JP4872122B2 - 交流直接変換器の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多相交流電圧を任意の大きさ、周波数の多相交流電圧に直接変換する交流直接変換器であって、PWM制御される仮想整流器及び仮想インバータの組み合わせを想定し、これらの仮想整流器及び仮想インバータの半導体スイッチング素子に対するPWMパルスを合成して交流直接変換器の双方向スイッチに与えるようにした制御装置に関し、特に、電源力率を向上させるための技術に関するものである。
図5は、先願である特願2004−191254号に開示されている制御装置を交流直接変換器としてのマトリクスコンバータと共に示したものである。
図5の主回路において、3は電源側の交流入力端子R,S,Tに接続された入力フィルタ、4はマトリクスコンバータ、Sは電流を双方向に制御可能な双方向スイッチ、U,V,Wは負荷側の交流出力端子である。
また、制御装置において、13はマトリクスコンバータ4の入力電流指令が与えられる台形波指令発生手段、21aはマトリクスコンバータ4内に想定した仮想整流器に対する台形波指令が与えられるオンオフ比抽出手段、21bはマトリクスコンバータ4内に想定した仮想インバータに対する出力電圧指令が与えられるオンオフ比抽出手段、15はオンオフ比抽出手段21a,21bの出力と中間電圧相の電圧(中間相電圧)とが入力される整流器/インバータ合成指令発生手段、14はキャリア発生手段、12は整流器/インバータ合成指令値とキャリアとを比較する比較手段、16は比較手段12の出力が加えられる最大/中間/最小順序制御手段、31は最大/中間/最小順序制御手段16の出力が与えられるPWMパルス合成手段である。
この制御装置は、マトリクスコンバータ4としてPWM制御される仮想整流器と仮想インバータとの組み合わせを想定し、仮想整流器に対する入力電流指令と仮想インバータに対する出力電圧指令との合成指令値をキャリアと比較してマトリクスコンバータ4の双方向スイッチSWのオンオフパルス(PWMパルス)を生成し、このPWMパルスを各相電源電圧の大小関係に応じて並べ替えて出力する機能を持っており、いわゆる仮想AC/DC/AC変換方式によりマトリクスコンバータ4を制御している。
ここで、マトリクスコンバータ4の出力側1相(例えばU相)分は、図6のように構成されている。
図6において、vmaxは最大相電圧、vmidは中間相電圧、vminは最小相電圧であり、これらは電源電圧の大きさが最大、中間、最小の何れかとなる入力側各相(R,S,T相)の電圧に一致する。例えば、各相電圧の大きさがR相電圧>T相電圧>S相電圧である場合、vmaxはR相電圧、vmidはT相電圧、vminはS相電圧となる。
また、S,S,Sは電流を双方向に制御可能な双方向スイッチ、S1A,S1B,S2A/B,S2B/A,S3A,S3BはIGBT等の半導体スイッチング素子であり、添字にAを付した素子はIGBTモードで動作し、添字にBを付した素子は環流ダイオードモードで動作する。
以下、IGBTモード及び環流ダイオードモードについて説明する。ここで、スイッチSを例にとり、その両端電圧をvS1と定義し、図6における矢印の方向を正とする。IGBTモードとは、vS1が正の状態でゲートオンと同時に電流が流れる動作モードであり、環流ダイオードモードとは、vS1が負の状態においてゲートオンしないと電流が流れない動作モードであり、インバータにおける環流ダイオードとほぼ同様の動作になることから、環流ダイオードモードと称している。
なお、スイッチング素子S2A/B,S2B/Aについては、最大相と中間相との間でスイッチングする場合(双方向スイッチSが下アームとして動作する場合)と、中間相と最小相との間でスイッチングする場合(双方向スイッチSが上アームとして動作する場合)とでIGBTモード、環流ダイオードモードの何れにもなり得るので、添字にA/B,B/Aを付してある。
