JP2000137966A

JP2000137966A - 磁気ディスク装置

Info

Publication number: JP2000137966A
Application number: JP10310719A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Takekado; 茂竹門
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1998-10-30
Filing date: 1998-10-30
Publication date: 2000-05-16

Abstract

(57)【要約】【課題】磁気ヘッドを所定の停止位置に確実に精度良く
保持できるとともに、磁気ヘッドを磁気ディスクに対し
安定してロード可能な磁気ディスク装置を提供すること
にある。【解決手段】ヘッドアクチュエータが停止位置へ移動し
た際、サスペンション３８を介して磁気ヘッド４０を磁
気ディスク１６から離間した位置に支持するランプロー
ド機構２５が設けられている。ランプロード機構は、磁
気ディスク１６の外側に外れて設けられたランプ７０
と、サスペンションの先端に、サスペンションに設けら
れたタブ４２と、を有している。ヘッドアクチュエータ
が停止位置に移動した際、複数のタブはランプ７０のガ
イド面７２ａ〜７２ｆそれぞれに乗り上げ、各ガイド面
に形成された凹所７６に落込む。１つの凹所７６ｃのみ
がほぼＶ字状に形成され、ヘッドアクチュエータを停止
位置に位置決めする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、磁気ディスク装
置に関し、特に、ランプロード機構を備えた磁気ディス
ク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等の電子
機器においては、大容量のメモリ装置として磁気ディス
ク装置が広く用いられている。一般に、磁気ディスク装
置は、ケース内に配設された磁気ディスクと、磁気ディ
スクを支持および回転駆動するスピンドルモータと、磁
気ヘッドを支持したヘッドアクチュエータと、ヘッドア
クチュエータを駆動するボイスコイルモータと、基板ユ
ニット等とを備えて構成されている。

【０００３】ヘッドアクチュエータは、ケースに取り付
けられた軸受部と、軸受部から延出した複数のアーム
と、各アームから延出したサスペンションと、を備え、
磁気ヘッドはサスペンションの延出端に取り付けられて
いる。

【０００４】また、近年、携帯可能な小型のパーソナル
コンピュータが普及しつつあり、この種のパーソナルコ
ンピュータに搭載される磁気ディスク装置は、携帯時に
おける衝撃等に対する信頼性の向上が求められている。

【０００５】そこで、近年、磁気ディスク装置の非動作
時に磁気ヘッドを保持する機構として、ランプロード機
構を備えたものが提供されている。このランプロード機
構は、サスペンションの先端からタブと、一部が磁気デ
ィスクの外周と重なるように配置されたランプと、を備
えている。そして、磁気ディスク装置が非動作状態に移
行する時、ヘッドアクチュエータが磁気ディスクの外周
に回動されると、サスペンションのタブがランプに乗り
上げ、磁気ヘッドは、磁気ディスク表面から離間した位
置に保持される。

【０００６】通常、ランプは、サスペンションのタブが
摺動するガイド面と、ガイド面に形成されたラッチ溝
と、をそれぞれ有し、全ての磁気ヘッドが所定の停止位
置まで移動した時点で、全てのサスペンションのタブが
対応するラッチ溝に落ち保持される。この場合、全ての
タブがラッチ溝から出るためには大きな力が必要とな
り、ＨＤＤに外力が作用した場合でも、磁気ヘッドが停
止位置から外れる危険性は少ない。これにより、衝撃を
受けた際、磁気ヘッドと磁気ディスクとの衝突が防止さ
れる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の磁気ディスク装置によれば、磁気ヘッドを停止位置
に確実に保持できる反面、磁気ヘッドを停止位置から磁
気ディスク上にロードする際、タブをラッチ溝から脱出
させるために大きな駆動力を必要とする。磁気ヘッドを
磁気ディスク上に安定してロードするためには、磁気ヘ
ッドの移動速度を微妙に制御する必要があるが、上記の
ように、タブをラッチ溝から脱出させる際に大きな駆動
力を必要とする場合、微妙な速度制御が困難となる。そ
の結果、ロード時、磁気ヘッドが磁気ディスクと衝突す
る恐れがある。

