JPH05271592A - 孔版印刷用可逆的熱変色性エマルジョンインキ - Google Patents

孔版印刷用可逆的熱変色性エマルジョンインキ

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JPH05271592A
JPH05271592A JP10072992A JP10072992A JPH05271592A JP H05271592 A JPH05271592 A JP H05271592A JP 10072992 A JP10072992 A JP 10072992A JP 10072992 A JP10072992 A JP 10072992A JP H05271592 A JPH05271592 A JP H05271592A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 孔版印刷用インキにあって、機密文書の作成
に有効であるとするものはこれまでに数多く提案されて
いるが、いずれも可逆性がないか又はそれに乏しく、従
って、記録画像の発色・消色を容易にかつ可逆的に繰返
し行なうのには不適なものである。本発明はそうした不
都合を解消した孔版印刷用インキを提供する。 【構成】 本発明の孔版印刷用インキは油中水型エマル
ジョンインキであって、その着色剤として、電子供与性
呈色性化合物及び電子受容性化合物を主成分とし、か
つ、溶融温度以上に加熱すると発色状態を形成し、その
発色状態を溶融温度より低い温度で加熱すると消色状態
を形成する可逆的熱発色性着色剤を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷用可逆的熱変色
性エマルジョンインキに関し、詳しくは、電子供与性呈
色性化合物及び電子受容性化合物からなる可逆的熱発色
性着色剤を含み機密保持文書作成に有用な孔版印刷用エ
マルジョンインキに関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷方式は、周知のように孔版印刷
原紙を用い、この原紙の穿孔部を通して原紙の一方の側
より他方の側へインキを移動させることにより、紙など
の被印刷物面に印刷を行なうものである。
【0003】ところで、極秘書類その他重要書類は複製
されることが出来ないように何らかの手段が施される必
要がある。最近の情報伝達手段の多様化、複写機等の性
能向上と市場への普及で誰でも容易に情報を入手できる
ようになり、そのため機密文書の取扱いについては特に
関心がもたれている。このような社会的情勢から、複写
を防止したり、記録内容の判読を不可能にすることを目
的とした機密文書の作成方式が種々提案されている。
【0004】電子写真記録の分野においても、機密保持
性の記録物が得られるように、特殊のトナーを用いる方
式が以下に示すように種々提案されている。 (1)紫外線発光物質を塗布したシートに複写機を用い
て白トナーで複写を行ない機密文書を作成し、紫外線照
射下で非発光体として再現する(特開平2−23383
号公報)。 (2)紫外線吸収剤を含有する透明トナーを用いて電子
写真複写機により透明シート上に複写して機密文書を作
成し、ジアゾ複写機を用いてジアゾ感光紙上に複写する
ことによって可視像化する(特開平1−259374号
公報)。 (3)蛍光体を含有した発光性を有する再コピー防止用
トナーを用いる(特開昭63−311265号、特開昭
58−14842号などの公報)。 (4)ロイコ化合物、顕色剤及び減感剤からなる熱可逆
性を有する機密文書作成用トナーを用いる(特開昭62
−14163号公報)。 (5)pH指示薬含有トナーにより複写を行ない、異な
るpHの薬液により発色、消色を行なう(特開昭61−
232467号公報)。 (6)特定分光波長特性を有する再コピー防止用トナー
を用いる(特開昭57−122460号公報)。
【0005】しかしながら、これら方式はいずれも各種
の問題点を含み満足し得るものとは言いがたい。例え
ば、特開平2−23383号公報記載の方法によると紫
外線照射下でのみ判読出来るもので融通性がなく、特開
平1−259374号公報記載の方法によるとジアゾ感
光紙に再度複写して可視像化する必要があり、更に再複
写したジアゾ感光紙の感光紙の機密保持も必要である。
特開昭63−311265号、特開昭58−14842
号、特開昭57−122460号などの公報記載の発明
は再コピー防止を目的としたものであり、記録画像は可
視像の状態にあり、判読可能である。特開昭62−14
163号公報記載の発明は加熱により可視化または消去
できるが、熱を除くと元の状態に戻るかあるいは可逆性
がなくなり、メモリー性はない。また、特開昭61−2
32467号公報記載の発明は熱によるものではなく薬
品によりpHを変化させて発色、消色を行なうため汎用
的でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
に見られる前記問題点を解決し、記録画像の発色(可視
像化)及び発色画像の消去を容易にかつ可逆的に繰返し
行なうことのできる孔版印刷用可逆的熱変色性エマルジ
ョンインキ(以降「孔版印刷用エマルジョンインキ」と
いうことがある)を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の孔版印刷用エマ
ルジョンインキは、電子供与性呈色性化合物及び電子受
容性化合物からなり、かつ、溶融温度以上にいったん加
熱することにより発色状態を形成し、発色温度よりの低
い温度の加熱により消色状態を形成する可逆的熱発色性
着色剤を含有する油相10〜50重量%及び水相90〜
