JPH05270344A - 助手席用エアバッグ装置のリッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアバッグが展開するときにリッドを大きく
回動させる。 【構成】 インストルメントパネル１０に助手席用エア
バッグ装置が設けられており、そのリッド１６Ａに屈曲
部３０が設けられている。インフレータ２２が作動して
リッド１６Ａが開放方向に回動し、その先端側がフロン
トガラス２８に当たると、屈曲部３０に沿ってリッド先
端側が屈曲する。このため、リッド１６Ａがさらに開放
方向に回動し、大きく開放する。 【効果】 エアバッグ装置が作動されてリッドが開放方
向に回動され、フロントガラスに当たった場合、このリ
ッド先端側のフロントガラスに当たった部分が回動方向
後方へ屈曲する。このため、リッドはさらに回動を続け
るようになり、大きく開放する。従って、エアバッグが
車両室内に急速に展開するようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車の助手席のインス
トルメントパネルに設けられて助手席乗員を車両衝突時
に保護するための助手席用エアバッグ装置に係り、特に
そのリッドの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】助手席用エアバッグ装置の概略的な構成
を第８図に示す。インストルメントパネル１０に、助手
席用エアバッグ装置１２の設置用の開口１４が設けられ
ており、該開口１４の部分にエアバッグ装置１２のリッ
ド１６が配置されている。このエアバッグ装置１２は、
該リッド１６で前面開口が覆われたコンテナ１８と、該
コンテナ１８内に折り畳まれて収納されたエアバッグ２
０と、該エアバッグ２０を展開させるためのガス発生器
としてのインフレータ２２などを備えている。リッド１
６の裏面（背面）には取付片２４、２６が設けられてお
り、これらの取付片２４、２６がコンテナ１８に固着さ
れている。２８は自動車のフロントガラスである。

【０００３】この自動車が衝突すると、インフレータ２
２が作動され、インフレータ２２からガスが発生され
る。これにより、エアバッグ２０が膨張を開始する。こ
の膨張するエアバッグ２０に押されてリッド１６が第８
図の２点鎖線の如く取付片２６側を回動中心として回動
して開放し、エアバッグ２０が車両室内に大きく展開す
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の助手席用エ
アバッグ装置のリッドにおいては、リッド２２の先端が
フロントガラス２８に当たるため、リッド２２の回動範
囲に制約が生じる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の助手席用エアバ
ッグ装置のリッドは、折り畳まれたエアバッグを収納し
ているコンテナの開口を覆うリッドであって、該エアバ
ッグが展開するときには該エアバッグに押されて一部又
はすべてがドア状に回動されて開放される助手席用エア
バッグ装置のリッドにおいて、該リッドの回動時の先端
側のうち、自動車のフロントガラスに当接する部位を該
回動方向後方側へ屈曲可能としたことを特徴とするもの
である。

【０００６】

【作用】かかる本発明の助手席用エアバッグ装置のリッ
ドによると、エアバッグが展開してリッドが開放された
場合において、該リッドの先端側がフロントガラスに当
たると、該先端側が回動方向後方側へ屈曲する。このた
め、リッドはさらに回動を続けるようになり、大きく開
放する。

【０００７】

【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第１図は本発明の実施例に係る助手席用エアバッグ
装置のリッドを示す斜視図、第２図は第１図のII−II線
に沿う断面図、第３図は助手席用エアバッグ装置の作動
説明図である。なお、本実施例では、自動車の進行方向
左側に助手席が配置され、右側に運転席が配置されてい
る。この助手席の前方のインストルメントパネル１０に
助手席用エアバッグ装置１２が設置されている。

【０００８】本実施例では、リッド１６Ａの左側の側辺
部１６Ｌの先端側に屈曲部３０が設けられている。本実
施例では、このリッド１６Ａは、硬質合成樹脂よりなる
インナ層３２と、軟質合成樹脂よりなるアウタ層３４と
からなっており、前記屈曲部３０は、このインナ層３２
に形成された溝により構成されている。

