JPH05286789A - ダイヤモンド含有複合体被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド含有複合体被覆部材およびその製造方法

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JPH05286789A
JPH05286789A JP8367892A JP8367892A JPH05286789A JP H05286789 A JPH05286789 A JP H05286789A JP 8367892 A JP8367892 A JP 8367892A JP 8367892 A JP8367892 A JP 8367892A JP H05286789 A JPH05286789 A JP H05286789A
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    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、平坦な表面を有すると共
に二次加工を容易に行うことのできるダイヤモンド含有
複合体被覆部材およびその簡単な製造方法を提供するこ
とにある。 【構成】 この発明のダイヤモンド含有複合体被覆部材
は、基板と該基板に密着した立方晶窒化ホウ素粒子およ
びダイヤモンドからなる複合体層とからなり、該複合体
が、該複合体層における基板に近接する部位に粒径10
〜100μmの立方晶窒化ホウ素粒子を含有し、該複合
体における表層部には粒径2μm以下の立方晶窒化ホウ
素粒子を含有してなることを特徴とし、基板上に、粒径
10〜100μmの立方晶窒化ホウ素粒子を分散付着さ
せてから、基板上に気相法によりダイヤモンド膜を形成
し、次いで該ダイヤモンド膜上に、粒径2μm以下の立
方晶窒化ホウ素粒子を分散付着し、その上に気相法によ
りダイヤモンド膜を形成することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダイヤモンド含有複合体
被覆部材およびその製造方法に関し、さらに詳しく言う
と、平坦な表面を有すると共に二次加工を容易に行うこ
とのできるダイヤモンド含有複合体被覆部材およびその
簡単な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ダイヤモ
ンドは硬度が高くて耐久性に優れているので、切削工具
や研磨工具等の分野において、実用化されつつある。ま
た、このダイヤモンドを他の素材として複合化して用い
る試みもなされている。
【0003】例えば特開昭61−174173号公報に
おいては、立方晶窒化ホウ素の粒子をダイヤモンドによ
り結合した複合体からなる塊状体を加工することにより
切削用工具などにして用いることが提案されている。
【0004】ところで、この場合、立方晶窒化ホウ素粒
子は、切削チップの大きさに相当する厚みの粒子層に対
して気相法でダイヤモンドの合成を行うので、長時間か
つ大量のエネルギー消費を伴う外に立方晶窒化ホウ素の
粒子サイズが小さいと粒子間へのダイヤモンドの生成が
十分ではなく、粒子サイズが大きいと得られる塊状体の
表面の凹凸が大きくなって、二次加工に労力を要すると
いう問題がある。
【0005】この発明は、前記事情を改善するためにな
されたものである。この発明の目的は、平坦な表面を有
すると共に二次加工を容易に行うことのできるダイヤモ
ンド含有複合体被覆部材およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、基板と該基板に密着した立
方晶窒化ホウ素粒子およびダイヤモンドからなる複合体
層とからなり、該複合体が、該複合体層における基板に
近接する部位に粒径10〜100μmの立方晶窒化ホウ
素粒子を含有し、該複合体における表層部には粒径2μ
m以下の立方晶窒化ホウ素粒子を含有してなることを特
徴とするダイヤモンド含有複合体被覆部材であり、請求
項2に記載の発明は、基板上に、粒径10〜100μm
の立方晶窒化ホウ素粒子を分散付着させてから、基板上
に気相法によりダイヤモンド膜を形成し、次いで該ダイ
ヤモンド膜上に、粒径2μm以下の立方晶窒化ホウ素粒
子を分散付着し、その上に気相法によりダイヤモンド膜
を形成することを特徴とする請求項1に記載のダイヤモ
ンド含有複合体被覆部材の製造方法である。
【0007】以下、この発明の製造方法と共にダイヤモ
ンド複合被覆部材について説明する。この発明の方法に
おいて、前記基板の材質としては、特に制限はなく、公
知の気相合成法によるダイヤモンドの合成用に常用され
る各種のもの(例えば、各種の金属、合金、超硬合金
類、半導体類、セラミックス、ガラス等)を適宜に選択
して使用することができる。具体例をいくつか示すと、
例えば、WC−Co系等のWC計超硬合金、TiN、S
34 等の窒化物系セラミックス、SiC、TiC等
の炭化物系セラミックス、アルミナ類、ガラス等の酸化
物類、シリコン等の半金属や半導体類等多種多様の素材
を挙げることができる。前記基板の形状としては、特に
限定はない。
【0008】この発明の方法においては、基剤における
