JPH0631109B2 - レトルト用包装容器 - Google Patents

レトルト用包装容器

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JPH0631109B2
JPH0631109B2 JP63161022A JP16102288A JPH0631109B2 JP H0631109 B2 JPH0631109 B2 JP H0631109B2 JP 63161022 A JP63161022 A JP 63161022A JP 16102288 A JP16102288 A JP 16102288A JP H0631109 B2 JPH0631109 B2 JP H0631109B2
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忠彦 葛良
芳樹 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、レトルト(殺菌)用包装容器に関するもの
で、より詳細には、レトルト殺菌及びその後の保存に耐
える密封性能と易開封性能と耐フェーザリング性との組
合せを有するヒートシート容器に関する。
(従来の技術) 従来、少なくとも内面が樹脂で形成されたフランジ付容
器と、内面樹脂金属箔シートから成る蓋体とを、フラン
ジ部でヒートシールして成る容器は、食品包装等の多く
の分野で広く使用されている。
蓋体内面材としては、殆んどの場合ヒートシール性の面
からポリオレフィンのような樹脂フィルムが使用されて
いるが、腐食性成分に対するバリヤー性、即ち耐腐食性
の点では缶内面塗料等に広く使用されている塗料が優れ
ている。しかしながら、このような塗料の殆んどのもの
は容器内面を構成するポリオレフィンに接着性を有し
て、一般に塗膜とオレフィン系樹脂との接着性を高める
ために、塗膜中に酸変性オレフィン系樹脂を添加し、塗
膜表面に酸変性オレフィン系樹脂を優先的に分布させる
ことにより、両者の熱接着性を向上させることは、既に
特公昭58-2825 号公報により知られている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記先行技術によると、塗膜とオフィン系樹脂層との間
に強固な接着結合を導入し得るという利点が得られる
が、蓋体とフランジとのヒートシール界面で手により剥
離を行って開封を行う、所謂ピーラブルシール容器とし
ての用途にはシール強度が強すぎるという問題がある。
この問題を解消するものとして、特公昭58-385号公報に
は、複数の塗膜構成として塗膜間で剥離を行うものや、
特公昭56-22699号公報には、塗膜中における酸変性オレ
フィン系樹脂の分布をその下層の分布制御剤層により制
御して易剥離性を付与することが知られている。しかし
ながら、これらの手段を二段にわたって行なわなければ
ならないという煩わしさがある。
従って、本発明の目的は、容器本体の少なくとも内面側
がポリオレフィンから成り、蓋体が内面側に塗膜を設け
た金属箔シートから成り、しかも両者の間に形成される
ヒートシール部がレトルト殺菌及びその後の保存に耐え
る密封性能を有すると共に、開封に際しては両者のヒー
トシール界面でフェーザリングの発生なしに容易に剥離
を行い得るレトルト用包装容器を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、フランジ付容器本体と蓋体とを前記フ
ランジ部でヒートシールして成る容器であって、前記フ
ランジ付容器本体が少なくとも内面側がポリオレフィン
系樹脂で形成された容器本体であり、前記蓋体が、熱硬
化性樹脂塗料中に酸変性ポリオレフィンを分散させた塗
料の内面保護塗膜を備えた金属箔から成り、且つ 前記保護塗膜は、下記式、 式中、Lは内面保護塗膜の厚さ(μm)を表わし、 xは熱硬化性樹脂100重量部当りの酸変性ポリオレフ
ィンの配合重量部数であり、 dは熱硬化性樹脂の密度(g/cm3) であり、 dは酸変性ポリオレフィンの密度(g/cm3) である、 で定義される被覆性(l)が0.3 乃至10の範囲にある
ことを特徴とするレトルト用包装容器が提供される。
