JPH0527370B2 - - Google Patents

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JPH0527370B2
JPH0527370B2 JP60005253A JP525385A JPH0527370B2 JP H0527370 B2 JPH0527370 B2 JP H0527370B2 JP 60005253 A JP60005253 A JP 60005253A JP 525385 A JP525385 A JP 525385A JP H0527370 B2 JPH0527370 B2 JP H0527370B2
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JP
Japan
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fermented
margarine
milk
buttermilk
flavor
Prior art date
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Application number
JP60005253A
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English (en)
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JPS61166356A (ja
Inventor
Shuya Tanimura
Koichiro Fukazawa
Katsuhiko Ishino
Daisaku Onoda
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Publication date
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Priority to PCT/JP1986/000295 priority patent/WO1987007477A1/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、発酵風味をもつマーガリンに関す
る。さらに具体的には、本発明は、発酵風味賦与
剤に主要な特徴を有するマーガリンに関する。こ
こでいう「マーガリン」は、日本農林規格品質表
示基準食品編に従つて、油脂分80重量%以上のも
のを意味する。
バターの代替物として開発されたマーガリン
も、最近は主として栄養上の観点からその消費量
が増え、それに従つて風味の向上にも配慮がなさ
れるようになつていて、風味賦与剤として各種の
ものが提案されあるいは実用化されている。
そのような風味賦与剤は主として獣乳由来のも
のであつて、具体的にはたとえばバターあるいは
発酵乳である。
マーガリンは本来的にはバターの代替物である
ところから、単にパンに塗つて食するだけではな
く、菓子、パン等の製造や炒め物の際にも使用さ
れるべきものであるから、このような加熱時に焦
げつくことがなくしかも加熱後にも風味が良いと
いうことが望まれている。しかしながら、従来の
風味賦与剤を配合したマーガリンはこれらの点に
おいて満足すべきものであつたとはいい難い。た
とえば、バターを炒め物に使うときは焦げやすい
ことは主婦のよく知るところであつて、従つてバ
ターを配合したマーガリンも焦げやすいという問
題が避け難く、また発酵乳を配合したものも発酵
乳が持つ焦げやすさを免がれることができない。
ところで、我が国では未だ広く使用されるに至
つてはいないけれどもヨーロツパ大陸ではむしろ
標準品となつているバターに発酵バターがあり、
我が国でも最近は嗜好の多様化に応じて発酵バタ
ーの風味が見なおされつつあるが、発酵バターと
類似の発酵風味が期待できるという点から風味賦
与剤としての発酵乳は興味のあるものである。し
かし、発酵乳には上記のような焦げつきやすいと
いう問題があるばかりでなく、マーガリン製造工
程の別の問題も存在する。すなわち、発酵乳をマ
ーガリン製造に使用する場合は防腐のために完全
殺菌が絶対不可欠であるとされているところ
(「マーガリン・シヨートニング・ラード」、第222
頁、光琳(株)昭和54年発行)、発酵乳の製造に一般
的に用いられる濃度10%程度の脱脂乳溶液は発酵
後に加熱殺菌すると褐変しかつ固形物から分離沈
降し、また風味が変質しやすいという点である。
なお、本発明者らの知るところによれば、発酵乳
による発酵バター様の風味の賦与は必ずしも効果
が十分ではない。
発明の概要 要 旨 本発明は前記の点に解決を与えることを目的と
し、発酵バター様風味賦与剤として発酵バターミ
ルクを使用することによつてこの目的を達成しよ
うとするものである。
従つて、本発明による発酵風味をもつマーガリ
ンは、発酵バターミルクを乳固形分として0.3〜
2重量%(たゞし、この重量%は最終製品マーガ
リン中の乳固形分と水分と油脂との合計量を基準
とするものである)含有すること、を特徴とする
ものである。
