JPH05278745A - 衛生的特性に優れた飲料缶 - Google Patents

衛生的特性に優れた飲料缶

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JPH05278745A
JPH05278745A JP8096692A JP8096692A JPH05278745A JP H05278745 A JPH05278745 A JP H05278745A JP 8096692 A JP8096692 A JP 8096692A JP 8096692 A JP8096692 A JP 8096692A JP H05278745 A JPH05278745 A JP H05278745A
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antibacterial
opening
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coating
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Hiroaki Goto
弘明 後藤
Hidehiko Nishizuka
秀彦 西塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 易開口性缶蓋を備えた飲料缶であって、開封
後缶蓋に直接口を付けて喫飲を行った場合にも、安全性
が保証され、しかもこの効果が比較的長期間に亘って持
続されるような衛生的特性に優れた飲料缶を提供する。 【構成】 易開封性開口を備えた飲料缶において、該易
開封性開口の周囲外面に抗菌性金属をカルボン酸塩の形
で含む樹脂を含有する保護膜を設けて成る衛生的特性に
優れた飲料缶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衛生的特性に優れた飲
料缶に関するもので、より詳細には易開封性開口の周囲
に抗菌性樹脂の保護膜を設けたことにより、内容物の喫
飲に際して菌等が口の内部に入るのを防止した飲料缶に
関する。
【0002】
【従来の技術】銀の化合物が抗菌性を有することは古く
から知られており、例えば銀を添着した炭酸カルシウム
は、脱塩素化した水道水の滅菌等に広く用いられてい
る。
【0003】また、構造単位としてアクリル酸銀及び/
又はメタクリル酸銀を含有する重合体が抗菌性を有する
ことも既に知られており、特公昭58−43123号公
報には、該重合体とセルロースエステルとから成る抗菌
性半透膜が記載されている。
【0004】更に、特開昭63−154746号公報に
は、抗菌作用を有する金属イオン例えば銀イオンをイオ
ン交換して保持している150m2 /g以上の比表面積
および14以下のSiO2 /Al23 モル比を有する
ゼオライト系固体粒子と吸湿剤とを合成樹脂中に分散含
有して成る抗菌性フィルムが記載されている。
【0005】抗菌性保護膜を包装材料に用いることも既
に知られており、例えば実開平1−147945号公報
には、抗菌性ゼオライトを含む塗料からなるコーティン
グ層を最内面に設けた金属缶が記載されている。また、
特開平3−188168号公報には、抗菌性ゼオライト
を樹脂に分散した樹脂組成物を缶の内面の一部或いは全
面に設けた飲料缶が記載されている。
【0006】特開平3−39363号公報には、銅イオ
ン或いは銀イオンで中和されたアイオノマー樹脂或いは
これを含有する樹脂組成物を基材とする抗菌性包装体或
いは内包材が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】従来の抗菌性包装
は、内容物と接触する容器内面に抗菌性樹脂層を設け、
これにより抗菌性を付与するものであるが、缶詰製品の
場合には、レトルト殺菌、熱間充填、或いはアセプッテ
イック充填等の何らかの殺菌処理が行われ、しかも密封
状態で保存されるものであるから、格別の抗菌性内面保
護膜を設けることの意義は余りない。
【0008】また、従来抗菌性保護膜に最も多く使用さ
れている抗菌性ゼオライトは、ゼオライトであることか
ら本質的に吸着剤としての特性を有しており、内用物中
の水分或いは周囲の水分を吸着し、保護膜の耐水性を損
なうことも問題である。
【0009】本発明者らは、飲料缶においてむしろ問題
とされるべき衛生的特性は、缶の内面ではなく、外気と
常に接触しておりしかも喫飲に際して触れる缶の外面で
あり、特に易開口性缶蓋を備えた飲料缶では、開封後缶
