JP3597822B2 - ヘッド支持装置およびこれを備えた記録再生装置 - Google Patents
ヘッド支持装置およびこれを備えた記録再生装置 Download PDFInfo
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- G11B5/5569—Track change, selection or acquisition by displacement of the head across disk tracks details of specially adapted mobile parts, e.g. electromechanical control devices
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヘッドを搭載したヘッド支持装置、およびこれを備えた記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの外部記録装置として磁気ディスク装置、光ディスク装置などの記録再生装置が広く用いられている。例えば、磁気記録媒体を使用する磁気ディスク装置は、一般に、ケース内に配設された磁気ディスク、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドルモータ、磁気ヘッドを移動自在に支持したキャリッジ、このキャリッジを駆動するボイスコイルモータ、磁気ヘッドを制御部に電気的に接続するメインフレキシブルプリント回路基板(以下メインFPCと称する)等を備えている。
【0003】
そして、このような磁気ディスク装置では、磁気ディスクが回転した状態で、キャリッジにより磁気ヘッドを磁気ディスク上の任意の半径位置、つまり、任意のトラック上に移動および位置決めし、磁気ヘッドにより磁気ディスクに対する情報の読取および書き込みを行う。
【0004】
キャリッジは、ケースに取り付けられた軸受部と、軸受部から延出した複数のアームと、各アームの延出端に固定された磁気ヘッド組立体と、を有している。磁気ヘッド組立体は、その基端部がアームの先端に溶接された細長いサスペンションを有し、サスペンションの延出端に磁気ヘッドが搭載されている。近年、各アームは、ステンレス等の薄板で形成され、同様に、サスペンションもステンレス等によって薄い板バネ状に形成されている。
【0005】
キャリッジのアームおよび磁気ヘッド組立体は、1枚の磁気ディスクに対して2本ずつ設けられ、磁気ディスクの両面と対向するように積層配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された磁気ディスク装置において、キャリッジのアームは薄板で形成されていることから、上下方向、つまり、磁気ディスク表面に対して垂直な方向の衝撃に対して、あるいはキャジッリを含むアクチュエータ駆動時に振動し易い。この振動はアームを上下に揺するモードであるが、実際には、アクチュエータが左右対称な形状でない場合や、VCMからの非対称な加振力の付加などにより、アームの上下方向の揺れに伴ってアクチュエータが捩じれ、トラック方向への振動成分も生じる。また、アームの上下振動により、アクチュエータ長手方向(トラック方向)に沿ったヘッドの振動も発生し、ジッタ成分として観察される。そのため、ヘッドの位置決めや記録再生に悪影響を及ぼす。
【0007】
一方、上記のような磁気ディスク装置では、記録容量の増大に伴い、高密度なデータ記録再生が要求され、磁気ディスクのトラック密度は1μm以下になっている。このため、磁気ヘッドを搭載したキャリッジの位置決め精度は0.1μm以下が要求され、制御帯域を上げる対策、すなわち、アクチュエータの位置決めサーボ系によって抑制可能な振動の周波数帯域を上げる対策、が必要になっている。例えば、2.5インチタイプの磁気ディスク装置において、現在の制御帯域は約500〜1000Hzであり、一層の高帯域化が求められている。
【0008】
制御帯域を上げるためには、キャリッジの高剛性化が必要となる。しかしながら、1000Hz付近およびこれ以上の周波数帯域にはキャリッジの機械共振点が多数存在するため、制御帯域を上げる際の妨げとなっている。例えば、キャリッジを構成するアームの曲げ振動モードは、約1ないし1.5kHz付近にあり、キャリッジ駆動時に発生する上下方向振動や捩じれ振動によって励起される。
【0009】
加えて、アームの上下方向振動モードは、制御帯域に近接した領域に存在するため、制御帯域を上げると発振現象を引き起こす恐れがある。そのため、アームの上下振動を抑制しヘッドの位置決め精度を上げるためには、アームの高剛性化を図り、キャリッジの共振周波数を制御帯域外に追いやることが望ましい。
【0010】
しかし、一般に磁気ディスク装置などの記録再生装置は、薄型化が望まれているため、ディスクの厚み方向の寸法を増やすことは難しい。従って、アームを厚く形成してアームの曲げ振動の固有振動数を大幅に高めることは困難となる。
【0011】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、ヘッドの位置決め精度を向上し高密度な記録再生を可能とするヘッド支持装置およびこれを備えた記録再生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の一態様に係るヘッド支持装置は、支持部と、それぞれ薄板により形成されているとともに、上記支持部に支持された基端部を有し、上記支持部から同一方向に延出した複数のアームと、少なくとも2本のアームの延出端からそれぞれ延びたサスペンションと、各サスペンションの延出端に搭載されたヘッドと、を備えている。
【0013】
上記複数のアームは所定方向に沿って積層配置されているとともに、背中合わせに隣合った少なくとも2本の内アームと、それぞれ内アームに所定の間隔をおいて対向しているとともに上記積層方向の両端に位置した2本の外アームと、を含み、上記支持部は、上記外アームを支持した第1支持領域と上記内アームを支持した第2支持領域とを備え、上記第1支持領域は、第2支持領域よりも上記アームの延出端側へずれて位置した境界を有している。
【0014】
また、発明の他の態様に係るヘッド支持装置は、支持部と、それぞれ薄板により形成されているとともに、上記支持部に支持された基端部を有し、上記支持部から同一方向に延出した複数のアームと、少なくとも2本のアームの延出端からそれぞれ延びたサスペンションと、各サスペンションの延出端に搭載されたヘッドと、を備えている。上記複数のアームは所定方向に沿って積層配置されているとともに、背中合わせに隣合った少なくとも2本の内アームと、それぞれ内アームに所定の間隔をおいて対向しているとともに上記積層方向の両端に位置した2本の外アームと、を含み、上記支持部は上記外アームを支持した第1支持領域および上記内アームを支持した第2支持領域を有し、上記第1および第2支持領域は、上記内アームの固有振動数が上記外アームの固有振動数よりも低くなるように、上記アームの延出方向について異なる位置に境界を有している。
【0015】
更に、この発明の態様に係る記録再生装置は、ディスク状の記録媒体と、上記記録媒体を支持および回転駆動する駆動部と、上記記録媒体に対して情報の記録再生を行うヘッドと、上記ヘッドを上記記録媒体に対して移動自在に支持した上記ヘッド支持装置と、を備えている。
【0016】
上記のように構成されたヘッド支持装置およびこれを備えた記録再生装置によれば、内アームと外アームとの面外曲げ剛性の大小関係を調整することにより、クロストークの出やすい外アームの面外振動振幅を小さくし、それによって生じる外アームのトラック方向への振動クロストークを減らすことができる。これにより、内アームおよび外アームのトラック方向へのクロストークがほぼ同一となり、ヘッド支持装置全体のクロストークの最悪レベルを下げることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明に係る記録再生装置を、磁気ディスク装置としてのハードディスクドライブ(以下HDDと称する)に適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、HDDは、上面の開口した矩形箱状のケース10と、複数のねじによりケースにねじ止めされてケースの上端開口を閉塞する図示しないトップカバーと、を有している。
