JPH05274822A - 回転揺動型アクチュエータ及びこれを用いた記録再生装置 - Google Patents

回転揺動型アクチュエータ及びこれを用いた記録再生装置

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JPH05274822A
JPH05274822A JP1125293A JP1125293A JPH05274822A JP H05274822 A JPH05274822 A JP H05274822A JP 1125293 A JP1125293 A JP 1125293A JP 1125293 A JP1125293 A JP 1125293A JP H05274822 A JPH05274822 A JP H05274822A
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JP
Japan
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drive coil
permanent magnet
yoke
recording
carriage arm
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Application number
JP1125293A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Saito
洋 斉藤
Norio Yoshikawa
紀夫 吉川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録再生ヘッドの高速かつ高精度なアクセス
を可能とする回転揺動型アクチュエータ、及びこれを用
いた記録再生装置を提供すること。 【構成】 キャリッジアーム1のボビン部2をキャリッ
ジアーム1の回動中心5から見て外方に開いた略V字型
構造にすることにより、アクチュエータのイナーシャを
低減し、キャリッジアーム1の軽量化を図り、ボイスコ
イルモータの磁気回路を構成する、対向して配置された
永久磁石6と対向ヨーク7とにより挟まれる領域外の前
記ボビン部2に台座4a,4b,4cを設けることによ
り、駆動コイル3の固定度及び安定度が高められるとと
もに、キャリッジアーム1の無用な振動等を防止するこ
とができる回転揺動型アクチュエータ及びこれを用いた
記録再生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャリッジアームを回
動させることにより、情報記録媒体上の所定の位置に記
録再生ヘッドを移動させることができる回転揺動型アク
チュエータ及びこの回転揺動型アクチュエータを用いた
記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型で大容量な記録再生装置に対
する要望が高まっている。とりわけ、磁気ディスク装置
にあっては、最近の技術開発の結果として、記録密度の
大幅な向上による装置の小型化・大容量化が進んでお
り、ラップトップ型、ノートブック型パーソナルコンピ
ュータ等の記録再生装置として注目されている。これに
ともない、磁気ヘッドの高速かつ高精度なアクセスを可
能とする小型アクチュエータを提供するための試みが盛
んに行われている。
【0003】磁気ヘッドの高速かつ高精度なアクセスを
実現する際の障害となる要因の一つとして、アクチュエ
ータを構成するキャリッジアーム等に発生する機械的な
振動があげられる。この振動は、磁気ヘッドの位置決め
サーボ系に悪影響を及ぼし、オフトラック等の誤動作の
原因となり、ひいては記録密度の低下等の弊害を招くに
至る。このため、無用な機械的振動は、極力排除すると
ともに、位置決めサーボ系への影響を極力低減するため
に、キャリッジアーム等の共振周波数を高める等の工夫
が必要となる。また、高速アクセスを実現するために
は、振動の発生等に注意を払いつつ、アクチュエータを
駆動するボイスコイルモータの高推力化を図る必要もあ
る。
【0004】図6(a)に従来の磁気ディスク装置に用
いられる回転揺動型アクチュエータを構成する磁気ヘッ
ド101、サスペンション102、及びキャリッジアー
ム104の構造を示す。磁気ヘッド101を取着したサ
スペンション102は、キャリッジアーム104の一端
側に設けられた連結部に107に連結される。一方、キ