次に、図7は、直流中間回路(直流中間電圧をedcとする)にコンデンサ等のエネルギーバッファを持たず、PWM整流器1及びインバータ2により交流直接変換器を構成したAC/DC/AC直接変換器を示している。この図7も直接変換器の出力側1相(例えばU相)分を示しており、Srp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,Stn,Sup,Sunは半導体スイッチング素子である。
図6に示したマトリクスコンバータにおける仮想AC/DC/AC変換方式では、図7のようなPWM整流器1及びインバータ2を仮想し、そのスイッチング素子Srp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,Stn,Sup,Sunのオンオフに相当する動作をスイッチング素子S1A,S1B,S2A/B,S2B/A,S3A,S3Bのオンオフにより実現している。
ここで、最大相電圧vmaxがR相電圧vと等しく、中間相電圧vmidがS相電圧vと等しく、最小相電圧vminがT相電圧vと等しい場合(R相電圧>S相電圧>T相電圧である場合)において、仮想AC/DC/AC変換方式のマトリクスコンバータとAC/DC/AC直接変換器との動作の関係について説明する。
図7に示したAC/DC/AC直接変換器において、例えばスイッチング素子Srp,Supが共にオンすると、U相出力端子には最大相電圧であるR相電圧vが現れる。これをマトリクスコンバータに置き換えると、図6における双方向スイッチSがオンすることと等価である。また、図7のスイッチング素子Stn,Sunが共にオンすると、U相出力端子には最小相電圧であるT相電圧vが現れるので、これをマトリクスコンバータに置き換えると、図6の双方向スイッチSがオンすることと等価である。
このようにして、AC/DC/AC直接変換器におけるPWM整流器1及びインバータ2のスイッチング素子を制御するかの如くして、マトリクスコンバータの双方向スイッチを制御している。
次に、双方向スイッチに対する実際のオンオフ信号の発生方法について説明する。
図5における仮想整流器側のオンオフ比抽出手段21aでは、仮想整流器のスイッチング素子のオンオフ比(デューティ比)を台形波指令から抽出し、入力電流指令を0〜1.0に規格化して出力する。また、仮想インバータ側のオンオフ比抽出手段21bでは、仮想インバータのスイッチング素子のオンオフ比を出力電圧指令から抽出し、出力電圧指令を0〜1.0に規格化して出力する。
これらの規格化された入力電流指令及び出力電圧指令は、中間電圧と共に整流器/インバータ合成指令発生手段15に入力される。
整流器/インバータ合成指令発生手段15では、中間電圧の極性に応じて仮想整流器の動作モードを選択し、その動作モードに応じた整流器指令値をインバータ指令値と合成して、最大相、中間相、最小相のそれぞれに対する整流器/インバータ合成指令値として出力する。
例えば、電源電圧の状態がv>v>vであって中間相電圧vが正の場合には、vは正、vは負であるから、図7のPWM整流器1における上アームのスイッチング素子Srp,Sspを交互にスイッチングさせ、下アームのスイッチング素子Stnを常時オンさせる動作を、マトリクスコンバータ4の双方向スイッチSWにより実行させるような指令値を出力する。
一方、電源電圧の大小関係が前記同様にv>v>vであって中間相電圧vが負の場合、vは正、vは負であるから、上アームのスイッチング素子Srpを常時オンとし、下アームのスイッチング素子Ssn,Stnを交互にスイッチングさせる動作を、マトリクスコンバータ4の双方向スイッチSWにより実行させるような指令値を出力する。
最大相、中間相、最小相のそれぞれに対する合成指令値の中から選択された二つの合成指令値(例えば最小相に対する合成指令値、及び、中間相に対する合成指令値)は、比較手段12に入力され、後述するようにキャリア発生手段14からのキャリアとの比較によってパルス化される。なお、上記キャリアは振幅が0〜1.0に規格化されているものである。
比較手段12から出力されたパルスは最大/中間/最小順序制御手段16に入力され、この順序制御手段16において、交流電源の最大相電圧、中間相電圧、最小相電圧を負荷に所定の順序で供給するように並び替えたパルスをPWMパルスとして出力する。PWMパルス合成手段31では、最大/中間/最小順序制御手段16から出力されたPWMパルスを双方向スイッチSWの半導体スイッチング素子に対する駆動パルスとしてデコードし、出力する。
