JPH05271848A - 熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 - Google Patents
熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金Info
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- JPH05271848A JPH05271848A JP7150892A JP7150892A JPH05271848A JP H05271848 A JPH05271848 A JP H05271848A JP 7150892 A JP7150892 A JP 7150892A JP 7150892 A JP7150892 A JP 7150892A JP H05271848 A JPH05271848 A JP H05271848A
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- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 熱間加工性および耐エロージョン性に優れた
ボイラー用合金、わけても高温粒子エロージョンに対す
る抵抗特性に優れた合金を提供する。 【構成】 Co、Ni、Crをベースとして含有し、M
o、Wのうち1種または2種を含有し、加えてHfまた
はZrの1種または2種あるいはY、La、Ceのうち
1種または2種以上あるいはHfまたはZrの1種また
は2種およびY、La、Ceの1種または2種以上を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物のうちSを0.0
008%以下に限定し、かつ0.5Co+Ni+1.5
Cr≦75、1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+
1/2W)≦2.8なる条件を満足することを特徴とす
る。
ボイラー用合金、わけても高温粒子エロージョンに対す
る抵抗特性に優れた合金を提供する。 【構成】 Co、Ni、Crをベースとして含有し、M
o、Wのうち1種または2種を含有し、加えてHfまた
はZrの1種または2種あるいはY、La、Ceのうち
1種または2種以上あるいはHfまたはZrの1種また
は2種およびY、La、Ceの1種または2種以上を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物のうちSを0.0
008%以下に限定し、かつ0.5Co+Ni+1.5
Cr≦75、1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+
1/2W)≦2.8なる条件を満足することを特徴とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭焚きボイラーにお
いて使用される鋼管、特に熱間加工性に優れ、かつ高温
粒子エロージョンに対する優れた抵抗性を示す合金に関
する。
いて使用される鋼管、特に熱間加工性に優れ、かつ高温
粒子エロージョンに対する優れた抵抗性を示す合金に関
する。
【0002】
【従来の技術】燃料燃焼ボイラー、流動床反応器、石炭
のガス化、液化装置等に代表される高温エネルギー装置
は最近のエネルギー事情を反映して石炭利用技術として
注目されている。例えば、燃料燃焼ボイラーにあって
は、従来は石油利用が主体であったが、今日では代替エ
ネルギー利用の必要性が認識された結果、石炭利用が増
大する傾向となっている。
のガス化、液化装置等に代表される高温エネルギー装置
は最近のエネルギー事情を反映して石炭利用技術として
注目されている。例えば、燃料燃焼ボイラーにあって
は、従来は石油利用が主体であったが、今日では代替エ
ネルギー利用の必要性が認識された結果、石炭利用が増
大する傾向となっている。
【0003】しかし、かかる高温エネルギー装置にあっ
ても装置設計は石油利用のときの設計思想により行われ
ており、石炭利用となった時の問題点は十分には解決さ
れていない。例えば、石炭火力ボイラーにおいても従来
の石油火力ボイラーと同様の材料構成にて製作されてい
る。ところが、石炭火力ボイラーにおいては石油火力ボ
イラーとは異なり、ボイラー内部で固形のアッシュ分が
クリンカとなって落下したりフライアッシュとして燃焼
ガス流中に浮遊していたりするため、高温で著しいエロ
ージョン損傷を受ける。このような問題点は当業者にも
よく認識されているが、まだ解決策は明らかではなく、
材料的な対策もほとんどなく、経験的な設計上の対応、
例えば流速の低減、プロテクターの取り付け等の対策が
行われているにすぎない。しかし、設計的な対処をもっ
てしても、流速を制限した場合にも予想以上に流速の早
い偏流部ができたり、またプロテクターを用いた場合に
もプロテクター自身の損傷が早く、実際上効果のない場
合が多くある。
ても装置設計は石油利用のときの設計思想により行われ
ており、石炭利用となった時の問題点は十分には解決さ
れていない。例えば、石炭火力ボイラーにおいても従来
の石油火力ボイラーと同様の材料構成にて製作されてい
る。ところが、石炭火力ボイラーにおいては石油火力ボ
イラーとは異なり、ボイラー内部で固形のアッシュ分が
クリンカとなって落下したりフライアッシュとして燃焼
ガス流中に浮遊していたりするため、高温で著しいエロ
ージョン損傷を受ける。このような問題点は当業者にも
よく認識されているが、まだ解決策は明らかではなく、
材料的な対策もほとんどなく、経験的な設計上の対応、
例えば流速の低減、プロテクターの取り付け等の対策が
行われているにすぎない。しかし、設計的な対処をもっ
てしても、流速を制限した場合にも予想以上に流速の早
い偏流部ができたり、またプロテクターを用いた場合に
もプロテクター自身の損傷が早く、実際上効果のない場
合が多くある。
【0004】また、材料の観点からボイラーチューブと
しては、SUS304鋼、同じく321、347、32
1、316鋼等の18−8系オーステナイト系ステンレ
ス鋼が、さらにはインコロイ800、SUS310等の
合金が用いられる。さらに一般の高温用部材としては、
各種の高温用オーステナイト系ステンレス鋼が用いられ
ているが、これらはいずれも耐高温粒子エロージョンを
考慮したものではなく、石油火力ボイラー等での経験を
もとに使用されているにすぎない。
しては、SUS304鋼、同じく321、347、32
1、316鋼等の18−8系オーステナイト系ステンレ
ス鋼が、さらにはインコロイ800、SUS310等の
合金が用いられる。さらに一般の高温用部材としては、
各種の高温用オーステナイト系ステンレス鋼が用いられ
ているが、これらはいずれも耐高温粒子エロージョンを