ャリッジアーム104の他端側には、略V字型構造を有
するボビン部103が設けられている。
【0005】図6(b)は、キャリッジアーム104の
ボビン部103に駆動コイル105を取り付けたときの
状態を示す。ここで、駆動コイル105が略V字型構造
を有するボビン部103の内側面の接合部108に直接
接着されることにより固定される。
【0006】本従来例では、キャリッジアーム104の
ボビン部103を略V字型構造にし、キャリッジアーム
104の回動中心106から離れた位置におけるボビン
部103の質量を減少させることにより、キャリッジア
ーム104のイナーシャを低減させる試みがなされてい
る。
【0007】これにより、キャリッジアーム104の軽
量化が図られるとともに、駆動コイル105を保持する
キャリッジアーム104の上下方向の振動特性が向上す
るため、アクチュエータの高速動作時における磁気ヘッ
ド101の高精度なアクセスが可能になることが期待さ
れる。
【0008】図7は、従来の磁気ディスク装置に用いら
れる回転揺動型アクチュエータのボイスコイルモータの
概略を示す部分断面図である。ここで、磁気回路を構成
する永久磁石109と対向ヨーク110は、キャリッジ
アーム104のボビン部103上に保持された駆動コイ
ル105を挟み込むように、上下方向に対向して配置さ
れている。また、永久磁石109は、保持ヨーク111
により支持されている。
【0009】ボイスコイルモータは、永久磁石109と
対向ヨーク110との間に生じる磁界内に配置した駆動
コイル105に通電することにより、この駆動コイル1
05において発生する電磁力の作用により、アクチュエ
ータのキャリッジアーム104を、その回動中心106
周りに回転揺動させるものである。ここで、キャリッジ
アーム104の回動力として有効に作用するのは、駆動
コイル105の直線部105a(図6(b)参照)で発
生する電磁力である。電磁力は、一般に磁界が強いほど
大きくなることから、本実施例では、永久磁石109と
対向ヨーク110とのギャップgを、実質上駆動コイル
105の厚さ分程度に小さくすることにより、磁束密度
の高い磁気回路を実現し、ボイスコイルモータの高推力
化を図っている。
【0010】しかし、上記した本従来例においては、図
6(b)に示すように駆動コイル105が略V字型構造
を有するボビン部103の内側面の接合部108に直接
接着されることにより固定されていることから、この接
合部108における接着の不具合等により、以下に示す
ような弊害が生ずる。第一に、駆動コイル105の固定
度が低下し、駆動コイル105の脱落によりアクチュエ
ータが破損する危険性がある。
【0011】第二に、駆動コイル105の安定度が悪く
なり、キャリッジアーム104に無用な振動が発生する
等の問題が生じる。この振動は、上述したように、磁気
ヘッド101の位置決めサーボ系に悪影響を及ぼし、オ
フトラック等の誤動作の原因となり、ひいては記録密度
の低下等の弊害を招く要因となる。
【0012】また、図7に示すように、ボイスコイルモ
ータを構成する磁気回路において、永久磁石109より
も対向ヨーク110の方が大きくなるような構成では、
永久磁石109から対向ヨーク110への漏れ磁束の影
響により、駆動コイル105の直線部以外の部分105
bにおいて発生する、キャリジアームの回動方向と垂直
な向き(例えば上下方向)の電磁力の作用によりキャリ
ッジアーム104に無用な振動が発生するおそれがあ
る。
【0013】上記したように、略V字型構造のボビン部
103を有する回転揺動型アクチュエータは種々の利点
を有するが、磁気ヘッド101のより高速かつ高精度な
アクセスを可能とするためには、更なる技術開発が必要
とされる。
【0014】なお、上記したような問題は、磁気ディス
ク装置のみに限られず、回転揺動型アクチュエータを有
する他の記録再生装置(例えば光ディスク装置)におい
ても同様に当てはまるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上説明のように、従
来の回転揺動型アクチュエータは、駆動コイルが略V字
型構造を有するボビン部の内側面の接合部に直接接着さ
れることにより固定されていることから、この接合部に
おける接着の不具合等により、駆動コイルの固定度およ
び安定度が低下し、駆動コイルの脱落によるアクチュエ
ータの破損や、キャリッジアームの無用の振動による弊
害等の欠点を有していた。また、永久磁石よりもヨーク
