JP2970958B2 - 金属樹脂積層体 - Google Patents

金属樹脂積層体

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JP2970958B2
JP2970958B2 JP3174201A JP17420191A JP2970958B2 JP 2970958 B2 JP2970958 B2 JP 2970958B2 JP 3174201 A JP3174201 A JP 3174201A JP 17420191 A JP17420191 A JP 17420191A JP 2970958 B2 JP2970958 B2 JP 2970958B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属樹脂積層体に関す
るもので、より詳細には金属にポリエステルフィルム層
及び特定の接着層を介して塩化ビニル樹脂層が設けら
れ、キャップ等の用途に特に有用な積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
等のポリエステルフィルムは、各種腐食性成分に対する
バリヤー性に優れていると共に、機械的性質や加工性に
優れており、金属基体にPETフィルムをラミネートし
たものは、各種缶、カップ、キャップ或いは缶蓋等の包
装容器材料として次第に用途が拡大しつつある。
【0003】この積層材料を容器蓋殻体(シェル)と
し、この上に塩化ビニル樹脂コンパウンド等の塩化ビニ
ル樹脂のライニング層を設けることについても既にいく
つかの提案がなされている。
【0004】例えば、特開昭62−227643号公報
には、外層に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂層を
有し、中間層に二軸配向ポリエチレンテレフタレート樹
脂層を有し、下層にエポキシ樹脂及びその硬化剤である
フェノール系、ユリヤ系、アミド系、エステル系、アク
リル系、ウレタン系、の1種以上を含有した樹脂層を有
してなる容器蓋用樹脂被覆金属板が記載されている。
【0005】また、特開平1−278341号公報に
は、金属板の片面に二軸配向ポリエステルフィルムを貼
り合わせ、更にその二軸配向ポリエステルフィルムの外
面に架橋改質層が設けられたクロージャー用積層体にお
いて、該架橋改質層が親水基含有ポリエステル樹脂
[A]、該樹脂[A]に少なくとも1種以上の不飽和結
合を有する化合物[B]をグラフト化させた共重合体
[C]及び架橋結合剤を主成分とし、該共重合体[C]
のグラフト化率が0.5〜600%、該共重合体[C]
と該樹脂[A]の重量混合比率が90/10〜5/95
であることを特徴とするクロージャー用積層体が記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、ポリ
エステルフィルムと塩化ビニル樹脂(PVC)との接着
は非常に困難なものの一つであり、特に塩化ビニル樹脂
ライナー付容器蓋の場合のように、塩化ビニル樹脂が多
量の可塑剤を含有しており、しかも密封及び開封時にト
ルクが加わる場合には、容易に剥離を生じるという問題
がある。前者の容器蓋用被覆金属板ではPETフィルム
層と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との接着に問題が
あり、両者の界面で容易に剥奪が進行し、レトルト殺菌
に賦した場合には、レトルト装置内は加圧状態のため、
キャップに外圧がかかり、PVCライナーは熱とともに
過大な応力を受け、完全に剥離し、またPVCライナー
にカットスルー等が発生する。更に後者のクロジャー用
積層体では、架橋改質層とPVCライナーとの接着に問
題があり、やはりこの界面で容易に剥離が進行し、レト
ルト殺菌により完全に剥離し、PVCライナーにカット
スルー等がやはり発生する。
【0007】従って、本発明の目的は、金属基体上のポ
リエステルフィルムに対して塩化ビニル樹脂が強固に接
着結合された金属樹脂積層体を提供するにある。本発明
の他の目的は、密封及び開封時にトルクが加わった場合
にも、また応力を加えられた状態のもとでのレトルト殺
菌等の加熱処理を受けた場合にも、塩化ビニル樹脂層と
ポリエステルフィルム層との間で剥離を生じることのな
い塩化ビニル樹脂ライナー付容器蓋を提供するにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、金属基
体上の熱可塑性ポリエステルフィルム層に塩化ビニル樹
脂を積層するに際し、(A)塩化ビニル系樹脂及び
(B)官能基としてカルボキシル基及び/又は水酸基を
有する溶剤可溶型塩化ビニル共重合体樹脂より成る主成
分100重量部に対して(C)エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、アミノ樹脂及びアクリル系樹脂から成る群より
選ばれた少なくとも1種の硬化剤成分3乃至20重量部
を配合した接着塗料を、ポリエステルフィルム層に施
し、この上に塩化ビニル樹脂を積層すると、この接着塗
料は、ポリエステルフィルム層と塩化ビニル樹脂との両
方に優れた接着性を示し、回転トルク等の応力が加わっ
た状態でも、また応力下でのレトルト殺菌等の熱処理条
件に賦した場合にも、塩化ビニル樹脂の剥離が抑制され
ることを見いだした。
【0009】また、本発明者らは、接着塗料中の硬化剤
成分(C)として、(i)フェノール成分の20重量%
以上がビスフェノール類から成るフェノール樹脂と(i
i)ビスフェノール型エポキシ樹脂とを1:2乃至1