50重量%の油中水型エマルジョンからなることを特徴
としている。本発明者は前記課題を達成するためにいろ
いろな角度から研究を進めた結果、特定の可逆的熱発色
性着色剤を含有する油中水型エマルジョンインキの使用
によれば、それがなしうることを確かめた。本発明はそ
れに基づいてなされたものである。
【0008】以下に本発明を添付の図面に従いながらさ
らに詳細に説明する。本発明のインキに含有させる着色
剤は、可逆的熱発色性を有するもので、加熱により(溶
融温度以上の加熱により)瞬時に発色し、その発色状態
にある着色剤(発色体)は常温においても安定的に存在
し、一方、発色状態に有る着色剤は発色温度以下の加熱
により瞬時に消色し、その消去状態にある着色剤(消色
体)は常温においても安定的に存在するものである。
【0009】図1は本発明に係る着色剤で形成される画
像の発色及び消色の原理を説明するためのグラフであ
る。グラフの縦軸は発色濃度を表わし、横軸は温度を表
わしており、実線1は加熱による着色剤の発色過程を、
破線3は発色した着色剤の加熱による消去過程を示した
ものである。Aは完全消去状態における濃度であり、B
はT1以上の温度に加熱した時の完全発色状態における
濃度であり、Cは完全発色状態のT0以下の温度におけ
る濃度であり、DはT0〜T1間の温度で加熱消去した時
の濃度を示している。
【0010】本発明における着色剤は、T0以下の温度
においては消色体の状態(A)にある。この消色体の状
態にある着色剤は、T1以上の温度に加熱することによ
り発色(B)する。この発色体は実線2に従ってT0
下の温度に戻しても、そのままの状態(C)を保持して
おり、メモリー性を有する。
【0011】次に発色体の消去を行なうには、発色体を
発色温度よりも低いT0〜T1間の温度に加熱することに
よって消色体の状態(D)になる。この状態はT0以下
の温度に戻しても、そのままの消色体の状態(A)を保
持している。即ち、発色体の形成過程は実線ABCの経
路によりCに至り、その消去状態は保持される。この発
色体の形成と消去の挙動特性は可逆性を有し何回も繰り
返し行なうことができる。
【0012】本発明の孔版印刷用エマルジョンインキ
は、電子供与性呈色性化合物(以降「発色剤」とも言う
ことがある)と電子受容性化合物(以降「顕色剤」とも
言うことがある)とからなる可逆的熱発色性着色剤を必
須成分としている。そして、この着色剤は、それを構成
する発色剤と顕色剤の加熱溶融により発色状態を形成
し、一方、発色温度よりも低い温度の加熱により発色状
態は消去され、発色状態及び消色状態が常温で安定的に
存在するものである。このような発色と消色の機構は、
発色剤と顕色剤を発色温度で加熱溶融混合した時に、発
色剤と顕色剤からなる着色剤が非晶質化を起こして発色
体を形成し、一方、発色温度よりも低い温度で加熱した
時に、発色した着色剤中の顕色剤が結晶化を起こして消
色体を形成する特性に基づくものである。
【0013】通常の発色剤と顕色剤、例えば、従来の感
熱記録紙に広く用いられている色素前駆体であるラクト
ン環を有するロイコ系化合物と顕色作用を示すフェノー
ル性化合物とからなる組成物は、これを加熱によって溶
融混合させると、ロイコ化合物のラクトン環の開環に基
づく発色状態となる。この発色状態は両者が相溶した非
晶質状態を呈している。この発色した非晶質状態は常温
で安定的に存在するが、再び加熱を行なっても結晶化は
起こらず、フェノール性化合物のロイコ化合物からの分
離がないためにラクトン環の閉環がなく消色はしない。
【0014】これに対して、本発明に係る発色剤と顕色
剤とからなる着色剤も加熱によって溶融混合させた時に
発色状態となり、従来の場合と同様に、非晶質状態を呈
し、常温で安定的に存在する。しかし、本発明の場合
は、この発色した非晶質状態の着色剤は、発色温度以下
即ち溶融状態に至らない温度で加熱すると、顕色剤の結
晶化が起こり、発色剤との相溶状態による結合が保持で
きなくなり、顕色剤が発色剤から分離する。そして、こ
の顕色剤の結晶化による発色剤からの分離により、顕色
剤は発色剤から電子を受容することができず、発色剤は
消色するものと考えられる。
【0015】本発明に係る着色剤に見られる前記の特異
な発消色挙動は、発色剤と顕色剤との加熱溶融による相
溶性、発色状態での両者の作用の強さ、顕色剤の発色剤
に対する溶解能、顕色剤の結晶性等が関係しているが、
原理的には、加熱溶融による非晶質化を起こし、一方、
発色温度よりも低い温度の加熱により結晶化を起こす発
色剤/顕色剤系であれば、本発明における着色剤成分と
して利用し得るものである。さらに、この様な特性を有
するものは、熱分析において溶融による吸熱変化と結晶
化による発熱変化とを示すことから、本発明に適用し得
る発色剤/顕色剤系は、熱分解析により容易に確認する
ことができる。
【0016】本発明で用いられる特に好ましい発色剤
は、置換基としてハロゲンを含有するものである。この
ようなものとしては、例えば、以下のものが挙げられ
る。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル
フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ブロモフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−
ジプロピルアミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−クロル−7−フェニルアミノ−フルオラ
ン、3−ピロリジノ−6−クロル−7−フェニルアミノ
−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−
