JPH05277819A - ドリル - Google Patents

ドリル

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JPH05277819A
JPH05277819A JP6862992A JP6862992A JPH05277819A JP H05277819 A JPH05277819 A JP H05277819A JP 6862992 A JP6862992 A JP 6862992A JP 6862992 A JP6862992 A JP 6862992A JP H05277819 A JPH05277819 A JP H05277819A
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drill
chip discharge
groove
discharge groove
chip
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Sueji Takatani
末治 高谷
Kazuo Takasaki
和男 高崎
Kazuaki Tone
和章 刀根
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切屑排出溝の面積を大きくして切屑排出性を
向上させることができるのは勿論のこと、切削抵抗に対
するドリル剛性を高めることができるドリルを提供す
る。 【構成】 略円柱状をなすドリル本体(10)の外周部
に2条の切屑排出溝(11)が設けられ、この切屑排出
溝(11)の回転方向を向く壁面とドリル本体(10)
の先端逃げ面との稜線部に切刃(13)が設けられてい
る。ドリル本体(10)は、切屑排出溝(11)がドリ
ル本体(10)の先端逃げ面に開口しかつ螺旋状をなす
捩れ部(10a,10b)と、切屑排出溝(11)が捩
れ部の後端から工具本体(10)の基端側へ向けて工具
軸線と平行に延在する直線部(10c)とから構成さ
れ、切刃(13)は、直線部(10c)の横断面におけ
るランドどうしを通る中心線(S)に対して30〜90
゜回転方向後方に傾斜して配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、切屑排出性能を向上
させたドリルに係わり、特に、切削抵抗に対する剛性を
高めたドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ツイストドリルにおいては、切
屑排出溝の捩れ角を大きく設定すると切刃のすくい角が
大きくなるため、切れ味が向上して切削抵抗を小さくす
ることができる。しかしながら、切屑排出溝の捩れ角を
あまり大きくすると、工具先端部に発生する切屑を工具
基端側へ押し上げる力が切屑と切屑排出溝との間の大き
な摩擦抵抗となるとともに、切屑排出溝の全長が長くな
るために切屑詰まりが発生し易くなる。加えて、ツイス
トドリルにおいては、工具剛性を向上させるために芯厚
を工具基端側ほど大きく設定するいわゆる芯厚テーパが
設けられることがあり、そのようなツイストドリルで
は、切屑排出溝の断面積が工具基端側ほど実質的に減少
するため、この場合も切屑詰まりが発生し易くなる。
【0003】そこで、切屑排出溝の切屑排出性を向上さ
せると同時に切削抵抗の増加をも防止し得るドリルとし
て、例えば実開昭64−12716号公報に示すような
ドリルが提案されている。このドリルは、第6図および
第7図に示すように、略円柱状をなすドリル本体1の外
周部に、ドリル本体1の先端逃げ面2及び外周面3に開
口する切屑排出溝4が形成され、さらにこの切屑排出溝
4の回転方向を向く壁面5の先端部に、切刃6を有する
チツプ7が、そのすくい面8を上記壁面5と略面一に連
続させた状態でロウ付けされたものである。そして、上
記ドリルにおいては、切屑排出溝4の工具先端からa−
a断面までの部分を一定角度で捩れさせて切刃6に所定
のすくい角を与える一方で、a−a断面からbーb断面
までの捩れ角を上記a−a断面の捩れ角から0°に至る
まで漸次減少させるとともに、その溝幅(L+L)の工
具外周長さに対する比率を上記a−a断面までの比率よ
りも増大させ、さらにはb−b断面から後端側に向かっ
て捩れ角0°の直線部を配置することによって切屑排出
溝全体の全長を従来よりも減少させ、切削抵抗の増加を
防止しつつ切屑排出抵抗の減少を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のドリルにおいては、ドリル全長の大半を溝幅L
が長く断面積の小さい部分が占めているため剛性が小さ
く、このため、切削加工中に振動が発生し易いばかりで
なく、場合によっては折損事故が発生する危険があっ
た。
【0005】
【発明の目的】この発明は、以上のような背景の下にな
されたものであり、切屑排出溝の面積を大きくして切屑
排出性を向上させることができるのは勿論のこと、切削
抵抗に対するドリル剛性を高めることができるドリルを
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のドリルは、ド
リル本体を、切屑排出溝がドリル本体の先端逃げ面に開
口しかつ螺旋状をなす捩れ部と、切屑排出溝が捩れ部の
後端から工具本端の基端側へ向けて工具軸線と平行に延
在する直線部とから構成し、切刃を、直線部の横断面に
おけるランドどうしを通る中心線に対して回転方向後方
