JP3464992B2 - ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ヘッドアクチュ
エータを停止位置にラッチするラッチ機構を備えたディ
スク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、コンピュータの記録再生装置とし
て、磁気ディスク装置や光ディスク装置などのディスク
装置が広く用いられている。この種のディスク装置、例
えば、記録媒体として磁気ディスクを用いた磁気ディス
ク装置は、一般に、ケース内に配設された磁気ディスク
と、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドル
モータと、磁気ヘッドを支持したロータリ式のヘッドア
クチュエータと、ヘッドアクチュエータを駆動するボイ
スコイルモータと、基板ユニット等とを備えて構成され
ている。

【０００３】ヘッドアクチュエータは、ケースに取り付
けられた軸受部と、軸受部から延出した複数のアーム
と、各アームから延出したサスペンションと、を備え、
磁気ヘッドはサスペンションの延出端に取り付けられて
いる。また、ヘッドアクチュエータの磁気ヘッドと反対
側の端部には、ボイスコイルモータを構成するボイスコ
イルが設けられている。

【０００４】このような磁気ディスク装置では、装置の
非作動時に磁気ヘッドを所定の退避位置に保持する方式
として、磁気ディスクの外周側に設けられたランプによ
り磁気ヘッドを磁気ディスク表面から離間した状態に保
持するランプロード方式が知られている。

【０００５】また、磁気ディスク装置において、外部衝
撃が作用した際、ヘッドアクチュエータが回動し磁気ヘ
ッドが磁気ディスク上を移動すると、磁気ディスクある
いは磁気ヘッドが損傷し情報の記録再生ができなくなる
恐れがある。そのため、磁気ディスク装置の非作動時に
おいて、衝撃を受けた場合でも磁気ヘッドを退避位置に
固定保持しておく必要がある。そこで、磁気ヘッドを退
避位置に保持する技術として、アクチュエータのラッチ
機構が提供されている。現在、アクチュエータのラッチ
機構としては、磁気力を利用したマグネットラッチ機構
や、慣性力を利用するイナーシャラッチ機構等が知られ
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】マグネットラッチ機構
は、装置の非作動時、マグネットの磁気吸引力を利用し
てヘッドアクチュエータをストッパに押し当て、退避位
置に保持する。そして、装置の作動時、ボイスコイルモ
ータによりマグネットの磁気吸引力以上の力でヘッドア
クチュエータが駆動された際、ヘッドアクチュエータの
拘束を解除し、磁気ヘッドの移動を許容する。このよう
なマグネットラッチ機構において、大きな加速度の外部
衝撃が作用した場合でもヘッドアクチュエータの移動を
規制できるように大きな保持力を得ようとすると、ラッ
チ用マグネットの吸引力を大きくする必要がある。

【０００７】しかしながら、ラッチ用マグネットの吸引
力を大きくすると、ヘッドアクチュエータが動作位置か
ら非動作位置に回動しストッパに当接する際、比較的大
きな衝突音が発生し騒音の原因となる。また、イナーシ
ャラッチ機構の場合、任意の衝撃加速度に対して正確な
ラッチ動作を保証することが難しく、更に、構造が複雑
となるため、設計が難しいなどの問題がある。

