JP3788865B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気ディスク装置に関し、特に、ランプロード機構を備えた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ等の電子機器においては、大容量のメモリ装置として磁気ディスク装置が広く用いられている。一般に、磁気ディスク装置は、ケース内に配設された磁気ディスクと、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドルモータと、磁気ヘッドを支持したヘッドアクチュエータと、ヘッドアクチュエータを駆動するボイスコイルモータと、基板ユニット等とを備えて構成されている。
【0003】
ヘッドアクチュエータは、ケースに取り付けられた軸受部と、軸受部から延出した複数のアームと、各アームから延出したサスペンションと、を備え、磁気ヘッドはサスペンションの延出端に取り付けられている。
【0004】
また、近年、携帯可能な小型のパーソナルコンピュータが普及しつつあり、この種のパーソナルコンピュータに搭載される磁気ディスク装置は、携帯時における衝撃等に対する信頼性の向上が求められている。
【0005】
そこで、近年、磁気ディスク装置の非作動時に磁気ヘッドを保持する機構として、ランプロード機構を備えたものが提供されている。このランプロード機構は、サスペンションの先端から延出したタブと、磁気ディスクの外側に配置されたランプと、を備えている。そして、磁気ディスク装置の非作動時、ヘッドアクチュエータが磁気ディスクの外周に回動されると、サスペンションのタブがランプに乗り上げ、磁気ヘッドは、磁気ディスク表面から離間した位置に保持される。これにより、衝撃を受けた際、磁気ヘッドと磁気ディスクとの衝突が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の磁気ディスク装置によれば、ヘッドアクチュエータがランプロードされた状態において、つまり、タブがランプ上に乗り上げ磁気ヘッドが磁気ディスク表示面から離間した状態において、ヘッドアクチュエータの一部は磁気ディスクとオーバラップして位置している。
【0007】
また、非作動時、磁気ディスク装置に磁気ディスクの軸方向、つまり、磁気ヘッドの積層方向に沿った衝撃等が作用した場合、ヘッドアクチュエータは、ランプに当接した先端部と回動支点である軸受部との中間部で最も大きく変位する。そのため、この中間部に位置したサスペンションあるいはアームと磁気ディスクとの衝突、あるいは、サスペンション同志やアーム同志の衝突が生じ、ディスク表面あるいはアクチュエータが損傷する恐れがある。従って、衝撃に対する磁気ディスク装置の信頼性が問題となる。
【0008】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、衝撃に対する磁気ディスク、アクチュエータ等の損傷を防止して、信頼性の高い磁気ディスク装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る磁気ディスク装置は、互いに同軸的に積層配置された複数の磁気ディスクと、上記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、上記磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、回動自在に支持された複数の板状のアームと、上記各アームの先端から延出しているとともに先端部に上記磁気ヘッドが取り付けられた複数の板状のサスペンションと、を有し、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータと、上記磁気ヘッドが上記磁気ディスクから離間する非作動位置に上記ヘッドアクチュエータが移動した際、ヘッドアクチュエータを支持するランプロード機構と、上記非作動位置に移動した上記ヘッドアクチュエータの回動支点と上記磁気ヘッドとの間で、上記磁気ディスクの軸方向に上記ヘッドアクチュエータと所定の隙間を置いて対向して位置し、上記隙間を越える上記ヘッドアクチュエータの磁気ディスク軸方向への変位を規制する変位規制部材と、を備え、上記複数のアームおよびサスペンションは各磁気ディスクに対して2本ずつ設けられ、磁気ディスクの両面側に対向して配設されているとともに、上記磁気ディスクの軸方向に沿って所定の間隔をおいて積層配置され、
上記変位規制部材は、それぞれ上記磁気ディスク面と平行に延びているとともに、上記非動作位置において、上記磁気ディスクを挟んで向合うサスペンション間に、各サスペンションに対して所定の隙間をおいて位置する複数の規制板と、それぞれ上記磁気ディスク面と平行に延びているとともに、上記非動作位置において、背面合わせに隣合う2つのサスペンション間に、各サスペンションに対して所定の隙間をおいて位置する少なくとも1つの他の規制板と、上記複数の規制板および他の規制板同士を連結した連結部と、を備えたことを特徴とする
