JPH05287066A - 変性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

変性ポリエステルの製造方法

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JPH05287066A
JPH05287066A JP9298492A JP9298492A JPH05287066A JP H05287066 A JPH05287066 A JP H05287066A JP 9298492 A JP9298492 A JP 9298492A JP 9298492 A JP9298492 A JP 9298492A JP H05287066 A JPH05287066 A JP H05287066A
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JP
Japan
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melt
polyester
polyesters
oxazolone
modified polyester
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JP9298492A
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English (en)
Inventor
Shinichi Okuya
真一 奥谷
Hiroaki Tatsumi
弘明 巽
Takehiko Mitsuyoshi
威彦 三吉
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】異なる2種以上のポリエステルを溶融混合する
ことにより変性ポリエステルを製造する際、下記の式で
示されるオキサゾロン化合物を添加することを特徴とす
る変性ポリエステルの製造方法。 【化1】 【効果】本発明の方法により得られる変性ポリエステル
は、高融点でかつ成形加工時に高温下で長時間滞留して
も熱的特性の変わらない安定なものであり、繊維、フィ
ルム、樹脂その他の分野で幅広く使用することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異なる2種以上のポリ
エステルを溶融混合することにより変性ポリエステルを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルに高度な機能を付与する方
法のひとつとして、ポリエステルに該ポリエステル構成
成分以外の成分(以下、変性成分と呼ぶ。)を共重合す
る方法がある。この方法は、通常、ポリエステルの重縮
合反応が完結する以前の段階で、エステル形成性官能基
を有する変性成分を反応系へ添加することによって行な
われている。この方法では分子鎖中に変性成分がランダ
ムに共重合されるため、共重合率を高めると得られるポ
リエステルの融点が大幅に低下してしまうという欠点が
ある。
【0003】そのため、ポリエステルと、変性成分を構
成成分の少なくとも一部として含むポリエステル(ホモ
ポリエステルまたはコポリエステル)を溶融混合するこ
とにより、高融点である変性ポリエステルを得ることが
提案されている。例えば、ポリエチレンテレフタレート
と脂肪族ポリエステルを溶融混合して柔軟性や染色性を
改善する方法(特公昭45−21596号公報、特開昭
54−127963号公報)、ポリエチレンテレフタレ
ートと、スルホネート化合物を共重合したポリエステル
を溶融混合して親水性や染色性を改善する方法(特開昭
50−123925号公報、特開昭53−86833号
公報)などがある。しかしながら、これらの方法でも異
なる2種以上のポリエステルを溶融混合すると、ポリエ
ステル分子鎖間及び分子鎖内でエステル交換反応が進行
する。従って、異なる2種以上のポリエステルを溶融混
合している間に変性ポリエステルの熱特性が変化しやす
いため、同一の熱特性を有する変性ポリエステルを製造
できる条件の範囲が極めて狭いものとなり、工業的製造
が困難であるという問題がある。
【0004】このような問題を解消するためには、異な
る2種以上のポリエステルを溶融混合する際に進行する
エステル交換反応を停止または抑制することが必要とな
る。エステル交換反応を停止または抑制することによ
り、高融点でかつ熱的に安定である変性ポリエステルを
