JPH0527228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、トランスフアプレス用のプレス搬送
装置に関するものである。

（従来技術） 各種プレス加工（例えば、絞り、トリミング、
フランジ、カムフランジ等）を連続的に設置され
た複数の金型により行う場合、昇降および前後動
を行う一対のフイードバーと、該フイードバー間
に架設され且つプレスワークを搬送すべき搬送手
段を有する多数のクロスバーとを備えたトランス
フアプレス用のプレス搬送装置によりプレスワー
ク搬送を行うことが従来から多用されいる（実開
昭55−11276号公報参照）。また、特開昭56−
45233号公報に開示されているように、プレスワ
ークの搬送時における撓みを防止するために上型
に設けられた吸着手段により鋼板部材を吸着保持
し、その状態で鋼板部材の搬送を行うようにした
ものも提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記公知技術において開示されているような構
成のプレス搬送装置においては、アンダーフロア
パネル等のように成形穴を有するプレスワークを
搬送する場合、該成形穴部分に吸着手段が位置す
るような際には吸着力が不十分となるおそれがあ
る。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
成形穴を有するようなプレスワークをも容易且つ
確実に搬送し得るようにすることを目的とするも
のである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、上記問題点を解決するための手段
として、一連のプレス成形金型に対して昇降およ
び前後可能な左右一対のフイードバーと、該フイ
ードバー間に所定間隔を有して架設され且つプレ
スワークを搬送すべく構成された多数のクロスバ
ーとを有し、穴部を有するプレスワークを搬送す
るトランスフアプレス用のプレス搬送装置におい
て、前記各クロスバーに、前記各クロスバーに、
該クロスバーに対して固定され、前記フイードバ
ーの下降時に前記プレスワークの穴部に挿入可能
とされた内部中空なガイド部材と、該ガイド部材
内において上下動可能とされた連係部材と、該連
係部材の上端部に連結され且つ連係部材を上下方
向に動作させる駆動手段と、前記連係部材の下端
部に連結され且つ該連係部材の下動時に前記プレ
スワークの穴部に挿入された状態で開作動されて
プレスワークを係止すべく作用する係止部材とか
らなるワーク保持装置を付設するとともに、前記
係止部材を、前記連係部材下端部に揺動自在に枢
支され、外向きに湾曲された一対の爪片により構
成する一方、前記ガイド部材下端部に、前記爪片
をその下動時に案内して開作動させる一対の湾曲
ガイド面を有するガイド片を設けている。

（作用） 本考案では、上記手段によつて次のような作用
が得られる。

即ち、クロスバーに付設された連係部材の下端
部に連結された係止部材がプレスワークの穴部に
挿入された状態で連係部材の下動に伴つて開作動
してプレスワークを係止することにより、ワーク
保持装置によるプレスワークの保持がなされるこ
ととなり、穴部を有するプレスワーク（例えば、
アンダーフロアパネル等）を撓みを防止しつつ容
易且つ確実に搬送し得ることとなるのである。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の好適な
実施例を説明する。

本実施例のプレス搬送装置は、第３図図示の如
く、各種プレス加工（例えば、絞り、トリミン
グ、フランジ、カムフランジ等）を連続的に行う
べく等間隔で連続的に設置された複数の金型Ｐ，
Ｐ…上に順次プレスワークＷ，Ｗ…を搬送するた
めのものであり、昇降および前後動を行う一対の
フイードバー１，１と、該フイードバー１，１間
に架設され且つプレスワークＷ，Ｗ…を保持すべ
きワーク保持装置３，３…を有する多数のクロス
バー２，２…とを備えている。本実施例において
は、プレスワークＷとして複数の穴部Ｈ，Ｈ…を
有するアンダーフロアパネルが採用されている。

前記各クロスバー２は、第１図および第２図図
示の如く、枠状を呈しており、前記プレスワーク
Ｗを保持すべく構成された４個のワーク保持装置
３，３…を備えている。

該各ワーク保持装置３は、前記クロスバー２に
対して固定された円筒状のガイド部材４内にあつ
て上下動するロツド状の連結部材５と、該連係部
材５の上端部にワイヤケーブル６を介して連結さ
れ且つ連係部材５を上下方向に動作させる駆動手
段として作用するシリンダ７と、前記連係部材５
の下端部に連結され且つ該連係部材５の下動時に
前記プレスワークＷの穴部Ｈに挿入された状態で
開作動されてプレスワークＷを係止すべく作用す
る係止部材８とによつて構成されている。

前記係止部材８は、連係部材５の下端部に揺動
自在に枢支され且つ外向きに湾曲された一対の爪
片８ａ，８ａからなつており、これら爪片８ａ，
８ａは、前記連係部材５の下動に伴つて前記ガイ
ド部材４下端部に形成されたガイド片９の湾曲ガ
イド面９ａ，９ａに案内されて略八字状に開作動
せしめられるようになつている。なお、本実施例
においては、クロスバー２の４箇所に付設された
ワーク保持装置３の駆動手段を１個のシリンダ７
で共用するように構成されており、該シリンダ７
と各ワーク保持装置３の連係部材５，５…とは、
４本のワイヤケーブル６，６…で連結されてい
る。図面中、符号１０はワイヤケーブル６のガイ
ド、１１は金型Ｐに付設されたワークリフト用の
リフターである。

ついで、図示のプレス搬送装置の作用を説明す
る。

このプレス搬送装置は、フイードバー１，１が
昇降作動および前後作動を繰り返すことにより、
金型Ｐ，Ｐ…上に載置されたプレスワークＷ，Ｗ
…をワーク保持装置３，３…に保持させて順次次
工程に搬送する如く作用するものであるが、各ワ
ーク保持装置３はプレスワーク保持に際して次の
ように作動する。

