JPH05280403A - 車両のエンジン吸気系における吸気漏れ検出装置 - Google Patents

車両のエンジン吸気系における吸気漏れ検出装置

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JPH05280403A
JPH05280403A JP4108791A JP10879192A JPH05280403A JP H05280403 A JPH05280403 A JP H05280403A JP 4108791 A JP4108791 A JP 4108791A JP 10879192 A JP10879192 A JP 10879192A JP H05280403 A JPH05280403 A JP H05280403A
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JP
Japan
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intake air
intake
shift
injection amount
engine
Prior art date
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Pending
Application number
JP4108791A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihisa Nakagawa
徳久 中川
Hiroki Matsuoka
廣樹 松岡
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Control Of Transmission Device (AREA)
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン吸気系に吸気漏れが生じているか否
かを判断し、吸気漏れが生じている場合の変速車速の誤
った補正を防止する。 【構成】 変速車速に掛算される変速点補正係数Kshif
t (=基本吸入空気量QNTA/実測吸入空気量Qm)
が略1.0の予め定められた判断値Aより大きく、且
つ、燃料噴射量をフィードバック制御する際に実測吸入
空気量Qmに基づいて算出された基本噴射量に掛算され
る噴射量補正係数FAFの制御中心値FAFavと上記変
速点補正係数Kshift との係数比Kcが略1.0(B<
Kc<C)の場合に、エンジン吸気系に吸気漏れが生じ
ていると判断し、その場合には変速点補正係数Kshift
を1.0として実質的に変速車速の補正を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のエンジン吸気系
に吸気漏れが生じて正規の吸入経路以外から空気が侵入
していることを検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機を備えたオートマチック車両
が近年多用されているが、かかる自動変速機の変速制御
装置は、一般に、スロットル弁開度および車速を変速パ
ラメータとして予め定められた変速条件に従って、実際
のスロットル弁開度および車速に応じて変速段を切り換
えるようになっている。例えば、図7および図8は、上
記変速条件としてのアップシフト側変速マップおよびダ
ウンシフト側変速マップの一例で、「1st」,「2n
d」,「3rd」,および「4th」の前進4つの変速
段を有する自動変速機に関するものであり、それぞれ車
速Vおよびスロットル弁開度TAを変速パラメータとし
て定められている。
【0003】ところで、上記変速条件は平地平坦路で一
般的な走行を行う場合を想定して定められているため、
スロットル弁開度が同じでも実際の吸入空気量が少なく
なる高地走行では必ずしも適切な変速制御が行われると
は言い難く、また、エンジンの低燃費化を図ったり車両
の運転状態に応じて最適なエンジン出力を引き出したり
するために、吸排気バルブの開閉タイミングを変化させ
る可変バルブタイミング機構や、アイドル時のエンジン
回転数を変化させるアイドル回転数制御機構など、各種
の吸入空気量可変機構を備えた車両においても、スロッ
トル弁開度と実際の吸入空気量すなわちエンジン出力と
の間にずれが生じることから変速特性が変化する。この
ため、エンジンの回転数およびスロットル弁開度に基づ
いて基本吸入空気量QNTA、すなわち上記吸入空気量
可変機構や高度が予め定められた標準状態である場合の
吸入空気量をデータマップ等から求めるとともに、吸気
通路に設けられた吸入空気量測定手段によって実際の吸
入空気量Qmを測定し、それ等の値に基づいて変速判断
を補正することが考えられている。すなわち、実測吸入
空気量Qmが基本吸入空気量QNTAに比較して小さい
場合は、エンジンの出力トルク不足を補うためにダウン
シフトし易くアップシフトし難くなるように、上記変速
条件やその変速条件と比較する実際の変速パラメータの
値を補正するのである。特開平2−266155号公報
に記載されている装置はその一例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
ねじ締め不良や腐食などによりエンジン吸気系に吸気漏
れが生じ、正規の吸入経路以外から空気が侵入すると、
上記測定した実測吸入空気量Qmはエンジンに吸入され
る実際の吸入空気量よりも少なくなるため、この吸気漏
れに拘らず上記実測吸入空気量Qmおよび前記基本吸入
空気量QNTAに基づいて変速判断を補正すると、却っ
て変速特性が悪くなることがある。例えば、排気ガスの
酸素濃度に基づいて予め定められた目標空燃比となるよ
うに燃料噴射量がフィードバック制御される車両におい
ては、吸気漏れに拘らずスロットル弁開度に略対応する
エンジンの実際の吸入空気量に応じた出力トルクが発生
するため、基本の変速条件に従って変速制御を行えば良
いが、エンジンの実際の吸入空気量よりも少ない実測吸
入空気量Qmに基づいて変速判断が補正されると、スロ
ットル弁開度に対応した充分な出力トルクが得られるに
も拘らず低速段の使用域が拡大されて変速特性が悪くな
ってしまうのである。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、エンジン吸気系に吸
気漏れが生じているか否かを検出できるようにすること
にあり、併せて、吸気漏れが生じている場合の変速判断
の誤った補正を防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するためには、前記吸入空気量Qmに基づいて基本噴射
量を算出するとともに目標空燃比となるように燃料噴射
量をフィードバック制御する車両においては、その燃料
噴射量が基本噴射量よりも多いか否か、言い換えれば実
際にエンジンに吸入される吸入空気量が測定した吸入空
気量Qmよりも多いか否かを判断するようにすれば良
く、第1発明は、図1(1)のクレーム対応図に示すよ
うに、車両のエンジン吸気系に吸気漏れが生じて正規の
吸入経路以外から空気が侵入していることを検出する装
置であって、(a)前記エンジン吸気系に配設されて正
規の吸入経路から吸入される吸入空気量Qmを測定する
吸入空気量測定手段と、(b)前記エンジン吸気系の中
で前記吸入空気量測定手段よりも下流側に配設されたス
ロットル弁の開度とエンジン回転数とに基づいて、車両
が予め定められた標準状態であれば前記吸入空気量測定
手段によって測定される実測吸入空気量Qmと一致する
ように予め定められた基本データから基本吸入空気量Q
NTAを求める基本吸入空気量算出手段と、(c)前記
実測吸入空気量Qmに基づいて、予め定められた目標空
燃比となる燃料の基本噴射量を算出する基本噴射量算出
手段と、(d)エンジンの排気ガスの酸素濃度に基づい
て実際の空燃比を判断し、その実際の空燃比が前記目標
空燃比と一致するように前記基本噴射量を補正する噴射
量補正手段と、(e)その噴射量補正手段によって補正
された噴射量に従って燃料を噴射する燃料噴射手段と、
(f)前記実測吸入空気量Qmが前記基本吸入空気量Q
NTAより少なく、且つ、前記噴射量補正手段による補
正が前記基本噴射量よりも燃料を増加させるものである
場合に、前記エンジンの吸気系に吸気漏れが生じている
と判断する吸気漏れ判断手段とを有することを特徴とす
る。
【0007】
【作用】このような車両のエンジン吸気系における吸気
漏れ検出装置においては、実測吸入空気量Qmが基本吸
