合金中に含まれるZn量とし
て5〜40g/m2である。
【0010】下層のZn−Cr−C合金めっき中のC量
を0.5〜5wt%に限定した理由は、Cが0.5wt
%未満では耐食性およびめっき密着性共に悪いためであ
り、Cが5wt%超ではめっき密着性が劣化するためで
ある。Cr含有率を0.5〜40wt%に限定した理由
は、Crが0.5wt%未満では十分な耐食性が得られ
ないためであり、Crが40wt%超ではめっき密着性
が不十分になるためである。合金中に含まれるZn量と
して5〜40g/m2とした理由はZnが5g/m2未満では耐
食性が不十分であり、Znが40g/m2超ではめっき密着
性が劣化すると共にコストアップが問題になるためであ
る。
を0.5〜5wt%に限定した理由は、Cが0.5wt
%未満では耐食性およびめっき密着性共に悪いためであ
り、Cが5wt%超ではめっき密着性が劣化するためで
ある。Cr含有率を0.5〜40wt%に限定した理由
は、Crが0.5wt%未満では十分な耐食性が得られ
ないためであり、Crが40wt%超ではめっき密着性
が不十分になるためである。合金中に含まれるZn量と
して5〜40g/m2とした理由はZnが5g/m2未満では耐
食性が不十分であり、Znが40g/m2超ではめっき密着
性が劣化すると共にコストアップが問題になるためであ
る。
【0011】本発明の防錆鋼板は、上記Zn−Cr−C
合金めっき層の少なくとも一方の面上に0.01〜1.
0wt%のPを含有し付着量1〜6g/m2のFe−P2元
系合金めっき層を有する。
合金めっき層の少なくとも一方の面上に0.01〜1.
0wt%のPを含有し付着量1〜6g/m2のFe−P2元
系合金めっき層を有する。
【0012】上層Fe−Pめっきを少なくとも片面側と
した理由は、クレーターの発生が外観上の問題となる外
面側に使用するためであり、両面ともに上層Fe−Pめ
っきを行ってももちろんかまわない。Fe−P中のP含
有率を0.01〜1.0wt%に限定した理由はPが
0.01wt%未満では電着塗装性が不十分であり、P
が1.0wt%超では効果が飽和し経済性が悪いためで
ある。上層Fe−Pめっき付着量を1〜6g/m2とした理
由は1g/m2未満では電着塗装性が悪いためであり、6g/
m2以上では効果が飽和すると共にめっき密着性を劣化す
るためである。
した理由は、クレーターの発生が外観上の問題となる外
面側に使用するためであり、両面ともに上層Fe−Pめ
っきを行ってももちろんかまわない。Fe−P中のP含
有率を0.01〜1.0wt%に限定した理由はPが
0.01wt%未満では電着塗装性が不十分であり、P
が1.0wt%超では効果が飽和し経済性が悪いためで
ある。上層Fe−Pめっき付着量を1〜6g/m2とした理
由は1g/m2未満では電着塗装性が悪いためであり、6g/
m2以上では効果が飽和すると共にめっき密着性を劣化す
るためである。
【0013】電着塗装性に対する上層Fe−Pめっきの
効果を図1に示す。下層めっき中のCr含有率が増加す
ると電着塗装時に発生するクレーター数が急激に増加す
るが、上層Fe−Pめっきによりクレーターが発生しな
くなることがわかる。
効果を図1に示す。下層めっき中のCr含有率が増加す
ると電着塗装時に発生するクレーター数が急激に増加す
るが、上層Fe−Pめっきによりクレーターが発生しな
くなることがわかる。
【0014】下層Zn−Cr−C合金めっき法に付いて
述べる。従来Zn−Cr2元系合金めっきを行うための
めっき浴として提案されているのは、浴中の主成分とし
てZn2+、Cr3+を有し、さらに電導助剤としてアルカ
リ金属の硫酸塩やハロゲン化物およびアンモニウム塩等
を含有するものであり、さらにほう酸や蟻酸塩およびア
ミノ酸等を含んだり、ポリオキシアルキレン誘導体を含
む場合もある。確かにポリオキシアルキレン誘導体等の
界面活性剤を有する浴の場合には極微量のCが不純物と
してめっき層に共析する場合もあるが高々0.1wt%
以下のオーダーであり、本発明で要求される0.5wt
%以上のCを含有するZn−Cr−C3元系合金めっき
を得ることはできない。本願発明者らが検討した結果、
ハイドロキノンの添加により0.5wt%以上のCを含
有したZn−Cr−C3元系合金めっきを得られること
を見い出した。ハイドロキノンの添加量は1〜5g/L
程度で十分である。上層Fe−Pめっき法は常法で行え
ば良い。
述べる。従来Zn−Cr2元系合金めっきを行うための
めっき浴として提案されているのは、浴中の主成分とし
てZn2+、Cr3+を有し、さらに電導助剤としてアルカ
リ金属の硫酸塩やハロゲン化物およびアンモニウム塩等
を含有するものであり、さらにほう酸や蟻酸塩およびア
ミノ酸等を含んだり、ポリオキシアルキレン誘導体を含
む場合もある。確かにポリオキシアルキレン誘導体等の
界面活性剤を有する浴の場合には極微量のCが不純物と
してめっき層に共析する場合もあるが高々0.1wt%
以下のオーダーであり、本発明で要求される0.5wt
%以上のCを含有するZn−Cr−C3元系合金めっき
を得ることはできない。本願発明者らが検討した結果、
