JPH05279810A - 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金 - Google Patents
耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金Info
- Publication number
- JPH05279810A JPH05279810A JP8112392A JP8112392A JPH05279810A JP H05279810 A JPH05279810 A JP H05279810A JP 8112392 A JP8112392 A JP 8112392A JP 8112392 A JP8112392 A JP 8112392A JP H05279810 A JPH05279810 A JP H05279810A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- molten salt
- corrosion resistance
- salt corrosion
- boiler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 title claims abstract description 33
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 title claims abstract description 33
- 150000003839 salts Chemical class 0.000 title claims abstract description 28
- 239000000956 alloy Substances 0.000 title claims abstract description 20
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 19
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 15
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 claims abstract description 15
- 229910052721 tungsten Inorganic materials 0.000 claims abstract description 13
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 claims abstract description 12
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims abstract description 11
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 claims abstract description 9
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims abstract description 5
- 229910052684 Cerium Inorganic materials 0.000 claims description 5
- 229910052746 lanthanum Inorganic materials 0.000 claims description 5
- 229910052726 zirconium Inorganic materials 0.000 claims description 3
- VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-M Chloride anion Chemical compound [Cl-] VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-M 0.000 abstract 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 14
- 239000000463 material Substances 0.000 description 9
- 239000003245 coal Substances 0.000 description 6
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 3
- 230000001012 protector Effects 0.000 description 3
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 3
- 229910018072 Al 2 O 3 Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000005275 alloying Methods 0.000 description 2
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 2
- 239000002956 ash Substances 0.000 description 1
- 229910000963 austenitic stainless steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000567 combustion gas Substances 0.000 description 1
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 239000010881 fly ash Substances 0.000 description 1
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 1
- 238000002309 gasification Methods 0.000 description 1
- 229910001293 incoloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000006698 induction Effects 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 239000003208 petroleum Substances 0.000 description 1
- BUKHSQBUKZIMLB-UHFFFAOYSA-L potassium;sodium;dichloride Chemical compound [Na+].[Cl-].[Cl-].[K+] BUKHSQBUKZIMLB-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 1
- 238000005204 segregation Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000004580 weight loss Effects 0.000 description 1
- 229910052727 yttrium Inorganic materials 0.000 description 1
Landscapes
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金、わ
けても溶融塩化物腐食に対する抵抗特性に優れた合金を
提供する。 【構成】 重量%で、C:0.1%以下、Si:2.5
%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03%以下、
S:0.005%以下、Al:0.01〜0.03%、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、残りがFeと不可避不純物から