の方が大きくなるようなボイスコイルモータの構成で
は、永久磁石からヨークへ流れる漏れ磁束の影響により
発生する、キャリジアームの回動方向と垂直な向き(例
えば上下方向)の電磁力の作用により、キャリッジアー
ムに無用な振動が発生するおそれがあった。したがっ
て、従来の記録再生装置は、記録再生ヘッドの高速かつ
高精度なアクセスに対する障害を包含していた。
【0016】そこで、本発明は、上記欠点を除去し、記
録再生ヘッドの高速かつ高精度なアクセスを可能とし、
記録密度の向上による記録再生装置の小型化・大容量化
を実現する、回転揺動型アクチュエータ及びこれを用い
た記録再生装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、情報記録媒体上で情報の読み書きを行
う記録再生ヘッドと、この記録再生ヘッドが一端側に取
着されるとともに、他端側にボビン部を有し、前記記録
再生ヘッドと前記ボビン部との間に位置する回動中心周
りに回動可能なキャリッジアームと、前記ボビン部に保
持される駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込むよう
に対向して配置される永久磁石及びヨークとを備え、前
記ボビン部は、前記キャリッジアームの回動中心から見
て外方に開いた略V字型構造を有し、前記永久磁石と前
記ヨークとにより挟まれる領域外の前記ボビン部に前記
駆動コイルを保持するための台座を設けることを特徴と
する回転揺動型アクチュエータ、及び、前記台座は、前
記駆動コイルの周長を略3等分する位置で該駆動コイル
を保持するように設けられることを特徴とする回転揺動
型アクチュエータ、さらに、前記ヨークは、前記永久磁
石と対向する対向部分及び前記永久磁石を保持する保持
部分とからなり、前記キャリッジアームの回動力を発生
させる前記駆動コイルの直線部に沿う方向に関して、前
記永久磁石の長さと、前記ヨークの前記対向部分の長さ
とが略同一であり、かつ、前記ヨークの前記保持部分の
該長さが、前記永久磁石もしくは前記ヨークの前記対向
部分の該長さよりも長く構成されていることを特徴とす
る回転揺動型アクチュエータを提供する。
【0018】また、情報記録媒体上で 情報の読み書き
を行う記録再生ヘッドと、この記録再生ヘッドが一端側
に取着されるとともに、他端側にボビン部を有し、前記
記録再生ヘッドと前記ボビン部との間に位置する回動中
心周りに回動可能なキャリッジアームと、前記ボビン部
に保持される駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込む
ように対向して配置される永久磁石及びヨークとを備
え、前記ボビン部は、前記駆動コイルの周長を略3等分
する位置で該駆動コイルを保持することを特徴とする回
転揺動型アクチュエータを併せて提供する。
【0019】さらに、情報記録媒体上で情報の読み書き
を行う記録再生ヘッドと、この記録再生ヘッドが一端側
に取着されるとともに、他端側にボビン部を有し、前記
記録再生ヘッドと前記ボビン部との間に位置する回動中
心周りに回動可能なキャリッジアームと、前記ボビン部
に保持される駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込む
ように対向して配置される永久磁石及びヨークとを備
え、前記ヨークは、前記永久磁石と対向する対向部分及
び前記永久磁石を保持する保持部分とからなり、前記キ
ャリッジアームの回動力を発生させる前記駆動コイルの
直線部に沿う方向に関して、前記永久磁石の長さと、前
記ヨークの前記対向部分の長さとが略同一であり、か
つ、前記ヨークの前記保持部分の該長さが、前記永久磁
石もしくは前記ヨークの前記対向部分の該長さよりも長
く構成されていることを特徴とする回転揺動型アクチュ
エータをも併せて提供する。
【0020】加えて、情報記録媒体と、この情報記録媒
体を回転自在に保持する回転手段と、前記情報記録媒体
上で情報の読み書きを行う記録再生ヘッドと、この記録
再生ヘッドが一端側に取着されるとともに、他端側にボ
ビン部を有し、前記記録再生ヘッドと前記ボビン部との
間に位置する回動中心周りに回動可能なキャリッジアー
ムと、前記ボビン部に保持される駆動コイルと、この駆
動コイルを挟み込むように対向して配置される永久磁石
及びヨークとを備え、前記ボビン部は前記キャリッジア
ームの回動中心から見て外方に開いた略V字型構造を有
