JPH05271708A - 射出成形用組成物 - Google Patents
射出成形用組成物Info
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- JPH05271708A JPH05271708A JP14088192A JP14088192A JPH05271708A JP H05271708 A JPH05271708 A JP H05271708A JP 14088192 A JP14088192 A JP 14088192A JP 14088192 A JP14088192 A JP 14088192A JP H05271708 A JPH05271708 A JP H05271708A
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- injection molding
- binder
- injection
- composition
- sintering
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 金属または合金より成る焼結用粉末とバイン
ダーを含有する射出成形用組成物であって、前記バイン
ダーは、軟化点が50〜90℃のワックス類と、メルト
フローレート(ASTM D 1236,230℃)が
100〜300g/10分の熱可塑性樹脂と、分散剤と
してのアルミニウムカップリング剤とから成り、アルミ
ニウムカップリング剤は、バインダー当たり0.05〜
7容量%の量で使用されていることを特徴とする。 【効果】 射出成形用組成物中の焼結用粉末を充分均一
に分散させることが可能となり、クラック等の欠陥のな
い最終焼結製品を高い寸法精度で製造することができ
る。
ダーを含有する射出成形用組成物であって、前記バイン
ダーは、軟化点が50〜90℃のワックス類と、メルト
フローレート(ASTM D 1236,230℃)が
100〜300g/10分の熱可塑性樹脂と、分散剤と
してのアルミニウムカップリング剤とから成り、アルミ
ニウムカップリング剤は、バインダー当たり0.05〜
7容量%の量で使用されていることを特徴とする。 【効果】 射出成形用組成物中の焼結用粉末を充分均一
に分散させることが可能となり、クラック等の欠陥のな
い最終焼結製品を高い寸法精度で製造することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形焼結製品の製
造に供される射出成形用組成物に関する。
造に供される射出成形用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】射出成形粉末冶金法は、金属粉末等の焼結
用粉末とバインダーとを混練して得られる射出成形用組
成物を所定形状の金型に射出成形し、得られた成形品を
加熱して脱バインダーした後に焼結を行うことにより焼
結製品を製造する方法であり、特に三次元的な複雑な形
状を有する製品やナイフエッジ部のような薄肉部を有す
る製品を製造するのに有効な方法である(特開昭57−
16103号公報、特開昭57−26105号公報等参
照)。
用粉末とバインダーとを混練して得られる射出成形用組
成物を所定形状の金型に射出成形し、得られた成形品を
加熱して脱バインダーした後に焼結を行うことにより焼
結製品を製造する方法であり、特に三次元的な複雑な形
状を有する製品やナイフエッジ部のような薄肉部を有す
る製品を製造するのに有効な方法である(特開昭57−
16103号公報、特開昭57−26105号公報等参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来公知
の射出成形用組成物は、焼結用粉末の分散性が不十分で
あり、このために、脱バインダー時あるいは焼結時に変
形、膨れ、陥没、クラック等の種々の欠陥を生じたり、
その射出成形品から得られる焼結製品は形伏のバラツキ
が大きく、寸法精度が極めて不満足なものとなるという
問題があった。従って本発明の目的は、焼結用粉末が均
一に分散され、脱バインダー時における欠陥の発生及び
焼結時の変形の発生を有効に回避することができる射出
成形用組成物を提供することにある。
の射出成形用組成物は、焼結用粉末の分散性が不十分で
あり、このために、脱バインダー時あるいは焼結時に変
形、膨れ、陥没、クラック等の種々の欠陥を生じたり、
