JPH05260756A - 3相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法 - Google Patents

3相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法

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JPH05260756A
JPH05260756A JP4050647A JP5064792A JPH05260756A JP H05260756 A JPH05260756 A JP H05260756A JP 4050647 A JP4050647 A JP 4050647A JP 5064792 A JP5064792 A JP 5064792A JP H05260756 A JPH05260756 A JP H05260756A
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JP
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voltage
output
voltage vector
phase
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Application number
JP4050647A
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English (en)
Inventor
Toshito Nakanishi
俊人 中西
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
Original Assignee
Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3相電圧形インバータ装置の可制御素子のス
イッチング回数を減らすことにより、スイッチング損失
を低減化し、インバータ装置の運転時に発生する電磁騒
音の低減化を図ること。 【構成】 電圧指令値をベクトルViに変換し、ベクト
ルViをベクトル分割器412によりベクトルViを挟
む位相角がπ/3異なった2つのベクトルVA、VBに
分割する。また、ベクトル選択器416A,416B
は、ベクトルVA、VBの1相分をスイッチングするこ
とにより得られる零ベクトルを選択する。スイッチ42
0A、420Bは、ベクトルViのVA、VB成分の大
きさに対応した時間間隔でベクトルVA、VBと上記零
ベクトルを交互に切り替える。タイマ部419は、単位
時間内におけるベクトルVAとVBの出力時間の割合が
ベクトルViに対応した値になるように、スイッチ42
0Cを切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直流電源より、可制御素
子を用いてパルス幅制御を行うことにより、3相交流出
力を得る3相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法
に関し、特に、3相電圧形インバータ装置のスイッチン
グ回数を減らすことにより、スイッチング損失の低減化
を図った3相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は3相電圧形インバータ装置を示す
図であり、1は直流電源、2は可制御素子を用いた3相
ブリッジ回路、3は3相対称負荷、4はパルス幅制御
部、401U、401V、401WはU、V、W各相の
電圧指令値、402U、402V、402WはU、V、
W各相のスイッチング信号である。
【0003】図3において、パルス幅制御部4はU、
V、W各相の電圧指令値401U、401V、401W
に基づき、所定のパルス幅のスイッチング信号402
U、402V、402Wを発生する。3相ブリッジ回路
2の可制御素子はパルス幅制御部4が出力するスイッチ
ング信号402U、402V、402Wに応じて動作
し、直流電源1の出力を交流出力に変換する。