0:2の重量比で含有するエポキシフェノール樹脂を用
いると、この接着塗料はポリエステルフィルム層と塩化
ビニル樹脂との両方に特に優れた接着性を示し、塩化ビ
ニル樹脂中の可塑剤による接着力低下傾向を完全に抑制
することが可能となることを見いだした。
【0010】
【作 用】本発明は、(A)塩化ビニル系樹脂及び
(B)官能基としてカルボキシル基及び/又は水酸基を
有する溶剤可溶型塩化ビニル共重合体樹脂より成る主成
分100重量部に対して(C)エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、アミノ樹脂及びアクリル系樹脂から成る群より
選ばれた少なくとも1種の硬化剤成分3乃至20重量部
を配合した接着塗料を、ポリエステルフィルム層と塩化
ビニル樹脂との間に介在させることが顕著な特徴であ
る。
【0011】本発明において、通常の金属基体ではな
く、熱可塑性ポリエステルフィルム層を設けた金属基体
を使用するのは、ポリエステルフィルムが樹脂被覆の内
でも皮膜の連続性、緻密さ、無欠陥性等の点で最も優れ
ており、腐食性成分に対するバリヤー性においても特に
優れていることによる。しかしながら、ポリエステルフ
ィルムは同時に、塩化ビニル系樹脂に含有される可塑剤
に対してもバリヤー性を示し、これがポリエステルの界
面での接着低下の大きな原因となる。
【0012】上述した特定組成の塩化ビニル系樹脂塗料
は、ポリエステルフィルムとの密着性を、通常の接着条
件下は勿論のこと、接着低下の原因となる内容物を充填
し、或いは更に過大な応力がキャップにかかる加熱殺菌
を行った後にも十分に高め、しかも塩化ビニル系樹脂層
に開封トルク等の応力が加わった場合にも接着低下をも
たらさないという利点を与える。更に、この塩化ビニル
系樹脂塗料は、可塑剤を多量に含有する塩化ビニル系樹
脂ライナーを使用した場合にさえ、接着低下を全く生じ
ないという驚くべき特徴を示す。
【0013】本発明の塗料において、塩化ビニル系樹脂
粒子(A)は、塗膜中の塩化ビニル単位の量乃至は濃度
を高め、これにより、塩化ビニル系樹脂層との接着性を
高め、しかも塩化ビニル系樹脂層中に含まれる可塑剤に
よる接着劣化の影響を阻止するように作用する。これ
は、塩化ビニル系樹脂粒子が移行する可塑剤を吸収し保
持するように作用するためであろう。また、塩化ビニル
系樹脂粒子(A)はこの粒子を含まない塗料に比して、
塗膜の柔軟性乃至は応力に対する緩衝性を高め、開封ト
ルク等の応力が加わった場合や、過大な応力がキャップ
にかかる加熱殺菌を行った後でも接着低下をもたらさな
いという特性を付与する。
【0014】また、本発明は、塩化ビニル系樹脂粒子
(A)が塗膜中の塩化ビニル単位の量乃至は濃度を高
め、これによりポリエステルフィルムと加熱により強固
な接着結合を生じるという現象を利用するものである。
即ち、本発明者等の研究によると、塩化ビニル系樹脂塗
膜にポリエステルフィルムを熱接着させると、両者の接
着界面において両樹脂の混じり合いが極めて良好に行わ
れており、これが強固な接着が可能となる原因と考えら
れる。これら両樹脂の化学構造が全く異なるにもかかわ
らず、熱接着条件下で両樹脂の混じり合いが良好に行わ
れるのは、両樹脂の溶解度指数がかなり接近していると
いう事実と関連するものと認められる。
【0015】溶解度指数(Solubility Pa
rameter、Sp値)とは、例えばJ.BRAND
RUPら編”Polymer Handbook”第4
章(Johm Wiley&Soons、Inc.発
行、1967年)に定義されているように、凝集エネル
ギー密度(cal/cc)の1/2乗値として定義され
る。この溶解度指数は、熱可塑性樹脂の水素結合の強さ
とも密接に関連しており、水酸基、アミド基、エステル
基、ニトリル基或いは塩素原子等の極性基を重合体は、
これらの極性基の含有量や分布状態にも関連して、一般
に9以上の高い溶解度指数を示す。
【0016】下記表1は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ンテレフタレートのSp値を示す。
【0017】
【表1】 ――――――――――――――――――――――――――――─ 樹 脂 [(CAL/c.c.)1 / 2 ] ――――――――――――――――――――――――――――─ ポリ塩化ビニル 9.53 ポリエチレンテレフタレート 10.7 ポリブチレンテレフタレート 9.8 ――――――――――――――――――――――――――――─
【0018】次に、この塗料中に含有される溶剤可溶型
のカルボキシル基又は水酸基含有塩化ビニル共重合体
(B)は、カルボキシル基や水酸基の極性基を含有する
ことに関連して、ポリエステルフィルムとの密着性を顕
著に高めるように作用し、且つ塩化ビニル単位を含有す
ることにも関連して、塗膜に優れた柔軟性を与え、更に
塗膜全体に可塑的性質を与える。更にまた、この溶剤可
溶型共重合体(B)は、塗料の形で塩化ビニル系樹脂粒
子(A)の分散を安定化し、一方焼き付けた塗膜の形で
は各成分を一体化且つ平均化させるように作用する。
【0019】更に、この塗料中に含有される溶剤可溶型
の熱硬化性樹脂(C)は、カルボキシル基や水酸基に対
して反応性を有することから、形成される塗膜に硬化性
を付与し、且つポリエステルフィルムとの密着性を一層
向上させる補助作用を行う。
【0020】また、この熱硬化性樹脂(C)の一成分と
して、エポキシ基含有樹脂を用いることにより、塩化ビ
ニル系樹脂粒子(A)及び塩化ビニル共重合体(B)の