【0019】
ケース10内には、ディスク状の記録媒体としての2枚の磁気ディスク12a、12b、これらの磁気ディスクを支持および回転させるスピンドルモータ13、磁気ディスクに対して情報の記録、再生を行なう複数のヘッド、これらの磁気ヘッドを磁気ディスク12a、12bに対して移動自在に支持したキャリッジ14、キャリッジを回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)16、ヘッドが磁気ディスクの最外周に移動した際、磁気ヘッドを磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構18、キャリッジ14を退避位置に保持するイナーシャラッチ機構20、およびプリアンプ等の回路部品が実装された基板ユニット17が収納されている。
【0020】
また、ケース10の外面には、基板ユニット17を介してスピンドルモータ13、VCM16、およびヘッドの動作を制御する図示しないプリント回路基板がねじ止めされ、ケースの底壁と対向して位置している。
【0021】
各磁気ディスク12a、12bは、例えば、直径65mm(2.5インチ)に形成され、上面および下面に磁気記録層を有している。2枚の磁気ディスク12a、12bは、スピンドルモータ13の図示しないハブに互いに同軸的に嵌合されているとともにクランプばね21によりクランプされ、ハブの軸方向に沿って1〜2mmの間隔をおいて積層されている。そして、磁気ディスク12a、12bは、駆動部としてのスピンドルモータ13により所定の速度で回転駆動される。
【0022】
図1ないし図3に示すように、ヘッド支持装置を構成するキャリッジ14は、ケース10の底壁上に固定された軸受組立体24を備えている。支持部として機能する軸受組立体24は、ケース10の底壁に立設された枢軸23と、枢軸に一対の軸受を介して回転自在に支持された円筒形状のハブ26と、を有している。ハブ26の上端には環状のフランジ29が形成され、下端部外周にはねじ部25が形成されている。なお、枢軸23はスピンドルモータ13の回転軸と平行に設けられている。
【0023】
また、キャリッジ14は、軸受組立体24に片持ち支持された4本のアーム27a、27b、27c、27dおよび2つのスペーサリング28a、28bと、各アームに支持された4つの磁気ヘッド組立体30と、を備えている。
【0024】
アーム27aないし27dの各々は、例えば、SUS304等のステンレス系の材料により、板厚300μm程度の薄い平板状に形成され、その一端、つまり、基端部には円形の透孔31が形成されている。
【0025】
各磁気ヘッド組立体30は、板ばねによって形成された細長いサスペンション32と、サスペンションに固定された磁気ヘッド33と、を備えている。サスペンション32は、板厚30〜100μmの板ばねにより構成され、その基端がスポット溶接あるいは接着によりアーム27aないし27dの先端に固定され、アームから延出している。
【0026】
各磁気ヘッド33は、図示しないほぼ矩形状のスライダとこのスライダに形成された記録再生用のMR(磁気抵抗)ヘッドとを有し、サスペンション32の先端部に形成されたジンバル部に固定されている。また、各磁気ヘッド33は、図示しない4つの電極を有している。なお、サスペンション32は、アームと同一の材料によりアームと一体的に形成されていてもよい。
【0027】
一方、図2に示すように、キャリッジ14の各磁気ヘッド33は、それぞれ中継フレキシブルプリント回路基板(以下、中継FPCと称する)62を介して後述するメインFPC42に電気的に接続される。中継FPC62は、キャリッジ14の各アームおよびサスペンション32の表面に貼り付け固定され、サスペンションの先端からアームの回動基端に亘って延びている。中継FPC62は、全体として細長い帯状に形成され、その先端は磁気ヘッド33に電気的に接続されているとともに、その基端部はアームの基端から外側に延出し、複数の接続パッドを有した接続端部64を構成している。
【0028】
図2ないし図4に示すように、磁気ヘッド組立体30および中継FPC62が取り付けられた4本のアーム27a、27b、27c、27dは、透孔31にハブ26を挿通することにより、ハブ26の軸方向に沿ってフランジ29上に積層された状態でハブの外周に嵌合されている。また、スペーサリング28aは、アーム27a、27b間、およびスペーサリング28bは、アーム27c、27d間にそれぞれ挟まれた状態でハブ26の外周に嵌合されている。
【0029】
ハブ26の外周に嵌合された4本のアーム27aないし27d、および2つのスペーサリング28a、28bは、ハブ26のねじ部25に螺合されたナット37とフランジ29との間に挟持され、ハブ26の外周上に固定保持されている。なお、締め部材としてのナット37とアーム27dとの間にはリングワッシャ39が挟み込まれている。そして、フランジ29を有したハブ26およびナット37は挟持機構を構成している。
【0030】
軸受組立体24によって支持されたアーム27aないし27dは、ハブ26から同一方向に延出している。アーム27aおよび27bは所定の間隔を置いて互いに平行に位置し、これらのアームに取り付けられた磁気ヘッド組立体30の磁気ヘッド33は互いに向かい合って位置している。また、アーム27cおよび27dは所定の間隔を置いて互いに平行に位置し、これらのアームに取り付けられた磁気ヘッド組立体30の磁気ヘッド33は互いに向かい合って位置している。
【0031】
アーム27b、27cは背中合わせで互いに接触して位置し、この発明における内アームとして機能する。また、積層方向に沿って上端及び下端に位置したアーム27a、27dは、この発明における外アームとして機能している。そして、4本のアーム27aないし27dおよび磁気ヘッド組立体30は、ハブ26と一体的に回動可能となっている。
【0032】
図2ないし図6に示すように、スペーサ28aは、ハブ26の外周に嵌合された環状の本体50と、この本体の外周からアームの延出方向に突出した突出部51とを一体に備えている。外アームとして機能する上端のアーム27aに対向したスペーサ28aの上面は、本体50および突出部51に亘って平坦に形成されている。そして、この上面全体は、アーム27aに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27aを支持する第1支持領域を規定している。
【0033】
これに対し、内アームとして機能するアーム27bに対向したスペーサ28aの下面の内、突出部51の部分に凹所53が形成され、本体50の下面よりも一段低くなっている。そして、本体50の下面のみがアーム27aに接触した第2接触面52bを構成し、アーム27bを支持する第2支持領域を規定している。
【0034】
同様に、スペーサ28bは、ハブ26の外周に嵌合された環状の本体50と、この本体の外周からアームの延出方向に突出した突出部51とを一体に備えている。外アームとして機能する上端のアーム27dに対向したスペーサ28bの下は、本体50および突出部51に亘って平坦に形成されている。そして、この下面全体は、アーム27dに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27dを支持する第1支持領域を規定している。
【0035】
内アームとして機能するアーム27cに対向したスペーサ28bの上面の内、突出部51の部分に凹所53が形成され、本体50の上面よりも一段低くなっている。そして、本体50の上面のみがアーム27cに接触した第2接触面52bを構成し、アーム27cを支持する第2支持領域を規定している。
【0036】
更に、スペーサリング28bは、アーム27aないし27dと反対方向へ延出した支持フレーム34を有し、合成樹脂等によって一体に整形されている。支持フレーム34には、VCM16の一部を構成するボイスコイル36が埋め込まれている。
【0037】
スペーサ28a、28bに設けられた突出部51は、図5に示すように、キャリッジ14が回動しヘッド33が磁気ディスク12a、12bの最内周に位置した状態で、磁気ディスク12a、12bとスペーサ28a、28bとが衝突しないぎりぎりの位置まで突出形成されていることが望ましく、その突出長さaは、例えば1〜2mmに設定されている。
【0038】