図8は、図5における比較手段12及び最大/中間/最小順序制御手段16の構成を示している。
比較手段12において、比較器121には整流器/インバータ合成指令発生手段15から出力された合成指令値15aとキャリア発生手段14から出力されたキャリアとが入力され、両者の比較によってPWMパルス121aが生成される。また、比較器122には整流器/インバータ合成指令発生手段15から出力された他方の合成指令値15bと前記合成指令値15aとの和と、前記キャリアとが入力され、両者の比較によってPWMパルス122aが生成される。
最大/中間/最小順序制御手段16では、以下の数式1〜3の論理により、入力された二つのPWMパルス121a,122aを最大電圧相パルス、中間電圧相パルス、最小電圧相パルスに分配する。なお、最大/中間/最小順序制御手段16において、161はXOR(排他的論理和)回路、162はNOT(否定)回路である。
[数式1]
PWMパルス16a=PWMパルス121a
[数式2]
PWMパルス16b=PWMパルス121aとPWMパルス122aとの排他的論理和
[数式3]
PWMパルス16c=PWMパルス122aの否定論理
図9は、合成指令値15aとして最小相の合成指令値が、合成指令値15bとして中間相の合成指令値がそれぞれ入力された場合の、比較手段12及び最大/中間/最小順序制御手段16の内部信号を示している。
比較器121から出力されたPWMパルス121aは、最小相パルスとしてそのままPWMパルス16aとなる。また、PWMパルス16bは、前記PWMパルス121aと比較器122から出力されたPWMパルスパルス122aとの排他的論理和となり、最小相パルス(PWMパルス16a)を中心とする中間相パルスとして均等に出力される。
更に、PWMパルス16cは、前記PWMパルス122aを反転したパルスとなり、最小相パルス(PWMパルス16a)を中心として中間相パルス(PWMパルス16b)の外側に位置する最大相パルスとなる。
上記の構成によれば、比較手段12から出力されるPWMパルス121a,122aを並び替えてなるPWMパルス16a,16b,16cを、それぞれ最小相パルス、中間相パルス、最大相パルスとしてマトリクスコンバータ4の双方向スイッチSWをスイッチングすることになる。これにより、最小相から最大相、または最大相から最小相に移行するスイッチング状態が発生せず、最大相と最小相との間では常に中間相を経由するので、双方向スイッチSWに印加される電圧の変化分が小さくなり、スイッチング損失やノイズが低減されるものである。
なお、この先願発明では、前述した仮想整流器の動作モードの説明から明らかな如く、図5におけるマトリクスコンバータ4の入力電流irm,ism,itmの極性は交流電源電圧の極性と等しくなるため、マトリクスコンバータ4の力率は常に1となっている。
ここで、図10は、図5における入力フィルタ3をリアクトル5及びコンデンサ6によって構成した場合の入力側1相分の等価回路であり、図11は、図10におけるR相電圧v、R相電流(電源電流)i、コンデンサ電流irc及びマトリクスコンバータ4の入力電流irmのベクトル図である。
前述したように、入力電流irmの極性はR相電圧vの極性と一致するため、図11に示す如く両者irm,vは同相であり、コンデンサ電流ircはR相電圧vに対して位相がπ/2[rad]進んでいる。また、R相電流iは入力電流irmとコンデンサ電流ircとのベクトル和となり、R相電圧vに対して位相差θを持つ。
仮に負荷の消費電力が大きくなるとマトリクスコンバータ4の入力電流irmは増加すると共にコンデンサ電流ircは常に一定であるため、位相差θは減少し、電源力率は増加する。一方、負荷の消費電力が小さくなれば入力電流irmは減少するので、位相差θは増加し、電源力率は低下するという問題を生じる。
なお、他の従来技術として、負荷の急変に対応でき、しかも電源力率の改善を可能にしたサイクロコンバータ制御装置が、特許文献1に記載されている。