(m−トリフロロメチルフェニル)アミノ−フルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル−7−(o
−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−クロル−7−(2′,3′−ジクロルフェ
ニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−
6−クロル−7−エトキシエチルアミノ−フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)アミ
ノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−ブロ
モフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(o−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3
−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロフェニル)アミ
ノ−フルオラン、6′−ブロモ−3′−メトキシベンゾ
インドリノ−ピリロスピラン、3−(2′−メトキシ−
4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロ
キシ−4′−クロル−5′−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニ
ル)フタリド、2−{3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)}−9−(o−クロルフェニル)アミノ−キサンチ
ル安息香酸ラクタム 3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−7−クロルフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−
トリフロロメチルアニリノフルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−m−トリフロロメチ
ルアニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N
−メチル)アミノ−6−メチル−7−m−トリフロロメ
チルアニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−
n−プロピル−N−m−トリフロロメチルフェニル)ア
ミノフルオラン。
【0017】本発明で好ましく用いられる発色剤は、次
の一般式(1)で示される化合物である。
【化1】 (但し、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R1は水素原子又は置換されていてもよいアミノ
基、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェ
ニルアミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基又は炭素数1〜2のアルコキシ基であり、m及びnは
1又は2の整数を表わす)
【0018】この一般式(1)で示される化合物の具体
例を示すと、例えば、以下のものが例示される。 3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−アミノ
−フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミ
ノ)−7−アミノ−フルオラン、3−(N−プロピル−
N−フェニルアミノ)−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
7−アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p
−メチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラ
ン、3−{N−プロピル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−エチルフェ
ニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−
プロピル−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(2',
4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(2',4'−ジメチル
フェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−プロピル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−クロルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−クロルフェ
ニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−
プロピル−N−(p−クロルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フェニル
アミノ)−7−メチルアミノ−フルオラン、3−(N−
エチル−N−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−フ
ルオラン、3−(N−プロピル−N−フェニルアミノ)−