考慮したものではなく、石油火力ボイラー等での経験を
もとに使用されているにすぎない。
【0005】すでに述べたように、高温粒子によるエロ
ージョン損傷を防止する材料的対策はほとんどないのが
現状であるが、材料的対策があれば、逆に装置設計に余
裕が生じ、装置の小型化、熱効率の向上などの利益も期
待できる。
ージョン損傷を防止する材料的対策はほとんどないのが
現状であるが、材料的対策があれば、逆に装置設計に余
裕が生じ、装置の小型化、熱効率の向上などの利益も期
待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、熱間加工性に優れ、かつ石炭火力ボイラーにみ
られるような高温粒子によるエロージョンに対する優れ
た抵抗性を有する材料を提供することにある。
ころは、熱間加工性に優れ、かつ石炭火力ボイラーにみ
られるような高温粒子によるエロージョンに対する優れ
た抵抗性を有する材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)重量%で、C:0.1%以下、Si:2.5%以
下、Mn:1.0%以下、P:0.03%以下、S:
0.0008%以下、N:0.2%以下、Co:10〜
25%、Cr:18〜28%、Ni:10〜50%を含
有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1種または2種
を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有
し、かつ、 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
ろは下記のとおりである。 (1)重量%で、C:0.1%以下、Si:2.5%以
下、Mn:1.0%以下、P:0.03%以下、S:
0.0008%以下、N:0.2%以下、Co:10〜
25%、Cr:18〜28%、Ni:10〜50%を含
有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1種または2種
を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有
し、かつ、 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
【0008】(2)重量%で、C:0.1%以下、S
i:2.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03
%以下、S:0.0008%以下、N:0.2%以下、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、さらにHf:0.2%以下、Z
r:0.2%以下のうちの1種または2種を含有し、残
りがFeと不可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
i:2.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03
%以下、S:0.0008%以下、N:0.2%以下、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、さらにHf:0.2%以下、Z
r:0.2%以下のうちの1種または2種を含有し、残
りがFeと不可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
【0009】(3)重量%で、C:0.1%以下、S
i:2.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03
%以下、S:0.0008%以下、N:0.2%以下、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、さらにY:0.1%以下、L
a:0.1%以下、Ce:0.1%以下のうちの1種ま
たは2種以上を含有し、残りがFeと不可避不純物から
なる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
i:2.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03
%以下、S:0.0008%以下、N:0.2%以下、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、さらにY:0.1%以下、L
a:0.1%以下、Ce:0.1%以下のうちの1種ま
たは2種以上を含有し、残りがFeと不可避不純物から
なる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
【0010】(4)重量%で、C:0.1%以下、S
i:2.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03
%以下、S:0.0008%以下、N:0.2%以下、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、さらにHf:0.2%以下、Z
r:0.2%以下のうちの1種または2種とY:0.1
%以下、La:0.1%以下、Ce:0.1%以下のう
ちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
i:2.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03
%以下、S:0.0008%以下、N:0.2%以下、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、さらにHf:0.2%以下、Z
r:0.2%以下のうちの1種または2種とY:0.1
%以下、La:0.1%以下、Ce:0.1%以下のう
ちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【作用】最初に本発明において各成分範囲を前記の如く
限定した理由を述べる。Cは0.1%を超えると加工性
が劣化すること、および粒界腐食割れが発生しやすくな
るため、その上限値を0.1%と定めた。Siは脱酸成
分として必要な成分であるが、その含有量が2.5%を
超えると熱間加工性が劣化するので、上限値を2.5%
と定めた。
限定した理由を述べる。Cは0.1%を超えると加工性
が劣化すること、および粒界腐食割れが発生しやすくな
るため、その上限値を0.1%と定めた。Siは脱酸成
分として必要な成分であるが、その含有量が2.5%を
超えると熱間加工性が劣化するので、上限値を2.5%
と定めた。
【0013】MnはSiと同様に脱酸作用があるが、過
剰に添加すると脆化するので、その上限値を1.0%と
定めた。Pは不可避不純物であるが、その含有量が0.
