JPH05279805A - 自動車エギゾーストマニホールド用鋼 - Google Patents

自動車エギゾーストマニホールド用鋼

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JPH05279805A
JPH05279805A JP7798892A JP7798892A JPH05279805A JP H05279805 A JPH05279805 A JP H05279805A JP 7798892 A JP7798892 A JP 7798892A JP 7798892 A JP7798892 A JP 7798892A JP H05279805 A JPH05279805 A JP H05279805A
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JP
Japan
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steel
exhaust manifold
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automobile exhaust
present
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JP7798892A
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English (en)
Inventor
Akihiro Miyasaka
明博 宮坂
Junji Yamanaka
淳史 山中
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自動車エギゾーストマニホールド用
鋼に係り、さらに詳しくは自動車の排気系に使用される
エギゾーストマニホールド用に特性が優れ、かつ低コス
トな鋼を提供する。 【構成】 Si:0.01%以上1.2%未満、Mn:
0.02〜1.0%、Cr:5.5〜9.5%、Nb:
0.4〜1.5%、Al:0.01〜1%、を含有し、
Cを0.03%以下、Pを0.03%以下、Sを0.0
3%以下、Nを0.02%以下、に低減し、各元素の組
み合わせが特定の条件式を満足し、あるいはさらにM
o,W,希土類元素,Caの1種以上を含有し、残部F
eおよび不可避不純物からなることを特徴とする自動車
エギゾーストマニホールド用鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エギゾーストマニ
ホールド用鋼に係り、さらに詳しくは、自動車のエンジ
ンに取り付けられるエギゾーストマニホールド用として
強度や加工性等の特性に優れ、かつ低コストの鋼に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のエギゾーストマニホール
ド(以下エキマニと称する)には、従来の鋳物製エキマ
ニに代えて、ステンレス鋼板製のエキマニが使用される
例が増加している。これはステンレス鋼板製エキマニの
方が肉厚を薄くすることが可能であり、自動車の軽量化
に大きく役立つためである。JISのSUS310等の
オーステナイト系ステンレス鋼は優れた耐熱性および加
工性を有しているので一般の耐熱用途に広く使用されて
いる。しかし、この種の鋼は一般に高価である上に、熱
膨張係数が大きく、熱疲労特性に劣るという難点を有し
ている。
【0003】一方、フェライト系ステンレス鋼は、一般
にオーステナイトステンレス鋼よりも熱膨張係数が小さ
いので熱疲労特性に優れることから、エギゾーストマニ
ホールドのように加熱・冷却の温度サイクルを受ける用
途には適していると言える。このため、例えば特開昭6
4−8254号公報や特開平2−175843号公報で
はCrを多量に含有し、高温強度を改善したフェライト
系ステンレス鋼が提案されている。しかし、これらのフ
ェライト系ステンレス鋼は非常に高価であり、エキマニ
に使用した場合には鋳物製エキマニに比べてコストが著
しく高いという難点がある。かつ、Crを多量に含有し
ているために加工性がよいとは言えず、エキマニのよう
な複雑な形状を形成するためには、製造工程が複雑にな
り加工コストも高くなるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
の問題点を解消するものであって、強度や加工性等の特
性に優れ、かつ低コストの自動車のエンジンに取り付け
られるエギゾーストマニホールド用鋼を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく種々検討した結果、Crを従来のエキマニ
用ステンレス鋼とは逆に5.5%以上9.5%と比較的
少なくした鋼に、SiおよびNbを複合添加することに
よって高温強度および高温での耐酸化性を大きく改善で
きること、合金元素量の範囲を特定の条件を満足するよ
うに厳密に制御すると一段と高温強度が改善されるこ
と、を見出した。さらに本発明者らは、かかる鋼にMo
あるいはWを添加すると高温強度が一段と向上し、一
方、希土類元素あるいはCaを添加すると、高温での耐
酸化性も良くなることを見出した。
【0006】本発明は主に上記の知見に基づいてなされ
たものであり、その要旨とするところは、重量%で、S
i:0.01%以上1.2%未満、Mn:0.02〜
1.0%、Cr:5.5〜9.5%、Nb:0.4〜
1.5%、Al:0.01〜1.0%、を含有し、Cを
0.03%以下、Pを0.03%以下、Sを0.03%
以下、Nを0.02%以下、に低減し、残部Feおよび
不可避不純物からなり、以下の式で与えられるM値 M値=Cr+3Si+4Mo+10Al+1.5W+5
Nb+10Ti+10V−40C−30N−2Mn−4
Ni−Cu が13.0以上であることを特徴とする自動車エギゾー
ストマニホールド用鋼であり、本発明は上記の鋼に付加
成分として、重量%で、Mo:0.05%以上0.9%
未満、W:0.05%以上0.9%未満、の1種または
2種を含有させてもよく、また、本発明は上記した各成
分鋼に付加成分としてさらに、重量%で、希土類元素:
0.005〜0.1%、Ca:0.001〜0.03%
の1種または2種を含有することができる。
【0007】
【作用】以下に本発明において各成分の範囲を限定した
理由を述べる。 Si:SiはCrを5.5%以上含有する鋼に脱酸剤お
よび強化元素としての添加が有効であるが、含有量が
0.01%未満ではその脱酸効果が充分ではなく、1.