蓋に直接口を付けて喫飲を行うことから問題であること
に着目した。
【0010】従って、本発明の目的は、易開口性缶蓋を
備えた飲料缶であって、開封後缶蓋に直接口を付けて喫
飲を行った場合にも、安全性が保証され、しかもこの効
果が比較的長期間に亘って持続されるような衛生的特性
に優れた飲料缶を提供するにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、易開
封性開口を備えた飲料缶において、該易開封性開口の周
囲外面に抗菌性金属をカルボン酸塩の形で含む樹脂を含
有する保護膜を設けて成ることを特徴とする衛生的特性
に優れた飲料缶が提供される。
【0012】
【作用】本発明は易開封性開口を備えた飲料缶を対象と
するが、この易開封性開口の周囲外面に抗菌性保護膜を
設けて、この易開封性開口の周囲外面に菌等が付着し
て、増殖するのを防止し、開封したとき、菌等が内容物
中に混入することがなく、また開口周囲外面に口を付け
た場合にも、口の中に菌等が入らないようにする。
【0013】ところで、飲料缶は一般に冷蔵条件下に保
存され、その外面は非常に結露し易い環境下にあること
から、易開封性開口の周囲外面に抗菌性保護膜を設けて
も、その効果が持続しないことが問題である。本発明で
は、抗菌性金属をカルボン酸塩の形で結合して含む樹脂
を含有する保護膜を設けることにより、保護膜自体が耐
水性に優れていると共に、抗菌性を長期間にわたって安
定に持続せしめることができる。
【0014】
【発明の好適態様】
(缶の構造)本発明に用いる缶蓋の一例を示す「図1」
において、Aは上面図、Bは拡大断面図であり、缶胴部
(図示せず)に巻締られる缶蓋1は、外周側からチャッ
クラジアス部3、カウンターシンク部4があり、その内
側にパネル部5がある。このパネル部5には、開口部7
を区画するスコア6が設けられ、この開口部7にはリベ
ット8により開封用タブ9が固定されている。
【0015】この蓋の断面構造を示す「図2」におい
て、金属基体10の内面側には、内面保護塗膜11が設
けられており、金属基体の外面側には、必要によりアン
ダーコート層12を介して、抗菌性金属をカルボン酸塩
の形で含む樹脂を含有する保護膜13が設けられてい
る。
【0016】この保護膜13は、抗菌性金属をカルボン
酸塩の形で含むアクリル系樹脂を含有する熱硬化性樹脂
保護膜であることができ、また抗菌性金属をカルボン酸
塩の形で含むエチレン系不飽和カルボン酸単量体を反復
単位中に含有する熱可塑性樹脂含有保護膜であってもよ
い。
【0017】抗菌性金属としては、銀、銅等それ自体公
知の抗菌性金属が単独或いは二種以上の組み合わせで使
用し得るが、銀が好ましい。一方、銀をカルボン酸塩と
するのに使用される共重合体の酸単位としては、メタク
リル酸、アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
エチレン系不飽和カルボン酸又はその無水物が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上の組合せで使用される。
保護膜中の抗菌性金属の含有量は、一般に0.0005
乃至10重量%、特に0.001乃至5重量%の範囲に
あるのがよい。上記範囲よりも少ないときは、抗菌作用
やその持続性が十分でなく、一方上記範囲よりも多い場
合には、抗菌性やその持続性の点で格別の利点がなく、
塗膜の耐腐食性の点で不利となる。以下これらの塗料に
ついて説明する。
【0018】(保護膜用塗料)抗菌性金属含有保護膜が
熱硬化型塗膜の場合、カルボキシル基含有アクリル系樹
脂とこれに対して反応性を有する少なくとも一種の熱硬
化性樹脂成分とを組み合わせで用いる。適当な例は、ア
クリル−エポキシ塗料、アクリル−アミノ塗料、アクリ
ル−エポキシ−フェノール塗料、アクリル−エポキシ−
アミノ塗料等である。
【0019】これらの塗料は、対応する塗料樹脂成分を
混合し或いは更に予備縮合(部分縮合)させることによ
り製造される。これらの塗料は、有機溶剤型塗料でも或
いは水性分散型塗料でもよく、後者の塗料は、自己乳化
型であっても、活性剤ないし乳化剤分散型であってもよ
い。
【0020】1.アクリル樹脂成分 用いるアクリル系樹脂は、一般に1乃至400、特に5
乃至350の酸価を有することが望ましく、このうちで
も、溶剤型のものは1乃至150の比較的低い酸価を有
していてもよいが、自己乳化型のものでは30乃至40
0の比較的高い酸価を有するものが好ましい。というの
