JPH05274920A - 無機絶縁電線 - Google Patents

無機絶縁電線

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JPH05274920A
JPH05274920A JP4065799A JP6579992A JPH05274920A JP H05274920 A JPH05274920 A JP H05274920A JP 4065799 A JP4065799 A JP 4065799A JP 6579992 A JP6579992 A JP 6579992A JP H05274920 A JPH05274920 A JP H05274920A
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JP
Japan
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wire
inorganic
heat resistance
mainly composed
insulated wire
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Withdrawn
Application number
JP4065799A
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English (en)
Inventor
Kenzo Takeuchi
健三 武内
Takeshi Okada
岡田  健
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れ、またガスの放出が少なく、し
かも良好かつ安定した電気特性を有する信頼性の高い無
機絶縁電線を提供する。 【構成】 導体上に、一般式 【化1】 (式中、Rは、炭素数 1〜20の炭化水素基)で表される
アルミニウム塩の熱分解により形成された酸化アルミニ
ウムを主体とする無機絶縁被膜を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温度、高真空の過酷
な環境下で使用される無機絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高い耐熱性が要求される用途に
は、ポリイミドやフッ素系樹脂などの耐熱性有機樹脂を
被覆した絶縁電線が使用されてきた。しかるに、近年、
300℃を越える過酷な温度環境下、高真空下で使用して
も絶縁特性や機械特性などが低下することのない絶縁電
線の要求があり、このような用途には、耐熱温度がたか
だか 200℃前後の従来の有機樹脂を被覆した絶縁電線で
は、耐熱性やガスの放出性の点で不十分であった。
【0003】このような中で、近時、ステアリン酸やオ
クチル酸などの有機酸の金属塩や、金属アルコキシドな
どを原料として熱分解法により、導体上に絶縁性の無機
被膜、たとえばSi、Al、Zr、Mgなどの金属酸化膜を形成
した、いわゆるセラミック巻線と呼ばれる無機絶縁電線
が開発され、従来の有機系耐熱絶縁電線よりはるかに高
い温度下、高い真空度下での使用が期待できることから
注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
無機絶縁電線は、原料を導体上に塗布するための塗布液
の調製が困難で、均一で十分な膜厚を有する電気特性の
良好な無機絶縁被膜を安定して形成することが難しいた
め、信頼性に乏しいという問題があった。すなわち、有
機酸の金属塩では、これを溶解する溶剤が限られる、高
濃度の調製が困難である、塗布液の粘度が時間の経過と
ともに変化するなどの問題があり、また、金属アルコキ
シドでは、金属アルコキシドを加水分解して重合させ、
水酸化物もしくは酸素で架橋したゾル状の塗布液を調製
しなければならず、いずれの場合も、均一で膜厚の十分
な電気特性に優れた絶縁被膜を得ることが困難であっ
た。
【0005】本発明はこのような従来技術の課題に対処
してなされたもので、耐熱性に優れ、また、ガスの放出
が少ないうえ、膜厚も均一かつ十分で優れた電気特性を
安定して有する無機絶縁被膜を具備した高信頼性の無機
絶縁電線を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
無機絶縁電線を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、下記
に示すような特定の有機酸のAl塩を用いることにより、
上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明の無機絶縁電線は、導体
上に、一般式
【化2】 (式中、Rは、炭素数 1〜20の炭化水素基)で表される
アルミニウム塩の熱分解により形成された酸化アルミニ
ウムを主体とする無機絶縁被膜を具備したことを特徴と
するものである。
【0008】本発明の酸化アルミニウムを主体とする無
機絶縁被膜は、上記一般式で表されるアルミニウム塩を
加熱し分解反応を起こさせることによって成膜されたも
のである。本発明においては、なかでも、Rの炭素数が
1〜17のアルミニウム塩を用いたものが、緻密で高い絶
縁耐圧が得られることから好ましい。なお、Rの炭素数
が20を越えるものでは、成膜後も有機分が残りガスが発
生しやすくなり、高真空下での使用が不適当となる。
【0009】このような酸化アルミニウムを主体とする
無機絶縁被膜は、次のように形成することができる。す