へ30〜90゜傾斜して配置したものである。
【0007】
【作用】一般に、切刃に作用する切削抵抗は、切刃と直
交する方向すなわち回転方向と反対方向に向かう主分力
と、回転中心側へ向かう背分力とからなる。そして、切
削抵抗のベクトルは、主分力ベクトルと背分力ベクトル
とを合成したものであり、主分力ベクトルに対して内側
へ傾いた方向、一般には30゜程度傾いた方向となる。
上記構成のドリルは、そのような方向を持った切削抵抗
に対して、ドリル本体の直線部の断面係数が高くなるよ
うに、切刃と直線部との円周方向の位置関係を限定した
ものである。すなわち、ドリル本体の断面形状は模式的
には長方形とみることができるから、本発明の直線部は
断面が長方形の梁と想定することができる。したがっ
て、主分力ベクトルが直線部の断面の長手方向に対して
30゜傾斜していれば、切削抵抗は断面の長手方向へ向
い、その方向での直線部の断面係数が最大となるので、
ドリルの撓みに対する抵抗が最も高くなる。そして本発
明は、上記傾斜角30゜に対して±30゜の範囲に主分
力ベクトルが方向付けられれば、切削抵抗に対する直線
部の断面係数を高くすることができるという知見に基づ
き、直線部の横断面におけるランドどうしを通る中心線
に対して切刃を回転方向後方へ30〜90゜傾斜して配
置したものである。
【0008】以上のように、本発明では、切削抵抗が直
線部断面の長手方向寄りに向かうので、切屑排出溝の溝
幅比を大きくしてもその割には断面係数の低下が小さ
い。よって、切屑排出溝の断面積を大きくして切屑排出
性能を向上させることができるのは勿論のこと、曲げ力
に対して抵抗力の高いすなわち剛性の高いドリルを構成
することができる。
【実施例】以下、図1ないし図4を参照して、本発明の
実施例を説明する。図において符号10はドリル本体で
ある。ドリル本体10は、例えば高速度鋼から構成さ
れ、その外周部には2条の切屑排出溝11が形成されて
いる。ドリル本体10の先端中央部には、超硬合金製の
チップ12が2つの切屑排出溝11を横切るようにして
ロウ付固定されている。チップ12の回転方向を向く壁
面と先端逃げ面との交叉部には切刃13が形成されてい
る。なお、図中符号14は油穴である。
【0009】ここで、ドリル本体10は、切屑排出溝1
1がチップ12の先端逃げ面に開口し、かつ一定の捩れ
角で螺旋状をなす第1捩れ部10aと、この第1捩れ部
10aの後端から工具本体10の基端側へ向かうに従っ
て捩れ角が漸次小さくなる第2捩れ部10bと、この第
2捩れ部10bの後端からドリル本体10の基端側へ向
けて工具軸線と平行に延在する直線部10cとから構成
されている。
【0010】第1捩れ部10aの切屑排出溝11は、捩
れ角が20゜とされている。また、第1捩れ部10a
は、ドリルの先端から図1中符号aで示す位置まで形成
され、その長さL1は、ドリル直径をDとして1〜2D
とされている(この実施例では1.5Dとされてい
る)。また、第1捩れ部10aでは、チップ12の部分
の芯厚T1は0.25〜0.35D(この実施例では
0.31D)とされ、ドリル本体10の部分の芯厚T2
は0.22〜0.33D(この実施例では0.3D)と
されている。さらに、第1捩れ部10aの溝幅比A1
1は0.5〜0.8で一定とされている。
【0011】次に、第2捩れ部10bは、図1において
符号aで示す位置からbで示す位置まで形成され、その
切屑排出溝11は、位置aからbに至るまでの間に捩れ
角が20゜から0゜まで徐々に減少させられている。ま
た、第2捩れ部10bの芯厚は、その先端側でT2とさ
れ、途中の符号cで示す部分で減少させられてそれ以後
の後端側はT3とされている。この場合において、ドリ
ル先端から位置cまでの長さL2は1.5〜2.5Dと
され(この実施例では2.0D)とされている。この第
2捩れ部10bの後端位置cから後端側は直線部10c
とされ、図3(C)で示す断面形状でドリルのシャンク
15まで延在させられている。なお、ドリル先端から位
置cまでの長さL3は2〜4Dとされている(この実施
例では3D)。さらに、第2捩れ部10bの溝幅比A2
/B2は、位置aから位置cの直前に至るまでA1/B1
の値から徐々に増加させられ、位置cにおいて直線部1
0cの溝幅比A3/B3の値に一挙に広げられている。な
お、第2捩れ部10bの溝幅比A2/B2は、位置aから
位置bまで徐々に増加するものであってもよい。
【0012】直線部10cの溝幅比A3/B3は、1.0
〜1.5の範囲で一定とされ、また、芯厚T3は0.1
5〜0.30D(この実施例では0.27D)の範囲で
一定とされている。直線部10cは、図3(C)に示す
ように、溝幅比A3/B3が大きく芯厚T3が小さいた
め、その断面形状は略長方形状をなしている。そして、
切刃13は、直線部10cの断面の中心線Sに対して回
転方向後方へ30〜90゜傾斜して配置され、この実施
例では約60゜とされている。ただし、中心線Sと切刃
13とがなす角度θは30〜90゜の範囲であればよ
く、好ましくは40〜80゜、より好ましくは50〜7
0゜の範囲とされる。
【0013】切刃13を中心線Sに対して上記のように
傾斜させたのは、切削抵抗のベクトル方向における直線
部10cの断面係数を大きくするためである。図5は、
直線部10cの断面と切刃13との位置関係を説明する
ための断面図である。図に示すように、切刃13に作用
する切削抵抗Fの主分力F1は、切刃13に対して直角
であり、背分力F2はドリルの軸線側に向かう。そし