ハイドロキノンの添加により0.5wt%以上のCを含
有したZn−Cr−C3元系合金めっきを得られること
を見い出した。ハイドロキノンの添加量は1〜5g/L
程度で十分である。上層Fe−Pめっき法は常法で行え
ば良い。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとずき具体的に説
明する。
明する。
【0016】(実施例)表1に本願発明の発明例および
比較例に用いた下層めっきのめっき浴および電解条件を
示す。表2には上層Fe−Pめっき条件を示す。表3に
は本願発明の発明例および比較例についてその品質を比
較したものである。耐パウダリング性、耐食性、電着塗
装性について比較を行った。
比較例に用いた下層めっきのめっき浴および電解条件を
示す。表2には上層Fe−Pめっき条件を示す。表3に
は本願発明の発明例および比較例についてその品質を比
較したものである。耐パウダリング性、耐食性、電着塗
装性について比較を行った。
【0017】耐食性およびめっき密着性を評価するに際
して、常法にて製造されたZn付着量30(g/m2)の
純Znめっき鋼板(以後EGと称す)、常法にて製造
された付着量30(g/m2)でNi含有率12(wt%)
のZn−Ni合金めっき鋼板(以後Zn−Niと称
す)、常法にて製造された付着量60(g/m2)の合金
化溶融亜鉛めっき鋼板(以後GAと称す)、および常
法にて製造されたZn−Ni上に膜厚約1μmのシリカ
含有ウレタン変性エポキシ樹脂皮膜を有する有機複合被
覆鋼板、以上の〜を比較材として用いた。
して、常法にて製造されたZn付着量30(g/m2)の
純Znめっき鋼板(以後EGと称す)、常法にて製造
された付着量30(g/m2)でNi含有率12(wt%)
のZn−Ni合金めっき鋼板(以後Zn−Niと称
す)、常法にて製造された付着量60(g/m2)の合金
化溶融亜鉛めっき鋼板(以後GAと称す)、および常
法にて製造されたZn−Ni上に膜厚約1μmのシリカ
含有ウレタン変性エポキシ樹脂皮膜を有する有機複合被
覆鋼板、以上の〜を比較材として用いた。
【0018】<耐食性評価法>塩水噴霧試験(JIS
Z2371に準拠)にて、5%赤錆発生するまでの日数
で耐食性を評価した。 <耐パウダリング性試験> 手順 試料表面に30mm幅のテープを張り付け ↓ テープ面を内側にして180°折り曲げ ↓ 再度曲げ戻し ↓ テープ剥離 ↓ 蛍光X線装置にて、剥離したテープに付着したZnのカウントを測定 判定基準 のカウント数(パウダリング指数)をめっき密着性の
指標とし、下記の基準で優劣を決定した。 蛍光X線測定条件 PSI社製ポータブル蛍光X線分析装置を用いて、試料
面積30mmφ、タングステンターゲット、管電流:4
mA、測定時間:10秒×2回(平均)にてZnのKα
線のカウント数を測定した。
Z2371に準拠)にて、5%赤錆発生するまでの日数
で耐食性を評価した。 <耐パウダリング性試験> 手順 試料表面に30mm幅のテープを張り付け ↓ テープ面を内側にして180°折り曲げ ↓ 再度曲げ戻し ↓ テープ剥離 ↓ 蛍光X線装置にて、剥離したテープに付着したZnのカウントを測定 判定基準 のカウント数(パウダリング指数)をめっき密着性の
指標とし、下記の基準で優劣を決定した。 蛍光X線測定条件 PSI社製ポータブル蛍光X線分析装置を用いて、試料
面積30mmφ、タングステンターゲット、管電流:4
mA、測定時間:10秒×2回(平均)にてZnのKα
線のカウント数を測定した。
【0019】 <電着塗装性試験> 手順 常法に従い燐酸亜鉛化成処理を行い ↓ 日本ペイント社製パワートップU−600の仕様に従って電着電圧 250Vで電着塗装を行い発生したクレーター数を目視で数えて、 以下の基準で優劣を決定した。 判定基準
【0020】<めっき付着量測定法> Zn,Cr,Ni:25%硝酸にてめっき層を溶解した
後に、原子吸光分析法にて定量分析した。 C:酸素気流中で1350℃にて燃焼させ、発生するC
O及びCO2 の赤外吸収スペクトルより分析した。
後に、原子吸光分析法にて定量分析した。 C:酸素気流中で1350℃にて燃焼させ、発生するC
O及びCO2 の赤外吸収スペクトルより分析した。
【0021】表3の発明例1〜発明例4はいずれも本願
発明の請求範囲の下層Zn−Cr−Cめっき層および上
層Fe−Pめっき層を有するものであり、耐パウダリン
グ性、耐食性、電着塗装性共に優れるものである。一
方、比較例1および比較例2は下層Zn−Cr−Cめっ
き層はそれぞれ発明例1および発明例3と全く同じであ
り、耐パウダリング性と耐食性は優れるが、上層Fe−
Pめっきがないために電着塗装性が著しく劣化した例で
ある。比較例3および比較例4はZn−Cr−Cめっき
層中のC含有率が低いために耐パウダリング性が著しく
劣ると共に上層Fe−Pめっきがないために電着塗装性
も悪い例である。EGおよびZn−Niは耐パウダリン
グ性と電着塗装性は優れているが、耐食性に難がある。
GAは耐パウダリング性や電着塗装性等に難がある。有
