JPH05287034A - 高ニトリル系共重合体の製造方法 - Google Patents

高ニトリル系共重合体の製造方法

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JPH05287034A
JPH05287034A JP8708192A JP8708192A JPH05287034A JP H05287034 A JPH05287034 A JP H05287034A JP 8708192 A JP8708192 A JP 8708192A JP 8708192 A JP8708192 A JP 8708192A JP H05287034 A JPH05287034 A JP H05287034A
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conjugated diene
stabilizer
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monomer
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JP8708192A
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English (en)
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Akio Yagawa
昭生 箭川
Seiichi Masuko
誠一 益子
Yasuyuki Hatakeyama
泰幸 畠山
Keita Takami
圭太 高見
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐衝撃性、色相、加工性、臭気、熱安定性の良
好な高ニトリル系共重合体を得る。 【構成】共役ジエン単量体50重量%以上と少なくとも
1種類以上の該共役ジエン単量体と共重合可能な単量体
50重量%以下からなる共役ジエン系合成ゴム1〜40
重量部と、不飽和ニトリル及び1種類以上の該不飽和ニ
トリルと共重合可能な単量体の混合物100重量部と
を、水性媒体中で安定剤存在下に懸濁重合法によりグラ
フト共重合する。得られたグラフト共重合体は、その構
成成分として共役ジエン系合成ゴム以外の成分中に不飽
和ニトリルを少なくとも50重量%含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性等の改良され
た高ニトリル系共重合体の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、水性媒体中で共役ジエン系合成ゴム
の存在下で、不飽和ニトリルとこれと共重合性の単量体
をグラフト共重合させる方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ゴム強化高ニトリル含有樹脂は、高ニト
リル樹脂が本来有するガス及び蒸気に対する高いバリヤ
ー性、耐薬品性、耐溶剤性に加え耐衝撃性を有する熱可
塑性重合体であることから、近年、食品、農医薬品、化
粧品その他の分野で容器、包装材料として注目されてい
る。
【0003】これまでにゴム強化高ニトリル含有樹脂の
製造方法に関して多くの技術が示されている。例えば、
共役ジエン/ニトリル共重合体ゴムに不飽和ニトリル及
びアクリル酸アルキルエステルからなる単量体を回分式
または、連続式添加方法で重合する方法(特公昭46−
25005)、ジエン系合成ゴムの存在下にニトリルと
これと共重合性の単量体を重合する際に、単量体の一部
でゴムを前膨潤し残りの単量体を連続添加する方法(特
開昭50−75294)が開示されている。
【0004】このような方法で得られた共重合体は、重
合終了後安定剤が添加されて用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの技術はいずれ
も乳化重合を中心とした開示であり、得られる樹脂は色
相、熱安定性、臭気において満足できるものではなかっ
た。
【0006】また、前記技術は懸濁重合の可能性につい
ても開示しているが、実際にこれらの方法による懸濁重
合においても、得られる樹脂の加工性、色相、熱安定性
等において欠点があることがわかった。
【0007】高ニトリルの共重合体を乳化重合で重合す
る場合、乳化剤が樹脂中に残留することにより着色、臭
気等の問題が生じるといった欠点がある。これに対して
懸濁重合で重合する場合、使用する分散剤の量は乳化重
合に使用する乳化剤量に比べ少量ですむ。このことから
乳化剤を使用するために生じる着色、臭気等の問題は解
決できると考えられる。
【0008】しかしながら、懸濁重合で得られる粒子は
50〜250μ程度と乳化重合の粒子と比べて大きなこ