この制御装置は、サイクロコンバータの電流指令に基づいて生成した第1の電圧指令に、同じく電流指令に基づいて生成した各相の電流補償量をそれぞれ加算して第2の電圧指令を生成し、更に、上記第2の電圧指令と出力可能最大電圧指令とから生成した力率改善用の瞬時バイアス量を第2の電圧指令にそれぞれ加算してサイクロコンバータに対する最終的な電圧指令を得るものであり、サイクロコンバータの出力電圧が出力可能最大電圧と等しくなる期間を長くして電源力率を改善している。
特開2000−152628号公報(段落[0006]〜[0011]、図1,図4〜図6等)
前述したように、先願に記載された制御装置では、負荷の消費電力が小さい場合に電源力率が低くなる。図11から明らかなように、異なる電源力率で同一の電力を消費する場合、電源力率は高い方が電源電流(例えばR相電流i)の振幅は小さくなり、送電線の抵抗分における損失を小さくすることができるが、電源力率が低い場合には電源電流の振幅が大きくなり、その結果、送電線の抵抗分による損失が増加するという問題があった。
また、特許文献1に記載された従来技術では、瞬時バイアス量を演算するための回路構成が複雑であると共に、元の電圧指令に対して複数回の加算(補償演算)を行って最終的な電圧指令を求めているので制御装置の演算負荷が多いという問題がある。
更に、サイクロコンバータの出力電圧を歪ませることで電源力率を改善する方法であるため、負荷として電動機が接続される場合には騒音や振動の原因になる等の問題があった。
そこで、本発明の解決課題は、特許文献1のように出力電圧を歪ませることがなく、負荷の消費電力に応じて直接変換器の入力電流指令の位相を調整することにより、変換器力率を変化させて電源力率の向上を可能にし、送電線における損失を低減させるようにした、構成簡単な制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、双方向スイッチのオンオフにより、多相交流電圧を任意の大きさ、周波数の多相交流電圧に直接変換する交流直接変換器の制御装置であって、前記直接変換器として、PWM制御される仮想整流器及び仮想インバータの組み合わせを想定し、これらの仮想整流器及び仮想インバータの半導体スイッチング素子に対するPWMパルスを合成して前記双方向スイッチに与えるようにした制御装置において、
電源電圧検出値と前記仮想整流器の入力電流指令と前記仮想インバータの出力電圧指令とを用いて前記仮想整流器及び仮想インバータに対する合成指令値を生成する合成指令発生手段と、
電源電圧検出値とキャリアとを比較して得たパルスから、電源電圧の最大相、中間相、最小相に負荷をそれぞれ所定の順序で接続するためのPWMパルスを生成する順序制御手段と、
を備え、
前記合成指令発生手段は、
前記入力電流指令の中間値の極性に応じて、前記仮想整流器及び仮想インバータの動作モードとして、前記仮想インバータの一相分の上アームのスイッチング素子がオンの時に前記仮想整流器の上アームの2個のスイッチング素子がスイッチングするモードである上アーム切り替え、または、前記仮想インバータの一相分の下アームのスイッチング素子がオンの時に前記仮想整流器の下アームの2個のスイッチング素子がスイッチングするモードである下アーム切り替えを選択する選択手段と、
この選択手段の出力と電源電圧検出値と入力電流指令及び出力電圧指令とを用いて前記合成指令値を生成する手段と、を有するものである。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した交流直接変換器の制御装置において、
負荷の消費電力に応じて前記入力電流指令の位相を変化させる手段を備えたものである。
本発明の制御装置によれば、マトリクスコンバータ等の交流直接変換器の入力電流指令の位相を変化させて直接変換器の力率を調整し、電源力率を向上させることで、電源電流の振幅を小さくして送電線の抵抗分による損失を減少させることが可能である。
また、特許文献1のように出力電圧を歪ませることがなく、力率改善のための瞬時バイアス量を演算する複雑な回路も不要になる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1はこの実施形態に係る制御装置をマトリクスコンバータ4と共に示したものであり、図5と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