熱安定性を顕著に向上させる。
【0021】更にまた、接着塗料中の硬化剤成分(C)
として、(i)フェノール成分の20重量%以上がビス
フェノール類から成るフェノール樹脂と(ii)ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂とを1:2乃至10:2の重量
比で含有するエポキシフェノール樹脂を用いると、この
接着塗料はポリエステルフィルム層と塩化ビニル樹脂と
の両方に特に優れた接着性を示し、塩化ビニル樹脂中の
可塑剤による接着力低下傾向を完全に抑制することが可
能となる。
【0022】
【発明の好適態様】
(積層構造物)本発明の積層構造物の一例を示す図1に
おいて、この積層構造物1は、金属基体2と、金属基体
に接着された熱可塑性ポリエステルフィルム層3と、ポ
リエステルフィルム表面に施された特定の塩化ビニル樹
脂系接着塗料層4と、この接着塗料層を介して接着され
た塩化ビニル系樹脂層5とから成る。金属基体の他方の
表面には、塗料或いは樹脂フィルムからなる樹脂保護層
6が形成されている。金属基体2と熱可塑性ポリエステ
ルフィルム層3と溶着により直接熱接着されていてもよ
いが、それ自体公知の接着プライマー7により接着され
ているのが一般的である。
【0023】本発明の積層構造物は、王冠、キャップ等
の容器蓋の用途に特に有用であり、この一例を示す図2
において、Aはキャップ殻体10を示し、Bはライナー
11を設けたキャップ12を示す。キャップ殻体10
は、金属基体2と、金属基体の一方の表面に接着された
熱可塑性ポリエステルフィルム層3と、ポリエステルフ
ィルム表面に施された特定の塩化ビニル樹脂系接着塗料
層4と、金属基体の他方の表面に施された樹脂保護層6
からなる積層体を、ポリエステルフィルムが内面側とな
るように、頂板部13とスカート部14とにプレス成形
等の絞り加工に賦することで成形される。この頂板部1
3の内面側に、塩化ビニル系樹脂のプラスチゾルをスピ
ンコート等の手段で施し、加熱ゲル化すると同時に接着
させて、ライナー11に成形する。
【0024】(金属素材)金属素材としては、未処理の
鋼板(ブラックプレート)、各種表面処理鋼板、例えば
錫メッキ鋼板(ブリキ)、亜鉛メッキ鋼板、アルミメッ
キ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、クロムメッキ鋼板等のメ
ッキ鋼板;電解クロム酸処理鋼板等の電解処理鋼板;リ
ン酸及び/又はクロム酸処理鋼板等の化学処理鋼板や、
アルミニウム等の軽金属板或いはこれらの複合材等が使
用される。金属素材の厚みは、容器の最終寸法や素材の
種類によつても相違するが、一般に0.1乃至0.5m
m、特に0.14乃至0.35mmの範囲にあるのが望
ましい。
【0025】(ポリエステルフィルム)本発明では、ポ
リエステルフィルムとして二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを用いるのがよい。この二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルムとしては、エチレンテ
レフタレート単位のみから成るホモポリエステルの他
に、改質エステル反復単位の少量を含む改質PETフィ
ルムが使用される。用いるPETの分子量は、フィルム
形成能を有するような範囲であり、固有粘度[η]が
0.7以上であるべきである。このフィルムは二軸延伸
により配向結晶化されていることが好ましく、配向結晶
の存在は、X線回折法、密度法、複屈折法、偏光蛍光法
等により容易に確認し得る。ポリエチレテレフタレート
は、その融点よりかなり低い温度、例えば80乃至15
0℃の温度で容易に熱結晶化するという性質を有してお
り、しかもこの熱結晶化は水の存在により著しく促進さ
れるという傾向がある。しかも、包装容器の用途では1
05乃至125℃の温度で加熱殺菌することから、この
殺菌条件ではポリエチレンテレフタレートの熱結晶化
(球晶化)が著しく進行し、例えば120℃では10〜
20分で結晶化し白化する。しかして、ポリエチレンテ
レフタレートがもし熱結晶化すると、内面保護層自体著
しく脆くなり、保護層自体衝撃や外力により容易に剥離
するようになり、また結晶化に伴う体積収縮による内部
応力で被覆層の剥離や破壊等が生じるようになる。
【0026】本発明においては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムとして二軸延伸フィルムを使用し、該フ
ィルム自体を配向結晶化させておくことにより、加熱殺
菌中の熱結晶化を防止し、フィルムに優れた諸物性を実
質上そのまま維持させるものである。しかも、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムの分子配向により、未配向
のフィルムに比して腐食成分や可塑剤等に対するバリヤ
ー性が著しく向上し、強度、剛性等の諸物性も向上させ
ることができる。ポリエステルフィルムの厚みは、一般
に5乃至50μm、特に10乃至30μmの範囲にある
ことが好ましい。
【0027】(金属とフィルムとの接着)金属基体とポ
リエステルフィルムとを熱接着させる。この熱接着は、
金属基体の表面に対して直接或いは接着プライマー層を
介してポリエステルフィルムを溶着させる。ポリエステ
ルフィルムの分子配向を失わせないためには、金属基体
をポリエステルの融点以上の温度に加熱し、フィルムの
ごく表面層のみを溶融させ、熱接着後の積層体を急冷す
るのがよい。
【0028】一般に、金属基体とポリエステルフィルム