複合体層を形成しようとする表面に、先ず、10〜10
0μm、好ましくは10〜50μmの粒径を有する立方
晶窒化ホウ素を付着させる。ここで、上記粒径範囲内で
希望する粒径の立方晶窒化ホウ素は、所定のメッシュが
装着されている振動分級装置等を用いて得ることができ
る。
【0009】この発明の方法においては、立方晶窒化ホ
ウ素の粒径が10μm未満であると、基板表面に付着す
る立方晶窒化ホウ素が細かすぎて、工具として使用する
のに必要な厚さを得るために同一プロセスを繰り返さな
ければならないので多くの時間を要するという不都合を
生じ、また立方晶窒化ホウ素の粒径が100μmを越え
ると、表面の凹凸が大きくなりすぎるのでこれを防止す
るために2μm以下の立方晶窒化ホウ素を分散、結合す
る操作を必要以上に繰り返さなければならないという不
都合を生じる。
【0010】上記粒径を有する立方晶窒化ホウ素の粒子
を分散付着させるには、例えば、上記粒径を有する立方
晶窒化ホウ素をアルコール、アセトンなどの有機溶媒に
分散してなる分散液を、基板の表面に塗布し、有機溶媒
を揮散するのが良い。また、前記分散液中に基板を浸漬
し、要すれば超音波を照射してから、基板を前記分散液
から引き上げ、有機溶媒を揮散するのも良い。
【0011】この場合、分散液中における立方晶窒化ホ
ウ素の分散濃度としては、通常、1〜10重量%、好ま
しくは1〜2重量%である。また、基板表面における前
記立方晶窒化法素の付着量としては、通常、5〜30m
g/cm2 、好ましくは10〜20g/cm2 である。
立方晶窒化法素の付着量が前記範囲よりも少ないと、結
合相のダイヤモンド主体の複合体となるので、耐熱性等
の物性の改善効果が不十分になることがあり、また、立
方晶窒化ホウ素の付着量が前記範囲を超えると立方晶窒
化ホウ素の粒子間にダイヤモンドの結合相が十分に形成
されないために機械的強度が不足するという不都合を生
じることがある。なお、基板の表面に前記特定粒径の立
方晶窒化ホウ素を分散付着させる以前に、基板に傷付け
処理をしておくのが望ましい。
【0012】前記傷付処理の方法としては、基板の表面
上に傷を付けることが可能な方法であれば特に制限はな
いが、例えば、研磨剤をアセトン等の有機溶媒中に分散
させ、その溶液に基板を入れて超音波洗浄を行なう方
法、研磨剤を塗布した支持台上に基板を置き、手動で基
板と研磨剤とを擦り合せる手研磨法等を挙げることがで
きる。
【0013】前記傷付処理に用いられる研磨剤として
は、例えば、ダイヤモンド粉、SiC粉等を挙げること
ができる。その中でも、特にダイヤモンド粉が好まし
い。上記超音波洗浄を行なう方法においては、有機溶媒
中における前記研磨剤の分散濃度としては、0.05〜
10g/100ccであるのが好ましい。研磨剤の分散
濃度が0.05g/100ccより小さい場合には、傷
付の効果が十分ではない。また、研磨剤の分散濃度を1
0g/100ccより大きくしても、それ以上の効果は
得られない。
【0014】上記超音波洗浄を行なう方法においては、
洗浄時間は、通常15秒〜2時間が好ましく、特に30
秒〜60分が好ましい。洗浄時間が15秒よりも短い場
合には、基板の表面を十分に傷付けることができないこ
とがある。また、洗浄時間が2時間より長い場合には、
その効果が2時間洗浄を行なった場合に得られる効果と
同等であり、長く行なったことによる更なる効果は得ら
れないことがある。
【0015】上記超音波洗浄を行なう方法においては、
上記超音波洗浄を行なった後、基板をアセトン等の有機
溶媒で数分間洗浄し、基板上に付着した研磨剤を除去す
るのが良い。また、上記手研磨法においては、一般的に
は、水もしくはアルコール等の有機溶媒に研磨剤を分散
させ、得られた分散溶液をガラス等の支持台上に塗布す
る。その後、前記分散溶液が塗布された支持台上に基板
をのせ、手動により基板と分散溶液とを擦りあわせて研
磨する。
【0016】上記手研磨法においては、研磨時間は、通
常10秒〜5分が好ましい。研磨時間が10秒より短い
場合には、十分な表面処理を行なうことができない。研
磨時間が5分より長い場合には、必要以上に基板の表面
が傷つき、基板が削りとられることがある。この発明の
方法においては、上記特定の粒径を有する立方晶窒化ホ
ウ素を基板の表面に付着させた後に、立方晶窒化ホウ素
を付着した基板の表面に、気相合成法により炭素源ガス
を用いてダイヤモンドを形成する。
【0017】上記炭素源ガスとしては、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン系炭化水
素;エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素;アセチレン、アリレン等のアセチレン系炭化
水素;ブタジエン、アレン等のジオレフィン系炭化水
素;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;シクロブタジエ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳
香族炭化水素;アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェ
ノン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコ
ール類;このほかの含酸素炭化水素;トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアミン類;このほかの含窒素
炭化水素;炭酸ガス、一酸化炭素、過酸化炭素;さら
に、単体ではないが、ガソリン等の消防法危険物第4
類、第1類、ケロシン、テレピン油、しょうのう油等の
第2石油類、重油等の第3石油類、ギヤー油、シリンダ
ー油等の第4石油類も使用することができる。また前記
各種の化合物を混合して使用することもできる。
【0018】これらの中でも、好ましいのはメタン、エ
タン、プロパン等のパラフィン系炭化水素、エタノー
ル、メタノール等のアルコール類、アセトン、ベンゾフ
ェノン等のケトン類、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン等のアミン類、炭酸ガス、一酸化炭素であり、特に
一酸化炭素が好ましい。なお、これらは一種単独で用い
てもよく、二種以上を混合ガス等として併用してもよ
い。また、これらは水素等の活性ガスやヘリウム、アル
ゴン、ネオン、キセノン、窒素等の不活性ガスと混合し
て用いてもよい。
【0019】前記ダイヤモンドの形成には、公知の方
法、例えば、CVD法、PVD法、PCVD法、あるい
はこれらを組み合せた方法等、各種のダイヤモンド気相
合成法を使用することができ、これらの中でも、通常、
EACVD法を含めた各種の熱フィラメント法、熱プラ
ズマ法を含めた各種の直流プラズマCVD法、熱プラズ
マ法を含めたマイクロ波プラズマCVD法等を好適に使
用することができる。
【0020】ダイヤモンドの形成条件としては、特に制
限はなく、前記の気相合成法に通常用いられる反応条件
を適用することができる。例えば、反応圧力としては、
通常、10-6〜103 Torrが好ましく、特に1〜8
00Torrの範囲内であるのが好ましい。反応圧力が
10-6Torrよりも低い場合には、ダイヤモンドの形
成速度が遅くなることがある。また、103 Torrよ
り高い場合には、103 Torrのときに得られる効果
に比べて、それ以上の効果がない。
【0021】前記基板の表面温度としては、前記炭素源
ガスの活性化手段等により異なるので、一概に規定する
ことはできないが、通常、300〜1,000℃、好ま
しくは、450〜950℃の範囲内にするのがよい。こ
の温度が300℃よりも低い場合には、結晶性のダイヤ
モンドの膜の形成が不十分になることがある。また、温
度が1,000℃を超える場合においては、形成された
ダイヤモンド膜のエッチングが生じ易くなる。
【0022】反応時間としては、特に限定はなく、ダイ
ヤモンド膜が所望の厚みとなるように、ダイヤモンドの
形成速度に応じて適宜に設定するのが好ましい。前記基
材の表面に形成させるダイヤモンドの膜の厚みは、ダイ
ヤモンド被覆部材の使用目的等により異なるので一律に
定めることはできないが、工具の場合、通常は50μm
以上、好ましくは、50〜500μmが適当である。ダ
イヤモンド膜が薄すぎる場合には、基板の表面を十分に
被覆することができないことがある。
【0023】以上の操作によって、基板上に、粒径が1
0〜100μmである立方晶窒化ホウ素とダイヤモンド
との混合した状態の混合層と立方晶窒化ホウ素を含有し
ないダイヤモンド層とがこの順に形成されるのである
が、場合によっては、前記ダイヤモンド層の表面に、粒
径が0〜20μmである立方晶窒化ホウ素とダイヤモン
ドとの混合した状態の第二混合層と立方晶窒化ホウ素を
含有しない第二ダイヤモンド層とをこの順に積層しても
良い。また、前記第二混合層と第二ダイヤモンド層と
は、それぞれ一層であるに限らず、この第二混合層と第
二ダイヤモンド層とを一組として、その複数組を前記ダ
イヤモンド層の上に形成するようにしても良い。
【0024】この発明の方法においては、前記のように
してダイヤモンドの膜を形成してから、そのダイヤモン
ド膜の表面に、粒径が2μm以下である立方晶窒化ホウ
素を付着させる。この場合、立方晶窒化ホウ素粒子は、
粒径が2μmを超える粒子を含有していない。このよう
な粒径2μm以下である立方晶窒化ホウ素は、振動分級
装置等を用いて調製することができる。
【0025】形成されたダイヤモンド膜の表面に前記特
定粒径の立方晶窒化ホウ素を分散付着させるには、例え
ば、上記特定粒径を有する立方晶窒化ホウ素をアルコー
ル、アセトンなどの有機溶媒に分散してなる分散液を、
基板上のダイヤモンド膜表面に塗布し、有機溶媒を揮散
するのが良い。また、前記分散液中にダイヤモンド膜付
き基板を浸漬し、要すれば超音波を照射してから、ダイ
ヤモンド膜付き基板を前記分散液から引き上げ、有機溶
媒を揮散するのも良い。
【0026】この場合、分散液中における立方晶窒化ホ
ウ素の分散濃度としては、通常1〜10重量%、好まし
くは1〜3重量%である。また、ダイヤモンド膜表面に
おける前記立方晶窒化法素の付着量としては、通常0.