【0004】上記、3相電圧形インバータ装置におい
て、3相ブリッジ回路2の可制御素子のパルス幅制御を
行う方法としては、従来から次に示す方法が知られてい
る。なお、以下の説明において、図3のインバータ装置
におけるスイッチング信号402U、402V、402
Wの状態は、可制御素子の正極側がオン(負極側がオ
フ)のときを「1」とし、また、負極側がオン(正極側
がオフ)のときを「0」として説明する。
【0005】また、可制御素子がオン/オフの切替えを
行うことを以下の説明においてはスイッチングという。 (a)三角波キャリア信号を用いたパルス幅制御方式 図4は、従来の三角波キャリア信号を用いたパルス幅制
御回路を示す図であり、同図において、40は三角波キ
ャリア信号発生器、41は三角波キャリア信号、42
U、42V、42Wは比較器、401U、401V、4
01Wは各相の電圧指令値、402U、402V、40
2Wはスイッチング信号である。
【0006】同図は3相各々の出力指令値を三角波キャ
リア信号と比較して各相のスイッチング信号を発生する
制御回路を示したものであり、同図における比較器42
U、42V、42Wは、各相の電圧指令値401U、4
01V、401Wと三角波キャリア信号41を比較す
る。そして、電圧指令値401U、401V、401W
が三角波キャリア信号41より大のときスイッチング信
号402U、402V、402Wを「1」とし、小さい
ときは「0」とする。
【0007】従って、例えば、各相の電圧指令値401
U、401V、401Wが大になると、幅の広いパルス
が発生し、また、各相の電圧指令値401U、401
V、401Wが小になると、幅の狭いパルスが発生し、
パルス幅制御回路が出力するパルス幅は電圧指令値40
1U、401V、401Wの大きさに対応した値とな
る。
【0008】上記三角波キャリア信号を用いたパルス幅
制御回路においては、以上のように、電圧指令値401
U、401V、401Wに対応したパルス幅のスイッチ
ング信号を発生して図3に示したインバータ装置の可制
御素子を駆動し、インバータ装置の各相の出力電圧を電
圧指令値401U、401V、401Wに対応した値に
制御する。
【0009】この制御方式においては、キャリア信号の
一周期中に各相のスイッチング信号が必ず「1」→
「0」→「1」に変化し、各可制御素子のスイッチング
の周波数とキャリア信号の周波数は等しくなる。ところ
で、昨今の半導体技術の進歩により、例えば、IGBT
素子(Insulated Gate Bipolar Trasister) などの高速
な可制御素子が実用化され、これをインバータ装置に用
いてスイッチング周期を高速にし、電磁騒音の周波数を
人間の可聴領域の限界程度まで高くすることにより、人
間に電磁騒音を聞こえにくくすることが可能になってき
た。
【0010】スイッチング周期を高めるためには、上記
(a)の制御方式においては、キャリア信号の周波数を
高くすればよいが、充分な電磁騒音の低減効果を得るた
めには、キャリア信号の周波数を15kHz程度以上ま
で高くする必要がある。しかしながら、(a)の制御方
式においては、上記したように各可制御素子のスイッチ
ングの周波数とキャリア信号の周波数は等しいため、上
記のように15kHz程度までキャリア信号の周波数を
高くすると、スイッチングの際に発生するスイッチング
損失のため、インバータ装置としての損失が大きくな
り、インバータ効率の低下や発熱等の問題が生じてい
た。 (b)2アーム変調制御方式 上記した(a)の制御方式においては、3相すべての可
制御素子を制御することにより、直流電源の出力を3相
交流出力に変換しているが、上記のような制御方式にお
いて、3相のうちのいずれか1相分のスイッチング信号
を「1」または「0」に固定し、残りの2相分で線間電
圧を制御することにより、3相正弦波交流信号を出力す
る方式が知られている(社団法人 電気学会発行「半導
体電力変換回路」P125に「2アーム変調」として記
載されている)。
【0011】上記した2アーム変調制御方式において
は、可制御素子の1相分がスイッチングしないため、ス
イッチング回数は(a)の制御方式と比べ2/3とな