とから、乳化重合により得られた共重合体に添加できた
着色防止剤等の安定剤類を、懸濁重合により得られた共
重合体に添加することは実際には難点があった。安定剤
を重合終了時に添加した場合は、粒子の表面への付着が
大部分であり粒子の内部まで浸透しずらい。そのため、
安定剤の添加効果は不十分であり満足のいく熱安定性を
付与できなかった。
【0009】また、本発明の樹脂において安定剤の別の
効果として加工性の付与がある。安定剤の添加により樹
脂と金属との接着性を抑え、樹脂に良好な加工性を付与
することができる。安定剤が入っていない状態では金属
表面との接着性が強く、加工機械の金属面に付着し、成
形加工することが極めて困難である。この問題を解決す
るために、安定剤を添加することで樹脂に滑性を与える
必要がある。一方、安定剤を重合終了後に添加する方法
では、樹脂の表面に安定剤の大部分が付着することから
滑性が高くなりすぎ、金属表面で樹脂が滑り加工性が悪
くなる。
【0010】本発明の目的は、かかる問題を解決し、耐
衝撃性等に優れた高ニトリル系樹脂の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、水性媒体中でジエン系合成ゴムに不飽和ニト
リルとこれと共重合性の単量体を添加してグラフト重合
させる方法において、安定剤存在下で水性懸濁重合する
ことにより、優れた耐衝撃高ニトリル系樹脂を得ること
ことができることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0012】本発明は即ち、共役ジエン単量体50重量
%以上と少なくとも1種類以上の該共役ジエン単量体と
共重合可能な単量体50重量%以下からなる共役ジエン
系合成ゴム1〜40重量部と、不飽和ニトリル及び1種
類以上の該不飽和ニトリルと共重合可能な単量体の混合
物100重量部とを水性媒体中で懸濁重合法によりグラ
フト共重合し、得られたグラフト共重合体の構成成分と
して共役ジエン系合成ゴム以外の成分中に不飽和ニトリ
ルを少なくとも50重量%含むグラフト共重合体を製造
する方法であって、安定剤存在下で該グラフト共重合を
行うことを特徴とする高ニトリル系共重合体の製造方法
である。
【0013】本発明は、重合過程で安定剤を分子レベル
で混入させる事により、安定剤の効果を最大限発揮させ
る方法である。安定剤を存在させる手段としては以下の
方法が利用できるが、本発明の目的を達成する限りにお
いてはこれらの方法に限定されるものではない。例え
ば、重合開始時モノマーに溶解させる方法、重合系内に
懸濁させる方法、重合反応中に重合系内に窒素等の不活
性ガスで装入する方法、安定剤を乳化、または懸濁させ
装入する方法、適当な溶剤、希釈剤、モノマー、重合助
剤など液体の原料に溶解して装入する方法等が使用でき
る。いずれも一括装入、連続装入、及び分割装入で添加
することができる。また、これらを組み合わせてもよ
い。実用上はモノマーにあらかじめ溶解させておき重合
反応を行うことが操作上簡単であり好ましい。
【0014】本発明で用いる安定剤としては、鉛塩系安
定剤、金属石鹸、カドミウムーバリウム液状安定剤、有
機錫安定剤、エポキシ系安定剤、窒素化合物、リン化合
物、硫黄化合物、フェノール系化合物、アミン系化合物
等である。例示すれば、鉛塩系安定剤として鉛白、三塩
基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、二塩基性フタル酸
鉛、三塩基性マレイン酸鉛、ケイ酸鉛およびそのシリカ
ゲル共沈物等、金属石鹸としてマグネシウム石鹸、カル
シウム石鹸、バリウム石鹸、カドミウム石鹸、亜鉛石
鹸、鉛石鹸、錫石鹸等、カドミウム−バリウム液状安定
剤としてカドミウム−バリウム系、カドミウム−バリウ
ム−亜鉛系、バリウム−亜鉛系等、有機錫安定剤として
錫アルキルイオウ化合物、錫アリルイオウ化合物、錫ア
ルキル酸素化合物、錫アリール酸素化合物、有機錫カル
ボン酸、有機錫メルカプタイド等、エポキシ系安定剤と
してグリシジルエーテルおよびエポキシ樹脂、エポキシ
化油脂およびエポキシ化天然油脂酸ならびに樹脂酸のア
ルキルエステル、シクロヘキサンのエポキシ誘導体等、
窒素化合物として尿素、ヘキサメチレンテトラミン等、
リン化合物としてトリフェニルホスファイト、ジフェニ
ルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホス
ファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェニルジ−トリデシル)ホスファイ
ト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタ
デシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホス
ファイト、トリス(モノおよび/あるいはジノニルフェ
ニル)ホスファイト等、硫黄化合物としてジラウリルチ
オジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオジプロピオネート等、フェノール
系化合物としてブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェ
ノール等、多価アルコール、アミン系化合物等があげら
れ、これらの1種類または2種類以上が用いられる。好
ましくは、トリス(ノニル)フェニルホスファイトとジ
ラウリルチオジプロピオネートの併用である。
【0015】安定剤の添加量は、共役ジエン系合成ゴム
とこれとのグラフト共重合に用いる単量体の総重量に対
して0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量
%、更に好ましくは0.3〜4重量%、最も好ましくは
1〜3重量%である。安定剤の添加量が0.05重量%
未満では安定剤としての効果が低い。また、10重量%
を越えると重合を遅延させる等反応への影響が生じる。
【0016】本発明の耐衝撃高ニトリル系共重合体は、
多量割合の不飽和ニトリルとこれと共重合性の他の単量
体成分を少なくとも1種類以上含む単量体成分を、あら
かじめ重合した共役ジエン系合成ゴムにグラフト重合す
ることにより得られる。
【0017】また、重合方法としては水性媒体中で行う
懸濁重合として一般に知られた重合方法により行うこと
ができる。重合開始剤、連鎖移動剤、分散剤及び重合助
剤等は公知のものが使用できる。また、それらの添加方
法は回分式、連続式または分割式添加のいずれでもよ
い。
【0018】共役ジエン単量体としては1,3−ブタジ
エン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタ
ジエン等があげられ、入手の容易さ及び重合性の観点か
ら1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0019】共役ジエン単量体と共重合可能な単量体と
しては、不飽和ニトリル、不飽和カルボン酸エステル、
芳香族ビニル化合物等があげられ、1種または2種類以
上が用いられる。不飽和ニトリルとしては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニト
リル等があげられ、好ましくはアクリロニトリル、メタ
クリロニトリルである。不飽和カルボン酸エステルとし
ては、アクリル酸あるいはメタクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のエステル類をあげることがで
き、特に好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルであ
る。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン類、ビニルキシレン類等が
あげられ、好ましいものはスチレンである。
【0020】この共役ジエン系合成ゴムは、公知の種々
の方法により製造できるが、乳化重合法により製造する
ことが好ましい。
【0021】共役ジエン系合成ゴムにグラフトする単量
体としては、不飽和ニトリルを必須とし、これに芳香族
ビニル化合物、更にこれらと共重合性のビニル化合物、
例えば、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル、
ビニルエーテル、α−オレフィン等の単量体が用いられ
る。不飽和ニトリル及び芳香族ビニル化合物と共重合性
の単量体として、耐衝撃性及び加工流動性のバランスか
ら不飽和カルボン酸エステルが好ましい。
【0022】これら不飽和ニトリル、芳香族ビニル化合
物そして不飽和カルボン酸エステルとしては、共役ジエ
ン系合成ゴムを製造する場合に用いる共役ジエン単量体
と共重合可能な単量体を使用することができる。
【0023】本発明の高ニトリル樹脂は、共役ジエン系
合成ゴムを除いた樹脂成分中、少なくとも50重量%以
上の不飽和ニトリルを含むことが必要である。不飽和ニ
トリル含量が50重量%より少ない場合は、耐薬品性及
びガスバリヤー性等のニトリル系樹脂本来の特性が損な
われるため実用上好ましくない。また、不飽和ニトリル
が90重量%を越えても本発明は達成できるがこの場合
加工流動性、耐衝撃性等の低下及び成形時の樹脂の黄変
が若干発生する。
【0024】上記方法により製造されるグラフト共重合
体の共役ジエン系ゴムの含有率は1〜30重量%であ
り、好ましくは5〜25重量%の範囲が耐衝撃性の発現
に好ましい。
【0025】上記方法により製造される重合体は、既知
の熱可塑性樹脂材料において使用される従来の成形方