(作 用) 本発明のレトルト用包装容器においては、蓋体側に塗膜
が、容器本体側にヒートシール性のポリオレフィンが夫
々存在する。フランジ付容器本体と蓋体とがフランジ部
でヒートシールされた容器をヒートシール面で剥離して
開封する場合に生じる最大の問題は、ヒートシール部で
きれいな剥離が生じなく、ヒートシール性樹脂が破片状
に凝集破壊する所謂フェーザリングを生じ、開口部の外
観的特性を損うことである。本発明において、蓋体内面
側に塗膜を、容器本体側にポリオレフィンを設けると、
ヒートシール面を含む面内にはフランジ部にのみポリオ
レフィンが存在することになり、しかもフランジ部とほ
ぼ同じ面内に位置する蓋体には、金属箔との密着性に優
れしかも凝集力がポリオレフィンに比して格段に大きい
塗膜が存在することから、前述したフェーザリングの発
生が有効に防止されるものである。
蓋体側を塗膜とし、容器本体側をポリオレフィンとする
ことも、耐腐食性の点でも利点をもたらす。蓋体及び容
器本体が共に金属基体を備えている場合、容器本体は素
材をカップ状に絞り成形することにより形成され、一方
蓋体は素材を所定形状に剪断することにより形成され
る。かくして、容器本体は苛酷な加工を受け、加工の際
の傷の発生を防止するという見地からは、塗膜に比して
厚みのはるかに大きい樹脂フィルムの被覆が有効であ
る。一方、蓋体については加工の程度が小さく、加工に
よる傷の発生も殆んどないことから、しかも樹脂フィル
ムら比して腐食成分のバリヤー性に優れている塗膜を小
さい厚みで設ければよい訳である。
ところで、蓋体側の塗膜と、容器本体側のポリオレフィ
ンとの間には殆んど密着性がないことから、本発明によ
れば蓋体側の塗膜に、酸変性ポリオレフィンを配合す
る。塗膜に酸変性ポリオレフィンを配合してポリオレフ
ィンとの接着性を向上させることは、前述した特公昭58
-2825 号公報により公知であるが、本発明においては、
ポリオレフィンとのヒートシール面に易剥離性が付与さ
れるような少量で塗膜中に含有させることが特徴であ
る。ここで言う易剥離性とは、レトルト処理やその後の
保存時には十分な密封性能が維持されるが、開封時には
手による界面での剥離が容易に行われるような特性であ
る。
一層具体的には、内面保護塗膜の厚さL、酸変性ポリオ
レフィンの配合部数x、塗料樹脂密度d、酸変性ポリ
オレフィン密度dに関連して、前記式(1) の被覆性
(l)が0.3 乃至10、特に0.4 乃至5の範囲となるよ
うに、酸変性ポリオレフィンの配合量を選べば、満足す
べき特性が得られる。即ち、被覆性(l)が上記範囲よ
りも小さい場合には、ピール強度や密封信頼性が上記範
囲内のものに比して劣る傾向があり、一方この値が上記
範囲よりも大きい場合には、易開封性能の点で劣ること
になる (発明の好適態様) 包装容器 本発明の包装容器の一例を示す第1図において、この包
装容器は、容器本体1と蓋体2とから成る。容器本体1
は、以下に述べるシートの絞り成形で形成されテーパー
状乃至筒状の胴壁部3A、胴壁部の下端に連なる底部3
B及び胴壁部の上端に連なるフランジ部4から成ってい
る。容器本体シートの断面構造の一例を示す第2図にお
いて、このシート5は金属箔6、金属箔の容器内面側と
なる面に施された内面被覆層7及び容器外面側となる面
に施された外面被覆保護層8から成っている。
本発明においては、既に述べた通り内面被覆層7がポリ
オレフィンフィルムから成り、このポリオレフィンフィ
ルム7と金属箔6とは、ポリウレタン接着剤、エポキシ
接着剤或いは酸変性ポリオレフィン接着剤(図示せず)
を介して接着されていることができる。
一方、蓋体2は、以下に説明するような積層体から構成
されていると共に、容器本体フランジ部の外周とほぼ同
じ寸法及び形状を有しており、フランジ部4との間にヒ
ートシール部9を形成している。この蓋体2を構成する
積層体の断面構造を示す第3図において、この積層体1
0は金属箔等から成る基体層11と該基体11の容器最
内面となる側に設けられた内面被覆層12と、該基体層
11の外面に設けられた外面保護層13とから成る。
蓋体の内面被覆12には、既に述べた通り、酸変性ポリ
オレフィンをヒートシール面に易剥離性が付与されるよ