この実施形態では、マトリクスコンバータ4の入力電流指令と電源電圧検出値とが整流器/インバータ合成指令発生手段15Aに入力されていると共に、入力電流指令の中間値(各相の入力電流指令irm ,ism ,itm のうちの中間値)imidを抽出する中間値抽出手段22が設けられ、その出力である中間値imidが整流器/インバータ合成指令発生手段15Aに入力されている。
図2は、本実施形態における各相の電源電圧v,v,v及び入力電流指令irm ,ism ,itm の波形図をそれぞれ示しており、電源電圧に対して入力電流指令の位相を遅らせた場合のものである。
図2において、電源電圧の大小関係がv>v>vであり、かつ、入力電流指令の中間値imidが正である領域(三相の入力電流指令のうち一相の入力電流指令が負である領域)をAとし、電源電圧の大小関係がv>v>vであり、かつ、入力電流指令の中間値imidが正である領域をB、同じく中間値imidが負である領域(三相の入力電流指令のうち一相の入力電流指令が正である領域)をCとする。
図2の領域Aのように、R相電流指令irm 及びT相電流指令itm が正、S相電流指令ism が負である場合は、図7のPWM整流器1におけるスイッチング素子Srp,Stpを交互にスイッチングさせて同Ssnを常時オンさせる動作を、マトリクスコンバータ4の双方向スイッチSWにより実行させる(以下では、双方向スイッチSWによるスイッチング動作をPWM整流器1及びインバータの各スイッチング素子のオンオフにより等価的に説明するものとする)。
このとき、図7のインバータ2の上アームのスイッチング素子SupとPWM整流器1の上アームのスイッチング素子Srpとがオンすると、出力端子UにはR相電圧vが現れ、同じくスイッチング素子SupとPWM整流器1の上アームのスイッチング素子Stpとがオンすると、出力端子UにはT相電圧vが現れる。すなわち、領域Aでは最大相電圧または中間相電圧が現れることになる。
一方、PWM整流器1の下アームのスイッチング素子Ssnが常時オンしている状態でインバータ2の下アームのスイッチング素子Sunがオンすると、出力端子Uには、S相電圧v、すなわち最小相電圧が現れる。
このように、インバータ2の上アームのスイッチング素子Supがオンの時にPWM整流器1の上アームの2個のスイッチング素子がスイッチングするモードを、「上アーム切り替え」と呼ぶ。
領域Aでは、上記の上アーム切り替えにより、各相電源電圧の大小関係に応じて正のR相入力電流irm及びT相入力電流itm、負のS相入力電流ismがマトリクスコンバータ4に流れることになる。
次に、領域Bにおいては、PWM整流器1のスイッチング素子のオンオフ状態は領域Aと同じであり、上アーム切り替えによりインバータ2の上アームのスイッチング素子Supがオンすると、出力端子UにR相電圧vまたはT相電圧vが現れる。ただし、領域BではS相電圧vとT相電圧vとの大小関係が領域Aとは逆転しているため、インバータ2の上アームのスイッチング素子Supがオンの場合、出力端子Uには最大相電圧であるR相電圧vまたは最小相電圧であるT相電圧vが現れることになる。
また、前記同様にスイッチング素子Ssnが常時オンしている状態で、インバータ2の下アームのスイッチング素子Sunがオンすると、出力端子Uには、S相電圧v、すなわち中間相電圧が現れる。
領域Bでは、各相電源電圧の大小関係が領域Aと変わらず、正のR相入力電流irm及びT相入力電流itm、負のS相入力電流ismがマトリクスコンバータ4に流れることになる。
ここで、電源電圧の最小相と入力電流指令の最小相とに着目すると、入力電流指令の中間値imidが正であるとき、つまり三相の入力電流指令のうち一相の入力電流指令が負であるときは、上アーム切り替えにより、電圧最小相と入力電流指令の最小相とが一致している場合(すなわち領域Aの場合)に、PWM整流器1のスイッチング素子Srp,Stpを交互にスイッチングさせた状態でインバータ2の上アームのスイッチング素子Supをオンさせると、出力端子Uに最大相電圧または中間相電圧が現れ、電圧最小相と入力電流指令の最小相とが不一致の場合(すなわち領域Bの場合)に、スイッチング素子Srp,Stpを交互にスイッチングさせた状態でスイッチング素子Supをオンさせると、出力端子Uに最大相電圧または最小相電圧が現れる。