効 果 本発明に従つて発酵バターミルクを風味賦与剤
として使用すれば、発酵乳使用に際して認められ
た問題点が解決されて、本発明マーガリンには製
品マーガリンとしての焦げやすさおよび製造工程
上の変質の問題がない。
そのうえ、発酵バターミルクと発酵乳とは同じ
く獣乳由来の産物でありかつ同じく乳酸発酵を経
たものでありながら、発酵バターミルクを配合し
たマーガリンの発酵風味は発酵乳配合のものより
もすぐれている(後記実験例参照)。発酵乳と発
酵バターミルクとの類似性を考えれば、製品マー
ガリンに認められるこの発酵風味の差は思いがけ
なかつたことというべきである。
発明の具体的説明 発酵バターミルク 本発明で風味賦与剤として使用する発酵バター
ミルクは、発酵バター製造の副生物である。
発酵バターの製造法は周知であつて、従つてた
とえば「牛乳・乳製品」(養賢堂、昭和49年発行)
を参照することが許されよう。本発明との関係で
いえば、発酵バターの製造は、原乳を脱脂乳と乳
脂肪分すなわちクリームとに分離し、クリームを
乳酸発酵に付し、得られる発酵クリームをチヤー
ニング処理に付してエマルジヨンの転相を生じさ
せて発酵バター粒子と発酵バターミルクとに分離
させ、発酵バター粒子を水洗、加塩、ワーキング
等の後処理に付すことからなる方法によつて製造
されることがふつうであり(クリームの乳酸発酵
はクリームを殺菌してから乳酸菌スタータを接種
して20〜25℃程度で発酵を行なわせることがふつ
うであり、発酵後は5℃程度の温度でエージング
を行うことがふつうである)、本発明で使用する
発酵バターミルクは、上記の発酵クリームのエマ
ルジヨンの転相分離した水相成分である。
このようにして得られる発酵バターミルクは発
酵乳と異なつて高温短時間(HTST)殺菌を行
なつても沈降を生じにくい利点があり、発酵バタ
ーミルクには乳酸発酵によつて乳脂肪が一部転換
して生じるバター様香味物質と共に、乳糖等より
乳酸菌によつて生成して発酵風味を特徴づけるダ
イアセチル、アセトアルデヒド等の香気成分が含
まれているので、これをマーガリンに配合したと
きに発酵乳の配合では実現し難い発酵風味をもた
らすことができることは前記したところである。
上記のようにして発酵バター製造時に副成する
発酵バターミルクは、乳固形分濃度7〜8重量%
程度の水溶液として得られるのがふつうである。
本発明では、発酵バターミルクをこの濃度のまゝ
でマーガリンに配合しても、濃縮(たとえば真空
濃縮、膜濃縮、等による)して3倍程度の濃度に
して配合しても、あるいは濃縮後、これを上記濃
度に希釈して配合してもよい。
発酵バターミルクの含量(重量%)は、得られ
た最終製品マーガリンの油脂分、水分および乳固
形分の合計量を基準として、乳固形分が0.3〜2
%、好ましくは1〜2%、である。これらの範囲
は発酵風味を賦与することができると共に油中水
型エマルジヨン構造のマーガリンの主として水相
中に発酵バターミルクが安定に存在しうるように
定められたものであるが、食品としてのマーガリ
ンは日本農林規格の規準を守るべきであることか
らすれば発酵バターミルクの含量は乳固形分とし
て約1.3重量%以下ということになろう。
マーガリンの製造 マーガリンの製造法は周知であり、本発明によ
る発酵風味を持つマーガリンもマーガリンの水相
成分の少なくとも一部として発酵バターミルクを
使用するという点を除けばこの周知の方法に従つ
て製造することができる。
マーガリンの製造法としては、たとえば、前掲
書を参照することができる。
実験例 実験例 1(本発明) 殺菌クリーム(乳脂肪量45重量%)に乳酸菌ス
ターターを接種し、発酵後、5℃に冷却してエー
ジングする。本クリームをチヤーンによりチヤー
ニングして得た発酵バターミルクをプレート式殺
菌機により、HTST殺菌(72℃、15秒)して、
殺菌バターミクルを得た。殺菌した際、本品は乳
蛋白質の分離・沈降がほとんどなく、かつ褐変も
ないうえ、豊潤な発酵風味を有していた。なお、
本品は、8℃、1週間後においても、褐変はな
く、乳蛋白質の分離・沈降もほとんどなかつた。
次にマーガリンのベースとなる硬化油を配合し
た植物油脂(マーガリン用に慣用されているもの
で、大豆油の硬化油と綿実油の混合物といわれて
いる)82重量部に対して、乳化剤(グリセリン脂
肪酸エステル)0.2重量部を加え、先の殺菌バタ
ーミルク17重量部を加えて攪拌しながら乳化さ
せ、殺菌処理後、かきとり式熱交換機で急冷捏和
して、発酵マーガリンをえた。得られた発酵マー
ガリンは、発酵風味を充分有していた。このマー
ガリンの乳固形物含量は1.3重量%であつた。
実験例 2(従来例) 先の配合に対して殺菌バターミルクの代りに10
重量%脱脂乳溶液に実験例1と同じ乳酸菌スター
ターを接種し、20℃にて15時間発酵後、実験例1
と同様に殺菌した。殺菌によつて乳蛋白の分離・
沈降ははなはだしく、褐変臭(褐変に伴うカラメ
ル臭および焦臭をいう)がきついものであつた。
実験例1と同様な油脂ベースに対して、殺菌発酵
乳17重量部を加えて同様なマーガリンを製造し
た。えられたマーガリンは、酸味及びダイアセチ
ル臭は有していたが、褐変臭を感じ豊潤な発酵風