7−メチルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N
−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−エチルアミノ
−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフ
ェニル)アミノ}−7−ベンジルアミノ−フルオラン、
3−{N−メチル−N−(2',4'−ジメチルフェニ
ル)アミノ}−7−メチルアミノ−フルオラン、3−
{N−エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)ア
ミノ}−7−エチルアミノ−フルオラン、3−{N−メ
チル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−
7−ベンジルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−
N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ベ
ンジルアミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フ
ェニルアミノ)−7−ジメチルアミノ−フルオラン、3
−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−ジメチルア
ミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチ
ルフェニル)アミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラン、3−(N−
メチル−N−フェニルアミノ)−7−ジプロピルアミノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−
7−ジプロピルアミノフルオラン、3−{N−メチル−
N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ジベンジル
アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メ
チルフェニル)アミノ}−7−ジベンジルアミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−7−ジ(p−メチルベンジル)アミノ−
フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−7−アセチルアミノ−フルオラン、3
−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}
−7−ベンゾイルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−(o−
メトキシベンゾイル)アミノ−フルオラン、3−{N−
エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メ
チル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチ
ル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−ter
t−ブチル−7−(p−メチルフェニル)アミノ−フル
オラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−6
−メチル−7−(N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ−フルオラン、3−{N−プロピル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチル−7−
{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−5−メチル−7−ベンジルアミノ−フ
ルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−5−クロロ−7−ジベンジルアミノ−フ
ルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−5−メトキシ−7−ジベンジルアミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−6−メチル−フルオラン、3−{N−
エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−5−メ
トキシ−フルオラン。
【0019】本発明で好ましく用いられる他の発色剤は
次の一般式(2)で示される。
【化2】 (但し、R3は炭素数1〜12のアルキル基、環状アル
キル基、アルコキシアルキル基、アリル基、アリール基
を表わし、R4は炭素数1〜12のアルキル基、アルコ
キシアルキル基、アリル基を表わす。)
【0020】この一般式(2)で示されるものの具体例
としては下記のものがあげられる。 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−
(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベン
ゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチルア
ミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−N,N−ジブ
チルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−メ
チル−N−シクロヘキシルアミノ)−7,8−ベンゾフ
ルオラン、3−(N−エチル−N−p−メチルフェニル
アミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3−N,N−ジ
アリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−
エトキシエチル−N−エチルアミノ)−7,8−ベンゾ
フルオラン。
【0021】次に、本発明で好ましく用いられる顕色剤
を例示すると以下の通りであるが、前記のように、本発
明に適用できる顕色剤は熱分析により容易に知見し得る
ので、それらのものに限定されるものでないことは明ら
かである。 (1)下記一般式(3)で示される有機リン酸化合物 R5−PO(OH)2 (3) (但し、R5は炭素数8〜30の直鎖状又は分岐状のア
ルキル基又はアルケニル基を表わす。) この有機リン酸化合物の具体例としては、例えば、以下
のものが挙げられる。オクチルホスホン酸、ノニルホス
ホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テト
ラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタ
デシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホ
スホン酸、テトラコシルホスホン酸など。
【0022】(2)下記一般式(4)で示されるα−位
炭素に水酸基を有する有機酸 R6−CH(OH)COOH (4) (但し、R6は炭素数6〜28の直鎖状又は分岐状のア
ルキル基又はアルケニル基を表わす。) このα−位炭素に水酸基を有する有機酸の具体例として
は、例えば、以下のものが挙げられる。α−ヒドロキシ
オクタノイック酸、α−ヒドロキシドデカノイック酸、
α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、α−ヒドロキシ
ヘキサデカノイック酸、α−ヒドロキシオクタデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシペンタデカノイック酸、α−ヒ
ドロキシエイコサノイック酸、α−ヒドロキシドコサノ
イック酸など。
【0023】(3)下記一般式(5)で示される二塩基
(但し、R7は炭素数8〜30の直鎖状又は分岐状のア
ルキル基又はアルケニル基、Zは酸素原子又はイオウ原
子であり、mは0、1又は2を示す。) この一般式(5)で示される二塩基酸の具体例として以
下のものが挙げられる。オクチルコハク酸、デシルコハ
ク酸、ドデシルコハク酸、テトラデシルコハク酸、ヘキ
サデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、エイコシル
コハク酸、ドコシルコハク酸、テトラコシルコハク酸、
オクチルリンゴ酸、デシルリンゴ酸、ドデシルリンゴ
酸、テトラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オ
クタデシルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリ
ンゴ酸、テトラコシルリンゴ酸、オクチルチオリンゴ
酸、デシルチオリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テト
ラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オ
クタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ド
コシルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、オク
チルジチオリンゴ酸、テシルジチオリンゴ酸、ドデシル
ジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、ヘキサ
デシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチオリンゴ酸、
エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ酸、
テトラコシルジチオリンゴ酸など。
【0024】(4)下記一般式(6)で示される二塩基
(但し、R8は炭素数8〜30の直鎖状又は分岐状のア
ルキル基又はアルケニル基、R9は水素原子又は炭素数
1〜30のアルキル基を示す。) この一般式(6)で示される二塩基酸の具体例としては
以下のもの等が挙げられる。 オクチルマロン酸、デシルマロン酸、ドデシルマロン
酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オ
クタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマ
ロン酸、テトラコシルマロン酸、ジオクチルマロン酸、
ジデシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテトラデシ
ルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシル
マロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロン
酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコシルマ
ロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラコシル
マロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルエイコ
シルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチルテトラ
コシルマロン酸など。
【0025】(5)下記一般式(7)で表わされるフェ
ノール化合物
【化3】 (但し、R10は炭素数8〜30の直鎖状又は分技状のア
ルキル基又はアルケニル基を示す。) この一般式(7)で示されるフェノール化合物の具体例
としては、以下のものが挙げられる。p−(オクチルチ
オ)フェノール、p−(ノニルチオ)フェノール、p−
(デシルチオ)フェノール、p−(デシルチオ)フェノ
ール、p−(ドデシルチオ)フェノール、p−(テトラ
デシルチオ)フェノール、p−(ヘキサデシルチオ)フ
ェノール、p−(オクタデシルチオ)フェノール、p−
(エイコシルチオ)フェノール、p−(ドコシルチオ)
フェノール、p−(テトラコシルチオ)フェノール等。
【0026】本発明においては、顕色剤は単独もしくは
二種以上混合して適用される。また、発色剤についても
同様に単独もしくは二種以上混合して適用することがで
きる。
【0027】孔版印刷用インキとしては主に油中水型エ
マルジョンインキが適用されている。一般には不乾性
油、不揮発性油に顔料を分散させた着色剤中に水分を乳
化させたものである。このエマルジョンるインキは容易
に穿孔を通過し被印刷材上ではインキの裏移りがなく、
版の表面に皮膜を形成して目づまりを起さないように設
計されており油相は水相よりも少ない比率になってい
る。本発明の孔版用エマルジョンインキは、油相10〜
50重量%と水相90〜50重量%とからなる油中水型
エマルジョンからなり、着色剤としてマイクロカプセル
に内包したメモリー性を有する電子供与性化合物と電子
受容性化合物とからなる可逆的熱変色性着色剤を含有せ
しめたエマルジョンより構成されている。
【0028】孔版印刷用エマルジョンインキの主成分と
しては、油相は油成分、乳化剤、樹脂など、また水相は
水、水溶性樹脂、電解質、防黴剤、酸化防止剤、水蒸発
防止剤等から構成される。これらの構成成分はエマルジ
ョンの形成を阻害しない公知のものが使用される。本発
明において油相を形成する溶剤分としては、オリーブ
油、落花生油、サラダ油、マシン油、スピンドル油、灯
油等の不乾性油、鉱油が用いられる。
【0029】また、油中水型エマルジョンインキを構成
するために用いられる乳化剤としては、非イオン系界面
活性剤が好ましく、ソルビタン高級脂肪酸エステル(例
えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミ
テート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリ
ステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタン
トリオレエート、ソルビタンセスキオレート等)、脂肪
酸モノグリセド、及び高級アルコール、アルキルフェノ
ール、脂肪酸などの酸化エチレン付加物などがあげら
れ、これらのHLB値の低いものと高いものとを2種以
上組合せてHLB値を調整し安定性の高いエマルジョン
とすることができる。
【0030】樹脂はエマルジョンの安定性向上、着色剤
の分散性向上、紙への印刷適性向上とのため添加しても
良く、例えばロジン変性フェノール樹脂などが好ましく
用いられる。水溶性樹脂は粘度調節、エマルジョン安定
化の目的で添加しても良く例えばポリアクリル酸、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどがあげ
られる。
【0031】蒸発防止剤兼凍結防止剤としては、エチレ
ングリコール、ソルビトール、グリセリンなどの多価ア
ルコールや、ポリエチレングリコール等が用いられる。
【0032】防腐・防黴剤としては、例えば、芳香続ヒ
ドロキシ化合物およびその塩素化物、サリチル酸、フェ
ノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息
香酸エチル等、ソルビン酸、デヒドロ酢酸等が用いられ
る。
【0033】本発明の孔版印刷用エマルジョンインキ
は、例えば前記油成分に、乳化剤を加えて混合した後、
水相の溶液を添加して乳化させることにより製造でき
る。
【0034】本発明における着色剤は電子供与性呈色性
化合物及び電子受容性化合物を主成分とした熱可逆性変
色材料をマイクロカプセルに内包して使用される。要求
特性に応じて、変色温度調節剤、低沸点溶剤、核剤その
他の添加剤を含有させることもできる。マイクロカプセ
ル化は、例えばコアセルベーション法、界面重合法、I
n situ重合法等公知の技術によって平均粒子径1
〜10μm、好ましくは2〜7μmのマイクロカプセル
の形態で用いることができる。1μm以下では発色の際
に十分な濃度が得られにくく、10μm以上では孔版印
刷版の孔を塞いだり、印刷あるいはインキの分散の際に
シェアストレスが加えられる時に、カプセルが破壊され
易くなる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明する。なお、ここでの部、%はいずれも重量基準であ
る。
【0036】実施例1 (着色粒子Aの作成) 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルフェニル) 7部 アミノ−フルオラン オクタデシルホスホン酸 21部 からなる可逆的熱変色材料を約100℃にて均一に溶解