その射出成形品から得られる焼結製品は形伏のバラツキ
が大きく、寸法精度が極めて不満足なものとなるという
問題があった。従って本発明の目的は、焼結用粉末が均
一に分散され、脱バインダー時における欠陥の発生及び
焼結時の変形の発生を有効に回避することができる射出
成形用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属ま
たは合金より成る焼結用粉末とバインダーを含有する射
出成形用組成物であって、前記バインダーは、軟化点が
50〜90℃のワックス類と、メルトフローレート(A
STM D1236,230℃)が100〜300g/
10分の熱可塑性樹脂と、分散剤としてのアルミニウム
カップリング剤とから成り、且つ該バインダーは、全体
当たり35〜70容量%の量で含有されており、前記ア
ルミニウムカップリング剤は、バインダー当たり0.0
5〜7容量%の量で使用されていることを特徴とする射
出成形用組成物が提供される。
たは合金より成る焼結用粉末とバインダーを含有する射
出成形用組成物であって、前記バインダーは、軟化点が
50〜90℃のワックス類と、メルトフローレート(A
STM D1236,230℃)が100〜300g/
10分の熱可塑性樹脂と、分散剤としてのアルミニウム
カップリング剤とから成り、且つ該バインダーは、全体
当たり35〜70容量%の量で含有されており、前記ア
ルミニウムカップリング剤は、バインダー当たり0.0
5〜7容量%の量で使用されていることを特徴とする射
出成形用組成物が提供される。
【0005】
【作用】本発明の重要な特徴は、バインダーとしてワッ
クス類と熱可塑性樹脂とを併用するとともに、分散剤と
してアルミニウムカップリング剤を使用した点にある。
即ち、アルミニウムカップリング剤は、バインダー中の
熱可塑性樹詣との相溶性に優れているとともに、焼結用
粉末との親和性にも優れている。従って、本発明の組成
物においては、このアルミニウムカップリング剤が焼結
用粉末と熱可塑性樹脂との橋渡し的役割を果たし、この
結果として、焼結用粉末の沈降によるバインダーとの分
離が有効に回避され、均一分散性が確保されるのであ
る。
クス類と熱可塑性樹脂とを併用するとともに、分散剤と
してアルミニウムカップリング剤を使用した点にある。
即ち、アルミニウムカップリング剤は、バインダー中の
熱可塑性樹詣との相溶性に優れているとともに、焼結用
粉末との親和性にも優れている。従って、本発明の組成
物においては、このアルミニウムカップリング剤が焼結
用粉末と熱可塑性樹脂との橋渡し的役割を果たし、この
結果として、焼結用粉末の沈降によるバインダーとの分
離が有効に回避され、均一分散性が確保されるのであ
る。
【0006】焼結用粉末 本発明において、焼結用粉末としては、鉄、銅、ニッケ
ル等の金属粉末や、これら金属の合金の粉末が、最終的
に製造する焼結製品の用途等に応じて使用される。
ル等の金属粉末や、これら金属の合金の粉末が、最終的
に製造する焼結製品の用途等に応じて使用される。
【0007】バインダー 本発明の射出成形用組成物においては、焼結用粉末の射
出成形を可能とし且つ得られる射出成形体に一定の強度
を確保するために、全体当たり35〜70容量%の量で
バインダーが含まれる。このバインダーの含有量が35
容量%未満では組成物の流動性も低下して射出成形が困
難となる。また70容量%を超えると、成形時に成形体
表面に面引けと称する欠陥が生じ、また得られる射出成
形体中の焼結用粉末の充填密度が低くなり、最終的に得
られる焼結製品の密度を向上させることが困難となる。
出成形を可能とし且つ得られる射出成形体に一定の強度
を確保するために、全体当たり35〜70容量%の量で
バインダーが含まれる。このバインダーの含有量が35
容量%未満では組成物の流動性も低下して射出成形が困
難となる。また70容量%を超えると、成形時に成形体
表面に面引けと称する欠陥が生じ、また得られる射出成
形体中の焼結用粉末の充填密度が低くなり、最終的に得
られる焼結製品の密度を向上させることが困難となる。
【0008】本発明において、上記バインダーとして
は、先に述べた通り、ワックス類と熱可塑性樹脂と分散
剤とを組み合わせて使用する。ワックス類は、射出成形
時における組成物の流動性向上に寄与するものであり、
軟化点が50〜90℃のものが使用される。軟化点が5
0℃未満では射出成形作業のサイクルタイムが長くな
り、また軟化しやすいために成形時の作業性が著しく低