うな少量で含有する塗料から形成されている。塗料中の
塗膜形成性樹脂は、熱硬化性樹脂から成っているのが好
ましく、特にエポキシ樹脂とそれに対する硬化剤樹脂と
の組合せから成っているものが最も好ましい。塗料中に
含有させる酸変性ポリオレフィンは、容器本体内面被覆
12を構成するポリオレフィンと主たるオレフィン単位
を共通にするポリオレフィン主鎖骨格を有するのがよ
い。また基体層11と酸変性ポリオレフィン含有塗膜1
2aとの間に酸変性ポリオレフィンを含有しない塗膜の
ような中間層12bがあってもよい。
蓋 体 蓋体の内面塗膜に用いる酸変性オレフィン系樹脂として
は、オレフィン系樹脂をエチレン系不飽和カルボン酸乃
至その無水物でグラフト変性した樹脂が使用される。オ
レフィン系樹脂幹ポリマーとしては、低−中−又は高−
密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、ホモポ
リプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、
ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ブテン−1/プロ
ピレン共重合体、ブテン−1/プロピレン/エチレン三
元共重合体等を挙げることができる。耐レトルト性の点
では、ホモポリプロピレンが好適である。エチレン系不
飽和カルボン酸乃至その無水物としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、テトラ
ヒドロ無水フタル酸等を挙げることができるが、ヒート
シール性の点で無水マレイン酸が最も適当である。用い
る酸変性オレフィン系樹脂は、酸基を、酸基をカルボニ
ル基(=CO)として0.01乃至600 ミリ当量/100 g樹
脂、特に1.0 乃至200 ミリ当量/100 g樹脂の濃度で含
有するのがよい。
酸変性ポリオレフィンを分散させる塗料としては、金属
箔に対する密着性に優れた金属用塗料であれば任意のも
のを用いることができるが、一般に熱硬化性塗料、特に
熱機械分析法(TMA) によるガラス転移点(Tg)が90乃至
130 ℃、特に95乃至120 ℃の範囲内にある熱硬化性塗
料が有利である。これらの内でも、金属箔への密着性と
腐食成分に対するバリヤー性の見地では、エポキシ樹脂
とこれに対する硬化剤樹脂とを含有すものが最もよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA等のビスフェ
ノール類とエピハロドリンとの重縮合により得られたビ
スフェノール型エポキシ樹脂が好適であり、そのエポキ
シ当量は一般に400 乃至20,000、特に1,000 乃至5,000
の範囲にあるのが好ましい。エポキシ樹脂に対して反応
性のある樹脂硬化剤としては、エポキシ樹脂の水酸基や
オキシラン環に対して反応性を有する官能基、例えば水
酸基、アミノ基、カルボキシル基等を有する樹脂;例え
ばレゾール型及び/又はノボラック型のフェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン・ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、キシレ
ン樹脂、エポキシエステル樹脂、ブチラール樹脂等の1
種又は2種以上の組合せが使用される。これらの内でも
メチロール基含有熱硬化性樹脂、特にレゾール型フェノ
ール樹脂やアミノ樹脂が好適である。
エポキシ樹脂と硬化剤樹脂との割合いは、95:5乃至
40:60の重量比、特に90:10乃至50:50の
重量比の範囲内にあるのが好ましい。
酸変性ポリオレフィンは、一般に塗膜当り、0.2 乃至1
5重量%、特に0.5 乃至10重量%の範囲でしかも式
(1) を満足する範囲で用いるのがよい。塗膜の形成は、
前述した塗料溶液に酸変性オレフィン系樹脂を分散さ
せ、この塗料を金属箔上に塗布し、これを焼付ることに
より形成される。塗膜の厚みは、一般に2乃至30μ
m、特に5乃至20μmの範囲にあることが望ましい。
塗膜の焼付は180 乃至250 ℃で30秒乃至10分間で行
うことができる。