なる組成を有し、かつ0.5Co+Ni+1.5Cr≦
75,1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2
W)≦2.8の条件を満足する組成を有する。
けても溶融塩化物腐食に対する抵抗特性に優れた合金を
提供する。 【構成】 重量%で、C:0.1%以下、Si:2.5
%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03%以下、
S:0.005%以下、Al:0.01〜0.03%、
Co:10〜25%、Cr:18〜28%、Ni:10
〜50%を含有し、Mo:2〜4%、W:8%以下の1
種または2種を含有し、残りがFeと不可避不純物から
なる組成を有し、かつ0.5Co+Ni+1.5Cr≦
75,1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2
W)≦2.8の条件を満足する組成を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭焚きボイラーにお
いて使用される鋼管、特に溶融塩腐食に対する優れた抵
抗性を示す合金に関する。
いて使用される鋼管、特に溶融塩腐食に対する優れた抵
抗性を示す合金に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料燃焼ボイラー、流動床反応器、石炭
のガス化、液化装置等に代表される高温エネルギー装置
は最近のエネルギー事情を反映して石炭利用技術として
注目されている。例えば、燃料燃焼ボイラーにあって
は、従来は石油利用が主体であったが、今日では代替エ
ネルギー利用の必要性が認識された結果、石炭利用が増
大する傾向となっている。
のガス化、液化装置等に代表される高温エネルギー装置
は最近のエネルギー事情を反映して石炭利用技術として
注目されている。例えば、燃料燃焼ボイラーにあって
は、従来は石油利用が主体であったが、今日では代替エ
ネルギー利用の必要性が認識された結果、石炭利用が増
大する傾向となっている。
【0003】しかし、かかる高温エネルギー装置にあっ
ても装置設計は石油利用の時の設計思想により行われて
おり、石炭利用となった時の問題点は十分には解決され
ていない。例えば、石炭火力ボイラーにおいても従来の
石油火力ボイラーと同様の材料構成にて製作されてい
る。ところが、石炭火力ボイラーにおいては石油火力ボ
イラーとは異なり、ボイラー内部で固形のアッシュ分が
クリンカとなって落下したり、溶融状態でフライアッシ
ュとして燃焼ガス流中に浮遊していたりするため、高温
溶融塩による著しい損傷を受ける。このような問題点は
当業者にもよく認識されているが、その解決策はまだ明
らかではなく、材料的な対策も殆どなく、経験的な設計
上の対応、例えば流速の低減、プロテクターの取り付け
等の対策が行われているにすぎない。しかし、設計的な
対処をもってしても、流速を制限した場合にも予想以上
に流速の早い偏流部ができたり、またプロテクターを用
いた場合にもプロテクター自体の損傷が早く、実際上効
果のない場合が多くある。
ても装置設計は石油利用の時の設計思想により行われて
おり、石炭利用となった時の問題点は十分には解決され
ていない。例えば、石炭火力ボイラーにおいても従来の
石油火力ボイラーと同様の材料構成にて製作されてい
る。ところが、石炭火力ボイラーにおいては石油火力ボ
イラーとは異なり、ボイラー内部で固形のアッシュ分が
クリンカとなって落下したり、溶融状態でフライアッシ
ュとして燃焼ガス流中に浮遊していたりするため、高温
溶融塩による著しい損傷を受ける。このような問題点は
当業者にもよく認識されているが、その解決策はまだ明
らかではなく、材料的な対策も殆どなく、経験的な設計
上の対応、例えば流速の低減、プロテクターの取り付け
等の対策が行われているにすぎない。しかし、設計的な
対処をもってしても、流速を制限した場合にも予想以上
に流速の早い偏流部ができたり、またプロテクターを用
いた場合にもプロテクター自体の損傷が早く、実際上効
果のない場合が多くある。
【0004】また、材料の観点からボイラーチューブと
しては、SUS304鋼、同じく321、347、32
1、316鋼等の18−8系オーステナイト系ステンレ
ス鋼が、さらにはインコロイ800、SUS310等の
合金が用いられる。さらに一般の高温用部材としては、
各種の高温用オーステナイト系ステンレス鋼が用いられ
ているが、これらはいずれも溶融塩腐食に対する抵抗性
を考慮したものではなく、石油火力ボイラー等での経験
をもとに使用されているにすぎない。
しては、SUS304鋼、同じく321、347、32
1、316鋼等の18−8系オーステナイト系ステンレ
ス鋼が、さらにはインコロイ800、SUS310等の
合金が用いられる。さらに一般の高温用部材としては、
各種の高温用オーステナイト系ステンレス鋼が用いられ
ているが、これらはいずれも溶融塩腐食に対する抵抗性
を考慮したものではなく、石油火力ボイラー等での経験
をもとに使用されているにすぎない。
【0005】すでに述べたように、溶融塩腐食を防止す
る材料的対策は殆どないのが現状であるが、材料的対策
があれば、逆に装置設計に余裕が生じ、装置の小型化、
熱効率の向上などの利益も期待できる。
る材料的対策は殆どないのが現状であるが、材料的対策
があれば、逆に装置設計に余裕が生じ、装置の小型化、
熱効率の向上などの利益も期待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、石炭火力ボイラーにみられるような溶融塩腐食
に対する優れた抵抗性を有する材料を提供することにあ
る。
ころは、石炭火力ボイラーにみられるような溶融塩腐食
に対する優れた抵抗性を有する材料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、残りがFeと不可避不純物
からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
ろは下記のとおりである。 (1)重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、残りがFeと不可避不純物
からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
【0008】(2)重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Hf:0.2%以下、 Zr:0.2%以下 のうちの1種または2種を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
【0009】(3)重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Y:0.1%以下、 La:0.1%以下、 Ce:0.1%以下 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
【0010】(4)重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Hf:0.2%以下、 Zr:0.2%以下 のうちの1種または2種と Y:0.1%以下、 La:0.1%以下、 Ce:0.1%以下 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【作用】最初に本発明において各成分範囲を前記の如く
限定した理由を述べる。Cは0.1%を越えると加工性
が劣化すること、および粒界腐食割れが発生しやすくな
ることから、その上限値を0.1%と定めた。Siは脱
酸成分として必要な成分であるが、その含有量が2.5
%を越えると熱間加工性が劣化するので、上限値を2.
5%と定めた。
限定した理由を述べる。Cは0.1%を越えると加工性
が劣化すること、および粒界腐食割れが発生しやすくな
ることから、その上限値を0.1%と定めた。Siは脱
酸成分として必要な成分であるが、その含有量が2.5
%を越えると熱間加工性が劣化するので、上限値を2.
