JP3294386B2 - 改質ポリエステルの製造方法 - Google Patents

改質ポリエステルの製造方法

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JP3294386B2
JP3294386B2 JP16670293A JP16670293A JP3294386B2 JP 3294386 B2 JP3294386 B2 JP 3294386B2 JP 16670293 A JP16670293 A JP 16670293A JP 16670293 A JP16670293 A JP 16670293A JP 3294386 B2 JP3294386 B2 JP 3294386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレンテレフタレート
を主たる繰返し単位とするポリエステルの改質方法に関
するものである。さらに詳しくは、色調、強度、成形性
および耐アルカリ分解性において共に優れており、その
上カチオン染料に対して優れた染色性を有する改質ポリ
エステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートに代表されるポリエステルは多くの優れた特性
を有しているため、衣料用繊維、工業用繊維、フィル
ム、樹脂、その他の成形品用の素材として広く利用され
ている。しかし、ポリエステルは染色性が低く、特に分
散染料以外の染料には染色困難である。この染色性を改
良するために種々の提案がなされている。
【0003】その一つとして従来からスルホン酸金属塩
基を含有するイソフタル酸成分、例えば5−ナトリウム
スルホイソフタル酸成分をポリエステルに共重合するこ
とによりカチオン染料で染色可能にする方法が知られて
いる(特公昭34−10497号公報参照)。
【0004】一方、ポリエステル繊維よりなる織編物に
絹様のソフトで良好な風合いを与えるために、アルカリ
減量処理する方法が知られており、この場合20重量%
前後の減量がなされる。しかし、このアルカリ減量処理
する方法によって、良好な風合いと共に異色染め効果や
霜降り効果を狙ってレギュラーポリエステル繊維と上記
の如きカチオン染料可染型のポリエステル繊維とを交織
や交編した織編物に、20重量%程度のアルカリ減量加
工を行うと、カチオン染料可染型のポリエステル繊維が
ほとんどが一方的に分解されてしまうという欠点があっ
た。すなわち上記カチオン染料可染型のポリエステル繊
維はアルカリ処理系の強度低下が著しく大きいため、ア
ルカリ減量加工の適用が困難であった。
【0005】そこでm−金属スルホ安息香酸化合物のご
とき1個のエステル形成性官能基を有するスルホン酸塩
を使用することによって、最終的に得られるポリエステ
ル繊維が優れたカチオン染料可染性を呈すると共に、ア
ルカリ減量速度が格段に小さくなり、かつアルカリ減量
による糸強度の低下も著しく小さくなるということが提
案されている(特開平2−19228号公報参照)。し
かし、m−金属スルホン安息香酸化合物のごとき1個の
エステル形成性官能基を有するスルホン酸塩(以下”単
官能性のスルホン酸塩”という)をポリエステルに添
加、重合すると、ポリエステル分子鎖の末端を封鎖する
ため、重合速度が低下し、高重合度のポリエステルが得
られないという欠点があった。そのため高強力を必要と
される、例えばスポーツウェア分野等への用途拡大は困
難であった。
【0006】一方ポリエステルの製造は通常溶融重合法
によるが、この重合は高温縮合反応であることから副反
応(例えば熱分解反応等)が起り易く、高重合体を製造
するには長時間を要し、またある程度の重合度になると
逆に重合度が低下する等の問題がある。そのため、でき
るだけ高重合度のポリエステルを製造する方法がいろい
ろ検討されかつ提案されている。例えば特開昭55−1
45733号公報及び特開昭55−145734号公報
には、高カルボキシル基末端濃度のポリエステルとイミ
ノエーテル化合物とを、溶融下反応せしめることにより
高重合度のポリエステルを製造する方法が記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、単
官能性のスルホネート基を有する化合物を使用してカチ
オン染料に染色可能なポリエステルを製造する方法にお
いて、前記イミノエーテル化合物を用いてより高分子量
のポリエステルを得ることができ、かつ色調も良好で耐
アルカリ分解性の優れたポリエステルを得ることができ
る方法について研究を進めた。
【0008】先ず、本発明者らは単官能性のスルホン酸
塩およびイミノエーテル化合物を使用して、通常ポリエ
ステルの重合に一般的に用いられている缶型(タンク
型)反応機中で重合を行った。その結果、色調良好で鮮
明な染色を与えるポリエステルは得られず、その重合度
も充分満足すべき程度には上らなかった。さらに同様の
重合反応をスクリュー型1軸反応機を使用して行った
が、得られた結果は、前記缶型反応機とほぼ同じであっ
て、満足すべき高重合度の改質ポリエステルは得られな
かった。
【0009】一方、本発明者の別の実験によれば、通常
の重合度のプレポリエステルをさらに高重合度のものと
するため溶融縮重合をスクリュー型1軸反応機と2軸反
応機とを用いて両者の比較を行ったところ、得られたポ
リエステルの粘度に実質上の差は認められなかった。
【0010】ところが、単官能性のスルホン酸塩とプレ
ポリエステルとの反応並びに得られた改質プレポリエス
テルとイミノエーテル化合物の反応を一定の条件下で行
ない且つスクリュー型2軸反応機を使用して行なうと、