スペーサ28aに設けられた突出部51の先端部には、ねじ孔56が形成されている。また、アーム27aには、ねじ孔56と対向する位置に透孔が形成されている。そして、この透孔を介して突出部51のねじ孔56にねじ57がねじ込まれ、このねじ57の締付け力によりアーム27aの基端部がスペーサ28aの突出部51に密着し、第1接触面52aに支持されている。
【0039】
同様に、スペーサ28bに設けられた突出部51の先端部には、ねじ孔56が形成されている。また、アーム27dには、ねじ孔56と対向する位置に透孔が形成されている。そして、この透孔を介して突出部51のねじ孔56にねじ57がねじ込まれ、このねじ57の締付け力によりアーム27dの基端部がスペーサ28bの突出部51に密着し、第1接触面52aに支持されている。
【0040】
上記支持構造であると、各スペーサ28a、28bに突出部51を設けることにより、外アームとしてのアーム27a、27dに対する第1支持領域がアーム延出端側に拡大する。そして、図5に示すように、第1支持領域のアーム延出端側の境界は、スペーサ本体50の周縁位置Aから位置Bへとアームの先端側へ移動する。これにより、アーム27a、27dの支持領域からのアーム長が等価的に短くなり、これらアームの面外曲げ剛性が向上する。その結果、アーム27a、27dの固有振動数を上げることができる。
【0041】
これに対して、スペーサ28a、28bの第2支持領域は、突出部51の部分に凹所53を設けることにより、アーム27b、27cの延出端側へ拡大されておらず、第2支持領域のアーム延出端側の境界は、スペーサ本体50の周縁位置Aのままとなっている。すなわち、第2支持領域のアーム延出端側の境界は、第1支持領域の境界よりもアームの基端側にずれて位置している。そのため、内アームとして機能するアーム27b、27cは、外アームとして機能するアーム27a、27dよりも面外曲げ剛性が弱く、固有振動数も低くなっている。
【0042】
図1および図4に示すように、上記のように構成されたキャリッジ14をケース10に組み込んだ状態において、磁気ディスク12aはアーム27a、27b間に位置し、また、磁気ディスク12bはアーム27c、27d間に位置している。
【0043】
そして、HDDの動作時、アーム27a、27bに取り付けられた磁気ヘッド33は、磁気ディスク12aの上面および下面にそれぞれ対向し、磁気ディスク12aを両面側から挟持する。同様に、アーム27c、27dに取り付けられた磁気ヘッド33は、磁気ディスク12bの上面および下面にそれぞれ対向し、磁気ディスク12bを両面側から挟持する。
【0044】
また、キャリッジ14をケース10に組み込んだ状態において、支持フレーム34に固定されたボイスコイル36は、ケース10上に固定された一対のヨーク38間に位置し、これらのヨークおよび一方のヨークに固定された図示しない磁石とともにVCM16を構成している。そして、ボイスコイル36に通電することにより、キャリッジ14が回動し、磁気ヘッド33は磁気ディスク12a、12bの所望のトラック上に移動および位置決めされる。
【0045】
図1および図2に示すように、基板ユニット17は、ケース10の底壁上に固定された矩形状の基板本体40を有し、この基板本体上には、複数の電子部品およびコネクタ等が実装されている。また、基板ユニット17は、基板本体40とキャリッジ14とを電気的に接続した帯状のメインフレキシブルプリント回路基板(以下、メインFPCと称する)42を有している。そして、キャリッジ14に支持された各磁気ヘッド33は、中継FPC62およびメインFPC42を介して基板ユニット17に電気的に接続されている。
【0046】
すなわち、メインFPC42は、キャリッジ14の軸受組立体24に取付けられた接続端部42aと、基板本体40と一体に形成された基端部と、を有している。接続端部42aには透孔58が形成され、この透孔に挿通されたねじ56によってスペーサリング28aにねじ止めされている。また、各アームおよびサスペンション32上に設けられた中継FPC62の接続端部64は、メインFPC42の接続端部42aに設けられたパッド部にそれぞれ接続されている。これにより、各中継FPC62とメインFPC42とが電気的に接続されている。
【0047】
以上のように構成されたHDDによれば、外アーム27a、27dを支持した第1支持領域の境界を、内アーム27b、27cを支持した第2支持領域の境界に対してアーム延出端側にずらして形成することにより、同一キャリッジ14内で、外アーム27a、27dと内アーム27b、27cとの間に面外曲げ剛性の相違を生じさせている。この場合、ボイスコイル36に上下方向の加振力が作用すると、図7に示すように、外アーム27a、27dと内アーム27b、27cとの面外曲げ剛性が等しい場合(図8)に比較して、面外曲げ剛性の低い方のアーム27b、27cが大きく揺れるようになる反面、面外曲げ剛性の高い方のアーム27a、27dの揺れが低減する効果が得られる。
【0048】
これは、面外曲げ剛性が低い方のアームが共振する時は、図9(a)に示すように、面外曲げ剛性が高い方のアームと同位相に揺れるが、面外曲げ剛性が高い方のアームが共振する時は、図9(b)に示すように、面外曲げ剛性が低い方のアームが共振点を過ぎて逆位相に揺れるようになるため、振動エネルギが打ち消される効果が働くことによると考えられる。
【0049】
すなわち、図10に示すような面外曲げ方向のアーム振動は、VCM16駆動時に発生するボイスコイル36への上下方向や捩じれ方向の加振力によって励起され、磁気ヘッドのトラック方向へのクロストーク振動につながる。ただし、シミュレーション上におけるアームの面外方向の振動振幅が同じであっても、アームのキャリッジに対する配設位置によって、トラック方向へのクロストーク振動量に違いがある。
【0050】
例えば、トラック方向へのクロストークの振動量は、アームそのものの面外方向振動に伴うトラック方向へのクロストークと、キャリッジ14全体がその影響でトラック方向へ揺すられることによって発生するクロストークの合計で表される。しかし、キャリッジ14全体の揺れは、主に軸受組立体24のばね性およびキャリッジ全体のイナーシャによって発生する。
【0051】
そのため、図11に示すように、キャリッジ14の中央付近にあるアーム27b、27cは、外側にあるアーム27a、27dに比べて振幅が小さくなる。よって、キャリッジ全体の振動によるクロストークの量もアーム27b、27cの方がアーム27a、27dに比べて小さくなる。
【0052】
また、アーム27b、27cは背中合わせになっているため、接触面の摩擦によって減衰効果が生じ、面外振動振幅そのものが、シミュレーションに比べて小さくなるという効果もある。
【0053】
このように、アーム27b、27cはクロストークが出にくいため、前述のように、アーム27a、27dとの面外曲げ剛性の大小関係を調整することにより、クロストークの出やすいアーム27a、27dの面外振動振幅を小さくし、アーム27a、27dのクロストークの振動量を減らすことができる。その結果、アーム27a〜27dのクロストークの振動量がほぼ同一となり、キャリッジ14全体のクロストークの最悪レベルを下げることが可能となる。
【0054】
以上のことから、1kHz付近にあるアームの面外曲げ振動に伴うクロストークの影響を低減すことができ、これに応じて位置決めサーボ系の制御帯域を上げることが可能となる。従って、ヘッドの高密度な位置決めができ、高密度な記録再生が可能なキャリッジおよびHDDを得ることができる。
【0055】
上述した第1の実施の形態において、各スペーサ28a、28bは、内アームと対向する表面側において、突出部51の部分に凹所を設ける構成としたが、図12に示すように、スペーサの内アームと対向する表面全体を平坦に形成するとともに、この表面と内アーム27bあるいは27cとの間に、平坦なスペーサリング60を配置してもよい。この場合、スペーサリング60は、スペーサ28a、28bの本体50とほぼ同一の径に形成する。これにより、内アーム27bあるいは27cに対するスペーサリング60の接触面が第2接触面52bおよび第2支持領域を構成し、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