5%と定めた。
【0013】MnはSiと同様に脱酸作用があるが、過
剰に添加すると脆化するのでその上限値を1.0%と定
めた。Pは不可避不純物であるが、その含有量が0.0
3%を越えると粒界偏析が著しくなることから、上限値
を0.03%と定めた。Sは不可避不純物であるが、そ
の含有量が0.005%を越えると熱間加工性が著しく
劣化し、製造不能となるので、上限値を0.005%と
定めた。
剰に添加すると脆化するのでその上限値を1.0%と定
めた。Pは不可避不純物であるが、その含有量が0.0
3%を越えると粒界偏析が著しくなることから、上限値
を0.03%と定めた。Sは不可避不純物であるが、そ
の含有量が0.005%を越えると熱間加工性が著しく
劣化し、製造不能となるので、上限値を0.005%と
定めた。
【0014】Alは脱酸材としての効用は言うまでもな
いが、合金表面にAl2O3を生成させ、溶融塩による損
傷を低減させることができる。しかし、その添加量が
0.01%未満ではAl2O3皮膜を生成しないので、下
限値を0.01%とする必要がある。一方、0.03%
を越えて添加すると加工性が劣化するので、上限値を
0.03%とした。
いが、合金表面にAl2O3を生成させ、溶融塩による損
傷を低減させることができる。しかし、その添加量が
0.01%未満ではAl2O3皮膜を生成しないので、下
限値を0.01%とする必要がある。一方、0.03%
を越えて添加すると加工性が劣化するので、上限値を
0.03%とした。
【0015】Co、Ni、Cr、MoおよびWは耐溶融
塩腐食性および耐食性を改善するが、各元素を単独で添
加しただけではそれらの効果は現れず、複合添加によっ
てのみ効果が発揮される。そこで、本発明者らは400
℃の高温ボイラー環境で耐溶融塩腐食性に優れた材料を
得るべく研究を行った結果、 (1)Co、NiおよびCr量が 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 の条件を満足し、かつ (2)Ni、Cr、Co、Mo、W量が 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足する場合には、下記の添加量の範囲で最も
効果的に合金元素の有する特性を発揮することが明らか
となった。
塩腐食性および耐食性を改善するが、各元素を単独で添
加しただけではそれらの効果は現れず、複合添加によっ
てのみ効果が発揮される。そこで、本発明者らは400
℃の高温ボイラー環境で耐溶融塩腐食性に優れた材料を
得るべく研究を行った結果、 (1)Co、NiおよびCr量が 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 の条件を満足し、かつ (2)Ni、Cr、Co、Mo、W量が 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足する場合には、下記の添加量の範囲で最も
効果的に合金元素の有する特性を発揮することが明らか
となった。
【0016】Coは、Ni、Cr、MoおよびWとの共
存で耐溶融塩腐食特性を向上させる元素であるが、その
含有量が10%未満では著しい効果はなく、所望の耐溶
融塩腐食性を得るには他の合金元素量を増加させる必要
があり、経済的に不利であるから、その下限値を10%
と定めた。一方、その含有量が25%を越えると加工性
が低下することから、上限値を25%と定めた。
存で耐溶融塩腐食特性を向上させる元素であるが、その
含有量が10%未満では著しい効果はなく、所望の耐溶
融塩腐食性を得るには他の合金元素量を増加させる必要
があり、経済的に不利であるから、その下限値を10%
と定めた。一方、その含有量が25%を越えると加工性
が低下することから、上限値を25%と定めた。
【0017】Niは耐食性を改善させる効果があるが、
10%未満ではその効果はなく、所望の耐食性を得るに
は他の合金元素量を増加させる必要があり、経済的でな
いことから、その下限値を10%と定めた。一方、50
%を越えても効果の一段の向上は認められず、経済性を
考慮して、その上限値を50%とした。CrはNi、M
o、Wとの共存で著しく耐食性を改善する元素である
が、18%未満の添加では著しい効果は得られず、一方
28%を越えて添加しても効果の一段の向上は認められ
ないことから、その上限値を28%とした。
10%未満ではその効果はなく、所望の耐食性を得るに
は他の合金元素量を増加させる必要があり、経済的でな
いことから、その下限値を10%と定めた。一方、50
%を越えても効果の一段の向上は認められず、経済性を
考慮して、その上限値を50%とした。CrはNi、M
o、Wとの共存で著しく耐食性を改善する元素である
が、18%未満の添加では著しい効果は得られず、一方
28%を越えて添加しても効果の一段の向上は認められ
ないことから、その上限値を28%とした。
【0018】MoはCoとともに耐溶融塩腐食性を向上
させ、特に硬度の上昇から耐溶融塩腐食性を向上させる
作用がある。しかし2%未満では硬度が十分でなく、一
方4%を越えて添加しても硬度が上昇し過ぎて加工性が
劣化するので、その添加範囲を2〜4%とした。WもM
oと同様に硬度上昇によって耐溶融塩腐食性を改善する
が、8%を越えて添加しても効果の一段の向上はない
上、加工性が劣化するので、その上限値を8%とした。
させ、特に硬度の上昇から耐溶融塩腐食性を向上させる
作用がある。しかし2%未満では硬度が十分でなく、一
方4%を越えて添加しても硬度が上昇し過ぎて加工性が
劣化するので、その添加範囲を2〜4%とした。WもM
oと同様に硬度上昇によって耐溶融塩腐食性を改善する
が、8%を越えて添加しても効果の一段の向上はない
上、加工性が劣化するので、その上限値を8%とした。
【0019】Hfは微量の添加でも高温での強度を改善
することから、その上限値を0.2%と定めた。Zrは