する。PHを4.5に調整したスチレン−無水マレイン
酸共重合体の3%水溶液80部を85℃に加温した中に
前記溶解物を加え、ミキサーを用いて2〜10μmの微
小滴になるように乳化分散する。次いで、得られた乳化
液を撹拌しながらメラミン−ホルマリンプレポリマー
(三和ケミカル社製、ニカラックMX−54)9.0g
を加え80℃で3時間反応させて平均粒子径約3.5μ
mのマイクロカプセル分散液を得た。得られた分散液か
らマイクロカプセルを濾過し蒸留水により十分に洗浄
し、蒸留水への固形分約50%の分散液を調製した。 (エマルジョンインキの調製) #30モーターオイル 13部 ソルビタンセスキオレート 4部 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 3部 を十分に撹拌し油相とした。 着色粒子A 20部 カルボキシメチルセルローズ 3部 イオン交換水 53部 エチレングリコール 4部 p−オキシ安息香酸エチル 0.2部 の混合液を上記油相に滴下しながら乳化し孔版印刷用エ
マルジョンインキを得た。このインキを用いて感熱孔版
印刷機(リコー社製、プリポート955)で製版印刷を
行なった。得られた印刷物は常温では無色を呈し、記録
の判読は不能であった。この印刷物を現行として電子写
真複写機(リコー社製、リコピーFT5520)により
複写を行なったが、記録の複写はできなかった。このも
のを100℃に設定した加熱ロール機に通したところ鮮
明な黒色印字の記録が表われ、常温に戻しても安定であ
った。この記録シートを70℃の恒温槽に8秒間入れた
ところ記録の着色は消えて再び判読はできなくなった。
さらにこの発色と消色の可逆的な挙動は再現性があり、
このテストを10回繰り返したが機能の劣化は見られな
かった。
【0037】実施例2 (着色粒子Bの作成) 3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ} 7部 −7−(N−メチル−N−フェニル)アミノフルオラン α−ヒドロキシオクタデシルデカノイック酸 21部 からなる可逆的熱変色材料を100℃にて均一に溶解す
る。PHを7.0に調整した5%ゼラチン水溶液100
部を80℃に加温し、溶解物を加え、ミキサーを用いて
2〜10μmの微小滴になるように乳化分散する。次に
80℃に加温した5%アラビアゴム水溶液120部を添
加し、80℃温水220部で稀釈し、撹拌下に10%酢
酸を除々に添加してPHを4.3に調整してコアセルベ
ーションを起こさせ、次いで10℃まで冷却してゲル化
させた後、25%グルタルアルデヒド2部を加えてPH
を9に調整して1時間撹拌を続け平均粒子径約3.0μ
mのマイクロカプセル分散液を得た。得られた分散液を
遠心分離し蒸留水により洗浄後、固形分約50%の分散
液を調製した。 (エマルジョンインキの作成) スピンドル油 13部 ソルビタンモノオレート 3部 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 3部 を十分に撹拌し油相とした。 着色粒子B 20部 ポリアクリル酸ソーダ 3部 イオン交換水 53部 エチレングリコール 4部 p−オキシ安息香酸メチル 0.1部 の混合液を上記油相に滴下しながら乳化し孔版印刷用エ
マルジョンインキを得た。このインキを用いて実施例1
と同様にして試験を行なった結果、印刷物は無色で判読
は不能であり、複写もできなかったが、加熱により鮮明
な緑色印字の記録が現われた。加熱消去により再び元の
無色の状態にもどり、この可逆的な熱変色は繰り返し同
じ挙動を示した。
【0038】実施例3 (着色粒子Cの作成) 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン 7部 オクタデシルチオリンゴ酸 21部 ステアリン酸ステアリル 3部 からなる可逆的熱変色材料を実施例1と同様にしてマイ
クロカプセル分散液を調製した。 (エマルジョンインキの調製)実施例1の着色粒子Aを
着色粒子Cに代えてエマルジョンインキを調製し、実施
例1と同様の試験を行なったが、発色色相が桃色である
以外は同様の性能を示した。
【0039】実施例4 (着色粒子Dの作成)実施例1の電子供与性呈色性化合
物を3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)
アミノ−フルオランに電子受容性化合物をオクタデシル
マロン酸に代えた以外は同様にして着色粒子Dを作成し
マイクロカプセル分散液を調製した。 (エマルジョンインキの調製)実施例1の着色粒子Aを
着色粒子Dに代えてエマルジョンインキを調製し、実施
例1と同様の試験を行なったが、結果は同様の性能を示
した。
【0040】実施例5 (着色粒子Eの作成)実施例1の電子受容性化合物をp
−(ヘキサデシルチオ)フェノールに代えた以外は同様
にして着色粒子Eを作成しマイクロカプセル分散液を調
製した。 (エマルジョンインキの調製)実施例2の着色粒子Bを
着色粒子Eに代えてエマルジョンインキを調製し、実施
例1同様の試験を行ない同じ結果を得た。
【0041】比較例1 実施例1の電子供与性呈色性化合物を感熱紙で一般に用
いられている3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオランに代えた以外は同様にしてエマルジョ
ンインキを調製したが、すでに着色粒子の作成の段階で
黒色に発色しており印刷物は記録が明瞭に判読され、熱
による可逆性は認められず機密保持性は示さなかった。
【0042】比較例2 実施例1の電子受容性化合物を感熱紙で一般に用いられ