【０００８】この発明は以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、簡単な構成により騒音の発生を低減し
静粛性の向上したディスク装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の態様に係るディスク装置は、ディスクに
対して情報処理を行うヘッドと、上記ヘッドを上記ディ
スクに対して移動自在に支持しているとともに、上記ヘ
ッドがディスク上に位置する情報処理位置と上記ヘッド
が上記ディスクの外周側に外れて位置する停止位置との
間を、回動中心の周り回動可能に設けられたヘッドアク
チュエータと、上記ヘッドアクチュエータが上記停止位
置に移動した際、上記ヘッドを上記ディスクから離間し
た位置に保持するランプロード機構と、上記停止位置に
回動した上記ヘッドアクチュエータをラッチするラッチ
機構と、上記停止位置に回動した上記ヘッドアクチュエ
ータに対し上記ディスク側に隙間を置いて配設され、上
記停止位置を越える上記ヘッドアクチュエータの回動を
規制する安全ブロックと、を備え、上記ラッチ機構は、
上記ヘッドアクチュエータに設けられ上記回動中心に対
し上記ヘッドと反対側に位置した磁性部材と、上記停止
位置に回動した上記ヘッドアクチュエータの磁性部材を
磁気吸引力によりラッチするラッチ磁石と、を有し、上
記ラッチ磁石は、上記停止位置に回動した上記ヘッドア
クチュエータの回動中心と磁性部材とを通る線上で、か
つ、上記磁性部材に対し上記線の延出方向に沿って隙間
を置いて設けられているとともに、上記磁性部材との距
離が最小となる位置に設けられ、上記ランプロード機構
は、上記ディスクの外側に設けられているとともにガイ
ド面を有したランプと、上記ヘッドアクチュエータに設
けられヘッドアクチュエータの回動に応じて上記ガイド
面上を摺動するタブと、を備え、上記ガイド面は、上記
ディスクに隣接しているとともに上記ディスク表面に対
して凸となる円弧状に形成された傾斜面と、この傾斜面
に連続して上記ディスクとほぼ平行に延びた平坦部とを
有していることを特徴としている。

【００１０】また、この発明の他の態様に係るディスク
装置は、磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手
段と、上記磁気ディスクに対して情報処理を行う磁気ヘ
ッドと、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクに対して移
動自在に支持しているとともに、上記磁気ヘッドが磁気
ディスク上に位置する情報処理位置と上記磁気ヘッドが
上記磁気ディスクの外周側に外れて位置する停止位置と
の間を、回動中心の周り回動可能に設けられたヘッドア
クチュエータと、上記ヘッドアクチュエータが上記停止
位置に移動した際、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスク
から離間した位置に保持するランプロード機構と、上記
停止位置に回動した上記ヘッドアクチュエータをラッチ
するラッチ機構と、上記停止位置に回動した上記ヘッド
アクチュエータに対し上記ディスク側に隙間を置いて配
設され、上記停止位置を越える上記ヘッドアクチュエー
タの回動を規制する安全ブロックと、を備え、上記ラッ
チ機構は、上記ヘッドアクチュエータに設けられ上記回
動中心に対し上記磁気ヘッドと反対側に位置した磁性部
材と、上記停止位置に回動した上記ヘッドアクチュエー
タの磁性部材を磁気吸引力によりラッチするラッチ磁石
と、を有し、上記ラッチ磁石は、上記停止位置に回動し
た上記ヘッドアクチュエータの回動中心と磁性部材とを
通る線上で、かつ、上記磁性部材に対し上記線の延出方
向に沿って隙間を置いて設けられているとともに、上記
磁性部材との距離が最小となる位置に設けられ、上記ラ
ンプロード機構は、上記ディスクの外側に設けられてい
るとともにガイド面を有したランプと、上記ヘッドアク
チュエータに設けられヘッドアクチュエータの回動に応
じて上記ガイド面上を摺動するタブと、を備え、上記ガ
イド面は、上記ディスクに隣接しているとともに上記デ
ィスク表面に対して凸となる円弧状に形成された傾斜面
と、この傾斜面に連続して上記ディスクとほぼ平行に延
びた平坦部とを有していることを特徴としている。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、この発
明の実施の形態に係る磁気ディスク装置について詳細に
説明する。図１に示すように、ＨＤＤは、上面の開口し
た矩形箱状のケース１２と、複数のねじによりケースに
ねじ止めされてケースの上端開口を閉塞する図示しない
トップカバーと、を有している。

【００１２】ケース１２内には、磁気記録媒体としての
３枚の磁気ディスク１６、この磁気ディスクを支持およ
び回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ１８、
磁気ディスクに対して情報の書き込み、読み出しを行な
う複数の磁気ヘッド、これらの磁気ヘッドを磁気ディス
ク１６に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエー
タ２２、ヘッドアクチュエータを回動および位置決めす
るボイスコイルモータ（以下ＶＣＭと称する）２４、磁
気ヘッドが磁気ディスクの最外周に移動した際、磁気ヘ
ッドを磁気ディスクから離間した位置に保持するランプ
ロード機構２５、およびヘッドＩＣ等を有する基板ユニ
ット２１が収納されている。