更に、領域Cのように、入力電流指令の中間値imidが負であり、R相電流指令irm が正、S相電流指令ism 及びT相電流指令itm が負である場合は、PWM整流器1の上アームのスイッチング素子Srpを常時オンとし、下アームのスイッチング素子Ssn,Stnを交互にスイッチングさせる。
PWM整流器1の上アームのスイッチング素子Srpが常時オンしている状態でインバータ1の上アームのスイッチング素子Supがオンすると、出力端子UにはR相電圧v、すなわち最大相電圧が現れる。
一方、インバータ2の下アームのスイッチング素子SunとPWM整流器1の下アームのスイッチング素子Ssnとがオンすると、出力端子UにはS相電圧v、すなわち中間相電圧が現れ、また、上記スイッチング素子SunとPWM整流器1の下アームのスイッチング素子Stnとがオンすると、出力端子UにはT相電圧v、すなわち最小相電圧が現れることになる。
このように、インバータ2の下アームのスイッチング素子Sunがオンの時にPWM整流器1の下アームの2個のスイッチング素子がスイッチングするモードを、「下アーム切り替え」と呼ぶ。
領域Cでは、上記の下アーム切り替えにより、各相電源電圧の大小関係に応じて正のR相入力電流irm、負のT相入力電流itm及びS相入力電流ismがマトリクスコンバータ4に流れることになる。
この領域Cにおいては、電源電圧の最大相と入力電流指令の最大相とが一致している。
上記のように本実施形態では、電源電圧よりも位相が遅れた図2のような入力電流指令irm ,ism ,itm を生成し、この入力電流指令の中間値imidの極性が正であるときに上アーム切り替えを選択し、また、前記中間値imidの極性が負であるときに下アーム切り替えを選択すると共に、電源電圧の最小相と入力電流指令の最小相の一致不一致、電源電圧の最大相と入力電流指令の最大相の一致不一致、及び、各相電源電圧の大小関係に応じてPWM整流器1及びインバータ2の所定のスイッチング素子をオンオフすることにより、入力電流指令に従った電流をマトリクスコンバータ4に通流させるものである。
次に、図3は、図1における整流器/インバータ合成指令発生手段15Aの構成を示している。
中間値正負判別手段15aは、入力電流指令の中間値imidの正負を判別してその判別信号を出力する。セレクタ15bは、上記判別信号に従って上アーム切り替えと下アーム切り替えを選択する。最大/中間/最小合成指令値発生手段15cは、上アーム切り替え時は電源電圧の最小相と入力電流指令の最小相とを比較して前述したような領域A,Bの判定を行うと共に、下アーム切り替え時は電源電圧の最大相と入力電流指令の最大相とを比較して領域Cの判定を行い、これらの判定結果と各相電源電圧の大小関係に応じて、最大相合成指令値、中間相合成指令値、最小相合成指令値をそれぞれ生成する。
ここで、各合成指令値は、規格化された入力電流指令及び出力電圧指令に基づいて演算されるものである。
合成指令値選択手段15dは、最大相合成指令値、中間相合成指令値、最小相合成指令値の中から二つを選択し、これらを合成指令値15e,15fとして図1の比較手段12に出力する。以後の動作は図8,図9により説明した先願発明と同様である。
図4は、図1における入力フィルタ3の入力側1相(R相)分の電流、電圧のベクトル図であり、本実施形態によってマトリクスコンバータ4の入力電流指令を電源電圧よりも遅らせることにより、電源力率を1に制御した場合のものである。R相入力電流irmとコンデンサ電流ircとのベクトル和であるR相電流iはR相電圧vと同相になり、負荷の消費電力が小さくなって入力電流irmが減少した場合としても、電源力率の低下を図11の先願発明よりも抑制することができる。