【０００８】また、複数の磁気ヘッドは、その配設位置
が微妙にずているため、全ての磁気ヘッドが所定の停止
位置に同時に停止することは困難であり、そして、各磁
気ヘッドの停止位置が不明確であるため、磁気ヘッドの
上下方向位置も不明確となる。そのため、停止位置にお
ける磁気ヘッドの移動を規制するヘッド位置決め板の組
立が困難となり、高い組立精度が必要となる。

【０００９】一方、ランプロード機構のランプを、ラッ
チ溝を持たないほぼ平坦なガイド面のみで構成した場
合、磁気ヘッドロード時の速度制御が容易になるととも
に、組立精度もあまり必要としない。しかしながら、こ
の場合、ＨＤＤに外力が作用すると、磁気ヘッドが停止
位置から容易に移動してしまうため、アクチュエータロ
ックを別途設ける必要がある。

【００１０】この発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、非作動時、磁気ヘッドを所定の停止位
置に確実に、かつ、精度良く保持できるとともに、磁気
ヘッドを磁気ディスクに対し安定してロードすることが
可能な磁気ディスク装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る磁気ディスク装置は、磁気ディスク
と、上記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手
段と、上記磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う
複数の磁気ヘッドと、それぞれ上記磁気ヘッドを支持し
た複数のサスペンションと、それぞれ上記サスペンショ
ンを支持した複数のアームと、上記アームを回動自在に
支持した回動支持部と、上記アームを回動させるための
駆動力を発生する駆動部と、を有し、上記磁気ヘッドを
上記磁気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドア
クチュエータと、上記磁気ヘッドが上記磁気ディスクか
ら離間した停止位置に上記ヘッドアクチュエータを支持
するランプロード機構と、を備え、上記ランプロード機
構は、上記磁気ディスクの外周側に設けられたランプ
と、上記サスペンションから延出し、上記磁気ヘッドが
磁気ディスクの外周部に移動した際、上記ランプに乗り
上げる係合部と、を備えている。そして、上記ランプ
は、それぞれ上記係合部をガイドする複数のガイド面
と、上記ガイド面の１つに設けられ、上記磁気ヘッドを
所定の停止位置に移動した際、対応する上記係合部が係
合してヘッドアクチュエータを上記停止位置に位置決め
する係合凹所と、を有していることを特徴としている。

【００１２】この発明に係る磁気ディスク装置によれ
ば、上記複数のガイド面は、上記磁気ディスク表面とほ
ぼ平行に延びる平坦部をそれぞれ有し、上記位置決め用
の係合凹所は、上記平坦部に形成され位置エネルギが最
小となる形状、例えば、ほぼＶ字状又は円弧状を有して
いることを特徴としている。

【００１３】上記のように構成された磁気ディスク装置
によれば、非動作時、磁気ヘッドは、ランプロード機構
により、磁気ディスク表面から離間した位置に保持され
る。この場合、ランプロード機構のランプにおいて、１
つのガイド面に形成された係合凹所のみにサスペンショ
ンの係合部が係合してヘッドアクチュエータを停止位置
に保持する。従って、ランプロード機構によるヘッドア
クチュエータの保持力は必要最小限であり、磁気ヘッド
を停止位置から磁気ディスク上にロードする際、従来に
比較して大きな駆動力を必要とせず、磁気ヘッドの移動
速度を安定して、かつ高精度で制御することができる。
その結果、磁気ヘッドの安定したロード、アンロードが
可能となり、信頼性の向上を図ることができる。