下する。また軟化点が90℃を超えるものを使用する
と、組成物の流動性が低下するとともに、熱分解点が高
くなるので脱バインダー性が低下する。本発明におい
て、かかるワックス類としては、例えばパラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエ
チレンワックス、変性ワックス等が好適である。
は、先に述べた通り、ワックス類と熱可塑性樹脂と分散
剤とを組み合わせて使用する。ワックス類は、射出成形
時における組成物の流動性向上に寄与するものであり、
軟化点が50〜90℃のものが使用される。軟化点が5
0℃未満では射出成形作業のサイクルタイムが長くな
り、また軟化しやすいために成形時の作業性が著しく低
下する。また軟化点が90℃を超えるものを使用する
と、組成物の流動性が低下するとともに、熱分解点が高
くなるので脱バインダー性が低下する。本発明におい
て、かかるワックス類としては、例えばパラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエ
チレンワックス、変性ワックス等が好適である。
【0009】熱可塑性樹脂は、射出成形後の成形体の形
状保持に寄与するものであり、MFRが100〜300
g/10分のものが使用される。MFRが100g/1
0分未満では、射出成形性が不満足なものとなり、また
300g/10分を超えるものを用いると、射出成形体
の強度や形状保持性が低下する。本発明において、かか
る熱可塑性樹脂として好適に使用されるものとしては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・アクリレート共重合体、ポ
リスチレン等を挙げることができる。
状保持に寄与するものであり、MFRが100〜300
g/10分のものが使用される。MFRが100g/1
0分未満では、射出成形性が不満足なものとなり、また
300g/10分を超えるものを用いると、射出成形体
の強度や形状保持性が低下する。本発明において、かか
る熱可塑性樹脂として好適に使用されるものとしては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・アクリレート共重合体、ポ
リスチレン等を挙げることができる。
【0010】本発明において、上記のワックス類と熱可
塑性樹脂とは、重量基準で4:1〜1:4、特に3:1
〜1:3の割合で使用することが好適である。ワックス
類の使用量がこの範囲よりも多量であると、射出成形体
の強度が不満足なものとなり、成形体の形状保持が困難
となるおそれがあり、また上記範囲よりも少量である
と、組成物の粘性が高くなって射出成形が困難となると
ともに、脱バインダー処理も困難となるおそれがある。
塑性樹脂とは、重量基準で4:1〜1:4、特に3:1
〜1:3の割合で使用することが好適である。ワックス
類の使用量がこの範囲よりも多量であると、射出成形体
の強度が不満足なものとなり、成形体の形状保持が困難
となるおそれがあり、また上記範囲よりも少量である
と、組成物の粘性が高くなって射出成形が困難となると
ともに、脱バインダー処理も困難となるおそれがある。
【0011】本発明において、分散剤として使用するア
ルミニウムカップリング剤としては、例えばアルミニウ
ムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシ
ド、及び下記式(1)、(2)または(3)、
ルミニウムカップリング剤としては、例えばアルミニウ
ムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシ
ド、及び下記式(1)、(2)または(3)、
【化1】
【化2】
【化3】 〔式中、Rはアルキル基を示す〕等で表されるアルミニ
ウム有機錯化合物を挙げることができる。かかるアルミ
ニウムカップリング剤は、バインダー全体当たり、0.
05〜7容量%の量で使用される。0.05容量%未満
では、本発明の目的とする分散性改良効果が充分でな
く、脱バインダー時や焼結時において欠陥を生じやすく
なる。また7容量%を超えると、得られる射出成形体の
強度が低下し、射出成形終了時に金型から成形体を取り
出す際に破損を生じやすくなり、射出成形作業が困難と
なる。
ウム有機錯化合物を挙げることができる。かかるアルミ
ニウムカップリング剤は、バインダー全体当たり、0.