し、前記永久磁石と前記ヨークとにより挟まれる領域外
の前記ボビン部に、前記駆動コイルの周長を略3等分す
る位置で該駆動コイルを保持するための台座を設けるこ
とを特徴とする記録再生装置を提供する。
【0021】
【作用】回転揺動型アクチュエータにおいて、キャリッ
ジアームのボビン部をキャリッジアームの回動中心から
見て外方に開いた略V字型構造にすることにより、アク
チュエータの回動中心から離れた位置におけるボビン部
の質量を減少させ、アクチュエータのイナーシャを低減
させるとともに、永久磁石とヨークとにより挟まれる領
域外のボビン部に台座を設けて駆動コイルを固定するこ
とにより、組立の容易さを損なわずに駆動コイルの固定
度及び安定度を高めると同時に、磁気回路を構成する永
久磁石とヨークとの間のギャップを実質上駆動コイル3
の厚さ分程度に維持し、磁束密度の高い磁気回路を構成
することができる。
【0022】また、キャリッジアームの回動力を発生さ
せる駆動コイルの直線部に沿う方向に関して、永久磁石
の長さとヨークの永久磁石と対向する部分の長さが略同
一となるように構成し、さらにヨークの永久磁石を保持
する部分の該長さが、前記した永久磁石もしくはヨーク
の該長さよりも長くなるように構成することより、永久
磁石からの漏れ磁束が永久磁石と対向するヨークの方向
へはあまり流れず、永久磁石を保持するヨークに吸収さ
れるようになるため、駆動コイルへの漏れ磁束の影響を
低減できる。
【0023】さらに、記録再生ヘッドの高速かつ高精度
なアクセスを可能とする回転揺動型アクチュエータを用
いることにより、記録密度の向上による記録再生装置の
小型化・大容量化が実現できる。
【0024】
【実施例】本発明による回転揺動型アクチュエータ及び
これを用いた記録再生装置の実施例について、図面を参
照しつつ詳細に説明する。ここでは、磁気ディスク装置
及び用いられる回転揺動型アクチュエータを例に説明す
るが、本発明は磁気ディスク装置のみに限られず、光デ
ィスク装置等の記録再生装置一般にも応用できる。ま
ず、本発明の実施例に係る磁気ディスク装置の構成なら
びに回転揺動型アクチュエータの構成について説明す
る。図5は、本発明に係る回転揺動型アクチュエータを
有する磁気ディスク装置の概略を示したものである。
【0025】情報を記録するための磁気ディスク11は
スピンドルモータ12に装着され、一定速度で回転され
る。磁気ディスク11にアクセスして情報の読み書きを
行う磁気ヘッド13は、薄板状のサスペンション14の
先端に取着されており、動作時には流体軸受作用により
磁気ディスク11の表面からわずかに浮上する。サスペ
ンション14は、図示しない駆動コイルを保持するボビ
ン部等を有するキャリッジアーム1の一端に設けられた
連結部9に連結されている。
【0026】キャリッジアーム1の他端には、リニアモ
ータの一種であるボイスコイルモータ16が設けられて
いる。ボイスコイルモータ16は、後述するように、キ
ャリッジアーム1のボビン部に巻き上げられた駆動コイ
ルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁
石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構
成される。
【0027】キャリッジアーム1は、固定軸17の上下
2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによっ
て保持され、ボイスコイルモータ16により回転揺動が
自在にできるようになっている。
【0028】なお、磁気ディスク11上での磁気ヘッド
13の位置決めは、磁気ディスク11に書き込まれたサ
ーボ情報を磁気ヘッド13により読み出し、この情報を
ボイスコイルモータ16にフィードバックする位置決め
サーボ系にり、キャリッジアーム1を回動させることに
より行われる。以上の各構成部品は筐体18内に配置さ
れ、装置全体を密閉するために薄板状のカバー19によ
り上部から覆われて、磁気ディスク装置が構成される。
【0029】図1は、本発明に係る回転揺動型アクチュ
エータの一実施例を示したものである。図1(a)は回
転揺動型アクチュエータを構成するキャリッジアーム1
のみを示し、図1(b)はキャリッジアーム1のボビン
部2に駆動コイル3を取り付けたときの状態を示す。
【0030】本実施例に係る回転揺動型アクチュエータ
を構成するキャリジアーム1は、図に示すように、磁気