【００１４】また、複数の磁気ヘッドの停止位置を１つ
の係合凹所および係合部によって決めているため、組立
誤差等によって複数の磁気ヘッド間、あるいは、複数の
係合部間に相対的な位置ずれが存在している場合でも、
他の係合部はガイド面により所定位置に正確に保持さ
れ、各磁気ヘッドの上下方向位置、つまり、磁気ディス
クの軸方向に沿った位置、を所定位置に精度良く保持す
ることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、この発
明をハードディスクドライブ（以下ＨＤＤと称する）に
適用した実施の形態について詳細に説明する。図１に示
すように、ＨＤＤは、上面の開口した矩形箱状のケース
１２と、複数のねじによりケースにねじ止めされてケー
スの上端開口を閉塞する図示しないトップカバーと、を
有している。

【００１６】ケース１２内には、磁気記録媒体としての
３枚の磁気ディスク１６、この磁気ディスクを支持およ
び回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ１８、
磁気ディスクに対して情報の書き込み、読み出しを行な
う複数の磁気ヘッド、これらの磁気ヘッドを磁気ディス
ク１６に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエー
タ２２、ヘッドアクチュエータを回動および位置決めす
るボイスコイルモータ（以下ＶＣＭと称する）２４、磁
気ヘッドが磁気ディスクの最外周に移動した際、磁気ヘ
ッドを磁気ディスクから離間した位置に保持するランプ
ロード機構２５、およびヘッドＩＣ等を有する基板ユニ
ット２１が収納されている。

【００１７】また、ケース１２の底壁外面には、基板ユ
ニット２１を介してスピンドルモータ１８、ＶＣＭ２
４、および磁気ヘッドの動作を制御する図示しないプリ
ント回路基板がねじ止めされている。

【００１８】磁気ディスク１６は、直径６５ｍｍ（２．
５インチ）に形成され、上面および下面に磁気記録層を
有している。そして、３枚の磁気ディスク１６は、スピ
ンドルモータ１８の図示しないハブの外周に嵌合されて
いるとともに、クランプばね１７によって固定保持され
ている。スピンドルモータ１８を駆動することにより、
３枚の磁気ディスク１６は一体的に所定の速度で回転さ
れる。

【００１９】図１および図２に示すように、ヘッドアク
チュエータ２２は、ケース１２の底壁上に固定された軸
受組立体２６を備えている。軸受組立体２６は、ケース
１２の底壁に対して垂直に立設された枢軸２７と、枢軸
に一対の軸受を介して回転自在に支持された円筒形状の
ハブ２８と、を有している。また、ヘッドアクチュエー
タ２２は、ハブ２８に取り付けられた６本のアーム３２
および複数のスペーサリングと、各アームに支持された
磁気ヘッド組立体３６と、を備えている。

【００２０】アーム３２は、例えば、ＳＵＳ３０４等の
ステンレス系の材料により、板厚２５０μｍ程度の平板
状に形成されているとともに、その一端、つまり、基端
には図示しない透孔が形成されている。

【００２１】各磁気ヘッド組立体３６は、弾性変形可能
な細長い板状のサスペンション３８と、サスペンション
の先端に固定された磁気ヘッド４０と、を備えている。
サスペンション３８は、板ばねにより構成され、その基
端がスポット溶接あるいは接着によりアーム３２の先端
に固定され、アームから延出している。

【００２２】図３に示すように、各磁気ヘッド４０は、
ほぼ矩形状のスライダとこのスライダに形成された記録
再生用のＭＲ（磁気抵抗）ヘッドとを有し、サスペンシ
ョン３８の先端部に設けられたジンバルばね４１に固定
されている。

【００２３】磁気ヘッド組立体３６の固定されたアーム
は、基端部の透孔に軸受組立体２６のハブ２８を挿通す
ることにより、積層された状態でハブの外周に嵌合され
ている。また、スペーサリングは、アーム間に挟まれた
状態でハブ２８の外周に嵌合されている。これにより、
６本のアーム３２は、所定の間隔を置いて互いに平行に
位置しているとともにハブ２８から同一の方向へ延出し
ている。