とをエポキシ−フェノール系の接着プライマーを介して
熱接着させることが金属基体の耐食性や経時的接着強度
の点で好ましい。接着性に特に優れたプライマーは、エ
ポキシ樹脂と多環多価フェノールを含有するフェノール
アルデヒド樹脂とから成るプライマーであり、特に好適
なエポキシ樹脂成分および多環多価フェノール含有フェ
ノールアルデヒド樹脂成分としては、塩化ビニル系樹脂
接着塗膜に関して後に詳述する組成のものが使用され
る。エポキシ−フェノール系の接着プライマーは、その
平均的厚みが、0.1乃至10μm、特に0.5乃至5
μmの範囲となるように設けるのがよい。このプライマ
ー層は、金属基体上に設けてもよいし、ポリエステルフ
ィルム上に設けてもよい。
【0029】(外面樹脂保護層)金属基体の他方の面に
施す樹脂保護層としては、熱硬化性樹脂塗料、例えば、
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムア
ルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケト
ン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミ
ド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリ
ル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或は熱可塑性樹脂
塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸
−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエス
テル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂塗料は
単独でも2種以上の組合せでも使用される。この保護塗
膜は、接着プライマーとしてのエポキシ系塗膜と共通で
あってもよいし、異なっていてもよい。又PETフイル
ムなどの合成樹脂フイルムを接着してもよい。
【0030】(接着塗料)本発明に用いる塩化ビニル樹
脂系接着塗料は、(A)塩化ビニル系樹脂及び(B)官
能基としてカルボキシル基及び/又は水酸基を有する溶
剤可溶型塩化ビニル共重合体樹脂より成る主成分100
重量部に対して(C)エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
アミノ樹脂及びアクリル系樹脂から成る群より選ばれた
少なくとも1種の硬化剤成分3乃至20重量部を配合し
た組成物からなる。
【0031】用いる塩化ビニル系樹脂粒子(A)は、塩
化ビニル単独或いは塩化ビニルと他のビニル単量体、例
えばブタジエン、スチレン、酢酸ビニル等の共重合体の
小量との組み合わせを、乳化重合或いは懸濁重合させる
ことにより製造され、その粒径は一般に、0.01乃至
10ミクロン、特に0.02乃至5ミクロンの範囲にあ
ることが好ましい。また、塩化ビニル系樹脂粒子(A)
の重合度は、800乃至4000、特に900乃至30
00の範囲にあることも加工性の点で好ましく、この分
子量が上記範囲外では塗膜の加工性や機械的性質が低下
する傾向がある。
【0032】この溶剤可溶型共重合体(B)は、カルボ
キシル基及び/又は水酸基を5乃至500ミリモル/1
00g樹脂、特に好適には10乃至300ミリモル/1
00g樹脂の濃度で含有することが好ましく、この濃度
が5ミリモル/100g樹脂よりも低い場合には、金属
基体−塗膜間で剥離を生じる傾向があり、一方この濃度
が500ミリモル/100g樹脂よりも高いと塗膜の耐
水性が低下し、耐腐食性も失われる傾向がある。
【0033】共重合体(B)中の塩化ビニル単位は、共
重合体当たり50乃至95重量%の量で存在することが
望ましい。この共重合体(B)は一般に80乃至150
0の重合度を有し、しかも塩化ビニル系樹脂(A)より
も小さい分子量を有することが望ましい。
【0034】カルボキシル基を与えるエチレン系不飽和
単量体の適当な例は、アクリル酸、メタクリル酸、無水
マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、
テトラヒドロ無水フタル酸等であり、水酸基を与える単
量体の適当な例は、ビニルアルコール(即ち酢酸ビニル
ケン化物)、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレ
ート等である。
【0035】塩化ビニル系共重合体(B)の適当な例
は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、塩
化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化・部分ブチラール化
物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシエチルメタク
リレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル
酸共重合体部分ケン化物等である。
【0036】熱硬化性樹脂(C)としては、エポキシ樹
脂、レゾール型及び/又はノボラック型のフェノール・
ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、キシ
レン樹脂、エポキシエステル樹脂、ブチラール樹脂等の
1種以上の組み合わせが用いられる。
【0037】この熱硬化性樹脂(C)の一成分として、