図13および図14に示す第2の実施の形態によれば、スペーサ28a、28bは前述した突出部51を持たない構成としている。すなわち、スペーサ28aは環状の本体50のみを有し、アーム27aに対向した本体50の上面全体は、アーム27aに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27aを支持する第1支持領域を規定している。
【0057】
また、アーム27bに対向した本体50の下面外周縁には環状の凹所53が全周に亘って形成され一段低くなっている。これにより、本体50の下面は、アーム27aに接触しているとともに本体の外径よりも小さな外径の第2接触面52bを構成し、この第2接触面はアーム27bを支持する第2支持領域を規定している。
【0058】
一方、スペーサ28bは、環状の本体50および支持フレーム34のみを備えて構成されている。アーム27dに対向した本体50の下面全体は、アーム27dに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27dを支持する第1支持領域を規定している。また、アーム27cに対向した本体50の上面外周縁には環状の凹所53が全周に亘って形成され一段低くなっている。これにより、本体50の上面は、アーム27cに接触しているとともに本体の外径よりも小さな外径の第2接触面52bを構成し、この第2接触面はアーム27bを支持する第2支持領域を規定している。
【0059】
以上のように、スペーサ28a、28bの第2支持領域は、第1支持領域よりも外径が小さく形成され、第2支持領域のアーム延出端側の境界は、第1支持領域の境界よりもアームの基端側にずれて位置している。そのため、内アームとして機能するアーム27b、27cは、外アームとして機能するアーム27a、27dよりも面外曲げ剛性が弱く、固有振動数も低くなっている。なお、スペーサ28a、28bの本体50に形成された凹所53は、環状に限らず、本体のアーム延出端側周縁部のみに形成しても良い。
【0060】
第2の実施の形態において、他の構成は、前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、上記構成を有する第2の実施の形態においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0061】
図15および図16に示すように、この発明の第3の実施の形態に係るキャリッジ14は、単一の磁気ディスク12bのみを備えたHDDに適用するように構成されている。すなわち、キャリッジ14を構成する4本のアーム27aないし27dの内、例えば、下側の内アーム27cおよび外アーム27dのみに磁気ヘッド組立体30がそれぞれ取り付けられている。そして、残りのアーム27a、27bは、ダミーのアームとして設けられている。
【0062】
他の構成は、前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
このように構成された第3の実施の形態においても、1kHz付近にあるアームの面外曲げ振動に伴うクロストークの影響を低減すことができ、これに応じて位置決めサーボ系の制御帯域を上げることが可能となる。従って、ヘッドの高密度な位置決めができ、高密度な記録再生が可能なキャリッジおよびHDDを得ることができる。
【0063】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、記録媒体が1枚あるいは2枚の記録再生装置およびこれに適用するヘッド支持装置について説明したが、この発明は、3枚以上の記録媒体を備えた記録再生装置およびこれに用いるヘッド支持装置についても適用することができる。
また、この発明は、磁気ディスク装置に限らず、光ディスク装置、光磁気ディスク装置等の他の記録再生装置およびそのヘッド支持装置に適用可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡単な構成であるにも拘わらず、アームの上下方向振動を抑制することによって制御系の発振を抑え、制御系の高帯域化を可能にし、より高密度な記録再生を可能にするヘッド支持装置およびこれを用いた記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るHDDの内部を示す斜視図。
【図2】上記HDDに設けられたキャリッジの分解斜視図。
【図3】上記キャリッジの斜視図。
【図4】上記キャリッジの側面図。
【図5】上記HDDの磁気ディスクと上記キャリッジと配置関係を示す平面図。
【図6】上記キャリッジの支持部におけるスペーサを示す斜視図。
【図7】上記キャリッジを構成するアームの振動特性を示す図。
【図8】比較例として従来構成のキャリッジにおけるアームの振動特性を示す図。
【図9】アームの振動モードを説明するための図。
【図10】上記第1の実施の形態におけるキャリッジのアームの振動モードを模式的に示す斜視図。
【図11】上記第1の実施の形態におけるキャリッジの振動状態を模式的に示す側面図。
【図12】上記第1の実施の形態の変形例に係るキャリッジを示す側面図。
【図13】この発明の第2の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す側面図。
【図14】この発明の第2の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す分解斜視図。
【図15】この発明の第3の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す側面図。
【図16】この発明の第3の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す分解斜視図。
【符号の説明】
12a、12b…磁気ディスク
14…キャリッジ
16…ボイスコイルモータ
17…基板ユニット
24…軸受組立体
26a、26b、26c、26d…アーム
28a、28b…スペーサ
30…磁気ヘッド組立体
32…サスペンション
33…磁気ヘッド
34…支持フレーム
50…本体
51…突出部
52a…第1接触面
52b…第2接触面
53…凹所
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヘッドを搭載したヘッド支持装置、およびこれを備えた記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの外部記録装置として磁気ディスク装置、光ディスク装置などの記録再生装置が広く用いられている。例えば、磁気記録媒体を使用する磁気ディスク装置は、一般に、ケース内に配設された磁気ディスク、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドルモータ、磁気ヘッドを移動自在に支持したキャリッジ、このキャリッジを駆動するボイスコイルモータ、磁気ヘッドを制御部に電気的に接続するメインフレキシブルプリント回路基板(以下メインFPCと称する)等を備えている。
【0003】
そして、このような磁気ディスク装置では、磁気ディスクが回転した状態で、キャリッジにより磁気ヘッドを磁気ディスク上の任意の半径位置、つまり、任意のトラック上に移動および位置決めし、磁気ヘッドにより磁気ディスクに対する情報の読取および書き込みを行う。
【0004】
キャリッジは、ケースに取り付けられた軸受部と、軸受部から延出した複数のアームと、各アームの延出端に固定された磁気ヘッド組立体と、を有している。磁気ヘッド組立体は、その基端部がアームの先端に溶接された細長いサスペンションを有し、サスペンションの延出端に磁気ヘッドが搭載されている。近年、各アームは、ステンレス等の薄板で形成され、同様に、サスペンションもステンレス等によって薄い板バネ状に形成されている。
【0005】
キャリッジのアームおよび磁気ヘッド組立体は、1枚の磁気ディスクに対して2本ずつ設けられ、磁気ディスクの両面と対向するように積層配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された磁気ディスク装置において、キャリッジのアームは薄板で形成されていることから、上下方向、つまり、磁気ディスク表面に対して垂直な方向の衝撃に対して、あるいはキャジッリを含むアクチュエータ駆動時に振動し易い。この振動はアームを上下に揺するモードであるが、実際には、アクチュエータが左右対称な形状でない場合や、VCMからの非対称な加振力の付加などにより、アームの上下方向の揺れに伴ってアクチュエータが捩じれ、トラック方向への振動成分も生じる。また、アームの上下振動により、アクチュエータ長手方向(トラック方向)に沿ったヘッドの振動も発生し、ジッタ成分として観察される。そのため、ヘッドの位置決めや記録再生に悪影響を及ぼす。
