JPH05271708A - 射出成形用組成物 - Google Patents

射出成形用組成物

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JPH05271708A
JPH05271708A JP14088192A JP14088192A JPH05271708A JP H05271708 A JPH05271708 A JP H05271708A JP 14088192 A JP14088192 A JP 14088192A JP 14088192 A JP14088192 A JP 14088192A JP H05271708 A JPH05271708 A JP H05271708A
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JP
Japan
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injection molding
binder
injection
composition
sintering
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JP14088192A
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English (en)
Inventor
Masakazu Enboku
正和 遠北
Akihito Otsuka
昭仁 大塚
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属または合金より成る焼結用粉末とバイン
ダーを含有する射出成形用組成物であって、前記バイン
ダーは、軟化点が50〜90℃のワックス類と、メルト
フローレート(ASTM D 1236,230℃)が
100〜300g/10分の熱可塑性樹脂と、分散剤と
してのアルミニウムカップリング剤とから成り、アルミ
ニウムカップリング剤は、バインダー当たり0.05〜
7容量%の量で使用されていることを特徴とする。 【効果】 射出成形用組成物中の焼結用粉末を充分均一
に分散させることが可能となり、クラック等の欠陥のな
い最終焼結製品を高い寸法精度で製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形焼結製品の製
造に供される射出成形用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】射出成形粉末冶金法は、金属粉末等の焼結
用粉末とバインダーとを混練して得られる射出成形用組
成物を所定形状の金型に射出成形し、得られた成形品を
加熱して脱バインダーした後に焼結を行うことにより焼
結製品を製造する方法であり、特に三次元的な複雑な形
状を有する製品やナイフエッジ部のような薄肉部を有す
る製品を製造するのに有効な方法である(特開昭57−
16103号公報、特開昭57−26105号公報等参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来公知
の射出成形用組成物は、焼結用粉末の分散性が不十分で
あり、このために、脱バインダー時あるいは焼結時に変
形、膨れ、陥没、クラック等の種々の欠陥を生じたり、
その射出成形品から得られる焼結製品は形伏のバラツキ
が大きく、寸法精度が極めて不満足なものとなるという
問題があった。従って本発明の目的は、焼結用粉末が均
一に分散され、脱バインダー時における欠陥の発生及び
焼結時の変形の発生を有効に回避することができる射出
成形用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属ま
たは合金より成る焼結用粉末とバインダーを含有する射
出成形用組成物であって、前記バインダーは、軟化点が
50〜90℃のワックス類と、メルトフローレート(A
STM D1236,230℃)が100〜300g/
10分の熱可塑性樹脂と、分散剤としてのアルミニウム
カップリング剤とから成り、且つ該バインダーは、全体
当たり35〜70容量%の量で含有されており、前記ア
ルミニウムカップリング剤は、バインダー当たり0.0
5〜7容量%の量で使用されていることを特徴とする射
出成形用組成物が提供される。
【0005】
【作用】本発明の重要な特徴は、バインダーとしてワッ
クス類と熱可塑性樹脂とを併用するとともに、分散剤と
してアルミニウムカップリング剤を使用した点にある。
即ち、アルミニウムカップリング剤は、バインダー中の
熱可塑性樹詣との相溶性に優れているとともに、焼結用
粉末との親和性にも優れている。従って、本発明の組成
物においては、このアルミニウムカップリング剤が焼結
用粉末と熱可塑性樹脂との橋渡し的役割を果たし、この
結果として、焼結用粉末の沈降によるバインダーとの分
離が有効に回避され、均一分散性が確保されるのであ
る。
【0006】焼結用粉末 本発明において、焼結用粉末としては、鉄、銅、ニッケ
ル等の金属粉末や、これら金属の合金の粉末が、最終的
に製造する焼結製品の用途等に応じて使用される。
【0007】バインダー 本発明の射出成形用組成物においては、焼結用粉末の射
出成形を可能とし且つ得られる射出成形体に一定の強度
を確保するために、全体当たり35〜70容量%の量で
バインダーが含まれる。このバインダーの含有量が35
容量%未満では組成物の流動性も低下して射出成形が困
難となる。また70容量%を超えると、成形時に成形体
表面に面引けと称する欠陥が生じ、また得られる射出成
形体中の焼結用粉末の充填密度が低くなり、最終的に得
られる焼結製品の密度を向上させることが困難となる。
【0008】本発明において、上記バインダーとして
は、先に述べた通り、ワックス類と熱可塑性樹脂と分散
剤とを組み合わせて使用する。ワックス類は、射出成形
時における組成物の流動性向上に寄与するものであり、
軟化点が50〜90℃のものが使用される。軟化点が5
0℃未満では射出成形作業のサイクルタイムが長くな
り、また軟化しやすいために成形時の作業性が著しく低
下する。また軟化点が90℃を超えるものを使用する
と、組成物の流動性が低下するとともに、熱分解点が高
くなるので脱バインダー性が低下する。本発明におい
て、かかるワックス類としては、例えばパラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエ
チレンワックス、変性ワックス等が好適である。
【0009】熱可塑性樹脂は、射出成形後の成形体の形
状保持に寄与するものであり、MFRが100〜300
g/10分のものが使用される。MFRが100g/1
0分未満では、射出成形性が不満足なものとなり、また
300g/10分を超えるものを用いると、射出成形体
の強度や形状保持性が低下する。本発明において、かか
る熱可塑性樹脂として好適に使用されるものとしては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・アクリレート共重合体、ポ
リスチレン等を挙げることができる。
【0010】本発明において、上記のワックス類と熱可
塑性樹脂とは、重量基準で4:1〜1:4、特に3:1
〜1:3の割合で使用することが好適である。ワックス
類の使用量がこの範囲よりも多量であると、射出成形体
の強度が不満足なものとなり、成形体の形状保持が困難
となるおそれがあり、また上記範囲よりも少量である
と、組成物の粘性が高くなって射出成形が困難となると
ともに、脱バインダー処理も困難となるおそれがある。
【0011】本発明において、分散剤として使用するア
ルミニウムカップリング剤としては、例えばアルミニウ
ムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシ
ド、及び下記式(1)、(2)または(3)、
【化1】
【化2】
【化3】 〔式中、Rはアルキル基を示す〕等で表されるアルミニ
ウム有機錯化合物を挙げることができる。かかるアルミ
ニウムカップリング剤は、バインダー全体当たり、0.