エポキシ基含有樹脂を用いることが好ましく、これによ
り、塩化ビニル系樹脂粒子(A)及び塩化ビニル共重合
体(B)の熱安定性を顕著に向上させることができる。
従来、塩化ビニル系樹脂に対する熱安定剤としては種々
のものが知られているが、これらの熱安定剤は、塗膜の
表面や金属素材との界面にブリードアウトし、密着力や
接着力を損ない、内容物中に移行して衛生的特性を損な
う傾向にある。これに対してエポキシ基含有熱硬化樹脂
を用いることにより、これと接する樹脂に結合し、さら
には網状化した状態で熱安定化が生じるので、前述した
欠点が有効に解消される。
【0038】好適なエポキシ樹脂は、ビスフェノールA
とエピハロヒドリンとから誘導されるエポキシ樹脂であ
り、分子量が350乃至4000、特に300乃至15
00で、エポキシ当量が180乃至3500、特に20
0乃至1500のものである。
【0039】熱硬化性樹脂(C)の一成分として、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂を用いることが好まし
く、これにより、ポリエステルフィルムとの強固な接着
結合が得られる。
【0040】ポリエステルフィルムとの接着性の点で好
適なフェノール樹脂は、樹脂骨格中に多環フェノールを
含有するものである。本明細書において、多環フェノー
ルとは、フェノール性水酸基が結合した環を複数個有す
るフェノール類の意味であり、かかる多環フェノールの
代表的な例として、式
【化1】 式中、Rは直接結合或は2価の橋絡基を表わす。で表わ
される2価フェノールが知られており、かかるフェノー
ルは本発明の目的に好適に使用される。前記「化1」の
2価フェノールにおいて、2価の橋絡基Rとしては、式
−CR1 2 −(式中、R1 及びR2 の各々は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数4以下のアルキル基、または
パーハロアルキル基である)のアルキリデン基、−O
−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR3 −(式
中、NR3は水素原子または炭素数4以下のアルキル基
である)の基等を挙げることができるが、一般にはアル
キリデン基又はエーテル基が好ましい。
【0041】このような2価フェノールの適当な例は、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノ−ルA)、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、4−
ヒドロキシフェニルエーテル、p−(4−ヒドロキシ)
フェノール、等であるが、ビスフェノールA及びビスフ
ェノールBが最も好適である。
【0042】これらの多環フェノールは単独で或はその
他のフェノール類との組合せで、ホルムアルデヒドと縮
合反応させてレゾール型フェノールアルデヒド樹脂とす
る。その他のフェノール類としては、従来この種の樹脂
の製造に使用される1価フェノールは全て使用できる
が、一般には下記式
【化2】 式中、R4 、R5 、R6 の各々は水素原子又は炭素数4
以下のアルキル基又はアルコキシ基であって、3個の基
の内2個は水素原子であり、かつ1個はアルキル基又は
アルコキシ基であるものとする。で表わされる2官能性
フェノール、例えば、o−クレゾール、p−クレゾー
ル、p−tertブチルフェノール、p−エチルフェノー
ル、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等の
2官能性フェノールの1種又は2種以上の組合せが最も
好ましい。勿論、上記「化2」の2官能性フェノールの
他に、フェノール(石炭酸)、m−クレゾール、m−エ
チルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシ
フェノール等の3官能性フェノール類;2,4−キシレ
ノール、2,6−キシレノール等の1官能性フェノール
類;p−tert−アミルフェノール、p−ノニルフェノー
ル、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェ
ノール等のその他の2官能性フェノールも、単独で或は
上記「化2」の2官能性フェノールとの組合せで、フェ
ノールアルデヒド樹脂の調製に使用することができる。
【0043】フェノールアルデヒド樹脂中における多環
フェノールの量は全フェノール成分の少なくとも20重
量%以上、特に25重量%以上であればよいが、多環フ
ェノール(イ)と前記1価フェノール(ロ)とを、 イ:ロ=98:2〜65:35、 特に 95:5〜75:25 の重量比で組合せることが、耐レトルト性の点で有利で
ある。
【0044】また、フェノールアルデヒド樹脂のアルデ
ヒド成分としては、ホルムアルデヒド(又はパラホルム
アルデヒド)が特に適しているが、アセトアルデヒド、
ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等の他のアルデヒ
ドも単独或はホルムアルデヒドとの組合せで使用するこ
とができる。
【0045】本発明に用いるレゾール型フェノールアル
デヒド樹脂は、上述したフェノールとアルデヒドとを塩
基性触媒の存在下に反応させることにより得られる。フ
ェノールに対するアルデヒドの使用量には特に制限はな
く、従来レゾール型樹脂の製造に使用されている量比で
用いることができ、例えばフェノール類1モル当たり1
モル以上、特に1.5 乃至3.0 モルの量比のアルデヒドを