【0007】
一方、上記のような磁気ディスク装置では、記録容量の増大に伴い、高密度なデータ記録再生が要求され、磁気ディスクのトラック密度は1μm以下になっている。このため、磁気ヘッドを搭載したキャリッジの位置決め精度は0.1μm以下が要求され、制御帯域を上げる対策、すなわち、アクチュエータの位置決めサーボ系によって抑制可能な振動の周波数帯域を上げる対策、が必要になっている。例えば、2.5インチタイプの磁気ディスク装置において、現在の制御帯域は約500〜1000Hzであり、一層の高帯域化が求められている。
【0008】
制御帯域を上げるためには、キャリッジの高剛性化が必要となる。しかしながら、1000Hz付近およびこれ以上の周波数帯域にはキャリッジの機械共振点が多数存在するため、制御帯域を上げる際の妨げとなっている。例えば、キャリッジを構成するアームの曲げ振動モードは、約1ないし1.5kHz付近にあり、キャリッジ駆動時に発生する上下方向振動や捩じれ振動によって励起される。
【0009】
加えて、アームの上下方向振動モードは、制御帯域に近接した領域に存在するため、制御帯域を上げると発振現象を引き起こす恐れがある。そのため、アームの上下振動を抑制しヘッドの位置決め精度を上げるためには、アームの高剛性化を図り、キャリッジの共振周波数を制御帯域外に追いやることが望ましい。
【0010】
しかし、一般に磁気ディスク装置などの記録再生装置は、薄型化が望まれているため、ディスクの厚み方向の寸法を増やすことは難しい。従って、アームを厚く形成してアームの曲げ振動の固有振動数を大幅に高めることは困難となる。
【0011】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、ヘッドの位置決め精度を向上し高密度な記録再生を可能とするヘッド支持装置およびこれを備えた記録再生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の一態様に係るヘッド支持装置は、支持部と、それぞれ薄板により形成されているとともに、上記支持部に支持された基端部を有し、上記支持部から同一方向に延出した複数のアームと、少なくとも2本のアームの延出端からそれぞれ延びたサスペンションと、各サスペンションの延出端に搭載されたヘッドと、を備えている。
【0013】
上記複数のアームは所定方向に沿って積層配置されているとともに、背中合わせに隣合った少なくとも2本の内アームと、それぞれ内アームに所定の間隔をおいて対向しているとともに上記積層方向の両端に位置した2本の外アームと、を含み、上記支持部は、上記外アームを支持した第1支持領域と上記内アームを支持した第2支持領域とを備え、上記第1支持領域は、第2支持領域よりも上記アームの延出端側へずれて位置した境界を有している。
【0014】
また、発明の他の態様に係るヘッド支持装置は、支持部と、それぞれ薄板により形成されているとともに、上記支持部に支持された基端部を有し、上記支持部から同一方向に延出した複数のアームと、少なくとも2本のアームの延出端からそれぞれ延びたサスペンションと、各サスペンションの延出端に搭載されたヘッドと、を備えている。上記複数のアームは所定方向に沿って積層配置されているとともに、背中合わせに隣合った少なくとも2本の内アームと、それぞれ内アームに所定の間隔をおいて対向しているとともに上記積層方向の両端に位置した2本の外アームと、を含み、上記支持部は上記外アームを支持した第1支持領域および上記内アームを支持した第2支持領域を有し、上記第1および第2支持領域は、上記内アームの固有振動数が上記外アームの固有振動数よりも低くなるように、上記アームの延出方向について異なる位置に境界を有している。
【0015】
更に、この発明の態様に係る記録再生装置は、ディスク状の記録媒体と、上記記録媒体を支持および回転駆動する駆動部と、上記記録媒体に対して情報の記録再生を行うヘッドと、上記ヘッドを上記記録媒体に対して移動自在に支持した上記ヘッド支持装置と、を備えている。
【0016】
上記のように構成されたヘッド支持装置およびこれを備えた記録再生装置によれば、内アームと外アームとの面外曲げ剛性の大小関係を調整することにより、クロストークの出やすい外アームの面外振動振幅を小さくし、それによって生じる外アームのトラック方向への振動クロストークを減らすことができる。これにより、内アームおよび外アームのトラック方向へのクロストークがほぼ同一となり、ヘッド支持装置全体のクロストークの最悪レベルを下げることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明に係る記録再生装置を、磁気ディスク装置としてのハードディスクドライブ(以下HDDと称する)に適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、HDDは、上面の開口した矩形箱状のケース10と、複数のねじによりケースにねじ止めされてケースの上端開口を閉塞する図示しないトップカバーと、を有している。
【0019】
ケース10内には、ディスク状の記録媒体としての2枚の磁気ディスク12a、12b、これらの磁気ディスクを支持および回転させるスピンドルモータ13、磁気ディスクに対して情報の記録、再生を行なう複数のヘッド、これらの磁気ヘッドを磁気ディスク12a、12bに対して移動自在に支持したキャリッジ14、キャリッジを回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)16、ヘッドが磁気ディスクの最外周に移動した際、磁気ヘッドを磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構18、キャリッジ14を退避位置に保持するイナーシャラッチ機構20、およびプリアンプ等の回路部品が実装された基板ユニット17が収納されている。
【0020】
また、ケース10の外面には、基板ユニット17を介してスピンドルモータ13、VCM16、およびヘッドの動作を制御する図示しないプリント回路基板がねじ止めされ、ケースの底壁と対向して位置している。
【0021】
各磁気ディスク12a、12bは、例えば、直径65mm(2.5インチ)に形成され、上面および下面に磁気記録層を有している。2枚の磁気ディスク12a、12bは、スピンドルモータ13の図示しないハブに互いに同軸的に嵌合されているとともにクランプばね21によりクランプされ、ハブの軸方向に沿って1〜2mmの間隔をおいて積層されている。そして、磁気ディスク12a、12bは、駆動部としてのスピンドルモータ13により所定の速度で回転駆動される。
【0022】
図1ないし図3に示すように、ヘッド支持装置を構成するキャリッジ14は、ケース10の底壁上に固定された軸受組立体24を備えている。支持部として機能する軸受組立体24は、ケース10の底壁に立設された枢軸23と、枢軸に一対の軸受を介して回転自在に支持された円筒形状のハブ26と、を有している。ハブ26の上端には環状のフランジ29が形成され、下端部外周にはねじ部25が形成されている。なお、枢軸23はスピンドルモータ13の回転軸と平行に設けられている。
【0023】
また、キャリッジ14は、軸受組立体24に片持ち支持された4本のアーム27a、27b、27c、27dおよび2つのスペーサリング28a、28bと、各アームに支持された4つの磁気ヘッド組立体30と、を備えている。
【0024】
アーム27aないし27dの各々は、例えば、SUS304等のステンレス系の材料により、板厚300μm程度の薄い平板状に形成され、その一端、つまり、基端部には円形の透孔31が形成されている。
【0025】
各磁気ヘッド組立体30は、板ばねによって形成された細長いサスペンション32と、サスペンションに固定された磁気ヘッド33と、を備えている。サスペンション32は、板厚30〜100μmの板ばねにより構成され、その基端がスポット溶接あるいは接着によりアーム27aないし27dの先端に固定され、アームから延出している。