入空気量QNTAより少なく、且つ、噴射量補正手段に
よる補正が基本噴射量よりも燃料を増加させるものであ
る場合に、吸気漏れ判断手段によってエンジンの吸気系
に吸気漏れが生じていると判断される。すなわち、エン
ジンの吸気系に吸気漏れが生じている場合には、正規の
吸入経路以外からも空気が侵入するため、正規の吸入経
路から吸入される吸入空気量すなわち吸入空気量測定手
段によって測定される実測吸入空気量Qmは、スロット
ル弁開度に基づいて算出される基本吸入空気量QNTA
よりも小さくなるのであり、また、エンジンに実際に吸
入される吸入空気量は上記実測吸入空気量Qmより多い
ため、その実測吸入空気量Qmに基づいて目標空燃比と
なるように基本噴射量算出手段によって算出される基本
噴射量で燃料を噴射した場合には燃料不足となり、噴射
量補正手段は基本噴射量よりも燃料を増加させる補正を
行うことになるのである。
【0008】一方、空気が薄い高地や吸入空気量可変機
構の作動状態によっては、吸気漏れが生じていない場合
でも実測吸入空気量Qmが基本吸入空気量QNTAより
少なくなるが、吸気漏れが生じていない限りエンジンに
実際に吸入される吸入空気量は実測吸入空気量Qmと略
一致するため、基本噴射量算出手段によって算出される
基本噴射量で燃料が噴射されることにより、実際の空燃
比は目標空燃比と略一致し、噴射量補正手段による補正
は殆ど必要ない。したがって、この噴射量補正手段によ
り燃料を増加させる補正が行われているか否かにより、
高地等に起因して実測吸入空気量Qmが基本吸入空気量
QNTAよりも少なくなっているのか、或いは吸気系に
吸気漏れが生じているのかを判断できるのである。
【0009】なお、上記噴射量補正手段は、排気ガスの
酸素濃度に基づいて実際の空燃比を判断し、その実際の
空燃比が目標空燃比と一致するように噴射量を増減する
ものであるため、その補正の方向は逐次変化しており、
上記吸気漏れの判断に際しては、補正の平均値が燃料増
量側であるか、所定期間以上燃料増量側への補正を行っ
ているか、通常の補正範囲を超えて燃料増量側への補正
を行っているか、などにより判断することが望ましい。
【0010】
【第1発明の効果】このように、第1発明によれば実測
吸入空気量Qm,基本吸入空気量QNTA,および燃料
噴射制御における噴射量補正手段の補正の方向に基づい
て、エンジン吸気系に吸気漏れが生じていることを検出
できるのである。これにより、エンジン吸気系の吸気漏
れ異常が早期に発見されるのみならず、実測吸入空気量
Qmがエンジンへの実際の吸入空気量を表しているか否
かを判断できるため、例えばその実測吸入空気量Qmを
用いた各種の制御を吸気漏れの有無に従って制限するこ
とにより、制御の信頼性を向上させることができる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】前記目的を達成す
るために、第2発明は、図1(2)のクレーム対応図に
示すように、車両のエンジン吸気系に吸気漏れが生じて
正規の吸入経路以外から空気が侵入していることを検出
する装置であって、(a)予め定められた変速条件と実
際の変速パラメータの値とに基づいて変速判断を行い、
その変速判断に従って自動変速機の変速段を切り換える
変速制御手段と、(b)前記エンジン吸気系に配設され
て正規の吸入経路から吸入される吸入空気量Qmを測定
する吸入空気量測定手段と、(c)前記エンジン吸気系
の中で前記吸入空気量測定手段よりも下流側に配設され
たスロットル弁の開度とエンジン回転数とに基づいて、
車両が予め定められた標準状態であれば前記吸入空気量
測定手段によって測定される実測吸入空気量Qmと一致
するように予め定められた基本データから基本吸入空気
量QNTAを求める基本吸入空気量算出手段と、(d)
前記基本吸入空気量QNTAと前記実測吸入空気量Qm
との比QNTA/Qmを変速点補正係数Kshift として
算出し、その変速点補正係数Kshift に応じて前記変速
判断を補正する変速補正手段と、(e)前記実測吸入空
気量Qmに基づいて、予め定められた目標空燃比となる
燃料の基本噴射量を算出する基本噴射量算出手段と、
(f)エンジンの排気ガスの酸素濃度に基づいて実際の
空燃比を判断し、その実際の空燃比が前記目標空燃比と
一致するように、前記基本噴射量に掛算される噴射量補
正係数FAFを増減させて噴射量を補正する噴射量補正
手段と、(g)その噴射量補正手段によって補正された
噴射量に従って燃料を噴射する燃料噴射手段と、(h)
前記変速点補正係数Kshift および前記噴射量補正係数
FAFが共に1.0以上の所定値より大きく且つ略同じ
値の場合に、前記エンジンの吸気系に吸気漏れが生じて
いると判断する吸気漏れ判断手段と、(i)その吸気漏
れ判断手段により吸気漏れが生じていると判断された場
合に、前記変速点補正係数Kshift による前記変速判断
の補正を禁止する変速補正禁止手段とを有することを特
徴とする。
【0012】
【作用】この第2発明は、変速補正手段によって算出さ
れる変速点補正係数Kshift と、噴射量補正手段によっ
て増減される噴射量補正係数FAFとを用いて、それ等
が共に1.0以上の所定値より大きく且つ略同じ値の場
合に、吸気漏れ判断手段によりエンジンの吸気系に吸気
漏れが生じていると判断するものである。変速点補正係
数Kshift は、基本吸入空気量QNTAと実測吸入空気
量Qmとの比QNTA/Qmであるため、これが1.0
より大きい場合は実測吸入空気量Qmが基本吸入空気量
QNTAより少ないことを意味する一方、噴射量補正係
数FAFは、基本噴射量に掛算されることにより排気ガ
ス酸素濃度から判断される実際の空燃比が目標空燃比と
一致するように噴射量を補正するものであるため、これ
が1.0より大きい場合は基本噴射量よりも燃料を増加
させることを意味し、実質的に前記第1発明と同様にし
て吸気漏れの有無が判断されるのである。
【0013】また、吸気漏れにより正規の吸入経路以外
から流入する空気量をQLとすると、高度や吸入空気量
可変機構の作動状態が標準状態の場合にはQm+QL=
QNTAであるため、変速点補正係数Kshift =(Qm
+QL)/Qm=1+(QL/Qm)となる一方、実測
吸入空気量Qmに基づいて算出される基本噴射量をTP
とすると、目標空燃比=Qm/TP=(Qm+QL)/
(TP×FAF)であるため、噴射量補正係数FAF=
1+(QL/Qm)となる。すなわち、エンジン吸気系
に吸気漏れが生じている場合にはKshift ≒FAFとな
るのであり、吸気漏れ判断手段による吸気漏れの判断に
際してKshift ≒FAFか否かが付加されることによ
り、吸気漏れの有無が一層正確に判断されるようにな
る。
【0014】なお、噴射量補正手段は、排気ガスの酸素
濃度に基づいて実際の空燃比を判断し、その実際の空燃
比が目標空燃比と一致するように噴射量補正係数FAF
を増減させるものであるため、噴射量補正係数FAFは
吸気漏れの無い通常の制御でも1.0前後で逐次変動さ
せられることとなり、吸気漏れの判断に際して噴射量補
正係数FAFの平均値などを用いることが望ましいこと
は前記第1発明の場合と同様である。
【0015】一方、この第2発明では、上記吸気漏れ判
断手段により吸気漏れが生じていると判断された場合に
は、変速補正禁止手段によって変速点補正係数Kshift
による変速判断の補正が禁止されるため、エンジンの実
際の吸入空気量とは異なる実測吸入空気量Qmに基づい
た過誤の補正が防止される。すなわち、排気ガスの酸素
濃度に基づいて予め定められた目標空燃比となるように
燃料噴射量が制御されることから、吸気漏れに影響され
ることなくスロットル弁開度に略対応するエンジンの実
際の吸入空気量に応じた出力トルクが発生するため、エ
ンジンの実際の吸入空気量よりも少ない実測吸入空気量
Qmに基づく変速点補正係数Kshift によって変速判断
が補正されると、スロットル弁開度に対応した充分な出
力トルクが得られるにも拘らず低速段の使用域が拡大さ
れて変速特性が悪くなってしまうのであるが、変速補正
禁止手段によってその補正が禁止されることにより、そ
の過誤の補正に起因する変速特性の悪化が回避されるの
である。
【0016】
【第2発明の効果】このように、第2発明によれば、変
速点補正係数Kshift および噴射量補正係数FAFに基
づいてエンジン吸気系の吸気漏れがより正確に検出され
るとともに、吸気漏れの場合には変速点補正係数Kshif
t による補正が禁止され、変速判断の誤った補正が防止