得ることが可能となる。
【0005】この方法として、特公昭46−35500
号公報には、2種以上のポリエステルを溶融混合する際
に有機および無機のリン化合物を添加することが提案さ
れている。しかしながら、このようなリン化合物はエス
テル交換反応抑制効果が小さいだけでなく、該リン化合
物を添加すると、得られる変性ポリエステルの耐加水分
解性が低下してしまうという問題があった。また特開昭
52−29892号公報には2種以上のポリエステルを
溶融混合する際にカルボン酸エステル、炭酸エステルま
たはカーボネート化合物を添加することが提案されてい
る。しかしながら、これらの化合物はエステル交換反応
抑制効果が小さいだけでなく、該化合物を添加すると、
有毒なフェノール等が副生したり、ポリマが黄色に着色
してしまうという問題があった。このような副生成物が
なくエステル交換反応を停止または抑制する作用を有す
るものとして、特開昭51−111895号公報には2
種以上のポリエステルを溶融混合する際にラクタム化合
物を添加することが提案されている。しかしながらラク
タム化合物はエステル交換反応抑制効果が小さいだけで
なく、ラクタム化合物を添加することにより、ポリマが
褐色に着色しやすいといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリマ
の着色が少なく、ポリマの耐加水分解性を低下すること
もなく、かつ異なる2種以上のポリエステルを溶融混合
する際に進行するエステル交換反応を効果的に停止また
は抑制できる方法について鋭意検討した結果、本発明を
完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の課題
は、異なる2種以上のポリエステルを溶融混合すること
により変性ポリエステルを製造する際、下記の式で示さ
れるオキサゾロン化合物を添加することを特徴とする変
性ポリエステルの製造方法によって達成できる。
【化2】 本発明の方法における特徴は、異なる2種以上のポリエ
ステルを用いる点にある。異なるポリエステルとは、ポ
リエステル自体が異なるものであり、ポリエステルの構
成成分の種類や含有率、またはポリエステルの平均分子
量等が異なることを意味する。
【0008】まず、ベースポリマとなる第1のポリエス
テルとしては、用いるポリエステルの種類は問わない
が、得られる変性ポリエステルが高融点かつ高結晶性を
保持した上で染色性、柔軟性などの優れた機能を発現で
きる点から、芳香族ホモポリエステルを用いることが好
ましく、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートから
選ばれる芳香族ホモポリエステルを用いることが特に好
ましい。
【0009】次いで、本発明においては、第2以降のポ
リエステルとして、次の(1)または(2)のものが採
用できる。
【0010】(1)第1で使用するポリエステルとは、
構成成分の少なくとも一つが異なるホモポリエステルで
ある。例えば、第1のポリエステルとして、ポリエチレ
ンテレフタレートを用いる場合、ポリエチレンイソフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンアジ
ペート、ポリテトラメチレンテレフタレート等が挙げら
れる。
【0011】(2)第1のベ−スポリマに変性成分を共
重合したコポリエステルである。例えば、第1のベ−ス
ポリマとして、ポリエチレンテレフタレートを用いる場
合、変性成分として、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等のジカルボン酸成分や1,3−プロピレング
リコール、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAまたはその
エチレンオキサイド付加物等のジオール成分を1種以上
共重合したポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
なお、上記したコポリエステルにおける変性成分の共重
合率は特に制限されないが、得られる変性ポリエステル
が高融点かつ高結晶性を保持した上で染色性、柔軟性な
どの優れた機能を発現できる点から、コポリエステルを
構成する全酸成分に対して好ましくは10モル%以上1
00モル%未満、さらに好ましくは20モル%以上10
0モル%未満である。