【0026】
各磁気ヘッド33は、図示しないほぼ矩形状のスライダとこのスライダに形成された記録再生用のMR(磁気抵抗)ヘッドとを有し、サスペンション32の先端部に形成されたジンバル部に固定されている。また、各磁気ヘッド33は、図示しない4つの電極を有している。なお、サスペンション32は、アームと同一の材料によりアームと一体的に形成されていてもよい。
【0027】
一方、図2に示すように、キャリッジ14の各磁気ヘッド33は、それぞれ中継フレキシブルプリント回路基板(以下、中継FPCと称する)62を介して後述するメインFPC42に電気的に接続される。中継FPC62は、キャリッジ14の各アームおよびサスペンション32の表面に貼り付け固定され、サスペンションの先端からアームの回動基端に亘って延びている。中継FPC62は、全体として細長い帯状に形成され、その先端は磁気ヘッド33に電気的に接続されているとともに、その基端部はアームの基端から外側に延出し、複数の接続パッドを有した接続端部64を構成している。
【0028】
図2ないし図4に示すように、磁気ヘッド組立体30および中継FPC62が取り付けられた4本のアーム27a、27b、27c、27dは、透孔31にハブ26を挿通することにより、ハブ26の軸方向に沿ってフランジ29上に積層された状態でハブの外周に嵌合されている。また、スペーサリング28aは、アーム27a、27b間、およびスペーサリング28bは、アーム27c、27d間にそれぞれ挟まれた状態でハブ26の外周に嵌合されている。
【0029】
ハブ26の外周に嵌合された4本のアーム27aないし27d、および2つのスペーサリング28a、28bは、ハブ26のねじ部25に螺合されたナット37とフランジ29との間に挟持され、ハブ26の外周上に固定保持されている。なお、締め部材としてのナット37とアーム27dとの間にはリングワッシャ39が挟み込まれている。そして、フランジ29を有したハブ26およびナット37は挟持機構を構成している。
【0030】
軸受組立体24によって支持されたアーム27aないし27dは、ハブ26から同一方向に延出している。アーム27aおよび27bは所定の間隔を置いて互いに平行に位置し、これらのアームに取り付けられた磁気ヘッド組立体30の磁気ヘッド33は互いに向かい合って位置している。また、アーム27cおよび27dは所定の間隔を置いて互いに平行に位置し、これらのアームに取り付けられた磁気ヘッド組立体30の磁気ヘッド33は互いに向かい合って位置している。
【0031】
アーム27b、27cは背中合わせで互いに接触して位置し、この発明における内アームとして機能する。また、積層方向に沿って上端及び下端に位置したアーム27a、27dは、この発明における外アームとして機能している。そして、4本のアーム27aないし27dおよび磁気ヘッド組立体30は、ハブ26と一体的に回動可能となっている。
【0032】
図2ないし図6に示すように、スペーサ28aは、ハブ26の外周に嵌合された環状の本体50と、この本体の外周からアームの延出方向に突出した突出部51とを一体に備えている。外アームとして機能する上端のアーム27aに対向したスペーサ28aの上面は、本体50および突出部51に亘って平坦に形成されている。そして、この上面全体は、アーム27aに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27aを支持する第1支持領域を規定している。
【0033】
これに対し、内アームとして機能するアーム27bに対向したスペーサ28aの下面の内、突出部51の部分に凹所53が形成され、本体50の下面よりも一段低くなっている。そして、本体50の下面のみがアーム27aに接触した第2接触面52bを構成し、アーム27bを支持する第2支持領域を規定している。
【0034】
同様に、スペーサ28bは、ハブ26の外周に嵌合された環状の本体50と、この本体の外周からアームの延出方向に突出した突出部51とを一体に備えている。外アームとして機能する上端のアーム27dに対向したスペーサ28bの下は、本体50および突出部51に亘って平坦に形成されている。そして、この下面全体は、アーム27dに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27dを支持する第1支持領域を規定している。
【0035】
内アームとして機能するアーム27cに対向したスペーサ28bの上面の内、突出部51の部分に凹所53が形成され、本体50の上面よりも一段低くなっている。そして、本体50の上面のみがアーム27cに接触した第2接触面52bを構成し、アーム27cを支持する第2支持領域を規定している。
【0036】
更に、スペーサリング28bは、アーム27aないし27dと反対方向へ延出した支持フレーム34を有し、合成樹脂等によって一体に整形されている。支持フレーム34には、VCM16の一部を構成するボイスコイル36が埋め込まれている。
【0037】
スペーサ28a、28bに設けられた突出部51は、図5に示すように、キャリッジ14が回動しヘッド33が磁気ディスク12a、12bの最内周に位置した状態で、磁気ディスク12a、12bとスペーサ28a、28bとが衝突しないぎりぎりの位置まで突出形成されていることが望ましく、その突出長さaは、例えば1〜2mmに設定されている。
【0038】
スペーサ28aに設けられた突出部51の先端部には、ねじ孔56が形成されている。また、アーム27aには、ねじ孔56と対向する位置に透孔が形成されている。そして、この透孔を介して突出部51のねじ孔56にねじ57がねじ込まれ、このねじ57の締付け力によりアーム27aの基端部がスペーサ28aの突出部51に密着し、第1接触面52aに支持されている。
【0039】
同様に、スペーサ28bに設けられた突出部51の先端部には、ねじ孔56が形成されている。また、アーム27dには、ねじ孔56と対向する位置に透孔が形成されている。そして、この透孔を介して突出部51のねじ孔56にねじ57がねじ込まれ、このねじ57の締付け力によりアーム27dの基端部がスペーサ28bの突出部51に密着し、第1接触面52aに支持されている。
【0040】
上記支持構造であると、各スペーサ28a、28bに突出部51を設けることにより、外アームとしてのアーム27a、27dに対する第1支持領域がアーム延出端側に拡大する。そして、図5に示すように、第1支持領域のアーム延出端側の境界は、スペーサ本体50の周縁位置Aから位置Bへとアームの先端側へ移動する。これにより、アーム27a、27dの支持領域からのアーム長が等価的に短くなり、これらアームの面外曲げ剛性が向上する。その結果、アーム27a、27dの固有振動数を上げることができる。
【0041】
これに対して、スペーサ28a、28bの第2支持領域は、突出部51の部分に凹所53を設けることにより、アーム27b、27cの延出端側へ拡大されておらず、第2支持領域のアーム延出端側の境界は、スペーサ本体50の周縁位置Aのままとなっている。すなわち、第2支持領域のアーム延出端側の境界は、第1支持領域の境界よりもアームの基端側にずれて位置している。そのため、内アームとして機能するアーム27b、27cは、外アームとして機能するアーム27a、27dよりも面外曲げ剛性が弱く、固有振動数も低くなっている。
【0042】
図1および図4に示すように、上記のように構成されたキャリッジ14をケース10に組み込んだ状態において、磁気ディスク12aはアーム27a、27b間に位置し、また、磁気ディスク12bはアーム27c、27d間に位置している。
【0043】
そして、HDDの動作時、アーム27a、27bに取り付けられた磁気ヘッド33は、磁気ディスク12aの上面および下面にそれぞれ対向し、磁気ディスク12aを両面側から挟持する。同様に、アーム27c、27dに取り付けられた磁気ヘッド33は、磁気ディスク12bの上面および下面にそれぞれ対向し、磁気ディスク12bを両面側から挟持する。
【0044】
また、キャリッジ14をケース10に組み込んだ状態において、支持フレーム34に固定されたボイスコイル36は、ケース10上に固定された一対のヨーク38間に位置し、これらのヨークおよび一方のヨークに固定された図示しない磁石とともにVCM16を構成している。そして、ボイスコイル36に通電することにより、キャリッジ14が回動し、磁気ヘッド33は磁気ディスク12a、12bの所望のトラック上に移動および位置決めされる。