されて適切な変速制御が行われるようになる。
【0017】
【課題を解決するための第3の手段】前記目的を達成す
るために、第3発明は、図1(3)のクレーム対応図に
示すように、車両のエンジン吸気系に吸気漏れが生じて
正規の吸入経路以外から空気が侵入していることを検出
する装置であって、(a)予め定められた変速条件と実
際の変速パラメータの値とに基づいて変速判断を行い、
その変速判断に従って自動変速機の変速段を切り換える
変速制御手段と、(b)前記エンジン吸気系に配設され
て正規の吸入経路から吸入される吸入空気量Qmを測定
する吸入空気量測定手段と、(c)前記エンジン吸気系
の中で前記吸入空気量測定手段よりも下流側に配設され
たスロットル弁の開度とエンジン回転数とに基づいて、
車両が予め定められた標準状態であれば前記吸入空気量
測定手段によって測定される実測吸入空気量Qmと一致
するように予め定められた基本データから基本吸入空気
量QNTAを求める基本吸入空気量算出手段と、(d)
前記基本吸入空気量QNTAと前記実測吸入空気量Qm
との比QNTA/Qmを変速点補正係数Kshift として
算出し、その変速点補正係数Kshift に応じて前記変速
判断を補正する変速補正手段と、(e)前記実測吸入空
気量Qmに基づいて、予め定められた目標空燃比となる
燃料の基本噴射量を算出する基本噴射量算出手段と、
(f)エンジンの排気ガスの酸素濃度に基づいて実際の
空燃比を判断し、その実際の空燃比が前記目標空燃比と
一致するように、前記基本噴射量に掛算される噴射量補
正係数FAFを増減させて噴射量を補正する噴射量補正
手段と、(g)その噴射量補正手段によって補正された
噴射量に従って燃料を噴射する燃料噴射手段と、(h)
前記噴射量補正係数FAFが予め定められた最大値FA
Fmax を超えないように制限する噴射量補正係数制限手
段と、(i)前記変速点補正係数Kshift が1.0以上
の所定値より大きく、且つ、前記噴射量補正係数FAF
が前記最大値FAFmax である場合に、前記エンジンの
吸気系に吸気漏れが生じていると判断する吸気漏れ判断
手段と、(j)その吸気漏れ判断手段により吸気漏れが
生じていると判断された場合に、前記変速点補正係数K
shift と前記最大値FAFmax との差(Kshift −FA
Fmax )に応じてその変速点補正係数Kshift を設定し
直す変速点補正係数修正手段とを有することを特徴とす
る。
【0018】
【作用】この第3発明は、前記第2発明と同様に変速点
補正係数Kshift および噴射量補正係数FAFに基づい
て吸気漏れの有無を判断するものであり、噴射量補正係
数FAFが噴射量補正係数制限手段によって最大値FA
Fmax 以下に制限される場合には、変速点補正係数Ksh
ift が1.0以上の所定値より大きく、且つ、噴射量補
正係数FAFが最大値FAFmax である場合に、吸気漏
れ判断手段によりエンジンの吸気系に吸気漏れが生じて
いると判断するようになっている。変速点補正係数Ksh
ift が1.0より大きく、且つ、噴射量補正係数FAF
が最大値FAFmax である場合は、実測吸入空気量Qm
が基本吸入空気量QNTAより少なく、且つ、噴射量補
正手段による補正が基本噴射量よりも燃料を増加させる
場合であり、実質的に第1発明と同様にして吸気漏れの
有無が判断される。
【0019】一方、吸気漏れ判断手段により吸気漏れが
生じていると判断された場合には、変速点補正係数修正
手段により変速点補正係数Kshift と最大値FAFmax
との差(Kshift −FAFmax )に応じて変速点補正係
数Kshift が設定し直され、その新たに設定された変速
点補正係数Kshift に従って変速判断が補正される。吸
気漏れが生じている場合には、前記第2発明で説明した
ようにKshift ≒FAFとなり、その場合には変速点補
正係数Kshift による補正を禁止すれば良いが、噴射量
補正係数FAFが最大値FAFmax 以下に制限される場
合にFAF=FAFmax となっている時には、上記差
(Kshift −FAFmax )に応じた分だけ燃料不足とな
り、実際の空燃比は目標空燃比よりも燃料が不足するリ
ーン側へずれる。空燃比がリーン側へずれると目標空燃
比の場合に比較してエンジンの出力トルクは低下するた
め、そのトルク不足を補うためにダウンシフトし易くア
ップシフトし難くなるように変速判断を補正することが
望ましく、空燃比のずれに対応する上記差(Kshift −
FAFmax )に応じて変速点補正係数Kshift を設定し
直し、その変速点補正係数Kshift に従って変速判断を
補正するようにしたのである。
【0020】
【第3発明の効果】このように、第3発明によれば、変
速点補正係数Kshift および噴射量補正係数FAFに基
づいてエンジン吸気系の吸気漏れが検出されるととも
に、吸気漏れの場合には変速点補正係数Kshift が差
(Kshift −FAFmax )に応じて設定し直され、その
変速点補正係数Kshift に従って変速判断が補正される
ため、噴射量補正係数FAFの制限に伴うトルク不足に
拘らず適切な変速制御が行われるようになる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0022】図2において、ガソリンエンジン10の燃
焼室12内には、エアクリーナ14,エアフローメータ
16,吸気通路18,スロットル弁20,バイパス通路
22,サージタンク24,インテークマニホルド26,
および吸気弁28を介して空気が吸入されるとともに、
その空気には、インテークマニホルド26に設けられた
燃料噴射弁30から噴射される燃料ガスが混合されるよ
うになっている。エアフローメータ16は吸入空気量を
測定するもので、大気圧を測定する大気圧センサ21と
共に吸入空気量Qmを測定する吸入空気量測定手段を構
成している。すなわち、可動ベーン式のエアフローメー
タ16によって求められた吸入空気量Qm’を大気圧セ
ンサ21によって求められた大気圧で補正することによ
り、空気濃度の影響を排除した実質の吸入空気量Qmす
なわち標準高度(例えば1気圧)おける吸入空気量を算
出するようになっているのである。そして、その測定さ
れた実測吸入空気量Qmを表す吸入空気量信号SQmを
エンジン制御用コンピュータ32およびトランスミッシ
ョン制御用コンピュータ34に供給する。
【0023】上記空気吸入経路において前記エアフロー
メータ16よりも下流側に設けられたスロットル弁20
は、図示しない自動車のアクセルペダルに機械的に連結
されており、その操作量に対応して開閉されることによ
り吸入空気量を連続的に変化させるようになっていると
ともに、そのスロットル弁20にはスロットルポジショ
ンセンサ36が設けられて、スロットル弁開度TAを表
すスロットル弁開度信号STAをエンジン制御用コンピ
ュータ32およびトランスミッション制御用コンピュー
タ34に供給するようになっている。スロットルポジシ
ョンセンサ36は、スロットル弁20が略全閉のアイド
ル状態になるとONとなるアイドルスイッチを備えてお
り、そのアイドル信号は上記スロットル弁開度信号ST
Aと共にエンジン制御用コンピュータ32およびトラン
スミッション制御用コンピュータ34に供給される。バ
イパス通路22はスロットル弁20と並列に配設されて
いるとともに、そのバイパス通路22にはアイドル回転
数制御弁38が設けられており、エンジン制御用コンピ
ュータ32によってアイドル回転数制御弁38の開度が
制御されることにより、スロットル弁20をバイパスし
て流れる空気量が調整されてアイドル時のエンジン回転
数が制御される。燃料噴射弁30も、エンジン制御用コ
ンピュータ32によってその噴射タイミングや噴射量が
制御される。なお、上記エアフローメータ16の上流側
には吸入空気の温度を測定する吸気温センサ40が設け
られ、その吸気温を表す信号をエンジン制御用コンピュ
ータ32に供給するようになっている。
【0024】エンジン10は、吸気弁28,排気弁4
2,ピストン44,および点火プラグ46を備えて構成
されており、点火プラグ46は、エンジン制御用コンピ
ュータ32によって制御されるイグナイタ48からディ
ストリビュータ50を介して供給される高電圧によって
点火火花を発生し、燃焼室12内の混合ガスを爆発させ
てピストン44を上下動させることによりクランク軸を
回転させる。吸気弁28および排気弁42は、クランク
軸の回転に同期して回転駆動されるカムシャフトにより