05〜7容量%の量で使用される。0.05容量%未満
では、本発明の目的とする分散性改良効果が充分でな
く、脱バインダー時や焼結時において欠陥を生じやすく
なる。また7容量%を超えると、得られる射出成形体の
強度が低下し、射出成形終了時に金型から成形体を取り
出す際に破損を生じやすくなり、射出成形作業が困難と
なる。
【0012】射出成形用組成物 本発明の射出成形用組成物は、焼結用粉末、バインダー
及び分散剤を上述した割合で均一に混練することによっ
て容易に調製される。この組成物は、射出成形、脱バイ
ンダー及び焼結の各工程を経て最終製品とされる。
【0013】射出成形は、プラスチックの射出成形に使
用されている通常の射出成形機を用いて行うことが可能
であり、例えば加熱温度80〜200℃、射出圧力50
0〜2000kg/cmの条件で射出成形が行われ
る。射出成形作業における射出成形体の製品率は、体積
比で通常25〜85%程度であり、残りの75〜15%
(主にスプルー部、ランナー部)は、再び射出成形に供
せられて同上の比率で製品となり、残りは再びリサイク
ルされる。このようなリサイクルは、通常、数回繰り返
される。脱バインダー処理は、射出成形体を加熱処理す
ることによって行われるが、焼結用扮末として酸化され
やすい金属が使用されている場合には、加熱処理を不活
性ガス雰囲気下または還元性雰囲気下で行うことが好適
である。加熱温度は、一般に12〜3O℃/h程度の昇
温速度で250〜300℃程度とされる。焼結は、使用
する焼結用粉末の種類によっても異なるが、一般に12
00〜1700℃の温度で1〜4時間程度行われる。
【0014】
【実施例】実施例1〜6 バインダー用のワックス類として、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチ
レンワックス、あるいは変性ワックスを使用し、バイン
ダー用の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA)、またはエチレン・アクリレート共重
合体(PAC)を使用する。また分散剤としては、川研
ファインケミカル社製のアルミニウムカップリング剤を
使用する。
【0015】平均粒径が約5μmのカルボニル鉄粉末
に、表1に示す種類及び量のバインダー、及び同表に示
す量の分散剤を混合、混練して射出成形用組成物を調製
した。次いで、ピンポイントゲート方式の金型を用い、
射出速度100mm/秒の条件で、上記の各組成物につ
いて射出成形を行い、ピッチ円直径20mm、厚さ5m
m、歯数18のギヤ形状の成形体を作成した。このとき
の各組成物の射出成形性を、射出金型への充填不良の有
無、成形体のクラックの有無及び成形体を射出金型から
取り出すときに発生する成形体の破損の有無により評価
した。結果は表2に示す。
【0016】さらに上記で得られた成形体を、窒素気流
中で加熱してバインダー残量が成形体の1重量%以下に
なるまで脱バインダー処理を行なった。処理後の成形体
を観察し、変形等の欠陥の有無により、脱バインダー性
の評価を行った。結果を表2に示す。
【0017】また脱バインダー処理が行われた成形体
を、1350℃、真空中で2時間焼結処理を行って焼結
製品を得た。得られた焼結製品のクラック等の欠陥や変
形の有無、及び焼結製品の直径の寸法(最大及び最小
値)ならびにそのばらつき幅を測定することにより、焼
結性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0018】比較例1 分散剤を使用しない以外は、上記の実施例と同様にして
射出成形用組成物を調製し、該組成物を用いて射出成
形、脱バインダー処理及び焼結を行い、且つ同様の評価
を行った。評価結果は表2に示す。
【0019】比較例2 分散剤を本発明で規定する範囲よりも多量に使用した以
外は、上記の実施例と同様にして射出成形用組成物を調
製し、該組成物を用いて射出成形、脱バインダー処理及
び焼結を行い、且つ同様の評価を行った。評価結果は表
2に示す。
【0020】比較例3、4 分散剤としてカルナバワックスを使用した以外は、上記
の実施例と同様にして射出成形用組成物を調製し、該組
成物を用いて射出成形、脱バインダー処理及び焼結を行
い、且つ同様の評価を行った。評価結果は表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】上記の表2の評価結果から明らかな通り、
本発明の射出成形用組成物においては、射出成形性が良
好であり、脱バインダー処理時及び焼結時において欠陥
の発生がなく、得られる焼結体の寸法のばらつきが、比
較例の組成物から得られる焼結体に比して、1/3〜1
/10の範囲に大幅に低減されていることが了解され
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、射出成形用組成物中の
焼結用粉末を充分均一に分散させることが可能となり、
クラック等の欠陥のない最終焼結製品を高い寸法精度で
製造することができる。本発明の射出成形用組成物は、
複雑な三次元形状を有する焼結製品の製造に極めて有用