【００１３】また、ケース１２の底壁外面には、基板ユ
ニット２１を介してスピンドルモータ１８、ＶＣＭ２
４、および磁気ヘッドの動作を制御する図示しないプリ
ント回路基板がねじ止めされている。

【００１４】磁気ディスク１６は、直径６５ｍｍ（２．
５インチ）に形成され、上面および下面に磁気記録層を
有している。そして、３枚の磁気ディスク１６は、スピ
ンドルモータ１８の図示しないハブの外周に嵌合されて
いるとともに、クランプばね１７によって固定保持され
ている。スピンドルモータ１８を駆動することにより、
３枚の磁気ディスク１６は一体的に所定の速度で回転さ
れる。

【００１５】図１、図２、および図４に示すように、ヘ
ッドアクチュエータ２２は、基台として機能するケース
１２の底壁上に固定された軸受組立体２６を備えてい
る。軸受組立体２６は、ケース１２の底壁に対して垂直
に立設された枢軸２７と、枢軸に一対の軸受を介して回
転自在に支持された円筒形状のハブ２８と、を有してい
る。また、ヘッドアクチュエータ２２は、ハブ２８に取
り付けられた６本のアーム３２および複数のスペーサリ
ングと、各アームに支持された磁気ヘッド組立体３６
と、を備えている。

【００１６】アーム３２は、例えば、ＳＵＳ３０４等の
ステンレス系の材料により、板厚２５０μｍ程度の平板
状に形成されているとともに、その一端、つまり、基端
には図示しない透孔が形成されている。

【００１７】各磁気ヘッド組立体３６は、弾性変形可能
な細長い板状のサスペンション３８と、サスペンション
の先端に固定された磁気ヘッド４０と、を備えている。
サスペンション３８は、板ばねにより構成され、その基
端がスポット溶接あるいは接着によりアーム３２の先端
に固定され、アームから延出している。

【００１８】磁気ヘッド組立体３６の固定されたアーム
３２は、基端部の透孔に軸受組立体２６のハブ２８を挿
通することにより、積層された状態でハブの外周に嵌合
されている。また、スペーサリングは、アーム３２間に
挟まれた状態でハブ２８の外周に嵌合されている。これ
により、６本のアーム３２は、所定の間隔を置いて互い
に平行に位置しているとともにハブ２８から同一の方向
へ延出している。

【００１９】各サスペンション３８は、その先端から延
出したタブ４２を一体に備えている。タブ４２は、後述
するランプロード機構２５の一部を構成する係合部とし
て機能するもので、サスペンション３８の中心軸Ｃと平
行に延びている。

【００２０】一方、図１および図４に示すように、ヘッ
ドアクチュエータ２２は、１つのスペーサリングからア
ーム３２と反対の方向へ延出した支持枠４４を有し、こ
の支持枠により、ＶＣＭ２４の一部を構成するボイスコ
イル４５を支持している。支持枠４４は、合成樹脂によ
りボイスコイル４５の外周に一体的に成形されていると
ともに、スペーサリングに固定されている。

【００２１】図１および図３に示すように、上記のよう
に構成されたヘッドアクチュエータ２２をケース１２に
組み込んだ状態において、各磁気ディスク１６は２本の
アーム３２間に位置している。そして、サスペンション
３８に取り付けられた磁気ヘッド４０は、磁気ディスク
１６の上面および下面にそれぞれ対向し、磁気ディスク
１６を両面側から挟持している。各磁気ヘッド４０は、
サスペンション３８のばね力により磁気ディスク１６表
面に向かって所定のヘッド荷重が印加されている。

【００２２】また、ヘッドアクチュエータ２２の支持枠
４４に固定されたボイスコイル４５は、ケース１２上に
固定された一対のヨーク４８間に位置し、これらのヨー
ク、および一方のヨークに固定された駆動用の磁石４６
とともにＶＣＭ２４を構成している。そして、ボイスコ
イル４５に通電することにより、ヘッドアクチュエータ
２２は、軸受組立体２６の枢軸２７を中心として、磁気
ヘッド４０が磁気ディスク１６上に位置する情報処理位
置と、磁気ヘッドが磁気ディスクの外周側に外れて位置
する図２に実線で示す停止位置との間を回動される。ま
た、情報処理位置において、磁気ヘッド４０はヘッドア
クチュエータ２２により磁気ディスク１６の所望のトラ
ック上に移動および位置決めされる。