【００２４】上述したヘッドアクチュエータ２２は、磁
気ヘッド４０が磁気ディスク１６の外側に位置する図２
の停止位置に回動した際、各アーム３２およびサスペン
ション３８が磁気ディスク１６と重ならないように、つ
まり、磁気ディスクの軸方向に関して磁気ディスクと重
ならない形状に形成されている。

【００２５】各サスペンション３８は、その先端から延
出したタブ４２を一体に備えている。タブ４２は、後述
するランプロード機構２５の一部を構成する係合部とし
て機能するもので、サスペンション３８の中心軸Ｃと平
行に延びている。

【００２６】一方、図１および図２に示すように、ヘッ
ドアクチュエータ２２は、１つのスペーサリングからア
ーム３２と反対の方向へ延出した支持枠４４を有し、こ
の支持枠により、ＶＣＭ２４の一部を構成するボイスコ
イル４５を支持している。支持枠４４は、合成樹脂によ
りボイスコイル４５の外周に一体的に成形されていると
ともに、取付部８０を介してスペーサリングに固定され
ている。なお、取付部８０には、ボイスコイル４５に接
続された端子を有するコネクタ８１が一体的に形成され
ている。また、支持枠４４には、後述するイナーシャラ
ッチ機構のラッチ爪と係合する凹所５１が形成されてい
る。

【００２７】図１に示すように、上記のように構成され
たヘッドアクチュエータ２２をケース１２に組み込んだ
状態において、各磁気ディスク１６は２本のアーム３２
間に位置している。そして、サスペンション３８に取り
付けられた磁気ヘッド４０は、磁気ディスク１６の上面
および下面にそれぞれ対向し、磁気ディスク１６を両面
側から挟持している。各磁気ヘッド４０は、サスペンシ
ョン３８のばね力により磁気ディスク表面に向かって所
定のヘッド荷重が印加されている。

【００２８】また、ヘッドアクチュエータ２２の支持枠
４４に固定されたボイスコイル４５は、ケース１２上に
固定された一対のヨーク４８間に位置し、これらのヨー
ク、および一方のヨークに固定された磁石４６とともに
ＶＣＭ２４を構成している。そして、ボイスコイル４５
に通電することにより、ヘッドアクチュエータ２２が回
動し、磁気ヘッド４０は磁気ディスク１６の所望のトラ
ック上に移動および位置決めされる。

【００２９】基板ユニット２１は、図示しない複数の電
子部品およびコネクタ等を有し、図示しないフレキシブ
ルプリント回路基板を介してヘッドアクチュエータ２２
に接続されている。また、ケース１２内において、ＶＣ
Ｍ２４の近傍には、ＨＤＤの非動作時、衝撃を受けた際
に保持枠４４に形成された凹所５１と係合してヘッドア
クチュエータ２２をロックするイナーシャラッチ機構５
０が設けられている。

【００３０】図１、および図３ないし図５に示すよう
に、ランプロード機構２５は、ケース１２の底壁に設け
られているとともに磁気ディスク１６の外側に配置され
たランプ７０を備えている。このランプ７０は、ＨＤＤ
の非作動時、磁気ヘッド４０が磁気ディスク１６の外周
から外れて所定の停止位置に移動する間、ヘッドアクチ
ュエータ２２の６つのサスペンション３８に設けられた
タブ４２をそれぞれガイドする６つのガイド面７２ａ〜
７２ｆを有している。

【００３１】これらのガイド面７２ａ〜７２ｄは、磁気
ディスク１６の軸方向に沿って所定の間隔をおいて並
び、それぞれ対応するサスペンション３８の高さに合わ
せて配置されている。また、各ガイド面７２ａ〜７２ｄ
は、磁気ディスク１６のほぼ半径方向に沿って、磁気デ
ィスクの外周縁近傍まで延びているとともに、サスペン
ション３８に設けられたタブ４２の移動経路上に配置さ
れている。そして、上から１番目、３番目、および５番
目のサスペンション３８に対応する３つのガイド面７２
ａ、７２ｃ、７２ｅは、上方を向いて形成され、２番
目、４番目、および６番目のサスペンション３８に対応
する３つのガイド面７２ｂ、７２ｄ、７２ｆは、下方を
向いて形成されている。