【0012】本発明における異なる2種以上のポリエス
テルの混合割合は、任意であるが、得られる変性ポリエ
ステルが高融点かつ高結晶性を保持していることから、
芳香族ホモポリエステルを、得られる変性ポリエステル
に対して50重量%以上用いることが好ましい。
【0013】本発明においては、上記した異なる2種以
上のポリエステルを溶融混合する。溶融混合する方法と
しては、異なる2種以上のポリエステルをロールミキサ
ー等の開放型回分式混練装置、バンバリーミキサーやニ
−ダー等の密閉型回分式混練装置、1軸、2軸及び多軸
のスクリュ型連続式混練装置、1軸及び2軸のディスク
型連続式混練装置、1軸及び2軸のロータ型連続式混練
装置、または静止混練器等の溶融混練機を用いて溶融混
合するなどの公知の方法を採用することができる。異な
る2種以上のポリエステルは、チップなどの固体状態で
予め混合した後、あるいは混合しないで上記した溶融混
練機に供給して溶融混合しても良く、予め別々に溶融し
た状態で上記した溶融混練機に供給して溶融混合しても
良い。
【0014】本発明において異なる2種以上のポリエス
テルを溶融混合する温度は、溶融混合に用いるポリエス
テルの種類などによって異なるが、一般にはポリエステ
ルの融点以上、分解温度未満の温度で行なう。また、本
発明において異なる2種以上のポリエステルを溶融混合
する時間は、溶融混合に用いるポリエステルの耐熱性な
どによって異なるが、一般には0.1〜120分であ
る。さらに、本発明における異なる2種以上のポリエス
テルを溶融混合する雰囲気は、加圧、常圧、減圧のいず
れでもよく、一般には減圧または不活性気体雰囲気下で
行なう。
【0015】本発明においては、上記した異なる2種以
上のポリエステルを溶融混合する際に、下記の式で示さ
れるオキサゾロン化合物を添加する必要がある。
【化3】 上記した一般式において、置換基R1 、R2 、R3 の例
として、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、メ
チレン基、エチレン基等のアルキレン基、シクロヘキシ
ル基等の脂環式炭化水素基、フェニル基、ベンジル基等
の芳香族炭化水素基等が挙げられる。また炭化水素基中
の炭素数は1〜30が好ましい。炭素数が30を越える
と分子量が大きくなり、ポリエステルとの反応性が低下
し、エステル交換反応抑制効果が小さくなる傾向があ
る。
【0016】本発明において用いるオキサゾロン化合物
の具体例としては、2,4−ジメチル−5−オキサゾロ
ン、2,4,4−トリメチル−5−オキサゾロン、4−
イソブチル−2−メチル−5−オキサゾロン、2,4−
ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾロン、4−ベン
ジル−2−メチル−5−オキサゾロン、2−フェニル−
5−オキサゾロン、4−メチル−2−フェニル−5−オ
キサゾロン、4,4−ジメチル−2−フェニル−5−オ
キサゾロン、4−ベンジル−2−フェニル−5−オキサ
ゾロンなどが挙げられる。これらのオキサゾロン化合物
は2種以上を併用しても良い。上記したオキサゾロン化
合物のなかで、比較的沸点が高いことから、4−イソブ
チル−2−メチル−5−オキサゾロンや4−ベンジル−
2−メチル−5−オキサゾロンが特に好ましい。
【0017】上記したオキサゾロン化合物の添加量は、
特に制限されないが、エステル交換反応を効果的に抑制
できることから、混合する2種以上のポリエステルの合
計重量に対して好ましくは0.01〜10重量%、特に
好ましくは0.05〜5重量%である。0.01重量%
未満ではエステル交換反応が抑制され難い傾向があり、
10重量%を越えるとエステル交換反応に対する抑制効
果が頭打ちとなり、経済的でなくなるのみならず、ポリ
マ中に過度のオキサゾロン化合物が残存することによ
り、ポリマの耐加水分解性が低下しやすい傾向がある。
【0018】本発明において用いるオキサゾロン化合物
の添加時期は、特に制限されない。溶融混合に供するポ
リエステルの1種以上に予めオキサゾロン化合物を添加
しておいても良く、異なる2種以上のポリエステルの溶
融混合開始と同時に、あるいは溶融混合開始から溶融混
合終了までの間にオキサゾロン化合物を添加してもよ
い。なお異なる2種以上のポリエステルのエステル交換
反応を効果的に抑制できることから、予めオキサゾロン
化合物を添加したポリエステルを溶融混合することが好
ましい。本発明においてオキサゾロン化合物の添加は、