は、自己乳化型では、銀塩の形以外の過剰のカルボキシ
ル基が、アミン塩或いはアンモニュウム塩となって、自
己乳化性が生じるからである。
【0021】アクリル系樹脂としては、酸価が上述した
範囲内にある限り任意のアクリル系樹脂を用いることが
できる。このアクリル系樹脂は、上述した酸価のカルボ
キシル基を樹脂中に与えるエチレン系不飽和カルボン酸
又はその無水物と、アクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルと、所望によりこれらと共重合可能な他のエ
チレン系不飽和単量体との共重合体から成る。エチレン
系不飽和カルボン酸又はその無水物は前述したものであ
る。
【0022】アクリル酸やメタクリル酸のエステルとし
ては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリ
ル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどがあ
る。ただし、上記の(メタ)アクリル酸とはアクリル酸
もしくはメタアクリル酸を示す。
【0023】これらの単量体と共に共重合される他の共
単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、アクリロ
ニロリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等を挙
げることができる。
【0024】用いるアクリル系樹脂の重量平均分子量
は、一般に5000乃至200000、特に10000
乃至150000の範囲内の分子量を有していることが
望ましい。アクリル共重合体の適当な組合せの例は、
(1)メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシ
ル/アクリル酸、 (2)スチレン/メタクリル酸メチル/
アクリル酸エチル/メタクリル酸、 (3)スチレン/アク
リル酸エチル/メタクリル酸、 (4)メタクリル酸メチル
/アクリル酸エチル/アクリル酸等である。
【0025】これらのアクリル系樹脂は、これらの単量
体を有機溶媒中、アゾビスイソブチロニトリル類や過酸
化物の存在下で重合させることにより容易に得られる。
【0026】2.エポキシ樹脂成分 アクリル樹脂と組み合わせて使用するエポキシ樹脂とし
ては、ビスフェノールA等のビスフェノール類とエピハ
ロヒドリンとの重縮合により得られたビスフェノール型
エポキシ樹脂が好適であり、そのエポキシ当量は一般に
400乃至20000、特に1000乃至5000の範
囲及び数平均分子量は1000乃至20000、特に2
000乃至13000の範囲にあるものが好ましい。
【0027】3.フェノール樹脂成分 またフェノール樹脂としては、レゾール型フェノール樹
脂やそのエーテル化物が使用される。このレゾール樹脂
は、p−置換フェノール等のフェノール類とホルムアル
デヒド乃至その機能誘導体とを、該フェノール1モル当
りホルムアルデヒドが2モル以上となる割合で、アルカ
リ金属触媒またはアルカリ土類金属触媒の存在下に反応
させ、必要によりエーテル化させることにより得られ
る。用いるレゾール型フェノール樹脂は、一般に200
乃至1500、特に250乃至1300の数平均分子量
を有しているのがよい。
【0028】4.アミノ樹脂成分 更に、アミノ樹脂としては、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂等が使用される。これらの樹
脂はエタノール、ブタノール等のアルコール類でエーテ
ル化されていることが望ましい。このアミノ樹脂は、相
当する含窒素化合物をホルムアルデヒド乃至その機能誘
導体と、アルカリ金属触媒またはアルカリ土類金属触媒
の存在下に反応させ、必要によりエーテル化させること
により得られる。用いるアミノ樹脂は、一般に200乃
至2000、特に250乃至1500の数平均分子量を
有しているのがよい。
【0029】アクリル樹脂成分と硬化剤樹脂成分とは、
5:95乃至80:20、特に10:90乃至70:3
0の重量比で存在するのがよい。好適な熱硬化型塗料
は、エポキシ樹脂成分が50乃至80重量%、レゾール
型フェノール樹脂成分が5乃至20重量%、及びカルボ
キシル基含有アクリル樹脂成分が15乃至40重量%の
量比で存在する塗料である。
【0030】また、抗菌性金属をカルボン酸塩の形で含
むエチレン系不飽和カルボン酸単量体を反復単位中に含
有する熱可塑性樹脂含有保護膜の場合、上記酸単位は、