【００３２】各ガイド面は、磁気ディスク１６に向って
傾斜し磁気ヘッド４０を磁気ディスク上にロード、アン
ロードするための傾斜面７４と、傾斜面に続いて磁気デ
ィスク表面と平行に延びる平坦部７５と、平坦部に設け
られ磁気ヘッドが後述する所定の停止位置まで移動した
際にタブ４２が落込む凹所７６と、を有している。

【００３３】６つの凹所７６の内、中央に位置した凹
所、例えば、上から３番目のガイド面７２ｃに設けられ
た凹所７６ｃは、２つの傾斜面を突き合わせてなるほぼ
Ｖ字形状に形成されている。そして、この凹所７６ｃ
は、磁気ヘッド４０が停止位置に移動した際、上から３
番目のサスペンション３８に設けられたタブ４２と係合
し、ヘッドアクチュエータ２２全体を停止位置に保持す
る。

【００３４】残りの凹所７６は、磁気ディスク１６表面
とほぼ平行に延びる平坦な底面７７ａと、底面の両側に
設けられた傾斜面７７ｂと、を有している。底面７７ａ
の長さはタブ４２の幅よりも十分に長く、サスペンショ
ン３８の取付け誤差以上に設定されている。

【００３５】また、ランプ７０は、図３ないし図５に示
すように、ガイド面の凹所７６と所定の隙間を置いて対
向した４つのタブ押え板７８と、隣合うタブ押え板間に
位置しているとともに、ランプ７０から突出した３つの
ジンバル押え板８２と、を一体に備えている。各ジンバ
ル押え板８２は角柱状に形成され、磁気ディスク１６の
表面とほぼ平行に延びた上面および下面を有している。

【００３６】上記のように構成されたＨＤＤによれば、
図１に示すように、通常の動作時、ＶＣＭ２４によって
ヘッドアクチュエータ２２を回動することにより、磁気
ヘッド４０は磁気ディスク１６の所望のトラック上に移
動され、磁気ディスクに対して情報の記録あるいは再生
を行う。

【００３７】また、図６に示すように、ＨＤＤの非動作
状態に移行する時、ＶＣＭ２４によってヘッドアクチュ
エータ２２が実線で示す停止位置に向かって回動される
と、複数の磁気ヘッド４０は磁気ディスク１６の内周側
から最外周に向かって移動する。そして、磁気ヘッド４
０が磁気ディスク１６の外周縁近傍まで移動すると、各
サスペンション３８から延出したタブ４２が磁気ディス
ク１６の外周縁から外方へ突出し、それぞれランプ７０
の対応するガイド面７２ａ〜７２ｆ上に乗り上げる。

【００３８】この際、各タブ４２は、対応するガイド面
の傾斜面７４に沿って磁気ディスク１６表面から離間す
る方向に移動し、平坦部７５上に乗り上げる。そして、
図７に示すように、各タブ４２は平坦部７５上を摺動
し、ヘッドアクチュエータ２２が停止位置に到達した時
点でガイド面７２の凹所７６、７６ｃに落込み停止す
る。

【００３９】ここで、前述したように、６つの凹所７６
の内、凹所７６ｃのみがＶ字状に形成され、他の凹所７
６は、サスペンション３８の取付け誤差よりも長い平坦
な底面７７ａを有している。そのため、ヘッドアクチュ
エータ２２の停止位置では、Ｖ字状の凹所７６ｃに落込
んだ３番目のサスペンション３８のタブ４２のみが凹所
の傾斜面に当接し、他のサスペンションに設けられたタ
ブ４２は、凹所７６の底面７７ａ上に位置し傾斜面７７
ｂには接触していない。従って、ヘッドアクチュエータ
２２は、凹所７６ｃの傾斜面とタブ４２との係合のみに
より、磁気ディスク１６表面と平行な方向への移動が規
制され、停止位置に保持される。