05〜0.5mg/cm2 、好ましくは0.1〜0.2
mg/cm2 である。立方晶窒化法素の付着量が前記範
囲よりも少ないと結合相のダイヤモンド主体の複合体と
なるので耐熱性等の物性の改善効果が十分に奏されなく
なるという不都合を生じることがあり、また、立方晶窒
化ホウ素の付着量が前記範囲を超えると立方晶窒化ホウ
素の粒子間にダイヤモンドの結合相が十分に形成されな
いので機械的強度が不足するという不都合を生じること
がある。
【0027】この発明の方法においては、上記特定の粒
径を有する立方晶窒化ホウ素を基板の表面に付着させた
後に、立方晶窒化ホウ素を付着する基板の表面に、気相
合成法により炭素源ガスを用いてダイヤモンドを形成す
る。ダイヤモンドを形成させる方法は、前述したのと同
様であるからその詳細な説明を省略する。なお、小粒径
の立方晶窒化ホウ素を付着させてから形成されるダイヤ
モンド膜の厚みは、通常1〜10μmである。もっと
も、このダイヤモンド膜の厚みは、このようにして製造
されたダイヤモンド含有複合体被覆部材をどのような用
途に供するかによって、適宜に決定される。
【0028】この発明の方法によって得られたダイヤモ
ンド含有複合体被覆部材は、基板と該基板に密着した立
方晶窒化ホウ素粒子およびダイヤモンドからなる複合体
層とからなるのであるが、複合体層の縦断面を観察する
と、基本的には、粒径が10〜100μmである立方晶
窒化ホウ素が分散付着すると共にその立方晶窒化ホウ素
の粒子間にダイヤモンドが形成されてなるところの、立
方晶窒化ホウ素とダイヤモンドとの混合した状態の混合
層と、立方晶窒化ホウ素を含有していないダイヤモンド
層と、粒径が2μm以下である立方晶窒化ホウ素とダイ
ヤモンドとが混合した状態の表層部とで複合体層が形成
されていることが理解される。
【0029】もっとも、この発明のダイヤモンド含有複
合体被覆部材は、前記ダイヤモンド層と表層部との間
に、粒径が1〜2μmである立方晶窒化ホウ素とダイヤ
モンドとの混合した状態の第二混合層と立方晶窒化ホウ
素を含有しない第二ダイヤモンド層とをこの順に少なく
とも一組積層しても良い。
【0030】この発明のダイヤモンド含有複合被覆部材
が、このような層構成を有することにより、簡単な表面
研磨により容易に表面の平坦性に優れた複合相を形成さ
せることができる。なお、このダイヤモンド含有複合被
覆部材は製造された状態のままで各種の用途に供するこ
とができるが、前記の表層部を研磨することにより、小
粒径の立方晶窒化ホウ素を露出させてから、各種の用途
に供しても良い。
【0031】いずれにしても、この発明の方法によって
製造されたダイヤモンド含有複合被覆部材は、ダイヤモ
ンドと立方晶窒化ホウ素との複合体であるという特性を
生かして広範囲の用途に有利に利用することができ、切
削工具、研磨工具等の超硬工具部材、摺動部材、耐摩耗
性部材をはじめとする各種の製品または部材として特に
有利に使用することができる。
【0032】
【発明の効果】この発明のダイヤモンド含有複合体被覆
部材は、基板表面に、特定の大粒径立方晶窒化ホウ素と
ダイヤモンドとを含有する混合層と特定の小粒径の立方
晶窒化ホウ素とダイヤモンドとを含有する表層部とを備
えた複合体層が形成されているので、簡単な表面研磨に
より容易に平坦性の優れた複合材を得ることができると
いう優れた特性を持ち、刃立性の優れた切削工具、ある
いは研磨工具として使用することができる。又、この発
明の方法によると、基板表面に大粒径の立方晶窒化ホウ
素を付着させるので、用途に応じて必要な厚みを有する
ダイヤモンド膜を有するところの、上記の優れたダイヤ
モンド含有複合体被覆部材を、短時間にエネルギー消費
を少なくして製造することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)シリコン単結晶基板の表面に、粒子径10
〜20μmのダイヤモンド砥粒により傷付け処理を施し
た。ついで、この基板を、粒子径10〜20μmの立方