05〜7容量%の量で使用される。0.05容量%未満
では、本発明の目的とする分散性改良効果が充分でな
く、脱バインダー時や焼結時において欠陥を生じやすく
なる。また7容量%を超えると、得られる射出成形体の
強度が低下し、射出成形終了時に金型から成形体を取り
出す際に破損を生じやすくなり、射出成形作業が困難と
なる。
【0012】射出成形用組成物 本発明の射出成形用組成物は、焼結用粉末、バインダー
及び分散剤を上述した割合で均一に混練することによっ
て容易に調製される。この組成物は、射出成形、脱バイ
ンダー及び焼結の各工程を経て最終製品とされる。
及び分散剤を上述した割合で均一に混練することによっ
て容易に調製される。この組成物は、射出成形、脱バイ
ンダー及び焼結の各工程を経て最終製品とされる。
【0013】射出成形は、プラスチックの射出成形に使
用されている通常の射出成形機を用いて行うことが可能
であり、例えば加熱温度80〜200℃、射出圧力50
0〜2000kg/cm2の条件で射出成形が行われ
る。射出成形作業における射出成形体の製品率は、体積
比で通常25〜85%程度であり、残りの75〜15%
(主にスプルー部、ランナー部)は、再び射出成形に供
せられて同上の比率で製品となり、残りは再びリサイク
ルされる。このようなリサイクルは、通常、数回繰り返
される。脱バインダー処理は、射出成形体を加熱処理す
ることによって行われるが、焼結用扮末として酸化され
やすい金属が使用されている場合には、加熱処理を不活
性ガス雰囲気下または還元性雰囲気下で行うことが好適
である。加熱温度は、一般に12〜3O℃/h程度の昇
温速度で250〜300℃程度とされる。焼結は、使用
する焼結用粉末の種類によっても異なるが、一般に12
00〜1700℃の温度で1〜4時間程度行われる。
用されている通常の射出成形機を用いて行うことが可能
であり、例えば加熱温度80〜200℃、射出圧力50
0〜2000kg/cm2の条件で射出成形が行われ
る。射出成形作業における射出成形体の製品率は、体積
比で通常25〜85%程度であり、残りの75〜15%
(主にスプルー部、ランナー部)は、再び射出成形に供
せられて同上の比率で製品となり、残りは再びリサイク
ルされる。このようなリサイクルは、通常、数回繰り返
される。脱バインダー処理は、射出成形体を加熱処理す
ることによって行われるが、焼結用扮末として酸化され
やすい金属が使用されている場合には、加熱処理を不活
性ガス雰囲気下または還元性雰囲気下で行うことが好適
である。加熱温度は、一般に12〜3O℃/h程度の昇
温速度で250〜300℃程度とされる。焼結は、使用
する焼結用粉末の種類によっても異なるが、一般に12
00〜1700℃の温度で1〜4時間程度行われる。
【0014】
【実施例】実施例1〜6 バインダー用のワックス類として、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチ
レンワックス、あるいは変性ワックスを使用し、バイン
ダー用の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA)、またはエチレン・アクリレート共重
合体(PAC)を使用する。また分散剤としては、川研
ファインケミカル社製のアルミニウムカップリング剤を
使用する。
ス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチ
レンワックス、あるいは変性ワックスを使用し、バイン
ダー用の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA)、またはエチレン・アクリレート共重
合体(PAC)を使用する。また分散剤としては、川研
ファインケミカル社製のアルミニウムカップリング剤を
使用する。
【0015】平均粒径が約5μmのカルボニル鉄粉末
に、表1に示す種類及び量のバインダー、及び同表に示
す量の分散剤を混合、混練して射出成形用組成物を調製
した。次いで、ピンポイントゲート方式の金型を用い、
射出速度100mm/秒の条件で、上記の各組成物につ
いて射出成形を行い、ピッチ円直径20mm、厚さ5m
m、歯数18のギヤ形状の成形体を作成した。このとき
の各組成物の射出成形性を、射出金型への充填不良の有
無、成形体のクラックの有無及び成形体を射出金型から
取り出すときに発生する成形体の破損の有無により評価
した。結果は表2に示す。
に、表1に示す種類及び量のバインダー、及び同表に示
す量の分散剤を混合、混練して射出成形用組成物を調製
した。次いで、ピンポイントゲート方式の金型を用い、
射出速度100mm/秒の条件で、上記の各組成物につ
いて射出成形を行い、ピッチ円直径20mm、厚さ5m
m、歯数18のギヤ形状の成形体を作成した。このとき