【００２３】なお、基板ユニット２１は、図示しない複
数の電子部品およびコネクタ等を有し、図示しないフレ
キシブルプリント回路基板を介してヘッドアクチュエー
タ２２に接続されている。

【００２４】図１ないし図３に示すように、ランプロー
ド機構２５は、ケース１２の底壁に設けられているとと
もに磁気ディスク１６の外側に配置されたランプ７０を
備えている。このランプ７０は、ＨＤＤの非作動時、ヘ
ッドアクチュエータ２２が情報処理位置から停止位置に
移動する間、ヘッドアクチュエータ２２の６つのサスペ
ンション３８に設けられたタブ４２をそれぞれガイドお
よび支持する６つのガイド面７２ａ〜７２ｆを有してい
る。

【００２５】これらのガイド面７２ａ〜７２ｄは、磁気
ディスク１６の軸方向に沿って所定の間隔をおいて並
び、それぞれ対応するサスペンション３８の高さに合わ
せて配置されている。また、各ガイド面７２ａ〜７２ｄ
は、磁気ディスク１６のほぼ半径方向に沿って、磁気デ
ィスクの外周縁近傍まで延びているとともに、サスペン
ション３８に設けられたタブ４２の移動経路上に配置さ
れている。そして、上から１番目、３番目、および５番
目のサスペンション３８に対応する３つのガイド面７２
ａ、７２ｃ、７２ｅは、上方を向いて形成され、２番
目、４番目、および６番目のサスペンション３８に対応
する３つのガイド面７２ｂ、７２ｄ、７２ｆは、下方を
向いて形成されている。

【００２６】各ガイド面は、磁気ディスク１６に向って
傾斜し磁気ヘッド４０を磁気ディスク上にロード、アン
ロードするための傾斜面７４と、傾斜面に続いて磁気デ
ィスク表面と平行に延びた平坦部７５と、を有してい
る。なお、傾斜面７４は、平坦部７５との繋がりを円滑
にするため、磁気ディスク１６表面に対して凸となる円
弧状に形成されている。

【００２７】一方、図４に示すように、ＨＤＤの非動作
時、ヘッドアクチュエータ２２を停止位置にロックする
ラッチ機構５０は、ヘッドアクチュエータ２２の支持枠
４４端部に設けられ磁性部材として機能するラッチピン
５２と、ヘッドアクチュエータが停止位置に回動した
際、磁気吸引力によりラッチピン５２をロックするラッ
チ磁石と、を備えている。

【００２８】本実施の形態において、このラッチ磁石
は、ＶＣＭ２４の駆動用の磁石４６によって構成されて
いる。磁石４６は、ほぼ扇形状に形成され、ほぼ円弧状
の外周面４６ａを有している。この外周面４６ａは、ヘ
ッドアクチュエータ２２が回動した際、ラッチピン５２
の移動路とほぼ一定の間隔を置いて位置するように延び
ている。また、磁石４６は、磁気ディスク１６側の端部
において、外周面４６ａから外方へ延出した、つまり、
ヘッドアクチュエータ２２の回動中心から離間する方向
に突出した突部５４を一体に備えている。

【００２９】突部５４は、ヘッドアクチュエータ２２の
停止位置において、アクチュエータの回転中心とラッチ
ピン５２とを通る線Ａ上に位置し、磁石４６とラッチピ
ン５２との距離は、この突部５４の位置で最小となる。
そのため、図５に示すように、ヘッドアクチュエータ２
２が情報処理位置と停止位置との間で回動する間、磁石
４６からラッチピン５２に作用する磁気吸引力は、停止
位置において最も大きくなる。従って、ヘッドアクチュ
エータ２２が停止位置に回動すると、磁石４６の突部５
４の部分によりラッチピン５２が磁気吸引され、ヘッド
アクチュエータ２２は停止位置にラッチあるいはロック
される。