り、インバータとしての損失は低減されるものの、スイ
ッチング周波数を高くすると、(a)の制御方式と同
様、インバータ装置としての損失が大きくなり、インバ
ータ効率の低下や発熱等の問題が生じ、依然として
(a)の制御方式における問題点は解決することができ
なかった。 (c)瞬時空間電圧ベクトルによる制御方式 最近では、3相電圧形インバータにおいて、瞬時の3相
の出力電圧を瞬時空間電圧ベクトルと考え、3相のスイ
ッチング信号を組み合わせることにより得られるベクト
ルを単位時間内に時分割して出力し、これらの出力時間
の加重平均として所望の瞬時空間電圧ベクトルを得る方
式が用いられている。
【0012】図5は3相電圧形インバータが出力するベ
クトルを示した図であり、同図(a)は3相電圧形インバ
ータが3相のスイッチング信号を組み合わせることによ
り得られる8つのベクトルを示し、同図(b) はベクトル
V0ないしV7においてインバータ装置の可制御素子が
とるスイッチング状態を示す(以下の説明においては、
ベクトル表記とスカラー表記を区別するため、ベクトル
の表記には、例えば、V0V7のように下線を付す。
なお、図面においては、ベクトルは一部に二重線を付し
た「V」で表記されている)。
【0013】例えば、同図(b) のベクトルV1において
は、図3に示したインバータ装置のスイッチング信号4
02Uは「1」(前述したように可制御素子の正極側が
オンで負極側がオフ)、スイッチング信号402Vおよ
び402Wは「0」(前述したように可制御素子の負極
側がオンで正極側がオフ)である。図5において、V0
ないしV7の8つのベクトルのうち、ベクトルV0およ
V7は大きさを持たない零ベクトルであり、ベクトル
V1ないしV6の6つのベクトルは、隣合うベクトル同
志がπ/3の位相角をもち、大きさが直流電圧の2/3
の電圧ベクトルである。
【0014】図6は瞬時空間電圧ベクトルを分割する際
の1例を示す図であり、同図は、図5の領域[I] に瞬時
空間電圧ベクトルViが存在する場合を示した図であ
る。次に、上記した瞬時空間電圧ベクトルによるインバ
ータ装置の可制御素子の制御方式について説明する。例
えば、図6に示す瞬時空間ベクトルViを単位時間TS
の間に出力する場合、ベクトルViを挟むベクトルV1
およびV2と零ベクトル(V0もしくはV7)を単位時
間TS内に時分割で出力し、その加重平均がViになる
よう制御する。
【0015】すなわち、図6に示すように、ベクトル
をベクトルV1およびV2の方向に分割したときの大
きさをVi1,Vi2としたとき、単位時間TS内にお
けるベクトルV1による出力時間T1を式(1)に示す
ように定める。 T1=Vi1/|V1|×TS (1) また、単位時間TS内におけるベクトルV2による出力
時間T2を式(2)に示すように定める。
【0016】 T2=Vi2/|V2|×TS (2) さらに、単位時間TS内における零ベクトルによる出力
時間T0を式(3)に示すように定める。 T0=TS−T1−T2 (3) なお、上記式(1),(2),(3)において、|V1
|,|V2|はベクトルV1およびV2の大きさを示
す。
【0017】以上のように、単位時間TSにおけるベク
トルV1V2および零ベクトルの出力時間を定めるこ
とにより、単位時間TS内の加重平均としての出力をベ
クトルViとすることができ、同様にして図5(a)の
任意の領域の瞬時空間ベクトルを出力することができ
る。ところで、ベクトルV1V2および零ベクトルの
出力順序は単位時間TSの中では任意の順序を選ぶこと
ができ、また、零ベクトルもベクトルV0V7のいず
れでもよいが、ベクトルの切替え時に2相を同時にスイ
ッチングすると各相のスイッチング回数が増加したり、
各相間のバランスが問題となるから得策でない。
【0018】従って、ベクトルの切替え時に、1相のみ
をスイッチングするベクトルの出力順序および零ベクト
ルの選択を考えると、図7の(A),(B),(C)に
示す3通りの組み合せが考えられる。図7は上記方式に
おけるベクトルの出力順序を示す図であり、同図の
(A)は零ベクトルとしてV0およびV7を選び、単位
時間TS内にベクトルV0V1V2V7およびその