の各組成物の射出成形性を、射出金型への充填不良の有
無、成形体のクラックの有無及び成形体を射出金型から
取り出すときに発生する成形体の破損の有無により評価
した。結果は表2に示す。
【0016】さらに上記で得られた成形体を、窒素気流
中で加熱してバインダー残量が成形体の1重量%以下に
なるまで脱バインダー処理を行なった。処理後の成形体
を観察し、変形等の欠陥の有無により、脱バインダー性
の評価を行った。結果を表2に示す。
中で加熱してバインダー残量が成形体の1重量%以下に
なるまで脱バインダー処理を行なった。処理後の成形体
を観察し、変形等の欠陥の有無により、脱バインダー性
の評価を行った。結果を表2に示す。
【0017】また脱バインダー処理が行われた成形体
を、1350℃、真空中で2時間焼結処理を行って焼結
製品を得た。得られた焼結製品のクラック等の欠陥や変
形の有無、及び焼結製品の直径の寸法(最大及び最小
値)ならびにそのばらつき幅を測定することにより、焼
結性の評価を行った。結果を表2に示す。
を、1350℃、真空中で2時間焼結処理を行って焼結
製品を得た。得られた焼結製品のクラック等の欠陥や変
形の有無、及び焼結製品の直径の寸法(最大及び最小
値)ならびにそのばらつき幅を測定することにより、焼
結性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0018】比較例1 分散剤を使用しない以外は、上記の実施例と同様にして
射出成形用組成物を調製し、該組成物を用いて射出成
形、脱バインダー処理及び焼結を行い、且つ同様の評価
を行った。評価結果は表2に示す。
射出成形用組成物を調製し、該組成物を用いて射出成
形、脱バインダー処理及び焼結を行い、且つ同様の評価
を行った。評価結果は表2に示す。
【0019】比較例2 分散剤を本発明で規定する範囲よりも多量に使用した以
外は、上記の実施例と同様にして射出成形用組成物を調
製し、該組成物を用いて射出成形、脱バインダー処理及
び焼結を行い、且つ同様の評価を行った。評価結果は表
2に示す。
外は、上記の実施例と同様にして射出成形用組成物を調
製し、該組成物を用いて射出成形、脱バインダー処理及
び焼結を行い、且つ同様の評価を行った。評価結果は表
2に示す。
【0020】比較例3、4 分散剤としてカルナバワックスを使用した以外は、上記
の実施例と同様にして射出成形用組成物を調製し、該組
成物を用いて射出成形、脱バインダー処理及び焼結を行
い、且つ同様の評価を行った。評価結果は表2に示す。
の実施例と同様にして射出成形用組成物を調製し、該組
成物を用いて射出成形、脱バインダー処理及び焼結を行
い、且つ同様の評価を行った。評価結果は表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】上記の表2の評価結果から明らかな通り、
本発明の射出成形用組成物においては、射出成形性が良
好であり、脱バインダー処理時及び焼結時において欠陥
の発生がなく、得られる焼結体の寸法のばらつきが、比
較例の組成物から得られる焼結体に比して、1/3〜1
/10の範囲に大幅に低減されていることが了解され
る。
本発明の射出成形用組成物においては、射出成形性が良
好であり、脱バインダー処理時及び焼結時において欠陥
の発生がなく、得られる焼結体の寸法のばらつきが、比
較例の組成物から得られる焼結体に比して、1/3〜1
/10の範囲に大幅に低減されていることが了解され
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、射出成形用組成物中の
焼結用粉末を充分均一に分散させることが可能となり、
クラック等の欠陥のない最終焼結製品を高い寸法精度で
製造することができる。本発明の射出成形用組成物は、
複雑な三次元形状を有する焼結製品の製造に極めて有用
である。
焼結用粉末を充分均一に分散させることが可能となり、
クラック等の欠陥のない最終焼結製品を高い寸法精度で
製造することができる。本発明の射出成形用組成物は、
複雑な三次元形状を有する焼結製品の製造に極めて有用
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】バインダー 本発明の射出成形用組成物においては、焼結用粉末の射
出成形を可能とし且つ得られる射出成形体に一定の強度
を確保するために、全体当たり35〜70容量%の量でバイ
ンダーが含まれる。このバインダーの含有量が35容量%
未満では組成物の流動性が低下して射出成形が困難とな
る。また70容量%を超えると、成形時に成形体表面に面
引けと称する欠陥が生じ、また得られる射出成形体中の
焼結用粉末の充填密度が低くなり、最終的に得られる焼
結製品の密度を向上させることが困難となる。
出成形を可能とし且つ得られる射出成形体に一定の強度