脱酸元素として作用するが、その添加量が0.2%を越
えても一段の効果は認められないので、上限値を0.2
%と定めた。Y、LaおよびCeには熱間加工性をさら
に改善する均等化作用があるので、きびしい条件で熱間
加工が行われる場合には必要に応じて添加されるが、ど
の元素も0.1%を越えて添加しても効果の一段の向上
は認められず、むしろ劣化現象さえ現れるので、それぞ
れ含有量を0.1%以下とした。
することから、その上限値を0.2%と定めた。Zrは
脱酸元素として作用するが、その添加量が0.2%を越
えても一段の効果は認められないので、上限値を0.2
%と定めた。Y、LaおよびCeには熱間加工性をさら
に改善する均等化作用があるので、きびしい条件で熱間
加工が行われる場合には必要に応じて添加されるが、ど
の元素も0.1%を越えて添加しても効果の一段の向上
は認められず、むしろ劣化現象さえ現れるので、それぞ
れ含有量を0.1%以下とした。
【0020】本発明者らはCo、Ni、Crを変化させ
た合金を溶製し、鋳造し、熱間圧延して板厚7mmの板
材とし、次いでこの板材に、温度1050℃に30分保
持後、水冷の熱処理を施した後、板材から圧延方向と直
角に、厚さ2mm、幅15mm、長さ20mmの試験片
を切り出し、この試験片を400℃に加熱した装置中に
保持し、NaCl−KClの混合溶融塩を塗布して50
0時間にわたって試験を行い、試験前後における腐食損
傷の程度を観察した。これらの結果を科学的に解析した
結果、Co、Ni、Crの間には前述の条件が存在する
ことが明らかになった。
た合金を溶製し、鋳造し、熱間圧延して板厚7mmの板
材とし、次いでこの板材に、温度1050℃に30分保
持後、水冷の熱処理を施した後、板材から圧延方向と直
角に、厚さ2mm、幅15mm、長さ20mmの試験片
を切り出し、この試験片を400℃に加熱した装置中に
保持し、NaCl−KClの混合溶融塩を塗布して50
0時間にわたって試験を行い、試験前後における腐食損
傷の程度を観察した。これらの結果を科学的に解析した
結果、Co、Ni、Crの間には前述の条件が存在する
ことが明らかになった。
【0021】
【実施例】表1〜3に示される成分組成の合金それぞれ
1tonを真空誘導加熱炉を用いて溶解し、ESR処理
で清浄化して断面500mm×250mmのインゴット
に鋳造した後、熱間圧延して板厚7mmの板材とし、次
いでこの板材に、温度1050℃に30分保持後、水冷
の熱処理を施した後、板材から圧延方向と直角に、厚さ
2mm、幅15mm、長さ20mmの試験片を切り出
し、この試験片にNaCl−KClの混合塩を塗布して
400℃に加熱した装置中に保持し、500時間にわた
って試験を行い、試験前後における腐食の程度を測定し
た結果を表1〜3に示した。
1tonを真空誘導加熱炉を用いて溶解し、ESR処理
で清浄化して断面500mm×250mmのインゴット
に鋳造した後、熱間圧延して板厚7mmの板材とし、次
いでこの板材に、温度1050℃に30分保持後、水冷
の熱処理を施した後、板材から圧延方向と直角に、厚さ
2mm、幅15mm、長さ20mmの試験片を切り出
し、この試験片にNaCl−KClの混合塩を塗布して
400℃に加熱した装置中に保持し、500時間にわた
って試験を行い、試験前後における腐食の程度を測定し
た結果を表1〜3に示した。
【0022】表1〜3に示される結果から、比較合金材
は耐溶融塩腐食性が劣っているのに対して、本発明合金
1〜37はいずれの材料も腐食減量が少なく、耐溶融塩
腐食性に優れた特性を有することが明らかである。
は耐溶融塩腐食性が劣っているのに対して、本発明合金
1〜37はいずれの材料も腐食減量が少なく、耐溶融塩
腐食性に優れた特性を有することが明らかである。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、溶融塩腐食に対する優
れた抵抗性を有する合金が得られるので、近年注目され
ている高温エネルギー装置の実用化および普及に寄与す
るところ極めて大である。
れた抵抗性を有する合金が得られるので、近年注目され
ている高温エネルギー装置の実用化および普及に寄与す
るところ極めて大である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、残りがFeと不可避不純物
からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。 - 【請求項2】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Hf:0.2%以下、 Zr:0.2%以下 のうちの1種または2種を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。 - 【請求項3】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Y:0.1%以下、 La:0.1%以下、 Ce:0.1%以下 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。 - 【請求項4】 重量%で、 C:0.1%以下、 Si:2.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P:0.03%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.01〜0.03%、 Co:10〜25%、 Cr:18〜28%、 Ni:10〜50% を含有し、 Mo:2〜4%、 W:8%以下 の1種または2種を含有し、さらに Hf:0.2%以下、 Zr:0.2%以下 のうちの1種または2種と Y:0.1%以下、 La:0.1%以下、 Ce:0.1%以下 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成を有し、かつ 0.5Co+Ni+1.5Cr≦75 1.2≦(Ni+Cr)/(Co+Mo+1/2W)≦
