JPH0527962B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、トランス等に用いられるコイルボビ
ンに関するものである。

従来例の構成とその問題点 一般にトランス等に用いられるコイルボビン２
は、第１図に示すように端子３を設けて巻線１の
引出し線４をその端子３に巻き付け、はんだ付け
されている。この端子３は、線状のピン端子や板
端子が用いられているが、外部からの力により根
元から曲がりやすく、細い引出し線４を巻きつけ
た場合は、端子３が曲がつた際に引つ張られて断
線するという欠点があつた。

発明の目的 本発明は、このようなコイルボビンにおいて、
端子が折れ曲つても引出し線が断線しないような
構造のコイルボビンを提供するものである。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明は、引出し線
を引き出す溝に２個の凸起を設けるもので、この
上に引出し線をはわせた後、２個の凸起の間の空
間に引出し線を押し込むようにしたものである。
このようにすれば、引出し線は、凸起の間の空間
においてたるみができることになるため、端子の
曲がりによつて、引出し線が引つ張られても、引
出し線は断線しないことになる。

実施例の説明 以下本発明の実施例を第３図〜第５図によつて
説明する。

巻線５を巻回する両端にツバ６，７を有するコ
イルボビン８の一方のツバ７にビン状の端子９が
複数本植設され、しかも、このツバ７には巻線５
の引出し線１０を引出す溝１１が設けられてい
る。この溝１１には、引出し線１０の引出し方向
と直交する２個の凸起１２，１３が設けられてい
る。この凸起１２，１３は、溝１１において、
各々平行で、かつ引出し線１０に直角方向となる
ように設けられている。引出し線１０はこの凸起
１２，１３の上を通つて引出される。そして、棒
状の治具で、引出し線１０を凸起１２，１３の間
の空間に押し込んだ後、端子９に巻きつけ、はん
だ付をする。こうすれば引出し線１０は、溝１１
内でたるみを得ることになり、第５図に示すよう
に、引出し線１０を引つ張る方向に端子９が曲つ
ても、たるみの分が十分のびるので、引出し線１
０は断線しないし、溝１１の幅は従来寸法と同一
であるため、従来と同一のピン端子数を得ること
ができる。

発明の効果 以上のように本発明は構成されるので、端子が
折れ曲つても断線するという心配はなくなり、細
い巻線を用いることができ、端子材料も比較的や
わらかく、薄いあるいは細いものを用いることが
できるため、コストも安く、信頼性の高いトラン
スなどを得ることができ、またそれでいて、ピン
端子数も従来と同じ端子数を得ることができるな
ど、実用的価値の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のコイルボビンの正面図、第２
図は同溝部の断面図、第３図は本発明の一実施例
を示すコイルボビンの正面図、第４図は同溝部の
断面図、第５図はピン端子が曲つた場合の状態を
示す要部の断面図である。 ５……巻線、６，７……ツバ、８……コイルボ
ビン、９……端子、１０……引出し線、１１……
溝、１２，１３は凸起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ツバ部に少なくとも３本以上の端子を有し、
   巻線の引出し線をツバ部に設けた溝から引き出し
   て端子に巻き付け、かつ上記溝内に平行で前記引
   出し線に直角方向となるように２個の凸起を設け
   るとともに、引出し線をこの凸起の間の空間に押
   し込んで、たるみをもたせたことを特徴とするコ
   イルボビン。