JPH0527028B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はフローテイング・ゾーン法による単結
晶の製造等に用いられるイメージ炉の試料を観察
するための構造に関するものである。

（従来技術とその問題点） イメージ炉は、回転楕円面鏡から成る反射鏡の
一方の焦点に熱光源をおき、もう一方の焦点に試
料をおいて熱光源から出た光（幅射線）を試料側
の焦点に集光し、試料を加熱するものである。こ
の装置には反射鏡を一個の回転楕円面のみで構成
する単楕円型、反射鏡が２個の回転楕円面の組み
合わせで構成される双楕円型、更に反射鏡を３個
以上の回転楕円面の組み合わせで構成する多楕円
型とがある。

はじめにイメージ炉の概念を双楕円型イメージ
炉を例として説明する。

第１図は、双楕円型のイメージ炉の加熱炉の部
分を示す縦断面図である。

図において１０１が反射鏡であり、その反射鏡
面１０２ａ，１０２ｂはそれぞれF₁F₂を焦点と
する楕円をＸ軸上の回転させた回転楕円面と
F₂F₃を焦点とする楕円をＸ軸上に回転させた回
転楕円面で構成される。１０３ａ，１０３ｂはそ
れぞれ反射鏡面１０２ａ，１０２ｂの焦点F₁，
F₃におかれた熱光源ランプでハロゲンランプな
どが使用される。１０４は上側試料、１０５は下
側試料であり、１０６は加熱溶融された溶融域
（モルテンゾーン）である。また１０７は炉心管
であり、石英のような耐熱性透明ガラスでできて
いる。

一方、上側試料１０４は上側試料チヤツク１０
８を介して、上シヤフト１０９は固定され、上シ
ヤフト１０９は上シヤフト送り機構（図示せず）
により上下に移動できる。また下側試料１０５は
下側試料チヤツク１１０を介して下シヤフト１１
１に固定され、下シヤフト１１１は下シヤフト送
り機構（図示せず）により、上下に移動できる。
更に反射鏡１０１の内側１１２はＯリング１１
３，１１４でシールされ、外気との気密が保たれ
ている。炉心管内には例えば不活性ガスなどの雰
囲気を流して、加熱時の試料の酸化等を防いでい
る。

次に従来のイメージ炉における欠点を双楕円型
イメージ炉を例として説明する。第２図は、従来
の双楕円型イメージ炉の加熱炉部分の横断面図で
ある。第２図の炉の縦方向断面は第１図と同様の
構造を有している。

図において２０１が反射鏡であり、２０２ａ，
２０２ｂが反射鏡面である。２０３ａ，２０３ｂ
はそれぞれ反射鏡面２０２ａ，２０２ｂの焦点に
置かれた熱光源ランプでハロゲンランプなどが使
用される。２０４が試料、２０５が試料を覆つて
いる炉心管である。２０６は観察窓、２０７はガ
ラス板であり、Ｏリング２０８によつてシールさ
れており、炉内の気密を保つている。赤熱した試
料から発せられる光２１１は、レンズ２０９によ
つて２１２のスクリーン上に結像され、２１０の
スライド機構によりスクリーンを動かし結像のピ
ント調整を行う。従来のイメージ炉ではこのよう
にスクリーン上に映る試料の像の観察により試料
の溶融状態などを外から観測していた。

しかしながら、このような従来のイメージ炉で
は試料の像がスリガラスなどで作られたスクリー
ン２１２に投影されているため、解像度が悪かつ
た。また溶融状態の記録が必要な場合、写真撮
影、シネ撮影、あるじはTVカメラを使つた
VTR記録をスクリーン上の像を被写体として、
行なうことしか出来ず、記録した映像の分解能が
非常に悪い欠点があつた。更に、溶融状態の遠隔
地での観察に対してはスクリーン上の像をTVカ
メラを介して、TVモニタに写す必要が生じる
が、この場合にも解像度に問題が生じる。

（発明の目的） 本発明の目的は、このような従来の欠点を除去
せしめて、試料溶融状態を鮮明な画像としてTV
モニタにて観測あるいはVTRに記録できるよう
なイメージ炉を提供することにある。

（発明の構成） 本発明によれば、ピンホールレンズ及びTVカ
メラから成る、試料を観察するための構造を有す
ることを特徴とするイメージ炉が得られる。

（構成の詳細な説明） 本発明は、上述の構成をとることにより従来技
術の問題点を解決した。まずピンホールレンズ及
びTVカメラを用いることにより、TVカメラの
映像面に映つた像をケーブルを通じてTVモニタ
に映し出し、観察することが出来る。従つて、画
像の解像度が高くなり、遠隔地でこの観察、記録
も可能となる。