【００４０】また、図５に示すように、停止位置におい
て、ランプ７０に設けられたタブ押え板７８は対応する
サスペンション３８のタブ４２と対向して位置し、磁気
ディスク１６表面に垂直な方向へのサスペンションの移
動を規制している。同時に、ランプ７０に設けられたジ
ンバル押え板８２は、それぞれ対応するサスペンション
３８のジンバルばね４１の自由端と約０．１ｍｍ程度の
隙間をおいて対向し、ジンバルばねの不用意な変位、つ
まり、磁気ヘッド４０の不用意な変位を規制している。

【００４１】更に、ヘッドアクチュエータ２２が停止位
置に保持された状態において、各アーム３２およびサス
ペンション３８は、磁気ディスク１６の軸方向に関し
て、磁気ディスクと重なることなく磁気ディスクの外周
縁から外れて位置している。

【００４２】非作動状態において、ＨＤＤに外力が作用
し、ヘッドアクチュエータ２２に外乱加速度が作用する
と、この加速度が小さい場合は、中央のサスペンション
３８のタブ４２がＶ字状凹所７６ｃの傾斜面を上がるこ
とができず、ヘッドアクチュエータは停止位置に保持さ
れる。より大きな加速度が作用すると、ヘッドアクチュ
エータ２２が回動し始めるが、直ぐに、他のサスペンシ
ョン３８に設けられたタブ４２が凹所７６の傾斜面７７
ｂに当接しタブ移動の抵抗となる。従って、各タブ４２
は凹所７６を越えて移動することがなく、ヘッドアクチ
ュエータ２２は停止位置に保持される。また、更に大き
な加速度が作用した場合には、イナーシャラッチ機構５
０が作動してヘッドアクチュエータ２２を停止位置にロ
ックする。

【００４３】なお、ＨＤＤを再び作動状態とする場合、
磁気ディスク１６が回転した状態でヘッドアクチュエー
タ２２が停止位置から磁気ディスクの内周側に向かって
回動される。すると、各サスペンション３８のタブ４２
は、それぞれ凹所７６、７６ｃから傾斜面７７ｂに沿っ
て平坦部７５上へ移動し、更に、傾斜面７４を滑り降り
る。これに応じて、各磁気ヘッド４０も移動し、磁気デ
ィスク１６表面上にロードされる。

【００４４】以上のように構成されたＨＤＤによれば、
非動作時、ランプロード機構２５により、磁気ヘッド４
０を磁気ディスク１６から離間した位置に保持すること
ができ、ＨＤＤに外部衝撃が作用した場合でも、磁気ヘ
ッドの位置ずれ、磁気ヘッドと磁気ディスクとの衝突等
を防止することができる。

【００４５】また、上記ＨＤＤによれば、ランプロード
機構２５のランプ７０において、１つのガイド面７２ｃ
に形成された凹所７６ｃのみがＶ字状に形成され、他の
ガイド面に形成された他の凹所７６は水平な底面７７ａ
を有して形成されている。そのため、全ての凹所をＶ字
状に形成したものに比較して、ヘッドアクチュエータに
外乱加速度が作用した場合の保持力はやや弱くなるが、
大きな衝撃に対してはイナーシャラッチ機構５０によっ
てヘッドアクチュエータの移動を規制するため問題とな
らない。また、本ＨＤＤによれば、停止位置において、
ランプの全てのガイド面が平坦となっている場合に比較
して、大きな保持力を有しているため、アクチュエータ
ロック機構等を別途設ける必要がない。