【0010】
また、この発明によれば、上記変位規制部材は、上記ヘッドアクチュエータのサスペンションあるいはアームと対向する位置に設けられている。
上記のように構成された磁気ディスク装置によれば、非動作時、ヘッドアクチュエータが非作動位置に移動すると、磁気ヘッドは、ランプロード機構により、磁気ディスク表面から離間した位置に保持される。また、ヘッドアクチュエータが非作動位置に移動すると、変位規制部材は、ヘッドアクチュエータの回動支点と磁気ヘッドとの間で、磁気ディスクの軸方向に上記ヘッドアクチュエータと所定の隙間を置いて対向して位置する。そのため、非作動状態において、磁気ディスク装置に衝撃等が作用してヘッドアクチュエータが磁気ディスクの軸方向に振動した場合でも、ヘッドアクチュエータが上記隙間を越えて変位しようとすると、変位規制部材に当接し、上記隙間以上の変位が規制される。
【0011】
これにより、サスペンションあるいはアームと磁気ディスクとの衝突、あるいは、サスペンション同志やアーム同志の衝突を防止し、ディスク表面あるいはヘッドアクチュエータの損傷を防止することができる。従って、磁気ディスク装置の耐衝撃性が向上し、信頼性の高い磁気ディスク装置をえることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明をハードディスクドライブ(以下HDDと称する)に適用した実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、HDDは、底壁11を有しているとともに上面の開口した矩形箱状のケース12と、複数のねじによりケースにねじ止めされてケースの上端開口を閉塞するトップカバー13(図4参照)と、を備えている。
【0013】
ケース12内には、磁気記録媒体としての3枚の磁気ディスク16、この磁気ディスクを支持および回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ18、磁気ディスクに対して情報の書き込み、読み出しを行なう複数の磁気ヘッド、これらの磁気ヘッドを磁気ディスク16に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータ22、ヘッドアクチュエータを回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)24、磁気ヘッドが磁気ディスクの最外周に移動した際、磁気ヘッドを磁気ディスクから離間した位置に保持するランプロード機構25、およびヘッドIC等を有する基板ユニット21が収納されている。
【0014】
また、ケース12の底壁外面には、基板ユニット21を介してスピンドルモータ18、VCM24、および磁気ヘッドの動作を制御する図示しないプリント回路基板がねじ止めされている。
【0015】
磁気ディスク16は、直径65mm(2.5インチ)に形成され、上面および下面に磁気記録層を有している。そして、3枚の磁気ディスク16は、スピンドルモータ18の図示しないハブに嵌合され、互いに所定の間隔を置いて同軸的に積層配置されている。そして、磁気ディスク16は、クランプリング17によってスピンドルモータ18のハブに固定されている。そして、スピンドルモータ18を駆動することにより、3枚の磁気ディスク16はハブと一体的に所定の速度で回転される。
【0016】
図1および図2に示すように、ヘッドアクチュエータ22は、ケース12の底壁11上に固定された軸受組立体26を備えている。軸受組立体26は、ケース12の底壁11に対して垂直に立設され回動支点として機能する枢軸27と、枢軸に一対の軸受を介して回転自在に支持された円筒形状のハブ28と、を有している。また、ヘッドアクチュエータ22は、ハブ28に取り付けられた6本のアーム32および複数のスペーサリングと、各アームに支持された磁気ヘッド組立体36と、を備えている。
【0017】
アーム32は、例えば、SUS304等のステンレス系の材料により、板厚250μm程度の平板状に形成されているとともに、その一端、つまり、基端には図示しない透孔が形成されている。
【0018】
各磁気ヘッド組立体36は、弾性変形可能な細長い板状のサスペンション38と、サスペンションの先端に固定された磁気ヘッド40と、を備えている。サスペンション38は、板ばねにより構成され、その基端がスポット溶接あるいは接着によりアーム32の先端に固定され、アームから延出している。
【0019】
各磁気ヘッド40は、ほぼ矩形状のスライダとこのスライダに形成された記録再生用のMR(磁気抵抗)ヘッドとを有し、サスペンション38の先端部に設けられた図示しないジンバル部に固定されている。