ヘッドを取着したサスペンションを連結するための連結
部9と、その回動中心5から見て外方に開いた略V字型
構造のボビン部2を有し、このボビン部2の3箇所に駆
動コイル3を保持するための台座4a,4b,4cが設
けられている。駆動コイル3は、この台座4a,4b,
4c上にエポキシ系またはUV硬化型接着剤などにより
固定される。
【0031】ボビン部2を略V字型構造にすることによ
り、キャリッジアーム1の回動中心5から離れた位置に
おけるボビン部2の質量を減少させ、キャリッジアーム
1のイナーシャを低減させる。これにより、キャリッジ
アーム1の軽量化が図られ、駆動コイル3等を含むキャ
リッジアーム1の上下方向の振動特性を向上させること
ができるとともに、組立の容易さを損なわずに駆動コイ
ル3の固定度及び安定度を高めることができるため、駆
動コイル3の脱落によるアクチュエータの破損を防止で
きると同時に、キャリッジアーム1及び駆動コイル3の
無用な振動を防止でき、アクチュエータの動作時におけ
る磁気ヘッドの高速かつ高精度なアクセスが可能とな
る。なお、上記したようにボビン部2の構造は、略V字
型構造であれば良く、特定の形状に限定されるものでは
ない。
【0032】図2および図3は、本実施例の回転揺動型
アクチュエータを構成するキャリッジアーム1のボビン
部2に設けられた台座4a,4b,4cとボイスコイル
モータを構成する磁気回路との位置関係を示した平面図
および部分断面図である。
【0033】図に示すように、台座4a,4b,4c
は、ボイスコイルモータの磁気回路を構成する、相互に
対向して配置された永久磁石6と対向ヨーク7とにより
挟まれた領域外のボビン部2に設けられている。また、
台座4a,4b,4cは、駆動コイル3の周長を略3等
分する位置で該駆動コイル3を保持できるように配置さ
れている。なお、図示したように、駆動コイル3は下方
から台座4a,4b,4cにより保持されても良いし、
逆に、上方から保持されても良い。上記したような構成
により、以下に示すような作用効果が得られる。
【0034】第一に、もし永久磁石6と対向ヨーク7と
に挟まれた領域内に台座を設けた場合、台座4a,4
b,4cの厚みにより磁気回路における永久磁石6と対
向ヨーク7との間のギャップg(図3参照)が拡大し、
ボイスコイルモータの推力が低下することが考えられ
る。しかし、本実施例の構成によれば、このギャップg
の拡大を防止することができ、ボイスコイルモータの磁
気回路を構成する永久磁石6と対向ヨーク7との間のギ
ャップgを実質上駆動コイル3の厚さ分程度に維持でき
るため、永久磁石6と対向ヨーク7との間で、磁束密度
の高い磁気回路を構成することができ、ボイスコイルモ
ータの推力低下を防止できる。
【0035】第二に、台座4a,4b,4cによる駆動
コイル3の支持長さ(台座により支持されている駆動コ
イルの一部分の長さ)をできる限り短くすることが可能
となる。キャリッジアーム1の無用な振動を防止し、磁
気ヘッドの位置決めサーボ系に悪影響が及ばないように
するためには、駆動コイル3自体の共振周波数を高めて
やる必要がある。駆動コイル3の共振周波数はその支持
長さの2乗に反比例することから、支持長さはできる限
り短い方がよい。そこで、本実施例では、駆動コイルの
周長を略3等分できるような位置に台座4a,4b,4
cを設けることとした。
【0036】なお、台座4a,4b,4cは、ボイスコ
イルモータの磁気回路を構成する対向して配置された永
久磁石6と対向ヨーク7とにより挟まれた領域外に設け
る限り、その個数および設置位置については特に本実施
例に限定されることはない。例えば、台座4aを2箇所
に分割して設け、台座4b,4cはそのままとし、計4
箇所で駆動コイル3を保持してもよい。
【0037】しかし、4箇所で保持しようとすると、組
立の際に、駆動コイル3がいずれか1箇所の台座から浮
いてしまい、そこでの固定度が低下するおそれがある。
これは、台座が4箇所の場合に限られず、4箇所以上な
らば同様に生じる問題である。従って、組立の容易さを
維持しつつ、最も安定した固定度を得るためには、3箇
所で保持するのが最も効率がよく、本実施例に示すよう
な位置に台座4a,4b,4cを設けるのが最適である
と思われる。
【0038】図4は、本実施例の変形例に係る回転揺動
型アクチュエータを構成するキャリッジアーム1のボビ
ン部2に設けられた台座とボイスコイルモータを構成す
る磁気回路との位置関係を示した部分断面図である。本