03%を超えると粒界偏析が著しくなることから、上限
値を0.03%と定めた。Sは不可避不純物である。S
の含有量を0.0008%以下に低減すると、熱間加工
性が一段と向上するようになることから、S含有量の上
限値を0.0008%として優れた熱間加工性を付与し
た。S含有量を変化させた22Co−20Ni−21C
r合金を用いて熱間での引張試験を行い、破断までの伸
びで熱間加工性を評価し、図1に示すような結果を得
た。ここで、熱間での伸び値が高いほど加工性に優れて
いることとなる。すなわち、S含有量0.0008%を
境にして、これよりS含有量が低い場合には伸びの著し
い向上が達成できていることが分る。
剰に添加すると脆化するので、その上限値を1.0%と
定めた。Pは不可避不純物であるが、その含有量が0.
03%を超えると粒界偏析が著しくなることから、上限
値を0.03%と定めた。Sは不可避不純物である。S
の含有量を0.0008%以下に低減すると、熱間加工
性が一段と向上するようになることから、S含有量の上
限値を0.0008%として優れた熱間加工性を付与し
た。S含有量を変化させた22Co−20Ni−21C
r合金を用いて熱間での引張試験を行い、破断までの伸
びで熱間加工性を評価し、図1に示すような結果を得
た。ここで、熱間での伸び値が高いほど加工性に優れて
いることとなる。すなわち、S含有量0.0008%を
境にして、これよりS含有量が低い場合には伸びの著し
い向上が達成できていることが分る。
【0014】CoはNi、Cr、MoおよびWとの共存
で耐エロージョン特性を向上させる元素であるが、その
含有量が10%未満ではさほど著しい効果はなく、所望
の耐エロージョン性を得るには他の合金元素量を増加さ
せる必要があり、経済的に不利であるから、下限を10
%と定めた。一方、その含有量が25%を超えると加工
性が低下することから、上限値を25%と定めた。
で耐エロージョン特性を向上させる元素であるが、その
含有量が10%未満ではさほど著しい効果はなく、所望
の耐エロージョン性を得るには他の合金元素量を増加さ
せる必要があり、経済的に不利であるから、下限を10
%と定めた。一方、その含有量が25%を超えると加工
性が低下することから、上限値を25%と定めた。
【0015】Niは耐食性を改善させる効果があるが、
10%未満ではその効果はなく、所望の耐食性を得るに
は他の合金元素量を増加させる必要があり経済的でない
ことから、その下限を10%と定めた。一方、50%を
超えて添加しても効果の一段の向上は認められず、経済
性を考慮して、その上限値を50%とした。CrはN
i、Mo、Wとの共存で著しく耐食性を改善する元素で
あるが、18%未満の添加では著しい効果は得られず、
一方28%を超えて添加しても効果の一段の向上は認め
られないことから、その上限値を28%とした。
10%未満ではその効果はなく、所望の耐食性を得るに
は他の合金元素量を増加させる必要があり経済的でない
ことから、その下限を10%と定めた。一方、50%を
超えて添加しても効果の一段の向上は認められず、経済
性を考慮して、その上限値を50%とした。CrはN
i、Mo、Wとの共存で著しく耐食性を改善する元素で
あるが、18%未満の添加では著しい効果は得られず、
一方28%を超えて添加しても効果の一段の向上は認め
られないことから、その上限値を28%とした。
【0016】MoはCoとともに耐エロージョン性を上
昇させ、特に硬度の上昇から耐エロージョン性を向上さ
せる効果がある。しかし2%未満では硬度が十分でな
く、一方4%を超えて添加しても硬度が上昇し過ぎて加
工性が劣化するので、その添加範囲を2〜4%とした。
WもMoと同様に硬度上昇によって耐エロージョン性を
改善するが、8%を超えて添加しても効果の一段の向上
はないうえ、加工性が劣化するので、その上限値を8%
とした。
昇させ、特に硬度の上昇から耐エロージョン性を向上さ
せる効果がある。しかし2%未満では硬度が十分でな
く、一方4%を超えて添加しても硬度が上昇し過ぎて加
工性が劣化するので、その添加範囲を2〜4%とした。
WもMoと同様に硬度上昇によって耐エロージョン性を
改善するが、8%を超えて添加しても効果の一段の向上
はないうえ、加工性が劣化するので、その上限値を8%
とした。
【0017】以上の合金元素のうち、Co、Ni、C
r、MoおよびWは耐エロージョン性および耐食性を改
善するが、各元素を単独で添加しただけでは、それらの
効果は現れず、複合添加によってのみ効果が発揮され
る。そこで、本発明者らは400℃の高温ボイラー環境
で耐エロージョン性に優れた材料を得るべく研究を行っ
た結果、 (1)Co、NiおよびCr量には 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 および (2)Ni、Cr、Co、Mo、W量の間には 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足する場合には、上述の添加量で最も効果的
に合金元素の有する特性を発揮することが明らかとなっ
た。
r、MoおよびWは耐エロージョン性および耐食性を改
善するが、各元素を単独で添加しただけでは、それらの
効果は現れず、複合添加によってのみ効果が発揮され