【００４６】すなわち、本実施の形態に係るＨＤＤによ
れば、ランプロード機構２５によるヘッドアクチュエー
タ２２の保持力は必要最小限であり、磁気ヘッドを停止
位置から磁気ディスク上にロードする際、従来に比較し
て大きな駆動力を必要とせず、磁気ヘッドの移動速度を
安定して、かつ高精度で制御することができる。その結
果、磁気ヘッドの安定したロード、アンロードが可能と
なり、信頼性の向上を図ることができる。

【００４７】更に、複数の磁気ヘッド４０の停止位置を
１つの凹所７６ｃおよびタブによって決めているため、
組立誤差等によって複数の磁気ヘッド間、あるいは、複
数のタブ４２間に相対的な位置ずれが存在している場合
でも、残りの凹所７６内に位置した他の全てのタブは傾
斜面７７ｂ上に停止することなく平坦な底面７７ａ上に
位置する。そのため、各磁気ヘッド４０の上下方向位
置、つまり、磁気ディスク１６の軸方向に沿った位置、
を所定位置に精度良く保持することができ、同時に、各
サスペンション３８およびジンバルばね４１と、ランプ
側のジンバル押え板８２と、の相対位置を精度良く維持
することができる。これにより、耐衝撃用のジンバル押
え板８２の機能を有効に発揮し、信頼性の向上を図るこ
とが可能となる。

【００４８】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能で
ある。例えば、ランプ７０に設けられた停止位置を決め
るための凹所７６ｃは、保持されるタブの位置エネルギ
が最小となる形状であればよく、Ｖ字状に限らず、Ｕ字
状、円弧状等の他の形状としてもよい。

【００４９】また、図７に示すように、ランプ７０に形
成された複数のガイド面７２ａ〜７２ｆの内、１つのガ
イド面７２ｃの平坦部にのみ停止位置決め用の凹所とし
て円弧状の凹所７６ｃを設け、他のガイド面について
は、凹所を省略する構成としてもよい。なお、他の構成
は、前述した実施の形態と同一であり、同一の部分には
同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そ
して、このような構成においても、前述した実施の形態
と同様の作用効果を得ることができる。

【００５０】その他、磁気ディスクの枚数、これに対応
する磁気ヘッドの数、アームの数等は、必要に応じて増
減可能であり、磁気ヘッドの増減に応じて、ランプロー
ド機構のランプにおけるガイド面数を増減すればよい。

【００５１】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、非作動時、磁気ヘッドを所定の停止位置に確実に、
かつ、精度良く保持できるとともに、磁気ヘッドを磁気
ディスクに対し安定してロードすることが可能な磁気デ
ィスク装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態に係るＨＤＤを示す分解
斜視図。