変形例では、台座4a,4b,4c(図示省略)を、駆
動コイル3を挟み込むように、上下各2箇所ずつ、計6
箇所に設け、該駆動コイル3を保持している。このよう
な構成としても、駆動コイル3の周長を略3等分する位
置で該駆動コイル3を保持することができ、上記した本
実施例と同様の効果を得ることができる。なお、本変形
例においては、駆動コイル3を台座4a,4b,4cに
接着剤等により固定せず、単にはめ込むだけで保持して
も良い。また、台座が増えることにより、キャリッジア
ーム1の重量が増加するおそれがあるが、この点に関し
てはキャリッジアーム1の材料を選択することにより容
易に解消できる。キャリッジアーム1の軽量化を図るた
め材料としては、例えば、プラスチックが考えられる。
また、射出成形等によりプラスチックでキャリッジアー
ムを製造する場合、上記したサスペンションとキャリッ
ジアーム1を一体成形することも可能であり、製造工程
の簡易化を図ることができる。
【0039】このように、駆動コイル3の支持長さを短
くし、駆動コイル3自体の振動を極力低減しつつ、駆動
コイル3をキャリッジアーム1のボビン部2に安定して
保持するためには、上記したような3箇所で保持するこ
とが最も有効である。よって、本実施例の場合に限ら
ず、他の構成に係る回転揺動型アクチュエータのキャリ
ッジアームのボビン部に駆動コイルを保持する場合で
も、駆動コイルの周長を略3等分する3箇所で該コイル
を保持する構成とすることが望ましい。
【0040】第三に、図2及び図3より明らかなよう
に、本実施例においては、キャリッジアーム1の回動力
を発生させる駆動コイル3の直線部3aに関して、ボイ
スコイルモータの磁気回路を構成する永久磁石6の長さ
と、対向ヨーク7(永久磁石6と対向する部分)の長さ
が略同一となるように構成されており、さらに永久磁石
6は、該長さより大きな長さを有する保持ヨーク8(永
久磁石6を保持する部分)に保持されている。このよう
な構成によれば、永久磁石6からの漏れ磁束が対向ヨー
ク7方向へはあまり流れず、保持ヨーク8に吸収される
ようになるため、特に、キャリッジアーム1の回動力を
発生させる駆動コイル3の直線部3a以外の部分3bへ
の漏れ磁束の影響を低減できる。これにより、駆動コイ
ル3の直線部3a以外の部分3bにおいて発生する、キ
ャリッジアーム1の回動方向と垂直な向き(例えば上下
方向)の電磁力の作用によるキャリッジアーム1の無用
な振動を防止することが可能となる。なお、永久磁石6
と対向ヨーク7の長さを略同一としたのは、駆動コイル
3の直線部3aで発生する電磁力(ボイスコイルモータ
の推力)を低下させないように、磁気回路による磁界を
可能な限り強くしつつ、上記した漏れ磁束の影響を極力
低減するためである。
【0041】したがって、本実施例の場合に限らず、他
の構成に係る回転揺動型アクチュエータに用いられるボ
イスコイルモータにおいても、上記したような磁気回路
の構成をとることが望ましい。なお、本実施例におい
て、対向ヨーク7と保持ヨーク8は別個に設けても良い
し、一体に成形しても良い。
【0042】上記したように、本発明によれば、磁気ヘ
ッドの高速かつ高精度なアクセスが可能となるよう、あ
らゆる観点から検討された回転揺動型アクチュエータを
提供することができ、これにより、記録密度の向上によ
る記録再生装置の小型化・大容量化が実現できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転揺動型アクチュエータのイナーシャを低減させるこ
とができるとともに、キャリッジアームの軽量化が図ら
れ、かつ、ボイスコイルモータの磁気回路を構成する永
久磁石とヨークとの間のギャップを実質上駆動コイルの
厚さ分程度に維持できるため、磁束密度の高い磁気回路
を構成することができ、ボイスコイルモータの高推力化
を図ることができるとともに、さらに、キャリッジアー
ムのボビン部の所定の位置に台座を設けることにより、
組立の容易さを損なわずに駆動コイルの固定度および安
定度を高めることができ、駆動コイルの脱落によるアク
チュエータの破損を防止できると同時に、キャリッジア
ーム及び駆動コイルの無用な振動を防止できる。また、
永久磁石からの漏れ磁束が永久磁石と対向するヨーク方
向へはあまり流れず、永久磁石を保持するヨークに吸収
されるようになるため、特に、キャリッジアームの回動
力を発生させる駆動コイルの直線部への漏れ磁束の影響