1度にまたは2度以上に分割して行なっても良く、ま
た、適当な媒体にオキサゾロン化合物を予め分散または
溶解して添加しても良い。
【0019】本発明の方法により得られる変性ポリエス
テルには、上記したオキサゾロン化合物の添加と同時ま
たは異なる段階で、艶消し剤、酸化防止剤、光安定剤、
紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌
剤、消臭剤、強化材、顔料、他の高分子化合物などを含
有せしめていても良い。
【0020】本発明の方法において、オキサゾロン化合
物を添加することにより、異なる2種以上のポリエステ
ルを溶融混合した際に進行するエステル交換反応を抑制
できる理由は明確ではないが、オキサゾロン化合物は、
ポリエステルのエステル交換反応を促進する末端ヒドロ
キシル基と容易に反応するため、ポリエステルの溶融混
合時に進行するエステル交換反応を抑制するものと考え
られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の物性は次のようにして測定
した。 A.極限粘度(η) オルトクロロフェノール溶液として、25℃で測定し
た。 B.融点(Tm) 示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC4型)
を用いて、試料10mg、昇温速度20℃/分で測定し
た。なお融解ピークが2つ以上ある場合は高温側のピー
ク温度を融点とした。 C.色調(b値) カラーコンピューター(スガ試験機社製SM−3型)を
用いて測定した。b値が高いほど黄色〜褐色を帯びる。 D.耐加水分解性(Δη) ペレット(3mm角)を加圧ポット下で130℃、24
時間熱水処理し、極限粘度の変化Δηを調べることによ
り求めた。Δηが小さいほど耐加水分解性が優れる。
【0022】参考例1(ポリエチレンテレフタレートの
合成) テレフタル酸ジメチル5000重量部、エチレングリコ
ール3200重量部に、酢酸マンガン4水和物2重量
部、三酸化アンチモン2重量部を加え、常圧下で140
から240℃まで昇温し、メタノールを留去しながらエ
ステル交換反応を行なった。エステル交換反応終了後、
リン酸トリメチル2.5重量部を添加し、さらに、徐々
に真空度及び温度を上げて、285℃、0.5mmHg
で4時間重縮合反応を行ない、η=0.65、Tm=2
55℃、b値=1.5、Δη=0.31のポリエチレン
テレフタレートを得た。
【0023】参考例2(ポリエチレンイソフタレートの
合成) イソフタル酸ジメチル5000重量部、エチレングリコ
ール3200重量部を用いて、参考例1と同様の操作を
行ない、η=0.64、Tm=247℃、b値=1.
4、Δη=0.30のポリエチレンイソフタレートを得
た。
【0024】参考例3(ポリエチレンアジペートの合
成) アジピン酸ジメチル5000重量部、エチレングリコー
ル3600重量部を用いて、参考例1と同様の操作を行
ない、η=0.66、Tm=55℃のポリエチレンアジ
ペートを得た。
【0025】参考例4(エチレンテレフタレート−エチ
レンイソフタレート共重合体の合成) テレフタル酸ジ
メチル2000重量部、イソフタル酸ジメチル3000
重量部、エチレングリコール3200重量部を用いて、
参考例1と同様の操作を行ない、.η=0.65のエチ
レンテレフタレート−エチレンイソフタレート共重合体
を得た。
【0026】実施例1 参考例1で合成したポリエチレンテレフタレート200
0重量部を十分乾燥したのち、4−イソブチル−2−メ
チル−5−オキサゾロン20重量部とともに、2軸エク
ストルーダー(東芝機械株式会社製TEM−35B)に
供給し、280℃、滞留時間2分の溶融混練を行ない、
η=0.65、Tm=255℃、b値=2.5、Δη=
0.31のポリエステルAを得た。また、同様にして、
参考例2で合成したポリエチレンイソフタレート200
0重量部と4−イソブチル−2−メチル−5−オキサゾ
ロン20重量部を溶融混練し、η=0.64、Tm=2
47℃、b値=2.4、Δη=0.30のポリエステル
Bを得た。
【0027】ポリエステルA85重量部とポリエステル
B15重量部(オキサゾロン化合物添加量:オキサゾロ
ン化合物添加前のポリエステルの合計重量に対して1重
量%)を十分に乾燥した後、2軸エクストルーダーに供
給し、280℃、滞留時間2分の溶融混合を行ない、η
=0.65、Tm=254℃、b値=2.5、Δη=