【0020】
磁気ヘッド組立体36の固定されたアーム32は、基端部の透孔に軸受組立体のハブ28を挿通することにより、積層された状態でハブの外周に嵌合されている。また、スペーサリングは、アーム間に挟まれた状態でハブ28の外周に嵌合されている。これにより、6本のアーム32は、所定の間隔を置いて互いに平行に位置しているとともにハブ28から同一の方向へ延出している。
【0021】
各サスペンション38は、その先端から延出したタブ42を一体に備えている。タブ42は、後述するランプロード機構25の一部を構成する係合部として機能する。
【0022】
また、ヘッドアクチュエータ22は、1つのスペーサリングからアーム32と反対の方向へ延出した支持枠44を有し、この支持枠により、VCM24の一部を構成するボイスコイル45を支持している。支持枠44は、合成樹脂によりボイスコイル45の外周に一体的に成形されているとともに、図示しない取付部を介してスペーサリングに固定されている。
【0023】
上記構成のヘッドアクチュエータ22をケース12に組み込んだ状態において、各磁気ディスク16は2本のアーム32間に位置している。そして、サスペンション38に取り付けられた磁気ヘッド40は、磁気ディスク16の上面および下面にそれぞれ対向し、磁気ディスク16を両面側から挟持している。また、ヘッドアクチュエータ22の支持枠44に固定されたボイスコイル45は、ケース12上に固定された一対のヨーク48間に位置し、これらのヨークおよび一方のヨークに固定された磁石とともにVCM24を構成している。そして、ボイスコイル45に通電することにより、ヘッドアクチュエータ22が回動し、磁気ヘッド40は磁気ディスク16の所望のトラック上に移動および位置決めされる。
【0024】
図1に示すように、基板ユニット21は、図示しない複数の電子部品およびコネクタ等を有し、フレキシブルプリント回路基板46を介してヘッドアクチュエータ22に接続されている。
【0025】
また、ランプロード機構25は、ケース12の底壁11に設けられているとともに磁気ディスク16の外側に外れて位置したランプ50を備えている。このランプ50は、ヘッドアクチュエータ22の6つのサスペンション38に設けられた6つのタブ42をそれぞれガイドする図示しない6つのガイド面を有している。これらのガイド面72は、それぞれ対応するサスペンション38のレベルに合わせて配置され、磁気ディスク16の半径方向に沿って、磁気ディスクの外周縁近傍まで延びているとともに、サスペンション38に設けられたタブ42の移動経路上に配置されている。
【0026】
HDDの非動作時、VCM24によってヘッドアクチュエータ22が図1に示す非作動位置に向かって回動されると、磁気ヘッド40は磁気ディスク16の内周側から最外周に向かって移動する。そして、磁気ヘッド40が磁気ディスク16の外周縁近傍まで移動すると、各サスペンション38から延出したタブ42が磁気ディスク16の外周縁から外方へ突出し、それぞれランプ50の対応するガイド面上に乗り上げる。それにより、ヘッドアクチュエータ22の各磁気ヘッド40は、磁気ディスク表面から離間した所定位置に保持される。
【0027】
HDDを再び作動した場合、磁気ディスク16が回転した状態でヘッドアクチュエータ22が非作動位置から磁気ディスクの内周側に向かって回動される。すると、各サスペンション38のタブ42はランプ50のガイド面を移動し、これに応じて、各磁気ヘッド40も磁気ディスク16表面上にロードされる。
【0028】
図1、図3、および図4に示すように、ケース12の底壁11には、磁気ディスク16の外側に外れて位置した変位規制部材52がねじ止め固定され、そして、非作動位置に移動したヘッドアクチュエータ22の枢軸27とランプ70に支持された磁気ヘッド45との間にほぼ中間部で、ヘッドアクチュエータと磁気ディスク16の軸方向に重なって位置するように設けられている。
【0029】
変位規制部材52は、ケース12の底壁11にねじ止めされ底壁から垂直に起立した連結部54と、それぞれ連結部から互いに平行に延出した3つの規制板56とを有し、金属、液晶ポリマ等によって一体的に形成されている。規制板54は磁気ディスク16と平行に延びているとともに、互いに所定の間隔を置いて、磁気ディスクの軸方向に積層配置されている。
【0030】
各規制板56の厚さ、つまり、磁気ディスク16の軸方向に沿った厚さtは、磁気ディスクの厚さよりも大きく形成されている。また、3つの規制板56は、厚さ方向の中心が対応する磁気ディスク16の厚さ方向の中心と同一高さとなるように配置されている。
【0031】
また、図1および図4に示すように、変位規制部材52は、ヘッドアクチュエータ22が非作動位置へ移動した際、各規制板56が隣合う2つのサスペンション38間に入り込む位置に設けられている。更に、各規制板56は、サスペンション38間に位置した状態において、サスペンションとの間に所定の隙間、例えば、約0.2mmの隙間gが形成される厚さに形成されている。