【０００９】第１図のその他の符号は第８図と同一部分
を示している。また、この助手席用エアバッグ装置１２
のその他の構成は前記従来例と同様である。

【００１０】このように構成されたリッド１６Ａを有す
るエアバッグ装置１２において、自動車が衝突してイン
フレータ２２が作動されると、エアバッグ２０がリッド
１６Ａを裏側から押し、該リッド１６Ａを第３図の如
く、取付片２６側を回動中心として開放作動させる。第
１図にも示す如く、このリッドの左側１６Ｌは、右側１
６Ｒに比べ、フロントガラス２８に接近している。従っ
て、リッド１６Ａが開放方向に回動していくと、まずこ
の左側１６Ｌの先端部分がフロントガラス２８に当接す
る。そうすると、この左側先端部分が屈曲部３０に沿っ
て第３図の如く屈曲する。そのため、リッド１６Ａは従
来よりも大きく回動し、エアバッグ２０が速やかに車両
室内に大きく展開するようになる。

【００１１】上記実施例では溝を形成することにより屈
曲部３０を構成しているが、本発明では、第４図の如
く、屈曲部３０に沿ってインナ層３２を省略し、この省
略した部分にアウタ層３４を構成する軟質合成樹脂を挿
入させるようにしても良い。なお、第４図の如くして屈
曲部３０を構成した場合、リッド１６Ｂが屈曲部３０よ
りも先端側を押されると、この先端側が撓むおそれがあ
る。そこで、このような場合にはインストルメントパネ
ル１０をリッド１６Ｂの周縁部の下側となるように構成
するのが好適である。

【００１２】第５図及び第６図は本発明の別の実施例に
係るリッドを示す平面図と断面図であり、リッド１６Ｃ
内にアルミニウム板等の補強板４０を埋設したリッドを
示している。本実施例では、この補強板４０に複数個の
孔４２を列状に設けることにより屈曲部４４を構成して
いる。この列状の孔４２よりも先端側が押されると、リ
ッド１６Ｃは第３図と同様に先端側が回動方向後方側に
屈曲する。

【００１３】なお、孔４２は、円形孔に限られるもので
はなく、長円形、菱形、レンズ形、六角形など各種形状
にできる。

【００１４】第６図では複数個の孔４２を列状に設ける
ことにより屈曲部４４を構成しているが、本発明では、
第７図に示す如く、補強板４０Ａに段差４６を設け、該
段差４６よりも先端側がフロントガラス２８に当たった
ときに、曲げ応力がこの段差４６の部分に集中し、この
段差４６の部分でリッドが屈曲するように構成しても良
い。また、この複数個の孔４２や段差４６を複数列設け
るとより効果的である。

【００１５】

【発明の効果】以上の通り、本発明の助手席用エアバッ
グ装置のリッドによると、エアバッグ装置が作動されて
リッドが開放方向に回動され、フロントガラスに当たっ
た場合、このリッド先端側のフロントガラスに当たった
部分が回動方向後方へ屈曲する。このため、リッドはさ
らに回動を続けるようになり、大きく開放する。従っ
て、エアバッグが車両室内に急速に展開するようにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す斜視図である。

【図２】図１のII−II線に沿う断面図である。

【図３】実施例の作動を説明する断面図である。

【図４】別の実施例に係るリッドの断面図である。

【図５】更に別の実施例に係るリッドの平面図である。

【図６】図５のVI−VI線に沿う部分の断面斜視図であ
る。

【図７】更に異なる実施例に用いられるリッドの補強板
の斜視図である。

【図８】従来の助手席用エアバッグ装置のリッドの概略
的な構成図である。

【符号の説明】

１０ インストルメントパネル １２ 助手席用エアバッグ装置 １６ リッド １８ コンテナ ２０ エアバッグ ２２ インフレータ ２８ フロントガラス ３０ 屈曲部 ３２ インナ層 ３４ アウタ層 ４０ 補強板 ４２ 孔 ４６ 段差

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折り畳まれたエアバッグを収納している
   コンテナの開口を覆うリッドであって、 該エアバッグが展開するときには該エアバッグに押され
   て一部又はすべてがドア状に回動されて開放される助手
   席用エアバッグ装置のリッドにおいて、 該リッドの回動時の先端側のうち、自動車のフロントガ
   ラスに当接する部位を該回動方向後方側へ屈曲可能とし
   たことを特徴とする助手席用エアバッグ装置のリッド。