JPH05262103A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH05262103A
JPH05262103A JP4060402A JP6040292A JPH05262103A JP H05262103 A JPH05262103 A JP H05262103A JP 4060402 A JP4060402 A JP 4060402A JP 6040292 A JP6040292 A JP 6040292A JP H05262103 A JPH05262103 A JP H05262103A
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JP
Japan
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tread portion
softening agent
parts
tread part
cap tread
Prior art date
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Pending
Application number
JP4060402A
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English (en)
Inventor
Masaaki Harada
昌明 原田
Shingo Midorikawa
真吾 緑川
Makoto Misawa
眞 三澤
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行中又は経時的に変化するトレッド部の硬
度上昇を抑制することにより、乾燥路における操縦安定
性や湿潤路における摩擦性を良好に保ちながら、初期の
氷上性能を長期間維持する。 【構成】 トレッド部3を、外層側のキャップトレッド
部6と内層側のアンダートレッド部5とから構成すると
共に、これらを構成するゴムコンパウンドに軟化剤を配
合した空気入りタイヤにおいて、前記アンダートレッド
部5の軟化剤濃度を前記キャップトレッド部6の軟化剤
濃度の105〜200%で、しかも原料ゴム100重量
部当たり35〜70重量部の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷上性能の経時的低下
を低減した空気入りタイヤ、特にスタッドレスタイヤや
オールシーズンタイヤに代表される空気入りタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にスタッドレスタイヤやオールシー
ズンタイヤは、トレッド部がキャップトレッド部とアン
ダートレッド部との内外2層から構成され、そのキャッ
プトレッド部側にアンダートレッド部側よりも多量に低
融点の軟化剤を配合することにより、低温時のキャップ
トレッド部のゴム弾性や摩擦抵抗を確保し、氷上性能を
発揮するようにしている。
【0003】しかし、この従来のタイヤは走行中又は経
時的にキャップトレッド部の軟化剤がアンダートレッド
部等のタイヤ内層部へマイグレーションしたり、路面や
大気中に拡散し、その硬度が変化(上昇)するため、氷
上性能が次第に悪化するという問題があった。従来、上
述のようなスタッドレスタイヤ等の氷上性能の悪化を抑
制する対策として、特開平1─108232号公報に
は、トレッド部とベルト層との間にオイルバリヤーを設
け、トレッド部に含まれる軟化剤のマイグレーションを
抑制する手段が提案されている。しかし、この対策はベ
ルト層側への軟化剤移行量は低減するものの、路面や大
気中への移行は避けられないので本質的な対策とはなら
なかった。
【0004】また、特開平1−234441号公報に
は、トレッド部にマイクロカプセル化油を配合する対策
が提案されている。しかし、この対策は、マイクロカプ
セル化油がトレッド部踏面の摩耗を生じ易くし、耐摩耗
性を悪化させるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、走行
中又は経時的に変化するトレッド部の硬度上昇を抑制す
ることにより、乾燥路における操縦安定性や湿潤路にお
ける摩擦性を良好に保ちながら、初期の氷上性能を長期
間維持するようにした空気入りタイヤを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような本発明の目的
は、トレッド部を、外層側のキャップトレッド部と内層
側のアンダートレッド部とから構成すると共に、これら
を構成するゴムコンパウンドに軟化剤を配合した空気入
りタイヤにおいて、前記アンダートレッド部の軟化剤濃
度が前記キャップトレッド部の軟化剤濃度の105〜2
00%で、しかも原料ゴム100重量部当たり35〜7
0重量部の範囲であることにより達成することができ
る。
【0007】このようにアンダートレッド部の軟化剤濃
度をキャップトレッド部のそれよりも大きくすることに
より、アンダートレッド部からキャップトレッド部への
マイグレーションを行わせ、乾燥路における操縦安定性
や湿潤路における摩擦性を良好に保持しながら、キャッ
プトレッド部が初期に有する硬度を長期間保持し、初期
の氷上性能を維持することができる。
【0008】本発明において、軟化剤濃度とはトレッド