る。そこで、本発明者らは400℃の高温ボイラー環境
で耐エロージョン性に優れた材料を得るべく研究を行っ
た結果、 (1)Co、NiおよびCr量には 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 および (2)Ni、Cr、Co、Mo、W量の間には 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足する場合には、上述の添加量で最も効果的
に合金元素の有する特性を発揮することが明らかとなっ
た。
【0018】Hfは微量の添加でも高温での強度を改善
することから、その上限値を0.2%と定めた。Zrは
脱酸元素として作用するが、その添加量が0.2%を超
えても効果の一段の向上は認められないので、上限値を
0.2%と定めた。Y、LaおよびCeには熱間加工性
をさらに改善する効果があるので、きびしい条件で熱間
加工が行われる場合には、必要に応じて添加されるが、
どの元素も0.1%を超えて添加しても効果の一段の向
上は認められず、むしろ劣化現象さえ現れるので、含有
量をそれぞれ0.1%以下とした。
することから、その上限値を0.2%と定めた。Zrは
脱酸元素として作用するが、その添加量が0.2%を超
えても効果の一段の向上は認められないので、上限値を
0.2%と定めた。Y、LaおよびCeには熱間加工性
をさらに改善する効果があるので、きびしい条件で熱間
加工が行われる場合には、必要に応じて添加されるが、
どの元素も0.1%を超えて添加しても効果の一段の向
上は認められず、むしろ劣化現象さえ現れるので、含有
量をそれぞれ0.1%以下とした。
【0019】本発明者らはCo、Ni、Crを変化させ
た合金を溶製し、鋳造し、熱間圧延して板厚7mmの板材
とし、次いでこの板材に、温度1050℃に30分保持
後、水冷の熱処理を施した後、板材から圧延方向と直角
に、厚さ2mm、幅15mm、長さ20mmの試験片を切り出
し、この試験片を400℃に加熱した装置中に保持し、
直径2mmに整粒した石炭を500時間にわたって試験片
に噴射するというエロージョン試験を行い、試験前後に
おけるエロージョンの程度を観察した。これらの結果を
科学的に解析した結果、Co、Ni、Crの間には前述
の条件が存在することが明らかになった。なお、表1、
表2において○印は表面に窪みがないもの、×印は明ら
かな窪みが認められたものである。
た合金を溶製し、鋳造し、熱間圧延して板厚7mmの板材
とし、次いでこの板材に、温度1050℃に30分保持
後、水冷の熱処理を施した後、板材から圧延方向と直角
に、厚さ2mm、幅15mm、長さ20mmの試験片を切り出
し、この試験片を400℃に加熱した装置中に保持し、
直径2mmに整粒した石炭を500時間にわたって試験片
に噴射するというエロージョン試験を行い、試験前後に
おけるエロージョンの程度を観察した。これらの結果を
科学的に解析した結果、Co、Ni、Crの間には前述
の条件が存在することが明らかになった。なお、表1、
表2において○印は表面に窪みがないもの、×印は明ら
かな窪みが認められたものである。
【0020】
【実施例】表1、表2に示される成分組成の合金それぞ
れ1ton を真空誘導加熱炉を用いて溶解し、ESR処理
で清浄化して断面500mm×250mmのインゴットに鋳
造した後、熱間圧延して板厚7mmの板材とし、次いでこ
の板材に、温度1050℃に30分保持後、水冷の熱処
理を施した後、板材から圧延方向と直角に、厚さ2mm、
幅15mm、長さ20mmの試験片を切り出し、この試験片
を400℃に加熱した装置中に保持し、直径2mmに整粒
した石炭を500時間にわたって試験片に噴射するとい
うエロージョン試験を行い、試験前後におけるエロージ
ョンの程度を観察した結果を表1、表2に示した。な
お、表1、表2において○印は表面に窪みがないもの、
×印は明らかな窪みが認められたものである。
れ1ton を真空誘導加熱炉を用いて溶解し、ESR処理
で清浄化して断面500mm×250mmのインゴットに鋳
造した後、熱間圧延して板厚7mmの板材とし、次いでこ
の板材に、温度1050℃に30分保持後、水冷の熱処
理を施した後、板材から圧延方向と直角に、厚さ2mm、
幅15mm、長さ20mmの試験片を切り出し、この試験片
を400℃に加熱した装置中に保持し、直径2mmに整粒
した石炭を500時間にわたって試験片に噴射するとい
うエロージョン試験を行い、試験前後におけるエロージ
ョンの程度を観察した結果を表1、表2に示した。な
お、表1、表2において○印は表面に窪みがないもの、
×印は明らかな窪みが認められたものである。
【0021】表1、表2に示される結果から、比較合金
材は耐エロージョン性が劣っているのに対して、本発明
合金1〜37はいずれの材料も窪みは発生しておらず、
耐エロージョン性に優れた特性を有することが明らかで
ある。
材は耐エロージョン性が劣っているのに対して、本発明
合金1〜37はいずれの材料も窪みは発生しておらず、
耐エロージョン性に優れた特性を有することが明らかで
ある。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、熱間加工性に優れ、か