開閉されるようになっているとともに、エンジン制御用
コンピュータ32によって制御される可変バルブタイミ
ング機構52により、カムシャフトとクランク軸との回
転位相が変更されて開閉タイミングが調整されるように
なっている。そして、燃焼室12内で燃焼した排気ガス
は、排気弁42からエキゾーストマニホルド54,排気
通路56,触媒装置58を経て大気に排出される。エン
ジン10にはエンジン冷却水温を測定する水温センサ6
0が設けられており、そのエンジン冷却水温を表すエン
ジン冷却水温信号をエンジン制御用コンピュータ32に
供給するようになっているとともに、エキゾーストマニ
ホルド54には排気ガスの酸素濃度を検出する酸素セン
サ62が設けられており、酸素濃度に応じてON,OF
F変化する酸素濃度信号SO2 をエンジン制御用コンピ
ュータ32に供給するようになっている。酸素センサ6
2は、燃焼室12内に吸入された混合気の実際の空燃比
A/F(空気/燃料)が予め定められた目標空燃比であ
る場合の排気ガスの酸素濃度を境として酸素濃度信号S
2 の出力値が急激に変化するように構成されており、
それよりも酸素濃度が低い場合すなわち空燃比A/Fが
目標空燃比よりも小さい場合はONで、それよりも酸素
濃度が高い場合すなわち空燃比A/Fが目標空燃比より
も大きい場合はOFFとなる。また、ディストリビュー
タ50にはクランク軸の回転に同期してパルスを発生す
る回転角センサが設けられており、そのパルス信号をエ
ンジン10の回転数NEを表すエンジン回転数信号SN
Eとしてエンジン制御用コンピュータ32およびトラン
スミッション制御用コンピュータ34に供給するように
なっている。
【0025】上記エンジン制御用コンピュータ32,ト
ランスミッション制御用コンピュータ34は、何れもC
PU,RAM,ROM,入出力インタフェース回路,A
/Dコンバータ等を備えて構成されており、RAMの一
時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログ
ラムに従って信号処理を行うもので、それらのエンジン
制御用コンピュータ32およびトランスミッション制御
用コンピュータ34には、前記各信号の他、エアコンス
イッチ64からエアコンのON,OFFを表すエアコン
信号等が供給されるようになっている。トランスミッシ
ョン制御用コンピュータ34には更に、運転者によって
手動で選択操作されるパターンセレクトスイッチ66か
ら、走行性能を重視するパワーパターン、燃費や静粛性
を重視するエコノミーパターン等の各種走行パターンの
中から選択された走行パターンを示す信号が供給される
とともに、前記エンジン10の回転速度を変速する自動
変速機68の出力軸の回転速度、すなわち車速Vを表す
車速信号SVが車速センサ72から供給されるようにな
っている。自動変速機68は、遊星歯車装置や油圧式摩
擦係合装置などを備えたよく知られたもので、油圧回路
が切り換えられて油圧式摩擦係合装置の係合状態が変更
されることにより、前進4段および後進1段が成立させ
られるように構成されている。また、自動変速機68に
はニュートラルスタートスイッチ70が配設されてお
り、シフトレバー操作によって切り換えられるマニュア
ルシフトバルブの位置から「D(ドライブ)」,「S
(セカンド)」,「L(ロー)」,「R(リバー
ス)」,「N(ニュートラル)」等のシフトレンジを検
出して、そのシフトレンジを表すシフトレンジ信号SG
をトランスミッション制御用コンピュータ34に出力す
るようになっている。
【0026】なお、両制御用コンピュータ32と34と
の間でも必要な情報が授受されるようになっており、前
記吸入空気量信号SQm,スロットル弁開度信号ST
A,エンジン回転数信号SNE等は、少なくとも何れか
の制御用コンピュータ32または34に供給されるよう
になっておれば良い。また、例えばブレーキペダルのO
N,OFFやステアリングホイールの操舵角、路面の勾
配、排気温度など、自動車の運転状態を表す他の種々の
信号を取り込んでエンジン制御やトランスミッションの
変速制御に用いることも可能である。
【0027】そして、上記エンジン制御用コンピュータ
32は、前記実測吸入空気量Qmやスロットル弁開度T
A、エンジン回転数NE、酸素濃度信号SO2 のON,
OFF、エンジン冷却水温度、吸入空気温度、エアコン
のON−OFFなどに応じて、例えば必要なエンジン出
力を確保しつつ燃費や有害排出ガスを低減するように予
め定められたデータマップや演算式などに基づいて、前
記燃料噴射弁30による燃料ガスの噴射量や噴射タイミ
ング、イグナイタ48による点火時期、アイドル回転数
制御弁38によるアイドル回転数、および可変バルブタ
イミング機構52による吸排気弁28,42の開閉タイ
ミングなどを制御する。以下、実測吸入空気量Qmおよ
び酸素濃度信号SO2 のON,OFFに基づく燃料噴射
量の基本的な制御について、図3および図4のフローチ
ャートを参照しつつ具体的に説明する。
【0028】先ず、ステップSE1では吸入空気量信号
SQmを読み込み、ステップSE2では、その吸入空気
量信号SQmが表す実測吸入空気量Qmに基づいて、予
め定められたデータマップや演算式などから基本噴射量
TPを算出する。この基本噴射量TPを求めるためのデ
ータマップや演算式は、燃焼室12内に吸入される混合
気が予め定められた目標空燃比、例えば14.6程度の
理論空燃比となるように、上記実測吸入空気量Qmをパ
ラメータとして定められている。続くステップSE3で
は、実際の空燃比A/Fが目標空燃比と一致するように
燃料噴射量をフィードバック制御するための噴射量補正
係数FAFを読み込み、ステップSE4において、上記
基本噴射量TPに噴射量補正係数FAFを掛算して燃料
噴射量TAUを算出するとともに、その燃料噴射量TA
Uだけ燃料を噴射するように燃料噴射弁30の噴射時間
を制御する。燃焼室12内に吸入される実際の吸入空気
量が実測吸入空気量Qmと略一致する場合には、基本噴
射量TPの燃料が燃料噴射弁30から噴射されることに
より、混合気の空燃比A/Fは目標空燃比と略一致させ
られるため、上記噴射量補正係数FAFは通常は1.0
前後の値とされる。そして、上記各ステップSE1〜S
E4が予め定められた所定のサイクルタイムで繰り返し
実行されることにより、燃焼室12内に吸入される混合
気の実際の空燃比A/Fが常に目標空燃比と略一致する
ように、燃料噴射量TAUがフィードバック制御され
る。
【0029】上記噴射量補正係数FAFは、例えば図4
のフローチャートに従って算出されるとともに、このフ
ローが所定のサイクルタイムで繰り返し実行されること
により逐次更新される。かかる図4において、ステップ
SF1では酸素濃度信号SO2 を読み込み、ステップS
F2ではその酸素濃度信号SO2 がON、すなわち排気
ガスの酸素濃度が低い場合で、実際の空燃比A/Fが目
標空燃比よりも小さくて燃料の割合が多いリッチ状態で
あるか否かを判断する。燃料リッチ状態の場合には、ス
テップSF3においてフラグFが「1」か否かを判断
し、フラグF=1の場合にはステップSF4で噴射量補
正係数FAFをα1だけ減少させるが、フラグF=1で
ない場合にはステップSF5においてフラグFを「1」
とした後、ステップSF6において噴射量補正係数FA
Fをβ1だけ減少させる。上記減少量α1,β1はそれ
ぞれ予め定められた定数であり、α1は燃料噴射量TA
Uを徐々に減少させるために比較的小さめの値とされて
いる一方、β1は燃料リーン状態から燃料リッチ状態に
移行した際に燃料噴射量TAUを比較的大きく減少させ
るために上記α1よりも大きめの値とされている。
【0030】一方、前記ステップSF2の判断がNOの
場合、すなわち混合気の燃料の割合が少ないリーン状態
で排気ガスの酸素濃度が高い場合には、ステップSF7
以下を実行する。ステップSF7ではフラグFが「0」
であるか否かを判断し、フラグF=0の場合にはステッ
プSF8で噴射量補正係数FAFをα2だけ増加させる
が、フラグF=0でない場合にはステップSF9におい
てフラグFを「0」とした後、ステップSF10におい
て噴射量補正係数FAFをβ2だけ増加させる。上記増
加量α2,β2はそれぞれ予め定められた定数であり、
前記減少量α1,β1と同様にα2<β2の関係をもっ
て定められている。
【0031】そして、上記ステップSF4,SF6,S
F8,またはSF10で噴射量補正係数FAFが更新さ
れると、続いてステップSF11を実行し、その噴射量
補正係数FAFが予め定められた最小値FAFmin 以下