を低減でき、これにより、駆動コイルの直線部以外の部
分において発生する、キャリッジアームの回動方向と垂
直な向き(例えば上下方向)の電磁力の作用によるキャ
リッジアームの無用な振動を防止することが可能とな
る。
【0044】以上のことから、磁気ヘッドの高速かつ高
精度なアクセスが可能な回転揺動型アクチュエータを提
供することができ、これにより、記録密度の向上による
記録再生装置の小型化・大容量化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る回転揺動型アクチュエー
タのキャリッジアームを示した平面図。
【図2】本実施例に係る回転揺動型アクチュエータのキ
ャリッジアームのボビン部に設けられた台座とボイスコ
イルモータを構成する磁気回路との位置関係を示した平
面図。
【図3】本実施例に係る回転揺動型アクチュエータのキ
ャリッジアームのボビン部に設けられた台座とボイスコ
イルモータを構成する磁気回路との位置関係を示した部
分断面図。
【図4】本実施例の変形例に係る回転揺動型アクチュエ
ータのキャリッジアームのボビン部に設けられた台座と
ボイスコイルモータを構成する磁気回路との位置関係を
示した部分断面図。
【図5】本発明に係る回転揺動型アクチュエータを有す
る磁気ディスク装置の概略を示した斜視図。
【図6】従来の回転揺動型アクチュエータの概略を示し
た平面図。
【図7】従来の回転揺動型アクチュエータのボイスコイ
ルモータの概略を示した部分断面図。
【符号の説明】
1,104 キャリッジアーム 2,103 ボビン部 3,105 駆動コイル 4a,4b,4c 台座 5,106 アクチュエータの回動中心 6,109 永久磁石 7,110 対向ヨーク(ヨークの永久磁石と対向する
部分) 8,111 保持ヨーク(ヨークの永久磁石を保持する
部分) 9,107 連結部 11 磁気ディスク 12 スピンドルモータ 13,101 磁気ヘッド 14,102 サスペンション 16 ボイスコイルモータ 17 固定軸 18 筺体 19 カバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体上で情報の読み書きを行う
    記録再生ヘッドと、この記録再生ヘッドが一端側に取着
    されるとともに、他端側にボビン部を有し、前記記録再
    生ヘッドと前記ボビン部との間に位置する回動中心周り
    に回動可能なキャリッジアームと、前記ボビン部に保持
    される駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込むように
    対向して配置される永久磁石及びヨークとを備え、前記
    ボビン部は、前記キャリッジアームの回動中心から見て
    外方に開いた略V字型構造を有し、前記永久磁石と前記
    ヨークとにより挟まれる領域外の前記ボビン部に前記駆
    動コイルを保持するための台座を設けることを特徴とす
    る回転揺動型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記台座は、前記駆動コイルの周長を略
    3等分する位置で該駆動コイルを保持するように設けら
    れることを特徴とする請求項1記載の回転揺動型アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 前記ヨークは、前記永久磁石と対向する
    対向部分と、前記永久磁石を保持する保持部分とからな
    り、前記キャリッジアームの回動力を発生させる前記駆
    動コイルの直線部に沿う方向に関して、前記永久磁石の
    長さと、前記ヨークの前記対向部分の長さとが略同一で
    あり、かつ、前記ヨークの前記保持部分の該長さが、前
    記永久磁石もしくは前記ヨークの前記対向部分の該長さ
    よりも長く構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の回転揺動型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 情報記録媒体上で情報の読み書きを行う
    記録再生ヘッドと、この記録再生ヘッドが一端側に取着
    されるとともに、他端側にボビン部を有し、前記記録再
    生ヘッドと前記ボビン部との間に位置する回動中心周り
    に回動可能なキャリッジアームと、前記ボビン部に保持
