JPH0711242A - 熱変色性材料及びそれを内包したマイクロカプセル顔料 - Google Patents

熱変色性材料及びそれを内包したマイクロカプセル顔料

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JPH0711242A
JPH0711242A JP17721793A JP17721793A JPH0711242A JP H0711242 A JPH0711242 A JP H0711242A JP 17721793 A JP17721793 A JP 17721793A JP 17721793 A JP17721793 A JP 17721793A JP H0711242 A JPH0711242 A JP H0711242A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱変色時の発色濃度が高く、鮮明な色彩を与
えると共に、消色時の色残りが少ない熱変色特性を有
し、熱変色効果に対する耐熱安定性を顕著に向上させた
熱変色性材料、及びそれを内包したマイクロカプセル顔
料を提供する。 【構成】 電子供与性呈色性有機化合物と前記有機化合
物の顕色剤である2,2ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、及び呈色反応の変色温度
調節剤よりなる熱変色材料及びそれを内包したマイクロ
カプセル顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱変色性材料及びそれ
を内包した熱変色性マイクロカプセル顔料に関する。更
に詳細には、熱変色時の発色濃度が高く、且つ鮮明な色
彩の発色を呈す一方、消色時の色残りが少ない熱変色特
性を有し、更には耐熱安定性等を顕著に向上させた熱変
色性材料及びそれを内包したマイクロカプセル顔料に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子供与性呈色性有機化合
物、前記有機化合物の顕色剤、前記両成分の呈色反応の
変色温度調節剤の必須三成分を含む均質相溶体からなる
熱変色性材料及びそれを内包したマイクロカプセル顔料
に関して、幾つかの提案が開示されている(例えば、特
公昭51−44706号公報、特公昭51−44707
号公報、特公昭51−44708号公報等)。前記公報
等には、顕色剤としてアルキル基、アリール基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、或いはハロゲン等の置換
基をもつモノフェノール類乃至ポリフェノール類が例示
され、変色温度調節剤としてアルコール類、ケトン類、
エステル類等が例示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した熱
変色性材料にあっては、変色温度調節剤に対する、顕色
剤の溶解性が発色時の色濃度及び消色時の色残り等のい
わゆる熱変色機能に大きな影響を及ぼし、前記溶解性、
即ち相溶性が不十分な系では、フェノール化合物が均質
相溶体から析出し、発色濃度が低くなったり、消色時の
色残りを生じさせる等、不具合を発生させていた。
【0004】この点を説明すれば、前記変色温度調節剤
のうち、アルコール類、ケトン類はフェノール化合物の
溶解性が比較的良好であるとしても、それら化合物の炭
素数が増加するにつれ、前記従来公知のフェノール化合
物の溶解性は減少し、前記した不具合な熱変色性機能を
露呈させていた。エステル類にあっては、炭素数が比較
的小さい化合物(例えば炭素数が15〜20程度)であ
っても、前記炭素数と同程度の炭素数のアルコール類、
ケトン類と比較してもその極性は極めて低いために、フ
ェノール化合物の溶解性は、より一層乏しい関係にあ
り、その炭素数が増加するにつれ、更に相溶性が低減
し、熱変色機能を更に低下させていた。更に前記に関連
し、従来のフェノール化合物にあって強い呈色作用を与
える化合物、即ち、そのフェノール性水酸基のプロトン
解離性の大きい化合物は極性が更に大であり、親油性の
大きいエステル類には溶解し難く、均質な相溶体が形成
されず、熱変色機能を有効に発現できないし、高親水性
の故、水中油滴系(O/W)でのマイクロカプセル化顔
料製造時にフェノール化合物が水相に移行してしまうと
いう不具合を生じさせることにもなっていた。
【0005】又、前記熱変色性材料を内包したマイクロ
カプセル顔料を配合した塗料、インキ等により素材表面
に熱変色層を形成する際の高熱処理や、熱可塑性樹脂に
該マイクロカプセル顔料を溶融ブレンドして成形体を得
る過程等にあって、前記顕色剤が比較的低分子量、例え
ば、分子量が200以下の前記従来の公報等に開示され
たフェノール化合物は該成分の昇華性が大のため、マイ
クロカプセル外に蒸散して、変色機能自体が損なわれる
等の問題があり、耐熱安定性の面でも不満足であった。
【0006】前記した如き状況に鑑み、フェノール化合
物の溶解性が乏しいエステル類あるいは炭素数の多いア
ルコール類、ケトン類を変色温度調節剤として有効に機
能させる、変色温度調節剤に対して優れた溶解性を示
し、且つ充分な呈色性を発現させる顕色剤が強く要望さ
れていた。本発明は前記した要望を満たす顕色剤を見出
し、従来の熱変色性材料及びそのマイクロカプセル顔料
の不具合を解消し、熱変色時の発色濃度が高く、鮮明な
色彩の発色を呈すると共に、その消色時の色残りが少な
く、更には、耐熱安定性等を向上させた熱変色性材料及
びそれを内包したマイクロカプセル顔料を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)電子供
与性呈色性有機化合物、(ロ)前記有機化合物の顕色剤
である、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分
の呈色反応の変色温度調節剤である、アルコール類、エ
ステル類、ケトン類のいずれかより選んだ化合物の一種
又は二種以上の化合物を必須成分とする均質相溶体から
なる熱変色性材料及びそれを内包したマイクロカプセル
顔料を要件とする。
【0008】本発明者らは、高発色濃度かつ鮮明の発色
を呈し、消色時の色残りが少ない熱変色性を示し、耐熱
安定性を兼備したマイクロカプセル顔料を得るために鋭
意検討した結果、(ロ)成分のフェノール性水酸基を有
する化合物の様々な特性の中で、特に、(ハ)成分の変
色温度調節剤、中でもエステル類に代表される低極性化
合物に対するフェノール化合物の「溶解性」が大きいこ
と、又、(イ)成分を発色させるための顕色剤として有
効に作用するためにフェノール性水酸基の「プロトン解
離性」が大きいこと、及び熱変色性材料をマイクロカプ
セル化して二次加工に応用する際、フェノール化合物の
分子量に依存する「耐熱安定性」等に関し、前記(ロ)
成分として2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパンが前記目的性能を満たすのに顕
著な効果があることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】前記2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパンは、変色温度調節剤、な