ゴムコンパウンド中の原料ゴム100重量部に対する軟
化剤の配合量(重量部)によって定義される値である。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1
は、本発明タイヤの1例を示す半断面図である。図1に
おいて、1はビードコア、2はカーカス層、3はトレッ
ド部、4はベルト層である。カーカス層2は、その両端
部をビードコア1の廻りにタイヤ内側から外側にトレッ
ド方向に折り返されている。ベルト層4上のトレッド部
3は、内層側のアンダートレッド部5とその上に重ね合
わせられたキャップトレッド部6とから形成されてい
る。
【0009】上記アンダートレッド部5とキャップトレ
ッド部6とを構成するゴムコンパウンドにはそれぞれ軟
化剤が配合されているが、その軟化剤濃度はアンダート
レッド部5側の方がキャップトレッド部6側よりも大き
く、キャップトレッド部6の軟化剤濃度の105〜20
0%であり、かつ原料ゴム100重量部当たり35〜7
0重量部の範囲である。
【0010】上述のアンダートレッド部の軟化剤濃度を
キャップトレッド部のそれの105%以上にすることに
より、キャップトレッド部からアンダートレッド部への
適度なマイグレーションを行わせることが可能になり、
キャップトレッド部の硬度の上昇を抑制することができ
る。しかし、アンダートレッド部の軟化剤濃度がキャッ
プトレッド部のそれの200%を越えるほどに濃度差を
大きくすると、アンダートレッド部からキャップトレッ
ド部への軟化剤のマイグレーションが著しくなってキャ
ップトレッド部の硬度低下が著しくなり、操縦安定性や
耐摩耗性等の一般路におけるタイヤ性能が損なわれるよ
うになる。
【0011】また、アンダートレッド部ゴムコンパウン
ドの軟化剤濃度は原料ゴム100重量部当たり35重量
部未満では、上記濃度差を与えるためのキャップトレッ
ド部に対する軟化剤の配合量の自由度が小さくなるため
氷上性能を十分に向上させることができなくなる恐れが
あり、また、一般路におけるタイヤ性能、例えば、乾燥
路面での操縦安定性、湿潤路面での摩擦性等が低下する
ため好ましくない。他方、70重量部を越えると押出成
形時の加工性が低下すると共に、ゴム物性が低下するた
め好ましくない。
【0012】本発明に使用する軟化剤としては、通常の
ゴム用軟化剤として知られているプロセスオイルのほか
可塑剤が使用可能である。プロセスオイルとしては、、
パラフィン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイ
ル、ナフテン系プロセスオイル等の石油系軟化剤、コー
ルタール系軟化剤、脂肪油系軟化剤を挙げることができ
る。さらに、これら軟化剤の外に下記の各種化合物を軟
化剤として使用することができる。ジ−n−オクチルフ
タレート,ジブチルフタレート等のフタル酸系誘導体、
ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート,ジイソブチル
−アジペート等のアジピン酸誘導体、ジ−(2−エチル
ヘキシル)アゼレート等のアゼライン酸誘導体、ジ−
(2−エチルヘキシル)セバケート等のセバシン酸誘導
体、ジブチルマレート等のマレイン酸誘導体、ジ−(2
−エチルヘキシル)フマレート等のフマル酸誘導体、ト
リイソデシル−トリメリテート等のトリメリット酸誘導
体、アセチルトリエチル−シトレート等のクエン酸誘導
体、メチルオレエート等のオレイン酸誘導体、メチルア
セチル−リシノレート等のリシノール酸誘導体、ジエチ
レングリコール−ジステアレート等のステアリン酸誘導
体、トリエチレングリコール−ジペラルゴネート等の脂
肪酸誘導体、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホ
ンアミド等のスルホン酸誘導体、トリブチルホスフェー
ト等のリン酸誘導体、オクチル脂肪酸エステル等のモノ
エステル系可塑剤、トリエチレングリコール−ジ−(2
−エチルブチレート)等のグリコール誘導体、並びにグ
リセリン誘導体、パラフィン誘導体、ジフェニル誘導
体、エポキシ誘導体等である。これらは単独のみならず
2種類以上を併用することができる。
【0013】他方、キャップトレッド部の軟化剤濃度
は、アンダートレッド部よりも小さければ特に限定され
るものではない。また、本発明において、トレッド部に
占めるアンダートレッド部とキャップトレッド部との割
合は、キャップトレッド部の厚さが厚くなり過ぎると蓄
熱し易くなったり、高速走行時の操縦安定性を低下させ
たりする。他方、薄くなりすぎると、摩耗によりアンダ
ートレッド部が早く露出し、2層構造による氷上性能が
低下したり、乾燥路での操縦安定性が損なわれたりし易
くなる。このため、キャップトレッド部の容積Vc に対
するアンダートレッド部の容積Vb の比Vb /Vcを
0.05〜1.5、好ましくは0.1〜0.8の範囲に
なるようにすることが望ましい。
【0014】
【実施例】表1に示すように、配合組成を異にする5種
類のキャップトレッド部用のゴムコンパウンドC−1,
C−2, C−3,C−4,C−5及び3種類のアンダ
ートレッド部用のゴムコンパウンドU−1,U−2,U
−3を調製した。
【0015】
【0016】表1中、NRは天然ゴム(TTR−2
0)、BRはポリブタジエンゴム(日本ゼオン社製商品
名ニポール1220)、SBRはスチレン含有量23.