2%以上を含有するともはやその効果は飽和しているの
で、含有量範囲を0.01%以上1.2%未満に限定す
る。
【0008】Mn:Mnは鋼の脱酸剤として必要で0.
02%以上を含有させる必要があるが、1.0%を超え
て含有させてもその効果はもはや飽和しているばかり
か、過剰にMnを含有させるとフェライト単相組織を確
保することが難しくなるので上限含有量は1.0%とす
る。
【0009】Cr:Crはエキマニとして必要な耐食
性、耐酸化性を確保するために5.5%以上を含有させ
ることが必要であるが、9.5%を超えて含有させても
いたずらにコストを増すばかりか、加工性が低下するの
で上限含有量は9.5%とする。
【0010】Nb:NbはCrを5.5%以上含有する
鋼に添加してエキマニとして必要な高温強度を確保する
ために0.4%以上を含有させなければならないが、
1.5%を超えて添加してもその効果はもはや飽和する
のに対して、いたずらにコストを増加させるだけである
から、上記含有量は1.5%とする。
【0011】Al:Alは鋼の脱酸剤として0.01%
以上の添加が必要であるが、1.0%を超えて添加する
と粗大な酸化物系介在物を形成して加工性を低下させる
ので、含有量は0.01〜1.0%に限定する。
【0012】C,N:CおよびNはNbと化合物を生成
してNbを析出させ、高温強度を低下させるので、Cお
よびN量は少ない方が望ましく、上限含有量はCが0.
03%、Nは0.02%とする。 P:Pは多量に存在すると靭性を低下させるので少ない
方が望ましく、上限含有量は0.03%とする。 S:Sも多量に存在すると熱間加工性および延性を低下
させるので少ない方が望ましく、上限含有量は0.03
%とする。
【0013】さらに本発明では各元素の含有量の組み合
わせとして下記の式で定義されるM値が13.0以上で
あることが必要である。
【0014】M値=Cr+3Si+5Nb+10Al+
4Mo+1.5W+10Ti+10V−40C−30N
−2Mn−4Ni−Cu これは、本発明者らがエキマニとしての特性を得るため
の最適成分組成および組み合わせについて詳細に検討し
た結果に基づく知見であって、M値が13.0未満では
熱処理条件等の如何に制御しても組織をフェライト単相
とすることが困難で、エキマニとして重要な特性である
熱疲労特性が低下するからであり、信頼性の高いエキマ
ニを製造するためにはM値を13.0以上とすることが
重要である。
【0015】以上が本発明が対象とする自動車エギゾー
ストマニホールド用鋼の基本成分であるが、本発明にお
いては必要に応じてさらに以下の元素を添加して特性を
一段と向上させた鋼も対象としている。 Mo:MoはCrを5.5%以上含有しNbを0.4%
以上含有する鋼に添加すると、エキマニとして必要な高
温強度を一段と高めるのに効果がある。添加量が0.0
5%未満ではその効果が充分発揮されないので、Moの
添加効果を充分に得るためには0.05%以上添加する
必要があるが、0.9%以上添加してもその効果はもは
や飽和するのに対して、いたずらにコストを増加させる
だけであるから、含有量は0.05%以上0.9%未満
とする。
【0016】W:WもCrを5.5%以上含有しNbを
0.4%以上含有する鋼に添加すると、エキマニとして
必要な高温強度を一段と高めるのに効果がある。添加量
が0.05%未満ではその効果が充分発揮されないので
Wの添加効果を充分に得るためには0.05%以上添加
する必要があるが、0.9%を超えて添加してもその効
果はもはや飽和するのに対して、いたずらにコストを増
加させるだけであるから、含有量は0.05%以上0.