意外にも色調良好で、カチオン染料に対して鮮明で濃色
に染色でき、しかも耐アルカリ分解性を満足する程度に
充分な高重合度のポリエステルが得られることがわかっ
た。
【課題を解決するための手段】本発明は、前記知見に基
いて到達されたものであり、エチレンテレフタレート単
位を主たる繰返し単位とするポリエステルを製造するに
際し、極限粘度[η]が0.3以下のプレポリエステル
に、下記一般式(I)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Aはエステル形成官能基を示し、
Zは(n+1)価の芳香族炭化水素基または脂肪族炭化
水素基、Yは基−SO3PR1234または基−SO3
Mを示す。ここでR123およびR4は同一もしくは異
なり、アルキル基またはアリール基を示し、Mは金属を
示し、nは1〜5の整数を示す。) で表わされるスルホン酸塩の少なくとも1種を、前記プ
レポリエステル中のエチレンテレフタレート単位1モル
当り、0.1〜10モル%添加し、スクリュー型2軸反
応機を用いて重合せしめ、極限粘度[η]が少なくとも
0.5に到達して後、下記一般式(II)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、mは0又は1を示し、Rは2価の
炭素水素基を示す。ただしmが0のときRは直接結合を
示す。Zは直接結合または基
【0015】
【化6】
【0016】を示し、ここで、Ra、Rb、Rc、R
d、ReおよびRfは同一もしくは異なり、水素原子、
メチル、エチル、プロピル、フェニル、トリル又はベン
ジルを示す。)で表わされるイミノエーテル化合物を、
ポリエステルに対して少なくとも0.05重量%添加
し、さらにスクリュー型2軸反応機中で重合せしめるこ
とを特徴とする改質ポリエステルの製造方法である。
【0017】本発明におけるエチレンテレフタレート単
位を主たる繰返し単位とするポリエステルは、主たる酸
成分がテレフタル酸であり、一方主たるグリコール成分
がエチレングリコールであるポリエステルであって、そ
れ自体よく知られた方法によって製造することができ
る。本発明のポリエステルは、全繰返し単位中、少なく
とも80モル%、好ましくは少なくとも85モル%が下
記エチレンテレフタレート単位
【0018】
【化7】
【0019】であることが好ましい。
【0020】本発明のポリエステルは、前記したように
主たる繰返し単位がエチレンテレフタレート単位である
限り他の成分が含まれていても特に差支えない。例えば
テレフタル酸以外の酸成分として、イソフタル酸、ナフ
タレンカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、β−ヒドロエトキシ安息香
酸、p−オキシ安息香酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸の如き芳香族−または脂環族カルボン酸を使用
することができ、一方エチレングリコール以外のグリコ
ール成分としては、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールSの如き脂環
族−または芳香族のジオール化合物を使用することがで
きる。さらに本発明の目的を損なわない範囲で、トリメ
リット酸、ピロメリット酸の如きポリカルボン酸;グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルの如きポリオールも使用することができる。
【0021】プレポリエステルは任意の方法によって合
成される。例えばポリエチレンテレフタレートについて
説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコール
とを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチ
ルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフ
タル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレ
フタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重
合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生
成物を重合触媒存在下減圧加熱して所望の重合度になる
まで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造され
る。
【0022】これらの反応には、必要に応じて任意の触
媒を使用することができる。なかでも、エステル交換法
を採用するときは、エステル交換触媒としてカルシウム
化合物、マンガン化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化
合物、コバルト化合物などが好ましく、これらは1種ま
たは2種以上併用してもよい。その使用量は、ポリエス
テル原料として使用する二官能性カルボン酸成分に対し
0.01〜0.1モル%が好ましい。
【0023】また、重縮合触媒としては、アンチモン化
合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物が好ましく、
その使用量は二官能性カルボン酸成分に対して0.00
3〜0.1モル%が好ましい。
【0024】本発明は、前記ポリエステルの製造におい
て、そのプレポリエステルに、前記一般式(I)で表わ
される単官能性のスルホン酸塩の少なくとも1種を添加
し、スクリュー型2軸反応機を用いて共重合させ、引き