溶融性及び熱安定性の点で、溶融成形性を有する重合体
の構成単量体との共重合体でなければならない。このよ
うな共単量体の最も適当なものとして、エチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘプテン−1のよ
うなオレフィン類が挙げることができ、中でもエチレン
が好適である。また、その以外の共単量体としては、ス
チレン、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、酢
酸ビニル、アクリロニトリル等のビニル系乃至アクリル
系単量体を挙げることができる。
【0031】共重合体中の酸単位の含有量は、一般に
0.2乃至35、特に2乃至25の範囲にあるようなも
のであることが、抗菌性と熱安定性との兼ね合いから好
ましい。また用いる共重合体の融点(融点が明瞭でない
場合は軟化点)は、一般に70乃至220℃、特に80
乃至210℃の範囲内にあるのがよい。更に、共重合体
の分子量はフィルム形成性分子量範囲内にあるのがよ
い。
【0032】本発明の目的に特に適した共重合体は、エ
チレン系不飽和カルボン酸乃至はその無水物0.2乃至
35モル%、特に2乃至25モル%、オレフィン類65
乃至99.8モル%、特に75乃至98モル%及び(メタ)
アクリル酸エステル0乃至35モル%、特に0乃至25
モル%から成る共重合体である。
【0033】抗菌性重合体の製造に際しては、共重合体
と、酸化銀、酢酸銀、或いはその他の銀塩とを、一般に
乾式ブレンドと呼ばれる方法で前混合する。これにより
共重合体粒子の表面に一様に酸化銀を付着させることが
できる。この前混合には、リボンブレンダー、コニカル
ブレンダー、ヘンシエルミキサー、ボールミル、スーパ
ーミキサー等を用いることができる。
【0034】前混合物を次いで混練する。この混練は、
共重合体の溶融温度以上で共重合体の分解温度よりも低
い温度で行なう。一般に混練温度は90乃至220℃の
範囲が適当であり、混練は窒素雰囲気等の不活性雰囲気
で行うのが適当である。混練には、一軸又は二軸の押出
機や、ニーダー、バンバリー、ミキサー等を用いること
ができる。本発明では、混練操作が比較的低温でしかも
短時間で行われることが特徴であり、この混練操作によ
り、銀化合物の少なくとも一部が共重合体の銀塩に転化
される。
【0035】銀塩の形での銀成分は、共重合体100g当り
5×10ミリグラム原子以上、特に10乃至50ミリグ
ラム原子の濃度で含有されていることが好ましい。上記
抗菌性重合体は、それ単独で或いは他のフィルム形成性
プラスチックとのブレンド物の形で、或いは被覆形成用
樹脂乃至塗料との組成物の形で蓋外面の保護被覆に使用
される。
【0036】例えば、前述した抗菌性重合体或いはこれ
とポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等との溶
融混練物を、Tーダイ法やインフレーション製膜法に付
することにより、蓋外面被覆用のフイルムが形成され
る。また、予じめ形成された抗菌性重合体含有フィルム
と、金属基体とを、サンドイッチラミネーション、ドラ
イラミネーション或いは押出コート法等の公知の手段を
適用することにより、易開口性蓋形成用のラミネートが
得られる。
【0037】更に、抗菌性重合体をペレタイザーに供給
し、必要に応じてこれを粉砕するか、或いはこの抗菌性
重合体を熱トルエンに溶解し、次いでこの溶液を冷却し
て、これをエマルジョンサイズの粒子に析出させること
により、他の樹脂や塗料に分散させるための抗菌性粉粒
体や分散体を得ることができる。
【0038】この抗菌性重合体の粉粒体を、フィルム形
成用重合体に配合することにより、前述したのと同様な
手段で、被覆用フィルム或いはラミネートが形成され
る。抗菌性重合体は、他の成形用重合体中に1乃至80
重量%、特に5乃至80重量%の量で配合し得る。
【0039】また、この抗菌性重合体の分散体を、その
自体公知の缶蓋用外面塗料、例えばエポキシ−フェノー
ル系塗料、エポキシーアミノ系塗料、ビニル系塗料、ア
クリル系塗料、フェノール系塗料、アルキッド系塗料、
オルガノゾル系塗料等に分散させて、缶蓋の外面塗料に
用いることができる。この場合、抗菌性重合体の粒径は
0.1乃至10μm 、特に0.1乃至5μm の範囲にあ
ることが望ましく、また塗料固形分当り1乃至80重量
%の抗菌性重合体が含有されるようにするのがよい。
【0040】(易開口性缶蓋)蓋の金属基体としては、