逆の順序で出力した場合、同図(B)は零ベクトルとし
V7を選び、単位時間TS内にベクトルV7V2
V1およびその逆の順序で出力した場合、また、同図
(C)は零ベクトルとしてV0を選び、単位時間TS内
にベクトルV0V1V2およびその逆の順序で出力
した場合を示す。
【0019】図7の示す3通りの出力順序を比べると、
単位時間TS内に(A)では3相とも各々1回ずつスイ
ッチングしているが、(B)ではU相がスイッチングせ
ず、、また、(C)ではW相はスイッチングしていな
い。つまり、上記(B)あるいは(C)に示す順序で出
力すれば、2相のみスイッチングすることでベクトル
を出力することができることとなる。
【0020】以上の説明は図5(a) における領域[I] に
ついての説明であるが、領域[II]ないし領域[VI]におい
ても、領域[I] との対称性から同様に考えることができ
る。以上のように、瞬時空間電圧ベクトルによる制御に
おいては、図7の(A)のように瞬時空間電圧ベクトル
を出力すれば、単位時間TS内に各相が各々1回スイッ
チングをし、また、図7の(B)および(C)のように
瞬時空間電圧ベクトルを出力すれば、単位時間TS内に
2相が各々1回スイッチングをし、1相はスイッチング
をしないこととなる。
【0021】すなわち、単位時間を同じTSとした場
合、上記(A)の場合に比べ(B)の場合には1相がス
イッチングしないため全可制御素子のスイッチングの回
数は2/3となる。ところで、上記瞬時空間電圧ベクト
ルによる制御において、前記した電磁騒音の問題に対処
するためスイッチング周期を高めるには、単位時間TS
を短くする必要があるが、前記した従来の制御方式
(a),(b)と同様、瞬時空間電圧ベクトルによる制
御においてもスイッチング周期を15kHz程度以上ま
で高くすると、スイッチング損失が増加し、インバータ
装置としての損失が大きくなり、インバータ効率の低下
や発熱等の問題が生じていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の欠点を改善するためになされたものであって、可
制御素子のスイッチング回数を減らすことにより、スイ
ッチング損失を低減化し、もって、インバータ装置の運
転時に発生する電磁騒音の低減化を図ることが可能な3
相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法を提供する
ことを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の発明
は、上記した課題を解決するため、直列接続された可制
御素子3組が直流電源の正極と負極間に接続されたブリ
ッジ回路より構成され、可制御素子の正極側素子と負極
側素子の一方の素子をオン、他方の素子をオフとする3
つのスイッチング信号を有し、上記スイッチング信号の
組み合わせにより得られる2つの零ベクトルと6つの電
圧ベクトルとを単位時間内に時分割で出力することによ
り、所望の瞬時空間電圧ベクトル出力を得る3相電圧形
インバータ装置のパルス幅制御方法において、上記6つ
の電圧ベクトルのうちの所定の電圧ベクトルと、その電
圧ベクトルの1相のスイッチング信号のみを変更するこ
とにより得られる零ベクトルとを交互に出力することに
より、上記所定の電圧ベクトルと同一方向で所望の大き
さの出力電圧ベクトルを得るように構成したものであ
る。
【0024】また、請求項2の発明は、直列接続された
可制御素子3組が直流電源の正極と負極間に接続された
ブリッジ回路より構成され、可制御素子の正極側素子と
負極側素子の一方の素子をオン、他方の素子をオフとす
る3つのスイッチング信号を有し、上記スイッチング信
号の組み合わせにより得られる2つの零ベクトルと6つ
の電圧ベクトルとを単位時間内に時分割で出力すること
により、所望の瞬時空間電圧ベクトル出力を得る3相電
圧形インバータ装置のパルス幅制御方法において、上記
6つの電圧ベクトルのうちの所定の第1の電圧ベクトル
と、第1の電圧ベクトルの1相のスイッチング信号のみ
を変更することにより得られる零ベクトルとを交互に出
力することにより、上記第1の電圧ベクトルと同一方向