晶窒化ホウ素粒子をアセトン中に分散した液中に浸漬
し、超音波洗浄を5分間行い、基板上に立方晶窒化ホウ
素粒子の分散液が付着した状態で液中から取出して、自
然乾燥した。
【0034】このようにして、基板上に立方晶窒化ホウ
素粒子が均一に分散されて付着した基板を、ダイヤモン
ド合成反応管内の支持台に載せ、反応管に一酸化炭素を
30容量%含有する水素ガスと一酸化炭素との混合ガス
を導入し、反応管内を40Torrにし、基板温度を8
00℃にして、周波数2.45GHzのマイクロ波によ
るプラズマCVD法によって、基板上の立方晶窒化ホウ
素粒子表面や粒子間を覆うようにダイヤモンド薄膜を形
成した。ダイヤモンド薄膜の膜厚は40μmであった。
【0035】つぎに、上記のダイヤモンド薄膜上に、粒
子径1〜2μmの立方晶窒化ホウ素粒子をアセトンに分
散した液をコートし、乾燥してアセトンを蒸発させて、
該粒子をダイヤモンド薄膜上に付着させた。ついで、上
記と同様にしてダイヤモンド薄膜を5μmの膜厚となる
ように形成した。
【0036】このようにして得られたダイヤモンド含有
複合体被覆部材は、研磨により表面に立方晶窒化ホウ素
の粒子が露出するように、ダイヤモンド被膜表面層を取
り除き、これを用いて、高速回転する鋳鉄製の研磨板の
面修正を行った。面修正条件は以下の通りである。
【0037】面修正条件; 鋳鉄製の研磨板の回転数;100rpm、 修正時間;4時間、 荷重;5kg、 乾湿の別;乾式、 比較のため、基板上にダイヤモンド薄膜を形成してなる
ダイヤモンド電着砥石を用いて、上記と同様に研磨板の
面修正を行った。
【0038】この結果、ダイヤモンド含有複合体被覆部
材を用いた場合のその摩耗厚みは約4μmに過ぎず、一
方ダイヤモンド電着砥石を用いた場合のその摩耗厚みは
10mmであった。よって、本発明のダイヤモンド含有
複合体被覆部材は、面修正時に発生する摩擦熱に対する
耐熱性に優れると共に、耐摩耗性にもすぐれていること
が判明した。
【0039】(実施例2)実施例1と同様にして、基板
上に粒子径10〜20μmの立方晶窒化ホウ素粒子を付
着し、ダイヤモンド薄膜を40μm形成した後、この上
に粒子径5〜12μmの立方晶窒化ホウ素粒子を同様に
付着し、ダイヤモンド薄膜を20μm形成した。つい
で、その上に粒子径1〜2μmの立方晶窒化ホウ素粒子
を付着させ、ダイヤモンド薄膜を5μm形成した。
【0040】このようにして得られたダイヤモンド含有
複合体被覆部材についても、実施例1と同様に評価した
結果、その摩耗厚みが6μmであるように摩耗量が少な
く、耐熱性、耐摩耗性にすぐれていることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/04 W 7821−4G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と該基板に密着した立方晶窒化ホウ
    素粒子およびダイヤモンドからなる複合体層とからな
    り、該複合体が、該複合体層における基板に近接する部
    位に粒径10〜100μmの立方晶窒化ホウ素粒子を含
    有し、該複合体における表層部には粒径2μm以下の立
    方晶窒化ホウ素粒子を含有してなることを特徴とするダ
    イヤモンド含有複合体被覆部材。
  2. 【請求項2】 基板上に、粒径10〜100μmの立方
    晶窒化ホウ素粒子を分散付着させてから、基板上に気相
    法によりダイヤモンド膜を形成し、次いで該ダイヤモン
    ド膜上に、粒径2μm以下の立方晶窒化ホウ素粒子を分
    散付着し、その上に気相法によりダイヤモンド膜を形成
    することを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド含
    有複合体被覆部材の製造方法。
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