【００３０】なお、図１、図２および図４に示すよう
に、ヨーク４８上には安全ブロック５６が設けられ、停
止位置に回動したヘッドアクチュエータ２２の支持枠４
４よりも磁気ディスク１６側に僅かに離れて配置されて
いる。この安全ブロック５６は、ヘッドアクチュエータ
２２がその停止位置を越えて情報処理位置と反対方向へ
回動した際、支持枠４４に当接し、ヘッドアクチュエー
タの過度の回動を規制する。

【００３１】上記のように構成されたＨＤＤによれば、
図１に示すように、通常の動作時、ＶＣＭ２４によって
ヘッドアクチュエータ２２を回動することにより、磁気
ヘッド４０は磁気ディスク１６の所望のトラック上に移
動され、磁気ディスクに対して情報の記録あるいは再生
を行う。

【００３２】また、図２に示すように、ＨＤＤが非動作
状態に移行する時、ＶＣＭ２４によってヘッドアクチュ
エータ２２が実線で示す停止位置に向かって回動される
と、複数の磁気ヘッド４０は磁気ディスク１６の内周側
から最外周に向かって移動する。そして、磁気ヘッド４
０が磁気ディスク１６の外周縁近傍まで移動すると、各
サスペンション３８から延出したタブ４２が磁気ディス
ク１６の外周縁から外方へ突出し、それぞれランプ７０
の対応するガイド面７２ａ〜７２ｆ上に乗り上げる。

【００３３】この際、各タブ４２は、対応するガイド面
の傾斜面７４に沿って磁気ディスク１６表面から離間す
る方向に移動し、平坦部７５上に乗り上げる。そして、
図３に破線で示すように、各タブ４２は平坦部７５上を
摺動する。それにより、磁気ヘッド４０は、磁気ディス
ク１６表面から離間した状態にアンロードされる。

【００３４】また、ヘッドアクチュエータ２２が停止位
置まで回動すると、支持枠４４に取り付けられたラッチ
ピン５２が駆動用の磁石４６の突部５４に磁気的に吸引
される。これにより、ヘッドアクチュエータ２２は、ラ
ッチ機構５０によって停止位置にラッチされる。

【００３５】以上のようにヘッドアクチュエータ２２が
情報処理位置と停止位置との間を回動する際、各サスペ
ンション３８のタブ４２はランプ７０の対応するガイド
面上を摺動するが、このガイド面の傾斜部は円弧状の傾
斜面７４およびこれに続く平坦部７５で形成されている
ため、タブ４２とガイド面との摩擦音を小さくすること
ができる。また、ラッチ機構５０は、従来用いられてい
たストッパを廃止し、ラッチピン５２および磁石４６の
みでヘッドアクチュエータ２２を停止位置にラッチする
構成であることから、ヘッドアクチュエータ２２がスト
ッパに当たるときに発生していた衝突音を無くすことが
できる。従って、ＨＤＤの停止および作動開始時に発生
する騒音を低減し、静粛性の向上したＨＤＤを得ること
が可能となる。同時に、ラッチ機構５０の構成を簡略化
することができる。

【００３６】なお、上述した実施の形態では、ラッチ機
構５０は、ＶＣＭ２４の磁石４６の一部を利用して構成
したが、図６に示すように、独立したラッチ磁石６０を
用いて構成していもよい。すなわち、第２の実施の形態
に係るＨＤＤによれば、ラッチ機構５０は、ヘッドアク
チュエータ２２の支持枠４４端部に設けられたラッチピ
ン５２と、ラッチ磁石６０とを備えている。ヘッドアク
チュエータ２２の停止位置において、ラッチ磁石６０
は、ヘッドアクチュエータの回転中心とラッチピン５２
とを通る線Ａ上で、かつ、ヘッドアクチュエータの回転
中心に対しラッチピン５２の反対側に配置され、ラッチ
ピン５２との距離が最小となる。そのため、ヘッドアク
チュエータ２２が情報処理位置と停止位置との間で回動
する間、ラッチ磁石６０からラッチピン５２に作用する
磁気吸引力は、停止位置において最も大きくなる。従っ
て、ヘッドアクチュエータ２２が停止位置に回動する
と、ラッチ磁石６０によりラッチピン５２が磁気吸引さ
れ、ヘッドアクチュエータ２２は停止位置にラッチされ
る。