で所望の大きさの第1の出力電圧ベクトルを得るととも
に、上記6つの電圧ベクトルのうちの、上記第1の電圧
ベクトルと位相角がπ/3の異なる所定の第2の電圧ベ
クトルと、第2の電圧ベクトルの1相のスイッチング信
号のみを変更することにより得られる零ベクトルとを交
互に出力することにより、上記第2の電圧ベクトルと同
一方向で所望の大きさの第2の出力電圧ベクトルを得
て、単位時間内における出力時間の加重平均値が所望の
瞬時空間電圧ベクトルとなるように上記第1の出力電圧
ベクトルおよび第2の出力電圧ベクトルを時分割で出力
するように構成したものである。
【0025】
【作用】所定の電圧ベクトルとその電圧ベクトルの1相
分の可制御素子をスイッチングすることにより得られる
零ベクトルとを交互に出力することにより、上記所定の
電圧ベクトルと同一方向で所望の大きさの電圧ベクトル
を得るよう構成したので、可制御素子の1相分をスイッ
チングするだけで、所望の大きさの電圧ベクトルを得る
ことができる。
【0026】したがって、キャリア信号の周波数を高く
しても、従来のものと比べスイッチング回数が多くなる
ことがなく、電磁騒音の低減化を図ることが可能とな
る。また、6つの電圧ベクトルのうちの所定の第1の電
圧ベクトルを上記のように制御して第1の電圧ベクトル
と同一方向で所望の大きさの第1の出力電圧ベクトルを
得るとともに、上記第1の電圧ベクトルと位相角がπ/
3の異なる所定の第2の電圧ベクトルを上記のように制
御して第2の電圧ベクトルと同一方向で所望の大きさの
第2の出力電圧ベクトルを得て、上記第1の出力電圧ベ
クトルおよび第2の出力電圧ベクトルを単位時間内に時
分割で出力することにより、任意の瞬時空間電圧ベクト
ルを出力することが可能となる。
【0027】
【実施例】図1は本発明の1実施例を示す図であり、同
図において、401U、401V、401WはU、V、
W各相の電圧指令値、402U、402V、402Wは
U、V、W各相のスイッチング信号、411はベクトル
変換器、412はベクトル分割器、413A、413B
は電圧ベクトル・ラッチ、414は零ベクトル出力時間
演算器、415は零ベクトル出力時間ラッチ、416
A、416Bは零ベクトル選択器、417は三角波キャ
リア信号発生器、418は比較器、419はタイマ部、
420A、420B、420Cはベクトル切替スイッチ
である。
【0028】同図において、ベクトル変換器411は各
相の電圧指令値401U、401V、401Wを単位時
間内の瞬時空間電圧ベクトルViに変換する手段であ
り、その出力はベクトル分割器412に与えられる。ベ
クトル分割器412はベクトルViを、ベクトルVi
挟み隣合うベクトルどうしがπ/3の位相角を持つベク
トルVAVBに変換する(ベクトルViが図5(a) の
領域[I] にある場合には、ベクトルVAVBは、図6
のベクトルV1V2に相当)とともに、ベクトルVi
のベクトルVAVB成分を求め、その大きさからベク
トルVAと零ベクトルを交互に出力する時間TAを算出
する手段であり、ベクトル分割器412により分割され
た電圧ベクトルVAVBは電圧ベクトル・ラッチ41
3A、413Bに与えられ保持され、また、時間TAは
タイマ部419にセットされる。
【0029】また、零ベクトル出力時間演算器414は
ベクトルViの大きさ|Vi|に応じた零ベクトルの出
力時間TOSを演算する手段であり、そのその出力TO
Sは、零ベクトル出力時間ラッチ415により保持され
る。電圧ベクトル・ラッチ413A、413Bの出力が
与えられる零ベクトル選択器416A、416Bは、ベ
クトルVAVBにおいて1相分の可制御素子をスイッ
チングすることにより得られる零ベクトルV0もしくは
V7を選択して出力する手段であり、零ベクトル選択器
416A、416Bにより選択された零ベクトルはV0
もしくはV7はベクトル切替スイッチ420A、420
Bに与えられる。
【0030】三角波キャリア信号発生器417は三角波
キャリア信号を発生する手段であり、その出力は比較器
418において、零ベクトル出力時間ラッチ415が出
力する零ベクトルの出力時間TOSと比較され、零ベク
トル出力時間TOSが三角波キャリア信号より大きいと