例えば、ブラックプレート、各種被覆鋼板、例えばス
ズ、クロム、アルミニウム、亜鉛等を表面にメッキした
メッキ鋼板やその表面をクロム酸及び/又はリン酸等で
化学処理乃至は陰極電解処理した鋼板乃至箔;アルミニ
ウムの如き軽金属板乃至箔等が挙げられる。これら金属
基体の厚みは、一般に0.16乃至0.32mm、特に
0.20乃至0.30mmの範囲にあるのがよい。
【0041】塗装金属素材或いはラミネート金属素材を
打抜き、プレス成形、或いは更にスコア加工、ボタン成
形、タブの取付け等を行って、イージイ・オープン缶蓋
に成形する。勿論順序を逆にして、成形後の缶蓋或いは
缶に前記塗料を塗布し、焼付けてもよく、この塗料はシ
ングルコートとして設けても、或いはダブルコートとし
て設けてもよい。
【0042】塗料は、例えば浸漬塗、ローラコート、ス
プレー塗布、ハケ塗、静電塗装、電着塗装、ワイヤーコ
ート、フローコート、ドクターコート等の任意の手段
で、金属基体に塗布することができる。塗料の厚みは、
一般に乾燥物基準で1乃至50μm、特に2乃至40μ
mの範囲とするのがよい。また、ラミネート金属板の場
合には、フィルム層の厚みは15乃至50μm、特に2
0乃至40μmの範囲とするのがよい。
【0043】内面塗膜やアンダーコート層としては、抗
菌性金属を含有しない点を除けば、前に例示した塗料の
内、密着性や耐腐食性に優れたものが適宜使用される。
【0044】
【実施例】本発明を次の例で更に詳細に説明する。 実施例1 メタクリル酸20部、メタクリル酸メチル20部、アク
リル酸エチル40部、スチレン20部と過酸化ベンゾイ
ル1.5部の混合物を準備し、攪拌機、温度計、滴下ロ
ート、還流冷却管と窒素ガス導入口を備えたフラスコに
n−ブタノール50部、エチルセロソルブ50部と前記
の混合物25部を仕込、窒素気流下で攪拌しながら90
℃に昇温した後、同温度に保持されたフラスコ中へ前記
の混合物の残量を2時間にわたって滴下して共重合せし
め、更に、過酸化ベンゾイル0.1部を添加して同温度
で2時間攪拌を継続した後、n−ブタノール50部を添
加、冷却して、反応を完結させた。得られたアクリル樹
脂の重量平均分子量は約25,000、酸価は120、
樹脂溶液の固形分は40%であった。この溶液を大量の
蒸留水中に滴下し、析出した樹脂成分を回収し、乾燥し
た。乾燥した樹脂を5%硝酸銀水溶液中に一昼夜、攪拌
を行いながら浸漬した。浸漬後、樹脂を蒸留水で洗浄
し、一昼夜、真空乾燥した。アクリル樹脂中に保有され
ていた銀の量は蛍光X線分析の結果、1.7重量%であ
った。
【0045】p−クレゾールとホルムアルデヒドよりア
ルカリ触媒を用いて誘導されたレゾール型フェノール樹
脂(数平均分子量450)20部をキシレンとメチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン及びn−ブタノール
の混合溶剤(キシレン/メチルイソブチルケトン/シク
ロヘキサノン/n−ブタノール=1/1/1/1)40
部に溶解した溶液を作製した。
【0046】また、別に数平均分子量3750、エポキ
シ当量約3000のビスフェノールA型エポキシ樹脂8
0部をブチルセロソルブ120部に溶解した溶液を準備
し、前記の銀塩化処理を行ったアクリル樹脂20部とエ
チルセロソルブ120部を混合し、アクリル樹脂を完全
に溶解した。この溶液に前記フェノール樹脂溶液30部
とを混合し、更に粘度調整のためエチルセロソルブ50
部を加え、抗菌性塗料を得た。
【0047】厚さ0.3mmのアルミニウム板の両面に
エポキシ−フェノール系の塗料を塗装し、所定の焼付条
件により塗料を硬化させた。この塗装板をプレス成形
し、易開封性開口を備えた缶蓋を製造した。缶蓋には常
法によりシーリングコンパウンドを塗布し、所定の焼付
を行った。この缶蓋の易開封性開口部の周囲に前記抗菌
性塗料を乾燥膜厚が5μmとなるようにスプレー塗装
し、200℃で1分間の焼付を行った。
【0048】常法によりアルミニウム製絞りしごき缶の
缶胴を作製し、缶胴の内面側にはエポキシ−フェノール
系の塗料、また外面側にはアクリル系の塗料を塗布し、
それぞれ所定の焼付条件により硬化させた。この缶胴の
上端部より3cmの幅に実施例1の抗菌性塗料を乾燥膜
厚が5μmとなるようにスプレー塗装し、200℃で1
分間の焼付を行った。前記抗菌塗装を施した缶蓋と抗菌
塗装を施した缶胴を巻締めた。
【0049】実施例2 厚さ0.3mmのアルミニウム板の内面側にエポキシ−
フェノール系の塗料を塗装し、所定の焼付条件により塗