（実施例） 以下、本発明について実施例を示す図面を参照
して説明する。

第３図は、本発明の一実施例を示した双楕円型
イメージ炉の加熱炉の部分を示す横断面図であ
る。第３図の炉の縦方向断面は第１図と同様の構
造を有している。

図において、３０１が反射鏡であり、３０２
ａ，３０２ｂが反射鏡面である。３０３ａ，３０
３ｂはそれぞれ反射鏡面３０２ａ，３０２ｂの焦
点に置かれた熱光源ランプで、ハロゲンランプな
どが使用される。３０４が試料、３０５が試料を
覆つている炉心管である。３０６は観察窓、３０
７はガラス板であり、Ｏリング３０８によつてシ
ールされており炉内の気密を保つている。３０９
はピンホールレンズであり、試料から出た光３１
１はピンホールレンズ３０９を通り、TVカメラ
３１０内の映像面（図示せず）に像を結ぶ仕組に
なつている。このTVカメラをケーブル３１２を
通してTVモニタ３１３につなぐことによつて試
料の溶融状態をモニタで見ることができる。ここ
でピンホールレンズ３０９とは複数のレンズ郡で
構成されるレンズ機構で、例えばコズミカ・ピン
ホールTVレンズＣ−934PLEXに代表されるよう
に、φ1〜２mm程度の小径のレンズ先端３１１か
ら例えば60゜程度の広角度の視野域をカメラの撮
像面上に結像することができるものである。更に
レンズ機構自身の外径が小さいため、イメージ炉
の窓に接する付近までレンズ先端３１１を挿入す
ることができる。

一方、イメージ炉では炉の加熱効率を上げるた
め、反射鏡の有効反射面をできるだけ多くする必
要があり、この意味で観察窓の直径は、出来る限
り小さいことが要求され、通常直径φ6〜φ10程度
におさえられる。従つてピンホールレンズ以外の
レンズすなわち標準レンズやマクロレンズをつけ
たTVカメラにより試料の観察を試みてもこれら
のレンズの外径が大きく観察窓の近くまで接近さ
せることができないことも手伝つて観察窓の直径
（φ6〜φ10mm程度）の試料範囲しか観察できない。

しかしながら、本発明によればピンホールレン
ズを用いていることにより観察窓に接近させたレ
ンズ先端３１１から、観察窓の径を見込む角度α
の範囲が全で視野に入ることになり、例えばφ60
mmといつた広範囲な試料範囲を視野域内に入れる
ことができる。

（発明の効果） 本発明によれば、反射鏡内の試料を直接TVカ
メラを介して、TVモニタにて観察できるように
なり、スリガラスのスクリーンに比べはるかに分
解能が高く、鮮明な画像を観察できる。またモニ
タ画面の大きさは例えば12インチTVモニタのよ
うに、スリガラスのスクリーンよりも十分大きく
適切な大きさを設定することができ、観察者の見
易い位置に見易い大きさで試料の像を映すことが
できる。更には、VTRによる映像記録が容易に
行なえるのは勿論のこと、TVモニタの位置を自
由に設定できるため、遠隔地での観測が可能で、
コントロールルームでの複数装置の集中監視等が
きわめて容易となる。すなわち、本発明ほ従来の
イメージ炉における観察像の分解能の悪さ、記録
の不自由さを解消するとともに、観察者の観察労
力を著るしく軽減するものであり、本発明による
効果は非常に大きい。

なお、ここでは双楕円型のイメージ炉について
説明してきたが、単楕円型あるいは多楕円型のイ
メージ炉についても本発明は適用でき同様の効果
を生じる。

更に、以上の説明で述べた熱光源ランプとして
は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ラン
プ等の任意のランプの使用が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、双楕円型イメージ炉の加熱炉の部分
を示す縦断面図で、第２図は従来構造を有する双
楕円型イメージ炉の加熱炉の部分を示す横断面図
で、第３図は本発明の一実施例を示す双楕円型イ
メージ炉の加熱炉の部分を示す横断面図である。 図において、１０１……反射鏡、１０３ａ，１
０３ｂ……熱光源ランプ、１０４……上側試料、
１０５……下側試料、１０８……上側試料チヤツ
ク、１０９……上シヤフト、１１０……下側試料
チヤツク、１１１……下シヤフト、３０７……ガ
ラス板、３０８……Ｏリング、３０９……ピンホ
ール・レンズ、３１０……TVカメラ、３１３…
…TVモニタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一個または複数個の回転楕円面から成る反射
   鏡の一方の焦点に熱光源を配し、他の一方の焦点
   に配した試料に光を集中して加熱するイメージ炉
   においてピンホールレンズ及びTVカメラから成
   る、試料を観察するための構造を有することを特
   徴とするイメージ炉。