き、ベクトル切替スイッチ420A、420Bをa側か
らb側に切り替える。
【0031】また、タイマ部419はベクトル分割器4
12により算出された時間TAが経過すると、ベクトル
切替スイッチ420Cをa側からb側に切り替える。図
2は本実施例の動作を説明する図であり、同図におい
て、TSはベクトルViを出力する単位時間、TAはベ
クトル分割器412により算出されたベクトルVAと零
ベクトルを交互に出力する時間、TOSは零ベクトルの
出力時間、(a)は三角波キャリア信号発生器417が発
生する三角波キャリア信号、(b) はベクトル切替スイッ
チ420Cが出力する電圧ベクトルである。
【0032】次に、図2および図3を用いて、単位時間
TS内の本実施例の動作を説明にする。U、V、Wの各
相の電圧指令値401U、401V、401Wはベクト
ル変換器411において、単位時間内の瞬時空間ベクト
Viに変換される。ついで、ベクトル分割器412
は、単位時間内の瞬時空間ベクトルViを、電圧ベクト
V1ないしV6の内、ベクトルViを挟む2つのベク
トルVAVBの方向に分割し、電圧ベクトル・ラッチ
413A、413Bにセットする。同時に、ベクトル分
割器412は式(4)によりベクトルVAと零ベクトル
を交互に出力する期間TAを算出し、タイマ419に設
定する。
【0033】 TA=VAS/(VAS+VBS)×TS (4) ここで、VAS、VBSはベクトルViをベクトル
VB方向に分割したときの大きさ、TSは単位時間
である。一方、零ベクトル選択器416A、416Bは
ベクトルVAVBから1相分の可制御素子をスイッチ
ングすることにより得られる零ベクトルV0もしくは
を選択する。
【0034】例えば、図5の領域[I] において、ベクト
V1については、U相のスイッチング信号を「1」→
「0」に変更すればベクトルV1を零ベクトルV0に切
り替えることができ、また、ベクトルV2については、
W相のスイッチング信号を「0」→「1」に変更すれば
ベクトルV2を零ベクトルV7に切り替えることができ
る。図5の他の領域についても同様に、1相のスイッチ
ング信号を切り替えることにより零ベクトルを得ること
ができ、零ベクトル選択器416A、416Bは、ベク
トルV1ないしV6において、上記のように1相分の可
制御素子をスイッチングすることにより得られる零ベク
トルV0もしくはV7を選択する。
【0035】また、零ベクトル出力時間演算部414は
零ベクトルV0もしくはV7が単位時間TS内に出力さ
れる時間の割合TOSを式(5)により演算し、その演
算結果TOSを零ベクトル出力時間ラッチ415にセッ
トする。 TOS=(1−VAS/|VA|−VBS/|VB|) (5) だだし、VAS、VBSはベクトルViをベクトル
VB方向に分割したときの大きさ、|VA|、|V
B|はベクトルVAVBの大きさである。
【0036】以上のように、電圧ベクトル・ラッチ41
3A、413B、零ベクトル出力時間ラッチ415、タ
イマ419に、それぞれ、ベクトルVAVB、TO
S、時間TAがセットされ、また、零ベクトル選択器4
16A、416Bが零ベクトルV0もしくはV7を選択
すると、ベクトル切替スイッチ420A、420B、4
20Cはそのスイッチの接続状態を切替え、図2に示す
ように動作する。 (1)単位時間TSにおいて、タイマ部419がベクト
ル切替えスイッチ420Cをa側に接続している期間T
Aの動作。
【0037】三角波キャリア信号発生器417が発生す
る三角波キャリア信号と零ベクトル出力時間ラッチ41
5にセットされたTOSが比較器418において比較さ
れ、三角波キャリア信号がTOSより大の期間において
は、ベクトル切替スイッチ420Aがa側に切り替えら
れて、電圧ベクトルVAがベクトル切替スイッチ420
Cより出力される。
【0038】また、三角波キャリア信号がTOSより小
の期間においては、ベクトル切替スイッチ420Aがb
側に切り替えられて、ベクトル選択器416Aにおいて
選択された零ベクトルがベクトル切替スイッチ420C
より出力される。 (2)単位時間TSにおいて、タイマ部419がベクト
ル切替えスイッチ420Cをb側に接続している期間の