好適に用いることができるが、1モルよりも少ないアル
デヒドを用いても特に不都合はない。
【0046】縮合は、一般に適当な反応媒体中、特に水
性媒体中で行うのが望ましい。塩基性触媒としては、従
来レゾール型樹脂の製造に使用されている塩基性触媒の
いずれもが使用でき、就中、アンモニアや、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化マ
グネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性塩化マグ
ネシウム、塩基性酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金
属等の水酸化物、酸化物或は塩基性塩等が好適に使用さ
れる。これらの塩基性触媒は、反応媒体中に触媒量、特
に0.01乃至0.5モル%の量で存在させればよい。
縮合条件は、特に制限はなく、一般に80乃至130℃
の温度で1乃至10時間程度の加熱を行えばよい。
【0047】生成する樹脂はそれ自体公知の手段で精製
することができ、例えば、反応生成物たる樹脂分を例え
ばケトン、アルコール、炭化水素溶媒或はこれらの混合
物で反応媒体から抽出分離し、必要により水で洗浄して
未反応物を除去し、更に共沸法或は沈降法により水分を
除去して、エポキシ樹脂に混合し得る形のレゾール型フ
ェノールアルデヒド樹脂とすることができる。
【0048】前述したエポキシ樹脂成分(A)とフェノ
ールアルデヒド樹脂成分(B)とは、任意の割合で組合
せて使用することができ、特別に制限は受けない。塗膜
の耐レトルト性の見地からは、 A:B =90:10乃至50:50、 特に 85:15乃至70:30 の重量比で両者を組合せた硬化剤を、接着塗膜の形成に
用いるのが望ましい。
【0049】前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂とは、
ケトン類、エステル類、アルコール類或は炭化水素溶媒
或はこれらの混合溶媒等に溶解した状態で混合し、直接
塗料成分として使用することも可能であるが、一般に
は、これらの混合樹脂溶液を、80乃至130℃の温度
で1乃至10時間程度予備縮合させた後、塗料の硬化剤
成分とするのが望ましい。
【0050】塩化ビニル系樹脂(A)を、主成分基準で
10乃至80重量%、特に20乃至60重量%の量で含
有することが好ましく、この量が上記範囲よりも少ない
ときには、前述した利点が幾分損なわれ、また塗料の加
工性や耐クリープ性等の機械的性質が低下する傾向があ
り、一方上記範囲よりも多いときにはポリエステルフィ
ルムへの密着性、塗膜の加工性等が上記範囲にある場合
よりも低下する傾向がある。
【0051】また、熱硬化性樹脂(C)を、主成分当た
り3乃至20重量部、特に5乃至20重量部の量で用い
ることも重要であり、上記範囲よりも少ない場合には、
硬化性、密着性、熱安定性の点で満足すべき結果が得ら
れず。一方上記範囲よりも多いと塩化ビニル系塗料とし
ての優れた利点が失われることになる。
【0052】本発明に用いる塗料においては、前記共重
合体(B)及び熱硬化性樹脂(C)は分散媒としての連
続相中に、前記塩化ビニル系樹脂粒子(A)は該連続相
中に分散した分散質の形で存在する。この特徴の故に、
この塗料は高固形分濃度で塗装が可能である。
【0053】本発明に用いる塗料は、前記成分(B)及
び成分(C)を、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサン等のケトン系溶媒;エタ
ノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶
媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソル
ブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒
等の1種又は2種以上に溶解させ、この溶液中に塩化ビ
ニル系樹脂(A)を分散させることにより製造される。
【0054】この塗料は、固形分濃度が10乃至70重
量%の範囲内で塗装に適した粘度でポリエステルフィル
ムへの塗布に用いられる。
【0055】塗装は、ローラ塗布、ブラシ塗布、ドクタ
ーコータ、スプレー塗布、静電塗装、浸漬塗布等の任意
の手段で行うことができる。ポリエステルフィルムへの
塗工量は、乾燥基準で0.5乃至30g/m2 、特に1
乃至20g/m2 の範囲とすることが、本発明の目的に
好都合である。塗装後の積層体は、熱風炉、赤外線加熱
炉等において、150乃至350℃で5秒乃至30分で
焼き付けて所望の塗膜とする。
【0056】(積層体の成形)金属基体2と、金属基体
の一方の表面に接着された熱可塑性ポリエステルフィル
ム層3と、ポリエステルフィルム表面に施された特定の
塩化ビニル樹脂系接着塗料層4と、金属基体の他方の表
面に施された樹脂保護層6からなる積層体には、直接塩
化ビニル樹脂組成物を被覆として施すこともでき、また
上記積層体を容器蓋等の所望の形に成形した後、塩化ビ
ニル樹脂組成物を施すこともできる。
【0057】後者の場合、積層体の王冠、キャップ等の
容器蓋への成形は、打ち抜きプレス加工、絞り成形、し
ごき成形、ビード加工、カール加工、ナール加工、スレ
ッド加工、ロールオン加工等の操作を単独で或いは必要
により2種以上組み合わせることにより行われる。もち
ろん、本発明の加工は、容器蓋に限定されることなく、
各種容器、各種構造材、各種建材、各種部品等の用途に
も有用であることが理解されるべきである。