即ち、金型Ｐにおける所望のプレス加工が完了
すると、リフター１１，１１を作動させてプレス
ワークＷを所定量持ち上げる。この時、前記各ワ
ーク保持装置３のガイド部材４の下端部は、プレ
スワークＷの穴部Ｈにそれぞれ臨ましめられる。
プレスワークＷの上昇完了がリミツトスイツチ
（図示省略）により検知されると、シリンダ７を
伸張動作させてワイヤケーブル６，６…を介して
ワーク保持装置３，３…の連係部材５，５…に下
向きの力を伝達せしめる。すると、各連係部材５
が下動せしめられ、該連係部材５下端部の係止部
材８（換言すれば、爪片８ａ，８ａ）がガイド片
９の湾曲ガイド面９ａ，９ａに案内されて開作動
せしめられることとなる。従つて、前記爪片８
ａ，８ａは、プレスワークＷの穴部Ｈの口縁下面
に係止可能状態となる。この状態の下にフイード
バー１，１を上昇させると、プレスワークＷは、
係止部材８，８…によつて穴部Ｈ，Ｈ…口縁を係
止されて搬送されることとなり、従来例における
ような吸着力不足を起こすことなく、しかも撓み
をも起こすことなく容易且つ確実に搬送されるこ
ととなるのである。なお、係止部材８によるプレ
スワークＷへの係止を解除するには、シリンダ７
を収縮動作させて、ワイヤケーブル６，６…を介
して連係部材５，５…を引き上げればよい。かく
することにより、係止部材８を構成する爪片８
ａ，８ａは、自重により閉作動せしめられること
となるのである（第２図点線図示）。従つて、プ
レスワークＷへの係止が解除されることとなる。

上記実施例では、駆動手段であるシリンダ７を
４個のワーク保持装置３，３…に共用するように
しているが、各ワーク保持装置３に独自の駆動手
段を設けるようにしてもよい。

また、本考案は、上記実施例の構成に限定され
るものではなく、考案の要旨を逸脱しない範囲に
おいて適宜設計変更可能なことも勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、一連のプレス成
形金型に対して昇降および前後動可能な左右一対
のフイードバーと、該フイードバー間に所定間隔
を有して架設され且つプレスワークを搬送すべく
構成された多数のクロスバーとを有し、穴部を有
するプレスワークを搬送するトランスフアプレス
用のプレス搬送装置において、前記各クロスバー
に、前記各クロスバーに、該クロスバーに対して
固定され、前記フイードバーの下降時に前記プレ
スワークの穴部に挿入可能とされた内部中空なガ
イド部材と、該ガイド部材内のおいて上下動可能
とされた連係部材と、該連係部材の上端部に連結
され且つ連係部材を上下方向に動作させる駆動手
段と、前記連係部材の下端部に連結され且つ該連
係部材の下動時に前記プレスワークの穴部に挿入
された状態で開作動されてプレスワークを係止す
べく作用する係止部材とからなるワーク保持装置
を付設したので、クロスバーに付設された連係部
材の下端部に連結された係止部材がプレスワーク
の穴部に挿入された状態で開作動してプレスワー
クを係止することにより、ワーク保持装置による
プレスワークの保持がなされることとなり、穴部
を有するプレスワーク（例えば、アンダーフロア
パネル等）を撓みを防止しつつ容易且つ確実に搬
送し得るという実用的な効果がある。

また、ワーク保持装置における係止部材を、前
記連係部材下端部に揺動自在に枢支され、外向き
に湾曲された一対の爪片により構成する一方、前
記ガイド部材下端部に、前記爪片をその下動時に
案内して開作動させる一対の湾曲ガイド面を有す
るガイド片を設けるようにしているので、爪片は
連係部材の下動に伴つてガイド片の湾曲ガイド面
に案内されて開作動されることとなり、極めて簡
易な構成となるとともに、プレスワークに力を作
用させなくとも容易に係止できるという実用的な
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるプレス搬送装
置の要部断面図（第３図の−断面図）、第２
図は第１図の部分拡大図、第３図は本考案の実施
例にかかるプレス搬送装置の要部を示す平面図で
ある。 １……フイードバー、２……クロスバー、３…
…ワーク保持装置、５……連係部材、７……駆動
手段（シリンダ）、８……係止部材、Ｈ……穴部、
Ｐ……金型、Ｗ……プレスワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一連のプレス成形金型に対して昇降および前後
   動可能な左右一対のフイードバーと、該フイード
   バー間に所定間隔を有して架設され且つプレスワ
   ークを搬送すべく構成された多数のクロスバーと
   を有し、穴部を有するプレスワークを搬送するト
   ランスフアプレス用のプレス搬送装置であつて、
   前記各クロスバーには、該クロスバーに対して固
   定され、前記フイードバーの下降時に前記プレス
   ワークの穴部に挿入可能とされた内部中空なガイ
   ド部材と、該ガイド部材内において上下動可能と
   された連係部材と、該連係部材の上端部に連結さ
   れ且つ連係部材を上下方向に動作させる駆動手段
   と、前記連係部材の下端部に連結され且つ該連係
   部材の下動時に前記プレスワークの穴部に挿入さ
   れた状態で開作動されてプレスワークを係止すべ
   く作用する係止部材とからなるワーク保持装置が
   付設されており、前記係止部材は、前記連係部材
   下端部に揺動自在に枢支され、外向きに湾曲され
   た一対の爪片からなり、前記ガイド部材下端部に
   は、前記爪片をその下動時に案内して開作動させ
   る一対の湾曲ガイド面を有するガイド片が設けら
   れていることを特徴とするプレス搬送装置。