動作。
【0039】三角波キャリア信号発生器417が発生す
る三角波キャリア信号と零ベクトル出力時間ラッチ41
5にセットされたTOSが比較器418において比較さ
れ、三角波キャリア信号がTOSより大の期間において
は、ベクトル切替スイッチ420Bがa側に切り替えら
れて、電圧ベクトルVBがベクトル切替スイッチ420
Cより出力される。
【0040】また、三角波キャリア信号がTOSより小
の期間においては、ベクトル切替スイッチ420Bがb
側に切り替えられて、ベクトル選択器416Bにおいて
選択された零ベクトルがベクトル切替スイッチ420C
より出力される。すなわち、単位時間TSにおいて、タ
イマ部419に設定された時間TA内においては、電圧
ベクトルVAとベクトル選択器416Aから出力される
零ベクトルとが交互に出力され、また、タイマ部419
に設定された時間TA後は、電圧ベクトルVBとベクト
ル選択器416Bから出力される零ベクトルとが交互に
出力される。
【0041】したがって、例えば、ベクトルViにおけ
るベクトルVA成分が大きくなると、ベクトルVAが出
力される時間はベクトルVBが出力される時間より大と
なり、また、例えば、ベクトルViの大きさが大きくな
ると、ベクトルVAVBが出力される時間は零ベクト
ルが出力される時間より大となり、単位時間TS全体の
出力としては、瞬時空間電圧ベクトルViに対応した値
となる。
【0042】本実施例によれば、ベクトル選択器416
A、416Bにより、電圧ベクトルVAVBの1相分
の可制御素子をスイッチングすることにより得られる零
ベクトルを選択し、選択された零ベクトルと電圧ベクト
VAVBとを三角波キャリア信号により切り替える
よう構成したので、電圧ベクトルVAVBと零ベクト
ルとの切り替えを、1相分の可制御素子をスイッチング
することにより行うことができ、三角波キャリア信号の
周波数を高くしても、従来例に示したものに比して、可
制御素子のスイッチングの回数は多くなることはない。
【0043】例えば、前記「(a)三角波キャリア信号
を用いたパルス幅制御方式」あるいは「(c)瞬時空間
電圧ベクトルによる制御方式」における図7(A)に示
した制御方式と比べてスイッチング回数を1/3にする
ことができ、また、「(b)2アーム変調制御方式」あ
るいは、「(c)瞬時空間電圧ベクトルによる制御方
式」における図7(B)、(C)に示した制御方式と比
べてもスイッチング回数を1/2とすることができる。
【0044】したがって、三角波キャリア信号の周波数
を高くすることができ、電磁騒音の低減化を図ることが
できる。なお、上記実施例においては、ハードウェアに
より構成した装置を用いて本発明を実現する例を示した
が、本発明は上記した実施例に限定されるものではな
く、本発明の制御方法を、例えば、マイクロ・コンピュ
ータなどを用いて、ソフトウェアにより実現することが
できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明においては、単位時間内における出力時間の加重
平均値が所望の瞬時空間電圧ベクトルとなるように電圧
ベクトルを時分割で出力する3相電圧形インバータ装置
のパルス幅制御方式において、所定の電圧ベクトルとそ
の電圧ベクトルの1相分の可制御素子をスイッチングす
ることにより得られる零ベクトルとを交互に出力するこ
とにより、上記所定の電圧ベクトルと同一方向で所望の
大きさの電圧ベクトルを得るよう構成したので、キャリ
ア信号の周波数を高くしても、従来のものと比べスイッ
チング回数が多くなることがなく、電磁騒音の低減化を
図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。
【図2】本発明の実施例の動作を示す図である。
【図3】3相電圧形インバータを示す図である。
【図4】三角波キャリア信号を用いたパルス幅制御回路
を示す図である。
【図5】3相電圧形インバータが出力するベクトルを示
す図である。
【図6】瞬時空間電圧ベクトルを分割する際の1例を示
す図である。