0.31の変性ポリエステルを得た。この変性ポリエス
テルをさらに280℃で30分間および60分間溶融保
持したときのTmはそれぞれ254℃、253℃であ
り、ほとんど低下しなかった。
【0028】比較例1 参考例1で合成したポリエチレンテレフタレート85重
量部と参考例2で合成したポリエチレンイソフタレート
15重量部を十分に乾燥した後、2軸エクストルーダー
に供給し、280℃、滞留時間2分の溶融混合を行なっ
た。得られた変性ポリエステル物性は、η=0.65、
Tm=252℃、b値=1.5、Δη=0.31であっ
た。この変性ポリエステルをさらに280℃で30分間
および60分間溶融保持したときのTmはそれぞれ23
3℃、220℃まで低下した。
【0029】実施例2〜6 ポリエステルAとポリエステルBの混合比を変更したこ
と以外は、実施例1と同様に操作を行なった。得られた
変性ポリエステルη、Tm、b値、Δη、さらにこれら
の変性ポリエステルを280℃で30分間および60分
間溶融保持したときのTmを表1に示した。いずれの変
性ポリエステルも溶融保持による融点低下はほとんどな
かった。
【0030】
【表1】 実施例7〜13 オキサゾロン化合物の種類および添加量を変更したこと
以外は、実施例1と同様に操作を行なった。得られた変
性ポリエステルのη、Tm、b値、Δη、さらにこれら
の変性ポリエステルを280℃で30分間および60分
間溶融保持したときのTmを表2に示した。いずれの変
性ポリエステルも溶融保持による融点低下はほとんどな
かった。
【0031】
【表2】 比較例2 オキサゾロン化合物の代わりにトリフェニルフォスファ
イトを用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行なっ
た。得られた変性ポリエステルのη、Tm、b値、Δ
η、さらにこれらの変性ポリエステルを280℃で30
分間および60分間溶融保持したときのTmを表2に示
した。得られた変性ポリエステルのΔηは0.44であ
り、耐加水分解性がかなり低かった。
【0032】比較例3 オキサゾロン化合物の代わりにジフェニルテレフタレー
トを用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行なっ
た。得られた変性ポリエステルのη、Tm、b値、Δ
η、さらにこれらの変性ポリエステルを280℃で30
分間および60分間溶融保持したときのTmを表2に示
した。得られた変性ポリエステルのb値は7.0であ
り、黄色に着色していた。
【0033】比較例4 オキサゾロン化合物の代わりにN,N´−ビステレフタ
ロイルカプロラクタムを用いたこと以外は実施例1と同
様に操作を行なった。得られた変性ポリエステルのη、
Tm、b値、Δη、さらにこれらの変性ポリエステルを
280℃で30分間および60分間溶融保持したときの
Tmを表2に示した。得られた変性ポリエステルのb値
は14.2であり、褐色に着色していた。
【0034】実施例14〜17 ポリエステルAとポリエステルBの溶融混合時間を変更
したこと以外は、実施例1と同様に操作を行なった。得
られた変性ポリエステルのη、Tm、b値、Δη、さら
にこれらの変性ポリエステルを280℃で30分間およ
び60分間溶融保持したときのTmを表3に示した。い
ずれの変性ポリエステルも溶融保持による融点低下はほ
とんどなかった。
【0035】
【表3】 実施例18 実施例1で調製したポリエステルA85重量部と参考例
2で合成したポリエチレンイソフタレート15重量部を
十分に乾燥した後、2軸エクストルーダーに供給し、2
80℃、滞留時間2分の溶融混合を行なった。得られた
変性ポリエステルの物性は、η=0.65、Tm=25
4℃、b値=2.5、Δη=0.31であった。この変
性ポリエステルをさらに280℃で30分間および60
分間溶融保持したときのTmはそれぞれ253℃、25
2℃であり、ほとんど低下しなかった。
【0036】実施例19 参考例1で合成したポリエチレンテレフタレート85重
量部と参考例2で合成したポリエチレンイソフタレート
15重量部を十分に乾燥した後、4−イソブチル−2−
メチル−5−オキサゾロン1重量部(混合するポリエス
テルの合計重量に対して1重量%)とともに2軸エクス
トルーダーに供給し、280℃、滞留時間2分の溶融混
合を行なった。得られた変性ポリエステルの物性は、η
=0.65、Tm=253℃、b値=2.5、Δη=