【0058】(塩化ビニル樹脂の施用)塩化ビニル系樹
脂組成物は、粉末、ジスク、フィルム、プリフォーム、
或いはその他の成形品の形で、或いは溶融物の形で、或
いはプラスチゾルの形で、積層体上の塩化ビニル系接着
塗膜上に施すことができる。固体の形で施した場合に
は、この施したものを加圧下に加熱することにより両者
の接着が進行する。また溶融物の場合には、この溶融物
が有する熱により接着が行われる。溶融物を成形すると
同時にこの成形厚で強固な接着が可能となることが了解
されるべきである。更にプラスチゾルの場合には、プラ
スチゾルのゲル化の為の加熱により接着が進行すること
も了解されるべきである。
【0059】この塩化ビニル系樹脂には、それ自体公知
の配合剤を配合し得る。例えば、ジオクチルフタレー
ト、エポキシ化大豆油等の可塑剤は可塑性付与、流動性
付与の目的で使用でき、またステアリン酸カルシウム、
有機錫化合物、有機リン酸エステル等の熱安定剤や、ミ
クロクリスタリンワックス、高級脂肪酸アミド等の滑剤
や、炭酸カルシウム、焼成クレイ等の充填剤や、酸化チ
タン、酸化亜鉛、アルミニウム粉、カーボンブラック等
の顔料をそれ自体公知の処方で配合し得る。
【0060】ライナー付き容器蓋の製造に有用なプラス
チゾル組成物は、下記の処方を有するものである。 ポリ塩化ビニル樹脂 100PHR 可塑剤 60〜120PHR 着色剤 0〜10PHR 充填剤 0〜30PHR 滑剤 0〜5.0PHR 安定剤 0.1〜5.0PHR
【0061】
【実施例】
キャップの性能 板厚0.17mmの冷延鋼板に二軸配向ポリエステルフ
ィルムをラミネートロールによりラミネートし、その積
層鋼板のポリエステルフィルム面上に、表1に示した組
成からなる塗料を乾燥膜厚が約5ミクロンになるように
ロールコーターで塗装しガスオーブンを用いて190℃
で10分間焼付硬化した。それらの塗装面がキャップの
内面となるようにして、その塗装板を直径51mmのP
Tキャップシェルに成形し、このキャップシェル内面の
内側外周部にポリ塩化ビニルコンパウンドを所定量供給
し、型押しし230℃で焼き付け、ライナーを成形し
た。それらのキャップについて、性能の評価をおこな
い、その結果を表3に示した。
【0062】キャップの性能評価方法 (1) 内容物が180mlの瓶に90℃の温水を満量充
填し、IMC260片キャッピングマシンにてキャップ
を密栓し、レトルト処理装置に入れ、125℃−45分
間処理をし、その後除々に冷却した。その試料が室温に
なつてからキャップを開栓し、その内面にライニングし
ているPVCライナーの剥離状態を観察した。 ◎:PVCライナーがキャッチプ内面に完全に接着して
剥離なし。 ○:ライニングしたPVCライナーの面積の1%以下の
剥離が観察される。 △:ライニングしたPVCライナーの面積の1%−5%
の剥離が観察される。製品化困難。 ×:ライニングしたPVCライナーの面積の5%以上の
剥離が観察される。製品化困難。
【0063】(2) (1)と同様にキャップをキャッピング
し、開栓後、キャップ内面のPVCライナーとキャップ
シェルとの接着強度を引っ張り試験機にて測定した。そ
の結果を引っ張り強度(g)で示した。また、測定時に
接着強度が大きく、PVCライナーが避けた時は、切れ
た時の値と記号( )で示した。
【0064】(3) (1)と同様にキャッピング後、キャッ
プを開栓し、PVCライナーが薄くなって引き裂かれて
(カットスルー)いないかを観察した。 ◎:PVCライナーが正常である。 ○:PVCライナー薄くなっているが、引き裂かれてい
ない。 ×:PVCライナーが薄くなって引き裂かれている(カ
ットスルー)。
【0065】(4) (1)と同様にキャップをキャッピング
後、開栓し、キャップ内面の接着塗料の塗膜状態を観察
した。 ◎:良好 ○:やや良好 ×:不良
【0066】(5) (1)と同様にキャップをキャッピング
後、瓶内真空度を測定し、漏れた試料の本数を調べた。
【0067】塗料の調整 以下の実施例に使用する塗料は、下記の通りの成分を、
それぞれ表2に記した割合で、不揮発分が40重量%と
なるように溶解および、又は分散した。 (A)塩化ビニル樹脂 a.塩化ビニルペーストレジン(日本ゼオン製、ゼオン
121) (B)塩化ビニル系共重合樹脂 a.塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカー
バイド製、VYHH) b.塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合樹脂
(ユニオンカーバイド製、VMCH) (C)アミノ樹脂 a.ブチルエーテル化ユリア樹脂(大日本インキ化学
(株)製、P138) (D)エポキシ樹脂 a.エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピー
コト828) (E)フェノール樹脂 a.フェノール樹脂(日立化成工業(株)製、ヒタノール
4020) b.ビスフェノール樹脂 ビスフェノームA100重量%と37%ホルマリン75
重量%を水に溶かし、25%アンモニア水3重量部を加
え、95℃で3時間反応させた。反応後、ケトン、アル
コール、炭化水素などからなる混合溶剤を添加し、共沸
法により脱水、冷却後レゾール型ビスフェノールA樹脂
28%溶液を得た。 (F)アクリル樹脂 a.アクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、ダイアナ
ール−HR470) (G)ポリエステル共重合体/メラミン架橋剤の水分散