を確保するために、全体当たり35〜70容量%の量でバイ
ンダーが含まれる。このバインダーの含有量が35容量%
未満では組成物の流動性が低下して射出成形が困難とな
る。また70容量%を超えると、成形時に成形体表面に面
引けと称する欠陥が生じ、また得られる射出成形体中の
焼結用粉末の充填密度が低くなり、最終的に得られる焼
結製品の密度を向上させることが困難となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】熱可塑性樹脂は、射出成形後の成形体の形
状保持に寄与するものであり、メルトフローレート(M
FR)が 100〜300 g/10分のものが使用される。MF
Rが100g/10分未満では、射出成形性が不満足なもの
となり、また 300g/10分を超えるものを用いると、射
出成形体の強度や形状保持性が低下する。本発明におい
て、かかる熱可塑性樹脂として好適に使用されるものと
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリレート共重
合体、ポリスチレン等を挙げることができる。
状保持に寄与するものであり、メルトフローレート(M
FR)が 100〜300 g/10分のものが使用される。MF
Rが100g/10分未満では、射出成形性が不満足なもの
となり、また 300g/10分を超えるものを用いると、射
出成形体の強度や形状保持性が低下する。本発明におい
て、かかる熱可塑性樹脂として好適に使用されるものと
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリレート共重
合体、ポリスチレン等を挙げることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】射出成形は、プラスチックの射出成形に使
用されている通常の射出成形機を用いて行うことが可能
であり、例えば加熱温度80〜200 ℃、射出圧力 500〜20
00kg/cm2 の条件で射出成形が行われる。射出成形作業
における射出成形体の製品率は、体積比で通常25〜85%
程度であり、残りの75〜15%(主にスプルー部、ランナ
ー部)は、再び射出成形に供せられて同上の比率で製品
となり、残りは再びリサイクルされる。このようなリサ
イクルは、通常、数回繰り返される。脱バインダー処理
は、射出成形体を加熱処理することによって行われる
が、焼結用粉末として酸化されやすい金属が使用されて
いる場合には、加熱処理を不活性ガス雰囲気下または還
元性雰囲気下で行うことが好適である。加熱温度は、一
般に10〜30℃/h程度の昇温速度で 250〜300 ℃程度と
される。焼結は、使用する焼結用粉末の種類によっても
異なるが、一般に1000〜1500℃の温度で1〜4時間程度
行われる。
用されている通常の射出成形機を用いて行うことが可能
であり、例えば加熱温度80〜200 ℃、射出圧力 500〜20
00kg/cm2 の条件で射出成形が行われる。射出成形作業
における射出成形体の製品率は、体積比で通常25〜85%
程度であり、残りの75〜15%(主にスプルー部、ランナ
ー部)は、再び射出成形に供せられて同上の比率で製品
となり、残りは再びリサイクルされる。このようなリサ
イクルは、通常、数回繰り返される。脱バインダー処理
は、射出成形体を加熱処理することによって行われる
が、焼結用粉末として酸化されやすい金属が使用されて
いる場合には、加熱処理を不活性ガス雰囲気下または還
元性雰囲気下で行うことが好適である。加熱温度は、一
般に10〜30℃/h程度の昇温速度で 250〜300 ℃程度と
される。焼結は、使用する焼結用粉末の種類によっても
異なるが、一般に1000〜1500℃の温度で1〜4時間程度
行われる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【実施例】実施例1〜6 バインダー用のワックス類として、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチ
レンワックス、あるいは変性ワックスを使用し、バイン
ダー用の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA)、ポリスチレン(PS)、またはエチ
レン・アクリレート共重合体(PAC)を使用する。ま
た分散剤としては、川研ファインケミカル社製のアルミ
ニウムカップリング剤を使用する。
ス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチ
レンワックス、あるいは変性ワックスを使用し、バイン
ダー用の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、エチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA)、ポリスチレン(PS)、またはエチ