2.8 の条件を満足することを特徴とする耐溶融塩腐食性に優
れたボイラー用合金。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8112392A JPH05279810A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金 |
EP92120983A EP0546517A1 (en) | 1991-12-10 | 1992-12-09 | Corrosion-erosion resistant alloy for use in boilers, and composite tube with this alloy |
CA 2084912 CA2084912A1 (en) | 1991-12-10 | 1992-12-09 | Alloy and composite steel tube with erosion resistance for use in boilers |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8112392A JPH05279810A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279810A true JPH05279810A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13737616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8112392A Pending JPH05279810A (ja) | 1991-12-10 | 1992-04-02 | 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05279810A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05163552A (ja) * | 1991-12-10 | 1993-06-29 | Nippon Steel Corp | 耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 |
-
1992
- 1992-04-02 JP JP8112392A patent/JPH05279810A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05163552A (ja) * | 1991-12-10 | 1993-06-29 | Nippon Steel Corp | 耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101978082B (zh) | Ni基合金 | |
JP4823930B2 (ja) | 耐酸腐食鋼 | |
KR100511653B1 (ko) | 내황산 노점 부식성이 우수한 강 및 공기 예열기 | |
EP0549286A1 (en) | High temperature resistant Ni-Cr alloy | |
KR930005899B1 (ko) | 내열용 오스테나이트계 스텐레스강 | |
JP2002241900A (ja) | 耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 | |
CA3020420C (en) | Ferritic alloy | |
KR100482706B1 (ko) | 오스테나이트스테인레스강및그의용도 | |
JPH05279810A (ja) | 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金 | |
JP2536802B2 (ja) | 耐エロ―ジョン性に優れたボイラ―用合金 | |
JPH05279811A (ja) | 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金 | |
JPH05279785A (ja) | 耐溶融塩腐食性に優れたボイラー用合金 | |
JP2649627B2 (ja) | 熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 | |
JPH1096038A (ja) | 高Crオーステナイト系耐熱合金 | |
JPH06145910A (ja) | 現地加工性に優れたボイラー用合金 | |
JPH05271846A (ja) | 耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 | |
JPH05271849A (ja) | 熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 | |
JPH05271845A (ja) | 熱間加工性および耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 | |
JPH05271847A (ja) | 耐エロージョン性に優れたボイラー用合金 | |
JPH06145857A (ja) | 現地加工性に優れたボイラー用合金 | |
JP3840762B2 (ja) | 冷間加工性に優れた耐熱鋼 | |
JPH06145909A (ja) | 現地加工性に優れたボイラー用合金 | |
JPS63190144A (ja) | 高温用オ−ステナイト系ステンレス鋼 | |
JPH0577727B2 (ja) | ||
CN119411025A (zh) | 适用于页岩油原位转化加热井环境的耐蚀钢及其制备方法 |