つ高温粒子エロージョンに対する優れた抵抗性を有する
合金が得られるので、近年注目されている高温エネルギ
ー装置の実用化および普及に寄与するところ極めて大で
ある。
つ高温粒子エロージョンに対する優れた抵抗性を有する
合金が得られるので、近年注目されている高温エネルギ
ー装置の実用化および普及に寄与するところ極めて大で
ある。
【図1】S含有量を変化させた22Co−20Ni−2
1Cr合金を用いた熱間での引張試験における破断まで
の伸びとS量との関係を示す図である。
1Cr合金を用いた熱間での引張試験における破断まで
の伸びとS量との関係を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.0008%以下、 N:0.2%以下、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、残りがFeと不可避不純物
からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。 - 【請求項2】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.0008%以下、 N:0.2%以下、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Hf:0.2%以下、 Zr:0.2%以下 のうちの1種または2種を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。 - 【請求項3】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.0008%以下、 N:0.2%以下、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Y:0.1%以下、 La:0.1%以下、 Ce:0.1%以下 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。 - 【請求項4】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.0008%以下、 N:0.2%以下、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Hf:0.2%以下、 Zr:0.2%以下 のうちの1種または2種と Y:0.1%以下、 La:0.1%以下、 Ce:0.1%以下 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする熱間加工性および耐
エロージョン性に優れたボイラー用合金。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7150892A JP2649627B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 |
EP92120983A EP0546517A1 (en) | 1991-12-10 | 1992-12-09 | Corrosion-erosion resistant alloy for use in boilers, and composite tube with this alloy |
CA 2084912 CA2084912A1 (en) | 1991-12-10 | 1992-12-09 | Alloy and composite steel tube with erosion resistance for use in boilers |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7150892A JP2649627B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271848A true JPH05271848A (ja) | 1993-10-19 |
JP2649627B2 JP2649627B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=13462710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7150892A Expired - Lifetime JP2649627B2 (ja) | 1991-12-10 | 1992-03-27 | 熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2649627B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP7150892A patent/JP2649627B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2649627B2 (ja) | 1997-09-03 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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