ている4,4’−イソプロピリデンビスフェノールに代
えた以外は同様にしてエマルジョンインキを調製した
が、比較例1と同様に印刷物は黒色に発色しており、熱
による可逆性は認められず機密保持性は示さなかった。
【0043】参考例 実施例1に於いて着色粒子作成段階で乳化条件を変えて
作成した平均粒子径約0.5μmのものと約20μmの
ものを用いて、それぞれエマルジョンインキを作り実施
例1と同様の印刷試験を行なった。その結果、平均粒子
径約0.5μmの着色粒子により作成した印刷物は可逆
的熱特性による機密保持性は認められたが、実施例1の
平均粒子径約3.5μmのものと比較して発色時の濃度
が低く印刷物とし劣っていた。また、平均粒子径約20
μmの着色粒子により作成した印刷物は可逆的熱特性を
示したが孔版印刷版の目詰まりから印字のかすれがあ
り、カプセルの一部が破壊されていた。
【0044】
【発明の効果】実施例の記載から明らかなように、本発
明の電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を主成
分とするメモリー性を有する可逆性熱発色性材料を着色
成分として含有する孔版印刷用エマルジョンインキを用
いれば、通常の孔版製版印刷機により容易に機密文書の
作成ができる。このようにして作成された機密文書は消
色状態では目視での判読は不可能であり、第3者により
機密情報を読まれる心配はない。また、複写も不可能で
あり、複写による機密漏洩の心配もない。本発明の機密
文書の再現方法は発色温度以上の熱エネルギーを与える
ことによって鮮明な可視像が得られる。また、可視像化
された情報は発色温度よりも低い熱エネルギーを与える
ことによって再度消去できるために機密文書の保管は消
去状態で保管し必要な時に可視化の状態にして使用する
等メモリー性のある可逆性を有しているために機密保持
に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る着色剤で形成される画像の発色及
び消色の原理を説明するためのグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 11/28 K 7375−4H F 7375−4H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物及び電子受容性
    化合物からなり、かつ、溶融温度以上にいったん加熱す
    ることにより得られる発色状態と、その発色状態を溶融
    温度より低い温度で加熱することにより電子受容性化合
    物が分離結晶化して得られる消色状態とを形成する可逆
    的熱発色性着色剤を含有した油相10〜50重量%及び
    水相90〜50重量%の油中水型エマルジョンからなる
    ことを特徴とする孔版印刷用可逆的熱変色性エマルジョ
    ンインキ。
  2. 【請求項2】 前記加熱により発色する電子供与性呈色
    性化合物が、ハロゲン又はハロゲンを含む置換基で置換
    されている電子供与性呈色性化合物であることを特徴と
    する請求項1記載の孔版印刷用エマルジョンインキ。
  3. 【請求項3】 前記加熱により発色する電子供与性呈色
    性化合物が、下記の一般式(1)及び(2)で示される
    化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1記載の孔版印刷用可逆的熱変色性エマルジョンイン
    キ。 一般式(1) 【化1】 (但し、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    2は水素原子又は置換されていてもよいアミノ基、X
    は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニルア
    ミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は
    炭素数1〜2のアルコキシ基であり、m及びnは1又は
    2の整数を表わす。) 一般式(2) 【化2】 (但し、R3は炭素数1〜12のアルキル基、環状アル
    キル基、アルコキシアルキル基、アリル基、アリール基
    を表わし、R4は炭素数1〜12のアルキル基、アルコ
    キシアルキル基、アリル基を表わす。)
  4. 【請求項4】前記加熱により発色する電子受容性化合物
    が、下記の一般式(3)(4)(5)(6)及び(7)
    で示される化合物の少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1記載の孔版印刷用可逆的熱変色性エマルジ
    ョンインキ。 一般式(3) R5−PO(OH)2 (但し、R5は炭素数8〜30の直鎖状又は分岐状のア
    ルキル基又はアルケニル基を表わす。) 一般式(4) R6−CH(OH)COOH (但し、R6は炭素数6〜28の直鎖状又は分岐状のア
    ルキル基又はアルケニル基を表わす。) 一般式(5) (但し、R7は炭素数8〜30の直鎖状又は分岐状のア
    ルキル基又はアルケニル基、Zは酸素原子又はイオウ原
    子であり、mは0、1又は2を表わす。) 一般式(6) (但し、R8は炭素数8〜30の直鎖状又は分岐状のア
    ルキル基又はアルケニル基、R9は水素原子又は炭素数
    1〜30のアルキル基を表わす。) 一般式(7) 【化3】 (式中、R10は炭素数8〜30の直鎖状又は分岐状のア
    ルキル基又はアルケニル基を表わす。)
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