【0032】
上記のように構成されたHDDによれば、非動作時、ヘッドアクチュエータ22が非作動位置に移動すると、各サスペンション38から延出したタブ42がランプロード機構25のランプ50に乗り上げ、各磁気ヘッド40は、磁気ディスク16表面から離間した位置に保持される。また、ヘッドアクチュエータ22が非作動位置に移動すると、変位規制部材52の規制板56が隣合う2つのサスペンション38間に入り込み、各サスペンションに対し、磁気ディスク16の軸方向に所定の隙間gを置いて対向して位置する。
【0033】
そのため、非作動状態において、HDDに衝撃等が作用してヘッドアクチュエータ22のアーム32およびサスペンション38が磁気ディスク16の軸方向に振動あるいは撓んが場合でも、サスペンションが隙間gを越えて変位しようとすると、規制板56に当接し、隙間g以上の変位が規制される。
【0034】
図5は、サスペンション38と規制板56との間の隙間gと、ヘッドアクチュエータに作用する衝撃との関係を示している。例えば、隙間gを0.45mmとした場合、770Gの衝撃がヘッドアクチュエータに作用すると、サスペンション38の0.45mm変位し規制板56に衝突する。
【0035】
上記のように、規制部材52によってサスペンション38の変位を規制することにより、サスペンション38あるいはアーム32と磁気ディスク16表面との衝突、およびサスペンション同志やアーム同志の衝突を防止し、磁気ディスク表面あるいはヘッドアクチュエータ22の損傷を防止することができる。従って、HDDの耐衝撃性が向上し、信頼性の高いHDDを得ることができる。
【0036】
上述した実施の形態では、変位規制部材52は、非作動位置に移動したヘッドアクチュエータ22のサスペンション38と対向する位置に設けられているが、図6および図7に示す実施の形態のように、アーム32の先端部と対向する位置に設けられていてもよい。この場合、変位規制部材52の各規制板56は、HDDの非作動状態において、隣合う2つのアーム32間に入り込み、磁気ディスク16の軸方向に沿って、所定の隙間を置いて各アームと対向する。
【0037】
このように構成されたHDDにおいても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図8および図9に示す他の実施の形態に係るHDDによれば、変位規制部材52は、それぞれ隣合う2つのサスペンション38間に入り込む3つの規制板56に加えて、それぞれ隣合う2つのサスペンションの背面間に入り込む2つの規制板56aと、最上部のサスペンションとトップカバー13との間に入り込む規制板56cと、最下部のサスペンションと底壁11との間に入り込む規制板56dと、を一体に備えて形成されている。
【0038】
このように構成されたHDDによれば、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、衝撃等が作用した際、アーム32およびサスペンション38とトップカバー13との衝突、並びに、アーム32およびサスペンション38と底壁11との衝突を防止することができる。
【0039】
図10および図11に示す更に他の実施の形態に係るHDDによれば、変位規制部材52は、それぞれ隣合う2つのアーム32間に入り込む3つの規制板56に加えて、それぞれ隣合う2つのアームの背面間に入り込む2つの規制板56aと、最上部のアームとトップカバー13との間に入り込む規制板56cと、最下部のアームと底壁11との間に入り込む規制板56dと、を一体に備えて形成されている。
【0040】
このように構成されたHDDによれば、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、衝撃等が作用した際、アーム32およびサスペンション38とトップカバー13との衝突、並びに、アーム32およびサスペンション38と底壁11との衝突を防止することができる。
【0041】
また、図12および図13に示すように、ランプロード機構25のランプ50と変位規制部材52とを連結部材60によって連結し、これらを一体的に成形する構成としてもよい。このようにランプ50および変位規制部材52を一体成形して1部品とすることにより、取付誤差を低減し、前述した隙間gを高い精度に設定することができる。
【0042】
図14に示す他の実施の形態に係るHDDによれば、ヘッドアクチュエータ22の非作動位置は、磁気ヘッド40が磁気ディスク16の最内周部に移動した位置に設定されている。この場合、ケース12の底壁11に取り付けられたランプロード機構25のランプ50は、磁気ディスクの外周縁側から内周縁まで延出している。変位規制部材52は、磁気ディスク16を間に挟んでランプ50と反対側に設けられ、各規制板56は、磁気ディスクの外周縁側から内周縁まで延出し、磁気ディスク表面とサスペンション38との間に所定の隙間を置いて配置されている。