【0045】
図1および図2に示すように、基板ユニット17は、ケース10の底壁上に固定された矩形状の基板本体40を有し、この基板本体上には、複数の電子部品およびコネクタ等が実装されている。また、基板ユニット17は、基板本体40とキャリッジ14とを電気的に接続した帯状のメインフレキシブルプリント回路基板(以下、メインFPCと称する)42を有している。そして、キャリッジ14に支持された各磁気ヘッド33は、中継FPC62およびメインFPC42を介して基板ユニット17に電気的に接続されている。
【0046】
すなわち、メインFPC42は、キャリッジ14の軸受組立体24に取付けられた接続端部42aと、基板本体40と一体に形成された基端部と、を有している。接続端部42aには透孔58が形成され、この透孔に挿通されたねじ56によってスペーサリング28aにねじ止めされている。また、各アームおよびサスペンション32上に設けられた中継FPC62の接続端部64は、メインFPC42の接続端部42aに設けられたパッド部にそれぞれ接続されている。これにより、各中継FPC62とメインFPC42とが電気的に接続されている。
【0047】
以上のように構成されたHDDによれば、外アーム27a、27dを支持した第1支持領域の境界を、内アーム27b、27cを支持した第2支持領域の境界に対してアーム延出端側にずらして形成することにより、同一キャリッジ14内で、外アーム27a、27dと内アーム27b、27cとの間に面外曲げ剛性の相違を生じさせている。この場合、ボイスコイル36に上下方向の加振力が作用すると、図7に示すように、外アーム27a、27dと内アーム27b、27cとの面外曲げ剛性が等しい場合(図8)に比較して、面外曲げ剛性の低い方のアーム27b、27cが大きく揺れるようになる反面、面外曲げ剛性の高い方のアーム27a、27dの揺れが低減する効果が得られる。
【0048】
これは、面外曲げ剛性が低い方のアームが共振する時は、図9(a)に示すように、面外曲げ剛性が高い方のアームと同位相に揺れるが、面外曲げ剛性が高い方のアームが共振する時は、図9(b)に示すように、面外曲げ剛性が低い方のアームが共振点を過ぎて逆位相に揺れるようになるため、振動エネルギが打ち消される効果が働くことによると考えられる。
【0049】
すなわち、図10に示すような面外曲げ方向のアーム振動は、VCM16駆動時に発生するボイスコイル36への上下方向や捩じれ方向の加振力によって励起され、磁気ヘッドのトラック方向へのクロストーク振動につながる。ただし、シミュレーション上におけるアームの面外方向の振動振幅が同じであっても、アームのキャリッジに対する配設位置によって、トラック方向へのクロストーク振動量に違いがある。
【0050】
例えば、トラック方向へのクロストークの振動量は、アームそのものの面外方向振動に伴うトラック方向へのクロストークと、キャリッジ14全体がその影響でトラック方向へ揺すられることによって発生するクロストークの合計で表される。しかし、キャリッジ14全体の揺れは、主に軸受組立体24のばね性およびキャリッジ全体のイナーシャによって発生する。
【0051】
そのため、図11に示すように、キャリッジ14の中央付近にあるアーム27b、27cは、外側にあるアーム27a、27dに比べて振幅が小さくなる。よって、キャリッジ全体の振動によるクロストークの量もアーム27b、27cの方がアーム27a、27dに比べて小さくなる。
【0052】
また、アーム27b、27cは背中合わせになっているため、接触面の摩擦によって減衰効果が生じ、面外振動振幅そのものが、シミュレーションに比べて小さくなるという効果もある。
【0053】
このように、アーム27b、27cはクロストークが出にくいため、前述のように、アーム27a、27dとの面外曲げ剛性の大小関係を調整することにより、クロストークの出やすいアーム27a、27dの面外振動振幅を小さくし、アーム27a、27dのクロストークの振動量を減らすことができる。その結果、アーム27a〜27dのクロストークの振動量がほぼ同一となり、キャリッジ14全体のクロストークの最悪レベルを下げることが可能となる。
【0054】
以上のことから、1kHz付近にあるアームの面外曲げ振動に伴うクロストークの影響を低減すことができ、これに応じて位置決めサーボ系の制御帯域を上げることが可能となる。従って、ヘッドの高密度な位置決めができ、高密度な記録再生が可能なキャリッジおよびHDDを得ることができる。
【0055】
上述した第1の実施の形態において、各スペーサ28a、28bは、内アームと対向する表面側において、突出部51の部分に凹所を設ける構成としたが、図12に示すように、スペーサの内アームと対向する表面全体を平坦に形成するとともに、この表面と内アーム27bあるいは27cとの間に、平坦なスペーサリング60を配置してもよい。この場合、スペーサリング60は、スペーサ28a、28bの本体50とほぼ同一の径に形成する。これにより、内アーム27bあるいは27cに対するスペーサリング60の接触面が第2接触面52bおよび第2支持領域を構成し、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
図13および図14に示す第2の実施の形態によれば、スペーサ28a、28bは前述した突出部51を持たない構成としている。すなわち、スペーサ28aは環状の本体50のみを有し、アーム27aに対向した本体50の上面全体は、アーム27aに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27aを支持する第1支持領域を規定している。
【0057】
また、アーム27bに対向した本体50の下面外周縁には環状の凹所53が全周に亘って形成され一段低くなっている。これにより、本体50の下面は、アーム27aに接触しているとともに本体の外径よりも小さな外径の第2接触面52bを構成し、この第2接触面はアーム27bを支持する第2支持領域を規定している。
【0058】
一方、スペーサ28bは、環状の本体50および支持フレーム34のみを備えて構成されている。アーム27dに対向した本体50の下面全体は、アーム27dに接触した第1接触面52aを構成し、アーム27dを支持する第1支持領域を規定している。また、アーム27cに対向した本体50の上面外周縁には環状の凹所53が全周に亘って形成され一段低くなっている。これにより、本体50の上面は、アーム27cに接触しているとともに本体の外径よりも小さな外径の第2接触面52bを構成し、この第2接触面はアーム27bを支持する第2支持領域を規定している。
【0059】
以上のように、スペーサ28a、28bの第2支持領域は、第1支持領域よりも外径が小さく形成され、第2支持領域のアーム延出端側の境界は、第1支持領域の境界よりもアームの基端側にずれて位置している。そのため、内アームとして機能するアーム27b、27cは、外アームとして機能するアーム27a、27dよりも面外曲げ剛性が弱く、固有振動数も低くなっている。なお、スペーサ28a、28bの本体50に形成された凹所53は、環状に限らず、本体のアーム延出端側周縁部のみに形成しても良い。
【0060】
第2の実施の形態において、他の構成は、前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、上記構成を有する第2の実施の形態においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0061】
図15および図16に示すように、この発明の第3の実施の形態に係るキャリッジ14は、単一の磁気ディスク12bのみを備えたHDDに適用するように構成されている。すなわち、キャリッジ14を構成する4本のアーム27aないし27dの内、例えば、下側の内アーム27cおよび外アーム27dのみに磁気ヘッド組立体30がそれぞれ取り付けられている。そして、残りのアーム27a、27bは、ダミーのアームとして設けられている。
【0062】
他の構成は、前述した第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