かでも、エステル類に対して、これまで予想できなかっ
たような優れた溶解性を示した。その溶解性は例えば、
ステアリン酸ステアリルに対しても十分な溶解性を示す
程度の極めて高い溶解性を示す。これは、前記顕色剤が
2個のフェノール基のバインダー基に親油性官能基のト
リフルオロメチル基を有するため、低極性のエステル類
にあっても効果的な溶解性を与えるためと推察される。
更には、前記溶解性に加えて、(イ)成分の発色時の濃
度を顕著に向上させている。これは、フッ素自体の電気
陰性度が大きいことにより、フェノール性水酸基のプロ
トン解離性、即ち、フェノール性水酸基の酸性度が従来
開示の(ロ)成分であるフェノール化合物と比較して強
いため、(イ)成分の発色時の濃度を顕著に向上させる
ためと推察される。通常、フェノール性水酸基の酸性度
が大きい化合物の場合は、分子自体の極性が増加するた
め、エステル類への溶解度は非常に小さくなるが、本発
明におけるフェノール化合物は酸性度が強く、且つ上記
の如くフルオロ基による親油基のため、エステル類への
溶解度も阻害しないという特有の効果を生み出してい
る。一方、本発明の熱変色性材料をマイクロカプセルに
内包し、二次加工に応用するに際しては、前記フェノー
ル化合物はその分子量が300を越える化合物であり、
従来より公知のフェノール化合物の欠点であった昇華性
も少なく、二次加工時に熱処理を施したとしても、該フ
ェノール化合物がカプセル系外に消失することもなく、
所期の熱変色機能を持続させることができる。
【0010】尚、本発明の(イ)成分、即ち電子供与性
呈色性有機化合物としては、従来より公知の、ジフェニ
ルメタンフタリド類、フルオラン類、ジフェニルメタン
アザフタリド類、インドリルフタリド類、フェニルイン
ドリルフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド
類、スチリノキノリン類等がある。以下にこれらの化合
物を例示する。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェ
ニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド、1,3−ジメ
チル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3
−メチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−ジブチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノ
フルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、1,2−ベンツ
−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6
−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−エ
チルイソアミルアミノフルオラン、2−メチル−6−
(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2
−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p
−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(3’
−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノ
フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフ
ルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフル
オラン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリ
ン等がある。
【0011】一方、本発明における2,2−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに加
え、従来より公知のフェノール性水酸基を適宜、混合使
用しても差し支えない。但し、フェノール性水酸基の全
配合量の少なくとも50重量%以上が2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
であることが好ましい。次に混合使用されるフェノール
性水酸基を有する化合物としては、一価フェノール、二
価フェノール及び多価フェノールがあり、さらにベンゼ
ン環の置換基としてアルキル基、アリール基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエ
ステル又はアミド基、ハロゲン等を有するもの、及びビ
ス型、トリス型フェノール等がある。以下にそのフェノ
ール化合物を例示する。フェノール、o−クレゾール、
オクチルフェノール、ノニルフェノール、n−ドデシル
フェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフ
ェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安
息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ドデシ
ル、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン等がある。
【0012】(ハ)成分のアルコール類、エステル類、
ケトン類について説明する。前記各化合物を用いてマイ
クロカプセル化及び二次加工に応用する場合は低分子量
のものは高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するの
で、安定的にカプセル内に保持させるために、炭素数1
0以上の化合物が有効である。アルコール類としては、
炭素数10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効で
あり、具体的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコ
ール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テ
トラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキ
サデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタ
デシルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルア
ルコール等を例示できる。
【0013】エステル類としては、炭素数10以上のエ
ステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を
有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環