体 a.アクリルをグラフト化させた水分散性ポリエステル
共重合体として高松樹脂株式会社製”ペスレジン60
4”に架橋結合剤としてメラミン系架橋”ニカラックM
W−12LF”(触媒化成工業株式会社製)を樹脂固形
100重量部に対して4重量部添加した分散液。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】表3の結果から、ビニル系塗料に熱硬化性
の樹脂を添加し、PETフィルム面にコートすると、P
VCライナーの接着力が増し、レトルト処理をしても製
品として実用上問題のない性能が得られた。とくに、ビ
スフェノール系のフェノール系のフェノール樹脂を5重
量部−20重量部添加すると最も良好な性能を示した。
但しその範囲を越えると、少ない時はPVCライナーの
剥奪や、瓶内の真空度が低下して密封性能が悪く、また
多いときには、キャップ成形での塗膜のむけが確認され
た。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、金属基体上の熱可塑性
ポリエステルフィルム層に塩化ビニル樹脂を積層するに
際し、(A)塩化ビニル系樹脂及び(B)官能基として
カルボキシル基及び/又は水酸基を有する溶剤可溶型塩
化ビニル共重合体樹脂より成る主成分100重量部に対
して(C)エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂
及びアクリル系樹脂から成る群より選ばれた少なくとも
1種の硬化剤成分3乃至20重量部を配合した接着塗料
を、ポリエステルフィルム層に施し、この上に塩化ビニ
ル樹脂を積層することにより、この接着塗料は、ポリエ
ステルフィルム層と塩化ビニル樹脂との両方に優れた接
着性を示し、回転トルク等の応力が加わった状態でも、
またレトルト殺菌等の熱処理条件に賦した場合にも、塩
化ビニル樹脂の剥離が抑制される。
【0072】本発明の金属基体−ポリエステルフィルム
−特定の接着塗料−塩化ビニル樹脂からなる積層体はキ
ャップ等の容器蓋として特に有用であり、密封及び開封
時にトルクが加わった場合にも、レトルト殺菌等の加熱
処理を受けた場合にも、塩化ビニル樹脂層とポリエステ
ルフィルム層との間で剥離を生じることがなく耐腐食
性、内容物保存性等にも極めて優れているという利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層構造物の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の積層構造物の容器蓋への応用の一例を
示す断面図であり、Aはキャップ殻体を示し、Bはライ
ナーを設けたキャップを示す。
【符号の説明】
1 積層構造物、2 金属基体、3 熱可塑性ポリエス
テルフィルム、4 特定の塩化ビニル樹脂系接着塗料
層、5 塩化ビニル系樹脂層、10 キャップ殻体、1
1 ライナー、13 頂板部、14 スカート部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 芳夫 神奈川県平塚市長瀞2番12号日本クラウ ンコルク株式会社 平塚工場内 (56)参考文献 特開 平1−278341(JP,A) 特開 昭62−227643(JP,A) 特開 平3−140321(JP,A) 特開 昭64−84419(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 35/44 - 35/54 B65D 39/00 - 55/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基体と、該金属基体に接着された熱
    可塑性ポリエステルフィルム層と、該ポリエステルフィ
    ルム層に施された塩化ビニル樹脂層とから成る金属樹脂
    積層体において、塩化ビニル樹脂層が(A)塩化ビニル
    系樹脂及び(B)官能基としてカルボキシル基及び/又
    は水酸基を有する溶剤可溶型塩化ビニル共重合体樹脂よ
    り成る主成分100重量部に対して(C)エポキシ樹
    脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂及びアクリル系樹脂か
    ら成る群より選ばれた少なくとも1種の硬化剤成分3乃
    至20重量部を配合した接着塗料を介して、ポリエステ
    ルフィルム層に接着されていることを特徴とする金属樹
    脂積層体。
  2. 【請求項2】 接着塗料中の硬化剤成分(C)が、
    (i)フェノール成分の20重量%以上がビスフェノー
    ル類から成るフェノール樹脂と(ii)ビスフェノール
    型エポキシ樹脂とを1:2乃至10:2の重量比で含有
    するエポキシフェノール樹脂である請求項1記載の金属
    樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の金属樹脂積層体から成
    り、金属基体が容器蓋殻体であり、塩化ビニル樹脂層が
    ライナー材であることを特徴とするライナー付容器蓋。
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WO2016104579A1 (ja) * 2014-12-26 2016-06-30 新日鐵住金株式会社 食品容器用フィルムラミネート金属板、および、これを用いたツイストキャップおよび缶蓋

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