味は全く感じられなかつた。
実験例 3(本発明) 実験例1において、殺菌バターミルク17重量部
の代りに殺菌バターミルク12重量部と水5重量部
を加えて、同様にマーガリンを製造した。実験例
1同様の発酵風味を持つマーガリンが得られた。
このマーガリンの乳固形分含量は0.9重量%であ
つた。
実験例 4(従来例) 実験例1において殺菌バターミルクの代りに脱
脂乳17重量部を加えて同様にマーガリンを製造し
た。発酵風味は全く感じられなかつた。
参考例 1 (グリーンアスパラガスのマーガリン炒め) 新鮮なグリーンアスパラガスを市販Aマーガリ
ン及び実験例1のマーガリンで炒めて比較試食し
た。結果は、下記の通りであつた。
市販A試料:加熱した時すぐに褐変し、また焦げ
やすい。油つぽいが、マーガリン風味あり。
実験例1の試料:ほとんど焦げず、また褐変臭は
ない。ややあつさりした発酵風味あり。
参考例 2 (スポンジケーキ(共立て法)) (1) 配合:全卵150g、グラニユー糖80g、小麦
粉80g、マーガリン40g、計350g(加熱はオ
ーブン、180℃×35分間) (2) 上記配合により市販Aマーガリン、実験例1
および3のマーガリンでスポンジケーキを試作
し、試食した。結果は、下記の通りであつた。
マーガリンの種類:評価 市販A:においがうすい。淡白すぎる。少し甘い
感じがする。
実験例1:こくのある風味。
実験例3:こくのある風味。ややパサつく。
参考例 3 (パンぬり) 実験例1、3、4のマーガリンを焼いた食パン
につけて試食評価した。
マーガリンの種類:評価 実験例1:濃厚感あり、発酵風味すなお。
実験例3:発酵風味あり。
実験例4:マイルドだが味気ない。くせのない風
味。
実験例 5(本発明) 実験例3において、殺菌バターミルク12重量部
の代りに、3倍濃縮バターミルク(真空濃縮法に
よる)を4重量部加え、水13重量部を足して、同
様にマーガリンを製造した。なお、本濃縮バター
ミルクは、実験例1に記したようにストレート状
態のバターミクルをHTST殺菌したのち、真空
濃縮釜で3倍まで50℃にてバツチ濃縮してえたも
のであり、濃縮した際、肉眼的には凝縮・凝固・
分離は全く生じていなかた。実験例1と同様の発
酵風味をもつマーガリンが得られた。このマーガ
リンの乳固形分含量は0.9重量%であつた。
参考例 4 (パンにぬる) 実験例3および5のマーガリンについて風味・
組織の検討を行つたが、差異はなかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 発酵バターミルクを乳固形分として0.3〜2
    重量%(ただし、この重量%は最終製品マーガリ
    ン中の乳固形分と水分と油脂との合計量を基準と
    するものである)含有することを特徴とする、発
    酵風味をもつマーガリン。
JP60005253A 1985-01-16 1985-01-16 発酵風味をもつマ−ガリン Granted JPS61166356A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60005253A JPS61166356A (ja) 1985-01-16 1985-01-16 発酵風味をもつマ−ガリン
PCT/JP1986/000295 WO1987007477A1 (en) 1985-01-16 1986-06-13 Margarine with fermentation taste

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60005253A JPS61166356A (ja) 1985-01-16 1985-01-16 発酵風味をもつマ−ガリン

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JPS61166356A JPS61166356A (ja) 1986-07-28
JPH0527370B2 true JPH0527370B2 (ja) 1993-04-21

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JP (1) JPS61166356A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5029775A (ja) * 1972-12-15 1975-03-25
JPS6019447A (ja) * 1983-07-11 1985-01-31 カンバーランド・パッキング・コーポレーション バター代用品スプレッドに天然バターの風味を付与する組成物及びその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5029775A (ja) * 1972-12-15 1975-03-25
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JPS61166356A (ja) 1986-07-28

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