か否かを判断するとともに、FAF≦FAFmin の場合
には、ステップSF12においてその最小値FAFmin
を噴射量補正係数FAFに設定する。また、ステップS
F13では、噴射量補正係数FAFが予め定められた最
大値FAFmax 以上か否かを判断するとともに、FAF
≧FAFmax の場合には、ステップSF14においてそ
の最大値FAFmax を噴射量補正係数FAFに設定す
る。かかる噴射量補正係数FAFの制限は、通常の制御
では必要のない過大な補正がセンサ異常などによって行
われることを防止するためであり、例えば最小値FAF
min は0.8程度の値に設定され、最大値FAFmax は
1.2程度の値に設定される。
【0032】本実施例では、エンジン制御用コンピュー
タ32による一連信号処理のうち、図3のステップSE
2を実行する部分が基本噴射量算出手段に相当し、ステ
ップSE4および図4の各ステップSF1〜SF14を
実行する部分が噴射量補正手段に相当する。また、燃料
噴射弁30は、前記燃料噴射量TAUに従って燃料を噴
射する燃料噴射手段に相当する。
【0033】図2に戻って、前記トランスミッション制
御用コンピュータ34は、吸入空気量Qmやスロットル
弁開度TA,エンジン回転数NE,車速V,選択された
走行パターンなどに応じて、基本的には予め定められた
変速条件に従って自動変速機68の変速段を切換制御す
る。以下、シフトレバーの操作位置が「D(ドライ
ブ)」で、前進4段で変速が行われる場合の変速制御に
ついて、図5および図6のフローチャートを参照しつつ
具体的に説明する。
【0034】先ず、ステップS1において、自動変速機
68の変速段を切り換えるソレノイド信号の出力状態に
基づいて現在の変速段を読み込むとともに、ステップS
2においてスロットル弁開度TAを表すスロットル弁開
度信号STAおよび車速Vを表す車速信号SVを読み込
む。続くステップS3では、上記ステップS1で読み込
んだ現在の変速段が「4th」であるか否かが判断さ
れ、YESの場合にはアップシフトの可能性がないため
直ちにステップS8以下のダウンシフトに関する各ステ
ップを実行するが、NOの場合にはステップS4以下の
アップシフトに関する各ステップを実行する。ステップ
S4では、図7に示されているように車速Vおよびスロ
ットル弁開度TAを変速パラメータとして予め記憶され
た3種類のアップシフト側変速マップ、すなわち「1s
t→2nd」,「2nd→3rd」,および「3rd→
4th」に関する変速マップの中から、現在の変速段か
らアップシフトする場合の変速マップを選択する。例え
ば現在の変速段が「3rd」の場合には、(c)の「3
rd→4th」に関する変速マップが選択される。この
アップシフト側変速マップは、パターンセレクトスイッ
チ66によって選択されるパワーパターンやエコノミー
パターン等の走行パターンに応じて予め複数種類記憶さ
れている。また、ステップS5では、その選択した変速
マップとステップS2で読み込んだスロットル弁開度信
号STAが表す現在のスロットル弁開度TAとからシフ
トアップ車速Vuを求め、ステップS6において、変速
点補正係数Kshift をシフトアップ車速Vuに掛算する
ことにより補正シフトアップ車速MVuを算出する。そ
して、次のステップS7では、その補正シフトアップ車
速MVuと前記ステップS2で読み込んだ車速信号SV
が表す現在の車速Vとを比較して、MVu≦Vであるか
否かによりアップシフトを行うか否かを判断し、MVu
≦VであればステップS13において自動変速機68の
変速段を切り換えてアップシフトさせるが、V<MVu
の場合にはステップS8以下を実行する。
【0035】ステップS8では、前記ステップS1で読
み込んだ現在の変速段が「1st」であるか否かが判断
され、YESの場合にはダウンシフトの可能性がないた
め直ちに終了してステップS1以下の実行を繰り返す
が、NOの場合にはステップS9において、図8に示さ
れているように車速Vおよびスロットル弁開度TAを変
速パラメータとして予め記憶された3種類のダウンシフ
ト側変速マップ、すなわち「2nd→1st」,「3r
d→2nd」,および「4th→3rd」に関する変速
マップの中から、現在の変速段からダウンシフトする場
合の変速マップを選択する。例えば現在の変速段が「3
rd」の場合には、(b)の「3rd→2nd」に関す
る変速マップが選択される。このダウンシフト側変速マ
ップは、前記アップシフト側変速マップと同様にパター
ンセレクトスイッチ66によって選択される複数の走行
パターンに応じて予め複数種類記憶されている。また、
ステップS10では、その選択した変速マップとステッ
プS2で読み込んだスロットル弁開度信号STAが表す
現在のスロットル弁開度TAとからシフトダウン車速V
dを求め、ステップS11において、変速点補正係数K
shift をシフトダウン車速Vdに掛算することにより補
正シフトダウン車速MVdを算出する。そして、次のス
テップS12では、シフトダウン車速MVdと前記ステ
ップS2で読み込んだ車速信号SVが表す現在の車速V
とを比較して、V≦MVdであるか否かによりダウンシ
フトを行うか否かを判断し、V≦MVdであればステッ
プS13において自動変速機68の変速段を切り換えて
ダウンシフトさせるが、MVd<Vの場合にはステップ
S1以下の実行を繰り返す。
【0036】上記変速点補正係数Kshift は、例えば図
6のフローチャートに従って求められるとともに、この
フローが所定のサイクルタイムで繰り返し実行されるこ
とにより逐次更新される。かかる図6において、ステッ
プSS1,SS2,SS3ではそれぞれスロットル弁開
度信号STA,エンジン回転数信号SNE,吸入空気量
信号SQmを読み込み、ステップSS4において、スロ
ットル弁開度信号STAが表すスロットル弁開度TAお
よびエンジン回転数信号SNEが表すエンジン回転数N
Eに基づいて、例えば図9に示されているような予め定
められたデータマップからマップ補間により基本吸入空
気量QNTAを算出する。そして、次のステップSS5
において、その基本吸入空気量QNTAを上記吸入空気
量信号SQmが表す実測吸入空気量Qmで割算すること
により、変速点補正係数Kshiftを算出する。上記図9
のデータマップは、前記可変バルブタイミング機構52
等の吸入空気量可変機構が予め定められた標準状態で且
つ標準高度(1気圧)において、実際の吸入空気量をス
ロットル弁開度TAおよびエンジン回転数NEをパラメ
ータとして実験的に求めたものであり、そのような標準
状態ではQNTA≒Qmとなり、変速点補正係数Kshif
t ≒1.0となる。
【0037】したがって、かかる変速点補正係数Kshif
t に応じて補正された前記補正シフトアップ車速MV
u,補正シフトダウン車速MVdに基づいてステップS
7,S12の変速判断が為され、ステップS13におい
て変速が実行されると、スロットル弁開度TAが同じで
も実測吸入空気量Qmが相違するアイドル回転数制御弁
38や可変バルブタイミング機構52等の作動状態、或
いは大気圧変化等に拘らず、常に実際のエンジン出力ト
ルクに合致した適切な変速制御が行われるようになる。
例えば、高地などで実測吸入空気量Qmが基本吸入空気
量QNTAに比較して少なくなった場合には、変速点補
正係数Kshift は1.0より大きくなり、補正シフトア
ップ車速MVu,補正シフトダウン車速MVdはそれぞ
れ基本のシフトアップ車速Vu,シフトダウン車速Vd
よりも高車速となって、アップシフトし難くなるととも
にダウンシフトし易くなるため、スロットル弁開度TA
に対してエンジン出力トルクが低下するにも拘らず良好
な走行性能が得られるのである。
【0038】本実施例では、トランスミッション制御用
コンピュータ34による一連の信号処理のうち、図5の
各ステップS1〜S13を実行する部分が変速制御手段
に相当し、その内のステップS6,S11、および図6
のステップSS5を実行する部分が変速補正手段に相当
し、図6のステップSS4を実行する部分が基本吸入空
気量算出手段に相当する。また、図7および図8の変速
マップは予め定められた変速条件であり、図9のデータ
マップは予め定められた基本データである。
【0039】ここで、吸気通路18のねじ締め不良や腐
食などによりエンジン吸気系に吸気漏れが生じ、エアク
リーナ14から流入する正規の吸入経路以外から空気が
侵入すると、上記実測吸入空気量Qmはエンジン10の
燃焼室12内に吸入される実際の吸入空気量よりも少な