を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られ
るエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多
価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する
一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステ
ル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボ
ン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アル
コールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙
げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オク
チル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、
カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、
ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチ
ル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、
パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パル
ミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ス
テアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5
−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ウンデシル、
ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、
ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロ
ピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸
ベヘニル、安息香酸セチル、p−tert−ブチル安息
香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジス
テアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、
マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジ
ラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラ
ウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オ
クタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチ
レングリコールジミリステート、プロピレングリコール
ジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、
ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5−ペンタ
ンジオールジステアレート、1,2,6−ヘキサントリ
オールトリミリステート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ
ミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キ
シレングリコールジステアレート等が例示できる。
【0014】ケトン類としては、炭素数10以上の化合
物が有効であり、デカン−2オン、ウンデカン2−オ
ン、ラウロン、ステアロン等を例示できる。
【0015】前記した(イ)、(ロ)、(ハ)各成分
は、重量比で1:0.1〜10:1〜100の範囲内で
適宜、配合して加熱、攪拌して均質相溶体からなる熱変
色性材料を得る。前記熱変色性材料を内包させたマイク
ロカプセル顔料は、公知のマイクロカプセル化方法、例
えば、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化被
覆法、水溶液から相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁
被覆法、スプレードライニング法等により得られる。
【0016】
【作用】本発明に適用の2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパンは、電子供与性呈
色性有機化合物の顕色剤として効果的に機能する。即
ち、該化合物は、フッ素自体の電気陰性度が大きいこと
によりその酸性度が大であるため、電子供与性呈色性化
合物との電子授受反応が効果的に行われ、高濃度且つ鮮
明な発色を発現させるのに寄与し、分子中のトリフルオ
ロメチル基の親油性に依存して変色温度調節剤、中でも
低極性のエステル類に対して高溶解性を有し、加熱、冷
却の繰り返しによっても安定的に発消色機能を発現さ
せ、消色時の色残りも少ない。更には、該化合物は、分
子量が比較的大きいため、マイクロカプセル化時、或い
は二次加工時に熱処理されたとしても、該成分の昇華に
よるカプセル系外への消失もない。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を以下に記載する。尚、実施
例中の部は全て重量部である。 予備試験 以下の実施例及び比較例に使用したフェノール性水酸基
を有する化合物の電子供与性呈色性有機化合物に対する
発色性を以下の如くして確認した。1,3−ジメチル−
6−ジエチルアミノフルオラン0.2部、フェノール化
合物(〜)1.0部をそれぞれメチルエチルケトン
20部に溶解し、ロ紙に点滴、乾燥して発色組成物を得
た。 2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン 1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)メタン 2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン いずれの発色組成物も同程度の橙色の発色が得られ、
〜は電子供与性呈色性有機化合物の顕色剤として、い
ずれも有効であった。
【0018】実施例1 1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン1.
5部、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン5.0部、カプリン酸ステアリル5
0部を120℃で均一に溶解して熱変色性材料を調製し
た。20部のコロネートL〔多価イソシアネート、日本