機複合被覆鋼板は耐パウダリング性、耐食性、電着塗装
性共に優れるがすでに述べたように経済性の問題があ
り、本願発明はこれらの問題をすべて解決するものであ
る。
発明の請求範囲の下層Zn−Cr−Cめっき層および上
層Fe−Pめっき層を有するものであり、耐パウダリン
グ性、耐食性、電着塗装性共に優れるものである。一
方、比較例1および比較例2は下層Zn−Cr−Cめっ
き層はそれぞれ発明例1および発明例3と全く同じであ
り、耐パウダリング性と耐食性は優れるが、上層Fe−
Pめっきがないために電着塗装性が著しく劣化した例で
ある。比較例3および比較例4はZn−Cr−Cめっき
層中のC含有率が低いために耐パウダリング性が著しく
劣ると共に上層Fe−Pめっきがないために電着塗装性
も悪い例である。EGおよびZn−Niは耐パウダリン
グ性と電着塗装性は優れているが、耐食性に難がある。
GAは耐パウダリング性や電着塗装性等に難がある。有
機複合被覆鋼板は耐パウダリング性、耐食性、電着塗装
性共に優れるがすでに述べたように経済性の問題があ
り、本願発明はこれらの問題をすべて解決するものであ
る。
【0022】
【0023】
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の防錆鋼板は、下層のZn−Cr
−C合金めっき層に加えて、少なくとも一方の面にFe
−P合金層を形成しているために、耐食性、めっき密着
性は当然のことの上、電着塗装性にも優れている。
−C合金めっき層に加えて、少なくとも一方の面にFe
−P合金層を形成しているために、耐食性、めっき密着
性は当然のことの上、電着塗装性にも優れている。
【図1】クレーター密度と合金中Cr含有率との関係を
示す図である。
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 和 広 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 森 戸 延 行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内
Claims (1)
- 【請求項1】鋼板両面にZn−Cr−Cの3元系合金め
っき層を有し、その合金層の組成はC=0.5〜5wt
%、Cr=0.5〜40wt%、残部Znからなり、そ
の合金層の付着量は合金中に含まれるZn量として5〜
40g/m2であり、さらに少なくとも片面側は、その上層
に0.01〜1.0wt%のPを含有し付着量1〜6g/
m2のFe−P2元系合金めっき層を有することを特徴と
する耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた防
錆鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9633092A JPH05287581A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた防錆鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9633092A JPH05287581A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた防錆鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287581A true JPH05287581A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14162006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9633092A Withdrawn JPH05287581A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 耐食性、めっき密着性および電着塗装性に優れた防錆鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287581A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115135811A (zh) * | 2020-03-03 | 2022-09-30 | 日本制铁株式会社 | 镀Ni钢板及其制造方法 |
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1992
- 1992-04-16 JP JP9633092A patent/JPH05287581A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115135811A (zh) * | 2020-03-03 | 2022-09-30 | 日本制铁株式会社 | 镀Ni钢板及其制造方法 |
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