0.31であった。この変性ポリエステルをさらに28
0℃で30分間および60分間溶融保持したときのTm
はそれぞれ252℃、252℃であり、ほとんど低下し
なかった。
【0037】実施例20 参考例3で合成したポリエチレンアジペート2000重
量部を十分乾燥したのち、4−イソブチル−2−メチル
−5−オキサゾロン20重量部とともに、2軸エクスト
ルーダーに供給し、280℃、滞留時間2分の溶融混練
を行ない、ポリエステルCを得た。ポリエステルA85
重量部とポリエステルC15重量部(オキサゾロン化合
物添加量:オキサゾロン化合物添加前のポリエステルの
合計重量に対して1重量%)を十分に乾燥した後、2軸
エクストルーダーに供給し、280℃、滞留時間2分の
溶融混合を行ない、η=0.65、Tm=254℃、b
値=2.5、Δη=0.31の変性ポリエステルを得
た。この変性ポリエステルをさらに280℃で30分間
および60分間溶融保持したときのTmはそれぞれ25
3℃、252℃であり、ほとんど低下しなかった。
【0038】比較例5 参考例1で合成したポリエチレンテレフタレート85重
量部と参考例3で合成したポリエチレンアジペート15
重量部を十分に乾燥した後、2軸エクストルーダーに供
給し、280℃、滞留時間2分の溶融混合を行ない、η
=0.65、Tm=252℃、b値=1.5、Δη=
0.31の変性ポリエステルを得た。この変性ポリエス
テルをさらに280℃で30分間および60分間溶融保
持したときのTmはそれぞれ230℃、218℃まで低
下した。
【0039】実施例21 参考例4で合成したエチレンテレフタレート−エチレン
イソフタレート共重合体2000重量部を十分乾燥した
のち、4−イソブチル−2−メチル−5−オキサゾロン
20重量部とともに、2軸エクストルーダーに供給し、
280℃、滞留時間2分の溶融混練を行ない、ポリエス
テルDを得た。参考例1で合成したポリエステルA85
重量部とポリエステルD15重量部を用いて実施例1と
同様の操作を行ない、η=0.65、Tm=253℃、
b値=2.5、Δη=0.31の変性ポリエステルを得
た。この変性ポリエステルをさらに280℃で30分間
および60分間溶融保持したときのTmはそれぞれ25
3℃、252℃であり、ほとんど低下しなかった。
【0040】比較例6 参考例1で合成したポリエチレンテレフタレート85重
量部と参考例4で合成したエチレンテレフタレート−エ
チレンイソフタレート共重合体15重量部を十分に乾燥
した後、2軸エクストルーダーに供給し、280℃、滞
留時間2分の溶融混合を行ない、η=0.65、Tm=
251℃、b値=1.5、Δη=0.31の変性ポリエ
ステルを得た。この変性ポリエステルをさらに280℃
で30分間および60分間溶融保持したときのTmはそ
れぞれ244℃、236℃まで低下した。
【0041】実施例22 参考例1で合成したポリエチレンテレフタレート85重
量部と参考例2で合成したポリエチレンイソフタレート
15重量部を十分に乾燥した後、2軸エクストルーダー
に供給し、280℃、滞留時間2分の溶融混合を行な
い、Tm=252℃のポリエステルを得た。さらにこの
ポリエステルを280℃で5分間溶融保持したところ、
Tmは248℃まで低下した。この、Tm=248℃の
ポリエステル50重量部と4−イソブチル−2−メチル
−5−オキサゾロン0.5重量部を2軸エクストルーダ
ーに供給し、280℃、滞留時間2分の溶融混練を行な
い、η=0.65、Tm=247℃、b値=2.5、Δ
η=0.31の変性ポリエステルを得た。さらに280
℃で30分間または60分間溶融保持したときのTmは
246℃、246℃であり、ほとんど低下しなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法により得られる変性ポリエ
ステルは、高融点でかつ成形加工時に高温下で長時間滞
留しても熱的特性の変わらない安定なものであるので、
繊維、フィルム、樹脂その他の分野で幅広く使用するこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる2種以上のポリエステルを溶融混合
    することにより変性ポリエステルを製造する際、下記の
    式で示されるオキサゾロン化合物を添加することを特徴
    とする変性ポリエステルの製造方法。 【化1】
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