5重量%のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(日本ゼ
オン社製商品名ニポール1712)、プロセスオイルは
芳香族系プロセスオイル、可塑剤はジ−(2−エチルヘ
キシル)セバケート(大八化学社製)である。
【0017】次に、タイヤサイズを185/70R1
3、トレッド構造を図1、キャップトレッド部の容積V
c に対するアンダートレッド部の容積Vb の比Vb /V
c を0.4とする点を共通とし、表1の5種類のキャッ
プトレッド部用ゴムコンパウンドと3種類のアンダート
レッド部用ゴムコンパウンドを、それぞれ表2に示す通
り組み合わせて使用し、従来タイヤ、比較タイヤ1,
2,3、本発明タイヤ1,2,3を製作した。
【0018】これら7種類の空気入りタイヤについて、
下記方法により硬度、氷上制動性能を評価した。それら
の結果を表2に示した。硬度 :新品時及び7,000km走行した後の各タイヤ
のトレッド部から試験片を切り出し、JIS−K630
1に規定されている方法に準じて、温度0℃のときの硬
度を測定した。氷上制動性能 :新品時及び7,000km走行した後の
タイヤについて、それぞれ氷盤上を初速30km/hr
で走行し、制動したときの制動距離を測定した。評価は
制動距離の逆数をもって行い、従来タイヤの新品時の制
動距離(逆数)を基準(100)とする指数値で表示し
た。この指数値が大きいほど氷上制動性能が良好である
ことを示す。
【0019】また、これら7種類のタイヤについて、下
記の評価方法により乾燥路における操縦安定性及び耐摩
耗性を評価した。その結果を表2に示した。操縦安定性 :5人のテストドライバーによる乾燥路面に
おける実車フィーリングを10点法により採点(平均
点)し評価した。従来タイヤの採点を基準(100)と
する指数値で表示した。この指数値が大きいほど操縦安
定性が良好であることを示す。 耐摩耗性 :JATMAに規定されている設計常用荷重、
空気圧の条件下で乾燥路面を7,000km走行した
後、各タイヤの摩耗量を測定した。評価は摩耗量の逆数
をもって行い、従来タイヤの摩耗量(逆数)を基準(1
00)とする指数値で表示した。この指数値が大きいほ
ど耐摩耗性が良好であることを示す。
【0020】 表2から、従来タイヤは、キャップトレッド部の軟化剤
濃度(プロセスオイルと可塑剤の濃度,55重量部)に
比べて、アンダートレッド部の軟化剤濃度(プロセスオ
イルのみ10重量部)が小さいため、7,000km走
行した後のキャップトレッド部の硬度が上昇し、氷上制
動性能が著しく低下している。
【0021】これに対し、本発明タイヤ1,2,3はい
ずれも、アンダートレッド部の軟化剤濃度をキャップト
レッド部の軟化剤濃度の105〜200%で、かつ原料
ゴム100重量部当たり35〜70重量部の範囲にした
ので、新品時において氷上制動性能を従来タイヤの5ポ
イント以内に保ちつつ、7,000km走行後において
は新品時と同等以上の氷上制動性能を発揮するようにな
っている。
【0022】しかし、比較タイヤ1はキャップトレッド
部の軟化剤濃度とその配合量が本発明に規定する範囲外
であるため、7,000km走行後の氷上制動性能が著
しく低下している。また、氷上制動性能以外の性能につ
いてみると、比較タイヤ2はアンダートレッド部の軟化
剤量の下限(35重量部)未満のため乾燥路における操
縦安定性が低下している。また、比較タイヤ3はアンダ
ートレッド部の軟化剤濃度量の上限(キャップトレッド
部の軟化剤濃度の200%)を越えるため、乾燥路にお
ける操縦安定性と耐摩耗性が共に低下している。しか
し、本発明タイヤ1,2及び3はいずれも本発明に規定
する好ましい軟化剤濃度範囲を満足するので、操縦安定
性と耐摩耗性とも良好な状態を保持している。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、アンダートレッド部の
軟化剤濃度をキャップトレッド部のそれよりも大きく
し、アンダートレッド部からキャップトレッド部へのマ
イグレーションを行わせることにより、乾燥路における
操縦安定性や湿潤路における摩擦性を良好に保持しなが
ら、キャップトレッド部の硬度を長期間保持し、初期の
良好な氷上性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明タイヤの1例を示す半断面図である。
【符号の説明】
3 トレッド部 5 アンダートレ
ッド部 6 キャップトレッド部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部を、外層側のキャップトレッ
    ド部と内層側のアンダートレッド部とから構成すると共
    に、これらを構成するゴムコンパウンドに軟化剤を配合
    した空気入りタイヤにおいて、前記アンダートレッド部
    の軟化剤濃度が前記キャップトレッド部の軟化剤濃度の
    105〜200%で、しかも原料ゴム100重量部当た
    り35〜70重量部の範囲である空気入りタイヤ。
JP4060402A 1992-03-17 1992-03-17 空気入りタイヤ Pending JPH05262103A (ja)

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