法、例えば押出し成形、射出成形、ブロー成形等により
容易に熱成形できる。
【0026】本発明の重合体は、蒸気、ガスに対する高
いバリアー性、優れた耐溶剤性、更に優れた耐衝撃性を
有するために、特にビン、フィルム、その他の種類の液
体及び固体包装容器材料として有用である。
【0027】
【実施例】下記の実施例は本発明を更に具体的に説明す
るものであり、本発明の主旨を損なわない限り、以下の
例に限定されるものではない。
【0028】なお、実施例中の「部」及び「%」はいず
れも重量基準による。また、圧力はゲージ圧による。
【0029】本発明の衝撃強度、色相、臭気、熱安定性
及び加工性における測定法は以下の方法によった。
【0030】衝撃強度:共重合体を164℃のロールで
30回混練し、170℃、100kg/cm2 で加圧成形し
たシートを試験片としてASTM D256に準じ、2
3℃、40kg荷重でのノッチ付アイゾット衝撃値を測定
した。
【0031】色相:共重合体ビーズを170℃、100
kg/cm2 で加圧成形したシートを試験片として日本電色
工業(株)社製カラーメーターSZ−Σ80によりYI
を測定した。
【0032】臭気:三角フラスコに、色相評価用に作成
した試験片を5mm四方に裁断し、90℃の水と一緒にい
れ、良く撹拌した後臭気を嗅ぎ判定する官能試験を行っ
た。
【0033】熱安定性:164℃のロールにより共重合
体を120回混練し、170℃、100kg/cm2 で加圧
成形したシートを試験片としてカラーメーターによりY
Iを測定した。この値と色相の値(色相の評価の項で測
定した値)との差を△YIとした。熱安定性は△YIが
小さいほど熱による変色が少なく良好であると判断す
る。
【0034】加工性:164℃のロールで混練する際に
樹脂がロール表面で溶融するまでの回数を測定した。こ
の回数が少ないほど溶融時間(ゲル化時間)は短く、加
工性は良好と判断する。
【0035】実施例1 (A)共役ジエン系ゴムラテックスの製造 下記成分からなる混合物をステンレス製重合反応器に挿
入し、酸素を除去し、撹拌下45℃で20時間重合を行
った。
【0036】アクリロニトリル 40 部 1,3−ブタジエン 60 部 脂肪酸石鹸 2.4部 アゾビスイソブチロニトリル 0.3部 t−ドデシルメルカプタン 0.5部 水 200 部 単量体転化率は90%で、ラテックスの固形分濃度は3
0%であった。
【0037】(B)グラフト共重合体の製造 以下に示す成分をグラフト共重合した。
【0038】 水 235 部 アクリロニトリル 70 部 アクリル酸メチル 30 部 上記(A)において製造したラテックス 33 部(固形分10部) メチルセルロース 0.3部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 n−ドデシルメルカプタン 1.0部 トリス(ノニル)フェニルホスファイト(安定剤) 1.4部 ジラウリルチオジプロピオネート(安定剤) 0.4部 重合反応器に上記原料を仕込み、酸素を除去した後、撹
拌下、60℃で重合を開始した。単量体転化率は82%
であり、脱水、乾燥してグラフト共重合体を得た。得ら
れた共重合体は直径約90μmの粒子であった。なお、
安定剤としてトリスノニルフェニルホスファイトとジラ
ウリルチオジプロピオネートを用い、これらを重合前に
単量体に溶解し一括に仕込んだ。
【0039】実施例2 実施例1においてグラフト共重合体(B)を製造する際
に安定剤として添加したトリスノニルフェニルホスファ
イトとジラウリルチオジプロピオネートを以下の量使用
した他は実施例1と同様に重合を行った。
【0040】 単量体転化率は83%であり、脱水、乾燥してグラフト
共重合体を得た。得られた共重合体は直径約90μmの
粒子であった。
【0041】比較例1 実施例1において、グラフト共重合体(B)を製造する
際に安定剤として添加したトリス(ノニル)フェニルホ
スファイトとジラウリルチオジプロピオネートを用いな
かった他は実施例1と同様に重合を行った。
【0042】重合終了後、残留単量体を回収する前に、
安定剤としてトリス(ノニル)フェニルホスファイト
1.2部とジラウリルチオジプロピオネート0.4部を
重合機内に投入、撹拌した。その後、脱水、乾燥してグ
ラフト共重合体を得た。
【0043】比較例2 実施例1において、グラフト共重合体(B)を製造する
際に安定剤として添加したトリス(ノニル)フェニルホ
スファイトとジラウリルチオジプロピオネートを用いな
かった他は実施例1と同様に重合を行った。
【0044】得られたグラフト共重合体を脱水、乾燥し
た。その後安定剤としてトリス(ノニル)フェニルホス
ファイト1.2部とジラウリルチオジプロピオネート
0.4部を、乾燥した共重合体にブレンドした。
【0045】比較例3 実施例1において、グラフト共重合体(B)を製造する