て、一般には、切削抵抗Fのベクトルは主分力F1に対
して約30゜内側に傾くから、切削抵抗Fの方向は中心
線Sに平行となる。一方、直線部10cにおいては、そ
の断面の長手方向に向かう力に対して断面係数が最大と
なるから、この実施例では、ドリル本体10の最も剛性
の高い方向で切削抵抗を受けとめることになる。したが
って、このドリルでは、直線部10cを図に示すような
細身に構成していながら、切削抵抗によりドリル本体1
0に作用する曲げ力に対して剛性が高く、したがって、
穴明け加工時における振動の発生を有効に防止すること
ができる。
【0014】上記ドリルにおいては、また、加工穴の内
壁から切屑排出溝11の底部までの深さが基端側の方に
おいてより深くなるので、切屑と加工穴及び切屑排出溝
11との擦過を防止することができ、切屑を円滑に排出
することができる。また、溝幅比を先端側から基端側へ
向かうに従って漸次大きくしているので、基端側での切
屑排出溝11の断面積が非常に大きく、しかも、切屑排
出溝11の基端側を直線部10cとしているので、切屑
をより一層円滑に排出することができる。さらに、ドリ
ル本体10の基端部は直線部10cとして構成されてい
るので、捩れ溝の場合に比べて剛性が高く、したがっ
て、断面係数が高いこととあいまって曲げ力に対する抵
抗をより一層高めることができる。
【0015】なお、上記実施例では、捩れ部を第1捩れ
部10aと第2捩れ部10bとで構成しているが、捩れ
角が先端から直線部10cまで徐々に変化する1つの捩
れ部で構成してもよい。また、上記実施例は、本発明を
ろう付ドリルに適用したものであるが、一体物のドリル
においても同じ効果を得ることができるのは勿論であ
る。また、上記実施例では、溝幅比を基端側へ向かうに
従って大きくし、さらに、切屑排出溝の捩れ角を漸次小
さくしているが、そのような構成に限定されるものでは
なく、芯厚が基端側へ向かうに従って小さくなるもので
あれば他の構成は任意である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明のドリルに
おいては、ドリル本体を、切屑排出溝がドリル本体の先
端逃げ面に開口しかつ螺旋状をなす捩れ部と、切屑排出
溝が捩れ部の後端から工具本端の基端側へ向けて工具軸
線と平行に延在する直線部とから構成し、切刃を、直線
部の横断面におけるランドどうしを通る中心線に対して
回転方向後方へ30〜90゜傾斜して配置しているか
ら、切屑排出溝の面積を大きくして切屑排出性を向上さ
せることができるのは勿論のこと、切削抵抗に対するド
リル剛性を高めることができるという優れた効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のドリルを示す側面図である。
【図2】図1に示すドリルの底面図である。
【図3】(A)は図1のA−A線断面図、(B)は図1
のB−B線断面図、(C)は図1のC−C線断面図であ
る。
【図4】図1に示すドリルの芯厚を説明するための側断
面図である。
【図5】横断面における直線部と切刃との位置関係を説
明するための図である。
【図6】従来のドリルの側面図である。
【図7】(A)は図5のA−A線断面図、(B)は図5
のB−B線断面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体 10a 第1捩れ部 10b 第2捩れ部 10c 直線部 11 切屑排出溝 13 切刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 刀根 和章 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円柱状をなすドリル本体の外周部に2
    条の切屑排出溝が設けられ、この切屑排出溝の回転方向
    を向く壁面とドリル本体の先端逃げ面との稜線部に切刃
    が設けられてなる穴明け工具において、上記ドリル本体
    を、切屑排出溝が上記ドリル本体の先端逃げ面に開口し
    かつ螺旋状をなす捩れ部と、切屑排出溝が上記捩れ部の
    後端から工具本端の基端側へ向けて工具軸線と平行に延
    在する直線部とから構成し、しかも、上記切刃を、上記
    直線部の横断面におけるランドどうしを通る中心線に対
    して30〜90゜回転方向後方に傾斜して配置したこと
    を特徴とするドリル。
  2. 【請求項2】 前記直線部の溝幅比を1.0〜1.5、
    芯厚を0.15〜0.30D(ただし、Dはドリル直
    径)としたことを特徴とする請求項2に記載のドリル。
JP04068629A 1992-03-12 1992-03-26 ドリル Expired - Lifetime JP3117532B2 (ja)

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JP04068629A JP3117532B2 (ja) 1992-03-26 1992-03-26 ドリル
US08/023,686 US5350261A (en) 1992-03-12 1993-02-26 Twist drill
DE4307553A DE4307553B4 (de) 1992-03-12 1993-03-10 Spiralbohrer

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