金属箔の外面に設ける保護塗膜は、例えばフェノール・
ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、キシレン・ホルムア
ルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリエス
テル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、ウレタン樹脂の単独
又は2種以上の組合せから成る熱硬化性樹脂:或いはア
クリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニルマレイン酸共重合体、ビニルブチラー
ル樹脂等のビニル樹脂、スチレン−ブタジエン−アクリ
ル酸エステル共重合体、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹
脂の塗膜であってよい。また、外面保護層は、二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロ
ンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の熱可塑性樹
脂フィルム;各種紙;或いはこれらの二種以上のラミネ
ートから成っていてもよい。
容器本体 本発明の容器本体は、少なくとも内面がポリオレフィン
から形成されている限り、ポリオレフィン単独の容器、
ポリオレフィンと他の樹脂との積層容器、ポリオレフィ
ンと金属箔との積層容器から成っていてもよい。
容器本体内面を構成するポリオレフィンとしては、酸変
性ポリオレフィンの幹ポリマーとして例示したもの、即
ち低−,中−又は高−密度ポリエチレン、リニア低密度
ポリエチレン、ホモポリプロピレン、結晶性プロピレン
−エチレン共重合体、ポリブテン−1、ポリペンテン−
1、ブテン−1/プロピレン共重合体、ブテン−1/プ
ロピレン/エチレン三元共重合体等を挙げることができ
る。耐レトルト性の点では、ホモポリプロピレン乃至プ
ロピレン共重合体が好適である。勿論、ポリオレフィン
内面材としては、例示したものを単独で使用する代り
に、その2種以上を含有するブレンド物又は共重合体を
用いることもできる。
本発明に用いる内面材は、酸変性オレフィン樹脂のオレ
フィン単位と同じオレフィン単位を含有し且つこのオレ
フィン単位を50乃至95重量%、特に65乃至85重
量%で含有することが望ましい。即ち、本発明のこの態
様で用いる内面材は、酸変性オレフィン系重合体に含ま
れるオレフィン単位以外のオレフィン単位を、共重合体
乃至はポリマーブレンドの形で5乃至50重量%含有す
る。
例えば、酸変性オレフィン樹脂が無水マレイン酸変性ポ
リプロピレンである場合、内面材はプロピレン単位を5
0乃至95重量%の量で含有し且つプロピレン以外のオ
レフィン単位、例えばエチレン又はブテン−1を共重合
体又はブレンドの形で5乃至50重量%含有する。これ
は酸変性オレフィン樹脂が酸変性ポリエチレンである場
合にも同様に当てはまる。
一般に、耐レトルト性の見地からは、内面材はホモポリ
プロピレン又はプロピレン単位を主体とするプロピレン
−エチレン共重合体を含有することが好ましいことは前
に指摘したが、一方酸変性オレフィン形樹脂とは異なる
オレフィン単位はポリマーブレンドの形で内面材に含有
されることが好ましい。かくして、酸変性プロピレン樹
脂に対しては、内面材として、ホモポリプロピレン又は
プロピレン−エチレン共重合体とポリエチレンとを5
0:50乃至95:5、特に60:40乃至80:20
の重量比でブレンドしたものを用いることが推奨され
る。
容器本体は、前述したポリオレフィン単独から成るシー
ト、或いは前記ポリオレフィンを内外層及び酸素バリヤ
ー性樹脂、例えばエチレンビニルアルコール共重合体、
脂肪族乃至芳香族ポリアミド、塩化ビニリデン共重合体
を中間層として積層した積層シートを、樹脂の溶融温度
において、真空成形、圧空成形或いはプラグアシスト成
形して成るプラスチックカップ容器や、上記各種シート
を延伸温度(固相温度)で同様に成形して成る一軸或い
は二軸延伸プラスチックカップ容器であってよい。
また、容器本体は金属箔を中間層とし、これの両面にポ