    される駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込むように
    対向して配置される永久磁石及びヨークとを備え、前記
    ボビン部は、前記駆動コイルの周長を略3等分する位置
    で該駆動コイルを保持することを特徴とする回転揺動型
    アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 情報記録媒体上で情報の読み書きを行う
    記録再生ヘッドと、この記録再生ヘッドが一端側に取着
    されるとともに、他端側にボビン部を有し、前記記録再
    生ヘッドと前記ボビン部との間に位置する回動中心周り
    に回動可能なキャリッジアームと、前記ボビン部に保持
    される駆動コイルと、この駆動コイルを挟み込むように
    対向して配置される永久磁石及びヨークとを備え、前記
    ヨークは、前記永久磁石と対向する対向部分と、前記永
    久磁石を保持する保持部分とからなり、前記キャリッジ
    アームの回動力を発生させる前記駆動コイルの直線部に
    沿う方向に関して、前記永久磁石の長さと、前記ヨーク
    の前記対向部分の長さとが略同一であり、かつ、前記ヨ
    ークの前記保持部分の該長さが、前記永久磁石もしくは
    前記ヨークの前記対向部分の該長さよりも長く構成され
    ていることを特徴とする回転揺動型アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 情報記録媒体と、この情報記録媒体を回
    転自在に保持する回転手段と、前記情報記録媒体上で情
    報の読み書きを行う記録再生ヘッドと、この記録再生ヘ
    ッドが一端側に取着されるとともに、他端側にボビン部
    を有し、前記記録再生ヘッドと前記ボビン部との間に位
    置する回動中心周りに回動可能なキャリッジアームと、
    前記ボビン部に保持される駆動コイルと、この駆動コイ
    ルを挟み込むように対向して配置される永久磁石及びヨ
    ークとを備え、前記ボビン部は前記キャリッジアームの
    回動中心から見て外方に開いた略V字型構造を有し、前
    記永久磁石と前記ヨークとにより挟まれる領域外の前記
    ボビン部に、前記駆動コイルの周長を略3等分する位置
    で該駆動コイルを保持するための台座を設けることを特
    徴とする記録再生装置。
JP1125293A 1992-01-27 1993-01-27 回転揺動型アクチュエータ及びこれを用いた記録再生装置 Pending JPH05274822A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-11572 1992-01-27
JP1157292 1992-01-27

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JPH05274822A true JPH05274822A (ja) 1993-10-22

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JP1125293A Pending JPH05274822A (ja) 1992-01-27 1993-01-27 回転揺動型アクチュエータ及びこれを用いた記録再生装置

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JP (1) JPH05274822A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996023300A1 (en) * 1995-01-23 1996-08-01 Iomega Corporation Compliant anchor for securing disk drive actuator bearing
US5659449A (en) * 1994-09-30 1997-08-19 International Business Machines Corporation Direct access storage device with a molded actuator motor coil support

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