続いて前記一般式(II)で表わされるイミノエーテル
化合物を添加して改質ポリエステルを製造する。
【0025】本発明において改質剤として使用されるス
ルホン酸塩は下記一般式(I)で表わされる。
【0026】
【化8】
【0027】ここでZは(1+n)価の芳香族炭化水素
基または脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数6
〜15の芳香族炭化水素基または炭素数10以下の脂肪
族炭化水素基である。特に好ましいZは、炭素数6〜1
2の芳香族炭化水素基、とりわけベンゼン環である。
【0028】Aはエステル形成性官能基である。エステ
ル形成官能基としてはポリエステルに対して反応してエ
ステルを形成しうる基であり、一般にはヒドロキシル
基、カルボキシル基またはそれらのエステルである。エ
ステル形成性官能基の具体例としては、下記の基を挙げ
ることができる。
【0029】
【化9】
【0030】(上記式中、R'は低級アルキル基または
フェニル基を示し、aおよびdは1〜10の整数を示
し、bは2〜6の整数を示す。)
【0031】前記一般式(I)のスルホン酸塩は、Aで
示されるエステル形成性官能基を基本的には1個含有し
ている。従って本発明のスルホン酸塩は実質的に単官能
成分としてポリエステル末端基に共重合される。前記式
のスルホン酸塩においてnは1〜5の整数、好ましくは
1〜3の整数であり、特に1が好適である。またYは基
−SO3PR1234で示されるスルホン酸4級ホス
ホニウム塩であるか或いは基−SO3Mで示されるスル
ホン酸金属塩を表わす。
【0032】前記スルホン酸4級ホスホニウム塩におい
てR1、R2、R3およびR4は同一もしくは異なりアルキ
ル基またはアリール基を示し、具体的にはC1〜C4の低
級アルキル基またはフェニル基である。一方前記スルホ
ン酸金属塩においてMはナトリウム、リチウム、カリウ
ム、チタン、カルシウム、亜鉛、マグネシウムまたはマ
ンガンの如き金属を示し、好ましくはナトリウム、リチ
ウムの如きアルカリ金属である。以下これらスルホン酸
塩の具体的化合物を示すが本発明はこれらに限定を受け
るわけではない。
【0033】前記スルホン酸4級ホスホニウム塩の好ま
しい具体例としては、3−カルボキシベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩、3−カルボキシベンゼ
ンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3−カ
ルボキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホ
ニウム塩、3−カルボキシベンゼンスルホン酸フェニル
トリブチルホスホニウム塩、3−カルボキシベンゼンス
ルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3−カルボキ
シベンゼンスルホン酸エチルトリフェニルホスホニウム
塩、3−カルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェ
ニルホスホニウム塩、3−カルボキシベンゼンスルホン
酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、3−カルボメ
トキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸エチルトリ
ブチルホスホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼンス
ルホン酸ベンジルトリブチルホスホウニム塩、3−カル
ボメトキシベンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホス
ホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸テ
トラフェニルホスホニウム塩、3−カルボメトキシベン
ゼンスルホン酸エチルトリフェニルホスホニウム塩、3
−カルボメトキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニ
ルホスホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、3−カルボ
キシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
3−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホス
ホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸テ
トラブチルホスホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼ
ンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3−(β
−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩、3−(β−ヒドロキシエ
トキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニル
ホスホニウム塩、3−(β−ヒドロキシエトキシカルボ
ニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、3−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼ
ンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、4−ヒド
ロキシエトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩等をあげることができる。これらスルホン酸4
級ホスホニウム塩は1種のみを単独で用いても、2種以
上併用してもよい。
【0034】また前記スルホン酸金属塩の好ましい具体
例としては、3−ナトリウムスルホ安息香酸メチル、3
−リチウムスルホ安息香酸メチル、3−ナトリウムスル
ホ安息香酸ヒドロキシエチルエステル、3−リチウムス
ルホ安息香酸ヒドロキシエチルエステル、3−ナトリウ
ムスルホフェノキシヒドロキシエチルエーテル、3−リ
チウムスルホフェノキシヒドロキシエチルエーテル等で
ある。就中、3−ナトリウムスルホ安息香酸ヒドロキシ
エチルエステルがあげられる。これらスルホン酸金属塩
は1種のみを単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0035】本発明の前記一般式(I)で表わされるス
ルホン酸塩は、極限粘度[η]が0.3以下、好ましく
は0.04〜0.2のプレポリエステルに対して添加し、
スクリュー型2軸反応機を使用して重合される。かかる
スルホン酸塩は、プレポリエステルを形成しているジカ
ルボン酸成分に対して0.1〜10モル%、好ましくは
0.3〜6.0モル%の割合使用される。スルホン酸塩の
割合が0.1モル%より少ないと、得られる改質ポリエ
ステル成形品のカチオン染料に対する染料性が不十分に
なり、10モル%より多くなるとカチオン染色性は最早
著しい向上を示さず、かえってポリエステルの物性が低
下し、本発明の目的を達成し難くなる。
【0036】かかる改質ポリエステルを製造するに当た
って、耐熱性を改善するために第4級オニウム塩を添加
するのが好ましい。第4級オニウム塩としては、第4級
アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩等がある。
具体的には、第4級アンモニウム塩としては水酸化テト
ラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウ
ム、臭化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチ
ルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化
テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモ
ニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、塩化テト
ラプロピルアンモニウム、水酸化テトライソプロピルア
ンモニウム、塩化テトライソプロピルアンモニウム、水
酸化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアン
モニウム、水酸化テトラフェニルアンモニウム、塩化テ
トラフェニルアンモニウム等が例示される。
【0037】第4級ホスホニウム塩としては、クロルベ
ンジルホスホニウムクロライド、ステアリルエチルジヒ
ドロキシエチルホスホニウムエトサルフェート、テトラ
ブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニ
ウムドデシルベンゼンスルホネート、テトラブチルホス
ホニウムトシレート、テトラブチルホスホニウムオレエ
ート、テトラブチルホスホニウムホスフェート、テトラ
ブチルホスホニウムホスファイト、エチルトリフェニル
ホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウム
ブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダ
イド、テトラトリフェニルホスホニウムアイオダイド、
ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリブ
チルアリルホスホニウムブロマイド、エチレンビストリ
ス(2−シアノエチル)ホスホニウムブロマイド、トリ
ス−2−シアノエチルアリルホスホニウムクロライド、
テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェ
ート、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムク
ロライド等が例示される。
【0038】上記第4級オニウム塩の使用量は、あまり
に少ないと耐熱性を改善する効果が不十分となり、逆に
あまり多くなると、かえって耐熱性が悪化する。このた
め、第4級オニウム塩の使用量は、前記スルホン酸塩に
対して0.1〜20モル%の範囲が好ましく、なかでも
1.0〜10モル%の範囲が特に好ましい。
【0039】かかる第4級オニウム塩の添加時期は、改
質ポリエステルの成型が完了するまでの任意の段階で良
く、例えば、スルホン酸塩の添加時期と同じ、または前
でも後でも良い。
【0040】本発明方法においては、スクリュー型2軸
反応機中に、前記プレポリエステルを粒状もしくは溶融
状態で供給し、前記一般式(I)で示されるスルホン酸
塩の少なくとも1種の所定量を添加し、必要に応じて第
4級オニウム塩を添加し減圧下加熱反応させることによ
り実施される。
【0041】本発明方法においては、プレポリエステル
に前記スルホン酸塩を添加し、スクリュー型2軸反応機
中で重合を行ない、極限年度[η]が少なくとも0.