リオレフィンフィルム層を設けた積層シートを、ダイス
とポンチとの間で絞り成形して成るカップ状容器であっ
てよい。この場合、金属箔は蓋体について前述したもの
であったものでよく、内面材の厚みは一般に10乃至20
0 μ、特に30乃至100 μの範囲にあるのがよい。
用 途 本発明の包装容器は、内容物の保存性を高めるために、
レトルト殺菌等の殺菌操作を必要とする容器に広く適用
される。即ち、容器本体に内容物を充填し、必要により
窒素置換、水蒸気置換等の操作を行った後、容器フラン
ジ部に蓋体を施こし、ヒートシールバー、高周波誘導加
熱、超音波照射等のヒートシール手段を用いて、170 乃
至250 ℃の温度でヒートシールし、密封を行う。密封後
の包装容器を100 乃至135 ℃の温度で10乃至60分間
殺菌し、保存に耐える包装体とする。また、この包装体
を開封してから電子レンジやオーブントースターに入れ
ることにより、内容物を加熱して食することも可能とな
る。
(発明の効果) 本発明によれば、フランジ付容器本体を少なくとも内面
側がポリオレフィン系樹脂で形成された容器本体とし、
一方蓋体を内面側に酸変性ポリオレフィンをヒートシー
ル面に易剥離性が付与されるような少量で含有させた塗
料で形成された内面保護塗膜を備えた金属箔シートとし
たことにより、両者の間に形成されるヒートシール部が
レトルト殺菌及びその後の保存に耐える密閉性能を有す
ると共に、開封に際しては両者のヒートシール界面でフ
ェーザリングの発生なしに容易に剥離を行い得るという
効果が奏される。また、この容器は、耐腐食性にも優れ
ているという利点を有する。
(実施例) 実施例1 厚さ70μmの軟質アルミニウムの一方の面に黄色に着
色されたエポキシフェノール系塗料を塗布量65mg/dm2
で塗布した。
次にもう一方の面にまずアクリル−Zr系の表面処理を行
った後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と2核体成分
から成るレゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂
とを80:20の重量比で含有するエポキシフェノール
系塗料(比重d=1.20g/cm3) 100重量部に対してアイ
ソタクチック・ホモポリプロピレンに無水マレイン酸が
グラフトされた平均カルボニル基濃度が150m・eq/100g重
合体の変性PPに水酸化アルミニウムが添加されたパウ
ダー(比重d=0.90g/cm3)3重量部(2.9wt %)を
分散させた塗料を塗布し、230 ℃で40秒間焼付けを行
った。塗布量は95mg/dm2であった。
得られた変性PP含有塗布膜の被覆性lを式l=L/
(1+100・d2/x・d)で計算したところ3.4 であっ
た。(但し、L=88.3μm、d=1.20g/cm3、d
0.90g/cm3) かくして得られた塗装材からコーナー部に開封用つまみ
部を有する85mm×85mmの大きさの蓋材を打抜いた。
一方、70μmチタンホワイト含有PP/75μmのス
チール箔/40μmチタンホワイト含有PPのウレタン
系接着剤を使用した積層体からブランク径135mm φのブ
ランク打抜き、弾性体パンチを用いた絞り成形法によ
り、高さ25mm、外径83mm、内径70mm、コーナーR
25mmで、フランジ部が外側にカールされた角型容器を
成形した。
次に前記角型成形容器の中に味付ツナフレークを充填
し、前記蓋材をヒートシールした。この密封容器を120
℃で30分間レトルト殺菌処理を行った。レトルト殺菌
処理後の容器本体と蓋体とのヒートシール強度を測定し
たところ2.8kg/15mmであった。また、開封用つまみ部
から蓋材を開封したところ容易にビール剥離が可能であ
った。
一方、同様に味付ツナフレークを充填してレトルト殺菌
を行った容器を50個作製し、各25個づつ50℃で1
ケ月および3ケ月の保存テストを行った。味付ツナフレ
ークは内容品としては腐蝕性の強いものであり、また5
0℃、3ケ月保存は保存条件としては厳しいにもかかわ
らず、開封後の結果は非常に良好で、蓋材内面に腐蝕や
剥離は全く認められなかった。また、容器本体内面も同
様であった。