このように構成された第3の実施の形態においても、1kHz付近にあるアームの面外曲げ振動に伴うクロストークの影響を低減すことができ、これに応じて位置決めサーボ系の制御帯域を上げることが可能となる。従って、ヘッドの高密度な位置決めができ、高密度な記録再生が可能なキャリッジおよびHDDを得ることができる。
【0063】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、記録媒体が1枚あるいは2枚の記録再生装置およびこれに適用するヘッド支持装置について説明したが、この発明は、3枚以上の記録媒体を備えた記録再生装置およびこれに用いるヘッド支持装置についても適用することができる。
また、この発明は、磁気ディスク装置に限らず、光ディスク装置、光磁気ディスク装置等の他の記録再生装置およびそのヘッド支持装置に適用可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡単な構成であるにも拘わらず、アームの上下方向振動を抑制することによって制御系の発振を抑え、制御系の高帯域化を可能にし、より高密度な記録再生を可能にするヘッド支持装置およびこれを用いた記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るHDDの内部を示す斜視図。
【図2】上記HDDに設けられたキャリッジの分解斜視図。
【図3】上記キャリッジの斜視図。
【図4】上記キャリッジの側面図。
【図5】上記HDDの磁気ディスクと上記キャリッジと配置関係を示す平面図。
【図6】上記キャリッジの支持部におけるスペーサを示す斜視図。
【図7】上記キャリッジを構成するアームの振動特性を示す図。
【図8】比較例として従来構成のキャリッジにおけるアームの振動特性を示す図。
【図9】アームの振動モードを説明するための図。
【図10】上記第1の実施の形態におけるキャリッジのアームの振動モードを模式的に示す斜視図。
【図11】上記第1の実施の形態におけるキャリッジの振動状態を模式的に示す側面図。
【図12】上記第1の実施の形態の変形例に係るキャリッジを示す側面図。
【図13】この発明の第2の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す側面図。
【図14】この発明の第2の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す分解斜視図。
【図15】この発明の第3の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す側面図。
【図16】この発明の第3の実施の形態に係るHDDにおけるキャリッジを示す分解斜視図。
【符号の説明】
12a、12b…磁気ディスク
14…キャリッジ
16…ボイスコイルモータ
17…基板ユニット
24…軸受組立体
26a、26b、26c、26d…アーム
28a、28b…スペーサ
30…磁気ヘッド組立体
32…サスペンション
33…磁気ヘッド
34…支持フレーム
50…本体
51…突出部
52a…第1接触面
52b…第2接触面
53…凹所
Claims (12)
- 支持部と、
それぞれ薄板により形成されているとともに、上記支持部に支持された基端部を有し、上記支持部から同一方向に延出した複数のアームと、
少なくとも2本のアームの延出端からそれぞれ延びたサスペンションと、
各サスペンションの延出端に搭載されたヘッドと、を備え、
上記複数のアームは所定方向に沿って積層配置されているとともに、背中合わせに隣合った少なくとも2本の内アームと、それぞれ内アームに所定の間隔をおいて対向しているとともに上記積層方向の両端に位置した2本の外アームと、を含み、
上記支持部は、上記外アームを支持した第1支持領域と上記内アームを支持した第2支持領域とを備え、上記第1支持領域は、第2支持領域よりも上記アームの延出端側へずれて位置した境界を有しているヘッド支持装置。 - 支持部と、
それぞれ薄板により形成されているとともに、上記支持部に支持された基端部を有し、上記支持部から同一方向に延出した複数のアームと、
少なくとも2本のアームの延出端からそれぞれ延びたサスペンションと、
各サスペンションの延出端に搭載されたヘッドと、を備え、
上記複数のアームは所定方向に沿って積層配置されているとともに、背中合わせに隣合った少なくとも2本の内アームと、それぞれ内アームに所定の間隔をおいて対向しているとともに上記積層方向の両端に位置した2本の外アームと、を含み、
上記支持部は上記外アームを支持した第1支持領域および上記内アームを支持した第2支持領域を有し、上記第1および第2支持領域は、上記内アームの固有振動数が上記外アームの固有振動数よりも低くなるように、上記アームの延出方向について異なる位置に境界を有しているヘッド支持装置。 - 上記支持部は、上記外アームと、この外アームに対向した上記内アームとの間にそれぞれ挟まれた複数のスペーサと、上記アームの基端部およびスペーサを上記積層方向に沿って締付挟持した挟持機構と、を備え、
各スペーサは、上記外アームの基端部に接触し上記第1支持領域を形成した第1接触面と、上記内アームの基端部に接触し上記第2支持領域を形成した第2接触面と、を有している請求項1又は2に記載のヘッド支持装置。 - 上記各アームは上記基端部に形成された透孔を有し、
上記支持部は、上記各アームの透孔に挿通および嵌合されたほぼ円筒状のハブと、上記ハブの外周に嵌合され上記外アームとこの外アームに対向した上記内アームとの間にそれぞれ挟まれた複数のスペーサと、上記各アームの基端部およびスペーサを上記積層方向に沿って締付挟持した挟持機構と、を備え、
各スペーサは、上記外アームの基端部に接触し上記第1支持領域を形成した第1接触面と、上記内アームの基端部に接触し上記第2支持領域を形成した第2接触面と、を有している請求項1又は2に記載のヘッド支持装置。 - 上記各スペーサは、上記ハブに嵌合された環状の本体とこの本体から上記アームの延出方向に突出した突出部とを一体に備え、
各スペーサは、上記本体および突出部に亘って延び上記第1接触面を形成した第1表面と、この第1表面と反対側に位置しているとともに上記本体および突出部に亘って延び上記第2接触面を形成した第2表面と、上記突出部の位置で上記第2表面に形成された凹所と、を有している請求項4に記載のヘッド支持装置。 - 上記各スペーサは、上記ハブに嵌合された環状の本体とこの本体から上記アームの延出方向に突出した突出部とを一体に備え、
各スペーサは、上記本体および突出部に亘って延び上記第1接触面を形成した第1表面と、この第1表面と反対側に位置しているとともに上記本体および突出部に亘って延び第2表面と、上記ハブに嵌合され上記第2表面と内アームとの間に挟持されているとともに、上記本体とほぼ等しい外径を有し上記第2接触面を形成したスペーサリングと、を備えている請求項4に記載のヘッド支持装置。 - 上記外アームの一部は、上記スペーサの突出部にねじ止めされている請求項5又は6に記載のヘッド支持装置。
- 上記各スペーサは、上記ハブに嵌合された環状の本体を備え、
上記本体は、上記第1接触面を形成した環状の第1表面と、この第1表面と反対側に位置しているとともに上記第2接触面を形成した環状の第2表面と、上記第2表面の少なくとも上記アーム延出端側の周縁部に形成された凹所と、を有している請求項4に記載のヘッド支持装置。 - 上記挟持機構は、上記ハブの一端に形成されたフランジと、上記ハブの他端に螺合され上記フランジとの間に上記アームの基端部およびスペーサを挟持した締め部材と、を備えている請求項4ないし8のいずれか1項に記載のヘッド支持装置。
- 上記全てのアームにサスペンションが設けられ、上記外アームに取り付けられたサスペンション上のヘッドは、この外アームと対向した内アームに取り付けられたサスペンション上のヘッドと向い合っている請求項1ないし9のいずれか1項に記載のヘッド支持装置。
- 上記サスペンションは、1本の内アームおよび、この内アームに対向した1本の外アームのみに設けられている請求項1ないし9のいずれか1項に記載のヘッド支持装置。
- ディスク状の記録媒体と、
上記記録媒体を支持および回転駆動する駆動部と、
上記記録媒体に対して情報の記録再生を行うヘッドと、
上記ヘッドを上記記録媒体に対して移動自在に支持した請求項1ないし11のいずれか1項に記載のヘッド支持装置と、
を備えた記録再生装置。
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