ポリウレタン工業(株)製〕、50部のメチルエチルケ
トン及び前記熱変色性材料56.5部を混合し、80℃
で加温溶解し、これを5%ポリビニルアルコール水溶液
100部中に滴下し、粒径5〜10μmになるように攪
拌する。次いで、2部のジエチレントリアミンを48部
の水に溶解し、これを先の攪拌を続けている溶液中に徐
々に添加し、液温を70℃に保ち約4時間攪拌を続ける
とイソシアネート成分とジエチレントリアミンが熱変色
性材料の微小滴と水との界面で反応して、不溶性の固状
の重合膜を生成し、熱変色性材料内包のマイクロカプセ
ル顔料を含む原液を得た。得られたマイクロカプセル原
液を遠心分離器により処理して含水率約40%のマイク
ロカプセル顔料Aを得た。前記マイクロカプセル顔料A
は、約35℃以上で無色、30℃以下で橙色の発消色を
可逆的に呈した。
【0019】比較例1 実施例1の熱変色性材料のうち、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに替え
て、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)メタン
を用いた以外は実施例1と同様の方法でマイクロカプセ
ル顔料Bを得た。フェノール化合物がエステル類である
カプリン酸ステアリルに対して、加熱時に若干溶解し難
かったが、マイクロカプセル化は可能であった。
【0020】比較例2 実施例1の熱変色性材料のうち、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに替え
て、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンを用いた以外は実施例1と同様の方法でマイクロカプ
セル顔料Cを得た。フェノール化合物がエステル類であ
るカプリン酸ステアリルに対して、加熱時に若干溶解し
難かったが、マイクロカプセル化は可能であった。
【0021】比較例3 実施例1の熱変色性材料のうち、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに替え
て、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用い
た以外は実施例1と同様の方法でマイクロカプセル顔料
化を試みたが、フェノール化合物の半分以上がカプリン
酸ステアリルに対して、120℃においても溶解しなか
ったため、カプセル化を中断せざるを得なかった。
【0022】実施例2 実施例1の熱変色性材料のうち、カプリン酸ステアリル
に替えて、ステアリン酸n−ウンデシルを用いた以外は
実施例1と同様の方法でマイクロカプセルDを得た。
【0023】性能試験方法 前記の如くして得られたマイクロカプセル顔料A,B,
C,Dについて、発色濃度及び消色時の色残り、耐熱性
を以下の試験方法によりテストした。尚、比較例3は前
記の通り、マイクロカプセルが得られなかったため性能
試験には及ばなかった。発色濃度及び色残りは、マイク
ロカプセル顔料40部を酢酸ビニル樹脂エマルジョン6
0部中に分散してなるインキを上質紙にスクリーン印刷
し、変色温度以上、以下に加熱、冷却して発色時の濃度
及び消色時の色残りの有無を観察した。耐熱性は、マイ
クロカプセル顔料20部をアクリル樹脂エマルジョン6
0部中に分散して、エチレンイミン系架橋剤10部を加
え、綿布にスクリーン印刷して、160℃、180℃、
200℃の各温度において10分間の加熱処理を行った
後、熱変色性を観察した。
【0024】性能試験結果及び考察 (1)発色濃度及び消色時の色残り 各実施例及び比較例により得られた印刷物を色差計(T
C−3600型色差計、(株)東京電色製)を用いて、
着色状態及び消色状態の明度値を測定し、表1及び2に
示した。
【表1】
【表2】
【0025】表1、2の通り、実施例1及び2は発色時
の濃度、鮮明性共優れており、更に、その消色時の色残
りも非常に少なく、優れた熱変色機能を示した。一方、
比較例1は発色時の濃度は実施例1、2とほぼ同等であ
るが、消色時の色残りは非常に強く、比較例2において
は発色濃度が弱く、かつ、消色時の色残りが強いという
結果となった。比較例1及び2の色残りが強くなった原
因としては、各比較例に使用したフェノール性水酸基を
有する化合物が変色温度調節剤であるエステルに対し、
溶解性が乏しいために、組成物が均質相溶体とならず、
フェノール化合物がエステル中で析出を生じ、フェノー
ル化合物と電子供与性呈色性有機化合物の電子授受反応
が十分に行われないためと考えられる。比較例3の4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンがカプリン酸ス
テアリルに溶解しなかった理由は、該フェノール化合物
はスルホン基を有しているため、その極性が強く、低極
性のエステルであるカプリン酸ステアリルに対する溶解
度が非常に小さいためと考えられる。
【0026】(2)耐熱性試験 各実施例により得られた熱変色性綿布について耐熱性試
験を行なった結果を表3に示す。
【表3】
【0027】実施例1及び2は200℃×10分の試験
後も未試験と比較して何ら変化なくその熱変色機能を発
揮した。このことは、高熱下においても本発明のフェノ
ール化合物が安定的にマイクロカプセル内に保持されて
いることが確認される。 比較例1及び2において耐熱
性試験の結果、その熱変色機能が劣化した原因として
は、加熱によりマイクロカプセル内のフェノール化合物
がカプセル系外に消失した為と考えられる。
【0028】
【発明の効果】本発明の熱変色性材料及びそれを内包し
たマイクロカプセル顔料は、前記した性能試験結果にみ
られるように、その発色濃度及び発色時の色彩の鮮明性
共に優れており、消色時の色残りも少ない。更には、耐
熱安定性にも優れており、所期の熱変色機能を持続させ
ることができる。かくして、本発明の熱変色性材料及び
それを内包したマイクロカプセル顔料は印刷インキ、塗
料等の色材として、基材表面に熱変色層を形成させる多
岐な応用分野は勿論、熱可塑性樹脂等に溶融ブレンドし
て成形体を得る試みに対しても、熱変色特性が損なわれ
ることもなく、所期の機能を永続して発現させることが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)前記有機化合物の顕色剤である、2,2−ビス
    (4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
    ン、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分の呈色反応の変色温
    度調節剤である、アルコール類、エステル類、ケトン類
    のいずれかより選んだ化合物の一種又は二種以上の化合
    物を必須成分とする均質相溶体からなる熱変色性材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱変色性材料を微小カプ
    セルに内包した熱変色性マイクロカプセル顔料。
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