5、好ましくは0.55に到達して後、下記一般式(I
I)で表わされるイミノエーテル化合物を添加し、引き
続いてスクリュー型2軸反応機中で重合を行なう。
【0042】
【化10】
【0043】本発明において使用されるイミノエーテル
化合物は、前記式(II)で表わされる。式(II)中
mは0又は1でありmが0のときは直接結合を示す。m
が0である化合物が好ましい。Rは2価の炭化水素基を
示し、その例としては例えば炭素数1〜10のアルキレ
ン基、炭素数6〜12のアリーレン基、炭素数5〜12
のシクロアルキレン基、炭素数8〜20のアラールキレ
ン基があげられる。さらに具体的にはアルキレン基とし
ては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘ
キサメチレン、デカメチレンおよびジメチルメチレン等
が例示できる。アリーレン基としてはフェニレン、ナフ
チレン、ジフェニレンおよび下記基
【0044】
【化11】
【0045】(ここでYは−O−,−S−,−SO2−,−
CH2−,−CH2・CH2−,−C(CH32−等があ
る。)等が例示できる。シクロアルキレンとしてはシク
ロヘキシレンが例示できる。Zは直接結合又は基
【0046】
【化12】
【0047】であり、Zが直接結合である場合にはオキ
サゾリン類を示し、Zが
【0048】
【化13】
【0049】である場合にはオキサジン類を示す。
【0050】また式(II)においてRa,Rb,Rc,
Rd,ReおよびRfは同一もしくは異なり、水素原
子、メチル、エチル、プロピル、フェニル、トリル又は
ベンジルを示す。具体的な式(II)のイミノエーテル
化合物としては下記のものが例示される。2,2'−ビス
(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−2
−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4,4−ジメチル−
2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−エチル−2−
オキサゾリン)、2,2'−ビス(4,4−ジエチル−2
−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−プロピル−2−
オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−ブチル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−ビス(4−ヘキシル−2−オキサ
ゾリン)、2,2'−ビス(4−フェニル−2−オキサゾ
リン)、2,2'−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−ビス(4−ベンジル−2−オキサ
ゾリン)、2,2'−p−フェニレンビス(2−オキサゾ
リン)、2,2'−m−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2'−o−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2'−p−フェニレンビス(4−フェニル−2
−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレンビス(4−
フェニル−2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレ
ンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,
2'−m−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−エチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2'−テトラメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2'−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2'−オクタメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2'−デカメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2'−エチレンビス(4−メチル−2−オキサ
ゾリン)、2,2'−テトラメチレンビス(4,4−メチ
ル−2−オキサゾリン)、2,2'−9,9'−ジフェノキ
シレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−シクロヘキ
シレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ジフェニレ
ンビス(2−オキサゾリン)等のビスオキサゾリン化合
物、2,2'−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オ
キサジン)、2,2'−メチレンビス(5,6−ジヒドロ
−4H−1,3−オキサジン)、2,2'−エチレンビス
(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,
2'−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3
−オキサジン)、2,2'−ブチレンビス(5,6−ジヒ
ドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2'−ヘキサメ
チレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン)、2,2'−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ
−4H−1,3−オキサジン)、2,2'−m−フェニレ
ンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン)、2,2'−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン)、2,2'−p,p'−ジフェニ
レンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン)等のビスオキサジン化合物である。
【0051】これらのイミノエーテル化合物のうち、
2,2'−ビス(2−オキサゾリン)および2,2'−ビス
(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、が特
に好ましい。
【0052】前記イミノエーテル化合物は、極限粘度
[η]が少なくとも0.5のポリエステルに対して少な
くとも0.05重量%、好ましくは少なくとも0.1重量
%用いられる。用いられる量が0.05重量%未満では
重合度向上の効果が非常に小さく、目的とする重合度の
高いポリエステルを得ることができない。また、用いら
れるイミノエーテルの量が多すぎてもそれによって重合
度がさらに上昇するわけでもなく、あまりに多いとポリ
エステルに着色が生じる等の弊害が生じることもある。
よって、本発明において用いられるイミノエーテル化合
物の量の上限は、3重量%、好ましい上限は2.5重量
%である。
【0053】本発明方法は、前記ポリエステルにイミノ
エーテル化合物を添加し、スクリュー型2軸反応機中で
反応を行うことにより高重合度の改質ポリエステルを得
る。その際反応はポリエステルの溶融条件下で実施され
る。反応温度の好ましい範囲は、200℃以上320℃
以下であり、より好ましくは、ポリエステルの融点以上
300℃以下である。
【0054】反応圧力は、10torr以下、好ましく
は1torr以下行われる。反応時間は1〜102分、
特に1〜60分であることが好ましい。2軸反応機のス
クリューの回転数は20〜500rpmが望ましく好ま
しくは50〜300rpmである。2軸の回転方向は同
一方向でも、逆方向でもよいが同一方向の回転が好まし
い。
【0055】反応温度或いは反応時間が前記範囲を越え
るとスルホン酸塩の耐熱性の問題により、重合反応過程
や溶融紡糸過程等で自ら分解したり、ポリマーの分解を
促進して生成ポリエステル成型品を黄褐色に着色させ、
かつ改質ポリエステルの重合度を著しく低下させること
があり、さらにこの着色が染色した際に色調を悪化させ
ることがある。また真空度が10torr以上である
と、スクリュー型2軸反応機の優れた脱気性能が生かさ
れないため、高白度、高強力の改質ポリエステルは望み
難い。また、上記重合反応に際し、種々の添加剤、例え
ば紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、増白剤、滑剤、核
剤、顔料等が添加されていても良いことは云うまでもな
い。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明は、スクリュー型2
軸反応機を用いることにより、色調、強度、成形性、対
アルカリ分解性共に優れ、かつカチオン染料に染色可能
な改質ポリエステルを得ることができるものである。こ
のようにして得られた改質ポリエステルは従来のプロセ
スにより製造したものに比較して、次のような利点を有
する。 (1)本発明の方法で得られる改質ポリエステルからの
繊維は、カチオン染料に可染で、かつ耐アルカリ性に優
れている。従って、織編物の風合いを良好にするための
通常のアルカリ減量処理の適応が可能となる。 (2)アルカリ減量速度がレギュラーのポリエステル繊
維に近似してくるので、本発明の方法で得られるカチオ
ン染料可染型のポリエステル繊維とレギュラーのポリエ
ステル繊維とを交織や交編して織編物にした後、アルカ
リ減量処理を施することによって絹様のソフトで良好な
風合いを持ち、かつ異色染め効果や霜降り効果等の高級
な染色効果を表現できる織編物が得られる。 (3)1個のエステル形成性官能基を有する化合物をポ
リエステルに添加、重合すると、ポリエステル分子鎖の
末端が封鎖され、重合速度が低下し高重合度のポリエス
テルが得られないという欠点があったが、本発明のプロ
セスを使用すると、例えば極限粘度[η]が0.6以上
の高重合度でレギュラーポリエステル繊維と遜色ない強
度のカチオン可染型の耐アルカリ性に優れたポリエステ
ル繊維が得られる。 (4)高白度のカチオン可染型ポリエステルが得られる
ため、カチオン染料で染色すると、格段に優れた鮮明性
を呈するカチオン可染糸となる。そのため、従来のプロ
セスで製造した改質ポリエステルに比べ、より少量の染
料で同程度のカチオン染色性が得られる。
【0057】(5)染色鮮明性が向上するため、スルホ
ン酸4級ホスホニウム塩および/またはスルホン酸金属
塩の共重合量を減らしても、従来のプロセスで製造した
改質ポリエステルと同程度のカチオン染色性が得られ
る。 (6)本発明の改質ポリエステルは、スルホン酸4級ホ
スホニウム塩を含有している場合には難燃性、抗菌性に
優れる。 (7)本発明のプロセスで製造した改質ポリエステル
は、スクリュー型2軸反応機の優れた脱気性能、セルフ
クリーニング性のため、ポリエステル中に含まれる異物
が非常に少なく曵糸性に極めて優れる。 (8)またポリエステルが非常に均質であるため、カチ
オン染料で染色したときの染めむら等も非常に少ない。 本発明の方法で得られた改質ポリエステルは、溶融状態
のまま紡糸機を用いて、直接紡糸する等、適当な成型機