料を硬化させた。更に外面側に実施例1の抗菌性塗料を
乾燥膜厚が5μmとなるようにロールコートし、200
℃で1分間の焼付を行った。この塗装板をプレス成形
し、易開封性開口を備えた缶蓋を製造した。缶蓋には更
に常法によりシーリングコンパウンドを塗布し、所定の
焼付を行った。この缶蓋を実施例1に記載の抗菌塗装を
施した缶胴に巻締めた。
【0050】実施例3 エチレンメタクリル酸共重合体(エチレン91%、メタ
クリル酸9%)に1重量%の酸化銀を混合温度150℃
でミキサーにより混合し、樹脂中のカルボン酸の一部が
銀塩化した樹脂を得た。この樹脂を熱プレス機を用いて
200℃で2分間加熱プレスし、フィルム化した。フィ
ルムの厚みは40μmとした。厚さ0.3mmのアルミ
ニウム板の内面側にエポキシ−フェノール系の塗料を塗
装し、所定の焼付条件により塗料を硬化させた。更に外
面側には前記抗菌性フィルムをウレタン系の接着剤を介
してラミネートした。この被覆アルミニウム板をプレス
成形し、易開封性開口を備えた缶蓋を製造した。缶蓋に
は更に常法によりシーリングコンパウンドを塗布し、所
定の焼付を行った。この缶蓋を実施例1に記載の抗菌塗
装を施した缶胴に巻締めた。
【0051】比較例1 厚さ0.3mmのアルミニウム板の内面側にエポキシ−
フェノール系の塗料を塗装し、所定の焼付条件により塗
料を硬化させた。この塗装板をプレス成形し、易開封性
開口を備えた缶蓋を製造した。缶蓋には更に常法により
シーリングコンパウンドを塗布し、所定の焼付を行っ
た。常法によりアルミニウム製絞りしごき缶の缶胴を作
製し、缶胴の内面側にはエポキシ−フェノール系の塗
料、また外面側にはアクリル系の塗料を塗布し、それぞ
れ所定の焼付条件により硬化させた。前記缶蓋とこの缶
胴を巻締めた。
【0052】実施例1、2、3、比較例1の缶につい
て、缶蓋開口部周辺に一定量の大腸菌(Escheri
chia coli)を付着させ、37℃、24時間保
存後の菌数を調べた。結果を第1表に示す。かくして易
開封性開口部周辺に抗菌性保護膜を設けることにより、
直接口を付けて喫飲を行った場合にも、安全性が保証さ
れる、衛生的特性に優れた飲料缶を提供することができ
る。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、易開封性開口を備えた
飲料缶において、該易開封性開口の周囲外面に抗菌性金
属をカルボン酸塩の形で含む樹脂を含有する保護膜を設
けたことにより、易開封性開口の周囲外面に菌等が付着
して、増殖するのを防止し、開封したとき、菌等が内容
物中に混入することがなく、また開口周囲外面に口を付
けた場合にも、口の中に菌等が入らないようにすること
ができ、これにより、開封後缶蓋に直接口を付けて喫飲
を行った場合にも、安全性が保証され、しかもこの効果
が比較的長期間に亘って持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる缶蓋の一例を示し、Aは上面
図、Bは拡大断面図である。
【図2】 この蓋の断面構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1は缶胴に巻締られる缶蓋、3はチャックラジアス部、
4はカウンターシンク部、5はパネル部、6はスコア、
7は開口部、8はリベット、9は開封用タブ、10は金
属基体、11は内面保護塗膜、12はアンダーコート
層、13は抗菌性金属をカルボン酸塩の形で含む樹脂を
含有する保護膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 易開封性開口を備えた飲料缶において、
    該易開封性開口の周囲外面に抗菌性金属をカルボン酸塩
    の形で含む樹脂を含有する保護膜を設けて成ることを特
    徴とする衛生的特性に優れた飲料缶。
  2. 【請求項2】 前記保護膜が抗菌性金属をカルボン酸塩
    の形で含むアクリル系樹脂を含有する熱硬化性樹脂保護
    膜である請求項1記載の飲料缶。
  3. 【請求項3】 前記保護膜が抗菌性金属をカルボン酸塩
    の形で含むエチレン系不飽和カルボン酸単量体を反復単
    位中に含有する熱可塑性樹脂含有保護膜である請求項1
    記載の飲料缶。
JP8096692A 1992-04-02 1992-04-02 衛生的特性に優れた飲料缶 Pending JPH05278745A (ja)

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