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】バインダー 本発明の射出成形用組成物においては、焼結用粉末の射
出成形を可能とし且つ得られる射出成形体に一定の強度
を確保するために、全体当たり35〜70容量%の量でバイ
ンダーが含まれる。このバインダーの含有量が35容量%
未満では組成物の流動性が低下して射出成形が困難とな
る。また70容量%を超えると、成形時に成形体表面に面
引けと称する欠陥が生じ、また得られる射出成形体中の
焼結用粉末の充填密度が低くなり、最終的に得られる焼
結製品の密度を向上させることが困難となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】熱可塑性樹脂は、射出成形後の成形体の形
状保持に寄与するものであり、メルトフローレート(M
FR)が 100〜300 g/10分のものが使用される。MF
Rが100g/10分未満では、射出成形性が不満足なもの
となり、また 300g/10分を超えるものを用いると、射
出成形体の強度や形状保持性が低下する。本発明におい
て、かかる熱可塑性樹脂として好適に使用されるものと
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリレート共重
合体、ポリスチレン等を挙げることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】射出成形は、プラスチックの射出成形に使
用されている通常の射出成形機を用いて行うことが可能
であり、例えば加熱温度80〜200 ℃、射出圧力 500〜20
00kg/cm2 の条件で射出成形が行われる。射出成形作業
における射出成形体の製品率は、体積比で通常25〜85%
程度であり、残りの75〜15%(主にスプルー部、ランナ
ー部)は、再び射出成形に供せられて同上の比率で製品
となり、残りは再びリサイクルされる。このようなリサ
イクルは、通常、数回繰り返される。脱バインダー処理
は、射出成形体を加熱処理することによって行われる
が、焼結用粉末として酸化されやすい金属が使用されて
いる場合には、加熱処理を不活性ガス雰囲気下または還
元性雰囲気下で行うことが好適である。加熱温度は、一
般に10〜30℃/h程度の昇温速度で 250〜300 ℃程度と
される。焼結は、使用する焼結用粉末の種類によっても
異なるが、一般に1000〜1500℃の温度で1〜4時間程度
行われる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【実施例】実施例1〜6 バインダー用のワックス類として、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチ
レンワックス、あるいは変性ワックスを使用し、バイン
ダー用の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA)、ポリスチレン(PS)、またはエチ
レン・アクリレート共重合体(PAC)を使用する。ま
た分散剤としては、川研ファインケミカル社製のアルミ
ニウムカップリング剤を使用する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属または合金より成る焼結用粉末とバ
    インダーを含有する射出成形用組成物であって、 前記バインダーは、軟化点が50〜90℃のワックス類
    と、メルトフローレート(ASTMD1236,230
    ℃)が100〜300g/10分の熱可塑性樹脂と、分
    散剤としてのアルミニウムカップリング剤とから成り、
    且つ該バインダーは、全体当たり35〜70容量%の量
    で含有されており、 前記アルミニウムカップリング剤は、バインダー当たり
    0.05〜7容量%の量で使用されていることを特徴と
    する射出成形用組成物。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウムカップリング剤が、ア
    ルミニウムアルコキシド、またはアルミニウム有機錯化
    合物である請求項1に記載の射出成形用組成物。
  3. 【請求項3】 前記ワックス類と熱可塑性樹脂とは、重
    量基準で4:1〜1:4の割合で使用されている請求項
    1に記載の射出成形用組成物。
JP14088192A 1992-03-27 1992-03-27 射出成形用組成物 Pending JPH05271708A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6005037A (en) * 1994-10-31 1999-12-21 Hoechst Ag Molding material for processing sinterable polymers
WO2011125590A1 (ja) * 2010-03-31 2011-10-13 日東電工株式会社 永久磁石及び永久磁石の製造方法

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