くなる。この場合にエンジン10は、前述したように排
気ガスの酸素濃度に基づいて燃料噴射量TAUがフィー
ドバック制御されることから、燃焼室12内に吸入され
る実際の吸入空気量、すなわち標準状態であれば基本吸
入空気量QNTAと略同じ空気量に対応する出力トルク
を発生するため、基本的には前記図7,図8に示す変速
マップに従って自動変速機68の変速制御が行われれば
良いが、燃焼室12内に吸入される実際の吸入空気量よ
りも少ない実測吸入空気量Qmに基づいて算出された変
速点補正係数Kshift によって変速車速Vu,Vdが高
車速側へ補正されると、スロットル弁開度TAに応じた
出力トルクが得られているにも拘らず低速段の使用域が
拡大されて変速特性が悪くなる。このため、本実施例で
は上記エンジン吸気系の吸気漏れを検出し、誤った変速
補正を防止するようになっている。以下、この吸気漏れ
の検出および過誤の変速補正の防止について、トランス
ミッション制御用コンピュータ34によって実行される
図10のフローチャートを参照しつつ具体的に説明す
る。
【0040】図10のステップSW1では、前記エンジ
ン制御用コンピュータ32から噴射量補正係数FAFを
読み込み、ステップSW2において、その噴射量補正係
数FAFの制御中心値FAFavを算出する。制御中心値
FAFavを算出するのは、噴射量補正係数FAFは前記
図4の制御により常時変化しているため、1回のサンプ
リングデータのみでは噴射量補正係数FAFの大きさを
正確に把握することができないからであり、予め定めら
れた一定数のFAF値を記憶しておいて移動平均値等を
算出することにより制御中心値FAFavを求めるように
なっている。次のステップSW3では前記変速点補正係
数Kshift を読み込み、ステップSW4において、その
変速点補正係数Kshift が判断値Aより大きいか否かを
判断する。判断値Aは1.0以上の所定値に相当するも
ので、例えば1.0程度の一定値が設定されても良い
が、車両の運転状態に応じて異なる値が設定されるよう
にしても良い。そして、Kshift >Aの場合には、ステ
ップSW5において変速点補正係数Kshift を制御中心
値FAFavで割算することにより係数比Kcを算出し、
ステップSW6およびSW7において、その係数比Kc
を予め定められた判断値BおよびCと比較する。これ等
のステップSW6およびSW7は、Kshift ≒FAFav
であるか否かを判断するためのものであり、変速点補正
係数Kshift ,噴射量補正係数FAFは何れも精度上の
誤差を有するため、判断値Bとしては例えば0.97程
度の値が設定され、判断値Cとしては例えば1.03程
度の値が設定される。そして、B<Kc<Cの場合に
は、吸気通路18等のエンジン吸気系に吸気漏れが生じ
ていると判断し、ステップSW8以下を実行する。
【0041】ここで、エンジン吸気系に吸気漏れが生じ
ている場合には、正規の吸入経路以外からも空気が侵入
するため、正規の吸入経路から吸入される吸入空気量す
なわち実測吸入空気量Qmは、スロットル弁開度TAに
基づいて算出される基本吸入空気量QNTAよりも小さ
くなり、それ等の比QNTA/Qmである変速点補正係
数Kshift は1.0より大きくなるため、上記ステップ
SW4の判断はYESとなるのである。また、エンジン
10の燃焼室12内に実際に吸入される吸入空気量は上
記実測吸入空気量Qmより多いため、その実測吸入空気
量Qmに基づいて目標空燃比となるように前記ステップ
SE2において算出された基本噴射量TPで燃料を噴射
した場合には燃料不足となり、噴射量補正係数FAFは
その基本噴射量TPよりも燃料を増加させるために1.
0より大きな値となる。これ等の変速点補正係数Kshif
t と噴射量補正係数FAFとの関係は、吸気漏れにより
正規の吸入経路以外から流入した空気量をQLとする
と、高度や吸入空気量可変機構の作動状態が標準状態の
場合にはQm+QL=QNTAであるため、変速点補正
係数Kshift =(Qm+QL)/Qm=1+(QL/Q
m)となる一方、目標空燃比=Qm/TP=(Qm+Q
L)/(TP×FAF)であるため、噴射量補正係数F
AF=1+(QL/Qm)となる。すなわち、エンジン
吸気系に吸気漏れが生じている場合にはKshift ≒FA
Favとなり、ステップSW6およびSW7の判断は共に
YESとなるのである。
【0042】一方、空気が薄い高地や吸入空気量可変機
構の作動状態によっては、吸気漏れが生じていない場合
でも実測吸入空気量Qmが基本吸入空気量QNTAより
少なくなり、変速点補正係数Kshift が1.0より大き
くなってステップSW4の判断がYESとなるが、燃焼
室12内に実際に吸入される吸入空気量は実測吸入空気
量Qmと略一致するため、その実測吸入空気量Qmに基
づいて目標空燃比となるように算出された基本噴射量T
Pで燃料が噴射されることにより、実際の空燃比A/F
は目標空燃比と略一致させられ、噴射量補正係数FAF
の制御中心値FAFavは1.0前後の値に保持される。
したがって、この場合には係数比Kcが1.0より大き
くなり、ステップSW7の判断がNOとなって、吸気漏
れと判定されることはない。
【0043】吸気漏れが生じていると判断した場合に実
行するステップSW8では、変速点補正係数Kshift =
1.0とし、実質的に変速点補正係数Kshift による変
速車速Vu,Vdの補正を禁止する。これにより、燃焼
室12内への実際の吸入空気量とは異なる実測吸入空気
量Qmに基づいた過誤の補正が防止され、その過誤の補
正に起因する変速特性の悪化が回避される。また、ステ
ップSW9では、エンジン吸気系に吸気漏れが存在する
ことをダイアグノーシス等に記憶し、ステップSW10
では、吸気漏れが存在することを知らせるためにウォー
ニングランプの点灯などにより異常表示を行う。
【0044】このように本実施例では、変速点補正係数
Kshift および噴射量補正係数FAFに基づいてエンジ
ン吸気系の吸気漏れが良好に検出されるとともに、吸気
漏れの場合には変速点補正係数Kshift による補正が禁
止され、変速判断の誤った補正が防止されて適切な変速
制御が行われるようになるのである。
【0045】本実施例は請求項2に記載の第2発明の一
実施例を為すもので、上記トランスミッション制御用コ
ンピュータ34による一連の信号処理のうち、ステップ
SW1〜SW7を実行する部分が吸気漏れ判断手段に相
当し、ステップSW8を実行する部分が変速補正禁止手
段に相当する。なお、この実施例を請求項1に記載の第
1発明の一実施例と見做すこともできる。
【0046】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前記実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】図11は、前記実施例における図10のフ
ローチャートの代わりに、或いは併用して実行されるも
ので、ステップSW21において噴射量補正係数FAF
を読み込み、ステップSW22において、その噴射量補
正係数FAFが最大値FAFmax であるか否かを判断す
る。FAF=FAFmax の場合には、次のステップSW
23で変速点補正係数Kshift を読み込み、ステップS
W24において、その変速点補正係数Kshift が前記判
断値Aより大きいか否かを判断する。そして、Kshift
>Aの場合には吸気漏れが生じていると判断し、ステッ
プSW25で、変速点補正係数Kshift を1+(Kshif
t −FAFmax )に設定し直すとともに、ステップSW
26,SW27において、前記実施例と同様に吸気漏れ
異常の存在をダイアグノーシス等に記憶するとともに異
常表示を行う。
【0048】ここで、吸気漏れに起因して噴射量補正係
数FAFが最大値FAFmax となっている場合は、前記
係数比Kc=Kshift /FAFavが1.0以上となって
しまうため、前記第1実施例では吸気漏れ異常が存在し
ない旨の判定が為される恐れがあるが、吸気漏れによる
燃料不足を補うために噴射量補正係数FAFは最大値F
AFmax となっているため、上記ステップSW22,S
W24の判断が共にYESの場合には吸気漏れ異常が存
在すると判断できるのである。また、吸気漏れが生じて
いる場合には基本的にはKshift ≒FAFとなり、その
場合には変速点補正係数Kshift による補正を禁止すれ
ば良いが、噴射量補正係数FAFが最大値FAFmax 以
下に制限される場合にFAF=FAFmax となっている