レン・アクリレート共重合体(PAC)を使用する。ま
た分散剤としては、川研ファインケミカル社製のアルミ
ニウムカップリング剤を使用する。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属または合金より成る焼結用粉末とバ
インダーを含有する射出成形用組成物であって、 前記バインダーは、軟化点が50〜90℃のワックス類
と、メルトフローレート(ASTMD1236,230
℃)が100〜300g/10分の熱可塑性樹脂と、分
散剤としてのアルミニウムカップリング剤とから成り、
且つ該バインダーは、全体当たり35〜70容量%の量
で含有されており、 前記アルミニウムカップリング剤は、バインダー当たり
0.05〜7容量%の量で使用されていることを特徴と
する射出成形用組成物。 - 【請求項2】 前記アルミニウムカップリング剤が、ア
ルミニウムアルコキシド、またはアルミニウム有機錯化
合物である請求項1に記載の射出成形用組成物。 - 【請求項3】 前記ワックス類と熱可塑性樹脂とは、重
量基準で4:1〜1:4の割合で使用されている請求項
1に記載の射出成形用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14088192A JPH05271708A (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 射出成形用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14088192A JPH05271708A (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 射出成形用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271708A true JPH05271708A (ja) | 1993-10-19 |
Family
ID=15278942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14088192A Pending JPH05271708A (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 射出成形用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05271708A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6005037A (en) * | 1994-10-31 | 1999-12-21 | Hoechst Ag | Molding material for processing sinterable polymers |
WO2011125590A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | 日東電工株式会社 | 永久磁石及び永久磁石の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP14088192A patent/JPH05271708A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6005037A (en) * | 1994-10-31 | 1999-12-21 | Hoechst Ag | Molding material for processing sinterable polymers |
WO2011125590A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | 日東電工株式会社 | 永久磁石及び永久磁石の製造方法 |
JP2011228657A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-11-10 | Nitto Denko Corp | 永久磁石及び永久磁石の製造方法 |
CN102576590A (zh) * | 2010-03-31 | 2012-07-11 | 日东电工株式会社 | 永久磁铁及永久磁铁的制造方法 |
US8480818B2 (en) | 2010-03-31 | 2013-07-09 | Nitto Denko Corporation | Permanent magnet and manufacturing method thereof |
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