実施例2〜4,比較例1〜3 実施例1において蓋材内面コーティングに用いる変性ポ
リプロピレン添加エポキシフエノール系塗料の無水マレ
イン酸変性PPの添加量のみを第1表に示すように変化
させ、被覆性(l)を変化させたサンプルを各々作製
し、レトルト処理後のヒートシート強度を測定したとこ
ろ第1表に示すとおりであった。
比較例1のように変性PPを添加しない場合、容器本体
とのヒートシールが行えず、蓋材として使用できなかっ
た。また、比較例2のように、被覆性(l)が非常に小
さい場合、容器本体とのヒートシール強度が低い値であ
り、密封用容器蓋としては不十分なものとなった。さら
に、比較例3のように被覆性lが大きすぎると、容器本
体とのヒートシール強度が高くなりすぎ、易開封性が得
られなくなる。
実施例5〜10 実施例1において蓋材内面コーティングに用いる変性ポ
リプロピレン添加熱硬化性塗料の熱硬化性樹脂の種類を
第2表に示すようなものを使用した蓋材を作製した。こ
れらの蓋材を第2表に示すそれぞれの容器本体に第2表
に示す内容品を充填後ヒートシールした。次に、実施例
5〜8については115 ℃、40分間の条件で、また実施
例9,10については105 ℃で30分の条件でレトルト
殺菌を行った。得られた容器のヒートシール強度を測定
したところ第2表に示すとおりであり、いずれもビール
開封性があった。
また50℃、3ケ月間の保存試験を行ったが、いずれも
問題はなく、内面の腐蝕や剥離等は見られなかった。
実施例11 実施例1において無水マレイン酸変性ポリプロピレンの
代りに平均カルボニル基濃度160m.eq/100g重合体の無水
マレイン酸変性高密度ポリエチレンパウダー(比重d
=0.95g/cm3)を3重量部(2.9wt%)分散させた塗料を使
用した蓋材を作製した。
得られた変形HDPE含有塗布膜の被覆性lは3.2であっ
た。
次に高さ40mm、外径75mm、内径65mmでフランジを
有する丸型射出成形容器にゼリーを充填したものに前記
蓋材(タブ付外径80mm)をヒートシールした後、95
℃で30分間レトルト殺菌を行った。レトルト殺菌処理
後の容器本体と蓋体とのヒートシール強度を測定したと
ころ2.1kg/15mmであった。また、開封用つまみ部から
蓋材と開封したところ容易にピール剥離が可能であっ
た。また、50℃、3ケ月保存試験の結果も良好であっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の包装容器の一例を示す斜視図であり、 第2図は本発明の容器本体シートの一例を示す断面図で
あり、 第3図は本発明の蓋体の一例を構成する積層体の断面図
であって、 引照数字1は容器本体、2は蓋体、3Aは胴壁部、3B
は底部、4はフランジ部、5は容器本体シート、6は金
属箔、7は内面ポリオレフィンフィルム、8は外面被覆
保護層、9はヒートシール部、10は蓋体を構成する積
層体、11は基体、12は内面被覆層、13は外面保護
層を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フランジ付容器本体と蓋体とを前記フラン
    ジ部でヒートシールして成る容器であって、前記フラン
    ジ付容器本体が少なくとも内面側がポリオレフィン系樹
    脂で形成された容器本体であり、前記蓋体が、熱硬化性
    樹脂塗料中に酸変性ポリオレフィンを分散させた塗料の
    内面保護塗膜を備えた金属箔から成り、且つ 前記保護塗膜は、下記式、 式中、Lは内面保護塗膜の厚さ(μm)を表わし、 xは熱硬化性樹脂100重量部当りの酸変性ポリオレフ
    ィンの配合重量部数であり、 dは熱硬化性樹脂の密度(g/cm3) であり、 dは酸変性ポリオレフィンの密度(g/cm3) である、 で定義される被覆性(l)が0.3 乃至10の範囲にある
    ことを特徴とするレトルト用包装容器。
JP63161022A 1988-05-19 1988-06-30 レトルト用包装容器 Expired - Fee Related JPH0631109B2 (ja)

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