なお、マトリクスコンバータ4の入力電流指令の位相、言い換えればマトリクスコンバータ4の力率は負荷の消費電力によって変化させればよく、負荷の消費電力は、例えば電動機が負荷である場合に回転速度指令値または回転速度検出値とトルク電流指令値またはトルク電流検出値を乗算して求めることができる。また、コンデンサ電流については、予め測定もしくは計算により求めればよい。
以上述べたように、本実施形態によれば、マトリクスコンバータ4等の直接変換器の入力電流指令の位相を変化させて直接変換器の力率を調整し、電源力率を向上させることで、電源電流の振幅を小さくして送電線の抵抗分による損失を減少させることが可能である。
本発明の一実施形態を示すブロック図である。 本発明の実施形態における各相電源電圧、マトリクスコンバータの入力電流指令の波形図である。 図1における整流器/インバータ合成指令発生手段の構成図である。 図1における入力フィルタの入力側1相分の電流、電圧のベクトル図である。 先願に係る制御装置の構成をマトリクスコンバータと共に示したブロック図である。 マトリクスコンバータの出力側1相分の構成図である。 AC/DC/AC直接変換器の出力側1相分の構成図である。 図5における比較手段及び最大/中間/最小順序制御手段の構成図である。 図8の動作を示す波形図である。 図5における入力フィルタの入力側1相分の等価回路図である。 図10における電流、電圧のベクトル図である。
符号の説明
1:PWM整流器
2:インバータ
3:入力フィルタ
4:マトリクスコンバータ
12:比較手段
121,122:比較器
13:台形波指令発生手段
14:キャリア発生手段
15,15A:整流器/インバータ合成指令発生手段
15a:中間値正負判別手段
15b:セレクタ
15c:最大/中間/最小合成指令値発生手段
15d:合成指令値選択手段
16:最大/中間/最小順序制御手段
161:XOR回路
162:NOT回路
21a,21b:オンオフ比抽出手段
22:中間値抽出手段
31:PWMパルス合成手段
SW,S,S,S:双方向スイッチ
1A,S1B,S2A/B,S2B/A,S3A,S3B:半導体スイッチング素子
rp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,Stn,Sup,Sun:半導体スイッチング素子

Claims (2)

  1. 双方向スイッチのオンオフにより、多相交流電圧を任意の大きさ、周波数の多相交流電圧に直接変換する交流直接変換器の制御装置であって、前記直接変換器として、PWM制御される仮想整流器及び仮想インバータの組み合わせを想定し、これらの仮想整流器及び仮想インバータの半導体スイッチング素子に対するPWMパルスを合成して前記双方向スイッチに与えるようにした制御装置において、
    電源電圧検出値と前記仮想整流器の入力電流指令と前記仮想インバータの出力電圧指令とを用いて前記仮想整流器及び仮想インバータに対する合成指令値を生成する合成指令発生手段と、
    電源電圧検出値とキャリアとを比較して得たパルスから、電源電圧の最大相、中間相、最小相に負荷をそれぞれ所定の順序で接続するためのPWMパルスを生成する順序制御手段と、
    を備え、
    前記合成指令発生手段は、
    前記入力電流指令の中間値の極性に応じて、前記仮想整流器及び仮想インバータの動作モードとして、前記仮想インバータの一相分の上アームのスイッチング素子がオンの時に前記仮想整流器の上アームの2個のスイッチング素子がスイッチングするモードである上アーム切り替え、または、前記仮想インバータの一相分の下アームのスイッチング素子がオンの時に前記仮想整流器の下アームの2個のスイッチング素子がスイッチングするモードである下アーム切り替えを選択する選択手段と、
    この選択手段の出力と電源電圧検出値と入力電流指令及び出力電圧指令とを用いて前記合成指令値を生成する手段と、
    を有することを特徴とする交流直接変換器の制御装置。
  2. 請求項1に記載した交流直接変換器の制御装置において、
    負荷の消費電力に応じて前記入力電流指令の位相を変化させる手段を備えたことを特徴とする交流直接変換器の制御装置。
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