このように構成されたHDDにおいても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
更に、図14に示す実施の形態において、ランプロード機構25を省略し、図15に示すように、非作動時、磁気ヘッド40が磁気ディスク16の最内周部表面上に接触して停止する、いわゆるコンタクト・スタート・ストップ(CSS)方式としてもよい。この場合でも、変位規制部材52の各規制板56は、磁気ディスク16の外周縁側から内周縁まで延出し、磁気ディスク表面とサスペンション38との間に所定の隙間を置いて配置することにより、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
なお、図6ないし図15に示す各実施の形態において、他の構成は図1ないし図4に示した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略した。
【0045】
この発明は上述した種々の実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で更なる変形が可能である。例えば、磁気ディスクの枚数、これに対応する磁気ヘッドの数、アームの数等は、必要に応じて増減可能であり、磁気ヘッドの増加に応じて、ランプロード機構のランプ数、変位規制部材の規制板数を増加することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、非動作時における磁気ディスクとヘッドアクチュエータとの衝突、およびヘッドアクチュエータのアーム同志、あるいはサスペンション同志の衝突を防止し、耐衝撃性に優れ信頼性の高い磁気ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【図2】上記HDDに設けられたヘッドアクチュエータおよびVCMを示す斜視図。
【図3】上記HDDに設けられた変位規制部材の斜視図。
【図4】図1の線A−Aに沿った断面図。
【図5】上記HDDに作用する衝撃Gと隙間gとの関係を示すグラフ。
【図6】この発明の他の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【図7】図6の線B−Bに沿った断面図。
【図8】この発明の更に他の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【図9】図8の線C−Cに沿った断面図。
【図10】この発明の更に他の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【図11】図10の線D−Dに沿った断面図。
【図12】この発明の更に他の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【図13】この発明の更に他の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【図14】この発明の更に他の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【図15】この発明の更に他の実施の形態に係るHDDを示す平面図。
【符号の説明】
12…ケース
16…磁気ディスク
18…スピンドルモータ
22…ヘッドアクチュエータ
24…ボイスコイルモータ
25…ランプロード機構
26…軸受組立体
32…アーム
38…サスペンション
40…磁気ヘッド
42…タブ
50…ランプ
52…変位規制部材
54…連結部
56、56a、56b、56c、56d…規制板
g…隙間
Claims (6)
- 互いに同軸的に積層配置された複数の磁気ディスクと、
上記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、
上記磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、
回動自在に支持された複数の板状のアームと、上記各アームの先端から延出しているとともに先端部に上記磁気ヘッドが取り付けられた複数の板状のサスペンションと、を有し、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータと、
上記磁気ヘッドが上記磁気ディスクから離間する非作動位置に上記ヘッドアクチュエータが移動した際、ヘッドアクチュエータを支持するランプロード機構と、
上記非作動位置に移動した上記ヘッドアクチュエータの回動支点と上記磁気ヘッドとの間で、上記磁気ディスクの軸方向に上記ヘッドアクチュエータと所定の隙間を置いて対向して位置し、上記隙間を越える上記ヘッドアクチュエータの磁気ディスク軸方向への変位を規制する変位規制部材と、を備え、