なわち、上記アルミニウム塩を、そのままもしくは溶剤
で希釈して、所要の濃度の塗布液を調製する。上記アル
ミニウム塩は、アルコール系、エーテル系、芳香族系な
ど、任意の公知の有機溶剤にゲル化することなく良く溶
解するため、任意の濃度の塗布液に調製して、容易に、
均一かつ十分な厚さに塗布することができる。ただし上
記一般式中、Rの炭素数が 5以下のものの場合には、原
液乃至高濃度のものは不安定であるため、塗布液濃度は
80%以下とすることが望ましい。 次いで、この塗布液
をディップコート、フェルトコートなど通常の方法で導
体上に塗布した後、加熱焼成を行う。焼成温度は、 400
〜800 ℃程度が適当で、400℃より低いと含有成分の熱
分解が十分に進まずに有機分が被膜中に残留し、これが
電線を高温、高真空下で使用した場合に外部に徐々に排
出してくるおそれがある。逆に 800℃より高いと熱分解
が急速に起こり、被膜が導体上から剥離するおそれがあ
る。この加熱焼成によって、アルミニウム塩が分解し、
有機分が溶剤とともに揮散除去され、導体上に緻密で、
膜厚も均一な酸化アルミニウムを主体とする無機絶縁被
膜が形成される。この無機絶縁被膜は、常用耐熱温度10
00℃と極めて優れた耐熱性を有しており、かつ、絶縁特
性にも優れている。また、被膜中の有機分の残存率が低
いため、ガスを放出するおそれがほとんどなく、さら
に、焼結されていないので可とう性も良好である。な
お、この塗布および加熱焼成工程は、必要に応じて複数
回繰り返され、所要の厚さの無機絶縁被膜が形成され
る。
【0010】本発明に使用する導体としては、上記加熱
焼成温度範囲内で導体の電気抵抗があまり低下すること
のない耐熱性に優れたものが好ましく、たとえばAg線、
Au線、Pt線、Ni線、Cu線、これらの合金線またはこれら
をメッキしたCu線、あるいは、ステンレスやAlを被覆し
たCu線などが例示される。
【0011】
【作用】本発明の無機絶縁電線においては、特定のアル
ミニウム塩を用いたことにより、緻密で、膜厚も均一か
つ十分な、酸化アルミニウムを主体とする無機絶縁被膜
を安定に形成することができ、耐熱性に優れ、ガスの放
出も少ない無機絶縁電線であって、その電気特性を向上
かつ安定化することができる。したがって、 300℃を越
える過酷な温度環境下、高真空下で使用可能な絶縁電線
として、高い信頼性を有したものとなっている。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を記載する。
【0013】実施例1〜3 Al -ジ-n- ブトキシドモノエチルアセトアセテート(Al
含有量 約8.9% 表中、Alアセテートと略記)をエタノ
ールに、表1に示すような濃度となるように溶解させ
た。次いで、これらの溶液をそれぞれ 1mmφのNi線に、
炉長10mの焼付機を用いて、線速 1m/分、表1に示すよ
うな条件で塗布焼付けを繰り返し、膜厚10μmの絶縁被
膜を形成して無機絶縁電線を得た。
【0014】得られた無機絶縁電線の特性を表1に示
す。
【0015】比較例1〜3 オクチル酸Alを解こう剤のアセチルアセトンAlととも
に、トルエンと2-エトキシエタノールとの混合溶剤(混
合比 2:1)に、表1に示すような濃度となるように溶解
させた。
【0016】次いで、これらの溶液を、実施例の場合と
同様に、それぞれ 1mmφのAg線に、炉長10mの焼付機を
用いて、線速 1m/分、表1に示すような条件で塗布焼付
けを繰り返し、膜厚10μmの絶縁被膜を形成して無機絶
縁電線を得た。
【0017】得られた無機絶縁電線の特性を表1に併せ
示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の無機絶縁電線は、導体上に、緻密で、均一かつ十
分な膜厚を有する酸化アルミニウムを主体とする無機絶
縁被膜が形成されているので、耐熱性に優れ、ガスの放
出が少なく、しかも良好かつ安定した電気特性を有して
いる。さらに可とう性も良好で、したがって、 300℃を
越える過酷な温度環境下、高真空下で使用する絶縁電線
として極めて有用である。
【0020】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に、一般式 【化1】 (式中、Rは、炭素数 1〜20の炭化水素基)で表される
    アルミニウム塩の熱分解により形成された酸化アルミニ
    ウムを主体とする無機絶縁被膜を具備したことを特徴と
    する無機絶縁電線。
JP4065799A 1992-03-24 1992-03-24 無機絶縁電線 Withdrawn JPH05274920A (ja)

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JP4065799A JPH05274920A (ja) 1992-03-24 1992-03-24 無機絶縁電線

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JPH05274920A true JPH05274920A (ja) 1993-10-22

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JP4065799A Withdrawn JPH05274920A (ja) 1992-03-24 1992-03-24 無機絶縁電線

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Effective date: 19990608