【００３７】他の構成は前述した実施の形態と同一であ
り、同一の部分には同一の参照符号を付してその説明を
省略する。このように構成された他の実施の形態におい
ても、前述した実施の形態と同様に、ＨＤＤの停止およ
び作動開始時に発生する騒音を低減し、静粛性の向上し
たＨＤＤを得ることが可能できるとともに、ラッチ機構
５０の簡略化を図ることができる。

【００３８】その他、この発明は、上述した実施の形態
に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可
能である。例えば、磁性部材はピン状に限らず、他の形
状としてもよい。また、磁気ディスクの枚数、およびこ
れに対応する磁気ヘッドの数は必要に応じて増減可能で
ある。

【００３９】更に、この発明は、磁気ディスク装置に限
定されることなく、光ディスク装置、光磁気ディスク装
置等、他のディスク装置にも適用可能である。

【００４０】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、簡単な構成であるにも拘わらず、騒音の発生を低減
し静粛性の向上したディスク装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置
を示す斜視図。

【図２】上記磁気ディスク装置のヘッドアクチュエータ
が停止位置に回動した状態を示す平面図。

【図３】上記磁気ディスク装置のランプロード機構を概
略的に示す図。

【図４】上記停止位置に回動したヘッドアクチュエータ
およびラッチ機構を拡大して示す平面図。

【図５】上記ラッチ機構のラッチピンに作用する磁気吸
引力とヘッドアクチュエータの回動位置との関係を示す
グラフ。

【図６】この発明の他の実施の形態に係る磁気ディスク
装置のヘッドアクチュエータおよびラッチ機構を拡大し
て示す平面図。

【符号の説明】

１２…ケース １６…磁気ディスク １８…スピンドルモータ ２２…ヘッドアクチュエータ ２４…ボイスコイルモータ ２５…ランプロード機構 ２６…軸受組立体 ３２…アーム ３８…サスペンション ４０…磁気ヘッド ４４…支持枠 ４５…ボイスコイル ４６…磁石 ５０…ラッチ機構 ５２…ラッチピン ５４…突部 ６０…ラッチ磁石 ７０…ランプ ７２ａ〜７２ｆ…ガイド面

フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−210030（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−213042（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−96699（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−339645（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−288965（ＪＰ，Ａ) 特開2001−14820（ＪＰ，Ａ) 特開2000−137966（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−18278（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G11B 21/00 - 21/06 G11B 21/16 - 21/26