際に安定剤として添加したトリス(ノニル)フェニルホ
スファイトとジラウリルチオジプロピオネートを用いな
かった他は実施例1と同様に重合を行った。
【0046】得られたグラフト共重合体を脱水、乾燥し
た。その後、グラフト共重合体とより均一にブレンドす
るために、安定剤としてトリス(ノニル)フェニルホス
ファイト1.2部とジラウリルチオジプロピオネート
0.4部をアセトンに溶解し、乾燥しておいたグラフト
共重合体にブレンドした。
【0047】比較例4(乳化重合) グラフト共重合体(B)を重合する際に乳化剤を用いて
乳化重合法により重合を行った。成分を以下に示す。
【0048】 重合反応器に上記原料を仕込み、酸素を除去した後、撹
拌下、60℃で重合を開始した。単量体転化率を90%
とした。得られたラテックスを硫酸アルミニウムにて凝
固させ、水洗、脱水、乾燥して粉末状グラフト共重合体
をえた。
【0049】本発明の実施例及び比較例において得られ
た樹脂の物性を測定し、評価した。それらの結果を、ま
とめて表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】色相及び熱安定性については、YI値、△
YI値の数値が低いほど着色、熱的着色がそれぞれ小さ
く、従って良好と判断できる。比較例1、2及び3に示
したように、重合後に安定剤を添加した場合には樹脂の
色相は実施例に比べて悪かった。また、比較例4に示し
たように、乳化重合で重合した樹脂は水性懸濁重合法に
より重合した樹脂に比べて、明らかに色相及び熱安定性
において劣っていた。臭気に関しては、水性懸濁重合法
により重合した樹脂は乳化重合に特有の異臭が見られ
ず、良好である。加工性については、比較例1、2及び
3の方法で重合した樹脂はいずれも著しく悪かった。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法に従えば、水性媒体中で懸
濁重合を行う際に、安定剤を存在させることにより、耐
衝撃性に優れ、色相、臭気、熱安定性が良好であるグラ
フト共重合体が得られる。
【0053】本発明により得られたグラフト共重合体
は、安定剤をグラフト共重合終了後に添加して製造した
ものに比べて樹脂の加工性において特に優れており、更
に耐衝撃性、色相、熱安定性も共に良好である。また、
本発明のグラフト共重合体は乳化重合法によるグラフト
重合体に対しても、耐衝撃性、色相、臭気、熱安定性お
いて優れている。
【0054】本発明の方法により得られた共重合体の工
業的価値は極めて高いものである。
フロントページの続き (72)発明者 高見 圭太 大阪府高石市高砂1丁目6番地三井東圧化 学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン単量体50重量%以上と少な
    くとも1種類以上の該共役ジエン単量体と共重合可能な
    単量体50重量%以下からなる共役ジエン系合成ゴム1
    〜40重量部と、不飽和ニトリル及び1種類以上の該不
    飽和ニトリルと共重合可能な単量体の混合物100重量
    部とを水性媒体中で懸濁重合法によりグラフト共重合
    し、得られたグラフト共重合体の構成成分として共役ジ
    エン系合成ゴム以外の成分中に不飽和ニトリルを少なく
    とも50重量%含むグラフト共重合体を製造する方法で
    あって、安定剤存在下で該グラフト共重合を行うことを
    特徴とする高ニトリル系共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 安定剤の量が、共役ジエン系合成ゴムと
    これとのグラフト共重合に用いる単量体の総重量に対し
    て0.05〜10重量%である特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 安定剤が、トリス(ノニル)フェニルホ
    スファイトおよびジラウリルチオジプロピオネートであ
    る特許請求の範囲第1項又は第2項記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1205499A2 (en) 2000-11-13 2002-05-15 JSR Corporation Unsaturated nitrile-conjugated diene rubber composition and production process of the rubber
JP2012031291A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Toray Ind Inc 樹脂微粒子およびその製造方法

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