上記複数のアームおよびサスペンションは各磁気ディスクに対して2本ずつ設けられ、磁気ディスクの両面側に対向して配設されているとともに、上記磁気ディスクの軸方向に沿って所定の間隔をおいて積層配置され、
上記変位規制部材は、それぞれ上記磁気ディスク面と平行に延びているとともに、上記非動作位置において、上記磁気ディスクを挟んで向合うサスペンション間に、各サスペンションに対して所定の隙間をおいて位置する複数の規制板と、
それぞれ上記磁気ディスク面と平行に延びているとともに、上記非動作位置において、背面合わせに隣合う2つのサスペンション間に、各サスペンションに対して所定の隙間をおいて位置する少なくとも1つの他の規制板と、
上記複数の規制板および他の規制板同士を連結した連結部と、を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。 - 互いに同軸的に積層配置された複数の磁気ディスクと、
上記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、
上記磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、
回動自在に支持された複数の板状のアームと、上記各アームの先端から延出しているとともに先端部に上記磁気ヘッドが取り付けられた複数の板状のサスペンションと、を有し、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータと、
上記磁気ヘッドが上記磁気ディスクから離間する非作動位置に上記ヘッドアクチュエータが移動した際、ヘッドアクチュエータを支持するランプロード機構と、
上記非作動位置に移動した上記ヘッドアクチュエータの回動支点と上記磁気ヘッドとの間で、上記磁気ディスクの軸方向に上記ヘッドアクチュエータと所定の隙間を置いて対向して位置し、上記隙間を越える上記ヘッドアクチュエータの磁気ディスク軸方向への変位を規制する変位規制部材と、を備え、
上記複数のアームおよびサスペンションは各磁気ディスクに対して2本ずつ設けられ、磁気ディスクの両面側に対向して配設されているとともに、上記磁気ディスクの軸方向に沿って所定の間隔をおいて積層配置され、
上記変位規制部材は、それぞれ上記磁気ディスク面と平行に延びているとともに、上記非動作位置において、上記磁気ディスクを挟んで向合うアーム間に、各アームに対して所定の隙間をおいて位置する複数の規制板と、
それぞれ上記磁気ディスク面と平行に延びているとともに、上記非動作位置において、背面合わせに隣合う2つのアーム間に、各アームに対して所定の隙間をおいて位置する少なくとも1つの他の規制板と、
上記複数の規制板および他の規制板同士を連結した連結部と、を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。 - 上記ランプロード機構は、上記磁気ディスクの外側に設けられ上記磁気ヘッドが磁気ディスクの外周縁側に移動した際に上記サスペンションの先端部が乗り上げるランプを備え、
上記変位規制部材は、上記磁気ディスクの外周縁から外側に外れて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク装置。 - 上記ランプロード機構は、上記磁気ディスクの内周側に設けられ上記磁気ヘッドが磁気ディスクの内周縁部に移動した際に上記サスペンションの先端部が乗り上げるランプを備え、
上記変位規制部材は、上記磁気ディスクの外周縁から内周縁部まで延出し上記ヘッドアクチュエータと磁気ディスクとの間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク装置。 - 上記規制板は上記磁気ディスクよりも大きな厚さに形成され、厚さ方向の中心が上記磁気ディスクの厚さ方向中心と同一高さに位置した状態で配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク装置。
- 上記駆動手段、ヘッドアクチュエータ、ランプロード機構、および変位規制部材を支持した底壁を有するケースと、上記底壁に対向して上記ケースに取り付けられたカバーと、を備え、
上記変位規制部材は、上記ヘッドアクチュエータと上記底壁との間に配置され所定の隙間をおいて上記ヘッドアクチュエータと対向する底部規制板と、上記ヘッドアクチュエータと上記カバーとの間に配置され所定の隙間をおいて上記ヘッドアクチュエータと対向する上部規制板と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
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