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクに対して情報処理を行うヘッド
   と、 上記ヘッドを上記ディスクに対して移動自在に支持して
   いるとともに、上記ヘッドがディスク上に位置する情報
   処理位置と上記ヘッドが上記ディスクの外周側に外れて
   位置する停止位置との間を、回動中心の周り回動可能に
   設けられたヘッドアクチュエータと、 上記ヘッドアクチュエータが上記停止位置に移動した
   際、上記ヘッドを上記ディスクから離間した位置に保持
   するランプロード機構と、 上記停止位置に回動した上記ヘッドアクチュエータをラ
   ッチするラッチ機構と、上記停止位置に回動した上記ヘッドアクチュエータに対
   し上記ディスク側に隙間を置いて配設され、上記停止位
   置を越える上記ヘッドアクチュエータの回動を規制する
   安全ブロックと、 を備え、 上記ラッチ機構は、上記ヘッドアクチュエータに設けら
   れ上記回動中心に対し上記ヘッドと反対側に位置した磁
   性部材と、上記停止位置に回動した上記ヘッドアクチュ
   エータの磁性部材を磁気吸引力によりラッチするラッチ
   磁石と、を有し、 上記ラッチ磁石は、上記停止位置に回動した上記ヘッド
   アクチュエータの回動中心と磁性部材とを通る線上で、
   かつ、上記磁性部材に対し上記線の延出方向に沿って隙
   間を置いて設けられているとともに、上記磁性部材との
   距離が最小となる位置に設けられ、 上記ランプロード機構は、上記ディスクの外側に設けら
   れているとともにガイド面を有したランプと、上記ヘッ
   ドアクチュエータに設けられヘッドアクチュエータの回
   動に応じて上記ガイド面上を摺動するタブと、を備え、 上記ガイド面は、上記ディスクに隣接しているとともに
   上記ディスク表面に対して凸となる円弧状に形成された
   傾斜面と、この傾斜面に連続して上記ディスクとほぼ平
   行に延びた平坦部とを有している ことを特徴とするディ
   スク装置。
2. 【請求項２】上記ヘッドアクチュエータを駆動するボイ
   スコイルモータを備え、 上記ボイスコイルモータは、上記回動中心に対して上記
   ヘッドと反対側でヘッドアクチュエータに取付けられた
   ボイスコイルと、上記ボイスコイルに対向し固定的に設
   けられた駆動用磁石と、を備え、上記駆動用磁石の一部
   は上記ラッチ磁石を構成していることを特徴とする請求
   項１に記載のディスク装置。
3. 【請求項３】上記駆動用磁石は、上記磁性部材の移動路
   とほぼ一定の間隔を置いて延びた周縁部と、上記周縁部
   から上記回動中心の径方向に沿って突出し上記ラッチ磁
   石を構成した突部を備えていることを特徴とする請求項
   ２に記載のディスク装置。
4. 【請求項４】上記ヘッドアクチュエータを駆動するボイ
   スコイルモータを備え、 上記ボイスコイルモータは、上記回動中心に対して上記
   ヘッドと反対側でヘッドアクチュエータに取付けられた
   ボイスコイルと、上記ボイスコイルに対向し固定的に設
   けられた駆動用磁石と、を備え、 上記ラッチ磁石は、上記ヘッドアクチュエータの停止位
   置において、上記磁性部材に対し上記駆動用磁石と反対
   側に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の
   ディスク装置。
5. 【請求項５】磁気ディスクを支持および回転駆動する駆
   動手段と、 上記磁気ディスクに対して情報処理を行う磁気ヘッド
   と、 上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクに対して移動自在に
   支持しているとともに、上記磁気ヘッドが磁気ディスク
   上に位置する情報処理位置と上記磁気ヘッドが上記磁気
   ディスクの外周側に外れて位置する停止位置との間を、
   回動中心の周り回動可能に設けられたヘッドアクチュエ
   ータと、 上記ヘッドアクチュエータが上記停止位置に移動した
   際、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクから離間した位
   置に保持するランプロード機構と、 上記停止位置に回動した上記ヘッドアクチュエータをラ
   ッチするラッチ機構と、上記停止位置に回動した上記ヘッドアクチュエータに対
   し上記ディスク側に隙 間を置いて配設され、上記停止位
   置を越える上記ヘッドアクチュエータの回動を規制する
   安全ブロックと、 を備え、 上記ラッチ機構は、上記ヘッドアクチュエータに設けら
   れ上記回動中心に対し上記磁気ヘッドと反対側に位置し
   た磁性部材と、上記停止位置に回動した上記ヘッドアク
   チュエータの磁性部材を磁気吸引力によりラッチするラ
   ッチ磁石と、を有し、 上記ラッチ磁石は、上記停止位置に回動した上記ヘッド
   アクチュエータの回動中心と磁性部材とを通る線上で、
   かつ、上記磁性部材に対し上記線の延出方向に沿って隙
   間を置いて設けられているとともに、上記磁性部材との
   距離が最小となる位置に設けられ、上記ランプロード機構は、上記ディスクの外側に設けら
   れているとともにガイド面を有したランプと、上記ヘッ
   ドアクチュエータに設けられヘッドアクチュエータの回
   動に応じて上記ガイド面上を摺動するタブと、を備え、 上記ガイド面は、上記ディスクに隣接しているとともに
   上記ディスク表面に対して凸となる円弧状に形成された
   傾斜面と、この傾斜面に連続して上記ディスクとほぼ平
   行に延びた平坦部とを有している ことを特徴とするディ
   スク装置。