を用いて直接、繊維、フィルム、樹脂等に成型加工する
ことができる。また、適当なポリエステル用可塑剤の併
存下に溶融紡糸あるいは溶融成型すること、公知の溶媒
を用いてゲル紡糸に供することも可能である。
【0058】
【実施例】以下実施例を掲げて本発明方法を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
なお、本発明においてポリエステル(およびプレポリエ
ステル)の極限粘度[η]は、テトラクロルエタンおよ
びフェノールの4:6(重量)の混合溶媒を用いて、3
5℃で測定された粘度から算出された値である。
【0059】実施例1 図1に実施例で用いたスクリュー型2軸反応機を示す。
スクリュー型2軸反応機は相対する2つのスクリュー
が、噛み合いながらあるいは非噛み合いで同方向または
異方向に回転し、ポリマーを反応・混練させ押し出すも
ので、少なくとも1つ以上の真空吸引用のベントを備え
ている。その他、必要に応じて添加剤添加設備、ポリマ
ー添加設備、窒素吹き込み設備等を備える。今回テスト
に使用したスクリュー型2軸反応機は完全噛み合い型、
同方向回転のものである。テレフタル酸ジメチル100
部、エチレングリコール60部、酢酸マンガン0.03
部および整色剤として酢酸コバルト0.009部をエス
テル交換缶に仕込、窒素ガス雰囲気下3時間かけて14
0℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系
外に留去しながらエステル交換反応させた。得られた生
成物に表1記載の量のスルホン酸4級ホスホニウム塩お
よび/またはスルホン酸金属塩の20%加熱エチレング
リコール溶液を添加し、220℃で20分間攪拌した
後、安定剤として正リン酸の56%水溶液0.03部を
添加し、同時に過剰エチレングリコールの昇温追い出し
を開始した。10分後重縮合触媒として三酸化アンチモ
ン0.04部を添加した。内温が240℃に到達した時
点でエチレングリコールの追い出しを終了し、反応生成
物を重合缶に移した。次いで昇温しながら内温が260
℃に到達するまでに常圧反応させた後、1時間かけて7
60mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間
30分かけて内温を280℃まで常温した。1mmHg
以下の減圧下、重合温度280℃でさらに40分間重合
した時点で、重合反応を打ち切り、極限粘度が0.35
のプレポリマーとした。
【0060】このプレポリマーを図1のフローを用いチ
ップ定量フィーダー1より5kg/hで投入口3より供
給、溶融後、ベント口4より脱気し、0.3torrの
減圧下、回転数60rpm、温度290℃、滞留時間1
5分で反応させた。極限粘度が0.55に達したとき定
量フィーダー2より表1記載の量のイミノエーテル化合
物をベント5より添加反応させた。得られたポリマーの
極限粘度は0.65であった。これらのポリマーより常
法にしたがって溶融紡糸、延伸して得た繊維を1.5%
の水酸化ナトリウムにより沸騰温度にて処理し、減量率
20%の布巾を得た。アルカリ減量処理における減量率
20%に到達するまでに要したアルカリ減量処理時間を
表1に示す。このアルカリ処理後の布巾をカチオン染料
CathionCD−FRLH/Cathion Bl
ue CD−FBLH=1/1(保土谷化学(株)製)
を2%owf含む染浴(助剤としてぼう硝3g/l、酢
酸0.3g/lを含む)で120℃で60分間染色し
た。染色布の鮮明性を表1に示す。
【0061】実施例2〜4、比較例1〜2 実施例1のポリマー製造条件において、表1記載のスル
ホン酸4級ホスホニウム塩および/またはスルホン酸金
属塩の添加量、イミノエーテル化合物の添加量を変更し
て表1の通りの結果を得た。
【0062】実施例5 第2図のフローを用いチップ定量フィーダー6より極限
粘度0.30のポリエチレンテレフタレートチップ5k
g/hを投入口9より供給、溶融後、定量フィーダー7
より表1記載の量のスルホン酸4級ホスホニウム塩およ
びスルホン酸金属塩をベント口10より添加、混合し
た。ベント口11より脱気し、0.3torrの減圧
下、回転数60rpm、温度290℃、滞留時間20分
で反応させた。極限粘度が0.55に達したとき定量フ
ィーダー8より表1記載の量のイミノエーテル化合物を
ベント12より添加反応させた。得られたポリマーの極
限粘度、減量率20%に到達するまでのアルカリ減量時
間、染色布の鮮明性を表1に示す。
【0063】比較例3 実施例5のポリマー製造条件において、チップ定量フィ
ーダー6より極限粘度0.50のポリエチレンテレフタ
レートチップ5kg/hを投入口9より供給、溶融後、
定量フィーダー7より表1記載の量のスルホン酸4級ホ
スホニウム塩およびスルホン酸金属塩をベント口10よ
り添加、混合した。ベント口11より脱気し、0.3t
orrの減圧下、回転数60rpm、温度290℃、滞
留時間12分で反応させた。極限粘度が0.55に達し
たとき定量フィーダー8より表1記載の量のイミノエー
テル化合物をベント12より添加反応させた。得られた
ポリマーの極限粘度、減量率20%に到達するまでのア
ルカリ減量時間、染色布の鮮明性を表1に示す。
【0064】比較例4〜6 テレフタル酸ジメチル100部、エレチングリコール6
0部、酢酸マンガン0.03部および整色剤として酢酸
コバルト0.009部をエステル交換缶に仕込、窒素ガ
ス雰囲気下3時間かけて140℃から220℃まで昇温
して生成するメタノールを系外に留去しながらエステル
交換反応させた。得られた生成物に表1記載の量のスル
ホン酸4級ホスホニウム塩およびスルホン酸金属塩の2
0%加熱エチレングリコール溶液を添加し、220℃で
20分間攪拌した後、安定剤として正リン酸の56%水
溶液0.03部を添加し、同時に過剰エチレングリコー