時には、変速点補正係数Kshift と噴射量補正係数FA
Fとの差(Kshift −FAFmax)に応じた分だけ未だ
燃料不足の状態で、実際の空燃比A/Fは目標空燃比よ
りも燃料が不足するリーン側へずれており、その目標空
燃比からのずれに対応してエンジン10の出力トルクは
低下する。このため、この場合にはそのトルク不足を補
うためにダウンシフトし易くアップシフトし難くなるよ
うに変速判断を補正することが望ましく、空燃比のずれ
に対応する上記差(Kshift −FAFmax )に基づい
て、変速点補正係数Kshift を1+(Kshift −FAF
max )に設定し直し、その変速点補正係数Kshift に従
って変速車速Vu,Vdが補正されるようにしたのであ
る。
【0049】したがって、この実施例においても、変速
点補正係数Kshift および噴射量補正係数FAFに基づ
いてエンジン吸気系の吸気漏れが良好に検出されるとと
もに、吸気漏れの場合には変速点補正係数Kshift が1
+(Kshift −FAFmax )に設定し直され、その変速
点補正係数Kshift に従って変速車速Vu,Vdが補正
されることにより、噴射量補正係数FAFの制限に伴う
トルク不足に拘らず適切な変速制御が行われるようにな
る。
【0050】本実施例は請求項3に記載の第3発明の一
実施例を為すもので、上記トランスミッション制御用コ
ンピュータ34による一連の信号処理のうち、ステップ
SW21〜SW24を実行する部分が吸気漏れ判断手段
に相当し、ステップSW25を実行する部分が変速点補
正係数修正手段に相当する。また、前記エンジン制御用
コンピュータ32による一連の信号処理のうち、図4の
ステップSF13およびSF14を実行する部分が噴射
量補正係数制限手段に相当する。なお、この実施例を請
求項1に記載の第1発明の一実施例と見做すこともでき
る。
【0051】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0052】例えば、前記実施例では変速点補正係数K
shift を算出して自動変速機68の変速判断を補正する
場合について説明したが、そのような補正を行わない車
両に本発明を適用して吸気漏れ異常を検出することもで
きる。
【0053】また、前記実施例の燃料噴射制御や変速制
御は最も基本的な部分であり、車両の運転状態を表す他
の種々のパラメータを用いて燃料噴射量TAUや変速車
速Vu,Vdの補正を行うようにしても良い。
【0054】また、前記噴射量補正係数FAFや変速点
補正係数Kshift はエンジン10の経時変化や個体差等
により制御中心値が1.0からずれることがあるが、そ
れ等の値が略1.0となるように学習制御を行うことも
可能である。
【0055】また、吸気漏れ異常の検出精度を高めるた
めに、高度や吸入空気量可変機構等の作動状態など噴射
量補正係数FAFや変速点補正係数Kshift に影響を与
える因子が予め定められた標準状態である場合に吸気漏
れ異常の判断を行うようにしたり、噴射量補正係数FA
Fや変速点補正係数Kshift の値を補正して吸気漏れ異
常の判断に用いたりするようにしても良い。
【0056】また、前記第1実施例では吸気漏れ異常の
場合に変速点補正係数Kshift を1.0としていたが、
高度センサなどにより高度若しくは気圧を測定し、その
測定値に応じて変速点補正係数Kshift を設定し直す
か、或いは変速点補正係数Kshift による補正の代わり
に高度等に応じた別の補正を行うようにしても良い。第
2実施例についても同様に、高度や気圧を加味して変速
点補正係数shift が設定し直されるようにすることがで
きる。
【0057】また、前記第2実施例では吸気漏れ異常の
場合に変速点補正係数Kshift を1+(Kshift −FA
Fmax )に設定していたが、(Kshift −FAFmax )
に所定の係数を掛算するようにしたり、(Kshift −F
AFmax )や実測吸入空気量Qm,スロットル弁開度T
A等をパラメータとして予め定められたマップから変速
点補正係数Kshift を求めるようにしたりするなど、空
燃比のずれに対するエンジン10の出力トルク変化に基
づいて変速点補正係数Kshift が更に極め細かく設定さ
れるようにすることもできる。
【0058】また、前記実施例では変速マップから求め
た変速車速Vu,Vdに変速点補正係数Kshift を掛算
して変速判断を補正するようにしていたが、変速車速V
u,Vdと比較する実際の車速Vを補正係数Kshift で
割算したり、変速車速Vu,Vdを変速マップから求め
る際の実際のスロットル弁開度TAに補正係数Kshift
を掛算したり、変速マップから車速Vに応じて求められ
た変速スロットル弁開度を補正係数Kshift で割算した
りするなど、種々の補正態様を採用できる。変速点補正
係数Kshift に所定の係数を掛算するようにしても良い
し、この変速点補正係数Kshift による補正は、本質的
には基本吸入空気量QNTAと実測吸入空気量Qmとの
差(QNTA−Qm)に基づくものであるため、この差
(QNTA−Qm)に応じて変速車速Vu,Vd等をず
らしたり、差(QNTA−Qm)やスロットル弁開度T
A等をパラメータとするマップから変速点補正係数等を
求めたりすることも可能である。
【0059】また、前記実施例の変速マップは車速Vお
よびスロットル弁開度TAを変速パラメータとして定め
られていたが、スロットル弁開度TAの替わりにアクセ
ルペダル操作量を用いるなど、実質的に等価な他のパラ
メータを採用できることは勿論である。
【0060】また、前記実施例では補正用の大気圧セン
サ21と可動ベーン式のエアフローメータ16とが用い
られていたが、カルマン渦式や熱線式等の他のエアフロ
ーメータによって吸入空気量Qmを測定することもでき
る。吸入空気量Qmの測定に際しては、実際に燃焼室1
2内に吸入されるまでの遅れ時間等を考慮して、その燃
焼室12内に吸入される空気量を更に厳密に算出するよ
うにしても良い。吸入空気量Qmを測定する吸入空気量
測定手段は、吸入空気の体積ではなく質量を測定できる
ものであれば良い。
【0061】また、前記実施例の酸素センサ62は所定
の酸素濃度で出力信号がON,OFF変化するようにな
っていたが、酸素濃度に応じて出力値が連続的に変化す
るセンサを用いることもできる。その場合には、目標空
燃比に対応する出力値と実際の出力値との偏差に応じて
噴射量補正係数FAFが算出されるようにしても良い。
【0062】また、前記実施例では吸入空気量可変機構
としてアイドル回転数制御弁38や可変バルブタイミン
グ機構52を備えていたが、他の吸入空気量可変機構を
有する自動車や、そのような吸入空気量可変機構を備え
ていない自動車にも本発明は同様に適用され得る。
【0063】また、前述の実施例においては、エンジン
制御用コンピュータ32およびトランスミッション制御
用コンピュータ34が別体に構成されていたが、単一の
コンピュータにてエンジン10および自動変速機68を
制御することもできる。
【0064】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】第1発明および第2発明の一実施例である吸気
漏れ検出装置を備えた車両の自動変速機およびエンジン
等の構成を説明する図である。
【図3】図2の実施例におけるエンジンの燃料噴射制御
に関する作動の一部を説明するフローチャートである。
【図4】図3のステップSE3で読み込まれる噴射量補
正係数FAFを求めるためのフローチャートである。
【図5】図2の実施例における自動変速機の変速制御に
関する作動を説明するフローチャートである。
【図6】図5のステップS6,S11で用いられる変速
点補正係数Kshift を求めるためのフローチャートであ
る。
【図7】図5のフローチャートの実行に際して用いられ
るアップシフト側の変速マップの一例を示す図である。
【図8】図5のフローチャートの実行に際して用いられ
るダウンシフト側の変速マップの一例を示す図である。
【図9】図6のステップSS4においてエンジン回転数
NEおよびスロットル弁開度TAから基本吸入空気量Q
NTAを求める際に用いられるデータマップの一例であ
る。
【図10】図2の実施例においてエンジン吸気系で吸気
漏れが生じているか否かを判断する際の作動を説明する
フローチャートである。
【図11】第1発明および第3発明の一実施例を説明す
るフローチャートで、図10に対応する図である。
【符号の説明】