【図7】従来方式のベクトル出力順序を示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源 2 3相ブリッジ回路 3 3相対称負荷 4 パルス幅制御部 40、417 三角波キャリア信号
発生器 41、 三角波キャリア信号 42U、42V、42W、418 比較器 401U、401V、401W U、V、W各相の電
圧指令値 402U、402V、402W U、V、W各相のス
イッチング信号 411 ベクトル変換器 412 ベクトル分割器 413A、413B 電圧ベクトル・ラッ
チ 414 零ベクトル出力時間
演算器 415 零ベクトル出力時間
ラッチ 416A、416B 零ベクトル選択器 419 タイマ部 420A、420B、420C ベクトル切替スイッ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列接続された可制御素子3組が直流電
    源の正極と負極間に接続されたブリッジ回路より構成さ
    れ、 可制御素子の正極側素子と負極側素子の一方の素子をオ
    ン、他方の素子をオフとする3つのスイッチング信号を
    有し、 上記スイッチング信号の組み合わせにより得られる2つ
    の零ベクトルと6つの電圧ベクトルとを時分割で出力す
    ることにより、所望の瞬時空間電圧ベクトル出力を得る
    3相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法におい
    て、 上記6つの電圧ベクトルのうちの所定の電圧ベクトル
    と、その電圧ベクトルの1相のスイッチング信号のみを
    変更することにより得られる零ベクトルとを交互に出力
    することにより、上記所定の電圧ベクトルと同一方向で
    所望の大きさの出力電圧ベクトルを得ることを特徴とす
    る3相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法。
  2. 【請求項2】 直列接続された可制御素子3組が直流電
    源の正極と負極間に接続されたブリッジ回路より構成さ
    れ、 可制御素子の正極側素子と負極側素子の一方の素子をオ
    ン、他方の素子をオフとする3つのスイッチング信号を
    有し、 上記スイッチング信号の組み合わせにより得られる2つ
    の零ベクトルと6つの電圧ベクトルとを単位時間内に時
    分割で出力することにより、所望の瞬時空間電圧ベクト
    ル出力を得る3相電圧形インバータ装置において、 上記6つの電圧ベクトルのうちの所定の第1の電圧ベク
    トルと、第1の電圧ベクトルの1相のスイッチング信号
    のみを変更することにより得られる零ベクトルとを交互
    に出力することにより、上記第1の電圧ベクトルと同一
    方向で所望の大きさの第1の出力電圧ベクトルを得ると
    ともに、 上記6つの電圧ベクトルのうちの、上記第1の電圧ベク
    トルと位相角がπ/3の異なる所定の第2の電圧ベクト
    ルと、第2の電圧ベクトルの1相のスイッチング信号の
    みを変更することにより得られる零ベクトルとを交互に
    出力することにより、上記第2の電圧ベクトルと同一方
    向で所望の大きさの第2の出力電圧ベクトルを得て、 単位時間内における出力時間の加重平均値が所望の瞬時
    空間電圧ベクトルとなるように、上記第1の出力電圧ベ
    クトルおよび第2の出力電圧ベクトルを時分割で出力す
    ることを特徴とする3相電圧形インバータ装置のパルス
    幅制御方法。
JP4050647A 1992-03-09 1992-03-09 3相電圧形インバータ装置のパルス幅制御方法 Pending JPH05260756A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4838383A (en) * 1987-03-16 1989-06-13 Tokyo Electrical Co., Ltd. Apparatus for checking out purchases

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