【図２】上記ＨＤＤにおけるヘッドアクチュエータの平
面図。

【図３】上記ＨＤＤにおけるヘッドアクチュエータおよ
びランプロード機構を示す斜視図。

【図４】上記ランプロード機構のランプと上記ヘッドア
クチュエータと配置関係を概略的に示す正面図。

【図５】図４の線Ａ−Ａに沿った断面図。

【図６】上記ヘッドアクチュエータが停止位置に移動し
た状態における上記ＨＤＤの平面図。

【図７】上記ヘッドアクチュエータが停止位置に移動し
た状態におけるタブとランプとの位置関係を示す正面
図。

【図８】上記ランプロード機構の変形例を概略的に示す
正面図。

【符号の説明】

１２…ケース１６…磁気ディスク１８…スピンドルモータ２２…ヘッドアクチュエータ２４…ボイスコイルモータ２５…ランプロード機構２６…軸受組立体３２…アーム３８…サスペンション４０…磁気ヘッド４１…ジンバルばね４２…タブ７０…ランプ７２ａ〜７２ｆ…ガイド面７６、７６ｃ…凹所７８…タブ押え板８２…ジンバル押え板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】磁気ディスクと、上記磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段
と、上記磁気ディスクに対して情報の記録再生を行う複数の
磁気ヘッドと、それぞれ上記磁気ヘッドを支持した複数
のサスペンションと、それぞれ上記サスペンションを支
持した複数のアームと、上記アームを回動自在に支持し
た回動支持部と、上記アームを回動させるための駆動力
を発生する駆動部と、を有し、上記磁気ヘッドを上記磁
気ディスクに対して移動自在に支持したヘッドアクチュ
エータと、上記磁気ヘッドが上記磁気ディスクから離間した停止位
置に上記ヘッドアクチュエータを支持するランプロード
機構と、を備え、上記ランプロード機構は、上記磁気ディスクの外周側に
設けられたランプと、上記サスペンションから延出し、
上記磁気ヘッドが磁気ディスクの外周部に移動した際、
上記ランプに乗り上げる係合部と、を備え、上記ランプは、それぞれ上記係合部をガイドする複数の
ガイド面と、上記ガイド面の１つに設けられ、上記磁気
ヘッドを所定の停止位置に移動した際、対応する上記係
合部が係合してヘッドアクチュエータを上記停止位置に
位置決めする係合凹所と、を有していることを特徴とす
る磁気ディスク装置。
【請求項２】上記複数のガイド面は、上記磁気ディスク
表面とほぼ平行に延びる平坦部をそれぞれ有し、上記位
置決め用の係合凹所は、上記平坦部に形成され位置エネ
ルギが最小となる形状を有していることを特徴とする請
求項１に記載の磁気ディスク装置。
【請求項３】上記複数のガイド面は、上記磁気ディスク
表面とほぼ平行に延びる平坦部をそれぞれ有し、上記位
置決め用の係合凹所は、上記平坦部に形成されほぼＶ字
状あるいは円弧状を有していることを特徴とする請求項
１に記載の磁気ディスク装置。
【請求項４】上記複数のガイド面の内、上記位置決め用
の係合凹所が形成されたガイド面以外のガイド面は、上
記ヘッドアクチュエータが上記停止位置に移動した際に
対応する上記係合部が係合する凹所をそれぞれ有し、各
凹所は、上記ヘッドアクチュエータが上記停止位置にあ
る際に上記係合部が接触する平坦な底面と、上記係合部
の移動方向に沿って上記底面の両側に位置した傾斜面
と、を有していることを特徴とする請求項１ないし３の
いずれか１項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項５】上記複数の磁気ヘッド、および複数のサス
ペンションは、それぞれ上記磁気ディスクの軸方向に所
定の間隔で並んで設けられ、上記磁気ヘッドおよびサス
ペンションを３つ以上備えている場合、上記磁気ディス
クの軸方向に沿ってほぼ中央に位置したサスペンション
の上記係合部と対応する上記ガイド面に、上記停止位置
決め用の係合凹所が設けられていることを特徴とする請
求項１ないし４のいずれか１項に記載の磁気ディスク装
置。
【請求項６】上記複数の磁気ヘッドは、それぞれジンバ
ルばねを介して上記サスペンションに取り付けられ、上
記ランプロード機構のランプは、上記複数のガイド面間
に設けられているとともに上記ヘッドアッセンブリが上
記停止位置に移動した際、対応するサスペンションの上
記ジンバルばねと所定の隙間をおいて対向し、上記ジン
バルばねの過度の変位を規制するジンバルばね押え部材
を備えていることを特徴とする請求項１ないし５のいず
れか１項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項７】上記係合部は、上記サスペンションの先端
から上記サスペンションの中心軸とほぼ平行に延出した
タブを備えていることを特徴とする請求項１ないし６の
いずれか１項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項８】上記ヘッドアクチュエータに衝撃が作用し
た際に上記ヘッドアクチュエータと係合して上記ヘッド
アクチュエータを上記停止位置にロックするイナーシャ
ラッチ機構を備えていることを特徴とする請求項１ない
し７のいずれか１項に記載の磁気ディスク装置。