9%未満とする。
【0017】希土類元素(REM)、Ca:希土類元素
およびCaは熱間加工性の向上、高温での耐酸化性の改
善に効果のある元素であるが、希土類元素では0.1%
を超えて、Caでは0.03%を超えて、添加するとそ
れぞれ粗大な非金属介在物を生成して逆に熱間加工性や
耐酸化性を劣化させるので、上限含有量は希土類元素で
は0.1%、Caでは0.03%とした。なお、本発明
において希土類元素とは原子番号が57〜71番および
89〜103番の元素およびYを指す。
【0018】本発明の鋼においては上記の成分の他にス
クラップ等からの混入不純物として、あるいは靭性や加
工性等を調整する目的でTi,V,Ni,Cu等を含有
することができるが、その場合にも特許請求の範囲で規
定したM値が13.0以上であることが必要であるのは
言うまでもない。
【0019】本発明において提案する鋼は、エキマニと
して使用するに際して鋼板として製造した後に、鋼板を
プレス成形し、さらに加工・溶接してエキマニとして製
造しても良いし、鋼板を例えば電縫鋼管等としてまず鋼
管の形状にした後に2次加工および溶接等によってエキ
マニに加工しても良く、その他のプロセスも含めて本発
明で限定する組成および元素の組み合わせを有する鋼
は、いずれも本発明の対象とするところであって、コス
トや既存製造設備の制約等によって最適なエキマニ製造
工程を選択することができ、どのエキマニ製造工程を選
択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱するも
のではない。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。表
1に成分を示す鋼を溶製し、通常の熱間圧延工程によっ
て肉厚2mmの鋼板とし、950℃にて焼鈍を施した。次
にこれらの鋼板から試験片を採取して高温(800℃)
における引張試験と高温酸化試験を実施した。また、最
高加熱温度を800℃とする熱疲労試験も実施した。試
験結果を表1にあわせて示す。ここで表1の高温引張試
験結果において、○は800℃における0.2%耐力が
エキマニとして必要な強度である20N/mm2 以上であ
ったことを示し、×は20N/mm2 未満であったことを
示す。また、高温酸化試験結果において、○は800℃
における酸化増量が0.01g/m2/hr以下であった
ことを示し、×は酸化増量が0.01g/m2 /hrより
大きかったことを示している。さらに、熱疲労試験結果
において、○は破断に至るまでの繰り返し数が500回
以上であったことを示し、×は繰り返し数が500回未
満であったことを示している。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、本発明鋼である
No.1〜7は高温強度、耐酸化性および耐熱疲労特性に
優れているのに対して、比較例であるNo.8〜10は高
温強度、高温での耐酸化性あるいは耐熱疲労特性に劣る
ことがわかる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は自動車エギ
ゾーストマニホールド用鋼として高温強度および高温で
の耐酸化性に優れる鋼を低コストで提供することを可能
としたものであり、産業の発展に貢献するところ極めて
大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 Si:0.01%以上1.2%未満、 Mn:0.02〜1.0%、 Cr:5.5〜9.5%、 Nb:0.4〜1.5%、 Al:0.01〜1.0%、 を含有し、 Cを0.03%以下、 Pを0.03%以下、 Sを0.03%以下、 Nを0.02%以下 に低減し、残部Feおよび不可避不純物からなり、以下
    の式で与えられるM値 M値=Cr+3Si+4Mo+10Al+1.5W+5
    Nb+10Ti+10V−40C−30N−2Mn−4
    Ni−Cu が13.0以上であることを特徴とする自動車エギゾー
    ストマニホールド用鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成分鋼に付加成分とし
    て、重量%で、 Mo:0.05%以上0.9%未満、 W :0.05%以上0.9%未満、 の1種または2種を含有することを特徴とする自動車エ
    ギゾーストマニホールド用鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1および2記載の成分鋼に付加成
    分としてさらに、重量%で、 希土類元素:0.005〜0.1%、 Ca:0.001〜0.03%、 の1種または2種を含有することを特徴とする自動車エ
    ギゾーストマニホールド用鋼。
JP7798892A 1992-03-31 1992-03-31 自動車エギゾーストマニホールド用鋼 Withdrawn JPH05279805A (ja)

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Effective date: 19990608