ルの昇温追い出しを開始した。10分後重縮合触媒とし
て三酸化アンチモン0.04部を添加した。内温が24
0℃に到達した時点でエチレングリコールの追い出しを
終了し、反応生成物を重合缶に移した。次いで昇温しな
がら内温が260℃に到達するまでに常圧反応させた
後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減
圧し、同時に1時間30分かけて内温を280℃まで昇
温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度280℃で
さらに2時間重合した時点で、重合反応を打ち切り、表
1記載の量のイミノエーテル化合物を添加反応させた。
得られたポリマーの極限粘度、減量率20%に到達する
までのアルカリ減量時間、染色布の鮮明性を表1に示
す。
【0065】比較例7 実施例1のポリマー製造条件において、スクリュー型2
軸反応機の代わりにベント式1軸押出機を用い、チップ
定量フィーダーより極限粘度0.35のポリエチレンテ
レフタレートチップ5kg/hを供給、溶融後、ベント
口より脱気し、0.3torrの減圧下、回転数60r
pm、温度290℃の条件で滞留時間60分間反応させ
た。極限粘度が0.45に達したとき定量フィーダーよ
り表1記載の量のイミノエーテル化合物をベントより添
加反応させた。得られたポリマーの極限粘度、減量率2
0%に到達するまでのアルカリ減量時間、染色布の鮮明
性を表1に示す。
【0066】比較例8 実施例1のポリマー製造条件において、スクリュー型2
軸反応機の代わりにベント式1軸押出機を用い、チップ
定量フィーダーより極限粘度0.35のポリエチレンテ
レフタレートチップ5kg/hを供給、溶融後、ベント
口より脱気し、0.torrの減圧下、回転数60rp
m、温度290℃の条件で滞留時間80分間反応させ
た。得られたポリマーの極限粘度、減量率20%に到達
するまでのアルカリ減量時間、染色布の鮮明性を表1に
示す。
【0067】比較例9 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール6
0部、表1記載の量のスルホン酸金属塩、酢酸マンガン
0.03部および整色剤として酢酸コバルト0.009部
をエステル交換缶に仕込、窒素ガス雰囲気下3時間かけ
て140℃から220℃まで昇温して生成するメタノー
ルを系外に留去しながらエステル交換反応させた。得ら
れた生成物に表1記載の量のスルホン酸4級ホスホニウ
ム塩の20%加熱エチレングリコール溶液を添加し、2
20℃で20分間攪拌した後、安定剤として正リン酸5
6%水溶液0.03部を添加し、同時に過剰エチレング
リコールの昇温追い出しを開始した。10分後重縮合触
媒として三酸化アンチモン0.04部を添加した。内温
が240℃に到達した時点でエチレングリコールの追い
出しを終了し、反応生成物を重合缶に移した。次いで昇
温しながら内温が260℃に到達するまでに常圧反応さ
せた後、1時間かけて760mmHgから1mmHgま
で減圧し、同時に1時間30分かけて内温を280℃ま
で昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度280
℃でさらに2時間重合した時点で、重合反応を打ち切っ
た。得られたポリマーの極限粘度、減量率20%に到達
するまでのアルカリ減量時間、染色性を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例1〜4において使用した
スクリュー型2軸反応機の横断面図を模式的に示したも
のである。
【図2】図2は本発明の実施例5において使用したスク
リュー型2軸反応機の横断面図を模式的に示したもので
ある。
【符号の説明】
1 チップ定量フィーダー 2 定量フィーダー 3 投入口 4 ベント口 5 ベント口 6 チップ定量フィーダー 7 定量フィーダー 8 定量フィーダー 9 投入口 10 ベント口 11 ベント口 12 ベント口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主たる繰
    返し単位とするポリエステルを製造するに際し、極限粘
    度[η]が0.3以下のプレポリエステルに、下記一般
    式(I) 【化1】 (式中、Aはエステル形成官能基を示し、Zは(n+
    1)価の芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基、Y
    は基−SO3PR1234または基−SO3Mを示す。
    ここでR123およびR4は同一もしくは異なり、アル
    キル基またはアリール基を示し、Mは金属を示し、nは
    1〜5の整数を示す。) で表わされるスルホン酸塩の少なくとも1種を、前記プ
    レポリエステル中のエチレンテレフタレート単位1モル
    当り、0.1〜10モル%添加し、スクリュー型2軸反
    応機を用いて重合せしめ、極限粘度[η]が少なくとも
    0.5に到達して後、下記一般式(II) 【化2】 (式中、mは0又は1を示し、Rは2価の炭素水素基を
    示す。ただしmが0のときRは直接結合を示す。Zは直
    接結合または基 【化3】 を示し、 ここで、Ra、Rb、Rc、Rd、ReおよびRfは同
    一もしくは異なり、水素原子、メチル、エチル、プロピ
    ル、フェニル、トリル又はベンジルを示す。)で表わさ
    れるイミノエーテル化合物を、ポリエステルに対して少
    なくとも0.05重量%添加し、さらにスクリュー型2
    軸反応機中で重合せしめることを特徴とする改質ポリエ
    ステルの製造方法。
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