10:エンジン 16:エアフローメータ 20:スロットル弁 21:大気圧センサ 30:燃料噴射弁(燃料噴射手段) 32:エンジン制御用コンピュータ 34:トランスミッション制御用コンピュータ 36:スロットルポジションセンサ 62:酸素センサ 68:自動変速機 72:車速センサ V:車速(変速パラメータ) TA:スロットル弁開度(変速パラメータ) NE:エンジン回転数 Qm:実測吸入空気量 QNTA:基本吸入空気量 TP:基本噴射量 TAU:燃料噴射量 Kshift :変速点補正係数 FAF:噴射量補正係数 ステップSE2:基本噴射量算出手段 ステップSE4,SF1〜SF14:噴射量補正手段 ステップSF13,SF14:噴射量補正係数制限手段 ステップS1〜S13:変速制御手段 ステップS6,S11,SS5:変速補正手段 ステップSS4:基本吸入空気量算出手段 ステップSW1〜SW7:吸気漏れ判断手段 ステップSW8:変速補正禁止手段 ステップSW21〜SW24:吸気漏れ判断手段 ステップSW25:変速点補正係数修正手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のエンジン吸気系に吸気漏れが生じて
    正規の吸入経路以外から空気が侵入していることを検出
    する装置であって、 前記エンジン吸気系に配設されて正規の吸入経路から吸
    入される吸入空気量Qmを測定する吸入空気量測定手段
    と、 前記エンジン吸気系の中で前記吸入空気量測定手段より
    も下流側に配設されたスロットル弁の開度とエンジン回
    転数とに基づいて、車両が予め定められた標準状態であ
    れば前記吸入空気量測定手段によって測定される実測吸
    入空気量Qmと一致するように予め定められた基本デー
    タから基本吸入空気量QNTAを求める基本吸入空気量
    算出手段と、 前記実測吸入空気量Qmに基づいて、予め定められた目
    標空燃比となる燃料の基本噴射量を算出する基本噴射量
    算出手段と、 エンジンの排気ガスの酸素濃度に基づいて実際の空燃比
    を判断し、該実際の空燃比が前記目標空燃比と一致する
    ように前記基本噴射量を補正する噴射量補正手段と、 該噴射量補正手段によって補正された噴射量に従って燃
    料を噴射する燃料噴射手段と、 前記実測吸入空気量Qmが前記基本吸入空気量QNTA
    より少なく、且つ、前記噴射量補正手段による補正が前
    記基本噴射量よりも燃料を増加させるものである場合
    に、前記エンジンの吸気系に吸気漏れが生じていると判
    断する吸気漏れ判断手段とを有することを特徴とする車
    両のエンジン吸気系における吸気漏れ検出装置。
  2. 【請求項2】車両のエンジン吸気系に吸気漏れが生じて
    正規の吸入経路以外から空気が侵入していることを検出
    する装置であって、 予め定められた変速条件と実際の変速パラメータの値と
    に基づいて変速判断を行い、該変速判断に従って自動変
    速機の変速段を切り換える変速制御手段と、 前記エンジン吸気系に配設されて正規の吸入経路から吸
    入される吸入空気量Qmを測定する吸入空気量測定手段
    と、 前記エンジン吸気系の中で前記吸入空気量測定手段より
    も下流側に配設されたスロットル弁の開度とエンジン回
    転数とに基づいて、車両が予め定められた標準状態であ
    れば前記吸入空気量測定手段によって測定される実測吸
    入空気量Qmと一致するように予め定められた基本デー
    タから基本吸入空気量QNTAを求める基本吸入空気量
    算出手段と、 前記基本吸入空気量QNTAと前記実測吸入空気量Qm
    との比QNTA/Qmを変速点補正係数Kshift として
    算出し、該変速点補正係数Kshift に応じて前記変速判
    断を補正する変速補正手段と、 前記実測吸入空気量Qmに基づいて、予め定められた目
    標空燃比となる燃料の基本噴射量を算出する基本噴射量
    算出手段と、 エンジンの排気ガスの酸素濃度に基づいて実際の空燃比
    を判断し、該実際の空燃比が前記目標空燃比と一致する
    ように、前記基本噴射量に掛算される噴射量補正係数F
    AFを増減させて噴射量を補正する噴射量補正手段と、 該噴射量補正手段によって補正された噴射量に従って燃
    料を噴射する燃料噴射手段と、 前記変速点補正係数Kshift および前記噴射量補正係数
    FAFが共に1.0以上の所定値より大きく且つ略同じ
    値の場合に、前記エンジンの吸気系に吸気漏れが生じて
    いると判断する吸気漏れ判断手段と、 該吸気漏れ判断手段により吸気漏れが生じていると判断
    された場合に、前記変速点補正係数Kshift による前記
    変速判断の補正を禁止する変速補正禁止手段とを有する
    ことを特徴とする車両のエンジン吸気系における吸気漏
    れ検出装置。
  3. 【請求項3】車両のエンジン吸気系に吸気漏れが生じて
    正規の吸入経路以外から空気が侵入していることを検出
    する装置であって、 予め定められた変速条件と実際の変速パラメータの値と
    に基づいて変速判断を行い、該変速判断に従って自動変
    速機の変速段を切り換える変速制御手段と、 前記エンジン吸気系に配設されて正規の吸入経路から吸
    入される吸入空気量Qmを測定する吸入空気量測定手段
    と、 前記エンジン吸気系の中で前記吸入空気量測定手段より
    も下流側に配設されたスロットル弁の開度とエンジン回
    転数とに基づいて、車両が予め定められた標準状態であ
    れば前記吸入空気量測定手段によって測定される実測吸
    入空気量Qmと一致するように予め定められた基本デー
    タから基本吸入空気量QNTAを求める基本吸入空気量
    算出手段と、 前記基本吸入空気量QNTAと前記実測吸入空気量Qm
    との比QNTA/Qmを変速点補正係数Kshift として
    算出し、該変速点補正係数Kshift に応じて前記変速判
    断を補正する変速補正手段と、 前記実測吸入空気量Qmに基づいて、予め定められた目
    標空燃比となる燃料の基本噴射量を算出する基本噴射量
    算出手段と、 エンジンの排気ガスの酸素濃度に基づいて実際の空燃比
    を判断し、該実際の空燃比が前記目標空燃比と一致する
    ように、前記基本噴射量に掛算される噴射量補正係数F
    AFを増減させて噴射量を補正する噴射量補正手段と、 該噴射量補正手段によって補正された噴射量に従って燃
    料を噴射する燃料噴射手段と、 前記噴射量補正係数FAFが予め定められた最大値FA
    Fmax を超えないように制限する噴射量補正係数制限手
    段と、 前記変速点補正係数Kshift が1.0以上の所定値より
    大きく、且つ、前記噴射量補正係数FAFが前記最大値
    FAFmax である場合に、前記エンジンの吸気系に吸気
    漏れが生じていると判断する吸気漏れ判断手段と、 該吸気漏れ判断手段により吸気漏れが生じていると判断
    された場合に、前記変速点補正係数Kshift と前記最大
    値FAFmax との差(Kshift −FAFmax )に応じて
    該変速点補正係数Kshift を設定し直す変速点補正係数
    修正手段とを有することを特徴とする車両のエンジン吸
    気系における吸気漏れ検出装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100435682B1 (ko) * 2001-10-11 2004-06-12 현대자동차주식회사 터보챠져 인터쿨러 디젤 엔진의 흡입공기 누출 모니터링방법
US6752128B2 (en) 2002-06-12 2004-06-22 Denso Corporation Intake system failure detecting device and method for engines
CN112729685A (zh) * 2020-11-30 2021-04-30 上海典圆测试设备有限公司 一种det活塞漏气测量仪标定装置
CN114720133A (zh) * 2022-04-19 2022-07-08 潍柴动力股份有限公司 一种大功率气体机空燃比的标定方法及标定系统

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